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はじめに 1946 年 ( 昭和 21 年 )11 月 3 日に公布され 翌年 月 3 日 ( 憲法記念日 ) に施行された日本国憲法には 国民の義務として 納税の義務 が そして財政に関して 租税法律主義 が規定されています 文章を眺めてみると法律によって定められた租税を納める義務が規定され この

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Text

年内完結・完全合格テキスト

2016 年 受 験 対 策

(2)

-3-

は じ め に

1946年(昭和21年)11月 3 日に公布され、翌年 5 月 3 日(憲法記念日)に施行された日本国憲法 には、国民の義務として【納税の義務】が、そして財政に関して【租税法律主義】が規定されてい ます。文章を眺めてみると法律によって定められた租税を納める義務が規定され、この租税収入に よって国や都道府県、市区町村という地方団体が運営されることになりますので、租税は我々の生 活の根幹をなす一つの重要な要素になっているといえます。 この租税に関する様々な税務(税金を賦課したり徴収したりする行政事務)に関して、徴収サイ ド及び納税サイド両面からの要請により生まれたのが税理士制度であり、これを定めた税理士法の 第一条には【税理士の使命】として、以下の規定がなされています。 みなさんが目指す『税理士』とは、非常に高いレベルの知識と良識(倫理観)が必要とされ、そ の責任も非常に重いものとなります。しかし裏を返せば、やり甲斐のある職業といえます。日本の 経済状況に関しては様々な見方や考え方があると思いますが、税理士が多く関与する中小企業は全 企業の99%を超えており、これらの健全な成長が日本経済の発展に不可欠であることは疑う余地が ないと私達は考えています。 私達 資格の大原 税理士講座教職員一同は、みなさんが目指している税理士という職業の重要 性を忘れることなく、税理士試験合格を目指すみなさんを全力でサポートして参りますので、みな さんも『必ず合格する!』という初心を忘れることなく、税理士試験合格を目指して今日からの一 日一日を大切に過ごしてください。 日本国憲法(抜粋) 第三章 国民の権利及び義務 第三十条  【納税の義務】       国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。 第七章 財政 第八十四条【租税法律主義】       あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更する場合には、法律又は法律の定め る条件によることを必要とする。 税理士法(抜粋) 第一章 総則 第一条   【税理士の使命】       税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税 制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された 納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。  資格の大原       税理士講座教職員一同

(3)

目  次

ガイダンス……… Ⅷ

民法編の基礎……… 2

相続税の納税義務者……… 8

贈与税……… 12

贈与税の納税義務者……… 18

相続時精算課税制度の概要及び贈与税額の計算……… 26

生命保険金等……… 34

保険金の評価……… 38

保険金とともに支払いを受ける剰余金等……… 42

生命保険契約に関する権利……… 44

生命保険契約に関する権利の評価……… 46

契約者が取得したものとみなされる生命保険契約に関する権利……… 48

契約者貸付金等がある場合の保険金……… 52

定期金に関する権利……… 56

保証期間付定期金に関する権利……… 62

相続税の非課税財産……… 68

贈与税の非課税財産……… 72

債務控除①……… 76

債務控除②……… 82

生前贈与加算……… 94

贈与税額控除(暦年) ……… 102

特別養子制度……… 112

法定相続人の数……… 114

相続税額の加算……… 118

配偶者の税額軽減……… 122

未成年者控除……… 128

(4)

相続税の外国税額控除……… 154

贈与税の外国税額控除……… 162

贈与税額控除(暦年)の基となる贈与税額……… 164

贈与税額控除(精算) ……… 168

退職手当金等……… 174

契約に基づかない定期金に関する権利……… 184

本来の財産……… 190

財産の所在……… 194

負担付遺贈・贈与……… 200

贈与税の配偶者控除……… 204

<参考>

 相続税・贈与税の計算の基礎……… 210

 完全生命表……… 217

(5)
(6)
(7)

1

ポイントを把握しやすい教材

重要な用語又は文章はゴシック体の活字を使用し、ポイントが一目でわかるように工夫

しています。

2

26穴教材

この教材は単元別に構成されており、年内完結・完全合格テキスト№ 1 、№ 2 の 2 分冊

で完成するように作られています。

教材は全てが26穴の穴あきになっており、各単元ごとの番号がついていますので、これ

を基にファイルを整理すれば応用度の広い計算の参考書が完成します。

本書の特徴

(8)

-9-

1

略記について

テキスト等では、相続税法及び関係諸法令を次のように略記していますので注意してく

ださい。

民法→民、相続税法→法、相続税法施行令→令、租税特別措置法→措法

租税特別措置法施行令→措令、国税通則法→国通 など

2

条文の引き方

① 各条文は、まず大きく「第◯◯条」というように「条」によって区分されています。

② 「第◯◯条」の中をさらに細かく区分するときは「第◯◯項」(条文上は、 2 、 3 、

4 のように算用数字で表示されています。)というように「項」を用います。

(注) 条文上では「第 1 項」( 1 という算用数字)は明示されていませんが、「第◯◯条」のす ぐ下に書かれた文言が「第 1 項」になります。

③ 「第◯◯項」の中をさらに細かく区分するときは「第◯◯号」(条文上は、一、二、

三のように漢数字で表示されています。)というように「号」を用います。

(注) テキスト等では、「相続税法第12条第 1 項第 5 号」を「法12①五」と略記しますので注 意してください。

次に例題をいくつか出しますので、各自該当する条文を引いてみてください。

<例題>

イ≥ 相続税法第12条第 1 項第 5 号(法12①五)

  →「相続人の取得した第 3 条第 1 項第 1 号に掲げる保険金(前号に掲げる…」

ロ≥ 民法第900条第 4 号(民900四)

  →「子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは…」

 

(注) 民法第900条は第 2 項以下がありませんので、第 1 項を省略し、条の後にすぐ号が続 きます。

ハ≥ 租税特別措置法第70条第 2 項(措法70②)

  →「前項に規定する政令で定める法人で同項の贈与を受けたものが…」

 

(注) 最初のうちはなかなか該当する条文を引くのは大変だと思いますが、慣れてくるとか なり早く引けるようになりますので、繰り返し練習してみてください。

条文の引き方

(9)

1

全 2 冊で 1 冊の計算サブノートに

経験者コースのテキストは、「年内完結・完全合格テキスト№ 1 ~№ 2 」の全 2 冊で構

成されています。この 2 冊に本試験において必要な知識が網羅されています。

(10)

---

1

ガイダンス

年内完結コースは、科目経験者の方が次回の本試験に確実にリベンジすることができることを目 的としたコースです。確実にリベンジすることができるために、何を年内にしておくべきかを考え、 「講義(インプット)」と「演習(アウトプット)」を取り入れ、12月の合格発表まで、合格のために 必要な基礎力と演習力を身に付けるコースとなっています。 「講義(インプット)」は、テキストを使用し、基礎項目の解説を行うことで、基礎力の定着及び 総復習を図ることができます。また、講義は計算のみならず、理論の講義も行います。 「演習(アウトプット)」は、講義内で演習問題(理論+計算)を解答し、その問題演習の中で、 弱点の発見・見直し、項目の理解力を確認することができ、確実に問題に対する対応力を磨くこと ができます。  【年内完結コース学習のコツ!!】 年内完結コースの講義では、「年内完結・完全合格テキスト」、「財産評価テキスト」、「理論テキス ト」を使用し講義を進めていきます。なお、テキストの中には年内において学習しない項目(年明 に学習する項目)も含まれておりますが、皆さんに年内に押さえて頂きたい項目は、あくまでも年 内において学習する項目になります。 まずは、しっかりと年内において学習する計算項目、理論項目を押さえるようにしましょう。詳 しい学習範囲は学習計画表でご確認ください。  【講義の進め方】 《第 1 講》 《第 2 講》 《第 3 講》 《第 4 講》 講   義 (理論+計算) ⇨ 第 1 回演習問題 (計算) ⇨ 講   義 (理論+計算) ⇨ 第 2 回演習問題 (理論+計算)

2

使用教材

演 習 問 題 理論・計算の対応力を磨くための総合問題です。基礎的な内容ですが、この 演習を通じて、基礎力・演習力を磨きましょう。 計 算 テ キ ス ト 年内の講義では「年内完結・完全合格テキスト№ 1 ~№ 2 」、「財産評価テキ スト」を使用します。なお、年内の講義では相続税法を受験する上で必要と される基礎項目を中心に学習します。 年内完結問題集 テキストで確認した項目を演習する問題集です。演習問題に向けてこの問題 集で基礎力を身に付けましょう。 理 論 テ キ ス ト 基本的な理論や重要性の高い理論を毎回の講義で確認していきます。確認し た理論は次々回の演習問題の出題範囲となります。

年内完結コース

(11)

1

主な使用教材

2

スケジュール

理論ミニテスト 年内完結・完全合格テキスト № 1 ∼№ 2 直前対策テキスト 理論テキスト 理論問題集 直前対策テキスト 完全合格問題集 № 1 − 1 ∼ 2 − 2 直前対策問題集 基礎期 応用期・復習期 完成期 実践期 総まとめ 問題集 実力判定公開 模擬試験 過去試験問題集 直前答練 完全合格確認テスト 財産評価テキスト 主   な   使   用   教   材 基礎期

1 月∼ 4 月 計算項目の理解 理論の暗記・理解 問題集(個別) 応用期・復習期 5 月 基礎の定着 完成期 6 月 合格答案 の 作成練習 過去試験 問題集 直前答練 実践期 7 月 仮想本試験 応用理論 1 月∼ 4 月期の定着 本試験を想定した 実践 未学習項目を含めた 対応力の強化 ・講義内容の確認 ・精度・スピードの  強化 ・基礎項目の定着度の  確認 ・総合問題の解答感覚 完成期へ移行する ための応用力強化

完全合格コース

(12)

22−1

(13)

5 10 15 20 25 30 民法- 1

1

相続人の構成

2

相続人の範囲

3

相続順位

(民887、889①本文、890後段) 自然血族−自然の血のつながりのあるもの 法定血族−法律で血のつながりが認められたもの 正式な婚姻関係にあるもの 血族相続人 配偶(者)相続人 相続人 q   嫡    出    子 w   非   嫡   出   子 e   養       子 r   胎   児      (民886 q) 代襲相続人(民887we) 子 (民887q) 被   相   続   人 兄   弟   姉   妹 代 襲 相 続 人      配    偶    者 (民890) 直 系 尊 属 (民889q一) (民889 w) (民889q二) a 第 1 順位…… s 第 2 順位…… d 第 3 順位…… 子(及び代襲相続人) 直 系 尊 属 兄弟姉妹(及びその子) + 配 偶 者

民法編の基礎

(14)

5 10 15 20 25 30 35 -3- 民法- 2

▶非嫡出子

非嫡出子……正式な婚姻関係外に生まれた子

▶養 子(普通養子)

① 養子は縁組の日から養親の嫡出子たる身分を取得する。(民809) ② 養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から血族間と同様の親族関係を 生ずる。(民727) ③ 自然血族は消滅しない。 特別養子の場合:自然血族は消滅する。(民法- 6 参照)

▶直系尊属

▶代襲相続

愛 人 S 被相続人甲 配 偶 者 乙 X 被相続人 女 性 男 性 Xは無条件で血族相続人となる。 Xは認知を要件として血族相続人となる。 祖父A 祖母B 祖父C 祖母D ○父 ○母 被相続人甲 配 偶 者 乙 血族でなく姻族のため相続人とならない。 義父 義母 ※民889q一但書 親等の異なる者の間では、その近い者が相続人となる。 q 被相続人甲 配 偶 者 乙 A(以前死亡) A′ 被相続人甲 配 偶 者 乙 B(欠格) B′ C w 父(以前死亡) 母(以前死亡) A(以前死亡) A′ B C(以前死亡) C′ D 代襲 再代襲 代襲 代襲 再代襲

(15)

5 10 15 20 25 30 民法- 3

4

相続分

⑴ 法定相続分(民900) ① 第 1 順位  配偶者 12   子12 ② 第 2 順位  配偶者 23   直系尊属13 ③ 第 3 順位  配偶者 34   兄弟姉妹14 ④ 血族相続人が複数の場合 各自の相続分は等しい ⑤ 半血兄弟姉妹の相続分  全血兄弟姉妹の相続分の 12 ⑵ 代襲相続分(民901) 被代襲者の受けるべきであった相続分を基にする。 (注) 代襲原因…以前死亡・欠格・廃除

5

相続の放棄

⑴ 方 式(民938) 放棄をする旨を家庭裁判所に申述 ⑵ 効 果(民939) 初めから相続人とならなかったものとみなす。 ⑶ 代襲相続との関係 放棄者の子は代襲相続人となれない。 (注) 相続の放棄は代襲原因ではない。

(16)

5 10 15 20 25 30 35 -5- 民法- 4

▶代襲相続分

⑴ 二重身分 ⑵ 連れ子(民887②但書)

▶指定相続分(民902)

指定相続分とは、被相続人が遺言で定めた相続分であり、法定相続分(民900)及び代襲相 続分(民901)に優先する。 なお、指定相続分には、全部指定(相続人の全員に対する相続分の指定)と一部指定(相続 人のうち一部の者に対する相続分の指定)とがある。 A(以前死亡) A′ B D C D (養子縁組) 相 続 人 相 続 分 乙 B C D 1 2 1 2×13 1 2×13×12 1 3+12 1 2 × ×13×12 被相続人甲 配 偶 者 乙 被相続人甲 配 偶 者 乙 C D E 相 続 人 相 続 分 乙 B C D 1 2 1 2×12 1 2×12×12 1 2×12×12 被相続人の直系卑属でない者は代襲できない。 (例) 後妻の連れ子……E 前 妻  A(以前死亡) 後 妻 後妻の前夫  B

(17)

5 10 15 20 25 30 民法- 5

▶参 考

親族・親等図表(すべて自分からみる) 傍  系 直     系 (直系尊属) (直系卑属) 傍      系 曽祖祖父母父母 父母 六 五 四 三 六 五 六 二 一 3 三 二 2 3 × 一 1 二 2 三 3 四 五 六 × 四 三 五 四 五 六 六 × × 四 五 六 3 2 1 3 × 2 3 1 × × = 配偶関係   血族の親等   姻族の親等   親族関係なし ※ 直系尊属と直系卑属をあわせて直系血族という。 親族の範囲(民725)  a 六親等内の血族  s 配 偶 者  d 三親等内の姻族 尊        属 卑        属 連れ子 配偶者 子 孫 曽孫 兄弟 叔母 伯父 おい・めい 一 1 ×

(18)

1−1

(19)

5 10 15 20 25 30 納税- 1

1

納税義務者の区分・課税財産の範囲

相続税の納税義務を負う者は、次に掲げる区分に該当する者である。 ※ 原則として、個人以外の者は相続税の納税義務者とならない。

2

納税義務者の意義 

理論  1 - 1 ⑴ 居住無制限納税義務者(法 1 の 3 ①一、 2 ①) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を 取得した時において法施行地に住所を有するもの → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) ⑵ 非居住無制限納税義務者(法 1 の 3 ①二、 2 ①) ① 日本国籍を有する国外居住者 相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有する 個人で、その財産を取得した時において法施行地に住 所を有しないもの(注) → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) (注) その個人又は被相続人がその相続開始前 5 年以内のいずれかの時において 法施行地に住所を有していたことがある場合に限る。 ② 日本国籍を有しない国外居住者 相続又は遺贈により財産を取得した日本国籍を有しな い個人で、その財産を取得した時において法施行地に 住所を有しないもの(注) → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) (注) 被相続人がその相続開始時において法施行地に住所を有していた場合に限る。 ⑶ 制限納税義務者(法 1 の 3 ①三、 2 ②) 相続又は遺贈により法施行地にある財産を取得した個 人でその財産を取得した時において法施行地に住所を → 国 内 財 産 課 税 (住所等による区分) 居 住 無 制 限 納 税 義 務 者 個  人 非居住無制限納税義務者 制 限 納 税 義 務 者 特 定 納 税 義 務 者 取得財産の全て 取得財産の全て 国内財産のみ 相続時精算課税財産

相続税の納税義務者

(法 1 の 3 )

(20)

5 10 15 20 25 30 35 -9- 納税- 2

▶個 人

個人=自然人(基通 1 の 3 ・ 1 の 4 共- 1 )

▶納税義務者と課税財産のまとめ

(特定納税義務者を除く。) ⑴ 被相続人の相続開始時の住所が法施行地にある場合 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 ─ 居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 日本 非居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 外国 非居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 ※ 被相続人の相続開始時の住所が法施行地にある場合には、「居住無制限納税義務者」又 は「非居住無制限納税義務者」のいずれかで納税義務を判定することとなる(制限納税義 務者として判定することはない。)。 ⑵ 被相続人の相続開始時の住所が法施行地外にある場合 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 ─ 居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 日本 非居住無制限納税義務者(注) (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 外国 制限納税義務者 国内財産課税 (注) その個人又は被相続人が相続開始前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所 を有していた場合に限る。 ※ 非居住無制限納税義務者の(注)書きに該当しない場合は、制限納税義務者となり国内 財産のみ課税される。

▶二重国籍

(基通 1 の 3 ・ 1 の 4 共- 7 ) 非居住無制限納税義務者の「日本国籍を有する個人」には、日本国籍と外国国籍を併有する 二重国籍の者も含まれる。 相 続 人 受 遺 者 個  人 個人以外 ○国・地方公共団体 ○営  利  法  人 相続税の納税義務者とならない。 課税なし 法人税課税

(21)

5 10 15 20 25 30 納税- 3 ⑷ 特定納税義務者(法 1 の 3 ①四) 贈与により相続時精算課税の規定の適用を受ける財産 を取得した個人(居住無制限納税義務者、非居住無制 限納税義務者及び制限納税義務者を除く。) → 相続時精算課税 に係る贈与財産

3

住所の判定

財産取得時の住所で判定(基通 1 の 3 ・ 1 の 4 共- 4 ) ‖ 相続開始時(被相続人の死亡時)の住所  (注) 住所=生活の本拠 (基通 1 の 3 ・ 1 の 4 共- 5 )

4

計算パターン(コメント)

・相続税の納税義務者とならない。 ・在外財産は課税財産に含まれない。

(22)

20−1

(23)

5 10 15 20 25 30 贈与税- 1

1

相続税と贈与税の関係

⑴ 相続税は、被相続人が死亡した時に相続人等が被相続人の財産を無償で取得 した場合にその無償取得財産に対して課される税である。ところが、被相続人 が生前に相続財産となるべきものを贈与した場合はどうであろうか。 ⑵ 贈与税という税がなかったら、相続税の課税を免れるために生前に配偶者や 子供に財産を分けることが考えられる。 ⑶ それでは相続税を設けた意味はなくなってしまう。そこで将来相続税が課税 される財産を生前に贈与した場合には、贈与税を課税し、相続税を補完してい るのである。つまり、贈与税は、相続税の課税ができない場合に相続税を補完 する目的で課税するものであり、相続税の補完税であるといえ、両者は密接な 関係を有している。 夫 贈 与 贈 与 経 済 活 動 死 亡 贈与税課税g 贈与税課税g g g 相 続 税 を 補 完 財 産 相続税課税

2

贈与税額の計算(暦年課税)

⑴ 贈与税額の計算の原則 ①  暦 年 単 位 課 税 ②  受贈者単位課税 受贈者がその年 1 月 1 日から12月31日までに贈与により取得した財産に基づき 贈与税額を計算する。 相続税と贈与税の関係 × 父から子 への贈与 A × 母から子 への贈与 A+B=課税価格 B

贈与税

(24)

5 10 15 20 25 30 35 -13- 贈与税- 2 ⑵ 贈与税額の計算方法 その年分の 贈与税の課税価格 - 贈与税の 配偶者控除額 - 贈与税の 基礎控除 = 差引残額 差引残額 × 税  率 - 速算表による 控 除 額 = 贈与税額

3

贈与税の課税価格

課税価格の計算方法 課税財産-非課税財産=課税価格

4

贈与税の基礎控除

(法21の 5 、措法70の 2 の 4 ) 1≤100≤000円 (千円未満切捨) 国通118① ↑ 超過累進税率 (百円未満切捨)国通119①

(25)

5 10 15 20 25 30 贈与税- 3

5

贈与税の税率

(法21の 7 、措法70の 2 の 5 ) 贈与税額を計算する際の税率は、贈与者と受贈者の関係に基づき、次に掲げる 区分に応じ、それぞれに定める税率を選択するものとする。 ⑴① 贈与者が直系尊属、かつ、受贈者が贈与を受けた年の 1 月 1 日において20 歳以上 ② 贈与税の期限内申告書等に適用を受ける旨を記載し、一定の書類を添付し ている ➡特例税率 ⑵ ⑴以外➡一般税率 ※ 1  当該税率の取扱いは、平成27年 1 月 1 日以後の贈与について適用する。 ※ 2  平成26年12月31日以前の贈与に係る税率はP≥103で確認

6

一般税率と特例税率の適用がある場合

⑴① (特例贈与財産の価額+一般贈与財産の価額-1≤100≤000円)×特例税率 ② ①×特例贈与財産の価額+一般贈与財産の価額特例贈与財産の価額 ⑵① (特例贈与財産の価額+一般贈与財産の価額-1≤100≤000円)×一般税率 ② ①×特例贈与財産の価額+一般贈与財産の価額一般贈与財産の価額 ⑶ ⑴+⑵ ※ 特例贈与財産…特例税率により計算する贈与財産 一般贈与財産…一般税率により計算する贈与財産

(26)

5 10 15 20 25 30 35 -15- 贈与税- 4

▶贈与税の税率

▶超過累進税率の速算表による計算

贈与税の速算表 ⑴ 特例税率 課税価格 (%)税率 控除額 課税価格 (%)税率 控除額  200万円以下 10 0千円 1≤500万円以下 40 1≤900千円  400万円以下 15 100千円 3≤000万円以下 45 2≤650千円  600万円以下 20 300千円 4≤500万円以下 50 4≤150千円 1≤000万円以下 30 900千円 4≤500万円超  55 6≤400千円 ⑵ 一般税率 課税価格 (%)税率 控除額 課税価格 (%)税率 控除額 200万円以下 10 0千円 1≤000万円以下 40 1≤250千円 300万円以下 15 100千円 1≤500万円以下 45 1≤750千円 400万円以下 20 250千円 3≤000万円以下 50 2≤500千円 600万円以下 30 650千円 3≤000万円超  55 4≤000千円 ※ 110万円の基礎控除額を控除した差引残額(課税価格)に基づき、速算表を用いて贈与 税額を計算する。 贈与者 父・母・祖父・祖母 贈 与 A(20歳以上)➡ 特例税率 贈与者 父・母・祖父・祖母 贈 与 A(20歳未満)➡ 一般税率 贈与者 兄弟姉妹・子 贈 与 A(20歳以上)➡ 一般税率

(27)

5 10 15 20 25 30 贈与税- 5

具体例

平成28年中にA(33歳)は、父から株式8≤000≤000円を贈与により取得し、特例税率を適 用するための申告等を行っている。 また、同年中にAは、配偶者A′から現金2≤000≤000円を贈与により取得している。 Aの平成28年分の納付すべき贈与税額を求めなさい。 <参考> ⑴ 平成27年 1 月 1 日以後(一般) 課税価格 (%)税率 控除額 課税価格 (%)税率 控除額 200万円以下 10 0千円 1≤000万円以下 40 1≤250千円 300万円以下 15 100千円 1≤500万円以下 45 1≤750千円 400万円以下 20 250千円 3≤000万円以下 50 2≤500千円 600万円以下 30 650千円 3≤000万円超  55 4≤000千円 ⑵ 平成27年 1 月 1 日以後(特例) 課税価格 (%)税率 控除額 課税価格 (%)税率 控除額  200万円以下 10 0千円 1≤500万円以下 40 1≤900千円  400万円以下 15 100千円 3≤000万円以下 45 2≤650千円  600万円以下 20 300千円 4≤500万円以下 50 4≤150千円 1≤000万円以下 30 900千円 4≤500万円超  55 6≤400千円 解 答 ⑴① (8≤000≤000円+2≤000≤000円-1≤100≤000円)×30%-900≤000円=1≤770≤000円 ② ①×8≤000≤000円+2≤000≤000円=1≤416≤000円8≤000≤000円 ⑵① (8≤000≤000円+2≤000≤000円-1≤100≤000円)×40%-1≤250≤000円=2≤310≤000円 ② ①×8≤000≤000円+2≤000≤000円=462≤000円2≤000≤000円 ⑶ ⑴+⑵=1≤878≤000円

(28)

5 10 15 20 25 30 35 -17- 贈与税- 6

(29)

5 10 15 20 25 30 贈与税- 7

1

概 要

相続税の納税義務者と同様に、法施行地外にある財産の取得についての課税回避 を防止する観点から平成25年 4 月 1 日以後の贈与については、贈与者の住所が法施 行地にある場合には、法施行地外に住所を有する外国籍の受贈者であっても非居住 無制限納税義務者とされるなど、国外財産に対する課税の強化が行われた。 納税義務者の判定方法については、相続税の納税義務者と同様に考えればよい が、贈与税に関しては、生前になされた被相続人からの贈与について相続税の計算 に組み入れる必要があるため、特に改正前(平成25年 3 月31日以前)の非居住無制 限納税義務者の取り扱いに関してもその違いを理解しておく必要がある。

2

納税義務者の区分・課税財産の範囲



理論  1 - 2〔 1 〕〔 2 〕⑴⑵ 贈与税の納税義務を負う者は、次に掲げる区分に該当する者である。 ⑴ 納税義務者の意義(平成25年 4 月 1 日以後の贈与)(法 1 の 4 ①、 2 の 2 ) ① 居住無制限納税義務者 贈与により財産を取得した個人で、その財産を取得し た時において法施行地に住所を有するもの → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) ② 非居住無制限納税義務者 イ 日本国籍を有する国外居住者 贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で、 その財産を取得した時において法施行地に住所を有し ないもの(注) → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) (注) その個人又は贈与者がその贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行 地に住所を有していたことがある場合に限る。 個  人 (課税財産の範囲) 取得財産の全て 取得財産の全て 国 内 財 産 の み (住所等による区分) 居住無制限納税義務者 非居住無制限納税義務者 制 限 納 税 義 務 者

贈与税の納税義務者

(法 1 の 4 )

(30)

5 10 15 20 25 30 35 -19- 贈与税- 8

▶非居住無制限納税義務者に関する適用法令

問題文より贈与された年月日を確認して適用法令を判断すること。 旧法適用 新法適用 贈与 × 贈与 × H25 3 /31 H254 / 1

(31)

5 10 15 20 25 30 贈与税- 9 ロ 日本国籍を有しない国外居住者 贈与により財産を取得した日本国籍を有しない個人 で、その財産を取得した時において法施行地に住所を 有しないもの(注) → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) (注) 贈与者がその贈与時において法施行地に住所を有していた場合に限る。 ③ 制限納税義務者 贈与により法施行地にある財産を取得した個人で、そ の財産を取得した時において法施行地に住所を有しな いもの(非居住無制限納税義務者を除く。) → 国内財産課税 ⑵ 納税義務者の意義(平成25年 3 月31日以前の贈与) ① 居住無制限納税義務者 上記⑴①と同じ。 → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) ② 非居住無制限納税義務者 贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で、 その財産を取得した時において法施行地に住所を有し ないもの(注) → 全 財 産 課 税 (国内・国外両方) (注) その個人又は贈与者がその贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行 地に住所を有していたことがある場合に限る。 ③ 制限納税義務者 上記⑴③と同じ。 → 国内財産課税

(32)

5 10 15 20 25 30 35 -21- 贈与税-10

▶納税義務者と課税財産のまとめ

⑴ 平成25年 4 月 1 日以後の贈与の場合 ① 贈与者の贈与時の住所が法施行地にある場合 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 ─ 居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 日本 非居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 外国 非居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 ※ 平成25年度の税制改正により、贈与者の贈与時の住所が法施行地にある場合には、 「居住無制限納税義務者」又は「非居住無制限納税義務者」のいずれかで納税義務を判 定することとなる(制限納税義務者として判定することはない。)。 ② 贈与者の贈与時の住所が法施行地外にある場合 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 ─ 居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 日本 非居住無制限納税義務者(注) (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 外国 制限納税義務者 国内財産課税 (注) その個人又は贈与者が贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有 していた場合に限る。 ※ 非居住無制限納税義務者の(注)書きに該当しない場合は、制限納税義務者となり国 内財産のみ課税される。 ⑵ 平成25年 3 月31日以前の贈与の場合(上記⑴②の考え方と同じ。) 住所 国籍 納税義務者の区分 課税財産 日本 ─ 居住無制限納税義務者 (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 日本 非居住無制限納税義務者(注) (国内・国外両方)全 財 産 課 税 外国 外国 制限納税義務者 国内財産課税 (注) その個人又は贈与者が贈与前 5 年以内のいずれかの時において法施行地に住所を有し ていた場合に限る。 ※ 非居住無制限納税義務者の(注)書きに該当しない場合は、制限納税義務者となり国内 財産のみ課税される。

(33)

5 10 15 20 25 30 贈与税-11

3

課税財産

(法21の 2 ①、②、③)

 

理論  1 - 2〔 2 〕⑴⑵⑶ ⑴ 範 囲 ① 居住無制限納税義務者……… 全 て の 財 産 ② 非居住無制限納税義務者……… 全 て の 財 産 ③ 制限納税義務者……… 在内財産のみ ④ 出国の場合 (例) 居住無制限・制限の双方に該当する場合……… ①+③ ⑵ 財産の種類 ⑶ 贈与税が課税される生命保険金  理論  2 - 2〔 1 〕⑴

4

計算パターン(コメント)

・贈与税の納税義務者とならない。 本 来 の 財 産 み な し 財 産 例:生命保険金等 ・被保険者の死亡に伴う保険金 ・保険契約の満期に伴う保険金 のうち受取人以外の第三者の保険料に対応 する部分 ↑ (被相続人を除く。)

(34)

5 10 15 20 25 30 35 -23- 贈与税-12

▶課税財産の範囲及び課税価格

① 居住無制限納税義務者 ② 非居住無制限納税義務者 ③ 制限納税義務者 ④ 出国の場合 (例) 居住無制限納税義務者・制限納税義務者の双方に該当する場合 納税義務者の区分については贈与の時点ごとに判定する。

▶贈与税が課税される保険金

3 /15 翌年 2 / 1 12/31 本年 1 / 1 申告期間 A B C D A+B+C+D=課税価格 在内 在外 在内 在外 3 /15 翌年 2 / 1 12/31 本年 1 / 1 申告期間 A B A+B+C+D=課税価格 在内 在外 C 在内 D 在外 3 /15 翌年 2 / 1 12/31 本年 1 / 1 申告期間 A B C D A+C=課税価格 在内 在外 在内 在外 3 /15 翌年 2 / 1 12/31 本年 1 / 1 申告期間 A B C A+B+C=課税価格 在内 在外 在内 在外 出国 居住無制限 居住無制限 制限 なしD 〈死亡保険金〉 被相続人負担分 受 取 人 負 担 分 上 記 以 外 相続税 所得税 贈与税 ➡ ➡ ➡ 〈満期保険金〉 受 取 人 負 担 分 上 記 以 外 所得税 贈与税 ➡ ➡

(35)

5 10 15 20 25 30 総則- 1

〔 1 〕評価の原則

⑴ 相続税法における財産評価(法22) 特別の定め(法23〜26)のあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の 価額は、その財産の取得の時における時価により、その財産の価額から控除すべき債務の金額 は、その時の現況による。 ⑵ 時価の意義(評通 1 ⑵) 財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈又は贈与により財産 を取得した日。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間 で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達 の定めによって評価した価額による。

総則

(36)

5 10 15 20 25 30 35 -3- 総則- 2 ▶相続税法における財産の評価 相続税法において、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価は、「地上権(借地権等を除 く)及び永小作権の評価」、「定期金に関する権利の評価」、「定期金給付事由が発生していない定 期金に関する権利の評価」、「相続人又は包括受遺者の取得した立木の評価」 についてのみ定めて おり、その他の財産の評価は時価によることとしているため、相続税法においてその定めがな い。 これは、世の中に存在する多種多様な財産の評価の全てを法律の定めにより評価することが、 実情に即していないためである。 ▶時価の算定方法 相続、遺贈又は贈与により取得した財産の時価は、財産評価基本通達等に基づき算定する。 図 解 ▶財産評価基本通達 財産評価基本通達とは相続、遺贈又は贈与により取得した財産の時価の算定方法を、国税庁が 定めたものであり、その取得した財産の課税時期における、通常の取引価額を算定することがで きる。 ▶評価の安全性 財産評価基本通達は、課税時期において、通常の取引があったものと仮定して、財産の時価を 算定するため、一般的な市場価格以下の価額が算定されるように、各財産の評価方法が定められ ている。 例:路線価方式の宅地の評価額は、公示価格等の80%を目途に定められている。 地上権(借地権等を除く) 及び永小作権 財産 相続人又は包括受遺者の 取得した立木 定期金に関する権利 定期金給付事由が発生し ていない定期金に関する 権利 上記以外の財産 相続税法の定めに基づき 評価 財産の評価 財産評価基本通達等に基 づく時価により評価

(37)

5 10 15 20 25 30 総則- 6 総 則

財産評価基本通達の体系図

・時価の意義   ・共有財産  ・区分所有財産  ・邦貨換算  ・基準年利率 ・国外財産の評価 ∼省略∼ Ⅰ 土地及び土地の上に存する権利 Ⅱ 家屋及び家屋の上に存する権利 Ⅲ 構築物 Ⅳ 立木 通則 宅地及び宅地の上に存する権利 農地 山林 ∼省略∼ Ⅵ 無体財産権 Ⅶ その他の財産 株式及び出資 公社債 信託受益権 ※その他の財産 ∼省略∼ Ⅴ 動産 一般動産 たな卸商品等 書画骨とう品 ∼省略∼ ∼省略∼ 立木 ∼省略∼

(38)

5 10 15 20 25 30 35 -10- 宅- 1

〔 1 〕自用地

⑴ 評価方式(評通11) 宅地の評価は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げる方式によって行 う。 ⑵ 路線価方式 路線価方式とは、その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、奥行距離や宅地に接す る路線の数等の調整(「画地調整」という。)を行って計算した金額によって評価する方式をい う。 ① 一方のみが路線に接する宅地(評通15) 〈評価算式〉 路線価×奥行価格補正率×地積 市街地的形態を形成する地域にある宅地 路線価方式 ①以外の宅地 倍 率 方 式 ① ②

宅地及び宅地の上に存する権利

(39)

5 10 15 20 25 30 宅- 2 ▶地目 土地の価額は、原則として、宅地、田、畑、山林等の地目の別に評価する。 ▶自用地 自用地とは、自己所有の宅地を自ら使用している場合の宅地をいう。 ▶路線価 路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数 の者の通行の用に供されている道路をいう。)ごとに設定する。 路線価は、路線に接する宅地で次に掲げるすべての事項に該当するものについて、売買実例価 額、公示価格、不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長がその 路線ごとに評定した 1 平方メートル当たりの価額とする。 ⑴ その路線のほぼ中央部にあること。 ⑵ その一連の宅地に共通している地勢にあること。 ⑶ その路線だけに接していること。 ⑷ その路線に面している宅地の標準的な間口距離及び奥行距離を有するく形又は正方形のも のであること。 ▶間口距離 宅地が正面路線に接する部分の距離である。 なお、宅地が複数の路線に接する場合には、それぞれの路線に対する間口距離がある。 また、間口狭小補正率及び奥行長大補正率は、正面路線の間口距離に基づき算定する。 ▶奥行距離 原則として、正面路線から宅地の最奥までの垂線距離である。 なお、宅地が複数の路線に接する場合には、それぞれの路線からの奥行距離がある。 また、奥行長大補正率は、正面路線からの奥行距離に基づき算定する。 ▶一方のみが路線に接する宅地 奥行距離 間口距離

(40)

5 10 15 20 25 30 35 -12- 宅- 3 ② 複数の路線と接する宅地 複数の路線と接する宅地を評価する場合には、評価の基となる路線(正面路線)の価額に 他の路線の影響度合いを加味して評価するため、下記の判定方法に基づき正面路線の判定を 行う。 〈正面路線の判定方法(a路線とb路線の二方に接する宅地の場合)〉 a路線価×奥行価格補正率> <b路線価×奥行価格補正率 ∴高い方(正面路線) イ 正面路線と側方路線に接する宅地(評通16) 〈評価算式〉 ㋑ 正面路線価×奥行価格補正率(円未満切捨) ㋺ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率(円未満切捨) ㋩ (㋑+㋺)×地積 ロ 正面路線と裏面路線に接する宅地(評通17) 〈評価算式〉 ㋑ 正面路線価×奥行価格補正率(円未満切捨) ㋺ 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率(円未満切捨) ㋩ (㋑+㋺)×地積

(41)

5 10 15 20 25 30 宅- 4 ▶側方路線影響加算率(角地・準角地) 側方路線影響加算率とは、同一地域に存する宅地について、一つの路線にのみ接する宅地と、 交差点又は曲がり角に存在し、かつ、二つの路線に接する宅地とを比較した場合に、後者の宅地 のほうが、利用できる間口が大きくなり、出入りの便が良くなる等、その価値が高くなるため、 その価値の増加分を評価額に反映する補正率である。 ▶正面路線と側方路線に接する宅地 角地・準角地の判定は、正面路線と交差する角で判定する。準角地とは、一系統の路線の屈折 部の内側に位置するものをいう。 なお、側方路線影響加算率は角地・準角地に応じた側方路線影響加算率を使用する。 ▶二方路線影響加算率 二方路線影響加算率とは、同一地域に存する宅地について、一つの路線にのみ接する宅地と、 二つの路線に接する宅地とを比較した場合に、後者の宅地のほうが、利用できる間口が大きくな り、出入りの便が良くなる等、その価値が高くなるため、その価値の増加分を評価額に反映する 補正率である。 ▶正面路線と裏面路線に接する宅地 正面路線 〈角地の場合〉 正面路線 〈準角地の場合〉 側 方 路 線 側 方 路 線 正面路線

(42)

5 10 15 20 25 30 35 -14- 宅- 5 ハ 三方の路線に接する宅地(評通18) 〈評価算式〉 ㋑ 正面路線価×奥行価格補正率(円未満切捨) ㋺ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率(円未満切捨) ㋩ 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率(円未満切捨) ㋥ (㋑+㋺+㋩)×地積 ニ 四方の路線に接する宅地(評通18) 〈評価算式〉 ㋑ 正面路線価×奥行価格補正率(円未満切捨) ㋺ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率(円未満切捨) ㋩ 裏面路線価×奥行価格補正率×二方路線影響加算率(円未満切捨) ㋥ 側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率(円未満切捨) ㋭ (㋑+㋺+㋩+㋥)×地積

(43)

5 10 15 20 25 30 宅- 6 ▶三方の路線に接する宅地 ▶四方の路線に接する宅地 正面路線 裏面路線 側 方 路 線 正面路線 裏面路線 側 方 路 線 側 方 路 線

(44)

5 10 15 20 25 30 35 -16- 宅- 7

具体例

次に掲げる宅地の評価額を計算過程を示して求めなさい。 〈設例 1 〉 A宅地(普通商業・併用住宅地区) 〈設例 2 〉 B宅地(普通住宅地区) 〈設例 3 〉 C宅地(普通住宅地区) 路線価 130千円 20m 18m 奥行価格補正率  12m以上32m未満……1≥00 路線価 260千円 20m 15m 奥行価格補正率  10m以上24m未満……1≥00 側方路線影響加算率  角 地……0≥03  準角地……0≥02 路線価    千円 250 路線価    千円 170 路線価 165千円 32m 20m 奥行価格補正率  10m以上24m未満……1≥00  32m以上36m未満……0≥96 側方路線影響加算率  角 地……0≥03  準角地……0≥02

(45)

5 10 15 20 25 30 宅- 8 〈設例 4 〉 D宅地(普通商業・併用住宅地区) 〈設例 5 〉 E宅地(普通商業・併用住宅地区) 解 答 〈設例 1 〉 A宅地 130≤000円×1≥00×360㎡=46≤800≤000円 〈設例 2 〉 B宅地 (260≤000円×1≥00)+(250≤000円×1≥00×0≥02)×300㎡=79≤500≤000円 〈設例 3 〉 C宅地 170≤000円×0≥96=163≤200円<165≤000円×1≥00=165≤000円 (165≤000円×1≥00)+(170≤000円×0≥96×0≥03)×640㎡=108≤733≤440円 〈設例 4 〉 D宅地 (210≤000円×1≥00)+(200≤000円×1≥00×0≥05)×432㎡=95≤040≤000円 〈設例 5 〉 E宅地 (400≤000円×1≥00)+(300≤000円×1≥00×0≥08)+(200≤000円×1≥00×0≥05)+(100≤000円 ×1≥00×0≥04)×300㎡=131≤400≤000円 路線価 210千円 路線価 200千円 24m 18m 奥行価格補正率  12m以上32m未満……1≥00 二方路線影響加算率  0≥05 路線価 400千円 路線価 200千円 路線価    千円 300 路線価    千円 100 20m 15m 奥行価格補正率  12m以上32m未満……1≥00 側方路線影響加算率  角 地……0≥08  準角地……0≥04 二方路線影響加算率  0≥05

(46)

5 10 15 20 25 30 35 -18- 宅- 9 ③ 路線に 2 以上の路線価が付されている宅地 路線に 2 以上の路線価が付されている宅地は、それぞれの路線価が付されている路線に接 する距離により加重平均して求めた路線価を基に評価する。 〈評価算式〉 ① 正(注)面路線価×奥行価格補正率(円未満切捨) (注) 路線価A×a+路線価B×ba+b ② ①×地積 路線価B 路線価A a b

(47)

5 10 15 20 25 30 宅-10

具体例

次の宅地の評価額を求めなさい。 解 答 1 (注) 90≤000円×1≥00×300㎡=57≤000≤000円 (注) 180≤000円×20m+210≤000円×10m30m =190≤000円 10m (普通住宅地区) 180千円 210千円 10m 20m 奥行価格補正率  10m以上24m未満……1≥00

(48)

5 10 15 20 25 30 35 -20- 宅-11 ⑶ 倍率方式(評通21、21- 2 ) 倍率方式とは、固定資産税評価額に国税局長が一定の地域ごとにその地域の実情に即するよ うに定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいう。 ① 原則 〈評価算式〉 固定資産税評価額×倍率 ② 登記簿上の地積と実際の地積が異なる場合(評通 8 ) 地積は課税時期における実際の面積による。 〈評価算式〉 固定資産税評価額× 実際の地積登記簿上の地積×倍率

(49)

5 10 15 20 25 30 宅-12 ▶固定資産税評価額 固定資産税評価額は、地方税法の規定により土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録された 基準年度の価格又は比準価格をいう。 ▶倍率 倍率は、地価事情の類似する地域ごとに、その地域にある宅地の売買実例価額、公示価格、不 動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率をいう。

(50)

5 10 15 20 25 30 35 -22- 宅-13

具体例

次に掲げる財産の評価額を計算過程を示して求めなさい。 ⑴ A宅地 ① 固定資産税評価額 25≤000≤000円 ② 固定資産税課税標準額 15≤000≤000円 ③ 倍率 1≥2倍 ④ 地積 200㎡ ⑵ B宅地 ① 固定資産税評価額 25≤600≤000円 ② 倍率 1≥1倍 ③ 登記簿上の地積 320㎡ ④ 実際の地積 300㎡ 解 答 ⑴ A宅地 25≤000≤000円×1≥2=30≤000≤000円 ⑵ B宅地 25≤600≤000×300㎡320㎡×1≥1=26≤400≤000円

(51)

5 10 15 20 25 30 農- 1

〔 1 〕純農地

評価方式(評通37) 純農地の価額は、その農地の固定資産税評価額に、その地域にある農地の売買実例価額、精 通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。 〈評価算式〉 固定資産税評価額×倍率

〔 2 〕中間農地

評価方式(評通38) 中間農地の価額は、その農地の固定資産税評価額に、その地域にある農地の売買実例価額、 精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。 〈評価算式〉 固定資産税評価額×倍率

農地

(52)

5 10 15 20 25 30 35 -129- 農- 2 ▶農地の分類 農地を評価する場合、次に掲げる農地のいずれかに分類する。 ⑴ 純農地 純農地とは、次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。ただし、市街 地農地に該当する農地を除く。 ① 農用地区域内にある農地 ② 市街化調整区域内にある農地のうち第 1 種農地又は甲種農地に該当するもの ③ 上記①及び②に該当する農地以外の農地のうち、第 1 種農地に該当するもの。ただし、 近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第 2 種農地又は第 3 種農地に準ず る農地と認められるものを除く。 ⑵ 中間農地 中間農地とは、次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。ただし、市 街地農地に該当する農地を除く。 ① 第 2 種農地に該当するもの ② 上記①に該当する農地以外の農地のうち、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等 に照らし、第 2 種農地に準ずる農地と認められるもの ⑶ 市街地周辺農地 市街地周辺農地とは、次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。ただ し、市街地農地に該当する農地を除く。 ① 第 3 種農地に該当するもの ② 上記①に該当する農地以外の農地のうち、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等 に照らし、第 3 種農地に準ずる農地と認められるもの ⑷ 市街地農地 市街地農地とは、次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。 ① 農地法に規定する転用許可を受けた農地 ② 市街化区域内にある農地 ③ 農地法の規定により、転用許可を要しない農地として、都道府県知事の指定を受けたも の ※ 農業生産力の高い順に甲種、第 1 種、第 2 種、第 3 種に区分され、原則として第 3 種農地 については、転用申請があった場合には、その申請を許可することとしている。

(53)

5 10 15 20 25 30 山- 1

〔 1 〕純山林

評価方式(評通47) 純山林の価額は、その山林の固定資産税評価額に、その地域にある山林の売買実例価額、精 通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。 〈評価算式〉 固定資産税評価額×倍率

〔 2 〕中間山林

評価方式(評通48) 中間山林の価額は、その山林の固定資産税評価額に、その地域にある山林の売買実例価額、 精通者意見価格等を基として国税局長の定める倍率を乗じて計算した金額によって評価する。 〈評価算式〉 固定資産税評価額×倍率

山林

(54)

5 10 15 20 25 30 35 -137- 山- 2 ▶山林の分類 山林を評価する場合、次に掲げる山林のいずれかに分類する。 ⑴ 純山林 純山林とは、通常の山林をいう。 ⑵ 中間山林 中間山林とは、市街地付近又は別荘地帯等にある山林をいう。通常の純山林とは異なる価 格形成要因があるため、純山林とは区分している。 ⑶ 市街地山林 市街地山林とは、宅地に介在する山林、市街化区域内にある山林などをいう。 ※ 山林については、農地のように転用制限はない。 ▶山林と立木 ▶保安林等〔参考〕 評価方式(評通50) 森林法その他の法令の規定に基づき土地の利用又は立木の伐採について制限を受けている山 林の価額は、その制限がないものとした場合の評価額から、その価額にその山林の上に存する 立木について加えられる制限の程度に応じて定められた割合を乗じて計算した金額を控除した 金額によって評価する。 〈評価算式〉 山林の評価方法に基づき評価した価額×( 1 -控除割合) 〈控除割合の選定〉 法令に基づき定められた伐採関係の区分に応じて選定する。 ▶控除割合 法令に基づき定められた伐採関係の区分 控除割合 一部皆伐 0≥3 択  伐 0≥5 単木選伐 0≥7 禁  伐 0≥8 山林 立木

(55)

5 10 15 20 25 30 立- 1

〔 1 〕立木

評価方式(評通113) 立木の価額は、標準価額にその森林について地味級(地味の肥せき)、立木度(立木の密度) 及び地利級(立木の搬出の便否)に応じてそれぞれ別に定める割合を連乗して求めた金額に、 その森林の地積を乗じて計算した金額によって評価する。 ① 原則 〈評価算式〉 標準価額×地味級×立木度×地利級×地積(ha) ② 総合等級が与えられている場合 〈評価算式〉 標準価額×総合等級×地積(ha)

立木

(56)

5 10 15 20 25 30 35 -143- 立- 2 ▶標準価額 標準価額とは、農林水産大臣が定めたそれぞれの森林計画区に属する森林の地域ごとに定めら れた樹種別の 1 ヘクタール(ha)当たりの価額をいう。 ▶地味級 上級 中級 下級 1≥3 1≥0 0≥6 ▶立木度 密 中庸 疎 1≥0 0≥8 0≥6 ▶地利級 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 9 級 10級 11級 12級 1≥2 1≥1 1≥0 0≥9 0≥8 0≥7 0≥6 0≥5 0≥4 0≥3 0≥2 0≥1 ▶総合等級(地味級、立木度及び地利級の各割合を連乗した数値) 立木度 密 庸 疎 地味級 上 中 下 上 中 下 上 中 下 地利級 1 1≥56 1≥20 0≥72 1≥24 0≥96 0≥57 0≥93 0≥72 0≥43 2 1≥43 1≥10 0≥66 1≥14 0≥88 0≥52 0≥85 0≥66 0≥39 3 1≥30 1≥00 0≥60 1≥04 0≥80 0≥48 0≥78 0≥60 0≥36 4 1≥17 0≥90 0≥54 0≥93 0≥72 0≥43 0≥70 0≥54 0≥32 5 1≥04 0≥80 0≥48 0≥83 0≥64 0≥38 0≥62 0≥48 0≥28 6 0≥91 0≥70 0≥42 0≥72 0≥56 0≥33 0≥54 0≥42 0≥25 7 0≥78 0≥60 0≥36 0≥62 0≥48 0≥28 0≥46 0≥36 0≥21 8 0≥65 0≥50 0≥30 0≥52 0≥40 0≥24 0≥39 0≥30 0≥18 9 0≥52 0≥40 0≥24 0≥41 0≥32 0≥19 0≥31 0≥24 0≥14 10 0≥39 0≥30 0≥18 0≥31 0≥24 0≥14 0≥23 0≥18 0≥10 11 0≥26 0≥20 0≥12 0≥20 0≥16 0≥09 0≥15 0≥12 0≥07 12 0≥13 0≥10 0≥06 0≥10 0≥08 0≥04 0≥07 0≥06 0≥03 ※ 地味級・立木度・地利級の各割合を連乗し端数処理されている。したがって、納税者有利 となることから総合等級が与えられている場合には、必ず総合等級を使用する。

(57)

5 10 15 20 25 30 立- 3 ▶保安林等の評価を行う際の注意点〔参考〕 立木についてのみ控除割合の 資料が与えられている場合 ⇨ 立木が生立している山林についても 控除割合を加味して評価する。 ▶相続人・包括受遺者が取得した保安林等の立木 相続人又は包括受遺者が取得した立木が保安林等に該当する場合には、保安林等の控除割合を 加味して評価した後の金額に立木の評価減の規定を適用する。

具体例

次に掲げる財産の評価額を計算過程を示して求めなさい。 ⑴ 立木 標準価額 900≤000円 地積 40ha 地味級割合 0≥6 立木度割合 0≥8 地利級割合 1≥1 ⑵ 立木 標準価額 1≤200≤000円 地積 60ha 地味級割合 1≥3 立木度割合 0≥8 地利級割合 1≥1 総合等級 1≥14 解 答 ⑴ 900≤000円×0≥6×0≥8×1≥1×40ha=19≤008≤000円 ⑵ 1≤200≤000円×1≥14×60ha=82≤080≤000円

(58)

5 10 15 20 25 30 35 -145- 立- 4

(59)

5 10 15 20 25 30 立- 5

〔 2 〕立木の評価減

⑴ 趣旨 ① 立木は換金性が低い ② 立木は成長資産であるため ⑵ 適用対象者 ※ 贈与により取得した立木については適用なし。 ⑶ 評価額 ① 評価額 立木の時価 × 85100 ② 評価減 立木の時価 ×( 1 - 85100) ⑷ 計算パターン ① 評価額を計算する場合(純額表示の場合) イ 相続人・包括受遺者 立木の時価 × 85100 = ×× ロ イ以外の者 相続人・包括受遺者でないため立木の評価減の適用なし。(コメント) ※ 取得した立木の全額が課税される。 ② 評価減を計算する場合(総額表示の場合) イ 相続人・包括受遺者 立木の時価 ×( 1 - 85100)= ×× ロ イ以外の者 相続により取得 遺贈により取得 相 続 人 包括受遺者 相 続 人 相続人以外 相 続 人 包括受遺者 包括遺贈 特定遺贈 e 山林 (所得税法では土地) 立木 (所得税法では 山林)

(60)

5 10 15 20 25 30 35 -147- 立- 6 ⑸ 表示法 <具体例> 1 ≥ 子は特定遺贈により立木1≤000≤000円を取得した。 2 ≥ 父は特定遺贈により立木500≤000円を取得した。 ① 総額表示  (単位:円) 項目\相続人等 乙 子 父 特 定 遺 贈 財 産 1≤000≤000 500≤000 立 木 の 評 価 減 △150≤000 ─  計算過程  (単位:円) 特定遺贈財産価額の計算 財産の種類 取得者 計  算  過  程 金    額 立 木 子 1≤000≤000 立 木 父 500≤000  (単位:円) 立木の評価減の計算 対象者 計    算    過    程 金    額 子 1≤000≤000×( 1 - 85100)=150≤000 △   150≤000 父 相続人・包括受遺者でないため適用なし。 ─  父 母 被相続人甲 配 偶 者 乙 子

(61)

5 10 15 20 25 30 立- 7 ② 純額表示  (単位:円) 項目\相続人等 乙 子 父 特 定 遺 贈 財 産 850≤000 500≤000 計算過程  (単位:円) 特定遺贈財産価額の計算 財産の種類 取得者 計  算  過  程 金    額 立 木 子 1≤000≤000× 85100=850≤000 850≤000 立 木 父 相続人・包括受遺者でないため 500≤000 立木の評価減の適用なし。

(62)

5 10 15 20 25 30 35 -150- 家- 1

〔 1 〕自用家屋

評価方式(評通89) 家屋の価額は、その家屋の固定資産税評価額に倍率(1≥0)を乗じて計算した金額によって 評価する。 〈評価算式〉 固定資産税評価額×1≥0

〔 2 〕貸家

評価方式(評通93) 貸家の価額は、自用家屋評価額からその借家権の価額(借家権評価額)を控除した金額に よって評価する。 〈評価算式〉 自用家屋評価額×( 1 -借家権割合)

〔 3 〕家屋と構造上一体となっている設備

評価方式(評通92⑴) 家屋の所有者が有する電気設備、ガス設備、衛生設備、給排水設備、温湿度調整設備、消火 設備、昇降設備等で、その家屋に取り付けられ、その家屋と構造上一体となっているものにつ いては、その家屋の価額に含めて評価する。 なお、家屋の固定資産税評価額に含まれているため別建で評価しない。 〈評価算式〉 (家屋の評価額に含まれているため評価しない。)

家屋及び家屋の上に存する権利

(63)

5 10 15 20 25 30 家- 2 ▶自用家屋 自用家屋とは、自己所有の家屋を自分自身で使用している場合の家屋をいう。 ▶貸家 貸家とは、借家権の目的となっている家屋をいう。 ▶借家権 借家権とは、賃貸借契約により、第三者より家屋を借り受けている場合の権利をいう。 なお、その価額は、原則として、次に掲げる算式により計算した価額によって評価する。ただ し、これらの権利が権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものについては、 評価しない。 自用家屋評価額×借家権割合 ▶借家権割合 借家権割合は、借地借家法の適用のある家屋の賃借人の有する賃借権の割合で、国税局長の定 める割合をいう。 なお、借家権割合はすべての地域で30%とされている。 ▶貸家の評価算式の考え方 自用家屋評価額-借家権評価額=貸家評価額        ⇩ 自用家屋評価額-(自用家屋評価額×借家権割合) =自用家屋評価額×( 1 -借家権割合)

(64)

-6- ※ Xは被相続人甲と配偶者乙との間で養子縁組がなされている。 〈設例 1 〉 被相続人甲 後妻乙 妻 B1 A(以前死亡) B(放棄) 父(以前死亡) 母(以前死亡) 先妻丙(離婚) C(以前死亡) 連れ子D 〈設例 2 〉 祖父A(以前死亡) 祖母B 祖父C 祖母D 父(以前死亡) 母(以前死亡) 被相続人甲 配 偶 者 乙 子(欠格) 弟 妹 〈設例 3 〉 被相続人甲 配 偶 者 乙 A B 弟 T(男) X 愛人S(女) C(認知済) 父 母

(65)

〈設例 2 〉 相 続 人

〈設例 3 〉 相 続 人

(66)

-8- 祖母D 祖父E 母(以前死亡) 祖母F 被相続人甲 妻 孫(放棄) 妹 〈設例 5 〉 亡父 被相続人甲 亡B 妻 配 偶 者 乙 A C D 妻 連れ子E 弟 亡母 (相続開始前に養子となっている。) 〈設例 6 〉 父 A(欠格) 母 S 被相続人甲 配偶者乙(男) 女 E D(未認知) B C(以前死亡) 〈設例 7 〉 被相続人甲 配 偶 者 乙 B(廃除) A(以前死亡) 妹 父(放棄) 兄(欠格) 愛人S 母(  ) D(認知済) C(未認知) 以前 死亡

(67)

〈設例 5 〉 相 続 人 〈設例 6 〉 相 続 人 〈設例 7 〉 相 続 人

(68)

-10- 妻 被相続人甲 配 偶 者 乙 A(以前死亡) A1 A2(以前死亡) 妻 B(放棄) C 妻 B1 妻 X2 X1 父(  ) 母(  ) 以前 死亡 以前 死亡

(69)
(70)

-12- される財産の価額を計算しなさい。なお、納税義務者の区分については解答欄の該当するものに ○をつけなさい。 〈資料〉 1 ≥ 被相続人甲(死亡時の住所は東京)の相続人は次のとおりである。 (注 1 ) 配偶者乙は、日本に住所及び国籍を有している。 (注 2 ) A及びDは、アメリカ合衆国に住所及び国籍を有している。 (注 3 ) Bは、アメリカ合衆国に住所を有しているが、日本国籍を有している。 (注 4 ) Cは、アメリカ合衆国に住所を有し、かつ、日本国籍及び米国国籍を有している。 2 ≥ 各相続人等が相続又は遺贈により取得した財産は次のとおりである。 ⑴ 配偶者乙 現      金  1≤000千円 千葉県所在の土地 12≤000千円 千葉県所在の家屋  5≤000千円 米   国   国   債  1≤000千円(在外財産) ⑵ A 神奈川県所在の空地  7≤000千円 米 国 所 在 の 別 荘  9≤000千円(在外財産) ⑶ B 米   国   国   債  1≤500千円(在外財産) ⑷ C 現      金  3≤500千円 米   国   国   債  4≤000千円(在外財産) ⑸ D 米   国   国   債  5≤000千円(在外財産) ⑹ 大原産業株式会社 現      金  5≤000千円 ⑺ 東京都千代田区 現      金  6≤000千円 3 ≥ 特に記載があるものを除き、すべて在内財産に該当する。 被相続人甲 配 偶 者 乙 A B C D

参照

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