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松 田 知 夫

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Academic year: 2021

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(1)

結核菌の各種抗結核剤に対する耐性に関する研究

第 2 編

肺結核患者のS.M.治療と耐性獲得に就て

金沢大学結核研究所細菌免疫部(主任:柿下教授)

松 田 知 夫 ZアomooM"s,McIcU

(受付昭和29年3月1日)

TomooMatsuda:‑STUDIESONTHERESISTANCEOFTUBERCLEBACILLI AGAINSTTHEVARIOUSKINDOFHEMOTHERAPEUTICAS.Part11.

RelationbetweenDevelopmentoftheStreptomycin‑resistant TubercleBacilliandStreptomycin‑treatmentProceduresagainst

PulmonalTuberculousPatients.

TheDepartmentofBacteriologyandlmmunology, ResearchlnstituteofTuberculosis,KanazawaUniversity.

(Director:ProfM・Kakishita) (ReceivedfOrPublication,March,1,1954)

結核菌を

を含む 私 は 先 に 試 験 管 内 実 験 に に よ り , 結 核 菌 を Streptomycin(以下S.M.と略記)を含む Kirchner液体培地に継代培養することにより,

容易にS.M.耐性となることを証明したが1), 臨床上肺結核患者のS・M.治療を行うに当って も比較的早期にS.M・耐性の結核菌が出現し爾 後 の 治 療 上 大 き な 障 碍 と な っ て い る こ と は 周 知

の事実である.之に対してその耐性の出現を遅 延せしむる方法として,併用療法2)3)4),又は間 歌療法5)6)7〕等が提唱されている.

私はS.M.治療中の肺結核患者30例に対し,

S.M.耐性を測定すると共にその投与方法の検 討をなし,聯か成績を得たのでここに報告す

る.

実験材料並に実験方法

金沢市民病院に入院中の肺結榎患者でS.M・治療を原液(KHgPO430g,味の素10g,蒸溜水1000cc) 行える者の内喀渓中結核菌陽性のもの30名を選び,そを200cc宛5個のコルベンに分注し,100oC15分間,

の喀渓を各種の淵妾にS.M.を含む小川氏3%培地8)に3回滅菌し,之にDihydrostreptomycinを滅菌蒸溜水 培養して,直接法により結核菌のS.M・耐性を測定しに潮解し,上記の原液に対し,0,18,60,600,6000 た . γ / c c と な る 様 に 加 え る . 次 に こ の 各 コ ル ベ ン に 2 % マ

培地の調製:S・M.を鶏卵培地に添加し,之を加熱ブヒツトグリンとグリセリンを夫々3%に含む全卵液 凝固せしめる場合に,DihydrOstreptomycinを用L,る400ccを加え充分混和して中試験管に6cc宛分注し,

と吸着並に破壊によりその効力は%に減少する9 と云85。〜88。C40分間凝固滅菌1回を行う.以上の方法で われている。そこで次の様にして培地を作成した.出来た塘地のDihydrostreptOmycinの力価は夫々0,

(2)

58

3 , 1 0 , 1 0 0 , 1 0 0 0 Y / c c で あ る . は , 菌 の 発 育 が S ・ M . を 含 ま ぬ 対 照 の 培 地 と 略 , 々 同 程 培養及び判定:早朝の喀渓に8%NaOHを等量加え度に発育せるものの内S.M・を最も高濃度に含む試験 充分均等化したものを,毛細管ピペットで,各濃度の管の濃度を以て菌の耐性度(完全耐性)を表わした.

S・M.を含む試験管に2滴宛培養した.判定に当って

実 験 成 績

S.M.を投与せる肺結核患者30名の喀疾中結即ち1,0007又はそれ以上の耐性を示すもの7 核菌のS.M・に対する耐性度とS・M.投与方法例(23.3%),1007耐性のもの7例(23.3%), は第1表に示す通りである.10γ耐性のもの4例(13.3%),37又はそれ以下

第1表S・M.治療患者の治療方法と喀疲中の結核菌のS.M・感受性

11

掴用壜

20g

580gl'1'bl4

(0.1)2,.6g!

' ' 8 1

0.M. 45画 1(

宙曼1

氏名

W.M、

室温有

入 院 前 入 院 後 の 抗 結 稜 剤 に よ る 治 療 法

一一一一一一一一■ー 申 宇 一

S・M.室洞内注入

一一

Tb,9.42gl0.M.19.2590.M.吸入I0.M.室洞内注 2 0.M.

S.M、309 PAS6ケ月

INAH1ケ月INAH12I

S・M.(0.25)269

569

1,000Y

3 K、A、

O、、y 3.5910.yの一

│PAS()z;f:msTgIS.M・(2/w)2891 │s・M・(0.5)59nPAS704gl

I 0 . M . 吸 入 S.M.(2/w)20glINAH6、09

0 . M . 吸 入

539 1,000Y

4 N、M、

S・M、20 PAS400 0.M.100

ggg

0.M.40.590.M.吸入 209

1,000Y

5 0.H、

PAS600 T b 4.5 INAH1.7

ggg T b

1 1.7

INAH6.8 gl

l

gl

S

PAS91gllNAH39、291

. M . ( 2 / w ) P A S 9 1 g l l N A H 3 9 . 2 g l 竺

359 1,000Y 6 A、M、 S.M.(0.5)43glTb,2.2910.M.84.35910.M.

IPAS2,25791

Z上 43

9 1,000γ 7 K、K、PAS2,500S・M、25

gg S・M.(2/w)40gi 0 . M . 3 6 09

659 1,000γ 8 M、K、 │S・M.(2/w)20

0 . M . 吸 入

9 209 100Y

91K.G、

I

S−−gg8010.SMASP

互国亘魑

2 I " │ = │ │

EI

.M・(0.5)3.5glPAS

│0.M.菱驚)譜鈴2篭Ⅲ肌

S・M(0.5)59IS・M.(2/w)1291

│S.M.(0.5)69

識淵繼'淵親

P A S 626輿

'1'b'

8gilNAH

( 麦 蕊 ) 壷 肺 .Ⅲ 、

蟇 二 葉

0.M.1209

昭一M一超一妬一Ⅳ

,.S・

K.T、

有一有

Y、M、

1.K.

│ゞ

H、M、

gg

0040

●﹃.︲一MS・ASP

0.M.1959

撒面寵撒豆(一週交代)篭l

sM'0.句10可1FAS955gls.M.b(0一一.5123glls.M.{2/wl8glS2M Tb,8.9輿I

.(0.5i17"IS.M.(1.0)29IIINAla133g S.M.(1.0)7gIIS.M.(2/w)一洞

一一一一一一一今一一一÷一一十一一

│0.M.25.5gllNAH11.2gllNAH18.2gIPAS240g1691 一一 IS.M.(2/w)189

INAH31.85gIPAS8609I

S.M・(1.0)69S.M.(0.5)3491 I0.M.89 IS.M・(1.0)15gIS.M.(2/w)8

− 寺 一 一 一 一 一 一 一 一 ■ − ■ ̲ = 寺 = 一 一 − − − − 1 己 一

INAH6.95gITb,6.21gl

│s・M.(Z/W)ろg

409

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

629

239

189

78.69 100γ

100γ

10Y

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

10γ

■ ■ I ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

10Y

(3)

103glO.M.206.bg

578gITb,4.77g

01 S・M.(U、b)11

I

3Y>

.●

S、T、 IPAS

註:S.M(2/w)10gは1週2g投与で総量10gの略.

s.M・(1.0)10gは毎日1g投与で総量10gの略.

のもの2例,PAS並にo‑Aminophenol(O.M.) と併用せるもの1例であった.100γ耐性の7例 では単独療法2例,PASとの併用例1例(但し S・M・の総量33g中13gは単独投与である), O.M.の粉末吸入法と併用せるものl例,入院 前の投与方法の不明のもの3例であった.107 特性のもの4例中INAH併用1例(総量23g中 7gは単独投与),PASとの併用2例,単独投与 l例であった.一方3γ以下の感受性を示した もの12例には単独投与例はなく,PAS併用例 2例(内l例はINAH併用の時期あり.),O.M.

併用例3例,入院前の投与方法の不明のもの7 例となっている.

更に以上の各例につきS.M.と同時にPAS並 にO.M・の耐性を測定したが,PASに対しては S.M.に1,000γの耐性を示したものの内に107 耐性を示したものl例米を認めたのみで他は1γ 以下であった.O.M.に対しては全例1γ以下 であって耐性菌を認めなかった.

のもの12例(40%)となっている.

第2表はS.M.の総使用量と耐性度との関係 を示すもので,之から 2検定法10〕により総使 用量により耐性の出現に差異ありや否やを推計 学的に調べた所,"2=0.1231P=0.95となり

全く有意の差は認められなかった.

第2表S.M.使用量と耐性との関係

Jgl502

6 5 7 5 3 4

18 12 耐 性 例

感 性 例

此の表は第1表より求めたものである.

次に耐性度別にそのS・M.治療方法を検討す ると,1,0007耐性例7例中S.M.単独に投与せ るもの4例(此の内他の抗結核剤との併用期間 あるも比較的長期間にわたり単独投与を行える ものも含む.),入院前のS.M.投与方法の不明

*此の菌株は患者名を取り荒永株と命名した.

19K、K、 S・M、259 0 . M . 1 2 3g一

│S・M.(2/w)2091 459 3Y

20N、H、 459

,5009INAH299 459 3Y

21Y・Y ISM.(0.5)10gITbl22.8591 0.M. 224.5質

S・M.(z/w)1uglllNA且ZZ.ごOg

I 0 . M . 吸 入 20 3Y>

22 1.H P A S 4 8S・M、299PAS304glINA且0.5glPASZ./49

S・M.(2/w)129 149 3Y

23T、M、 PAS7ケ月S・M、609

INAH33,69l0.M・789

Tb, 15.259 609 3Y>

24 Y・H S,M.(2/w)1091 S.M.(2/w)30glllNAIJ:10.49

0 . M . 1 0 2 9 1 1 0 . M . 吸 入 I U . M 、 b / ・ b g l U . M ・ 吸 入 409 3Y>

25 1.M PAS200旦処(2ノw総合鷲(一週交代)P A S zDglU.Ⅳ1.吸八

280gi 209 3Y

26M、H、 PAS2S・M・80g型塑−−聖

,000glNAH15g 809 3Y>

27A・I. IPAS88Uglu・皿 0

・zbglb.M・(U、oノOUg

M ・ 吸 入 609 3Y>

28N、H、 PAS100S・M、13gl2・M・(2/w)16g1.1.bL上l・Dg ZITJAg400g rlUmmg

PAS3509

299 3Y>

29M、H、 S.M、7591型皇型1・bg

PAS1,000gI0.M.吸入 769 3Y>

9O、 Ⅵ、12090 y

(4)

60

総 括 並 に 考 按 上記の実験成績で10γ以上のものを耐性株と

すれば1])12),耐性例は18例(60%)で感性例は 12例(40%)となり,耐性18例中7例(38.8%) が1,000γ以上の高度耐性を示し,之は八木13)等 の成績と大体一致している.

次に第2表を推計学的に検定した成績からは S.M.耐性の出現はS.M.の使用量により変る とは云えない.之に就て富士]4)は同様な実験成 績を同じ方法で検定しS・M.使用量の増加に伴 い耐性菌の出現が増加すると云っている.然し この場合は同一の投与方法を行ったもののみよ り得た成績であり,私の場合は種々の投与方法 のものが混合しているので此の様な結果の相異 は当然起り得ることである.即ち,耐性菌の出 現にはS.M.の投与方法が強く影響すると云え

る.

そこでS.M.の投与方法と耐性との関係を見 ると,私の成績では例数が少い上に,入院前の 投与方法に明確を欠くものが相当あるので決定 的なことは云えないが,投与方法の明確なもの のみについて述べると前述の通りであるが,之 を更に投与方法別に比較して見ると(第3表),

単独投与例7例中1,000γ耐性のもの4例,1007 耐性のもの2例,107耐性のもの1例で感受性 菌は認められなかった.然し,PASとの併用療

第3表S.M.投与方法と耐性度の関係

DOOYl100Yl10

4︐﹈0些脈M如露POS牢f0111411井墹寮

皿 1 凸

*数字は例数を表わす.

法を行つたもの6例については1,0007耐性のも のは見られず1007耐性のもの1例,10γ耐性の もの2例,3γ以下のもの2例であり,O.M.を 併用せるものでも4例中1例のみ100γ耐性で他 は3γ以下であった.又PASとO.M・で併用療 法を行った1例に1,000γ耐性を示したものがあ った.INAHと併用せるものはl例のみで之は 107耐性であった.

以上で明かな如く,PAS併用例で耐性を示 したものはS.M.単独投与例よりはるかに少か つたのは多くの人が強調している処と一致す る.又O.M.併用例についても高度耐性例を認 めなかったことは,O.M・も又結核菌のS・M.

耐性獲得防止上相当有効な様に思われる.

同間

1007耐性のもの7例(23.3%),10γ耐性のもの 4例(13.3%)であった.

2)S.M.耐性出現の関係は,S.M.とPAS 或は0.M.との併用例の方がS.M・単独投与例 に比し耐性獲得を遅延させる様である.

S.M.治療を行った肺結核患者30例につき,

その喀疾中の結核菌のS・M.耐性を測定し次の 成績を得た.

1)全例中耐性を示したものは18例(60%)

で,その内1,000r耐性のもの7例(23.3%),

SuInmary

Streptomycin‑resistanceexaminationofotherantituberculosisagents,suchasPAS tuberclebacilliwascarriedoutupontheando‑Aminophenol,anditwasfoundthat sputaof30pulmonaltuberculouspatients inl8cases,or60%,thebacilliofthe whohadbeeneithertreatedwithstrepto‑sputawerefoundtoberesistantto mycinaloneorwithstreptomycinplusstreptomycin:in7ofthel8cases,the

(5)

vantageoverthetreatmentwithstrepto‑

mycinaloneineffbctinglesserdegreeof thedevelopmentofstreptomycin‑resistant tuberclebacilli.

bacilliwereprovedtoberesistantto 1,0007/mlstreptomycin,andin7tolOO 7/mlandinremind4tolO7/ml.

Further,thepresentworkhasshown thatthecombinationtherapyhasanad‑

1)松田知夫:金沢大学結核研究所年報,10(下),

61,1952.2)Dunner,E.,etal.:Diseasesof Chest.,16(6),661,1949.3)Tempel:Am.

Rev.ofTuber.,62,101,1950.4)Lewis:

Diseasesofchest.,19,566,1950.5)Bogen, E、:DiseasesofChest.,16(6),176,1949.6) james,L.A.etalbAm・Rev・ofTuber.,63.275,

Tuber.,63295,1951.8)小川辰次:結核菌 検索の基礎と応用,保健同人社.9)小川政敏:

日本臨床結核,11(9),563,1952.10)崎野 滋樹:統計解析,医学書院.11)Howiett,etal.:

Am,Rev.ofTuber.,56,529,1947.12)砂原 茂一:日本医師会雑誌,30(3),124,1953.

13)八木忠男:医療,5(8),31,1951.14)

富士山:日本臨床結核,12(9),648,1953.

7)TemPel,C.w・etal.:Am.Rev・of 1951.

参照

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