• 検索結果がありません。

修士学位論文

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "修士学位論文"

Copied!
57
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

修士学位論文

題名極小R空間上の面積最小錐

手旨導教授 酒井 高司 准教授

平成 25年 1月 10目  提出

首都大学東京大学院

理工学研究科 学修番号11878304

氏 名 大野晋司

数理情報科学 専攻

(2)

学位論文要旨(修士(理学))

論文著者名 大野 晋司

       論文題名:極小R空間上の面積最小錐

 Euc1id空間に一般化されたP1ateau問題の解は,整カレントと呼ばれる一般に特異点を 持つ多様体のクラスで得られる.面積最小部分多様体の特異点が錐状特異点であるとき,

接モデルとなる接錐はまた面積最小となることが知られている.面積最小部分多様体の特 異点の近傍の挙動を調べるためには,面積最小錐の研究が基本的になる.本論文では,球面 に極小に埋め込まれたR空間上の錐に対して,面積非増加レドラクションを構成する方法 で,新しい面積最小錐の例を構成した.これは,広橋,菅野,日ヨ崎が[HKT]において行った,

球面に埋め込まれた対称R空間上の錐に対して面積非増加レドラクションを構成する方 法の拡張である、

 錐の面積最小性を示すための一つの方法は,Euc1id空間全体から錐への面積非増加レド ラクションを構成することである.面積非増加レドラクションが存在すれば,面積最小性 が示される.

 R空間はRiemann対称空間の線型イソトロビー表現の軌道として得られ,超球面に部分 多様体として埋め込まれる.対称空間〃の普遍被覆空間Mには,被覆写像が局所等長的 になるようにRiemam計量が入り,そのRiemam計量に関して,M一は対称空間になる.こ のとき,M とM一の線型イソトロピ]表現は同じ軌道を与えることがわかる.さらに,単連 結な対称空間は,既約な対称空間の直積に分解され,また,対称空間Mとその双対M*の 線型イソトロビー表現は互いに同値である.既約な。ompact型の対称空間のみで考えるこ

とにする.対称空間の線型イソトロビー表現の軌道空間は,Wey1群の作用の軌道空間と同 一視され,さらにWey1領域の閉包Cと同一視される.表現空間の超球面8に対して,C∩3 は単体とみなすことができる.すると,c∩3のセル分割は,軌道空間の軌道型による層分 解を与えていることが証明される.また,各軌道型ごとに極小軌道が一意的に存在するこ とが知られている.特に孤立軌道は極小軌道となる.このように得られた極小軌道上の錐 の面積最小性を考える.

 (G,K)を。ompact型の既約な対称対とし,M=G/KにG不変Riemann計量を一っ定

めると,〃は対称空間となる.M一の制限ルート系Rの基本系Fを,F={λ1,...,λ〜}とし,

(3)

△⊂Fに対して,C△={H∈こ1〈入,H〉>0,(∀λ∈△),〈μ,H〉=0,(∀μ∈F\△)}と定 める.この時,次の補題が成り立つ.

補題1(広橋一菅野一田崎[HKT])制限ルート系月の基本系Fの任意の部分集合△に対し て,φ(c△)⊂0△を満たすようなφ:こ_→こが存在するならば,次の写像Φが矛盾なく定 義される.Φ:m→m;Φ(X)=Ad(ん)φ(∬)ただしフん∈K,H∈Cであり、X:Ad(ん)H

を満たす.

 さらに,次の定理が成り立つ.

定理1λ∈Cに対してフ△o={α∈FI〈α,λ〉>0}と定める。

0∞級関数プ:C_>R>oが

(1)任意のφ≧0に対して,∫(納)=左

(2)△oを含まないFの任意の部分集合△についてフ∫lc。=0

を満たすとき,φ:0一→R≧o・λをフφ( )=プ( )λで定めフΦ:m→0Ad(K)λをΦ(X)=

Ad(ん)φ(H)と,補題1のように定める.この時、Φは0Ad(K)λへの可微分レドラクション となる.更にフ任意の ∈Cに対してフJ(dΦ) ≦1であればフΦは面積非増加レドラクショ ンになる、

 このように構成されたレドラクションのJacobianは以下のように言十算される.

命題1任意の ∈Cに対して,

・(剛一11(脾・ル1

p碑(か))州

ただし,m(λ)はλの重複度で,碓={λ∈五十■〈λ,λ〉=0}

 本論文では,このJacobian J(dΦ、)を評価することにより,A2型,B互型,BG互型,G2型の 制限ルート系を持つ既約な対称空間の線型イソトロビー表現の軌道として得られる,対称 R空間とは限らない極小R空間上のいくつかの錐の面積最小性を示した.

参考文献

[HKT1D.Hirohashi,T.Kanno,and H.Tasaki,Area−minimising of the cone over sym−

   metric R−space,Tsukuba J.Math.24(2000),no.1,171−188.

(4)

極小R空間上の面積最小錐

11878304 大野 晋司

目次

1  Introduction 3

2 準備

2.1

2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9

カレント...

錐の面積最小性..

極小部分多様体..

Riemam対称空間

半単純Lie環の直和分解.

直交対称Lie代数.

軌道空間、.

線型イソトロビー表現 制限ルート系

2.10s表現の軌道空間 2.11Wey1領域.

2.12レドラクションの構成 3 孤立軌道上の錐

 3.1A2型の場合.

    3.1.1 λ1を通る軌道  3.2B王型.

    3.2.1 λ1を通る軌道.

    3.2.2 Aを通る軌道.

 3.3BG 型.

    3.3.1 λ1を通る軌道.

    3.3.2 んを通る軌道.

 3.4G2型.

3

3 5 7 10 14 16 19 20 20 22 23 24 29 29 29 32 32 35 40 40 43 46

(5)

3.4.1 λ1を通る軌道.

3.4.2 λ2を通る軌道、

4 面積最小錐

 4.1A2型の対称対のs表現の孤立軌道..

 4.2B{型の対称対のs表現の孤立軌道..

 4.3BCエ型の対称対のs表現の孤立軌道.

 4.4 G2型の対称対のs表現の孤立軌道.、

46 49 51

51 52 53 53

(6)

1  Introduction

 古くから知られる古典的な幾何学の問題の一つにP1ateau問題と呼ばれるものがある.それは,

R3内に与えられた閉曲線を境界に持つ曲面の申で面積最小のものは存在するか?というものであっ た.後にこの問題はRnに一般化され,幾何学的測度論によって肯定的に解決されている.しかし,

その解となるようなR肌の部分多様体は,一般には(n≧4の場合)特異点をもつ.そのような面積 最小な部分多様体にどのような特異点が現れるかという問題は興味深い.最も単純な特異点である 錐状特異点についてまず考えたい、錐状特異点を調べるために,その接モデルとなる接錐を調べる ことは自然な考えであろう.球面内の極小部分多様体に対してその上の錐は,Euc1id空間内の極小 錐となる.よってこれらの錐が面積最小であることを判定することが問題となる.G.R.Law1or[L]

は,錐の面積最小性の判定法と,球面同士の直積となる部分多様体上の面積最小錐の分類を与えた.

Kerckhove[Ke]は,Law1orの判定法を用いて,SU(η)とSO(η)の随伴表現の孤立軌道の上の錐が 幾つかの例外を除き,面積最小であることを示した.広橋一菅野一田崎陣KT]は,対称R空間が対称 空間の線型イソトロビー表現の軌道として,球面に極小に埋め込まれることに着目し,面積非増加

レドラクションを構成することで,B型の制限ルート系を持つ対称空間の線型イソトロビー表現 の軌道として得られる対称R空間上の錐のいくつかが面積最小錐となることを示した.更に,菅野

[Ka]はLaw1orの判定法を用いて,古典型の既約なRiemann対称対に対応する対称R空間の上の 錐がの内幾つかが面積最小であることを示した.この論文では,[HKT]で使われた,面積非増加レ ドラクションを具体的に構成する方法で対称R空間とは限らない極小R空間の上の面積最小錐の 新しい例を構成する.

2 準備

2.1 カレント

 P1ateau問題の解となる部分多様体は,一般に整カレントと呼ばれる特異点を許容する集合にな る.整カレントは,高々可算個のLipschitz写像の像の和集合として表される,recti丘ab1e集合と呼 ばれる集合を用いて定義される.以下にその定義を述べる.

定義1写像∫:Rm→RれがLipschitz写像であるとは,ある正定数。>0が存在して,任意の

,g∈Rmに対して,

       1∫( )一∫(9)1≦cl 一釧

を満たすときに言う、また,1∫( )一∫(リ)1≦clω一μ1を満たす最小の。をLipschitz定数と呼び,

Lip(∫)と表す.

 Lipschitz写像はルベーグ測度に関してほとんど全ての点で可微分となることが証明できる.

(7)

定義2 mで,Rηのm次元Hausdor丘測度を表すことにする.五⊂Rれが( m,m)一recti丘ab1eで あるとは,冗mに関してフEのほとんど全ての点が,高々可算個のRmからRnへのLipschitz写像 の像の和集合となるときに言う.

 ( m,m)一rectiiab1e集合は多様体の一般化といえる.例えば,Rηにはめ込まれたm次元多様 体は,(冗m,m)一recti丘ab1e集合である.次の命題は刀が( m,m)一rectiiab1e集合であることと,

πm(万)>0であり,五のほとんど全ての点が,高々可算個の01級の埋め込まれた部分多様体の和 集合として表される事と同値であることを表している.

命題1( m,m)一recti丘ab1e集合の定義における高々可算個のLipschitz写像{ゐ}を,定義域が

。ompactの01級の微分同型で,かつその像が交わらないように取ることができる、

 また,(∬m,m)一recti丘ab1e集合はほとんど全ての点で,接空間を持つことが示される.各接空間 の向きを定めることによって( m,m)一rectiiab1e集合に向き付可能性を定義できる.冗mで可測な

m,m)一recti丘ab1e集合をm次元recti丘ab1e集合と呼ぶ

定義3Rη上の0.o級m次微分形式全体をのmで表す.また,①mの双対空間をのmで表し,のm の元をm次元カレントと呼ぶ.T∈Dmの台supp(T)を,φ∈のmに対し,supp(φ)∩0=⑦なら ば,T(φ)=0を満たす最小の閉集合0で定義する.

 向き付けられたm次元recti丘ab1e集合8は次のようにカレントとみなすことができる. ∈8 に対し,8( )で8の接平面の単位mベクトルを表すとする.このとき,φ∈のmに対して,

・(1)一 レ/・(・),l/柵

と定める。更に,エμ( )d m<ooなる正整数の重複度μ( )があるとき

・(1)一 ゥ(・),l/!(・)肌・

と定める.

定義4m次元recti丘ab1e集合から定まるカレントのうち,compactな台を持つものを,recti丘ab1e カレントという.

定義5m次元カレントT∈のmの境界∂T∈Dm_ユを,

       ∂=Z「(φ)=T(∂φ) (φ∈=Dm_1)

で定める.ただし,∂は微分形式の外微分を表す.

8が境界を持つ向き付けられた多様体であるとき,Stokesの定理から,∂8は多様体としての境界 に一致する.

(8)

定義6境界∂Tがrecti丘ab1eカレントになるようなrecti丘ab1eカレントτをm次元整カレントと

呼ぶ.

定義7炉のmコペクトルりと,mベクトルξに対して,

       一同1*=sup{〈ω,〃〉.ωは単純な単位mベクトル}

とし,

      liξll=sup{〈ξ,ω〉l l1列1*=1}

と定める.カレントT∈の肌の体積量M(τ)を,

・(・)一…/・(1)1・呈・lll(・)ll・・1/

で定める.

 recti丘ab1eカレントTに対してM(T)<○oが成り立つことがわカ、る.また,Tが多様体であると き,M(T)はTの多様体としての体積に一致することが知られている.したがって,以後カレント の体積量のことを単に体積,あるいは面積と呼ぶことにする、

定義8σ1級写像∫:Rη→RμによるRnのカレントT∈のmの像∫、Tを,

      ∫、T(φ)==7「(∫*φ)

で定める、φはRひ上の0o。級のm次微分形式で,∫*φでφの∫による引き戻しを表す.

Tがrecti丘ab1eカレントならば,∫、Tもrecti丘ab1eになることが証明できる.また,

       ∂(∫、T)=∫、T・d        =T・プ*・d        =T・d・∫*

       =∂T・∫*

       1=∫、∂T が成り立つ、

2.2 錐の面積最小性

 雄とその面積最小性を定義する.B⊂3η■1⊂Rnを。ompact部分多様体とし,

       0B={虹∈Rれ10≦t, ∈B}

      σム=伽∈Rη10≦亡≦1,・∈B}

と定める.0BをB上の錐と呼ぶ.08,0夫ともに,一般には原点Oに辛いて,唯一の孤立特異点を

持つ.

(9)

定義9(面積最小錐)03が面積最小錐であることを,oムが3を境界に持つ整カレントの申で面 積最小であることで定義する.

定義10(Jacobian)m≦ηとし,γ肌Wmを実計量ベクトル空間とする.線型写像F:γ→Wに 対して,FのJacobianブFを,

      JF=sup{llF(仙1)〈… 〈F(仙m)ll}

と定める.ただし吻,...,刎mはγの正規直交系すべてを動く.

命題2Fが全射のとき,(kerF)⊥の正規直交系仙1,...,仙mに対して,

       JF=l1F(仙1)〈… 〈F(刎m)ll.

Fが全射でないとき,

      JF二0.

定義11(レドラクション)Xを位相空間とし,γをXの部分空間とする.連続写像φ:X→γが レドラクションであることを,φ1γ=idγを満たすことで定義する.

定義12WをRiemann多様体,M一をその部分多様体(整カレント)とする.可微分(Mの特異 点を除いて)レドラクションφ:W→M が,面積非増加であることを,任意の ∈Mに対して,

J(dφ)π≦1が成り立つことで定義する.

命題3B⊂3ト1⊂Rηを。ompact部分多様体とする.このとき,面積非増加レドラクション Φ:Rη→0Bが存在するならば,0Bは面積最小である.

proof.

 3をBを境界とする任意の整カレントとする。すると,Φ(8)⊃0土となるから,

       Vo1(Φ(8))≧Vo1(0去).

dim8=mとおいて,e1,...,emを8土の正規直交枠とする.

・・1(Φ(・))・工11・Φ(・1・・・…)l1州

     ・五・(邸1(・)

     ≦五・州

       = Vo!(8).

下から2行目で面積非増加であることを使っている、以上より,

       Vo1(8)≧Vo1(Φ(3))≧Vo1(0ム)

(10)

が成り立ち,0圭が3を境界に持つ部分多様体として面積最小なので,0Bが面積最小であるとわ

かった.口

 例として球面に全測地的に埋め込まれた次元の低い球面について考える.

m≦η_2とし,8m⊂8卜1⊂Rれを

         8m={(・1,_,・m.1,0ヨ_,0)∈剛茸十…十札。一1}

で定義し,レドラクションΦを8mを含む平面への直交射影で定義する.すなわち,

       Φ:     Rη      一→   08㎜=Rm+1

      ( 1,_, m+1, m+2,..、, η)H( 1,_, m+1,0,...,O)

とする.すると,J(dΦ。)=1だから,Φは面積非増加レドラクションである.したがって命題3よ り,08mは面積最小錐であるといえる.

2.3 極小部分多様体

 ある部分多様体が面積最小であるための一つの必要条件は,その部分多様体が極小部分多様体で あることである.以下に極小部分多様体の定義を述べる.

定義13M を多様体とする.M上の2つのベクトル場X,γに対して,新た有ベクトル場▽xγ を定める対応▽があり,次の性質を満たすとき,▽を〃の線型接続と呼ぶ.M一上のベクトル場 X,KZと∬上のσ。。級関数∫に対して,

(1)▽x+γZ=▽xZ+▽γZ

(2)▽x(γ十Z)=▽xγ十▽xZ

(3)▽∫xγ=∫▽xγ

(4) ▽x(∫γ)=∫▽xγ十(X∫)γ を満たす.

定理1(M,〈,〉)を,Riema㎜多様体とする.このとき,M一上のベクトル場X,KZに対して        ▽xγ一▽γX=[X,γ1

       X/KZ/=/▽XKZ/+/γ;▽XZ/

を満たす線型接続▽が一意的に存在する.更にこの▽は         1

  〈▽x耳Z〉二一(X〈K Z〉十γ〈Z,X〉一Z〈X,γ〉十〈[X,γ1,Z〉一〈にZ1,X〉十〈[Z,Xl,γ〉)

        2 によって定まる.

(11)

定義14定理1で定まる▽を,(M,〈,/)のLevi−Civita接続と呼ぶ.

定義15多様体の局所座標近傍(σ; 1,.., れ)を一つ取り,σ上の関数r島をフ       ∂  η  ∂

       ▽素面=喜「島麻

で定める.このr島をChristo丘e1記号と呼ぶ.

g勿=〈島,老〉とし,行列(助)の逆行列の成分をg幻と表す.このとき,

       ・1−1峠・緒・粉)・

が成り立つ、

定理2M をRiemann多様体,M一をMの部分多様体とする.M ,M一のLevi−Civita接続をそれぞ れ▽,▽とする.このとき,M 上のベクトル場X,γに対して,▽xγを

        ウxγ=▽xγ十ん(X,γ)(▽xγ∈TM,ん(X,γ)∈τ⊥M)

と分解すると,▽はMのLevi−Civita接続に一致し,ん(X,γ)はM上の法ベクトル場となる.す なわち,M一の各点ρてん(X,γ)∈(ηM )⊥となる。また,ん(X,γ)=ん(KX)が成り立つ.

定義16定理2で定まるんを,M一の第二基本形式と呼ぶ.

命題4M一,〃のLevi−Chivita接続をそれぞれ▽,▽で表す.M上のベクトル場Xと法ベクトル場

ξに対して,

      ウxξこ一λξX+▽女ξ(一λξX∈TM ,▽女ξ∈T⊥M)

と分解すると,▽⊥は,T の計量から誘導されるT⊥Mの計量を保つT⊥Mの接続になり,λは 工(T⊥M一,Sym一(TM ))の切断になる.ただし,Sym一(TM)はTMの各ファイバーの対称線型変換全 体のなすベクトル束である.

定義17命題4で定まる▽⊥を法接続とよび、λをM一の形作用素と呼ぶ.

命題5M.上のベクトル場X,γと法ベクトル場ξに対して,

      5(ん(X,γ),ξ)=5(λξX,γ)

が成り立つ.

(12)

定義18M一をRiemann多様体,M一をM一の部分多様体とする.M一の第二基本形式んがん=oとな るとき,M.を,全測地的部分多様体と呼ぶ.また,TMの正規直交基底{e乞}に対して,

      η

      H=Σん(・㈹)

      壱=1

によって∬を定めると,HはM一の法ベクトル場になる.このHをM一の平均曲率ベクトル場と呼 ぶ.∬=0となるとき,M を極小部分多様体と呼ぶ.

 B⊂8η■1を部分多様体,0B⊂艮ηをB上の雄とする、ρ∈B⊂8η■1に対して,ρ∈8η一1の周り の座標近傍(ひ; ユ,...,蛎_1)を,B上で叫十1=。、、= η_1=0を満たすようにとり,σ=3∩ひ

とおく.すると(σ≡ 1,_,剛はρ∈Bの周りの座標近傍になる.また,0σ={ oρ∈0B■0<

πo,P∈σ}とおくと,(oひ; o,…,剛は。Bの座標近傍,oσ={ oρ∈Rηl o< o,ρ∈ひ}と おくと,(σσ; o,_, 肌_1)はRηの座標近傍になる.また,5をR肌のRiemann計量,gを8卜1の R1emann計量とするgの缶, ,∂、g.、に関する行列表示を(g。、)とすれば,5の缶, ,∂ g.、

に関する行列表示(助)は

(助)一

u1}

と表される.∂とgのGhristo飼記号をそれぞれrlゴ,rξゴとすると,㌦は, o,吻,r隻ゴを用いて表 すことができる・特に,r8o=oで,乞,ゴ,1≧1のとき, o>o,ρ∈σに対して,ilル。ρ)=rlゴ(ρ)

となる.eユ,_,e為をσ上の正規直交枠とする.各e乞を Oに沿って平行移動し,更にθo=島を 加えれば,0σ上の正規直交枠eo,...,eんを得る.0σ上の関数4を

       た ∂       eF看峠

で定める.すると,e8=1,e名=o,(ゴ≧1),e2:o,(乞≧1)が成り立つ.また, oP∈oσに対し て,乞≧1ならば,eξ( oρ):町1θま(ρ)が成り立つ.んBをBの3η 1における第二基本形式,ん。、を

0BのRηにおける第二基本形式とする.3の平均曲率ベクトル場恥と,0Bの平均曲率ベクトル 場HoBを計算すると,

       ん      η一1  烏

       ∂

       均一Σん・(舳)一ΣΣ・庫1価

       4=1         エ=ん十14,ゴ,8=1        ん       η一1  ん

       ∂

      H・・一Σん・・(舳)一ΣΣ・蝋砺

       乞=0      エ=ん十14,ゴ,5=0

       η一1  ん

       ∂

       ΣΣ・庫1価

       工=ん斗1〜,5=1        n−1  烏

       ∂        ΣΣ・1・狂1恢

       エ=ゐ十1{,ゴ,8=1

(13)

4( oρ)=杯1θま(ρ)であったから,∬B=0と亙。、=oは同値であるとわかった.よって,Bが 8トユの極小部分多様体であることと,0BがRηの極小部分多様体であることは同値である.

2.4 Riemann対称空間

 面積最小錐を構成するためには,超球面内の極小部分多様体を見つけることが重要である.その 一つの方法として,Riemann対称空間の線型イソトロビー表現を使うものがある.それを説明する ために,Riemann対称空間について述べる.

定義19Riemann多様体M一がRiemann対称空間である事を,各点 ∈M一に対して,M一の対合的 等長変換8πが存在して, が8πの孤立不動点となる事で定義する.5。を における点対称と呼ぶ、

∈Mに対して8πが等長変換であることと,zが8πの不動点であることから,X,γ∈叫Mに

対して,

       〈(ゐπ)πX,〈幽犯)ωγ〉二〈X,γ〉

が成り立つ事がわかる.また,8葦:idMであるから,(d5冗)葦=idT皿Mが分かり,(ゐ、)、の固有値は

±1のみになる.今,X∈理M が(d8ω)πX:Xを満たすと仮牢すると, を通るM一の測地線7(亡)

で,

      抑

       ・(0)㍉万(0)=X

を満たすものが存在する.すると,等長変換は測地線を測地線に移すので5、。7(亡)は,亡=0で 通る測地線になり,

       d8π・7     的       砒(0)=(d・・)π万(0)=X

であるから,5π。7(亡)=7(t)となる.これは7(左)が5πの不動点であることを意味している.ここ で, は8、の孤立不動点だから左:0の近傍で7(亡)= となり,

       抑       X=一(0)=0        砒

がわかった.したがって,(d8ω)πの固有値はす↑て_1となり,(d8π)π=_idT皿M・がわかった.この 事から, を通る任意の測地線7(亡)に対して,

・π・7(老)=7(一亡)

が成り立つことが言える.これは,5πが を通る測地線を逆向きに変換していることを意味する.

 各点 における点対称8。のこの性質を使えば,ある小さい区間で定義された測地線の定義域を R全体に拡張できることがすぐに分かる.したがって以下の定理を得る.

定理3連結なRiema㎜対称空間は,完備Riema㎜多様体である、

(14)

 また,次の定理も証明できる.

定理4連結Riemam対称空間Mの等長変換全体のなす群∫(M )は,Mに推移的に作用し,Lie 変換群になる.よって,M はRiemam等質空間になる.

 以後,対称空間と書いたら連結なRiemam対称空間を指すものとする.集合Xの変換φ:X→X の不動点のなす集合をF(φ,X)と書くことにする.

定理5Mを対称空間とする.Mの等長変換群の単位連結成分をGとし,o∈〃を取り,K=

{ん∈G Iた。こ。}とおく.この時,σ:G→G;g→5.g8。と定めると,σはGの対合的自己同型 写像になり,

      F(σ,G)O⊂K⊂F(σ,G)

を満たす、また,GのLie環をg,KのLie環をセとおくと,

      セ={x∈gldσ(x)=x}

が成り立つ.dσの一1の固有空間をmとおくと,

       9=七十m

は直和分解になる.更に,π:G→〃;g H goとすると,(伽)、のm一への制限は線型同型になり,

任意のx∈mに対して,

       Exp。((d7r)、(X))=(exウX)o が成り立つ、

proo£

 ん∈Kに対して,んと5。ん8。はともにMの等長変換であり,o∈M において,

      (d・。た・。)。(X)=(d・。)。(州。(ゐ。)。(X)

       =一(州。(一x)二(dん)。(x)

となる.一般にRiema㎜多様体の等長変換φ,ψに対して,ある点pが存在して,φ(p)=ψ(ρ)か つ,(dφ)ρ=(dψ)ρならば,φ=ψが成り立つ.したがってん=8。ん8。=σ(ん)となり,K⊂F(σ,G)

がわかった.また,F(σ,G)oのLie環をりとおくと,りは(dσ)、の十1の固有空間。に含まれる.

r∈oに対して,σが自己同型写像であることから,亡∈Rに対して,

exp(亡丁) =  exp((dσ)、(亡丁))

    :  σ(exp(tT■))

    =・。・xp(亡丁)・。

(15)

が分かり,

exp(亡丁)・o  =  8.exp(左下)8。・o

      :  8o exp(τT)・o

が成り立つ.これはexp(〃).oが8。の不動点であることを意味している.亡∈Rを小さく取れば,

○が8。の孤立不動点であることから,

exp(tlr)・o=o

となり,exp(亡丁)∈Kがわかった.F(σ,G)oはexp(り)で生成されるから,F(σ,G)o⊂Kである.

KのLie環を是と書くと,上に述べたことから,

り⊂り⊂セ⊂り となり,

      り=o=セ

が分かった.したがって,(dσ)、の_1の固有空間をmと書けば,

9=七十m.

が直和分解になることは明らかである.また,π(K)=oであるから(d7r)、セ={0}となり,(dπ)、の mへの制限は線型同型になる.さて,X∈mに対して7(亡)=Exp。((dπ)。(亡X))とおき,5土=57(士)

と書くことにする.更にη=8土/28。とおくと,ηo=7(亡)となり,{叫}亡∈RはGの1パラメータ 部分群となる.したがって,あるZ∈gが存在し,叫=exp(亡Z)となる.いま,σ叫二8.8土/28.3。=

5.8土/2=(8{/28。)一1=T_士であるから,

(dσ)。(z)=一z

がわかった,ここで,

       π(叫)=exp(亡Z)o=7(亡)=Expo((dπ)e(亡X).)

であるから,

       (∂π)、(z):(dπ)、(x)

であり,Z,X∈mより,Z=Xしたがって,

Exp。((dπ)、(X))=(expX)o

が成り立つ.□

 以下,(dπ)、:m→乃M一によって,mと乃M を同一視する..

(16)

定義20Gを連結Lie群とし,Kを0の閉部分群とする,この時,(G,K)がRiemann対称対であ ることを,Gの対合的自己同型σが存在して,F(σ,G)o⊂K⊂F(σ,G)を満たしフかつAdo(K)

が。ompactになることで定義する.

 AdG(K)が。ompactになるので,gにAdG(K)不変内積が入ることに注意しておく.また,対称 空間があれば,定理5より,Rie二mann対称対が得られる.逆に以下の定理からRiemam対称対か

ら,対称空間が得られることが分かる.

定理6(G,K)をRiemann対称対とする。π:G→0/Kを自然は射影とし,o=π(ε)とおく、

Riema㎜対称対を定める0の対合的自己同型をσで表す.この時,G不変計量に対しG/Kは Riemam対称空間になり,g∈GのG/Kへの作用を,τ(g)で表すと,

      ・。・π=π・σ,τ(σ(9))=・。τ(9)・。

が成り立つ、

proo£

 KはGの閉部分群であるから,G/Kには多様体構造が入る.M一=G/Kとおく.σがGの対合 的自己同型写像だから,KのLie環セはdσの十1の固有空間になり,dσの_1の固有空間をmと おけば,9は

       9=七十肌

と直和分解される.dπ(セ)={0}となるから,析のmへの制限析:m一→乃M は線型同型となり,

m.のAdG(K)不変な内積から,乃M「に内積〈,〉。が誘導される.M一のRiemam計量〈,〉を各点 gK∈M一において,X,γ∈乃KM一に対して,

       /X,γ/。K−/(dτ(9−1))。K(X),(dτ(9−1))。K(γ)/。

と定めると,m.の内積のAdG(K)不変性から,これはwe11de丘nedとなり,更に,G不変計量を与 えている.8。を

      5。(9K):σ(9)K

で定めると,これは。における点対称になる.また,g∈Gとん.o∈M一に対して,

τ(σ(9))ん・0 =  σ(9)ん・0

      =  σ(9σ(ん))・0

      =  8。(9σ(ん)・0)

      =  80980ん・0 となるので,

τ(σ(9))=1・。τ(9)・。

(17)

を得る、口

 以後,Riemann対称対(G,K)に対して,gのAdG(k)不変内積/,〉を固定し,この内積から得 られるG/KのRiemam計量に対して,G/Kを対称空間とみなすことにする.このRiema㎜計量

も〈,〉で表す.

定理7(G,K)をRiemam対称対とし,これから定まるGのLie環の直和分解をg=七十mとす る。αをmの極大可換部分空間とし,λ=Exp。σとおく.このとき,

      m一∪Ad(ん)α,G/K一∪んλ

      ん∈K      ん∈K が成り立つ、

早…£

.この定理を証明するために,以下の補題1を認める、

補題12つのmの極大可換部分空間α1,α2に対して,あるん∈Kが存在して,

       αり=Adr刷α。

が成り立つ.

 この事を,α1とα2は共役である.という.

 定理7の証明をしよう.m⊃U為∈KAd(ん)αは明らかであるから,m⊂∪ん∈KAd(ん)αを示そう.任 意のX∈m一に対して,R.Xはm一の可換部分空間だから,R.Xを含む帆の極大可換部分空間aが 存在する.補題1より,あるん∈Kが存在して,a=Ad(ん)αを満たす.よって,X∈Uん∈KAd(ん)α が成り立ち,帆⊂∪柘KAd(た)αが言えた.定義からExp。(Ad(ん))=ん・λがすぐに分かり,対称空 間が完備Riemann多様体であることから,G/K=Exp。(m)が分かる.すると,

      G/K  = Expo(m)

一軌 i以岬)

∪E・・。(Ad(ん)α)

冶∈K

∪ん・λ

ん∈K

となり,定理が示された.口

2.5 半単純:Lie環の直和分解 定義21Lie環gに対して

       {X∈g11X,γ1=0,(γ∈g)}

(18)

を2の中心と呼ぶ.

 また,compact Lie群のLie環と同型になる実Lie環を。ompact Lie環と呼ぶ.

命題6Lie群Gの中心は閉Lie部分群になり,そのLie環は,GのLie環の中心に一致する.

命題7実Lie環が。ompactになるための必要十分条件は,そのKi11ing形式が半不定値になるこ とである.また,compact Lie環の中心をるで表すと,gはイデアルの直和g。=3+[g,2]に分解さ れ,1g,g1は半単純Lie環になる.

定理8compact連結半単純Lie群の普遍被覆群は。ompactになる.

定義22複素Lie環1は,係数体をRと思うことによって,実Lie環とみなせる.それを1Rと書く、

畔の部分Lie環gが,

      lR=9+月9

を満たすとき,gを1の実形と呼ぶ.また,実Lie環りの積[,]は,りのベクトル空間としての複素 化り。に,複素双線型に拡張できる.これによって,り。にLie環の構造が入る.この複素Lie環りC を,りの複素化という.このとき,りはりCの実形になる.

複素Lie環1の実形gの複素化gcは[と同型になり,自然に同一視できる.

定理9複素半単純Lie環は。ompactな実形を持つ.

定義23Lie環gの随伴表現の像ad(g)は,g1(g)の部分Lie環になる.ad(g)に対応するGL(g)の 連結Lie部分群をフgの随伴群と呼びノInt(g)で表す。

 連結Lie群のLie環をgとすると,Ad(GトInt(g)が成り立つ.

定義24gを実学単純Lie環とする.gcの。ompact実形uが,gcのgに関する複素共役写像で不

変であり,

       セ=9∩u,m=9∩月u

とおくと,g=七十mが直和になるとき,この直和分解をCartan分解と呼ぶ.

定理10実学単純Lie環はCartan分解を持つ.

定理11gを実学単純Lie環とし,

      9=ξ1+m1=セ2+m2

をgの2つのCartan分解とする.このとき,あるφ∈Int(g)が存在して,

      φ(セ1)=セ2, φ(11,1)=帆2 が成り立つ.

(19)

定義25gを実Lie環,岳をそのLie部分環とする.gの随伴表現のセの像ad(セ)はad(g)のLie部 分環になる.ad(セ)に対応するInt(g)の連結1Lie部分群が。ompactになるとき,セをgに。ompact に埋め込まれたしie部分環という.

命題8gを実Lie環,g:七十帆をLie部分環セと,部分空間帆による直和分解とする.この時,次

の(1)と(2)は同値である。

(1).g=モ十mはCartan分解である.

(2)写像θ:g→gを,T∈ξ,X∈mに対して,θ(T+X)=r_Xで定めると,θはgの対合的   自己同型写像になり,

      Bθ(X,γ)=一B(X,θ(γ))(X,γ∈g)

  はg上の正定値内積になる一.ただし,BはgのKi11ing形式である.

g=七十m.がCartan分解になるとき,セは,極大なgに埋め込まれたしie部分環になる.

定義26実学単純Lie環gの対合的自己同型写像θが,Cartan対合であることを,

3θ(X,γ)=一B(X,θ(γ))(X,γ∈g)

で定まる双線型形式Bθが正定値内積になることで定義する.

2.6 直交対称Lie代数

定義27実Lie環gとその対合的自己同型写像8の組(g,8)が直交対称Lie代数であることを,8 の十1の固有空間セがgに。ompactに埋め込まれたしie部分環となることで定義する.gの中心 を3とする.3∩セ={0}となるとき,(g,8)を効果的であるという。また,2つの直交対称Lie代数

(g1,31),(g2,52).が同型であることをフあるしie環の同型写像φ:g1→22が存在して,φ。81=82。φ をみたす事で定義する.

(0,K)をRiemam対称対とし,σ:G→θをその対合的自己同型写像とする.G,KのLie環をそ れぞれg,セと表す.σの微分dσはgの対合的自己同型写像になる.F(σ,G)O⊂K⊂F(σ,G)o・だ から,セはdσの十1の固有空間に一致する.また,Ado(K)が。ompactであることから,セはgに

。ompactに埋め込まれたしie部分環になる.したがって,(g,dσ)は直交対称Lie代数となる.

 連結Lie群GとそのLie部分群Kの組(G,K)が直交対称Lie代数(g,8)と対応するとは,gが GのLie環になり,KのLie環が8の十1の固有空間に一致するときに言う.

 直交対称Lie代数(g,8)に対応するしie群の組(G,K)は,一般にはRiemann対称対とは限らな い.どのようなときに(G,K)がRiemann対称対になるかについては,次の命題がある.

(20)

命題9(9,8)を直交対称Lie代数,(G,K)を(9,8)に対応する組とする、このとき,Gが単連結,K が連結ならばフ(G,K)はRiemann対称対になる.

定義28(g,8)を直交対称Lie代数とする.8の固有空間分解をg=七十mと書く.

(1)gが。ompact半単純Lie環のとき,(g,8)を。ompact型という.

(2)gが非。ompact半単純Lie環であり,g=七十m.がCartan分解となるとき(g,5)を非。ompact   型という.

(3)mがgの可換イデアルのとき(g,3)をEuc1id型という.

 直交対称Lie代数の型をこのように定義すると,以下のように分解することができる事がわかる.

定理12(g,8)を直交対称Lie代数とする、このとき,gのイデアルgo,g_,g+が存在して,以下 が成り立つ.

(1)g=go+g_十g+は直和分解である.

(2)go,g_,g+は3の作用で不変であり,gのKi11ing形式に関して互いに直交している.

(3)8のgo,g_,g+への制限をそれぞれ,8o,5_,8+とすると,(go,8o),(g_,8_),(g+,8+)はそ

  れぞれ,Euc1id型,compact型,非。ompact型の直交対称Lie代数になる.

命題10(g,3)を直交対称Lie代数,g=七十mを8によるgの固有空間分解とする.

      9*=七十ρm

によってgc内の実部分空間g*を定めると,g*はgcの実Lie部分環になる,また,8の複素化のg*

への制限

       3*(T+ρX)=T一月X,(T∈セ,X∈m)

はg*の対合的自己同型写像になる.

定義29命題10で定まる(g*,8*)を(g,8)の双対と呼ぶ.

命題11(g,8)を直交対称Lie代数とし,(g*,8*)をその双対とする.このとき,以下が成り立つ.

(1)(g*,8*)は直交対称Lie代数になる。

(2)(g,8)が。ompact型ならば,(g*,8*)は非。ompactになる.逆に,(g,8)が非。ompact型ならば,

  (g*,5*)は。ompactになる。

(3)(g1,8ユ)と(g2,82)が同型ならば,(g王,8王)と(g萎,8萎)は同型になる、

(21)

定理13gを。ompact半単純Lie環とし,8:g①g→g①g;(X,γ)H(γ;X)によってg㊥gの 対合的自己同型写像8を定めると,(g㊥g,8)は。ompact型直交対称Lie代数となる.これの双対

となる非。ompact型直交対称Lie代数を(1*,5*)で表す.すると,1*はgcと実Lie環として同型と なる.更に,gcのgに関する複素共役写像をσとすると,(gc,σ)と(1*,5*)は,直交対称Lie代数

として同型になる.逆に,compact型直交対称Lie代数(1,5)の双対になるような非。ompact型直 交対称Lie代数([*,8*)のLie環1*が複素rie環の構造を持てば,(1*,8*)は上記のように得られる、

定義30Riemam対称対(θ,K)から定まる直交対称Lie代数が。ompact型になるとき,(G,K)

を。ompact型であるという.非。ompact型,Euc1id型についても同様に定義する.対称空間M.の 等長変換群の単位連結成分をGとし,o∈Mに対して,K二{ん∈G Iん。=o}と定めると,(G,K)

はRiemann対称対になる.この(G,K)が。ompact型になるとき,M一を。ompact型であるという.

非。ompact型,Euc1id型についても同様に定義する.

定理14M を対称空間とする.このとき,以下が成り立つ.

(1)M が。ompact型ならば,M一の断面曲率はO以上である。

(3)M が非。ompact型ならば,M の断面曲率は0以下である.

(2)〃がEuc1id型ならば,M一の断面曲率はOである.

命題12M一を対称空間とし,π:M一→MIを〃の普遍被覆空間とする.このときフπが局所等長 的になるようにM の計量を定めるとM も対称空間になる、

定理15M一を単連結対称空間とする.このとき,M一は

M=M0×M_×M+

と分解される.ここで,MoはEuc1id空間,〃_は。ompact型,〃十は非。ompact型の対称空間で

ある.

定義31(g,5)を直交対称Lie代数とし,8の固有空間分解を,g=七十mとする.(g,5)が既約であ ることを次の(1),(2)を満たすことで定義する.

(1)gは半単純であり,セはgの{0}以外のイデアルを含まない。

(2)ad(セ)はmに既約に作用する。

 さらに,既約な直交対称Lie代数に対応するRiemam対称対(G,K)も既約と定義する.対称空 間Mに対して,その等長変換群の単位連結成分をGとし,o∈M.を取り,K={ん∈G lん。=o}

と定めたときに定まる対称対(G,K)が既約であるとき,M一も既約であると呼ぶ.

(22)

命題13(g,3)を直交対称Lie代数とする.このとき,gのイデアルgユ,...,g、が存在して,以下 が成り立つ.

(1)g=Σし1蛎は直和分解である.

(2)各助は8の作用で不変であり,gのKi11ing形式に関して互いに直交している.

(3)8の助への制限をそれぞれ,8ゼとすると,(跳,8毛)は既約直交対称Lie代数となる.

定理16M一を単連結対称空間とする.このとき,Mは既約な対称空間払の直積で表される.すな

わち,

       M =〃ユ×・

が成り立つ、

・・ M。

2.7 軌道空間

 compact Lie群Gが多様体M に作用しているとき, ∈〃のイソトロビー群G、は,G :{g∈

Gig、 }で定まり, の軌道θ. は0. 豊G/0πと等質空間表示される.また,M の2つの 点 ,gが同じ軌道に属していること,すなわち ∈G.Vとなることは,M一の同値関係を与える,

よって,商集合M一^Gには高位相が入り,この空間はM.のG軌道全体の集合と自然に同一視され

る.このM一^Gを軌道空間と呼ぶ.

定義32 ,g∈M についてフ2つの軌道G. とG.リが同じ軌道型(orbit type)であるとは,あ るg∈Gが存在して,G、=gGリg−1となることである.

軌道そのものではなくイソトロビー群の共役性で定義する点に注意する.また,軌道型が同じなら ば,軌道は微分同相になるが,その逆は成り立つとは限らない.各軌道のイソトロビー群の共役類 全体を考えると,Gの部分群としての包含関係を用いて,以下のように順序を入れることができる.

定義33G、の共役類全体をρ ]と書くとき,[Gπ]≦ρμ1であることを,あるg∈Gが存在して,

θ ⊂gGμg 1を満たすことで定義する.

この順序で,最小になる共役類の元をイソトロビー群に持つ軌道を主軌道といい,極大な共役類の 元をイソトロビー群に持つ軌道を孤立軌道という.主軌道はイソトロビー群が 一番小さい ような 軌道のことで,イソトロビー群が小さい事から, 一番大きな 軌道であるとも言える.主軌道は最 大次元の軌道になり,軌道空間の中で。pen denseに存在することが知られている.また,主軌道よ

り次元の低い軌道を特異軌道と呼ぶ、

(23)

2.8 線型イソトロビー表現

 等質空間G/KへのlLie群Gの作用をτとする.すなわち,各g∈Gに対して,アは微分同相写 像巧:G/K→G/K;g .K H gg .Kを与える。ん∈Kに対しては原点。を動かさないのでアん の微分はdτパ乃(G/K)→叫(G/K)となる.したがって,各ん∈Kに,伽を対応させることに 占って,乃(G/K)上のKの表現加:K→GL(η(θ/K))を得る.この表現を線型イソトロビー表 現と呼ぶ.さて,Riemam対称対(G,K)に対して,G/Kは対称空間となる.o=ε.K∈G/Kを 原点,対称対に付随しだしie環の分解をg=七十mとする.さらに,自然な射影π:0→G/Kの微 分dπによってmと几(0/K)を同一視する.この時,Gの随伴表現AdGのKへの制限は,部分表 現AdG■K:K→GL(m一)を持つ.今,任意のだ∈Kに対して,

      (伽(ん))(dπ)=d(τ(ん)・π)

      =d(π・∫ん)

      ・= (dπ)Ado(ん)

となる.ただし,∫んはg∈Gに対し,∫た(g)=んgん一1で定まるGの内部自己同型写像である.よって,

2つのKの表現AdGIK,桁はdπによって表現として同型となる.したがって,このAdGも線型 イソトロビー表現と呼ばれる.特に,Riemam対称空間の線型イソトロビー表現をs表現と呼ぶ,

いま,m一向の単位ベクトルλ∈肌(IIλII=1)を一つ取り固定する.AdG(K)は直交変換のなす群だ からλのAdo(K)による軌道AdG(K)λは,m内の単位超球面8の部分多様体になる.すなわち,

      Ad−G(K)λ⊂8⊂m を満たす.このAdo(K)λをR空間と呼ぶ.

 定理7より,m一の極大可換部分空間αを一つ固定すれば,

       Ad−G(K)α=m

となることが分かる.このことを言い換えると以下のようになる.

AdG(K)によるすべての軌道はαと交わる.

したがって軌道の基点λをα∩3から取ることができる.以後,αを一つ固定し,λ∈α∩8とする.

s表現の軌道,すなわちR空間は,λのとり方により軌道型が変わる.孤立軌道になる場合,3の極 小部々多様体になることが知られている。また,各軌道の型ごとに極小部分多様体となる軌道が存 在することも知られている.その説明には,対称空間の制限ルート系と,その基本領域の吊をする 必要がある.次にそれを述べる.

2.9 制限ルート系

 以後,対称対(0,K)におけるGは半単純であると仮定する.g=七十m。を対称対(G,K)による Lie環の直和分解とする.また,αをmの極大可換部分空間,tをαを含むgの極大可換部分環とす

(24)

る.この時,ルート系Rと制限ルート系五を次のように定義する.

定義34α∈セに対して,

      重、:{X∈gc1阻,Xト^/α,∬/X,(∀H∈t)}

と定め,重αをgCのルート空間,

       R={α∈t\{0}1豆α≠{0}}

をgのルート系と定義する.同様に,λ∈αに対して,

      9F{X∈gcl[亙,X1=月/λ,∬/X,(∀H∈α)}

と定め,gλをgCの制限ルート空間,

       R={入∈α\{0}1軌≠{0}}

をgの制限ルート系と定義する.

 ルート.系と制限ルート系について以下の事柄が知られている.

命題14α∈負に対して,dim亘α=1となり,gc=t+Σ亘αが成り立つ.

      α∈戸 定義35このgcの分解をルート空間分解と呼ぶ.

命題15λ∈Rに対して。dim軌=m入≧1となりパ。=go+Σgλが成り立つ.ただし,

      λ∈R

go={X∈gc脾,Xト0,(∀∬∈α)}であり,mλはλで定まる正の整数である.

定義36このgcの分解を制限ルート空間分解と呼ぶ.また,m人を人の重複度と呼ぶ.

ルート系と制限ルート系には次のような関係がある.α⊂tであるから,内積〈,〉に対して,π:t→α を,直交射影で定める.この時,π(戸)=RU{0}が成り立ち,gλ= Σ豆αとなる.更に,π(α)=入        α∈府

      π(α)=入

手なるα∈Rの数は,λの重複度mλに一致する.このことから,Ro={α∈五1π(α)=0}と置

けば,

      五={π(α)1α∈五\月0}

とできる事がわかる.

 いま,αに辞書式順序を入れて,それを拡張して亡にも辞書式順序を入れる,この順序に関する 五,月の基本系をそれぞれF,Fとし,この基本系に関する正のルートをそれぞれ,五十,R+とお

く.すると7r(R+)=R+U{0}が成り立つ.

(25)

 次にλ∈R+に対して,

      セλ=(9λ斗9_λ)∩セ        mλ=(9λ十9_λ)∩m

       セ。二{X∈川H,X1−O,(∀H∈α)}

とおくと,次の補題が成り立つ.

補題2

(1)

      H・十Σ1λ       λ∈R+

       m一叶Σ帆

       λ∈月十   が,直交直和分解となる.

(2)α∈R+\五〇に対して,ある8α∈セ,几∈mが存在して,各λ∈R+に対して,

         {8α1α∈五十\R0,π(α)=λ},{孔1α∈R+\五〇,π(α)=λ}

  はそれぞれ,セλ,m一λの正規直交基底となり,.さらに,H∈αに対して,

      阻,3α1=/α,∬/几,[∬,町1:一/α,∬/3α

  が成り立つ.また,

      Ad(exp∬)3α=cos(〈α,∬〉)8α十sin(〈α,∬〉)几

      Ad(exp∬)孔二一sin(〈α,∬〉)3α十。os(〈α,∬〉)几   も成り立つ、

定義37補題2の(1)で定まるセ,mの分解もそれぞれ制限ルート空間分解という.

2.10 s表現の軌道空間

 (G,K)を。ompact型対称対とし,g=七十mをLie環の直和分解,αをmの極大可換部分空間,

tをαを含むgの極大可換部分環とする。また,tに関するルート系をR,αに関する(g,セ)の制限 ルート系をRとする.いま対称空間のS表現の軌道全体のなす集合,すなわち 軌道空間 を知りた い.λ∈m,I■刈I=1に対して,その軌道Ad(K)λはmの単位超球面8とαの共通部分α∩8と,

(一般には)幾つかの点で交わる.そこで各軌道がただ一点で交わるようなαの領域を定めることが

(26)

出来れば軌道空間と同一視できる.そのようなαの領域(Wey1領域)は,以下に述べるWey1群を 用いて定めることができる、

       N(α)={ん∈KlAd一(ん)α=α}

      Z(α)={た∈KlAd(ん)∬=∬,(∀H∈α)}

と定める.M(α)をnoma1izer,Z(α)を。entra1izerと呼ぶ、すぐに分かるようにZ(α)は,M(α)の 正規部分群になっている,また,z(α),w(α)はそれぞれKの部分群であるからmに作用している.

特にW(α)はαを不変にするから,αにも作用している.いま,Wey1群W(α)を商群N(α)/Z(α)で 定める.すなわち,W (α)=N(α)/Z(α)である.W(α)は各ルートベクトルに関する反転で生成され る有限群(COXeter群)であることもわかる.すると,S表現の軌道とαとの交わりがW(α)の軌道 であることがわかる.つまり,

      Ad一(K)λ∩α=W(α)λ となる.

 一方で,KのAdによる作用を考え,同じ軌道にある点を同一視する事によって軌道空間は得ら れる.よって,軌道空間は8/Kと表されることになる、軌道とαの交わりは,Wey1群の軌道で表せ

ることから,

      3/K=(α∩3)/w(α)

が言える.対称空間においては,このように軌道空間を代数的な物と同一視することができる.

2.11Wey1領域

 FをRの基本系,FをRの基本系とする.この時,

C={亙∈αl/λ,H/>O,(∀入∈F)}

をWey1領域と呼ぶ.Wey1群がルートベクトルに関する反転で生成される群であるということを 考えれば,すべての軌道はことただ一度交わるとわかる.以下に例を述べる.

A2型の制限ルート系

帆の正規直交基底e1,...,e肌をうまく取ると,

α一 ^シξ/一・/

R={±(・。一・・),±(・1一・3),土(ε・一・3)}

    F={θ1一・2,θ2一θ3}

となる.

C={∬∈αl/λ,∬/>0,(∀入∈F)}

(27)

であり,

c皇α/w(σ)

となり,

(α∩8)/w(α)=c∩3 がわかる.

 対称対のrankが高いとき,Wey1領域と,単体を同一視して考えることができる.この単体を

。rbit typeによって分割したい。いま,△⊂F={λ1,...,λ一}に対して,

        C△一{∬∈αl/λ,∬/>0,(∀λ∈△),/μ,H/=0,(∀μ∈F\△)}

と定めると,以下の補題が成立する.

補題3(1)△1⊂Fに対して,

      再一]c△

       △⊂△1   特に,

       乙一]c△

       △⊂F

   となる、この和は非安和であり,Wey1領域の単体分割を与えている.

(2)

      △。⊂△。⇔C△・⊂西  こと3η一1の共通部分を取れば

      こ∩8η.ユー]C△∩8η一1        △⊂F

となることがわかる.この表示はS表現の軌道空間の単体分割を与えている.この時,同じ単体に 含まれる軌道は同じ軌道型を持つことがわかる.

定理17(広橋一Song一高木田崎)△⊂Fに対して,C△∩8η ユの申に8卜1の極小部分多様体にな る軌道が一意的に存在する.

2.12 レドラクションの構成

 前に述べたように,B=Ad(K)λ⊂8卜1が極小軌道であるとき,その上の錐0Bは極小錐にな る.この錐が面積最小になるかどうかを調べるためにはまず,レドラクションを構成し,それが面 積非増加がどうかを調べれば良い.

(28)

補題4(広橋一菅野一田崎阻KT])制限ルート系の基本系Fの任意の部分集合△に対して,φ(C△)⊂

c△を満たすようなφ:こ_→乙が存在するならば,次の写像Φが矛盾なく定義される.

      Φ: m 二→    m−

       X ←→ Ad一(ん)φ(H)

ただし,ん∈K,H∈Cであり,X=Ad(ん)Hを満たす.

proof.

 X∈mに対して,ん1,ん2∈K,∬1,H2∈Cが,X=Ad(ん1)∬1=Ad(ん2)∬2を満たすとする と,Ad(好1た1)H1=H2∈ごとなり,各K軌道はことただ一点で交わるので,H1=∬2△={α∈

Fl〈α,H〉>0}とおくと,H1∈C△={∬∈α1〈入,H〉>0,入∈△,〈μ,∬〉=0,μ∈F\△}ここで,

次の定理を認めて使うことにする.

定理18(広橋一菅野一田崎陣KT])△⊂F,∬∈C△に対して,Z会=Z黒が成り立つ。ただし,

       z会={ん∈Kl Ad(ん)lc△=id一}

       z黒={ん∈Kl Ad(ん)H=H}

 Z会はC△を固定する部分群,Z黒はHを固定する部分群であるから,Z会⊂Z是は明らかである が,逆の包含関係は明らかでない.

 補題4の証明に戻る.Ad(好1ん1)亙1=H1であるので,何1ん1∈Z呉1となり,上の定理から,

何1ん1∈Z会が言える.∬1∈C△なので,仮定からφ(∬1)∈C△したがって,

      Ad一(何1ん1)φ(H1)=φ(亙1)

よって,

       Ad(ん1)H1=Ad一(ん2)H2 となり,Φが矛盾なく定義できるとわかった.ロ

 レドラクションΦ:m_。03を構成するために,Wey1領域内のレドラクションφ:こ一→Rλ

(λ∈αは極小軌道の基点)を作る.

定理19λ∈こに対して,△o={α∈Fl/α,λ/>o}と定める.

0.o級関数∫:C_→R>oが

(1)任意の亡≧Oに対して,∫(亡λ)二亡

(2)△oを含まないFの任意の部分集合△について,

∫lc・=0

参照

関連したドキュメント

D=32.67µm が長方形型相関領域を適用した場合の誤差として評価される。この値

〈 就労による心身面への影響はないと思っている〉 卜10体

一方、保育現場に同僚性という言葉が持ち込まれたのは、少し遅れて 2008 年になる。大 場(

しかし,土木工事を想定しているこのモデルでは発注者の条件を社会的厚生の最大化を目指す 者に限定しており,日本国内の建設業において 60

この Viterbi アルゴリズムの独立性を利用して、1

計算複雑さの研究者の間では,圧縮ファイルのサイズが大きい情報ほど複雑とみなす考え方がよく知られて いる

んで加圧したときの、ラマンスペクトルの変化を示す。図 4.3.1a は、加圧前(常圧)と加圧 時(高圧)におけるラマンスペクトルの全体像である。図 4.3.1b, c では RBM

先程、No.5 の測定結果について、一軸圧印加方向がθ<0 であるときには Figure 4-1 に 示したような長軸方向への