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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の2 別紙2

論文審査の結果の要旨

専攻名 システム創成工学 氏 名 田 﨑 隆 男

本論文は,工業高校の生徒を対象に,実例的なアプローチで制御工学の理解を促進 させるための教材開発,およびそれを利用した教育効果の検証を行ったものである。

近年,若い世代の理科離れやものづくりの現場に携わる人材の減少が指摘されている 中,それを改善する一つの有力な方法として,学習意欲を高めるような興味・関心を 誘発するような感動型のものづくり教育が注目されている。これについては,日本ロ ボット学会をはじめとする学術団体においても先端技術を教育に利用する試みが具体 的に検討されており,本論文はその具体例として挙げることができる。

本研究では,搭乗型倒立移動ロボットを題材として注目し,その製作体験あるいは 搭乗体験から,製作技術や,メカトロニクス・制御工学の理解を促進する教材開発を 行った。ここでは,「ARCS動機付けモデル」と呼ばれる「Atention(注意:おもしろそう)」,

「Relevance(関連:やりがいがありそう)」,「Confidence(自信:やればできそう)」そして「Satisfa ction(満足:やってよかった)」の4段階からなる教育効果検証のモデルを適用した。この モデルに基づいて,ロボットの設計・製作・制御の内容が生徒の学習動機付けにどの ように関連し,どのような効果が期待できるのかを考察し,搭乗可能な倒立移動ロボ ットの設計を行った。さらに,ロボットの製作および制御理解の教育プログラムを作 成し,実際に工業高校の授業・実習に導入し,その効果を実証した。

本論文は7章で構成されている。第1章「序論」では,体感と感動に基づくメカト ロニクス教材の開発および教育効果に関する研究の社会的背景にふれ、本研究の目的 およびその構成を示した。第2章「関連研究」では,魅力的なメカトロニクス教育の 取り組みをまとめた。そして,ARCS動機付けモデルの効果を考察した。第3章「体感 に基づく教材の開発とロボット感動教育」では,本教材の製作,実験,教育効果,評 価方法について検討し,教材開発の方法を提案した。第4章「本教材を使った教育効 果に関する実験」では,ロボットの製作実験,大学生,工業高校の生徒に対する体感 実験,制御理解,その応用に関する実験から,教材としてのロボットの教育効果を検 証した。 第5章「本教材のメカトロニクス教育に関する実験結果」では ,先の実験結 果に基づいて教育現場での実証について述べている。 第6章「考察」では,ARCS動機 付けモデルに基づく効果についての考察,さらには,教育現場での教育効果について 考察し,本ロボット教材と有用性を明確にした。第7章「結論」では本研究の成果を 総括し,結論としてまとめている。

本論文の主な研究成果は以下のとおりである。

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(1)近年の工学知見に基づいた教育法・ものづくり法を考察し ,ARCS動機付けモデ ルに注目した。そして,この概念を教育教材の設計法に適用し,搭乗型倒立移 動ロボットを設計・製作した。

(2)本ロボットを用いた動機付け効果の評価を大学生,工業高校の生徒を対象に行 った。その結果,感動語による評価から,本ロボットが高い動機付けに効果的 であることがわかった。

(3)工業高校において本移動ロボットを用いたメカトロニクス教育,制御実習等の 授業に導入した。その結果 ,従来の制御実習よりも具体的な制御法理解に高い 効果があることがわかった。

本論文については,2015年2月16日(月)工学部7号館ゼミナール室において,審査員 全員およびこの分野に関連する研究者の出席のもとに公聴会が開催され,その研究内 容の発表と質疑応答が行われた。公聴会の後,審査委員全員による学位審査委員会が 開催され,本論文の内容を詳細に検討した。その結果,本研究は,ものづくりの実践 方法,工学教育,さらにロボット技術の効果的な応用について,新たな知見を見出し た。さらに,ここで開発された搭乗型倒立移動ロボットはすでに工業高校の現場でも 利用されており,その有用さが認められた。また,本論文は工学的に価値のあるもの で,研究内容の学術レベル,独創性,実用性においても優れたものであると判断した。

よって,本論文は博士(工学)の学位論文に値するものと認める。

参照

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