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山   口   林   之   助

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(1)

瀆職罪 (西独)

類型

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︵茜︶(二 ワ)

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︵西独︶

山 口 林 之 助

︵昭和三七年一月三一旦受理︶

過大な手数料等の取立︵第三五二条︶

過大な祖程等の取立︵第三五三条︶

外交上の不服従および虚偽報告︑アルニム条項

職務上の黙秘義務違反︵第三五三条b︶

官の書類の通知︵第三五三条C︶

郵便公務員による信書開封︵第三五四条︶

電信および電話の秘密の侵害︵第三五五条︶

当事者に対する背信行為︵第三五六条︶

上官等の誘導・黙過︵第三五七条︶

公職就任資格の喪失︵第三五八条︶

官吏の観念︵第三五九条︶ ︵第三五三条a︶

類型︵天︶過大な手数料等の取立︵第三五二条︶

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 一 本条は︑過大な手数料の取立を規定する︒構成要件は︑固有的漬

職罪を問題とする︒

 二 行為者たり得るのは︑職務上の行為につき︑自己の利益に︑手数

料その他の報酬を取り立てることを要する公務員︑弁護士︑またはその

他の法律補助人︵園①︒算ωσ巴ω雷巳①訳語は現代外国法典叢書一〇によっ

た︶である︒ e 公務員としてこ︑で問題になるのは︑公証人︑執達吏︑公職にあ

る獣医︒その他には︑法律補助人の職を占める者のみが︑法律補助人として問題になる︒一九三五年=一月=二日の︑助言濫用防止法に基づい

て認められた法律補助人︑および訴訟代理人︵姻♂NN勺○︶には本条の

適用を見ない︒︵1︶

 口 職務上の行為とは︑公務員︑弁護士︑または法律補助人が︑その

職務上の地位によって行なう行為である︒

 ⇔ 行為者は︑手数料もしくはその他の報酬を自巳の利益に取り立て

る権限を有することが必要︒取り立てられた給付が︑行為者に間接に流

れれば十分︒︵2︶行為者が︑手数料を公の金庫のために取り立てる権利

を有するのみならば︑第三五三条が顧慮される︒

 三 行為は手数料または報酬の取立であって︑支払者が支払義務を負

っておらず︑またはより少ない額においてのみ負っていることを取立者

が知っているばあいである︒

 e 報酬とは︑職務の執行に対し支払われるべき代償と解すべきであ

る︒民法第一八三六条による後見人の報酬はこれに属さない︒︵3︶手数

料とは︑その額に従って︑前以って法律または命令により確立された報

酬である︒その填補を行為者が要求することを要する立替金は︑それが

実際に生じた出費の額を顧慮することなく︑定価表通りに確定されると

きにのみ報酬である︒その他の立替金は︵たとえば郵税の立替︶報酬に

入らない︒︵4︶

(2)

 口 報酬の取立とは︑請求と領収以外の何ものも意撮しない︒請求が

訴および強制執行によって促進されるか否かは重要でない︒︵5︶

 報酬はまた︑弁護士が︑その委任者に支払うべき金額の中から︑要求額を差し引くことによって︑︵6︶もしくは︑立替金等に対して清算する

ことに︵7︶よってもまた取り立てられる︒救貧弁護士として当事者に付

せられた弁護士が︑報酬を︑適法に要求し得るものであるかの如く当事

者を錯誤に陥れ︑支払わせるときは︑手数料を取るものである︒︵8︶

 行為者が︑いわゆる債務者に対し︑自計の権利を主張することを要す

る︒弁護士が︑相手方に高すぎる手数料を要求するのは︑か︑る要件を

欠くものである︒︵9︶

 四 内部的構成要件として故意が必要︒未必の故意では不十分︒︵10︶

行為者には︑支払義務のない過大な手数料を取られることの認識あるこ

とを要する︒財産的利益を得ようとする目的︑もしくは︑欺岡の目的あ

ることを要しない︒︵11︶

 五 支払義務なき手数料の支払請求中に︑既に可罰的未遂が存在す

る︒︵12︶

 六 国家に危害を加える目的を有するばあいの刑罰加重については︑

第九四条参照︒付加刑については︑第三五八条参照︒

 七 手数料の取立にさらに四周行為が加わるときにのみ︑例外的に詐

欺との観念的競合が存在する︒通常︑第三五二条は特別規定として第二

六三条に優先する︒︵13︶これに反し︑O①ユρ巳Q︒●ω霧は︑詐欺とは常に

観念的競合が可能であるとする︒

 八 処分は︑罰金または一年以下の軽懲役︒未遂も罪となる︒

 九 一九二七年強には︑相応規定を欠く︒詐欺を理由とする科刑を以

って十分であると見るに由る︵理由書第七七頁︶︒

類型︵充︶過大な租税等の取立︵第三五条三︶

続濱職罪  田コじd$ヨ♂Φお芝9︒冨同番Φ器目pΩ①σ的訂窪︒α巽9昌◎①お︾σσQ甲

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 一 本条は二つの構成要件を総括する︒すなわち︑公課の過大な取立

︵第一項︶と給付受領者に対する職務上の減額︵第二項︶がそれであ

る︒両者共に固有的漬職罪である︒

 二 公課の過大な取立が第三五二条と区別されるのは︑本条において

は︑租税等が公庫のために取り立てられるのに反し︑第三五二条におい

ては︑取り立てる公務員個人に流れる手数料が問題になる事実である︒

 e 行為者たり得るのは︑公課を公の金庫のために取り立てることを

要する公務員のみである︒公務員が︑当該金庫に関し︑か︑る権限を︑

何らかの方向に従って有することを以って足りる︒彼の権限が︑要求さ

れた公課の取立に直接関係あることを要しない︒︵14︶公の金庫とは︑各

邦︑公の社団︑公の営造物の金庫すべてである︒

 口 公課とは︑公の金庫に対する︑公法的性格を有する一切の財産法

上の給付と解すべきである︒租税と手数料は︑前者が支払義務者に反対

給付なしに課せられるのに反し︑後者においては︑反対給付が与えられ

る点において区別される︒︵15︶手数料の公法的性格は︑その額の確定に

対して︑たんに営業上の原則のみならず︑政治的および経済的原則が基

五一

(3)

続 漬職罪

準となる事実から明らかである︒︵16︶それゆえに︑手数料に数えられる

ものは︑連邦鉄道の運賃︑︵17︶鉄道切符の価格︑︵18︶鉄道貨物運賃︑︵19︶

郵税︒︵20︶

 ㊨ 当罰行為は︑二つの行為から成る︒

 ︵a︶ 支払者が支払義務を有せず︑または︑より少ない額で支払義務

を負っていることを行為者が知っている公課の取立あることが必要︒行

為者が︑公課の前払または賦払を要求受領するときもまた︑公課の取立

である︒︵21︶このメルクマールは︑支払者が︑公務員から要求された金

額の支払義務を負っていないが︑紛糾または不利益を避けるため︑もし

くは︑支払催告についてのその他の顧慮から服するものであることを知

っているときにも存在する︒︵22︶

 ︵b︶次に︑違法に取得された金額の全部もしくは一部が公庫に納れ

られないことが必要︒不足額を隠すために︑到着を秘して金庫の中にな

がく置かれてあるばあいも︑︵23︶さらに︑秘かに再び隔離︵24︶すること

ができるように︑ 一時的に︑そして記帳することなく金庫に納められる

ばあいも同様である︒

 三 給付受領者に対する職務上の削減︵第二項︶

 e 行為者たり得るのは︑自ら交付または︑支払を為す公務員に限

る︒︵25︶

 ⇔ 行為は二つの部分から成る︒

 ︵a︶公務員が︑金銭または物品の受領者に対し違法かつ故意に削減

を為すことが︑その一部を成す︒給付の完全な不作為は︑か︑る削減と

同一視されるべきである︒︵26︶この第一の行為は︑受領者の人格に向け

られる︒︵27︶

 ︵b︶官庁のために完全給付を為すべき公務員が︑一部給付しかしないのに︑全部給付を記入することによって成立するのが第二の行為部分

である︒この第二の行為は︑公務員がそのために支払を為した国家また 五二

は官庁に向けられる︒︵28︶

 四 内部的構成要件には故意を必要とする︒未必の故意では不十分︒

 五 国家に危害を及ぼす目的あるばあいの加重刑については第九四条

参照︒付加刑については第三五八条参照︒

 六 第三五〇条との間には観念的競合または実質的競合が問題とな

る︒︵29︶公課の過大な取立︵第一項︶にさらに詐欺が加わるときは︑た

だ例外的に︑詐欺との観念的競合が可能︒第一項は特別規定として第二

六三条に優先する︒︵30︶

 七 処分は︑三ヵ月を下らない軽懲役︒

 八 一九二七年案は︑構成要件を異なる方向へ変えている︒

類型︵二〇︶外交上の不服従および虚偽報告︑

アルニム条項︵第三五三条a︶

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本条は一八七六年二月二十六日の法律により挿入︑国︒⇔葺︒昌蜀$σQ①ω①訂2H●二

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によって廃止︑一九五一年八月三〇日の法律により再び挿秀

 一 本条は︑外交上の抗命︑および外交上の虚偽報告を規定する︒本

条採用の動機は︑当時の.ハリー独逸大使︾讐一8伯爵に対する刑事訴訟

において為された体験であった︒ゆえに︑本条はアルニム条項と指称さ

(4)

れる︒ 二 構成要件は︑不作為によってもまた実現される︒外交上の虚偽の報告においては︑常に事実が問題になり︑判断︑見解︑意見の真実に反

する表示は捕捉されない︒

 三 行為者たり得るのは︑外国政府︑国家協同体︑または国際間の組

識に対し︑連邦共和国を代表する公務員および非公務員である︒

 四 内部的構成要件として︑職務上抗命にあっては︑故意を以って必

要にして十分とし︑外交上虚偽報告にあっては︑さらに錆誤に射しいれ

る目的の存在を必要とする︒それは意思を決定する結果の表象であると

解すべきである︒

付加刑については︑第三五八条参照︒

行為は︑連邦政府の授権によってのみ訴追される︒

処分は︑軽懲役︒

 類型︵三︶職務上の黙秘義務違反︵第三五三条b︶

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 本条は一九三六年七月一日の法律により挿入・︒適用に制限なし︵○いO冒飴琴げ︒β ﹈田国ωげ●Pω●ω伊○︒一しdO缶㏄叶・ω ωお︶ 一 本条は︑公務員の黙秘義務違反を規定する︒構成要件は︑固有的

漬職罪を示す︒

 納税の秘密義務違反については︑菊①皆げ︒︒騨σσQ9σ①POa口昌昌αQ第二二条︑

第四一ご条参照︒

 二 行為者たり得るのは︑第一に︑第三五九条の意味における公務員

︵第一項︶︑次に︑官庁に勤務し︑そしてか︑る資格において︑職務上

の黙秘義務が関連する事実を認識する者である︵第二項︶︒か︑る第二

の種類の行為者に属する者に先ず第一に︑手打によって勤務義務の誠実

な履行を義務づけられている官庁勤務者である︒︵31︶さらに︑長期の勤

務関係に立つことなく︑ 一時的に特別笏委任に基づいて︑官庁の為に働

く者もまたこの第二の行為者群に属する︒これらの者は︑特に黙秘義務

を有するときは︑官庁勤務者と同様に取り扱われる︒このような義務づ

けに対しては︑官庁勤務者の一般的忠実義務と異なり︑何ら特別の形式

を必要としない︒ある事柄について沈黙を守らねばならぬという単純な

通知によって行なうことができる︒黙秘の義務づけは︑行為終了後もな

お行なわれ得る︒︵32︶

 三 行為は︑行為者が職務執行に当り委任され︑または近づき得た秘

      五三

(5)

続漕職罪

密の権限なき開示である︒

 日 秘密事項とは︑それの秘密保持が︑法律または服務規律によって

規定され︑もしくはその性質上巴請される事件である︒事件に関する知

識が封鎖された範囲の者を越えない種類のものは秘密的なものである︒

︵33︶監督下の試験答案の課題の原器もまた︑本条の意味における秘密に

属する︒︵34︶

 口 公務員が︑その職務関係︑および与えられた信任により︑秘密に

近づく事実上の可能性を有するときは︑当該公務員は職務執行に当り︑

右秘密に近づき得るものと解される︒︵35︶本属長官の命令により︑ある

いはまたたんに職務執行の通常の適法な過程において︑故意におよび意

識的に︑行為者に知らされる秘密は︑打明けられたものである︒︵36︶

 日 秘密が人に知らされるときは︑常に開示をされたものである︒そ

の者が件の秘密を知っているか否かは問題でない︒開示が特別の権限な

くして行なわれるときは︑それはいわゆる権限なき開示︒権限は︑たとえば︑法条により︵告知義務︶︑または︑長官の授権により生ずる︒正

当な利益の認識は︑原則として︑秘密を伝達する権限を与えるものでは

ない︒ 四 開示によって重大な公の利益が危険に曝されることを要する︒た

んに個人の利益のために秘密が保持されねばならない事件の開示が問題

になるばあいにも︑そのような危険が生じ得る︒公務員の一人が信頼し

難いものであると実証されるとき︑官庁の名声が危くされる事情もまた

要件を充たす︒︵37︶

 五 内部的構成要件として︑秘密の開示は︑故意に出なければならな

いということが顧慮されるべきである︒未必の故意で足りる︒過失によ

る開示は刑事上罪とならない︒これに反し︑重大な公の利益の危険に関

しては︑故意︑または過失でも十分︒過失には軽い刑罰が予告される︒

 六 第九四条︑および第三五八条参照︒

五四

 七 第三〇〇条とは観念的競合が可能︒︵38︶

 八 本条の行為の訴追は︑刑事訴追開始の際における︑行為者の上級

官庁の同意を以ってのみ行なわれる︵第四項第一段︶︑権限を有するの

は行為者の直近上級官庁である︒︵39︶公務員および官庁勤務者以外の訴

追には︑連邦司法部長官の指令がなければ開始されない︒

 九 処分は軽懲役︒特に重い場合は十年以下の重懲役︒犯人が公の利

益を危くさせることを︑過失により予期しなかったときは︑二年以下の

軽懲役または罰金︒

 未遂を罰する︒

類型︵一三︶官の書類の通知︵第三五三条︒︶

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(6)

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 本条は一九三六年七月二日の法律によって挿入︑広く適用される︵しdO鵠QQ竺ω

 ωお︶ 一 本条は秘密書類の開示を罰する︒本条の構成要件は︑濱職罪に関

するものではない︒けだし行為者は︑公務員であることも︑官庁勤務者

であることも要しないから︒体系上︑本構成要件は秩序を犯す罪に属す

る︒

 スイス刑法典第二九三条が本条に相当する︒︵40︶

 スイス刑法典ならびに独逸刑法典は︑制限的留保︵秘密たることの指

示︶によって︑ ﹁社会の告知請求を認め︑そしてその制限を厳密に規定

された要件に結合させる﹂︒︵41︶

 二 秘密書類の通知︵第一項︶

 e 公務員でない者︑その他の官庁勤務者でない者もすべて行為者だ

り得る︒ 口 行為は︑何人かが︑秘密として指示された職務上の書類の本質的

内容の全部または一部を権限なくして︑他人に通知することである︒官

庁または公務員から発せられ︑職務上の品質において書かれ︑職務上の

目的に供せられる書類は職務上のものである︒秘密の指示は︑書類自体の上に存在することを要しない︒たとえば︑書類のこのような性格が口

頭で指示されれば足りる︒行為者がいかなる方法で秘密書類の内容を知

るかは重要でない︒通知は︑行為者が書類そのものを次へ渡すか︑また

はその原文もしくは本質的内容の全部または一部を口頭で知らせるかの

方法で行なわれる︒

 ㊨ 通知によって︑里要な公の利益が危険に曝をされることを要す

る︒第三五三条b註解四参照︒

 四 内部的構成要件に関しては第三五三条註解五の説明が適用され

る︒行為者は︑通知が秘密︐の指示が与えられた職務上の書類の内容に関続漬職罪

することを知らねばならない︒

 三 秘密の権限なき伝達 の 構成要件は︑職務上のものとして︑もしくは秘密に属するものとして表示された書類に収められず︑そしてその秘密の保持が︑公務員の権限ある地位から特別に義務づけられている口頭による通知に関する︒何人かが︑官庁の企図を予備的に教えられるような場合が問題になる︒たとえば請負人の如きである︒義務の賦課は︑通知の到達後に為されることを得る︒ 公開禁止の下で行なわれる裁判所の弁論に関する一八八八年四月五日の法律第二条および第三条は︑か︑る秘密漏泄に対する特別の刑罰規定を含む︒ ◎ 通知の権限なき伝達により重要な公の利益が危険に曝されることを要する︒ 日 何人でも行為者たり得る︒しかし︑主務官庁より秘密保持の義務を課せられていることを要する︒黙秘義務違反の通知を受けた相手方は︑通知を受ける際に︑秘密保持の義務者から︑黙秘を命ぜられた場合

にも︑本条を適用されることはない︒︵43︶

 四 内部的構成要件には︑第三五三条b註解五参照︒

 四 第九四条︑第三五八条参照︒

 五 処分は軽懲役︒特に重い場合は十年以下の重懲役︒犯人が公の利益を危くさせることを過失により予期しなかったときは︑二年以下の軽

懲役または罰金︒  未遂を罰する︒

類型︵一三︶郵便公務員による信書開封︵第三五四条︶

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五五

(7)

続 漬職罪

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 一 本条は︑郵便秘密の侵害︑就中信書の抑制によって犯されるもの

を規定する︒本条の目的は︑郵便交通の安全と信頼を保護し︑︵44︶さら

に︑郵便公務員に対し︑信書および郵便の秘密を確保せんとするにあ

る︒職務上の運送のために︑郵便に引渡されたすべての物が保護される

べきである︒︵45︶

 犯罪が抑制で行なわれるときは︑通常︑固有的漬職罪に関する︒抑制

の構成要件にあっては︑同時に︑第二七四条の構成要件が充足されると

きは︑非固有的弓職罪が存在し得る︒その他︑第二九九の要件を充たす

限り非固有的漬職罪が存在する︒︵46︶

 二 行為の客体は︑職務上の運輸のために郵便に委託された一切のも

のである︒

 e 小包でない一切の郵便物を︑本条の意味における信書と見徹す見

触に対し︑︵47︶通説によれば︑信書には︑人から人への通知の存在が必

要であるから︑新聞は︑帯封で送られても信書に数えられず︑本条によ

り捕捉されないものと解される︒︵48︶しかし︑通説もまた以下のものは

信書とみなす︒たとえば︑郵便為替︑振替口座加入者が基本預金払込に

用いる用紙︑︵49︶振替郵便為替︑︵50︶小包郵便物付票︑先払郵便為替︑

送達前の先払証書の受取人クーポγ︒︵51︶

 ◎ 信書または小包は︑制規の方法で郵便交通に達したときは︑郵便

に委託されたことになる︒送付物が郵便局に着くことは必要でなく︑信

書の投函を以って足りる︒︵52︶郵便公務員が︑遅滞したラジオ聴取料債

務者に宛てて送付した信書もまた郵便に委託されたものである︒︵53︶さ

らに︑嫌疑のある公務員の正体をあばくため郵便に託された信書︵いわ 五六

ゆる罠信書︶もまた委託されたものである︒︵54︶

 三 行為は︑開封︑抑制︑または第三者のかかる行為に対する援助で

ある︒ O 開封とは︑郵便物の封蝋を無効ならしめることを意味する︒

 口 郵便物が︑一時的にもせよ︑合秩序的郵便交通から奪われるのが

抑制である︒︵55︶純粋に内部的服務の性質を有する郵便事務規則に対す

る副次的違反は抑制ではない︒︵56︶郵便公務員が郵便物を自ら受け取

り︑それを自己の名儀に書き替えることなく発送するときは︑抑制は存

在しない︒︵57︶小包の内容の一部が抜かれるときにも抑制はない︒︵58︶

同様に︑郵便公務員は︑先払金額の支払なくして引渡す郵便物を抑制す

るものではない︒︵59︶

 日 行為はさらに︑開封または抑制の許可︑もしくは︑それの援助に

より成立する︒許可は明示的に︑または黙示的に生ずる︒開封者または

抑制者が︑自身郵便公務員でないときは︑場合により︑第=二一二条︑第

二四二条︑第二四六条︑第二七四条︑第二九九条︑第三〇三条により処

刑される︒

 郵便公務員は︑彼の側に第三五四条の意味における許可と援助とがあ

る限り︑たんに第三五四条によって蒸せられる可きである︒︵60︶

 四 行為者たり得るのは︑郵便公務員のみである︒公務員が︑勤務上

かかる郵便物に携ることを要しない︒︵61︶しかし︑清掃作業に従事する

郵便熟練工は郵便公務員ではない︒︵62︶

 五 開封等が︑法律または法律に基づく命令により許される場合は違

法性を欠く︒かかる場合は︑一九二九年一月三〇日の郵便法第三七条︑

第四八条︑︵63︶さらに︑破産法第=二条︑刑訴法第九九条が顧慮され

る︒ 郵便に託された︑公務員の近づき得る信書が︑彼を侮辱する通知を包

含する場合︑受領の根拠ある動機を有する当該公務員は︑正当防衛の見

(8)

地から︑信書開披の権限を有するにはいたらない︒︵64︶

 六 内部的構成要件には故意を要する︒︵65︶未必の故意で足りる︒

図ΩQ︒けαω 一ω一によれば︑行為者は︑公務員たる性質を認識することを

要しない︒公務員たる性質を基礎づける事実の認識を以って足りると解

せられる︒

 七 第九四条︑第三五八条参照

 八 第二四六条︑第二四二条︑第二四三条︑就中第三五〇条とは観念的

競合をなす︒︵66︶さらに第三四条第二項とは同様な競合関係が顧慮され

る︒︵67︶第一三三条第一項および第二項とは法条競合が成立する︒︵68︶

第二九九条とは観念的競合が全くは排除されない︒

 九 処分は三ヵ月を下らない軽懲役︒

 一〇 一九二七年案は︑第三五四条︑第三五五条を総括し︑そして著

しく拡大しようとする︒郵便業務または公の電信局に勤務する職務担架

者はすべて行為者たり得る︒郵便︑電信設備を利用して通知をするため

に郵便に託された一切の郵便物が行為の客体となり得る︒一案は︑郵便

物の開封または抑制のみならず︑伝達のために郵便に託されたものの内

容の︑その他の調査に対してもすべて刑罰を科する︒ ︵第一四二条︶

類型︵二四︶電信および電話の秘密の侵害︵第三五五条︶

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 一本条は︑電信の秘密の侵害を規定する︒第二九九条が︑封絨された

信書に適用される限り︑非固有的濱職罪が存在する︒その他のすべての

場合には︑第三五五条の固有的趣意罪が問題になる︒︵69︶

 二行為の客体は︑公共の電信施設︵70︶に託された電報である︒電報は

有線一無線による通信である︒右の概念は︑像形および符号を含む︒︵71︶

公共の目的に役立つ電信施設によって送付される通信は電報と同視され

る︵第二項︶︒

 三 行為は︑電報内容の変造︑開封︑抑制︑さらに第三者への違法な

通知︑ならびに︑それらの行為の許可もしくは援助である︒

 電報の内容に属するのは︑たんに︑通知の思想的内容のみならず︑通

知の一層詳細な規定に役立つもの︑他の同種のものに対する区別に役立

つすべてのものである︒したがって︑差出人︑受取人︑場所︑時︑およ

び期間が同時に電報の内容を成す︒しかも︑このような状況が︑通信関

与者によって︑文書により報告されたか口頭によって為されたかは問題

でない︒︵72︶

 四 犯人たり得るのは︑いやしくも郵便公務員たる者︑さらに︑公共

の目的に役立つ施設の監督または取扱を︑権限ある側から委託きれた者

である︒︵73︶これらの者が︑公務員であることは必要でない︒犯人が︑

勤務上︑電報・通信に携っていたことを要しない︒︵74︶

 五 違法性の阻却については︑第三五四条註解五参照︒

 六 第九四条︑第三五条参照︒

 七 第二六七条︑および第二七四条とは観念的競合が可能︒︵75︶

五七

(9)

続 漬職罪

八 処方は軽懲役︒

九 一九二七僻案については︑ 第三五四条註解九参照︒

類型︵二五︶当事者に対する背信行為︵第三五六条︶

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 一 本条は当事者に対する背信行為を規定する︒弁護士の℃贔く子壷甘薯8またはdロヰ①器とも呼ばれる︒本条の基礎をなすのは︑弁護士お

よび訴訟補佐人︵法律補助人︶が︑その奉仕すべき司法を違法な態度に

より侵害するという思想である︒根本思想は︑ ﹁委任契約に基づく弁護

士の誠実義務違反﹂である︒︵76︶法律が本条を漬職罪の下に配列したの

は︑刑法典成立の当時独逸国の大部分において︑弁護士が国家から任命

された公務員であったからである︒しかし︑今日︑かかる体系的分類は

廃止された︒ゆえに本条の位置からは︑問題となる行為者の範囲︵下記

二︶にとって︑もはや何らの結論も引き出せない︒

 二 行為者たり得るのは︑職務上の資格によって事件を託された弁護

士︑もしくはその他の訴訟補佐人である︒国法上の意味における公務員

は原則として︑行為者として顧慮されない︒︵77︶

 e 訴訟補佐人とは︑国家により承認された方法により︑職業上訴訟

補佐を為し︑もしくは一般的法条により︑または個汝の場合に許可によ

り︑裁判所に現れる者をいう︒訴訟補佐人は同時に︑公職担架者である 五八

ことを要しない︒︵78︶国・を︒蕨9ρ○ω.Nωによれば︑公に認められた制

度に属することによって︑司法に自主的に協力せねばならないすべての

者が犯人たり得る︒訴訟補佐人に属するのは︑たとえば︑司法行政によ

って許された訴訟代理人︑一九三五年=一月一三日の助言濫用防止法に

より許された法律補助人︑刑訴法第一四条により被疑者のために弁護人

として任命された︑もしくは民訴法第一六条により救貧弁護人として当

事者に付せられた司法官および法律学者︑労働裁判所法第一一六により

許された訴訟代理人︑弁護士試補︒上記の見解に対し︑公職担架者とし

て公務員と同視される者のみが犯人たり得るとする異説がある︒この見

解によれば︑就中︑訴訟代理人および助言濫用防止法により許された訴

訟補佐人は︑本条の意味における訴訟補佐人に数えられない︒︵79︶

 口 助言またはその他の援助により︑依頼者の利益保護の為に︑依頼

者の見解における事情の陳述のみが事項の委託に属する︒秘密の通知も

訴の委託もこれに属さない︒︵80︶訴訟事件が両当事者の弁護士に委託さ

れることも必要でなく︑そのことが一当事者によって行なわれれば足り

る︒︵81︶行為者に対し︑その弁護士または訴訟補佐人としての資格を顧

慮して通知がなされた場合は︑職務上の資格により事項が委託されたこ

とになる︒以前に弁護士であったという理由のみでなされた通知は︑も

はや意味がない︒︵82︶

 三 行為は︑行為者が同一訴訟事件において︑両当事者に違法に助言

または補佐を為すことである︒

 e いずれの場合にも︑同一訴訟事件に関することを要する︒

 訴訟事件とは︑法規に従って解決することを要し︑そして多数者が相

矛盾する法的利害をもって関与しているすべての事項である︒訴訟事件

は︑委任によって︑弁護士または訴訟補佐人に委託された委託者の利益

の範囲と同義である︒刑事事件も︑さらに非訟事件も訴訟事件に属す

る︒手続の形式は問わない︒手続の単一性についても同様である︒民訴

(10)

と刑訴が同一訴訟事件の対象となることができる︒同一訴訟事件が存在

するか否かの基準となるのは︑委託された利益の実質的法律的内容︑す

なわち︑委託された実質的法律関係であって︑たんに単一の請求による

のではない︒︵84︶たとえば︑主たる債務者および欠額保証人に対する請

求において︑︵85︶または刑の言渡を受けた者の再審手続において︑およ

び前の本案の裁判の証人に対する刑事手続︵86︶において同一訴訟事件が

存在する︒さらに︑多くの扶養を受ける権利の争において︑訴訟上の和

解前に一方当事者を︑和解後に他方当事者を代表するばあい︑︵87︶もし

くは︑同一の売買契約締結において︑売主の虚偽の保証のかどで︑最初

は売主自身に対し︑次には仲介人に対し請求権が遂行される場合︑︵88︶

さらに︑夫婦間の家庭上および婚姻上の関係は︑それから相異なる法律

上の請求権が発生するけれども︑同一の訴訟事件である︒︵89︶

 口 いずれの場合ともに︑同じ当事者が関与しておらねばならない︒

ここに当事者とは︑訴訟事件に法律上関与せる者と解すべきであるゐ訴

訟当事者たることを要しない︒︵90︶刑事訴訟においては︑被告人と被害

者とがいる一たとえ︑私訴も付帯訴訟も存在しないとしても︒当事者間

に争点が現われることを要しない︒当事者がお互に知り合い︑そして彼

らの利害の矛盾について何ものかを知ることを必要としない︒︵91︶

 日 弁護士は︑当事者双方に違法に尽力したこを要する︒

 ρa︶尽力とは︑助言その他の援助による︑弁護士の全職業上の行為

と解すべきである︒尽力は訴訟代理の場合に限定されないで︑訴訟外に

おける助言の授与にも妥当する︒職業的行為の全く外にある行為は︑本

条の意味における尽力とは跡敷すことを得ない︒︵92︶

 ︵b︶犯人が︑同一訴訟事件において当事者の一方に︑反対の意味に

おいて既に助言もしくは援助を与えた後︑他方当事者に助言と援助を与

えるときに︑かかる尽力は違法である︒︵93︶弁護士に対しては︑かかる

原則は︑国弁護士法第三二条第二号において明示してある︒︵94︶これは

続 渣職罪 同様に他の訴訟補佐人にも適用される︒この規定は第三五六条の構成要件の一部である︒委任関係終了後も︑弁護士または補佐人は︑委託者の

相手方に違法に尽力してはならない︒︵95︶弁護士または訴訟補佐人が一

方当事者のために尽力したときは︑この最初の被代理者が同意を示すときでも︑反対利益を有する相手方のためにする行為を避けねばならな

い︒︵96︶当事者双方が共同して助言を求める場合︑︵97︶もしくは訴訟補

佐人が共通利益︑たとえば和解の成立を追求するような場合には︑義務違反は存在しない︒︵98︶ 四 内部的構成要件には故意が必要でありかつ︑これを以って十分なりとする︒行為者の特定目的︑特に一方当事者の不利益に行為しようとする目的の存在を必要としない︒行為者が同一訴訟事件において︑義務に違反して両当事者のために尽力することが明かになる事実の認識は故意に属する︒行為者はなお違法の認識を有することを要する︒ 錯誤の顧慮に関しては︑国裁判所の判決はこ︑でもまた︑刑法上の錯誤と非刑罰法上の錯誤との間に区別を設ける︒今日は︑行為者が構成要件の標識を誤認するすべての場合に︑故意を阻却する構成要件の錯誤が存在する︒しかも︑第三五六条が規範的事情を包含する場合でも︒したがって︑同一の訴訟事件が存在するや否やについての錯誤は︑構成要件

の錯誤である︒︵99︶同様に︑尽力が義務違反でないとの誤った推定は︑

両当事者の間に利害の対立が存在することを行為者が認識しない限り︑

構成要件の錯誤である︒︵00﹈︶両当事者の間の承諾は弁護士に代理を許す との誤った推定は︑ヵOQQ甘①O ωOド①P δco㌧ゴ Pα轟によれぽ︑故意 を阻却する効力を有する刑法外の錯誤と見尽された︒︼WO団︒︒げ・ωきP

O ωゴは︑首尾一貫して禁止の錯誤と見骸す︒QQO出O咳丙国によれば︑

その際︑当事者の利害の対立を﹁同一訴訟事件﹂および﹁両当事者﹂と

いう概念から︑構成要件に内在的なものと推論する︵!Ol︶かどうか︑また

は第三五六条を白紙委任法と見徹し︑そして園諺○第三二条により充足

五九

(11)

続 漬 職罪

すべきものと解するか︵201︶どうかは︑本問題に取っては重要でない︒

 五 当罰的尽力を受ける以外に何事もしない当事者は︑必要的共犯とはならない︒しかし当事者が尽力の受領を越えて︑当事者に対する背信

を促進するときは︵たとえば法外の報酬を支払う︶︑教唆または臥龍の

かどで有罪となる︒︵301︶ 六 行為者が相手方当事者と諒解の下に︑自己の当事者の不利益に行為するときは重い場合が生ずる︒不利益を目的とする行為は︑不剰益の客観的発生を必要としない︒犯人が当事者に︑不利益を加えようとする

意思を有することを以って足りる︒︵40ユ︶ 七 処分は三ヵ月を下らない軽懲役︒重い場合は五年以下の重遅出︒ 八 一九二七年案は︑構成要件を︑司法の侵害に関する草に入れようとする︒行為者たり得るのは︑職業として他人の訴訟事件の世話をする

弁護士または訴訟補佐人である︒訴訟補佐人が同一訴訟において︑多数

の関与者の要求が矛盾するに拘らず︑これらの者のために行動するときにのみならず︑彼が自巴に委任された訴訟事件を委託者の不利益に導く

ときにも︑当事者に対する背信が存在する︵第一九五条︶︒

類型︵二六︶上官等の誘導・黙過︵第三五七条︶

 田⇒諺8乾く○お①ωΦ嘗Φδ妻①一9霞ωΦ一器d暮Φお①げ︒⇒Φ⇔豊①一p2

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一 本条は︑独立行為としての鷺苔罪に対する共犯の若干の場合を︑ 六〇

刑罰を以って威嚇する︒本条は︑教唆および蓄助に関する一般的規定に

優先し︑同時に第四八条または第四九条の要件が存在するときにも︑排

他的に適用される︒義︶

 構成要件の内容は︑固有的漬職罪である︒

 二 第一項の場合に行為者となることを得るのは︑教唆および蓄助を

受ける公務員の上官のみである︒︵061︶第二項においては︑監督官吏が上

官と同視される︒痂︶第二項は︑監督される公務員が当罰行為を犯した

ときのみならず︑教唆されて未遂に終ったときにも適用される︒

 上官または監督官吏自身もまた降職罪の行為者である場合には︑第三

五七条は顧慮されない︒︵801︶

 構成要件を充足するためには︑隷属者もまた︑公務員であることを要

する︒︵901︶

 三 法律は三つの相異なる場合を列挙する︒すべての場合に︑上官ま

たは監督官吏の行為が︑下僚が職務上犯す行為︑すなわち第三三一条に

該当する行為︵その他職務遂行において犯されたすべての行為︶に関す

るものであることを要する︒︵O11︶第四八条および第四九条におけると同

様に︑下僚が刑罰を予告された行為を犯すことを以って足り︑その行為

が有罪であることを要しない︒︵111︶されば下僚の行為には︑たんに構成

要件該当性と違法性との存在のみを必要とし︑有責たることを要しな

い︒︵クー︶その点において︑一般的共犯原則が適用される︒

 ゆえに︑

 O 濱職罪に対する故意の誘惑は︑一方︑有効な教唆と称せられる︒

誘惑には各種の作用を以って足りる︒︵311︶

 ◎ さらに︑鳶職罪に対する故意の誘惑の企行が問題になる︒こ︑で

は効果なき教唆︑すなわち企行が刑を科せられる︒︵414L︶

 内部的構成要件には︑犯人が︑その下僚によって犯された職務上の当

国行為をその主たる標識において表象したことを以って足りる︒︵511︶

(12)

 ⇔ 最後に︑漬職罪を知り乍ら犯さしめる行為は︑同罪に対する謝助

と指称される︒こ︑では不作為による轍助が︑正犯として処罰される︒

同じことが︑作為による帽章にも適用されねばならない︒上官または監

督官吏が︑法律上または事実上当室行為を防止できるということが科刑

の要件である︒︵611︶ 犯人は︑下僚が行為を企てた事を知るのみならず︑さらに︑か︑る犯

罪行為が自己の援助によって犯されるということの認識がなければなら

ない︒たんなる義務違反の不作為の認識だけでは足りない︒未必の故意

で足りる︒︵711︶

 四 第二五九条︵臓物隠私︶に対する大審院判決に照応して︑連邦裁

判所︵三一ノ ︿ 一り二二● ω・Pω⑩︶は︑第三五七条による犯罪において︑下僚

から領得物の一部を取得したことが問題となっている上官を隠匿罪のか

どで罰しなかった︒

 五 第九四条︑第三五八条参照

 六 一九二七年案は第一項を改正しようとする︵第一四四条第一項︶

現在の第二項に相当する規定はない︒下僚に対不当に要求された行為の

自由意思による防止に対しては︑第一四四条が新しい規定を与える︒

類型︵二七︶公職就任資格の喪失︵第三五八条︶

  宮①げ窪9目富9<︒同︒︒︒訂弊山雲霧ωωごω春Pωムごω紹ぼωω9

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 一 軽懲役の判決に当り公権剥奪の要件が存するとき︑裁判官が個汝

の場合に︑か︑る宣告を正当ならずと解するときは︑その代りに第三五

条により︑公職就任のための無資格を宣告することができる︒第三五条

による公職就任無資格の判決と︑本条所定の公職就任資格剥奪の可能性

  続漬職罪 とは区別すべきである︒あとの方の宣告は公権剥奪に代るものではなくして︑公権喪失とは独立の付加刑である︒ゆえにそれは三ヵ月よりも短

い軽懲役の判決に対しても宣告することを得る︒

 一一 付加刑は︑第三五条b︑第三五条︒による判決に際しても許される︒ 三 付加刑は︑公務員ならびに非公務員に対しても云い渡すことができる︒ 四 教唆に対しても︑さらに未遂および箒助に対しても可能︒

公 務 口貝 の 観 念︵第三五九条︶

  d暮卑しdΦ9白げ①=日ωB昌Φα一ΦωΦωQQ訂脇σQΦω①げN①ω︒︒ぼQN瓢く興︒︒8げΦロ

 9一δ一ヨq些B同簿①ぎ98旨︒α①HB淳富一げρ目︒ロ一昌一餌昌α一ωoげΦβQQ什99富傷δ昌ωけ

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 ○含①d暮Φ易・露ΦPOげ絡①ヨ①昌∪δ口ω$こσQ巴①幹Φ叶冨び魯︒9同

 昌一〇げ叶囲①H昌ΦH ZO汁9目ρu一〇げげ9σ2諺口宅巴什①●

 一 本条に含まれる刑法的意味における公務員の概念規定は︑ただに第三五一条以下に適用されるのみならず︑全刑法典に適用される︒それ

は就中︑たとえば第一一三条︑第一一四条の如く︑公務員の保護に役立

つ規定に対してもまた顧慮される︒︵811︶

 二 刑法的意味における公務員は︑二つの大きなグループに分れる︒

すなわち固有的意味における公務員︑および一定の公の職務行為を遂行

する者がそれである︒

 外国の公務員は︑刑法の意味における公務員ではない︒

  ︵しかし︑占領軍本部に勤務するドイツ国民は第三五九条の意味における公 務員たることを得る︒このことは︑それらの者の職務遂行が︑ドイツ国の目

 的にも役立つときに容認される︒たとえば︑占領土木建築監督官庁の所属員

 においてしかり︵しかしヒdΩ国ω﹃鴎︒ω⑩︒︒︶

 e 公務員法の規定により︑公務員関係に明示的に任命された者はす

六一

(13)

続 漬職罪

べて︑制定法上の意味における公務員である︒間接の国家公務員に関す

るか︑直接の国家公務員に関するかは問う所でない︒こ︑では︑公務員

としての任命の事実が基準となる︒行為の種類は重要でない︒このよう

にして任命された者は︑純粋に機械的な勤務に従事するときでも︑たん

に予備的もしくは補助的仕事を為すときでも︑刑法的意昧における公務員である︒か〜る人汝の公務員資格は︑彼らが︑営業たとえば市街電車

株式会社︑︵911︶もしくは組合たとえば逓信疾病共済組合に︵⑳︶使用され

るときにも存続する︒ただし︑彼らの官庁の職務範囲の全く外に在るの

でない職務を遂行することを要件とする︒︵121︶

 ⇔後に明示されている公証人は︑一九三七年二月一三日の国公証人

法第二条︵221︶により公職の担架者である︒

 日 さらに︑連邦法または各邦法により権能を有する地位︵321︶に関し

て︑国家権力に由来し︑そして国家目的に奉仕する職務︵遂行︶に︑明

示もしくは黙示の公法行為により任命されたすべての者もまた刑法的意

味における公務員である︒︵421︶ゆえに︑私法上の雇傭契約に立ってお

り︑そして何らの辞令も有しない者もまた刑法的意味における公務員た

り得る︒︵521︶国法上の意味における公務員と異なり︑この場合は当該者

に委任された行為の種類が問題となる︒基準となるのは︑関係者の独立

性および自己の責任ではなくて︑国家権力に由来しそして国家目的に奉

任する職務に任ぜられる事情である︒︵621︶そのような職務に関するや否

やは︑当該行為がより高級な種類のものであるか機械的なものであるか

によって判断されるよりも︑当該勤務上の地位の本質に属する食事に関

するか︑もしくは︑たとえば掃除婦のように︑業務の本質と全く関係の

ない仕事に関するかによって判断される︒︵721︶か︑る仕事が第三者に対

し︑主権の担い手としての国家の行為として顕れるか否かということは

何の差異もない︒︵821︶問題の職務が公に対し認め得られるか否かも大し

たことではない︒︵92ユ︶何人かを刑法的意味における公務員とするために

六二

は︑鑑定行為を以ってもまた足りる︒

 詳しくは次の如くである一

 ︵a︶ 同種の職務がただ国法的意味における公務員によってのみ遂行

されるか︑もしくは︑そのような職務が純粋に個人経済的企業において

為されるかは重要でない︒︵031︶

 ︵b︶ 当事者が主務官庁より本雇として職務に任命されたか︑もしく

は︑たんに代理として任命されたかは差異がない︒公法上権限ある地位

を有する行為者が︑公法上の行為により︑その職務に任命されたことを

以って必要にして十分なりとする︒︵191︶それは︑交代する特定数の者に

あっても同様である︒︵231︶判決は︑各邦法またはその他の法律により権

限を有する官庁の何れが問題の人物を︑か︑る仕方で任命したかを認識

せしめねばならない︒︵331︶

 ︵c︶ 当該行為を自由意思によってではなく︑主権的命令により担当

した者もまた︑刑法的意味における公務員である︒

 ︵d︶ 当時者が任命官庁によって公務員と見徹されるか否かは決定的

なことではない︒しかし︑一九四三年の草案における︑官職に在らざる

者の賄賂罪および秒密漏泄罪に関する規定に従い︑手打により義務を負

う者があるときは︑刑法的意味における公務員であり得る︒︵43⊥︶他方︑

問題の規定または任命契約において︑当事者を刑法的意味における公務

員と見徹すことを得る旨が表示されているときにも︑裁判所は公務員資

格を吟味することを要する︒︵5jt︶

 ︵e︶ 官庁において︑予備的もしくは試験的勤務を致す者も︑彼らに

上述の特別の種類の職務遂行が委託されるときおよびその限りにおい

て︑刑法的意味における公務員に属する︒︵631︶そこで大審院は︑職業紹

介局の出納見習が︑支払期日に独立して補助金の支払および決算を為す

ことを委託︵131︶されていたとき︑これを公務員と無二した︒

 ︵f︶ 未成年は︑刑法的意味における公務員としての資格に矛盾しな

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