第11巻 通巻第29写(1959) 99
かんがい用貯水池相に関する研究
・L− ブラン′クトン′について一
前 川 忠 夫,脇 谷 武,横 瀬 広 司
Studies on the phase ofirT・igatinalreservOirs
−Onlthe plankton−
Tad卑O MAERAWA,TakeshiWAKIYA and HiroshiYoKOSE (LaboratorIy Of AgriculturIalEngineering) (ReceivedJuly13,1959) 1 経 口 かんがい用水ほ水魚と共に.水質も墓更なる要素であるが,その水質と密接な関係がある■ブラソクl、・ソの娃息状態は 湖沼の場合と.同様こ貯水池に.おいても池水の水温,日照,降水盈などの気象的条件と池水の含有するN,P盈をはじ めとする水質的条件によって大きく左右されるい すなわち水温の上昇に・よりブラソクトソの繁殖は旺盛となり,また 日照(太陽・エネルギー・)は無機物から有機物を造成する炭素同化作用にほ不可欠の因子である…水質については池水 中のNおよびP盈は70ラソクトソの規制当子と1、われており,Nほブラソクトソの細胞蛋白源として,Pは細胞膜の 形成に不可欠の因子である.書付信書(3ノは池水車のN,P塵はプラン∵グーンの紫砥と正の相瀾がありまたpHも密接 な関係があることを指摘している.. この他水の水質的条件を・左石する因子は主として貯水池流域の大小,穏当㍉ 地質,土性,土鞄利用および流域内で の人間満潮,貯水池眉体の親憤,形態などの貯水池をめぐる環境に・よって支配されるものと.考え.られる(7).この環境 による水質の相違ほ泰調査と周時に同貯水池について行った水質調査から異著に魂われている(8). この調査は香川県のかんがい用貯水池をその環境により山地,麓也,野他に分類し,環境別性格を明らかにするた め水質の一層素としてプラン㌧グー・ソについて弊態の概要調査を待ったものであるが貯水池のプラソグトンは水産資源 としてまた池泥の客土桐土としての利用の面からもきわめて義軍であろう. なおわれわれほブラシクトソについては十分な専門的知識を有しないので,学内の生物学研究室教官の援助と文献 に.もとづいで水調査を行った. Ⅰ 調査貯水池および調査方法 調査貯水池は.著者らの池水の肥効質に関する報賃(8)と.同じ貯水池である,す 木田郡三木町にあり阿讃山脈を集水流域として瀬戸内海に注ぐ新川を同一・水系 県机下 l・カ ー ・∴、・ ち る わザ な と の中央部よりやや賓部, 池 (山地),双つ池(驚 池),窪地(野池)の3偶の貯水池である−別報:8)のごと.く貯水池の水質ほ貯水池をめぐる環境忙よって左右され, ひいてほ池水中のブラこ/クトソの棲息状態も大いに支現されるから環境の異るしかも同一水系にす隣る貯水池を選 び調査したものである‖ 調査貯水池の位層および詳細は別報(8)と同一Lなるため省略するが概要のみ第1表にかかげ る、 第1表 謁 査 貯 水 池 調査期間は1957年6月から10月のかんがい期間と非かんがい期を代表して1958年2月であり,毎月1回,各月の初
香川大学幾学部学術報告 100 旬に標準羽二重(織),口径25cm,1600孔/cm2のブラシクトソネッt・を用い,200cc入り共役村ポリエチレゾ掛こ・採 集した. 1リ ブランクトン採集位置 (a)池心帯:貯水池のほぼ最深部で地底より約1mのところまでネットを鉛憤に沈め,同一地点で3匝i採笑い (b)池倖帯‥貯水池の堰堤側の池岸の表層水中をネヅトを池岸より投入して,水平的に∴3回採集.. 2、プランクトンの定量 (a)ブラソクトソ盈‥採集したブラシクトyをホルマリソで処理した後,手廻式遠心分勒器で1分間に約1,000匝Ⅰの 速度で3分間廻転し,プラソクトソを濃縮し,秤藍瓶にてその濃縮■ブランクt yのcc数を読み,池水1m8当りの・70 ラソクトン盈(cc)に換算しCC/m8で表示したり(℡4) (b)■70ラソクトソ個体数:濃縮ブラシク1・ソをステムペルピペットを用い均等に.分・散させ,その1渦中の個体数を
倍率100→150倍の朗徴鏡下で「浮遊崖物分類学(り」,「飲軋水の判冠漂撃と.その試級扶(5り中のブラソクトン分腰に
もとづいて分類した.ブラソクトソ分類に・関しては専門的加計こ.乏しいため,租名がはっきりしないものは属名まで にと.どめ,さらにあいまいな種類ほ不明と.して誤りをさけたい 皿 調査結果(第2,3,4、,5表) 第5表 ブラ∵/クトソ採環ヨの諸条件 Ⅳ 考 察 11プランクトン豊 山池(小川下地)の池し帝ではかんがい期の6,7,8月に各々0.90Sccm8,0.911cc/m8,0.913cc/m8と大き い値を示すが9月,10月には0‖290cc/m8,0.235cc/m8と急激に域少し,非かんがい嘲の2月には0,582cc/m8とか なり大きい値を示す.これはかんがい期′こ多数某喧していた動物坐ブラソクトンのβjα♪わ朋〝.SSp.に変って非かんが い期には蔵物連ブランクトソのエ郷¢C〆査dγ∂〟ざSp.の繁漁が旺盛になったためであろうと考えられる小池停滞では調 奄期間糾まと.んど変化せず0033∼0け0ヨ5〇C/m8を示す健也:双つ.酎,野砲ニ逓地〕では共に6月より漸増して8月に 各々地心帯で1”658cc/m8,2.850cc/m8,池岸得で0.586cc/m8,ユ.035cc/m8の最大値を示し以後非かんがい期の第11巻 通巻第29琴(1959) 101 鞭故意
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択一轟援軍
轟 造 璽 ゝ ふ へ ゝ 恥 ≠
⊂)⊂〉⊂) ⊂) 「・」一寸N N 〇.〇TW∽Cの N.コ⋮∞∞の 粒々責 (:0(J〇⊂⊃ ⊂) 〔1rJO〕 の 寸「−」 rl訣一意造畢
軽故意 卜.CN C.S 鞍・﹂■竜 寸﹁しl言 ∽∞N ︵.z↑D出︶買き恵ざ§:還邑官長琶六 ゼ昌〓姜霞岳官童遥軍眉§薫首富貴 .ds 切詰電○ぶ烏ゝト ︵・已○邑空運官長表蔓註計息 .s⊃⊥﹁閂↑S 鼠eQゝ︰弓買Q思鳶弓 .錮出JつJ言.h.〇りぶ宝玉誉う二道ぶ芸道 ﹁出国JJ〇言.q〇一戦∼∼箋竃ミ更ぶS蔦葛ゝ恥じ 空h且簑凄首首 亘莞道長︶ 還ぶ⊆ぷqぶ雪β季還 ・三〓ェ・、〓︺・、、.三・、ミミ:、、、︸■、︺ .ds 等苫屋草書q 服C鯨 ︵.国SSOU︶ .鏑凹JJ〇山≧.h.〇 .出国HS−h ︵.告JJつ苫.h.〇︶ .S出司S.〇.U .白粥景U一再 欺 州四 \︰ム+へ \ハ 爪.卜 ( ′(\ ( ′{\/ ̄\ d,凸 〈つてプ¢ ) ) ) ) ) 箋邑ざらざ、S蚤遥S還 .as りミ叫唱Qミぷ竃U ⊇学⊆3Q恵竃滝き ds qs d∽ d00 鼠まぎ儀や登急ぎミぶG ち卓鳶:垂首眉墨ぶ ぷ毒童苛8Q≒蔓蔓還 ぶ選ぶり≡属鳶芦品 dAレ虐∵空ぜ芯恵バ 買蔓呈2負号葺 .as 凰Q℃へじ 翌ミ箋ち訂ご蔓拐 .dの ゝ思亀怠恥Nぷu ⊇至登薫首尾草ぶ 義諷串良蜃 茎車掌簑惑適屯 営黒藍点誉こ モ モ ヽヾ モ T≡ ′ト ーこ:−−1−’い二卜亘一∴−さ二:∴ こ;・三・ (ぴ01甲℃tdooz) バ・1々バ占・。∠・割峨擢第11巻 通巻第29琴(1959) 103 綽放題
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2月にかけて漸減する傾向がみられる.
第6表 ブラ ンクト ン意 地水ユm8当りプラクトン盈(cc/008)
鶴11巻 通巻鶴29琴(1959) 同一・環境貯水池内にあっては 各貯水池とも弛心帯ほ池岸帯に 比較して常に大である小 すなわ ち野池(蓮池)では調査期間中 を通じて2∼3倍の値を示し, 山地(小川下地)でほかんがい 期の6∼8月にかけて9‖フ∼10 倍,9∼10月には2・苧∼3・5倍を 京し,非かんがい期の2月にほ 約6倍の値を示す‖ また饗池( 双つ池)ではかんがい期の7, 8月に2.5{′2.8倍,9(−10月に は5∼10倍を示し,非かんがい 期の2月には約30倍と非常に大 きい値を京した 環境別貯水池について山地( 105 第2因 ブランクトソ盈の時期的変化 小川下地)の地心帯での値に比 較して,6′叫■8月でほ礁池(双つ池)1い4∼1.8倍,野池(蓮池)では2..9−′3…5倍を示し,9−10月では各々36{′4.3 倍,5り1∼63倍の値を示し,かんがい期の6∼10月にかけて−山地に小さく,硫池これに次ぎ野池がとくに大きい傾向 が認められた、.非かんがい期の2月に前述のα画面彿.5Sp..の発生により,山池ほ麓池より大きい値を京すがやは り野池ほ山地の1い5倍と大きい値を示す.池岸帯においても地心帯と同様の傾向が認められた. 2い プランクトン個体数 山池(小川下池)では非かんがい斯こ植物性プラントクソのエg帥CγJよ乃dァ曲S Sp..の繁殖により地心帯で2,353, 869個/m8,池韓帯で72,0フ2個/m8の最大値を京すが,かんがい期の7月から9月にかけて−かなり大きく,とくに8 月には池心帯7,254個/m8,池岸帝6,682個/m8と2月に次いで大きい値を示す.以後池岸帯では10月にかけて拭少す るが地心帯でほ9月の3,354個/m叫こ此して10月が5,130個/m8と大きい値を示す−.これほ水流の低くなった10月に小 形の動物性ブランクトソの5吉dαCγ叩抽鯨閥(0…F..M山LER)などが増加して,大形のβよα♪≠の乃〝.S Sp.と.の入香り によるものでほなかろうかい麓池(双つ池),野池(蓮池)では共にかんがい期の8月に最大値が現われる.すなわ ら池心得で各々9,246個/m巧,106,964個/m8,弛岸得では各々8,158個/m8,17,940個′/m8を表し,9月には各々急 激に淑少し,懲池の池岸碍が以後2月まで漸汲する以外は10月に山池の場合と匡様に:大形のブラソクトンと小形ブラ ソクトンとの入替りおよび植物性ブランクトソのCoクわ球戯研勿肋Sp,アβdgαSgγα椚$pの発生によって∵息増加し て∼水偏の低下と共に非かんがい期の2月には減少している、. ブ ラ シ ク ト ン 個 体 数 双 つ 池(麓池) 蓮 池 (野池) 調 査 月 日 弛 心 帯l弛 倖 帯 池 心 帯l弛 岸 帯 平 均 (6∼10) 全 体 平 均 (6∼10,2一) 31,346 21,344
香川大学農学部学術報告 調査期間中を通じて同一貯 水池内で地心帯のブランクト y個体数を比較してみると山 地(小川下地),麓池(双つ 池)の9月,野池(蓮池)の 7,10月において−池倖帯が他 心帯より大きいかまたは同値 を示す以外ほ池心帯が池岸帯 より大でありこの傾向はと.く にかんがい期の8月と非かん がい期の2月に明かに認めら れるい 平均値についてみると 山地でほ池心有が池岸帯の約 26倍,賛池,野池で各々1。.1 倍,2パ6倍を示し山地と野他 において池岸帯より他心帯 が大であることが理解でき る… 各環境別貯水池におけるブ ランクトン個体数をかんがい 期の7・−′10月までの平均値に ついて比較すると山池の池心 帯,池岸常に対して梵池で各 々1.11倍,137倍を示し,野 馳でほ各々5い87倍,2.22倍の 値を示し,山池が小さく次い で鮫池,野池の順に大きくな りと.くに野池でほ大きい傾向 106 (万単位) が認められる..非かんがい期には山地にエ郎血頭蝕め側SSp.の多数繁掛こ・より,山地が大きく次いで野池,恋池 の順に変化することが認められる. 3..プランクトンの種類 (a)斑郎血仰S Spい 未調査期間を通じて各環境の貯水池に棲息し,その個体数も多く最も塞要なる種類である.. 山池(小川下池)では7∼10月にかけて大きく,とくに8月の池心帯で3,952個/m8(54.5%‥全個体数に対する比 率,以後適用する),池停滞では2,938個′′mB(43.0%)を示す‖ 非かんがい糊の2月には地心帯189個/m8,弛岸滞 126個/m8と非常に減少している.麓池(双つ池),野池ぐ蓮池)においても山池と同様かんがい期の7∼10月にかけ て大きく,とくに7月と10月に大きい値を京す.すなわち籠他の7月と10月の他心帯で各々1,577個/m8(341%), 1,906個/m8(32.7%)を京し,池眉帯で各々962個/m8(20り3%),1,344個/m8(275%)であり,野池の7月と10 月の地心帯では各々2,548個/m$(38小0%),こ3,112個/m8(42.4%)で,池岸帯では各々2,322個/m8(28・0%),′ 1,612個/m8(18.8%)を示している非かんがい期の2月には境地の池心帯,池岸帯で各々343個/m8(149%), 98個/m$(14け2%)および野他の各々352個/m8(5.6%),437個/m8(180ヲる)と急汲に淑少する傾向が認められ た… (b)Cβγ如才〟研ゐgグ御感掴此=0.FいM缶1L・ER),野他の蓮池において,かんがい後期の10月と非かんがい期の2月 を除く各月に現われ,地心帯,池岸帯ともに多く,とくに8月には地心帯で98,6フ0個/m8(92・・2%)とほとんど全体 を占め,池岸帯でも9,854個/m$(54.6%)を示している.−・方山池(小川下地),麓池(双つ池)においては7月に のみ出現するがその個体数は少く,野池(蓮池)ではα郎如拙SSp・に次いで翼要な種類である.
鶴11巻 通巻第29旨(1959) 107 (C)〟♂去乃α∽αCγOC0♪αSIRAUS.山地(小川下池),姪池(蓮池)でほ,かんがい期の8月と9月のみに出現し, 野池でほ調査期間中を通じて現われず,したがってこの踵のプラゾクトゾほ野池より山池,駿池の環境が適している ように思われる.最大値ほ山地(小川下地)の8月に地心帯1,560個/m$(21け3%.),池轢帯で1,274個/m8(190%) を示し,麓池ぐ双つ弛)でほ9月の地心帯,池岸常に各々936個/m8(10%),1,274個/m$(16%)を示す. (d)ふ励α印加血s.s♂γγぴJ〃≠αS(Koc‡Ⅰ)‖山地(小川下池)でほ.7月と.9月の池岸帯および2月の地心帯を除きま た籠池(双つ池)の7月と2月の池韓帯を除く各月に出現する.山地(小川下池)では調査期間を通じて地心帯に 242′−676個/m8,池岸帯で138−′693個/m3とあまり多くないが,徳地(双つ池)では8月の地心帯に5,486個/が(59.0 %),池岸帯で970個/m8(12い0%)を示し9月の池心帯で1,838個/mβ(458%),地券静で2,566個/m8(43−9%)と かんがい期の8月および9月に非常に多く憲要であるが非かんがい期の2月に.ほ392個/m8(170ヲ右)と少ない値を 示した.野池(蓮池)でほ8月から2月にかけて田現するがその個体数は地心滞で130∼780個/m$(0,1∼10・7%′),池 岸帯で88∼624個/m8(3.6∼177%)と少い傾向がみられる. (e)C々γ鹿ア〟,Sゆね弼ねざ0.FM血LER.山池(小川下地)のフ月の池心地岸帯と.9月の地心滞および麓池(双 つ池)の7月と2月の地心,池岸帯と9月の池心帯に現われ,また野池(蓮池)でほ7月の地心,地籍帯のみに田現 している.山地(/J、川下池)では7月に池心帯で1,014個/血8(17。.8%),池岸帯で871個/m8(19…7%)と多いが9 月には池心帯で60個/m8(18%)と少く,鹿池(双つ池)でも7月の他心帯に871個/m8(17.4%),池岸帯で806個 /m8(16.8%)と多く山地と同様に観池でもかんがい期の7月のブラソクトン程と.してかなり嘉要である.野池(蓮 池)では7月の地心帯767個/m8(11,3%)で池韓帯ほ486個/m8(5…7%)を示し少いことが認められた. (f)5gdαCγツSgαJJZ乃α(0‖FりM血1ER)各環境貯水池ともに10月のみに現われ,とくに山地(小川下池),醜池(双 つ池)、で多く出現Lたが野池(蓮池)でほあまり多くなかった,.すなわち山地(小川下地)の地心帯で2,426個/m8 (48‖5%),地券帯で538個/m$(19‖7%)を示し,観池(双つ池)でも他心帯で:3,094個/m8(53.2%),池岸帯で 1,894個/m8(40‖6%)と多く出現し,山池,麓池の10月におけるプラソクトソ瞳として盈要である,. (g)C.γCん坤一S S如捏鋸〟S FISHER,各環境別貯水池とも非かんがい期の2月のみに.現われた… 山地(小川下地)では 少いが鮭池(双つ弛)では地心帯490個/m8(21.3%),弛岸帯165個/が(240%)を示し,野池(蓮池)の地心帯, 地券帯でほ各々528個/が(8.3%),352個/m8(14.5%)とかなり大きい値を示し,山池より麓池,野池の環境が彼 等の繁≡殖に適tているように思われるい (’ム)CJα′カタβCγS∼∠=抑呵が瑚側(Ⅹurz)り野池(窪地)でほ非かんがい期の2月を・除いて全調査期間を通じて−出現 し 他心帯でほ278′−6,890個/m8(3‖6∼2二3,6%う を示し,かんがい期に多く非かんがい期に少い傾向がみられた. 観池(双つ池)でほ8月と2月の池岸帯を除いた各月に出現し,と.くに7月に多く地心帯で1,104個/m8(23け7%), 池岸帯1,274個/m8(270%)であったが9,10月にほ138・−632個/m8(2り5∼11.8%一)と少い値を示す..山池(小川 下地)でほ7月の池岸帯と9月の地心,池岸帯のみに現われるが,7月には195個/m8(4,4%)と少く,9月の地心 帯で408個/m8(12.7%),池岸帯658個/m8(19‖5%)とかなり大きい値を示す..この種類ほ山地よりも寵弛,さら に野他の順に後払期間が長く,その個体数も多い傾向がみられる。. (i)C蕗如倒研勿朔月払拙句如拙珊(NAG)、名環堵貯水池ともに7月と10月に出現し,各々最大値は7月の池岸 常に現われる… すなわち山地(小川下地)1,L326僻/m8(305%),故地(双つ池)39〇個/m8(81ヲる),野池(蓮池) 1,378個/m8(17.0%)であり,山地においてかなり露要な種類であるい (j)ColゞCよ乃∂dZISCα・S Sp・山弛(小川下池)と敵地(双つ弛)の8月にのみ現われ,野池(蓮池)には全然出現しな かったい すなわち山地の地心帯130個/m3(1.8%),池岸潤286個/m8(50ヲあ)で寵池の他心帯78僧/mB(10%), 池岸帯884個/mB(11い0%一)■であり池岸帯が地心帯より多いことが認められる. (k)A〃α∂αg〃α./−ゎs・αす〝αβ(L.)山地(小川下池)において7月の池岸帯と8月の地心,池岸帯に現われ,麓池 (双つ弛),野池では8月にのみ出現した.山地の7月の池舞帯はL78個/m$(20い0%)と少いが8月の娘心帯858個 /m8(11・7%),池岸帯1,326個ノm3(19・0ヲる)とかなり大きい値を示す‖ また碇池では他心帯416個/m$(4.0%), 弛岸帯858個ノm8(10,・3%)を示し,野池の地心,池韓帯では各々572個m8(05%),1,066個′′m8(6“7%)を示し 各環境貯水池において8月のブラニ/クトン種としてかなり嘉要な種類である一 (1)エ坤わCツg≠乃dγ“・SSp‥山池(小川下地)の2月に・のみ現われている.すなわち池心帯で2,353,050個/m8(99‖9%), 弛岸帯では70,875個′rm8(98∴3%)で調査期間中の最大値を示し,非かんがい期の2月において山池(小川下池)で ノ「I
香川大学農学部学緬報告 108 は最も愚案なる項類である. (m)コレスラ幼体(Coγe肋α1a工Va)微小なる埜趨日昆虫の叫囁の幼顔と考え.られるが,響通算季に出現するとい われて−いる.しかし本謁査では者環境貯水池ともにユ0月に.のみ若干現われた小 すなわち各貯水池忙.おいてその個体 数は96個/m8(2.2%′)′叫一398個/m8(7一5%)と小さい値を示した. (n)ノ岬プリウス幼体(∧b〟〆∠〝ざ1arva)山池(小川下地)の7月の池岸帯,麓池(双つ鞄)および野池(蓮池.) に・おいては各々7月の池韓帯と10月の弛心,池岸帯に出現するがその個体数は各環境貯水池とも小さい値を示すu (0)劫ざ籾g”αわ紹gまケが抄わ(0′・F・′M血エER)は各環境貯水池に班甥し,とくに麓池(双つ弛)および野池(蓮灘) の非かんがい期の2月にかなり大きい値を示す..またP♂♂言αS≠タ〝椚Sp・は野池(蓮池)の8月から2月にかけて出現 し,とくに・ユ0月に大きい値を示し各々かなり蚤要な棲類である.,
1。Ceratium hiYundinella(0”FMtJLLER.二) 2.Ceroida♪hinamegoPs G。0,.SARS。 3.,Sida
Cγツ1S≠αJJ吉邦α(0・F・M批LER・) 4い β∂S∽わ官αJ¢〝g哀γOSわ′豆S(0fMtJllER.一) 5.Cカッ(わγ〟.Sゆ加納加.s (0いFいM血LIER.) 6..ぶオ研¢ぐ♂タカαJ〝S.S♂γγ〝Jα如s(Kocf‡.) フい かZα♪ね椚〝.ざSp‥ 8‖β′αどカわ〝〝ざ 加商雨(0.F..MbllER.■) 9.アβd去βS如研Sp.. 10.Coγ¢≠カγα1al・va ll.劫物k綾川=旭妬御S AGい12・エク♪わC〆オ〝か0〝・S‘ね明れW−S CェEVE・・ ユ3.C.γCJ〃クざぎ′㌢♂〝〝〝ざFfSHER. 14い Cgβ′カれ笹γざ′ブ.5 ‘打r〃gJ(川ご用JNAG
第4図 かんがい用貯水池に現われた代表的ブラソクトソ
(小久保清治‥浮詣生物分類学(1955)の図版引用)
これらの種類の他に,山池(イ、川下池)の7月に〟βJ¢Sブγαひの木川S AG,9月から2月にかけてC〝拍動ゆ物雨
megopsG.0.SARS‥,Bosminopsis deiiersiRICHRD‖ が出現し,観池(双つ掛)の8月にはChae10gaSley sp。, Microcyslis sp.が現われ,野弛(窪地、)の8月にほKeYatella cochleaYis(GossE).,Brachionus bakeriO=F,
M軋LERリ7吊頭胱♂γCαSp.が出現する‖ また故地,野池の7月に.AS〆α刀C南川りお〝加商GuERN..,2月にCッcわ少.s Sp.が出現するも他の不明種と.共に個体数も少く,酪邑環境もまた時期的にも限られておりあまり冤要な種類でない ようであるい なお調査期間中に紘息したプラン′クトyは山地(′N≠下地)の池心礪て17種,弛岸帯で16程,麓弛(双つ池)の地 心,池岸帯で各々18,16種が現われ,野弛(蓮弛)の弛心,池悍帯で各々1フ種が出現し,環境別貯水池ではあまり相 違はみ.られないが根来健十.郎(6)の1956年の琵琶湖(灸栄養湖)の周年調査に.よると植物性プラソクトンのみで35穣に 及んでいるのに比して,本調査貯水池における7くラ∵/クー・ソの種類は山俄に少い‖ またブラソクトンの個体数は各環
境貯水池とも各月の弛心,池岸ともに2,3積のプラソクトンでもってその個体数の大部分・が占められている.
本調査環境別貯水池に蹟息したブラ)/ク1トンのうち山弛(小川下地)の7月の地心,池岸帯にC∂め・紳助捌勿制 動fg古形g吉α祝∽NÅG..が各々1,266個/m8(23%),1,326僻/m$(:305%),2月にエ坤奴.γJ吉乃か0〝S Sp‥が池心有に 2,353,050個/m8(99..9%),地籍帯に70,8L75個/mB(∽,.3%),驚弛(双つ池)において7月の地心,池岸常にCJαfゐγα一γ.Sfざ.s箱11巻 通巻第29写(1959) 109 β¢γ〟g去仰Sα(ⅨuTZ)せ各べ1,104伸/m8(237%1,1,274憫/m8(270%),野弛(蓮池)で].0月の弛岸常にク♂d査α一S才タ〟研 sp が5,044個万㌔(583弊′),7月から2月の調査全期間を通じてCJα班γα.γS∠吉・Sα¢γぴgま仰Sα(KuTZ).を278偶 /m8(3.6%)′・一6,890僻/m8(198クあ)のように楷物性プラこ/クl、ンが,かなり大きい値を示した以外は大部分が動 物性ブラシクーソに.よって占められており,かんがい期の7月から10月にかけては本調査名鷹水池では敷物性ブラン クトソの繁殖が旺座でしたがって植物性プラ∵/クトンの凄息闇非馴こ.少く,非かんがい期の2月では動物性ブランク トソの減少により植物性プラこ/ク1トンの盤楷が多くなる傾向が認められる.漆調査期間を通じて令環境貯水池に出現 したブラ∵ゾクトソ瞳は32種で動物性プランタトンが1胡乱植物性ブランクトンが9穐,不明穣が5穐であった. 4..その他の検討■ 湖沼の栄養型(34)にならって一本調麿硬水池を分類し臥報(声)の水質調査と・ブランクトンとの関係をみると第8表のよ うになる.すなわち野池(蓮池)ほ.P206が少い以外は竃巣義塾に属し,山弛(小川下地),梵池(双つ弛)は後発 義塾に属し,池水中に溶解するN,P205,R20などの分析結果(叫ま山池,硫池,野池の順に増加して−おり,ブラン クトソ患および個体数の変化と一−・致し,両者の問には正の相関性が認められる. 鶴8表 化学成分含盈により分輝した貯水池型 貯 水 池 名 化 学 成 分 含 意(p..p..ml) 表面水温と.ブラシクトン盈の関係についてみると山地(小川下池)を除いた敬弛(双つ池),野池(蓮池)で水泡 の低下と共にブラーyクトン数も次第に減少する傾向がみられ,とくに池岸滞より池心帯にこの傾向が明らかに認めら れ孝り また山地(小川下地),麓池(双つ池)の港水のpHは水乱 ブランクl・ゾ盈の変化と無関係であるが,野池 (蓮池)では調査料間中7。8∼9.2と変化しプラソクトン畠の最大値を示す8月より1ケ月遅れた9月にpHの最大値 が現われ,プラソクトソ藍の多い6′・ノ8月に.小さく,ブランクトソ盈の少い9∼10月にかけて大きい値を示す傾向が みられた.. Ⅴ 摘 要 1.かんがい用断水池の環境別性格を明らかにするため,ブランクトンの笑態調査を行ったものであるい 2い プラこ/クトソの時期的魔化は健池(双つ池\,野池(窪地)において地心,弛岸滞を通じて,かんがい期のフ ∼10月に.多くとくに・8月に最大値を示す・以後非かんがい期の2月にかけて表面水温と正の相関を示しながら減少す る.山池(小川下地)では非かんがい期の2月に」ヱ紳助加地励働S Sp・の繁殖が著しいかったため最大値に達する が,かんがい謝でほ8月が最大で以後10月にかけて減少する傾向が認められる. 3。.ブランクトゾ個体数の時期的変化は拉池(双つ池),野池(蓮紗)で,かんがい期の8月に最大値を京し9月 に一・恩威少するが10月にはまた徳地の弛岸帯を除いて増大する・これは小形のぶ云dαCγ.叩紘肱朋(0,.F.MtJllER)
と大形のDiaPtmuS Sp・との入替りおよびCo3lcsphaeYium sp・,Pediasiyum sp・・の出現のためであり,以後非 かんがい期の2月にかけて減少する‖ 山地(小川下池)ではブランクトソ兇変化と同様に非かんがい期の2月に 山神町政め切一SSp・の出現により最大値を示すが,かんがい期でほ8月に最大値を示し以後,故地,野池と同様の 傾向で変化することが認められた. 4貯水池環境別のブラソクトソ盈および個体数ほかんがい期(7∼10月)で山地(小川下地)が小さく,野弛 (蓮池)で大きく,鷲池(双つ弛)はその中間的値を示す小 非かんがい瑚の2月にはエク♪わCツJf乃♂γ0〟SSp.が山地 に多数発生するため,山池が大きく次いで野池,麓他の順になる‖
吾川大学畏学部学術報告 110 5‖ 同一嚢堤貯水池においてプラソクトソ遭および僻件数ほ調査プむ間を:通じて,地心帯が池岸帯より大きい値を示 す傾向が認められた. 6‖ ヱ‰ゆ如拙.SSpほ各環項贋水池の他心,地券帯を通じて,調杏全敗間中棲息し個体数多くまた盈的に.も多く 非常に重要な種類である.なお各環境配水池と.も各月を通じて2,3のブラソクトン種で個体数の大部分が占められ ている. ‘7′ノ 各深場貯水鞄の弥心,池岸帯を通じて調査簸間中に・出現したプランクトン薩は32榎で動物性ブランクtソが18 程,植物性プラソクトソが9槌,不明毯が5種、である.かんがい期の7′−′10月にかけて歎物性ブラこ/クー、ンの攣殖が 植物性ブランクトソより旺盛であり,非かんがい期の2月には植物性のプランクトンの出現が敢物性ブランクトソよ り著しい傾向が認められた. 参 考 文 献 (7)前川忠夫:かんがい用貯水池相に関する研究(序 報),香川大学農学部学術報償,8(1),25∼35 ( (1)小久保満治‥浮遊生物分類学,(1955)・ (2) 同 上:浮遊生物学実験法,(1957). (3)吉村信書:湖沼学,(1936)= 棒)西条八束:湖沼調査法,(1957) (8)前川忠夫,脇谷武,飯田着信‥かんがい用貯水池相 (5)水道協会‥飲料水の判定標準とその契験沫,(】955) に関する研究(池水の肥効質についで),香川大学 (6)根来健一・郎:琵琶湖主潮盈の植物性ブラソクトソ, 農学部学術報告,(予定) 陸水学雑誌,柑(1),37′−46(ユ956). R 畠s u m る
1)The environmentalcllaraCteristics ofirrigalion reservoirs were discussedbytheirf王oraofplankton 2)Intheirrigating season,the populationof planktoヱIWaS thelargestin the董ield reservoir,intermeq
diatein the hillside reservoi工,and thelowestin the mountain re$eIVOir 3)The
in August,and then tended to decrease during the following seasonto October,Similarlyinal1the three kinde of reservoirs exarr)ined
4)The32speciesof planktons wereisolated from reserVOirsin仙e present research,although the18 SpeCies belonged to zooplankton,the 9 spec子es to phytoplankton,and the other・5 species were unidentifjed
5)Relatfvely dominant $peCies oi:these planktons were)DiaPtomus sp,Ch.ydoYuゞ SPhaericus O.F. 入1t▼LLER.Sidaり■J,ゞ1(l)Ii)]LZし、O F.Mt−LLER、,Cil川Ii[E),ZJ)i)・L()TdilEぐ〃(1、0FM心=ERl.nIld Sわ〃0{:Llf・h‘l/t(S
Seryulalus(RocH。),aS ZO・Oplankton;and Coelosphaerium hidzingianum NAG.,CL2thYOCytis aeruginosa (Ku‡Z.),and Leptocylindrous sp‖aS phytoplankton.