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専 攻 名 システム工学 専 攻 氏 名

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Academic year: 2021

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(様式6号)「課程博士用」

学 位 論 文 の 要 旨

専 攻 名 システム工学 専 攻 氏 名

水谷

みずたに

直人

な お と

学位論文題目

ドライブロボットを用いた自動運転制御システムに関する研究

(Automatic driving vehicle control system using a robotic driver)

現在,自動車の開発段階において耐久性能や燃費性能などの自動車の性能を評価する性能評価試 験が行われている.性能評価試験は,屋内で実路面での走行を模擬したシャシダイナモメータ上を 国土交通省から指定された目標車速波形に沿って走行することによって行われる.目標車速波形に は,正確に追従することは困難であるため,許容誤差が設定されている.車両の性能を公平に評価 するためには,車両の性能を引き出す運転が必要となり,目標車速波形に対する高い追従性能も要 求される.そのため,人の運転では達成できない精度を実現することが期待できるロボットによる 運転が行われている.性能評価試験において使用されるロボットは,ドライブロボットと呼ばれ,

アクチュエータによってアクセルペダルやブレーキペダルを操作することによって自動車を運転す る.

ドライブロボットの制御系には,PID 制御などのフィードバック制御が適用されているが,自動 車はペダルを操作してから車速が変化するまでに時間の遅れが存在するため,むだ時間を含む制御 対象となる.むだ時間を含む制御対象に対して

PID

制御などのフィードバック制御のみの制御系で は,制御性能を向上させるには限界がある.そこで,駆動力マップを基にしたフィードフォワード 制御系と車速偏差に対する

PID

制御によるフィードバック制御系の

2

自由度制御系も適用されてい る.駆動力マップは,事前に一定のアクセル開度を入力とした時に出力される車速と駆動力を記録 することによって作成される.駆動力マップの精度が,自動運転の制御性能を決定する.しかしな がら,駆動力マップには車両の動特性が考慮されておらず,精度のよいマップを作成するためには,

駆動力特性の収録にも時間がかかる.

本研究では,数式モデルに基づくモデルベース制御系を設計し,ドライブロボットに適用した.

自動車はペダルの操作量に合わせてエンジン回転数が変化し,エンジンからギアを通して車速に変 換する構造であり,エンジン回転数や車速に合わせてギアも変速する.そのため,ペダルの操作量 に対する車両特性は一定ではなく非線形に変動する.また,自動車の物理モデルの構築は,未知パ ラメータが多いため難しく,正確なモデルを構築することは困難であった.そこで,正確な物理モ デルを構築するのではなく,制御に必要な車両の特性のみを近似モデルとして数式化し,数式モデ ルに基づく制御系の設計を行った.

まず,車両の動特性を考慮した目標車速波形を導出し,フィードフォワード制御系を設計するこ とで車両の性能を引き出し,目標車速波形に対する高い追従性能を実現した.車両の特性を考慮し た評価関数を設定し,最急降下法によって評価関数を最小とする加速度を求め,目標車速波形を導 出した.

続紙 有☑ 無□

(2)

(様式6号-続紙) 「課程博士用」

氏 名

水谷

みずたに

直人

な お と

さらに,アクセル開度と仕事率の関係性から新しいドライバモデルを提案し,フィードバック制 御系の設計を行った.構築したドライブモデルには,むだ時間が含まれているため,むだ時間を含 んだ制御対象に対して有効であると言われている内部モデル制御を基に制御系の設計を行った.従 来の内部モデル制御では,大きなモデル化誤差をもつモデルに対して,高い制御性能を発揮するこ とができないため,新たに外乱振動低減フィルタと位相進み補償を加えることで車両特性の変動を 考慮した内部モデル制御に基づく制御システム設計法を提案した.提案手法の評価として,実際の ドライブロボットに本提案制御系を実装し,自動車走行試験を行うことにより本提案システムの有 効性を示した.

フィードフォワード制御系の実験結果から,車両の動特性を考慮することで決められた条件下で

車両の性能を引き出す運転を可能とした.さらに,提案したフィードバック制御系は,むだ時間を

含み,かつモデル化誤差が大きい制御対象に対して,目標の制御性能を実現することが可能である

ことが確認できた.また,車両には,

MT

AT,CVT

など様々なトランスミッションが使用されて

おり,自動運転においてはそれぞれに対して追従性能の向上を実現する必要がある.そこで本研究

では,AT 車,MT 車,CVT 車に対して,フィードフォワード制御系とフィードバック制御系の

2

自由度制御系を適用し,有効性を示すことができた.そのため,提案制御系は複数の車種への適用

も可能であり,近年注目が高まっている自動運転技術の発展に生かされることが期待される.

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