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お母さん、明日からぼくの会社はなくなります



横須賀輝尚

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はじめに

ほとんど面識はないけれども、一方的に書かせてもらう。 神田昌典氏のマーケティングや知識は私に勇気をくれた。 本田健氏の物語は私を温かい気持ちにさせてくれた。 ナポレオン・ヒルは哲学的な知恵を。 マーフィーはユーモアに溢れた五感の使い方を。 とてもじゃないけど書ききれない。 数 あ ま た 多 の成功者の本やノウハウ。そのすべての名前を 挙げられないのを本当に申し訳なく思う。 でも、一〇年前。私はあなたたちを憎んでいた。 本を読んだところで収入は増えない。時間は自由にならない。人間関係も豊かにならな

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4 5 はじめに い。まったく言っていることと逆じゃないかって。 だ か ら、 「 は じ め に 」 で よ い こ と ば か り 書 い て い る 本 は 信 じ な く な っ た。 あ な た も 成 功 できる。夢は必ず叶う。結局、成功法則を書いている人は、成功法則を売ることで成功し ているって、そうなんじゃないかと本当に疑っていた。 それでも、心の奥底ではあなたたちがうらやましかった。 名声、収入、周りを囲むたく さんの人たち。 なぜ、あの人たちは成功しているのか。なぜ、自分はそうなれないのか。ずっとジレン マの日々が続いた。あれから一〇年が経ち、私も大人になった。 そ し て、 私 は 見 つ け た の だ。 「 普 通 の 人 」 が 成 功 す る た め の 真 実 を。 学 歴 が 平 凡 で も、 ろくな職歴がなくても、スキルがなくても知識がなくても自分だけの成功を手に入れる方 法だ。 この本は、一〇年前の自分に向けて書いた本になる。無職で収入がなかった自分。平凡 な学歴にコンプレックスを持っていた自分。まともな職歴がなかった自分。そして、人生 を諦めかけていた自分。 「もう、駄目かもしれない」 一〇年前、そう思っていた。すべてが投げやりだった。でも、一〇年経った今だからこ そかけてあげたい言葉がある。 「大丈夫。きっとうまくいくよ」と。 本書は、私の一〇年間のすべての経験を注ぎ込んだ本です。 「もう、駄目かもしれない」 。 長い人生、誰しも一度はそう思うときがあります。本を通じてあなたにメッセージを伝え ている以上、あなたのことは詳しくわかりません。だから、言ってしまえば明確な根拠は

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ありません。ごめんなさい。でも、やっぱり大丈夫なんです。今、人生を投げ出さず、正 しい努力を続けていけば、必ず人生は好転します。それは断言できます。本書はそういっ た 人 の た め だ け に 書 き ま し た。 そ し て、 ひ い て は あ な た 自 身 の 夢 や 目 標 を 叶 え る。 そ う いった手順書でもあります。 私 の 場 合、 「 も う、 駄 目 か も し れ な い 」 と い う 時 期 は、 比 較 的 早 く 来 ま し た。 今 か ら 一 〇年前、私が二三歳のとき。普通に考えればありえないことですが、私は新入社員として 入社した会社をたった一カ月で解雇されてしまいました。途絶える収入。減っていくわず かな貯金。社会人失格という 烙 らく 印 いん 。今でこそ笑って話せる昔話になりましたが、当時はた だただ茫然自失し、解雇された日、会社のあった東京は京王線の笹塚駅でしばらくしゃが み込み、動けないほどでした。 それから一〇年。そのかわいそうな青年はどうなったかというと、独立開業を成功させ、 現在は小さいながらもコンサルティング会社を経営するほどになりました。あまり数字を 出すのは好きではないのですが、年収は一〇〇〇万円以上。スタッフは五名。新宿区四谷 に 三 〇 坪 以 上 の オ フ ィ ス を 構 え て い ま す。 あ ま り 物 欲 が な い の で、 キ ャ ッ シ ュ で 外 車 を 買 っ た と か 家 を 買 っ た と か そ う い う 話 題 は な い の で す が、 都 内 に そ れ な り の 広 さ の マ ン ションを借りて安心して暮らせるようになりました。もともとゲーム好きでインドアな性 格なので、やっと余った時間にゲームをする余裕もできました。 でも、一〇年前は、どれもまったく想像できないこと。お金の余裕も心の余裕もない。 そんな時期が続きました。でも、できたんです。そして、そのすべての方法を本書にまと めました。 ただ、こうして書いてしまうとよくある稼ぐ系の本だったり、強く生きろという自己啓 発もののように聞こえたりするかもしれません。もちろん、重なる部分はあると思います が、本書はこれまでの本とは次の点でまったく異なります。 1.著者が平均的な人間から、成長をしたタイプであること ビジネス書を選択するときのひとつの基準が、著者のプロフィールであると言われてい ます。あなたも私のプロフィールを見て、本書を読んでくださっていると思います。他の よくある成功法則の本などと違うことは、私がいたって平均的な人間だということです。 私が一〇年前、無職で路頭に迷っていた頃、数々の成功法則、稼ぐ系の本を読みました。 しかし、著者のプロフィールを見てはいつも 萎 な えてしまっていたのです。

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8 9 はじめに どういうことかというと、著者のほとんどがそれなりに優秀か、あるいは逆に大変な不 遇をかこったハングリー精神の持ち主だったからです。たとえば、東大、京大はもちろん 早稲田、慶應、上智なんていう学歴を見ただけで意気消沈です。なんだよこいつ、そもそ も優秀じゃんか、と。 私の最終学歴は、専修大学法学部卒。しかも一年浪人のおまけつき。早稲田や上智など の有名大学に入りたかったのですが、ダメでした。やっぱり優秀な人は違うんだ、と高学 歴の人の本は読む気になれません。 あ る い は「 元 リ ク ル ー ト で ダ メ 営 業 マ ン だ っ た 」 と か、 「 大 塚 商 会 で は ま っ た く の 泣 か ず飛ばずで……」などと書いてあったとしてもダメ。私は社会人にすらなれなかったので、 そもそも企業に勤めてまともに続いている時点で萎えてしまいます。 おいおいそもそもよ い会社に入れる人材なんじゃないかって。 さらに、高学歴や企業経験がなくても、一家離散したとか自己破産したとか、数千万円 の借金があったなどの過酷な環境を乗り越えたという経歴や、中卒、高卒などの学歴コン プレックスからハングリー精神を 育 はぐく み、成長してきたからこそ今があるという経歴を見て しまうと、また萎えてしまう。とてもじゃないですが、そんな経験ありませんって。 私が受けた挫折も、会社を解雇されたことのみで、これらの壮絶人生を歩んでいた人と 比べると、やはり大した経験ではない。そう考えると、自分自身は成功なんてできないの ではないか、と考えてしまうのです。 学歴でみても、ハングリー精神を育むほどのコンプレックスがあるわけではなく、偏差 値的には中の中。学歴としては中途半端です。専修大学という大学は、多くの出会いと学 びがあり、素晴らしい大学ですが、このように成功者と比べてしまうとやっぱり成功する 人はそもそも違うよね、という結論になってしまうわけです。 また、特に経営に関して深い関心がもともとあったわけではありません。独立開業は二 三歳とかなり早いほうの部類に入りますが、両親が会社を経営していたわけでもなく、私 の両親はいたって普通のサラリーマン。親類の中には特に企業経営を行っている人はゼロ。 農家がいるくらい。このように一般的な家庭で育ったので、特に小さな頃から経営を考え ていた、という土壌もまったくなし。 さらに、大学時代も学生ベンチャーを立ち上げたりすることもなく、居酒屋のアルバイ トを三年ほど行っただけ。アルバイトとして経験した職種は接客の一種類のみ。ですから、 経営的に何か素養があったわけでも、経験を積んだ上で始めたわけでもないのです。 今これを書きながら、本当に何か環境や素養があったわけではないとちょっと自分でも かわいそうになりますが、全国的にみれば可もなく不可もない、平均的な人間が書いてい

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るということがこの本の特徴になります。 2.真面目な人向けであること 人を騙したり、噓をついたりするのが苦手な人。 他人を蹴落としてまで幸せになりたく ない、FXとかアフィリエイトの裏技で何か楽して稼ぎたい、このような方法や考え方で 人生逆転させたいというのはちょっと違う……。本書はそう思っている人向けです。 私自身、一〇年間フリーランスでビジネスをする上で、たくさんの儲け話と出合いまし た。怪しいものから割とそうでないものまでたくさん。たとえば、今FX投資というのは 一般的になりましたが、その草創期。この時期に投資すれば間違いなく儲かるという話が あり、多くの知り合いが儲かっているようで、ちょっとうらやましいなとは思いましたが、 結局私は話には乗りませんでした。同様に、アフィリエイトのある手法ですぐに稼げると か、そういう話は本当に多数ありましたが、今の今までこういった話には乗っていません。 そ れ は、 な ん と な く で す が、 真 っ 当 な 仕 事 を し て、 そ し て そ の 対 価 と し て 報 酬 が ほ し かったからです。なんかこう、自分なりに誇れる仕事がしたいと。お金もなかったのです が、どうしてもそういうところは譲れなくて、ここまでやってきました。ですから、人生 を逆転したい、稼ぎたいけど、できるだけ誰にでも言える、胸を張れる仕事でそれを実現 させたい。そういった比較的真面目な人向けに書いています。私はそういう真面目な人が 好きです。 3.できるだけ具体的な手順書にした ふわふわしたよくわからない成功法則みたいなものは書かない。これが本書を書く前に 決 め た こ と で す。 「 毎 日 ひ と つ、 誰 か に 与 え よ う 」 と か「 掃 除 を き ち ん と す る と よ い 流 れ がくる」というような、よくある成功法則に言われるような方法は、本書にはないです。 そういうのは他の本にお任せしますし、私や本書の役割じゃありません。もちろん、成功 法則のすべてが間違っているとは思いませんが、まずは現実世界のあなたの人生を好転さ せることが本書の目的です。ですから、できるだけリアリティのある話をします。 後述しますが、成功法則と言われる本は、正しい読み方が必要です。その読み方を間違 えると成功法則の実現のために成功法則をする、というなんとも本末転倒なことになって しまいます。 他にも読み進めていただければ、他の本と違うことはきっと理解していただけると思い ます。

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12 13 はじめに さて、本題に入る前にもう一度だけお伝えします。 今、もう駄目かもしれない。人生に行き詰まってしまったとあなたが考えていたとして も、大丈夫です。 きっとうまくいきます。 私自身も、正社員になれずに無職になったとき、なんておれは不幸なんだと世の中を恨 みました。しかし、世の中や過去のことに文句を言っていても、何も変わらなかったんで す。収入は増えることはないし、貯金は減っていく。退廃的で変化のない生活が続くだけ です。そして、自分自身の学歴、経験、才能、性格など振り返り、嘆いても未来は一向に よくならない。少なくとも、私自身そうでした。自分を解雇した会社の不満をどんなに言 おうが、自分は変わらないのです。 ある日を境にして、私は決めたんです。自分の人生、逆転させようって。 時間がかかっても、誰も応援してくれなくても、自分の一度きりの人生、もっとよくし ようって。 ない知識は身につけよう。経験はこれから積んでいこう。ないならないなりにやり方が あるはずだって。 前を向き始めたとき、少しずつ人生は動き出しました。そして気がついたんです。 ほとんどのことは、後天的に変えられるって。 知識はいくらでも増やせる。経験もこれからいくらだって積める。才能も見つかるかも しれないし、自分にできないことは誰かに頼めるかもしれない。もちろん生まれた場所や 今の年齢とか、身長とか変えられないものもあります。ただ、それ以外はほとんど変える ことができる。いや、できたんです。 性格だって変わります。今でこそ多少こうして本を書かせていただき、偉そうな講釈も 垂れるようになりましたが、正直私の性格は、もともとあまり褒められた性格ではありま せんでした。 ぐれてヤンキーになる、みたいな素行が悪いというのはなかったのですが(そもそもそ う い う 度 胸 す ら な か っ た の で す が )、 自 分 が 優 秀 な 人 間 で あ る と 思 い 込 ん で 人 を 見 下 す と

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ころがありました。よくあるパターンで、小学校、中学校まで成績がそこそこよいと自分 のことを優秀だと勘違いしてしまうケースです。 でも、現実は狭い地域社会での一時的な「優秀」なわけで、全国から受験生が集まる大 学受験となるとボロが出ます。でも、悔しいから学歴が自分より低い人は軽視し、自分よ り上の学歴の人には「学歴じゃない」と言う。自分が言ったことが正しい。さらに大手企 業からは内定をもらえないので、ベンチャーに行った私は、大企業に行く人を見下す発言 をしていました。 「大企業でやりたいことなんてできない」 「実力のある人はベンチャーに 行く」とかなんとか。これはどう考えても、自分の小さなプライドを守るための発言です。 情けない話、私は自分のプライドとか今ある場所とか地位とかが大切で、いつもそれを 失うのが怖かったんです。結局のところ、そのベンチャーを解雇されてしまうわけで、も う笑うしかないわけですが。 こんな過去の私ですら、今ではこうして仕事をいただくことができ、会社も回っている わけで、性格は多少改善されたんじゃないかなと思ってます。 どうでしょう。こんな私です。この私がやってきた人生を好転させる方法、すべてこの 本に詰め込みました。もし、あなたが一〇年前の私と同じく、仕事がなかったり、収入が 少なかったり、あるいは仕事はあるけれど、収入が増えない、この先が見えない、人間関 係がうまくいかない、今後どうしていいかわからない。詰んでしまいそうな人生をなんと かしたい。そう思っていたら、少しでもいいから私の話を聞いてほしいと心から願います。 本書を批判する人も出てくるでしょう。でも、私は批判されないために本を書いている わけではありません。 人生を豊かに、とか素晴らしいものに、などと抽象的なことは言いません。本書の目的 は、あなたの収入を上げ、詰みそうな人生を逆転することです。そのために私は一〇年間 のすべてをこの一冊に注ぎ込みます。

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はじめに    3 プロローグ    23

人生

の逆転劇は

すぐには

始まらなかっ

「おまえ、明日から会社にこなくていいから」 30 それは勘違いから始まっていた 33 業務命令「行政書士に登録せよ」 36 なんとなく、独立開業。とりあえず、独立開業 38 本物の「行政書士」に出会ったことがなかった 40 極貧の下請け生活 43

『小さな会社☆ 儲 けのルール』の著者   栢野克己氏に会いに行く 47 残金一カ月。半年遅れで決意した復讐劇 49

僕なりに成功法則につい

本気出して考えてみ

「成功する方法」で本当に成功できるのか? 57 なぜ、成功ノウハウを学んでも、成功できないのか 62 世の中の成功法則は「目標」を設定しようと言うけれど…… 64 最初から夢は描かない 65 五カ年計画なんて、立てられない 72 最初は 自分でつくる計画よりも、他人の成功計画をなぞる 73 私が経験から得た、成功するための習慣と考え方 75 知識は、習得するものではなく、調べるもの 76 社会人失格でも、人は私を人として扱ってくれた 79

お母さん、明日からぼくの会社はなくなります

contents

(10)

メンターなんて、現れない 81

僕はどうしても

誇れる仕事

成功したかったんです

 

ロバート・キヨサキ『金持ち父さん、貧乏父さん』が教えてくれた真実 86 独立すると心配だと思う、でも心配しなくていい 90 なぜ、会社の倒産が人生の終わりのように聞こえるのか 94 独立開業の成否の鍵は、始める前にある 99 一年後、月商一〇〇万円を突破し、年商一〇〇〇万円が見えた理由 101 ビジネスモデルの確立から、突破口となる営業手段を見つけろ 105 心配なく、安定的にビジネスを続けたい一心から 110 誇りを持てる仕事で成功したい、というわがまま 114 仕事への取り組み方によって、相手を幸せにも不幸にもする 118 いったい仕事は誰のためのもの? 121

僕はどうしても

誇れる仕事

成功したかったんです

 

中途半端な 学歴、恥ず か し い キ ャ リ ア を す べ て 変 え て くれた の が 資格だ っ た 129 小さな成功体験なしに、大きな成功はできない 132 人生を逆転させはじめるための資格 136 どこから始めていいかわからない、資格を選べない人のための資格 137 一年の真剣な努力で人生を逆転させはじめるための資格 138 二年の真剣な努力で人生を逆転させはじめるための資格 140 多くの人の、資格を取った理由が「なんとなく」 142

(11)

自分のための人生が

誰かのために変わったと

奇跡の出版成功。はじまる快進撃 151 あんたの実力じゃないよ 156 それは深夜の着信から始まった 158 無経験からの組織化 161

二〇〇七年四月二七日

天才塾ははじまっ

三〇日で成功する! 超速・資格起業家養成講座 172 1日目   174/2日目   174/ 3日目   176/ 4日目   177/ 5日目   180/ 6日目   181/ 7日目   182/ 8日目   184/ 9日目   185/ 10日目   185/ 11日目   186/ 12日目   187/

13日目   187/ 14日目   188/ 15日目   189/ 16日目   189/ 17日目   190/ 18日目   191/ 19日目   191/ 20日目   192/ 21日目   192/ 22日目   193/ 23日目   194/ 24日目   194/ 25日目   195/ 26日目   196/ 27日目   197/ 28日目   198/ 29日目   199/ 30日目   200 エピローグ     202 おわりに     207

(12)

プロローグ

「お母さん、おれ、無職になっちまった……」 そ の 男 は、 電 話 越 し に 震 え る 声 で そ う 言 い ま し た。 順 風 満 帆 に 見 え た 人 生 は な ん と も あっけなく、どん底に落とされます。 男が人前で自分の母親のことを話すとき、一般的には「母」といいます。古い言葉なら 「 お ふ く ろ 」 と い う 人 も い る で し ょ う。 で も、 目 の 前 に い る と き は や は り「 お 母 さ ん 」 と 呼ぶ人も多く、特に自分が苦しいときには間違いなく「お母さん」と情けない声を出して しまうものです。 私は二〇〇三年に行政書士という資格で独立開業し、二〇〇五年にコンサルティング会 社を設立。約一〇年の間、経営コンサルティングを自分の生業としてきました。コンサル テ ィ ン グ に も 様 々 な ジ ャ ン ル が あ り、 た と え ば 大 手 船 井 総 研 の よ う な 総 合 的 な コ ン サ ル ティング・ファームもあれば、アクセンチュアのようなシステム系のコンサルティングの

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24 25 プロローグ 会社もあり、加えて独立系の個人コンサルティング事務所も多数あります。個人コンサル タ ン ト は さ ら に 細 分 化 さ れ、 Facebook の マ ー ケ テ ィ ン グ 専 門 や 組 織 構 築 専 門 の コ ン サ ル タントなど、多岐にわたります。 その中でも私の位置づけは、個人がゼロから年商一〇〇〇万円から三〇〇〇万円くらい を達成させるいわゆる「起業」のコンサルタントです。もちろん年商数億の会社のコンサ ルティングの仕事も受けてきましたが、いわゆる中小零細企業のほうが得意で、中でも自 分自身の経験を活かした、いわゆる士業といわれる税理士、社会保険労務士、行政書士な どの独立開業コンサルティングが最大の強みです。 そんな私の仕事の中心は、相談に答えることとセミナー。もちろん経営者でもあるので、 社 長 業 も 行 っ て い ま す が、 コ ン サ ル タ ン ト と い う 立 ち 位 置 で 考 え れ ば、 「 悩 み を 解 決 す る」ことが大きな仕事になります。これまで一四〇〇名を超える人・企業の相談を受け、 個人では年収一〇〇〇万円を超える人たちをもう一〇〇名以上輩出してきています。 本書で人生を逆転させる方法を伝えようと考えたとき、方法論をただ並べては、それこ そこれまでの成功法則の本となんら変わらない。そう考え、ある事実を元にお伝えするこ とにしました。個人情報や各種の兼ね合いで若干脚色したものもありますが、私に起きた 事実を元にお伝えしていこうと思います。 時期は二〇〇六年まで遡ります。 正確な時期は覚えていません。ただ、夏の暑い日だっ た記憶があります。あまりにも作り話のようで、信じてもらえるかどうか少し心配なので すが、これからお話しすることは事実です。 東京は渋谷のスクランブル交差点。私は仕事で渋谷に来ていました。そう、あのハチ公 のある有名な交差点を渡りきって、次の行き先の確認をしているとき、あるひとりの男性 から声をかけられたのです。 「あの……横須賀さんですよね?」 私は驚きました。芸能人でもあるまいし、まさか街中で声をかけられるなんて。サッと 感じる背中に流れる汗。当然相手のことは知らないし、何か事件に巻き込まれるのではと 少し身構えました。風貌はまるでホストのような男性。少しくたびれたスーツを着た二〇 代とも三〇代とも見えました。その男性は、以前から私のブログやメルマガ、書籍などを

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通じて私のことと顔を知っていたということ、声をかけるのは申し訳ないと思ったが、こ んなチャンスはないと思って話しかけたことなどを聞くと、私も少し落ち着き、名刺交換 をしてその場を後にしました。 その後、もし可能であれば個別に相談したいというメールが届きました。 「正直にお話ししますと、今風俗関係の仕事をしているのですが、できれば違う仕事に就 きたいと思ってます。でも、こんな仕事だし、特にまともなスキルもなく、なんというか この仕事嫌いじゃないんすけど、真っ当な仕事というか……なんで転職も難しいんです。 ち ゃ ん と し た 仕 事 し た い し 、 結 婚 も し た い ん で す 。 こ ん な 私 で も 成 功 で き る ん で し ょ う か 」 その後、メールのやりとりを何度か続け、話をよく聞いてみると、いくつか職には就い たが、打ち込むことができずに転職を繰り返し、現在は風俗関係の仕事をしていること。 再度転職活動をしてはみたものの、これまでアルバイト歴も長く、正社員経験が少ないた め、まともな職にありつけない。そもそも、好きでこの仕事に就いているわけではなく、 なんとなく割のよい仕事を探しているうちに今の仕事になった。 もともと別にヤンキーでもぐれているわけでもなく、 なんとなく将来に希望を見いだせ なくて、流されてきてしまった。普段の仕事を続ける中で、成功法則や営業の本を読んで みたものの、リアリティを感じない。 そこで、本当に成功できるのかどうか、たまたま見つけたこの私に直接聞いてみたかっ た、とのことでした。 第一印象は、一見チャラいホストのようだ、というものでした。しかし、メールの文面 ややりとりを見ると、今の仕事もやる気に満ちあふれているとは言えないけれど、手を抜 いているようにも聞こえない。礼儀正しいし、根が真面目であることはわかる。 言い換えれば、本当はもっと描いていた未来像があったのに、どこかで「もういいや」 と投げ出してしまっているようでした。 突然街中で声をかけられ、しかも相談に乗ってほしい。常識的に考えれば、こんなお願 いを聞く必要はありません。しかし、彼のメールから感じる秘めたる熱意や苦悩のような ものを感じ取ったのでしょうか。彼の要望は、とにかく成功する方法が知りたい。私の体 験談が聞きたい、とのことでした。私はその要望に応えることにし、別途日時を指定。彼 の相談に乗ることにしました。

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28

人生の逆転劇は、

すぐには始まらなかった

※    ※    ※ 真夏日に近かったその日、私は彼に会うために新宿駅南口にある喫茶店に向かった。 高級ホテルのラウンジでも何でもない、平凡な喫茶店。店に入ると、すでに彼は窓際の テーブルに座り、私を待っていた。 「 お 待 た せ し ま し た 」 と 声 を か け る と、 彼 は 少 し 緊 張 し た 面 持 ち で、 「 今 日 は わ ざ わ ざ、 すみません」と浅く頭を下げた。緊張しているのは、実はこちらも同じだった。 「こちらこそ。今日は暑いですね」 あたりさわりのないあいさつの後、沈黙が少しの間続く。それを打ち消すように、やっ てきたウェイターにコーヒーを二つ頼むと、私は話し始めた。 「とりあえず、私が就職した頃のことから話しましょうか」

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「おまえ、明日から会社にこなくていいから」

一九九九年、一年の浪人生活を経て専修大学に入学した私は、平凡な大学生活を送り、 そして就職活動を終え、一社のベンチャー企業から内定をもらい、新入社員として働き始 める予定でした。IT系のコンサルティング業を中心とした数名の小さな会社で、私は初 めての新卒採用ということで、希望に燃えていました。しかし、入社から一カ月経ったあ る日。社長に呼び出されます。 「おまえ、やっぱりこの会社向いてないよ。もう明日からこなくていいから」 つまり解雇。いくつか思いあたるフシはあるものの、クビになるような決定的な理由は わかりません。社長と性格が合わなかったのか、仕事ができなかったのか。ただ、事実と して残ったのは、 「おまえは、会社にとって不要」 。つまり解雇ということのみ。文字通り 無職になってしまいました。 二三歳で会社をクビになった私は、これからどうしようかと悩みました。こんなに悩む ことがあるのかってくらい、本当にこれからどうなるのか、自分の人生こんなはずじゃな かったのにと文字通り途方に暮れました。 幸い、その会社から解雇予告手当金という名目で少しお金が振り込まれました。一カ月 分の給料が振り込まれたので、一八万円程度。多少の足しにはなりますが、今後定期的に 入ってくる収入は当然ありません。 すずめの涙のような自分の貯金を足しても確か四〇万 円か五〇万円程度の残金。これが私に残されたお金でした。 このとき、東京都調布市というところに木造アパートの六畳一間を借りて住んでいたの ですが、改めて生活費について考えなければならなくなりました。家賃は六万四〇〇〇円。 計算すると、四、五カ月後にはどうやってもお金が底を突きます。つまり、私に残された 期間は短めに見積もってあと四カ月。この四カ月で何かをしなければ、本当に人生詰んで しまうことになります。 普通に考えれば、すぐに次の職を見つけるべきです。でないと収入がありません。しか し、会社をクビになった私には、その気力すらありません。解雇されたことをその頃の友 人 に 伝 え る と、 「 大 変 だ っ た ね 」 と か「 ひ ど い 会 社 だ ね 」 と か 同 情 の 声 ば か り で、 本 当 に 泣けてきました。 特 に 両 親 に 対 し て は な か な か 打 ち 明 け ら れ ず に い た の で す が、 大 事 な こ と な の で 思 い

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