キハ ダのふ化 に及 ぼす水温の影響*
原 田輝雄* *・宮 下 盛* *・米島久 司* *
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Ⅰ
緒 己 採取 し,船 上 で乾導 法 で人工授 精 した もの で あ る。1 年 に著 者 らによ T
キハ ダ unnsa 7
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の 人工ふ化 の実験 は,
‑'て初 めて行 われ 1て 以 来, そ
漁場 の水温 を測 定 し,媒 精 の後 卵 を海 水 で よ く洗 い, ポ リエ チ レ ン袋 に海水 と共 に入れ, それ を更 に防熱 の例 は少 な く2'3,'キハ ダ卵 のふ化 に及ぼす水温 の影, 箱 に収 容 して船 で勝 浦港 へ , そ こか ら車 で 白浜実験 響 につ い ての詳細 な報告 は 見当た らない。著 者 らは 場 へ 輸送 して実験 に供 した。
6 7 9
1 年 に熊野灘 で漁獲 した キハ ダの天 然親魚 か ら卵 を採取 し, 人工授 精 して和歌 山県 白浜町 にあ る近 畿 大学 水産研 究所 白浜実験場 へ輸送 し, そ こで種 々の 水温 によ るキハ ダ卵 のふ化 の比較 実験 を行 い,ふ 化 に適 当 な水温 範 囲 ・全 くふ化 しない水温 範 囲 ・ふ化 まで に要す る時 間の温 度 によ る相違 な どふ化 に及 ぼ す 水温 の影響 を明 らか に した。
0 実験場 に到着 した卯 か ら.浮 上卵 のみ5個 ずつ選 ん で薄 い クロ レラ海 水 30/が入 って い るパ ンラ イ ト 水槽 9個 (A‑ I)に それ ぞれ収容 し, 1個 の水槽 を 1試験 区 と した。 それ らの水槽 を, それ ぞれ100g 入 りの 大型 水槽 に浮 かべ, その大型 水槽 の水温 を低 温側 は クー リ ングユ ニ ッ トによ って冷 却 し, 高温側 は電 熱 器 で加温 して, 内部 の卵 の入 ってい る水槽 の
4 8
温 度 を1℃ か ら3℃ の 間 に 2℃ 間隔 で, 9段 階 に設
皿
実験材料 および方法 定 し, それ ぞれの水槽 のふ化 の状 態 を比較 した。 そ 実験 に用 いた卵 は, 7月 下旬 か ら8月上旬 にかけ れ には,各段 階毎 にふ化所 要時 間,ふ化完 了後 3時 て熊野 灘 に出漁 す るま き網 船 団 で,漁獲 され るキハ 間の正 常ふ化仔魚 数, 奇形 ふ化仔 魚 数 ,死亡 仔負 数, ダの 中 か ら成熟 してい る親 を選 び,卯 お よび精 液 を 死卵 お よび紛 失卵 数 を調べ ,収 容卯 数 に対 す る正 常場
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3 近畿大学農学部紀要 第 1号 ( 1980)
仔魚数 の百 分率 を算 出 して それ ぞれ を比較 した。 で あ る。 この漁場 は和歌 山県那 智勝 浦町 の 東約 10海 里 にあった が,採取 した卵 はポ リエ チ レ ン袋 に入れ,
3
u 実験結果および考察
それ を輸送 箱 に収容 して漁船 で 7月29日午前 3時40 67 9
1 年 7月下旬,著 者の 1人米畠久 司は, ま き綱
漁船 酒洋 丸船 団 に乗船 し,漁獲 され るキハ ダの成熟 7
分 に到着 し, そ こか らタクシーで白浜実験場 へ同 日 午前6時10分到着 した。到着 直後の午前6時1分の 状 態 を調査 し,熟卵 を求 めていた ところ,7月28日
夕刻,体重
5
か ら8
のキハ ダ約かれ, 午後 8時 か ら1時 までの間 に順次漁船へ と り
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0k g 0
0 水温 は2 ℃ で あった。発 生 してい る浮 上卵 を5個 500尾 が と り巻 ずつ 計数 して, 9個 の薄 い クロ レラ海水 30g入 りパ
64.
6
8
(A〜Ⅰ)に収容 し, それ らを1
℃ か℃ まで 烏 周整 した
1 0 0
g入 り大型水槽 に授 精後1 ンライ ト水槽上 げ られた がその中の約 1%が成熟 し,生殖孔 か ら 卯 が流 出す るの が認 め られた。 その時 の漁場 水温 は
0 ら34
時 間経過 した時 (92日12時) に浮 かべ て, それ ぞれ の水槽 のふ化の状 態 を比較 した。 実験 中の各 水槽 の
℃ で あった。 この中の雌 3尾 か ら卵 を しぼ り出 62.
2
して,雄 5尾 か ら得 た精液 で乾導法 で人工授 精 した。 平均水温 ,最高 および最低 水温 は T
ふ化 実験 に用 いた卵 は,午後
8
時 に 1尾 の雌 か ら得 あった。 lか らわか るよ うに, 当初 予定 した leb
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た卵 に, 1尾 の雄 か ら得 た精液 で人工授 精 した もの 2℃ 間隔 の平 均水温 が若干誤差 を生 じた ところが認
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3
め られ る。実験 に用 いた卵 と同 じ親 か ら同時 に得 た てい る仔魚 は 1尾 も得 られ なか った。 この ことか ら 卵 の直径 を29日午後 5時40分 か ら午後 6時 まで に測
7mでn
2 9
水温1℃ 付近 および水温3℃付近 にキハ ダ卵 のふ化 の限 界 があ ると考 えられ る。
5 8 09 .
‑ 5 2 9 .
定 した ところ
,0
m仇で,平均09.552
le b aあった。水温 によ るふ化比較 実験 の結 果 を T 卵収容後 ふ化 までの所 要時 間は,高温 ほ ど短 か く,
0 64.
1 g.
とFi に示 した。
これか らわか るよ うに,正 常 射 子魚 が得 られ る割 合 が最 も高 かったのは,平 均水温2 ℃ のE区の6
低温 は ど長 く,他 の魚 と同様 別 項向 が見 られた。特
64. 62.
8
8.
44. 56.
に平 均水温2 ℃ の D区 よ り高 い採卵現場 か ら白浜 実験場 までの輸送 中は,水温2 ‑2 ℃ に保 たれ, 引続 き2 ‑2 ℃ の水温 に保 たれた卵 の大 部分は
78 .
8 6% で あって, それ に次 いでF区の
2
℃ が高 く. 両 者の差 は僅 か2%で あった。 この ことか らキハ ダの 卵 のふ化 に最 も適 した水温 は2‑2℃ 付近 にあ ると0 7 9 0
媒精後3時 間内外 でふ化 したが, これは1 年 の結 果 とはぼ 一致 す る。
44 0 1. 44,
考 え られ る。 また,2 ℃ の D区 と3 ℃ のG区の 正 常仔魚 ふ化率 は いず れ もかな り高 く, %以上 で
5
以上 からキハダのふ化 に最適 を水温 範囲 は
2
付近 にあ ると推 論 され,現 在養殖 されてい るブ リ ・
℃ 8 2
‑
06.
8 . 1 ,
80.
72.
あった。ところが1 ‑2 ℃ の範 囲 に保 ち 7℃ の平 均水温 となったA区 では全 くふ化 せず,また3
カ ンパチ ・マ ダイ ・イ シダイ .イシガキ ダイ4)等の 噴海性魚 類 よ り, かな り高 く, そのふ化所 要時 間 も 19.
3 , 29.
‑3 ℃ に保 ち ℃ の平均水温 となったH区 も, 正 常ふ化仔魚 は 1尾 も得 られず,ふ化後死 亡 した仔 魚 7尾 のみで それ よ り更 に高温 の Ⅰ区で も,生存 し
短 い と考 えられ る。
1 原 田 ・宮 下・米島 :キハ ダのふ 化 に及ぼす水温 の影響 3
Ⅳ 摘 要
ダか ら採 卵 ・人工授 精 し,卵 を近畿大学 白浜実験場
本研究 に当 り,採卵 に御協 力いただいた活洋 丸船 団の諸氏 と本学 水産学科 学生,小川・石川の両氏 に 厚 くお礼 申 し上げ ます。ふ化 実験 に際 しては,本 学 水産研究 所教職 員の諸氏 および山本龍太郎氏 ほ か本
62.
町東方10海里 の漁場 (水温2 ℃ )で漁獲 したキハ
6
へ輸送 して, そ こで媒精後 1時 間 か ら種 々の水温 に 調整 した水槽 で,ふ化実験 を行 い,ふ化 の状 態 を比 較 した。
2) 最 も高 い割 合 で正常 な仔魚 が得 られたのは, 8 78. 0
64. 44. の4 %,2
平均水温 が2 ℃ の水槽 で6 %,次 いで2 ℃ の5
% で この両水槽 が他 よりはるかに高 く,次 いで3 6
年 8月28日午後 8時,熊野灘 の那智勝 浦
08. 72. 3
29. 3
) 水温 1 ‑2 ℃ に保 った水槽 お よび3
℃ に保 った水槽 では正 常 な仔魚 は, 1尾 もふ化
‑ 06.
℃ の44%とい う順 で あった。
8 5 4
しなかった。
ふ化 に最適 を温 度範囲 は2 ‑2℃付近 にあ り その温 度 では媒 糟後約2時 間半 で最初 のふ化仔魚 が
℃ 0 1.
2 8
み られ,1℃ 以下 および3℃ 以上 では正 常 をふ化仔 魚 が得難 い と考 え られ る。
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32 近畿大学農学 部紀 要
学水産研究所卒 業研究 学生 の諸氏 には 多大の御協 力 をいただ きま した。 また研究 全般 の推進 に当 っては 水産庁遠 洋 水産研究所 の諸氏 に暖 い御配慮 をいただ
きま した。上記の皆様 に厚 くお礼 申 し上げ ます。
引 用 文 献
1Llj原 田輝雄 ・水野 兼 八郎 .村 田修 ・宮下盛 ・古 谷 秀樹 :本誌,
4,1 4 5 ‑1 5 1( 1 9 7
1)第
1 3
号 (1 9 8 0 )
(2) 遠 洋 水産研究 所 :マ グロ頬養殖技術 開発試験 報 告, 6‑44 (1973)
(3) 上柳昭二 ・木川昭二 ・匹.Jll康 夫,編 集 :マ グロ 頬 の初期 飼育 お よび養殖試験 報告一 昭和
5 0 ,5 1
年度試験 結 果‑,
2 ( 1 9 7 8)
(4)原 田輝雄 ・宮 下盛 ・横 山達 雄 :本
誌
, 12,43‑49 〔1979)
(昭和