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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏名:長嶺 宏作

博士の専攻分野の名称:博士(教育学)

論文題名:アメリカ連邦政府の教育政策への介入の構造的変容

-「初等中等教育法」の研究-

審査委員: (主 査) 教授 小笠原 喜康

(副 査) 教授 北野 秋男 教授 佐藤 晴雄

本論文は、米国の独立期以来の伝統であった教育における「連邦主義」の責任と権限の変容の歴史を、

主として

1965

年の「初等中等教育法」 (

ESEA

)の成立以降からオバマ政権下における

NCLB

法改正まで の初等中等教育改革までを解明したものである。米国において、連邦政府が初等中等教育に本格的に関与 するのは

1990

年代以降であり、これまでの日米の先行研究では連邦主義下における教育改革の構造を体系 的に解明することは不十分なままであった。

本論文の研究意図は、第一には「協調的連邦主義」の理念に基づく

1965

年の

ESEA

法の成立、その後 の保障教育を中心とした平等化政策、

1994

年の「学校改善法」による学力テスト政策による政策転換、ブ ッシュ・オバマ政権下における

NCLB

法による教育目標の設定と是正措置といった連邦政府の権限強化を 解明することであった。第二には、連邦政府の初等中等教育改革に対する権限強化( 「インプット・プロセ ス規制」から「アウトプット規制」 )の内実を州政府との権限関係の変容といった視点から解明することで あった。とりわけ、ケンタッキー州を事例研究として取り上げ、教育財政改革と連動させた「州教育改革 法」における「スタンダードに基づく改革」の実態を中心に、教育改革の具体的な内容を考察している。

本論文が、上記のような連邦政府と州政府の権限関係を具体的な題材として設定した理由は、日本とは 異なった分権的な制度構造を持つ米国の「連邦主義」の理念と構造を解明することを意図したものである。

本論文では、こうした連邦政府におけるガバナンスの問題を新制度論における歴史制度論を援用した斬新 なアプローチを採用し、連邦政府・州政府による教育制度改革に関する機能的な側面に注目していること、

連邦政府・州政府による教育政策・教育行財政に関する豊富な一次資料を駆使しつつ、丁寧な分析を行う 実証主義的な研究として高く評価できる。今後の研究課題としては、米国の連邦主義を連邦-州―学区の 関係(ガバナンス構造)と捉えているものの、学区との関係性の変容までは十分に構造的な解明がなされ ていないこと、州との関係性に関しても事例分析を増やすべきであると思量される。今後の研究の進展と 深化を期待したい。

以上のような今後の課題はあるものの、本論文が博士(教育学)の学位に十分に値することを認められ る。

よって本論文は,博士(教育学)の学位を授与されるに値するものと認められる。

以 上

平 成 年 月 日

(作成例③乙)

参照

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