〔 1 〕評価の原則
⑴ 相続税法における財産評価(法22)
特別の定め(法23〜26)のあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の 価額は、その財産の取得の時における時価により、その財産の価額から控除すべき債務の金額 は、その時の現況による。
⑵ 時価の意義(評通 1 ⑵)
財産の価額は、時価によるものとし、時価とは、課税時期(相続、遺贈又は贈与により財産 を取得した日。以下同じ。)において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間 で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいい、その価額は、この通達 の定めによって評価した価額による。
総則
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総則- 2
▶相続税法における財産の評価
相続税法において、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価は、「地上権(借地権等を除 く)及び永小作権の評価」、「定期金に関する権利の評価」、「定期金給付事由が発生していない定 期金に関する権利の評価」、「相続人又は包括受遺者の取得した立木の評価」 についてのみ定めて おり、その他の財産の評価は時価によることとしているため、相続税法においてその定めがな い。
これは、世の中に存在する多種多様な財産の評価の全てを法律の定めにより評価することが、
実情に即していないためである。
▶時価の算定方法
相続、遺贈又は贈与により取得した財産の時価は、財産評価基本通達等に基づき算定する。
図 解
▶財産評価基本通達
財産評価基本通達とは相続、遺贈又は贈与により取得した財産の時価の算定方法を、国税庁が 定めたものであり、その取得した財産の課税時期における、通常の取引価額を算定することがで きる。
▶評価の安全性
財産評価基本通達は、課税時期において、通常の取引があったものと仮定して、財産の時価を 算定するため、一般的な市場価格以下の価額が算定されるように、各財産の評価方法が定められ ている。
例:路線価方式の宅地の評価額は、公示価格等の80%を目途に定められている。
地上権(借地権等を除く)
及び永小作権 財産
相続人又は包括受遺者の 取得した立木
定期金に関する権利 定期金給付事由が発生し ていない定期金に関する 権利
上記以外の財産
相続税法の定めに基づき 評価
財産の評価
財産評価基本通達等に基 づく時価により評価
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総則- 6
総 則
財産評価基本通達の体系図
・時価の意義 ・共有財産 ・区分所有財産 ・邦貨換算 ・基準年利率
・国外財産の評価 〜省略〜
Ⅰ 土地及び土地の上に存する権利
Ⅱ 家屋及び家屋の上に存する権利
Ⅲ 構築物
Ⅳ 立木
通則
宅地及び宅地の上に存する権利 農地
山林
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Ⅵ 無体財産権
Ⅶ その他の財産 株式及び出資
公社債 信託受益権
※その他の財産
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Ⅴ 動産 一般動産
たな卸商品等 書画骨とう品
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立木
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宅- 1