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あ と が き
いま,最終校正のペンを欄いたところである。想い起せば,木戸田先生の退官記念号発行の計画が話 題となりはじめたのは,2年程前のことであった。早速,編集委員会が組織され,その最初の会議で,
単なる論文の寄せ集めではない,一味違った記念号をつくろうとの方針が確認された。その時点で,本 記念号の骨格が定まったと言ってよい。しかし,いざその方針を実行に移すとなると,種々の困難に直 面した。幸い,多くの方々の御協力を得て,このような形にまとめあげることが出来たが,その出来ば
えについては,大方の評価を侯つほかない。本記念号の最大の特色は,「木戸田教授の業績をめぐって」と題された特集論文3編を配しているこ とである。近世経済史研究において,木戸田先生と最も近接した分野におられて,学問的に交流の深い 関西大学の津田教授には,まず,「木戸田豪農論」の形成と発展を明解に紹介して頂き,その研究上の 位置づけを示して頂いた。「豪農層の新旧交代論が批判的に継承される途が開かれるかもしれない」と の結びは示唆的である。御多忙にも拘らず,編集委員会からのお願いを受留められて寄稿頂いたことに
改めて御礼申し上げたい。また,東教授には,木戸田先生の新しい研究分野である近現代史研究の成果,とくに茨城県史,議会史,農業史や結城市史等の地域史の修史事業に参画されるなかで執筆されたもの を中心に整理・解説して頂いた。行論のはしばしに木戸田先生の人物像が浮かび上って来るようでもあ
り,余人をもってしては描けないものとなっている。さらに,大江教授には,地租改正反対一揆の評価 をめぐっての,若き日の木戸田先生との学問的出会い以来温めてこられた那珂暴動と伊勢暴動の比較。
検討を試みた論文を寄せて頂いた。具体的研究テーマに即して特集論文の趣旨を生かして頂いたもので
ある。