• 検索結果がありません。

社会貢献活動 ( 地域における公益的な取組 ) の義務化 第 24 条 2 項 ( 平成 28 年度改正 ( 要約 )) 社会福祉法人は 社会福祉事業及び公益事業を行うに当たっては 日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対して 無料又は低額な料金で 福祉サービスを積極的に提供するよう努めなけれ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "社会貢献活動 ( 地域における公益的な取組 ) の義務化 第 24 条 2 項 ( 平成 28 年度改正 ( 要約 )) 社会福祉法人は 社会福祉事業及び公益事業を行うに当たっては 日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対して 無料又は低額な料金で 福祉サービスを積極的に提供するよう努めなけれ"

Copied!
39
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

社会福祉法改正

社会福祉法の改正は、平成25年6月5日及び平成26年6月13日における規制改革会議の答申及び それを踏まえて平成26年6月24日に閣議決定された規制改革実施計画が基となっている。 そのため、改正法の適用に当たっては、規制改革会議の答申の内容を斟酌することが重要となる。 また、経営管理体制の強化に係る法人の機関設計については、平成18年の公益法人制度改革の内容が 取り入れられている。

橿原市役所福祉部福祉総務課

(2)

社会貢献活動(地域における公益的な取組)の義務化

第24条2項(平成28年度改正(要約)) 社会福祉法人は、社会福祉事業及び公益事業を行うに当たっては、日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対して、無 料又は低額な料金で、福祉サービスを積極的に提供するよう努めなければならない。 社会福祉法人に対する財政上の優遇措置の背景 慈善的な福祉サービスや低所得者への福祉の提供による地域のセーフティネットとしての機能。 実態との乖離 これらのサービスの提供がなく、財政上の優遇措置を受ける根拠に乏しい社会福祉法人が多い。 社会貢献活動の義務化 社会貢献活動を行わない社会福祉法人に対して、所轄庁は、必要な措置を採るべきことを命じ、それに従わなかったときは、業務 の停止命令や役員の解職の勧告、さらには法人の解散を命ずることができる制度的な措置を行う。 ※ただし、社会福祉事業の適切な実施に影響を及ぼさないように、特に零細小規模な法人に対する配慮は要する。 【要件】 ①社会福祉事業又は公益事業を行うに当たって提供される福祉サービスであること、②日常生活又は社会生活上の支援を 必要とする者に対する福祉サービスであること、③無料又は低額な料金で提供されること ※営利企業等による安定的・継続的な提供が期待できない福祉需要に対応することが重要。 □社会福祉事業又は公益事業に関連して提供する福祉サービスが対象であり、清掃活動等は該当しない。 □日常生活又は社会生活上の支援を必要とする者に対する福祉サービスが対象であり、それらの者を支援して行う地域住民との交流 のための催しなど、地域福祉の向上を目的とした活動は該当するが、単に地域住民に対し施設を開放するなどの催しは該当しない。 また、施設の入所者・利用者と地域住民との交流活動は、地域社会への貢献ではなく、該当しない。 □料金を徴収する場合は、通常の利用料よりも低額で提供しなければならない。また、その料金の軽減が公費負担に基づく場合や、 事業費の全額について公費負担を受ける事業は該当しない。 □継続して行うものではない取組、規模が小さく社会福祉事業と一体的に行われる事業、又は社会福祉事業のための施設を活用して 行う事業については、定款の変更は必ずしも要しない。 □単独で実施することが困難である場合は、複数の社会福祉法人が連携して実施することも可能。ただし、その場合は、資金拠出を するだけでなく、役職員が関与するなど、その事業を主体的に実施しなければならない。 1

(3)

内部留保の明確化(福祉サービスへの再投資や社会貢献での活用)

第55条の2(平成29年度改正(要約)) 社会福祉法人は、毎会計年度において、貸借対照表の資産から負債を控除した額が、現に行っている事業を継続するために必要 な財産の額(省令で規定)を超えるときは、社会福祉事業若しくは公益事業の充実又は新たな社会福祉事業若しくは公益事業の実 施に関する計画を作成し、所轄庁の承認を受けなければならない。 経営安定化のための積立金の必要性 安定的な経営を継続していくため、施設の改修等に備えた目的積立金を計画的に積み立てる必要がある。 現状への批判 目的積立金を貸借対照表に計上していない場合がある。また、一部では過大な内部留保を貯め込んでいる場合がある。 目的積立金の計画的な積立て 経営安定化のため、事業計画に基づき、退職給与引当金や修繕積立金等を計画的に積み立てることを指導(行政の役割)。 福祉サービスへの再投資や社会貢献での活用 内部留保が、目的積立金や運転資金を超える場合は、社会福祉の充実のための計画を作成しなければならない。 □社会福祉充実計画の立案に関する改正部分であるが、規制改革会議の答申においては、社会福祉法人の経営安定化のために計画的 な目的積立金の積立てが求められている。すなわち、福祉サービスへの再投資が金科玉条ではなく、目的積立金の積立ての後、なお 余剰のある内部留保について、福祉サービスへの再投資を計画する必要がある。 □社会福祉充実計画の立案を必要とする額(社会福祉充実残額)は、前会計年度の貸借対照表における資産の額から負債の額を控除 した額から、①社会福祉事業、公益事業及び収益事業の実施に必要な財産の額、②左記①の事業の実施に必要な固定資産の再取得等 に必要な財産の額、及び③左記①の事業の実施のため最低限必要となる運転資金を控除した額とする。 □社会福祉充実計画の所轄庁に対する承認の申請は、会計年度後における計算書類等及び財産目録等の届出と同時に行わなければな らない。 □社会福祉充実計画の作成に当たっては、事業費及び社会福祉充実残額について、公認会計士、税理士、監査法人又は税理士法人の 意見を聴かなければならない。また、地域公益事業(日常生活又は社会生活上の支援を必要とする事業区域の住民に対し、無料又は 低額な料金で福祉サービスを提供するもの)を行う社会福祉充実計画の作成に当たっては、その内容及び需要について、事業区域の 住民その他の関係者の意見を聴かなければならない。 □社会福祉充実計画は、評議員会の承認を受けなければならない。 2

(4)

経営管理体制の強化

第36条乃至第45条の19(平成29年度改正) 【主な変更点(平成29年度改正)】 (評議員会) 諮問機関から最高議決機関への格上げ 評議員会の設置は任意であり、また、諮問機関として位置付けられていたため、牽制機能が不十分であった。 →最高議決機関として位置付け、社会福祉法人の重要な決議事項については、評議員会が決議することとされた。 これに伴い、評議員の資格要件が定められ(特に、同一の社会福祉法人の役員又は職員との兼職が禁止され)、理事会が評議員 を選任し、又は解任することはできなくなった。 また、理事及び監事の評議員会に対する報告義務が規定されたほか、評議員は、理事の法令等に違反する行為の差止めの請求 をすることができることとなった。 (理事会) 理事会の明記 社会福祉法人の業務は理事の過半数をもって決するものとされ、定款によりこれと異なる規定を定めることができた。 →業務執行に関する意思決定機関として理事会が明記され、その決議に必要となる割合については、過半数を原則とし、定款に おいてそれを超える割合を定めることができるものとされた(過半数を下回る割合とすることはできない。)。 理事長の代表権 理事は、社会福祉法人の業務について社会福祉法人を代表するものとされ、定款によりその代表権を制限することができた。 →各理事は、理事会を構成して議決権を行使するほか、理事長及び他の理事の職務の執行を監督する役割を担う機関として位置 付けられた。 また、代表権は理事長のみが持つものとされ、他に、理事会の決議によって業務執行を行う理事を選定することができるもの とされた(業務執行理事には代表権はないため、自己の名において社会福祉法人の対外的行為をすることはできない。)。 各機関の権限等が不明確 理事会や評議員会、理事等の各機関が審議すべき事項について、法令で明確に定められていない。 各機関の権限等の明瞭化 内部管理を強化するため、各機関の役割や権限、責任の範囲等を法令で明確に定める。 3

(5)

(評議員会) 社会福祉法に規定する事項及び定款で定めた事項を決議(第45条の8第2項)。 ※ただし、決議することができるのは、評議員会の招集の目的として理事会が決議した事項に限られる(第45条の9第9項)。 □役員(理事及び監事)又は会計監査人の選任(第43条第1項) □役員又は会計監査人の解任(第45条の5第1項) □役員又は会計監査人の法人に対する損害賠償責任の免除(第45条の20第4項において準用する一般社団・財団法人法第112 条及び113条) □計算書類等の承認(第45条の30) □定款の変更(第45条の36) □社会福祉法人の解散(第46条) □吸収合併計画の承認(第52条) □新設合併契約の承認(第54条の8) □理事の法令・定款違反行為等の差止め(第45条 の16第4項において準用する一般社団・財団法人法第88条(評議員会の議決によらず評議員個人で可能)) (理事) □評議員会における説明(第45条の10) (理事会) 理事会の職務(第45条の13第2項) □社会福祉法人の業務執行の決定(同項1号) □理事の職務の執行の監督(同項2号) □理事長の選定及び解職(同項3号) □業務執行理事の選定(第45条の16第2項) (理事長及び業務執行理事) □社会福祉法人の業務を執行(第45条の16第2項) □職務の状況の理事会への報告(第45条の16第3項) □社会福祉法人の業務に関して社会福祉法人を代表(理事 長のみ(第45の17第1項) (監事) □評議員会における説明(第45条の10) □理事の職務の執行の監査(第45条の18第1項) □会計監査人の解任(第45条の5第1項) □計算書類等の監査(第45条の28第1項) □理事及び職員に対する事業の報告の求め又は業務及び財産 の状況の調査(第45条の18第2項) □理事会への出席と意見の申述(第45条の18において準 用する一般社団・財団法人法第101条) □理事が評議員会に提出しようとする議案、書類、電磁的記 録等の資料の調査及びそれに不当な事項がある場合における 評議員会への報告(同一般社団・財団法人法第102条) □理事の不正行為又は社会福祉法人の法令違反等の理事会に 対する報告(同一般社団・財団法人法第100条) □理事の法令・定款違反行為等の差止め(同一般社団法人・ 財団法人法103条 (会計監査人(必置は一定以上の規模の法人のみ)) □計算書類等の監査(第45条の19第1項及び第2項) □会計に関する報告の求め(同条第3項) □社会福祉法人の業務及び財産の状況の調査(同条第4項) □計算書類について監事と会計監査人の意見が相違する場合における評議員会への出席及び意見の申述 (第45条の18において準用する一般社団・財団法人法第109条) 4

(6)

【各機関の機能分担】 理事 (理事会を構成) ※各理事は、理事会への参加を通じて業務の執行の決定に 関与するとともに、理事の職務の執行を監督する。 評議員会 (最高議決機関) ※理事が招集。会計年度終了後の招集は必須。 ※評議員は理事に対し招集を請求することができる。 理事会 (業務執行の意思決定機関) ※各理事(定款又は理事会で定めた場合は特定の理事) が招集。 ※監事は理事に対し招集を請求することができる。 理事長及び業務執行理事 (業務執行機関) ※3月に一回以上(又は、定款で定めた場合は4月を超 える間隔で2回以上)、理事会に職務の執行状況を報告。 役員(理事及び監事)の選任・解任 決議事項の提示 説明責任 説明責任 会計監査人の選任、解任又は 再任しないことの議案の決定 選定・解職 解任 監査に関する報告の求め 監事の選 任に 関する議 案の 請求又は同意 理事の不正 行為の報告 理事会への 出席と意見 の申述 会計監査人 (会計監査機関) ※大規模法人は必置。会計のみを監査。 監事 (監査機関) ※会計に限らず、理事の職務の執行の全般を監査。 監査 質問検査権 5

(7)

【各機関間の牽制機能】 理事長 □社会福祉法人を代表(自己の名 において社会福祉法人の対外的行 為を執行) □理事会の決議又は理事会の委任 を受けた理事の決定に従い、社会 福祉法人の業務を執行 業務執行理事 □理事会の決議又は理事会の委任 を受けた理事の決定に従い、社会 福祉法人の業務を執行 その他の理事 □理事会への参加を通じて社会福 祉法人の業務の執行の決定に関与、 理事の職務の執行を監督 理事会 □社会福祉法人 の業務の執行を 決定 評議員会 □法令及び定款で定める重要 な事項を決定 □最高議決機関として社会福 祉法人の運営を監督 理事会の委任を受けた理事 □重要な事項を除き、理事会から の委任に基づき社会福祉法人の業 務の執行を決定 議案の提出 議案の調査 計算書類の監査 監事 □職務執行の全般を監査 不 正 行 為 の 差 止 会計管理人 □会計を監査 執 行 状 況 の 報 告 職 務 執 行 の 監 督 職 務 執 行 の 監 査 理 事 の 不 正 行 為 の 監 事 へ の 報 告 選任・解任を通じた 牽制監督 選任・解任を通じた 牽制監督 選任・解任を通じた 牽制監督 不正行為の差止 6

(8)

【会計書類の承認】 【注意点】 □評議員会は、社会福祉法人に関する一切の事項を決議することはできず、社会福祉法に規定する事項及び定款で定めた事項を決 議することができるに過ぎない。そして、その決議事項は、評議員会の招集の目的として理事会が決議した事項に限られる。 すなわち、評議員会は、決議事項を自ら決定することはできず、あらかじめ理事会において評議員会で決議すべき事項として決 議されていなければ、役員等の選任・解任や社会福祉法人の解散などを自由に決議することはできない(仮に、評議員会において あらかじめ理事会で決議されていない事項を決議したとしても、その決議は効力を生じない。)。 □評議員会に決議事項を提案するときには、どの程度具体的に提案するかについて、注意が必要となる(役員の解任を例にとると、 単に役員の解任とのみ提案した場合には、誰を解任するかについても評議員会は自由に決議できるが、特定の者の解任を提案した 場合には、その者の解任の当否についてのみ決議することができるに留まる。)。 (例:A~Fの6人の理事がある場合において、A理事の解任を決議したい場合) (理事会において決議) ・評議員会の日時及び場所 ・評議員会の目的である事項及び議案の概要 (評議員会において決議) ・理事会で決議された事項 ※理事会で決議されていない事項を決議する権限はない。 会計に係る計算書類等は、監事(会計監査人が設置されている場合は監事及び会計監査人)が監査し、それを理事会が承認した上 で評議員会が承認する。なお、評議員会は、事後的に法人運営を監督する機関として位置付けられており、承認が必要であるのは、 会計年度後に限られる(会計年度当初の事業計画及び予算については、その作成及び承認は法令上の義務ではない。)。 (監査) 監事 会計監査人 (承認) 理事会 (承認) 評議員会 (理事会)A理事の解任を提案することを決議 (理事会)理事の解任を提案することを決議 (評議員会)A理事の解任の当否についてのみ決議 (評議員会)A~Fの全理事について解任の決議が可能 7

(9)

□評議員は、評議員会の4週間前までに、特定の事項を評議員会の議題とすることを請求することができる(第45条の8におい て準用する一般社団・財団法人法第184条)が、理事会の決議がなければ評議員会には提案されない。また、理事に対し、評議 員会の目的である事項及び招集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができ(第45条の9第4項)、その請求によって も評議員会が招集されない場合は、自ら評議員会を招集することができるが、その招集をするためには、所轄庁の許可を得なけれ ばならない(同条第5項)。このように、評議員が役員等の選任又は解任や社会福祉法人の解散などを決議しようとしても、その決 議事項について理事会の決議を得るか、又は所轄庁の許可を得なければならず、評議員の決議権には制約がある(すなわち、理事 の過半数の同意を得るか、又は所轄庁の許可を得なければ、評議員会で求める決議をすることはできない。)。 評議員の決議権の障害 (1)一部の理事のみの同意では、理事会で評議員会に提案する議案の決議をすることができない。 (2)評議員の求める内容について評議員会で決議するには、理事の過半数の同意を得ているか、又は所轄庁の許可を得なければ ならない。 評議員が単独ですることのできる牽制行為 以上のとおり、評議員の決議権には制限があり、評議員の求める内容を自由に決議することはできない。ただし、理事が社会福 祉法人の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、 当該行為によって当該社会福祉法人に回復することができない損害が生ずるおそれがあるときは、評議員は、単独で(評議員会を 招集することなく)、当該理事に対し、当該行為をやめることを請求することができる(第45条の16第4項において準用する一 般社団・財団法人法第88条)。 (評議員) 役員等の選任・解任や社会福祉法人の解散 などを決議したい。 理事の過半数の同意 所轄庁の許可 (評議員会) 評議員の求める内容について 決議 一部の理事の同意 ※他の理事の同意はない 評議員会の招集 ※招集は、1名の理事で可能 評議員会に提案する議案の決議 ※過半数の理事の同意がなければ、 理事会で決議することができない =評議員会で決議することができ ない 8

(10)

【評議員会の決議の要件】 1 法令又は定款で定めた事項であること 2 理事会で決議された事項であること 3 評議員会において(1)の人数以上の出席の上、(2)の人数以上の賛成を得ること (1)議決に加わることができる評議員(決議事項について特別の利害関係を有する者を除く評議員)の過半数(ただし、これを 上回る割合を定款で定めた場合は、その割合) (2)次の場合を除き、過半数 ア 3分の2以上の賛成(ただし、これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合) (ア)監事の解任 (イ)理事、監事若しくは会計監査人又は評議員の損害賠償責任の一部の免除(善意で、かつ、重大な過失がない場合に限る) (ウ)定款の変更 (エ)社会福祉法人の解散 イ 全員の賛成 (ア)理事、監事若しくは会計監査人又は評議員の損害賠償責任の全部の免除 ※理事からの提案について、評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、決議を要せず、当該提案 を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなされる。 【理事会の決議又は業務執行の決定の要件】 1 議決に加わることができる理事(決議事項について特別の利害関係を有する者を除く理事)の過半数が出席し、その過半数 の賛成を得ること ただし、これを上回る割合を定款で定めた場合は、その割合 2 次の事項その他の重要な事項を除き、理事会の委任を受けた理事が業務執行の決定をすること なお、理事長及び業務執行理事は、理事会で決議された事項に係る業務執行のために理事会の選定を受けたに過ぎず、別に 委任を受けなければ、業務執行の決定をすることはできない (1)重要な財産の処分及び譲受け (2)多額の借財 (3)重要な役割を担う職員の選任及び解任 (4)従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止 (5)社会福祉法人の業務の適正を確保するための体制の整備(大規模法人は必ず決定しなければならない) ※理事からの提案について、理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、決議を要せず、当該提案を 可決する旨の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。 9

(11)

【評議員の選任又は解任】 評議員の選任又は解任の方法については、各社会福祉法人が、定款により定めなければならない(第31条第1項第5号)。 これについて、理事又は理事会が評議員を選任し、又は解任することはできない(第31条第5項)ため、その選任又は解任に ついて公平性を確保するため、理事又は理事会とは別に、中立の立場に立つ第三者による機関を設置し、当該機関が選任又は解任 を行う方法が例示されている。 当該機関を設置する場合には、欠員の補充や解任に対応するため、当該機関の委員を必要の都度、選任するのではなく、常設す ることが適当と考えられる。なお、当該機関の委員の選任並びに当該機関の招集及び議案の提案については、理事会が行って差し 支えない(理事会以外の機関が行うことは難しく、理事会が行うことが現実的である。また、公平性を確保するため、特定の理事 が行うのではなく、理事会の決定に基づき行うことが適当と考えられる。)。 当該機関を設置する社会福祉法人の職員を委員として選任することは妨げられず(ただし、その職員が理事である場合を除く。)、 監事については、社会福祉法人の監査機関であるため、当該機関の委員とすることが適当と考えられる。 【評議員の資格】 1 社会福祉法人の運営に必要な識見を有すること 2 次の事項に該当しないこと (1)法人 (2)成年被後見人又は被保佐人 (3)生活保護法、児童福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法又は社会福祉法の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わ り、又は執行を受けることがなくなるまでの者 (4)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者 (5)所轄庁の解散命令により解散を命ぜられた社会福祉法人の解散当時の役員 (6)評議員となる社会福祉法人の役員(理事及び監事)又は職員ではないこと (7)他の評議員又は当該社会福祉法人の役員の配偶者、三親等内の親族、又は次の事項に該当する者 ア 当該評議員又は役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 イ 当該評議員又は役員の使用人 ウ 当該評議員又は役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者 エ イ及びウに該当する者の配偶者 オ ア、イ及びウに該当する者の三親等内の親族であり、かつ、これらの者と生計を一にする者(税法の規定による扶養親族又 は事業専従者である場合には、これに該当する) カ 次の者のうち、当該評議員を合わせて当該社会福祉法人の評議員の総数の3分の1を超えることとなる者 (ア)当該評議員又は当該社会福祉法人の役員が役員である他の同一の団体(社会福祉法人を除く)の役員又は職員 (イ)当該評議員又は当該社会福祉法人の役員が業務を執行する社員である持分会社の業務を執行する社員 10

(12)

キ 当該社会福祉法人の評議員又は役員が他の社会福祉法人の評議員の総数の過半数を占める場合における、当該他の社会福祉 法人の役員又は職員 ク 国の機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人(大学共同利用機関法人を含む)、地方独立行政法人、又は特殊法人 若しくは認可法人の職員のうち、当該社会福祉法人の評議員の総数の3分の1を超えることとなる者(ただし、国会議員又は 地方公共団体の議会の議員を除く) 【評議員の人数】 定款で定めた理事の員数を超える数(第40条第3項)。理事は6人以上でなければならない(第44条第3項)ため、評議員は、 少なくとも7人以上でなければならない。 なお、平成27年度決算において、収益(事業活動計算書のサービス活動収益計の項目に計上した額)が4億円を超えない社会 福祉法人については、本改正部分の施行日から3年間は、経過措置として4人以上で足りる(改正法附則第10条)。 ただし、評議員の任期は、定款によって法令よりも短い期間とすることはできないため、当初の評議員数を4名とした場合は、 経過期間内に新たに選任した評議員との間に任期の相違が生じる。そして、その相違を任意に解消することはできないため、経過 措置を適用した場合は、将来に渡って評議員の一斉改選をすることができなくなることに注意が必要。 【評議員の任期】 選任後4年以内に終了する会計年度のうち、最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで (例)定時評議員会を6月1日に開催する社会福祉法人において、平成30年5月1日に評議員を選任した場合 (5月1日に選任) (6月1日定時評議員会) ※評議員の任期は、定款によって短縮することはできないが、任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員につ いては、定款によって、退任した評議員の任期の満了する時までとすることができる。また、延長については、定款によって選任 後6年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで延長することができる。 平成30年度 平成31年度 平成32年度 平成33年度 平成34年度 任期:平成33年度分の会計に関する定時評議員会の終結の時まで 11

(13)

【役員(理事及び監事)並びに会計監査人の選任】 役員及び会計監査人は、評議員会の決議によって選任する。 なお、理事は、監事がある場合において、監事の選任に関する議案を評議員会に提出するには、監事の過半数の同意を得なけれ ばならず、監事は、評議員会において、監事の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。また、監事を辞任 した者は、辞任後最初に招集される評議員会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。 会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事の過半数をもって決定する。 【役員の資格等】 理事及び監事ともに、上記評議員の資格2の(1)~(5)に該当する者は選任されることができない。 (理事) 1 次の者が含まれていなければならない (1)社会福祉事業の経営に関する識見を有する者 (2)当該社会福祉法人が行う事業の区域における福祉に関する実情に通じている者 (3)当該社会福祉法人が施設を設置している場合にあっては、当該施設の管理者 2 他の理事と次の関係にある者が4人以上、又は理事の総数の3分の1を超えて含まれていてはならない (1)当該理事の配偶者若しくは三親等内の親族 (2)当該理事と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 (3)当該理事の使用人 (4)当該理事から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者 (5)(3)及び(4)に該当する者の配偶者 (6)(2)、(3)及び(4)に該当する者の三親等内の親族であり、かつ、これらの者と生計を一にする者(税法の規定による扶 養親族又は事業専従者である場合には、これに該当する) (7)次の者のうち、当該理事と合わせて当該社会福祉法人の理事の総数の3分の1を超えることとなる者 ア 当該理事が役員である他の同一の団体(社会福祉法人を除く)の役員又は職員 イ 当該理事が業務を執行する社員である持分会社の業務を執行する社員 (8)国の機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人(大学共同利用機関法人を含む)、地方独立行政法人、又は特殊法人 若しくは認可法人の職員のうち、当該社会福祉法人の理事の総数の3分の1を超えることとなる者(ただし、国会議員又は地 方公共団体の議会の議員を除く) 12

(14)

(監事) 1 次の者が含まれていなければならない (1)社会福祉事業について識見を有する者 (2)財務管理について識見を有する者 2 次の者が含まれていてはならない (1)他の役員の配偶者又は三親等内の親族 (2)当該社会福祉法人の役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 (3)当該社会福祉法人の役員の使用人 (4)当該社会福祉法人の役員から受ける金銭その他の財産によって生計を維持している者 (5)(3)及び(4)に該当する者の配偶者 (6)(1)、(2)及び(3)に該当する者の三親等内の親族であり、かつ、これらの者と生計を一にする者(税法の規定による扶 養親族又は事業専従者である場合には、これに該当する) (7)次の者のうち、当該社会福祉法人の監事の総数の3分の1を超えることとなる者 ア 当該社会福祉法人の理事が役員である他の同一の団体(社会福祉法人を除く)の役員又は職員 イ 当該社会福祉法人の理事が業務を執行する社員である持分会社の業務を執行する社員 (8)次の者のうち、当該幹事を合わせて当該社会福祉法人の監事の総数の3分の1を超えることとなる者 ア 当該監事が役員である他の同一の団体(社会福祉法人を除く)の役員又は職員 イ 当該監事が業務を執行する社員である持分会社の業務を執行する社員 (9)当該社会福祉法人の役員が他の社会福祉法人の評議員の総数の過半数を占める場合における、当該他の社会福祉法人の役員 又は職員 (10)国の機関、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人(大学共同利用機関法人を含む)、地方独立行政法人、又は特殊法人 若しくは認可法人の職員のうち、当該社会福祉法人の監事の総数の3分の1を超えることとなる者(ただし、国会議員又は地 方公共団体の議会の議員を除く) 【役員の人数】 法令においては、次の最低人数を規定(第44条第3項) (理事)6人以上 (監事)2人以上 13

(15)

【役員の任期】 選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで (例)定時評議員会を6月1日に開催する社会福祉法人において、平成30年5月1日に理事を選任した場合 (5月1日に選任) (6月1日定時評議員会) ※評議員とは反対に、役員の任期は、定款によって短縮することができるが、延長することはできない。また、定款によって補欠 の役員の任期を退任した役員の任期の満了する時までとすることができる。 評議員及び役員の選任(整理) (モデルケース) 役員又は評議員に欠員が生じた場合の特例 欠員が生じた場合、退任した役員又は評議員は、新たに選任された者が就任するまで、なお役員又は評議員としての権利義務を 有する。すなわち、退任をもって議決権や損害賠償義務を放棄することはできない。なお、役員に欠員が生じ、事務が遅滞するこ とにより損害を生ずるおそれがあるときは、所轄庁が一時その職務を行う者を選任することができる(評議員には適用されない。)。 平成30年度 平成31年度 平成32年度 任期:平成31年度分の会計に関する定時評議員会の終結の時まで ①定款において評議員を選任する 方法を規定(選任・解任委員会) ②理事会において選任・解任 委員会の委員の選任 ④選任・解任委員会 の招集 ⑤選任・解任委員会に おいて評議員を選任 ⑥理事会において評議員会に 提案する議案を決定 ⑦評議員会の招集 ②理事会において選任・解任委員会に 提案する議案を決定 ⑧評議員会において 役員を選任 14

(16)

【特定社会福祉法人】 特定社会福祉法人である場合には、会計監査人の設置が義務となる(第37条)。 また、理事会において、理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他社会福祉法人の業務の適 正を確保するために必要な体制の整備に関する事項を決定しなければならない(第45条の13第5項)。 ※なお、特定社会福祉法人である場合には、これらの事項を定款で定めることが義務となるが、特定社会福祉法人ではない場合に おいても、任意にこれらの事項を定款で定めることができる。 (特定社会福祉法人の基準) 次のいずれかに該当する社会福祉法人は、特定社会福祉法人として上記の義務が生じる。 (1)最終会計年度の収支計算書における社会福祉事業、公益事業及び収益事業の経常的な収益の額が30億円を超えること (2)最終会計年度の貸借対照表における負債の額が60億円を超えること 【会計監査人の資格】 1 公認会計士又は監査法人であること(監査法人である場合は、その社員の中から会計監査人の職務を行うべき者を選定し、 これを社会福祉法人に通知しなければならない) 2 次に該当する者ではないこと (1)公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去1年 以内にこれらの者であったこと (2)公認会計士が、使用人であり、又は過去1年以内に使用人であったこと (3)公認会計士又はその配偶者が、監査をしようとする財務書類に係る会計期間の開始の日からその終了後3ヶ月間以内に役員、 これに準ずるもの又は財務に関する事務の責任ある担当者であったこと (4)公認会計士の配偶者が、使用人であり、又は過去1年以内に使用人であったこと (5)公認会計士の配偶者が、国家公務員若しくは地方公務員であり、又はこれらの職にあった者で、その退職後2年を経過して いないものである場合において、その在職し、又は退職前2年以内に在職していた職と当該社会福祉法人とが、職務上密接な 関係にあること (6)公認会計士又はその配偶者が、当該社会福祉法人の債権者又は債務者であること(その債権又は債務が社会福祉法人からの 監査報酬である場合や、債権又は債務の額が100万円未満である場合などを除く) (7)公認会計士又はその配偶者が、当該社会福祉法人から、無償又は通常の取引価格より低い対価による事務所又は資金の提供 その他の特別の経済上の利益の供与を受けていること (8)公認会計士又はその配偶者が、当該社会福祉法人から税理士業務その他の監査業務以外の業務により継続的な報酬を受けて いること 15

(17)

(9)公認会計士又はその配偶者が、当該社会福祉法人の役員等又は過去1年以内若しくは監査関係期間内にこれらの者であった 者から上記(7)又は(8)の利益の供与又は報酬を受けていること (10)公認会計士又はその配偶者が、当該社会福祉法人の関係法人等の役員若しくはこれに準ずるものである場合又は過去1年以 内若しくは監査関係期間内にこれらの者であったこと (11)公認会計士が、当該社会福祉法人の親会社等又は子会社等の使用人であること 【社会福祉法人の業務の適正を確保するために必要な体制の整備に関する事項】 (1)理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制 (2)損失の危険の管理に関する規定その他の体制 (3)理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制 (4)職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制 (5)監事がその職務を補助すべき職員を置くことを求めた場合における当該職員に関する事項 (6)(5)に該当する職員の理事からの独立性に関する事項 (7)監事の(5)の職員に対する指示の実効性の確保に関する事項 (8)理事及び職員が監事に報告をするための体制その他の監事への報告に関する体制 (9)(8)に該当する報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制 (10)監事の職務の執行について生ずる費用の前払又は償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に 係る方針に関する事項 (11)その他監事の監査が実効的に行われることを確保するための体制 【会計監査人の任期】 1 選任後1年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで 2 上記の定時評議員会において別段の決議がされなかったときは、当該定時評議員会において再任されたものとみなす (例)平成30年5月1日に選任され、その後の定時評議員会で別段の決議がされなかった場合 平成30年度 平成31年度 平成32年度 任期:平成30年度分の会計に関 する定時評議員会の終結の時まで であるが、再任により更新される 任期:平成31年度分の会計に関 する定時評議員会の終結の時まで であるが、再任により更新される 16

(18)

調達の公平性・妥当性の確保

第26条の2(平成28年度改正(要約)) 社会福祉法人は、その事業を行うに当たり、その理事、監事、評議員、職員その他政令で定める社会福祉法人の関係者に対し 特別の利益を与えてはならない。 特別の利益を与えてはならない関係者 (1)評議員 (2)理事 (3)監事 (4)職員 (5)設立者 (6)(1)~(5)に該当する者の配偶者又は三親等内の親族 (7)(1)~(6)に該当する者と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者 (8)(1)~(5)に該当する者から受ける金銭その他の財産によって生計を維持する者 (9)設立者が法人である場合は、次の者 ※大別して、設立法人が他の法人の事業活動を支配している場合における当該他の法人、又は他の者が設立法人を支配して いる場合における当該他の者が該当する。 なお、次の説明において、特定の法人が他の法人の事業活動を支配している場合における当該他の法人を「子法人」と、 社会福祉法人を設立した法人を「設立法人」という。 適正かつ公正な支出管理の確保 非営利法人として適正かつ公正な支出管理を確保するため、関係者に対する利益供与を禁止するとともに、関係者との取引内容を 開示するなど、透明性を高めなければならない。 関係者に対する利益供与の禁止 評議員、役員、職員及び利害関係人に対して特別の利益を与えることを法律の規定により禁止。 取引内容の開示 上記の者との取引内容について、現況報告書において記載し、インターネットにより公表。 17

(19)

[設立法人が事業活動を支配する他の法人(事業活動を支配しているかどうかの判断基準は次のとおり)] ア 設立法人又はその子法人が、他の法人の議決権の過半数を有する場合 イ 設立法人又はその子法人に関係する次の者が、他の法人の評議員の総数の過半数を占めている場合 (ア)設立法人又はその子法人の役員、評議員又は職員 (イ)当該他の法人の評議員に就任した日前5年以内に(ア)に該当する者であったもの (ウ)設立法人又はその子法人によって当該他の法人の評議員に選任された者 (エ)当該他の法人の評議員に就任した日前5年以内に(ウ)に該当する者であったもの 「特定(1つ)の者が設立法人の事業活動を支配する場合における当該特定の者(事業活動を支配しているかどうかの基準は次の とおり)」 (当該特定の者が法人である場合) ア 当該特定の法人又はその子法人が、設立法人の議決権の過半数を有する場合 イ 当該特定の法人又はその子法人に関係する次の者が、設立法人の評議員の総数の過半数を占めている場合 (ア)当該特定の法人又はその子法人の役員、評議員又は職員 (イ)設立法人の評議員に就任した日前5年以内に(ア)に該当する者であったもの (ウ)当該特定の法人又はその子法人によって設立法人の評議員に選任された者 (エ)設立法人の評議員に就任した日前5年以内に(ウ)に該当する者であったもの (当該特定の者が個人である場合) ア 当該特定の者が、設立法人の議決権の過半数を有する場合 イ 当該特定の者に関係する次の者が、設立法人の評議員の総数の過半数を占めている場合 (ア)当該特定の者によって設立法人の評議員に選任された者 (イ)設立法人の評議員に就任した日前5年以内に(イ)に該当する者であったもの 【取引内容の公表】 規制改革会議における答申及び規制改革実施計画においては、社会福祉法人と、その役員等の親族や特別の利害関係を有する者 との取引について、取引相手及び取引内容を開示する等、調達の公正性及び妥当性を担保する仕組みを構築することが求められて いる。そして、その方法として、所轄庁への届出書類(第59条(現況報告書))にこれらの内容を記載するものとされている。 届出書類については、後述するように情報開示が強化されるため、これによって利害関係人との取引が牽制され、調達の公平性・ 妥当性の確保に寄与することが期待される。 18

(20)

損害賠償責任

第45条の20(平成29年度改正(社会福祉法人に対する損害賠償責任(要約))) 理事、監事若しくは会計監査人(以下「役員等」という。)又は評議員は、その任務を怠ったときは、社会福祉法人に対し、これ によって生じた責任を賠償する責任を負う。 第45条の21(平成29年度改正(第三者に対する損害賠償責任(要約))) 役員等又は評議員がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等又は評議員は、これによって第三 者に生じた損害を賠償する責任を負う。 ※役員等の損害賠償責任については、規制改革会議の答申の内容において直接の言及はない。 【役員等又は評議員の損害賠償責任(社会福祉法人に対するもの)】 任務を怠ったときは、社会福祉法人に対し、その任務を怠ったことによって生じた損害を賠償する責任を負う 「損害賠償責任が推定される場合(理事のみが対象)」 (前提となる規定) 理事は、次の場合には理事会において当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない(第45条の16 第4項において準用する一般社団・財団法人法第84条)。 なお、次の場合において、「第三者のために」とは、他人の代理人又は代表者として第三者のために取引をする場合をいう。 (1)自己又は第三者のために社会福祉法人の事業の部類に属する取引をしようとするとき ※競業避止義務について規定したもの。理事は、在職中に理事となっている社会福祉法人の事業と競業する取引をしよう とするときは、理事会の承認を受けなければならない。 (2)自己又は第三者のために社会福祉法人と取引をしようとするとき ※利益相反取引のうち、直接取引(自らが当事者となる取引。)の避止義務について規定したもの。理事は、在職中に 理事となっている社会福祉法人と取引をしようとするときは、理事会の承認を受けなければならない。 (3)社会福祉法人が理事の債務を保証することその他理事以外の者との間において社会福祉法人と当該理事との利益が相反する 取引をしようとするとき ※利益相反取引のうち、間接取引(自らが当事者とはならない取引。例えば、保証契約であれば債務の保証を受ける者は 取引の当事者とはならないが、その取引によって間接的に利益を受ける。)の避止義務について規定したもの。理事は、 在職中に理事となっている社会福祉法人から、かかる間接的利益を受ける取引をしようとするときは、理事会の承認を 受けなければならない。 19

(21)

(損害賠償責任の推定) 上記の規定に対し、次の結果を招いたときは、理事の損害賠償責任が推定される。 (A)理事が、上記(1)の規定に違反して、理事会の承認を受けずに競業する取引をし、その取引によって当該理事又は第三者 が利益を受けたときは、当該理事は、任務を怠ったこととなる。そして、その受けた利益の額について、当該理事は社会福祉 法人に対する損害賠償責任を負う(受けた利益の額について社会福祉法人に損害を与えたと推定する。)。 (B)上記(2)又は(3)の取引によって社会福祉法人に損害が生じたときは、次の理事は、任務を怠ったものと推定する。 a 上記(2)又は(3)の取引の承認を受けなければならなかった理事 ※実際に承認を受けたかどうかには関係がない。承認を受けていたとしても、当該理事は損害賠償責任を免れない。 b 社会福祉法人が当該取引をすることを決定した理事 c 当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事 ※評議員並びに監事及び会計監査人については、損害賠償責任を推定する旨の規定はない。 「損害賠償責任が免除される場合」 ※評議員は対象とはならない。 (全部が免除される場合) 評議員の全員の同意がある場合(第45条の20第4項において準用する一般社団・財団法人法第112条) (一部が免除される場合(役員等の全員)) 役員等が職務を行うにつき善意で、かつ、重大な過失がないときは、次の1又は2の方法により、Aの金額を限度として免除す ることができる。 [方法] 1 評議員会の決議(第45条の20第4項において準用する一般社団・財団法人法第113条) (1)各監事の同意を得た上で、評議員会に責任の一部免除に関する議案を提出。 (2)評議員会において、理事により①責任の原因及び賠償責任額、②免除することができる額の限度及びその算定の根拠、及び ③責任を免除すべき理由及び免除額を開示した上で、決議。 2 定款の定め(第45条の20第4項において準用する一般社団・財団法人法第114条) (1)「役員等が職務を行うにつき善意で、かつ、重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の 職務の執行の状況その他の事情を勘案して、特に必要と認めるときは、限度額を限度として、理事会の決議によって免除する ことができる旨」の定款を規定。 ※定款変更の議案を評議員会に提出するに当たっては、各監事の同意を得なければならない。 20

(22)

(2)理事会において決議。 ※理事会に、理事会の決議により責任の一部を免除する旨の議案を提出するに当たっては、各監事の同意を得なければ ならない。 (3)理事会で可決の決議がされたときは、遅滞なく、①責任の原因及び賠償責任額、②免除することができる額の限度及びその 算定の根拠、及び③責任を免除すべき理由及び免除額、並びに責任を免除することに異議がある場合には、1ヶ月以内に当該 異議を述べるべき旨を評議員に通知。 ※10分の1以上(定款によってこれを下回る割合を定めることができる。)の評議員が異議を述べたときは、定款の規 定に基づく責任の免除をすることはできない。 [限度額] A 賠償の責任を負う額から、次の額を控除した額(以下「最低責任限度額」という。) ア 役員等がその在職中に報酬、賞与その他の職務執行の対価として社会福祉法人から受けるべき財産上の利益の額の会計年度 ごとの合計額に、次の役員等の区分ごとの数を乗じた額。 ※当該役員等が当該社会福祉法人の職員を兼ねている場合には、その職員として受けるべき対価を含む。 ※所定の日(評議員会の決議を行った日、定款の定めに基づく理事会の決議を行った日、又は後述する非業務執行理事と 責任を限定する契約を締結した場合は、責任の原因となる事実が生じた日)を含む会計年度又はその前の会計年度の合計 金額のうち最も高い額。 ※会計年度の期間が1年ではない場合は、当該合計額を1年当たりの額に換算した額。 (ア)理事長 6 (イ)業務執行理事 4 (ウ)当該社会福祉法人の職員を兼ねている理事 4 (エ)その他の理事、監事又は会計監査人 2 注1)上記アの合計額に退職慰労金の額(当該役員等が当該社会福祉法人の職員を兼ねていた場合は、その職員としての退職手当 のうち、役員等を兼ねていた期間に相当する部分を含む。)が含まれる場合は、その合計額を上記アの(ア)~(エ)の数で除 した額を除く(当該役員等であった年数が上記アの(ア)~(エ)の数を下回る場合は、当該役員等であった年数で除す。)。 注2)上記1の(2)の決議後、又は上記2の(2)の決議により責任を免除した後で、当該役員等に退職慰労金(当該役員等が 当該社会福祉法人の職員を兼ねていたときは、当該職員としての退職手当のうち当該役員等を兼ねていた期間に相当する部分。 また、退職慰労金及び左記退職手当の性質を有する財産上の利益を含む。)を与えるときは、評議員会の承認を得なければなら ない。 21

(23)

(一部が免除される場合(業務執行を行わない役員等)) 役員等のうち、業務を執行しない理事(理事長及び理事会において業務執行理事として選定された理事以外の理事)、監事又は会 計監査人(以下「非業務執行理事等」という。)については、次の方法により、定款で定めた額の範囲内であらかじめ社会福祉法人 が定めた額と上記Aの最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる。 [方法] (1)当該契約を締結することができる旨の定款を規定。 ※定款変更の議案を評議員会に提出するに当たっては、各監事の同意を得なければならない。 (2)非業務執行理事等と当該契約を締結。 ※当該契約により責任が限定されるのは、あくまで非業務執行理事等に限られる。すなわち、理事長及び業務執行理事 については、当該契約を交わすことによって責任を限定することはできない。 注1)当該契約を締結した非業務執行理事等が、当該社会福祉法人の理事長若しくは業務執行理事又は職員となったときは、当該 契約は、将来に向かって効力を失う(遡及効はなく、それまでに生じた当該契約の効力は失われない。)。 注2)当該契約を締結した社会福祉法人が、当該契約の相手である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたこと を知ったときは、その後最初に招集される評議員会において、①責任の原因及び賠償責任額、②免除することができる額の限 度及びその算定の根拠、③当該契約の内容及び当該契約を締結した理由、及び④当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わ ないとされた額を開示しなければならない。 注3)当該非業務執行理事等が、当該契約によって責任を負わないこととなった後において、当該非業務執行理事等に退職慰労金 (退職慰労金の性質を有する財産上の利益を含む。)を与えるときは、評議員会の承認を得なければならない。 「利益相反取引のうち、自己のためにした直接取引に関する責任の免除の否定」 理事が、自己のために利益相反取引(直接取引)をした場合においては、当該理事は、上記の規定によって責任を免除されるこ とができない(第45条の20第4項において準用する一般社団・財団法人法第116条)。 【役員等又は評議員の損害賠償責任(第三者に対するもの)】 その職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う 「悪意又は重大な過失があったときと同様の責任を負う場合」 (理事の場合) 1 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 2 虚偽の登記 3 虚偽の公告 22

(24)

(監事の場合) 監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 (会計監査人の場合) 会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録 ※社会福祉法人に対する損害賠償責任は、内部的問題であるため、社会福祉法人内における所定の手続きによってその責任を免除 することができるが、第三者に対する損害賠償責任は、当然ながら内部的手続きによってその責任を免れることはできない。 【役員等又は評議員の連帯責任】 役員等又は評議員が、社会福祉法人又は第三者に対する損害賠償責任を負う場合において、他の役員等又は評議員も同様の損害 賠償責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者の関係にある(第45条の22)。すなわち、連帯して賠償すべき役員等又は評 議員は、各自がそれぞれ全額の賠償責任を負い、他の役員等又は評議員が損賠賠償債務を履行したときは、その限度において自己 の責任を免れることとなる。 なお、一部の役員等又は評議員に対する損害賠償責任の全部又は一部が免除された場合には、その役員等又は評議員等の負担部 分について、他の役員等又は評議員等も債務を免れる(他の連帯債務者の債務には影響を及ぼさない旨の免除をした場合を除く。)。 【損害賠償責任の原則】 法律に基づく損害賠償責任には、各種別がある。 このうち、例えば債務不履行による損害賠償については、債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、こ れによって生じた損害の賠償を請求することができる。これを社会福祉法人と役員等又は評議員との関係についてみると、役員等 又は評議員が社会福祉法人に対する債務を本旨に従って履行しないとき、すなわち、任務を怠ったときは、社会福祉法人に対し、 債務不履行による損害賠償責任を負うこととなるが、当該損害賠償を請求するには、社会福祉法人が理事等又は評議員に債務不履 行があったこと及び過失の存在並びに損害額を証明しなければならない。改正法における上記の推定に関する規定は、理事の競業 避止義務違反又は利益相反行為について、損害賠償責任の存在及び損害額を推定することにより、理事の責任を明確にする一方、 社会福祉法人が所定の手続きにより理事の当該損害賠償責任を免除することを決定する機会を置いたものと解釈される。 また、第三者との関係においては、社会福祉法人の記載又は記録を信じた第三者と理事等との間には債権関係はないため、第三 者が虚偽の記載又は記録をした理事等に対して損害賠償を請求するには、不法行為による損害賠償を請求するほかないが、虚偽の 記載又は記録を信じた第三者がそれをすることには困難が伴う。上記の第三者に対する損害賠償に関する規定は、かかる第三者を 保護するとともに、社会福祉法人の記載又は記録の正確性を担保する目的があるものと解釈される。 このように、改正法における損害賠償請求に関する規定は、特別の目的に立ったものであり、これら以外の場合において理事等 又は評議員が損害賠償責任を負わないというものではない。 23

(25)

社会福祉法人に対する損害賠償責任 (理事、監事、会計監査人、評議員)→任務を怠ったときは、社会福祉法人に対し、損害賠償責任を負う。 【理事の責任が推定される場合】 「競業避止義務違反」 理事会の承認を受けずに自己又は 第三者のために社会福祉法人の事業 の部類に属する取引をしたとき →取引をした理事が対象 「利益相反取引(直接取引)」 自己又は第三者のために社会福祉 法人と取引をしたとき →取引をした理事、取引をすること を決定した理事、理事会で承認の決 議に賛成した理事が対象 「利益相反取引(間接取引)」 理事の債務を保証するなど、取引 の相手は理事ではないが、間接的に 理事が利益を受け、社会福祉法人が 損害を受ける取引をしたとき →取引をした理事、取引をすること を決定した理事、理事会で承認の決 議に賛成した理事が対象 【全部が免除される場合】 評議員の全員の同意がある場合 【役員等の会計年度における報酬等を基準に計算した額が免除される場合】 ※職務を行うにつき善意で、かつ、重大な過失がないことが必要 (1)評議員会で決議された場合(議案の提出には各監事の同意が必要) (2)定款の規定に基づき理事会で決議された場合(定款変更の議案の提出及び理事会への議案の提出には各監事の同意が必要) ただし、1割以上の評議員(定款で定めた場合は、これよりも低い割合)が異議を述べたときは、免除されない。 【契約により一部が免除される場合】 ※業務を執行しない理事、監事及び会計監査人のみが対象(理事長及び業務執行理事は対象にならない) (1)定款の規定に基づき責任限度額(役員等の会計年度における報酬等を基準に計算した額と定款の範囲内で定めた額の高い方) を定める契約を締結した場合(定款変更の議案の提出には各監事の同意が必要)

損害賠償責任の免除

(ただし、自己のために利益相反取引(直接取引)をした理事は免除されない) (評議員については、評議員全員の同意がある場合にのみ免除される) 24

(26)

第三者に対する損害賠償責任 (理事、監事、会計監査人、評議員)→職務について悪意又は重大な過失があったときは、第三者に対し、損害賠償責任を負う。 【悪意又は重大な過失があったときと同様の責任を負う場合】 「理事」 □計算書類、事業報告、附属明細書 に虚偽の記載又は記録をしたとき □虚偽の登記をしたとき □虚偽の公告をしたとき 「監事」 □監査報告に虚偽の記載又は記録を したとき 「会計監査人」 □会計監査報告に虚偽の記載又は記 録をしたとき

第三者に対する責任は、社会福祉法人内の手続きで免除することはできない

連帯責任 (複数の理事等及び評議員が同様の損害賠償責任を負う場合)→連帯債務者となる。 (例)A理事が利益相反取引をし、B理事、C理事及びD理事が理事会で承認の決議に賛成した場合。損害額は200万円。 【連帯債務者】 A理事 社会福祉法人 2 0 0 万 円 の 損 害 賠 償 義務 A理事、B理事、C理事及びD理事は、それぞれが社 会福祉法人に対して200万円の損害賠償義務を負い、 1人の者が履行したときは、その範囲内で他の者も債務 を免れる。 ※各自が50万円を支払えば良いことにはならず、仮に A理事が50万円を支払ったとしても他の理事が残額 を支払わない限り、A理事は、なお150万円を支払わ なければならない(合計支払金額が200万円になった ときに、初めて支払義務がなくなる。)。 B理事 C理事 D理事 25

(27)

情報の公開

【会計書類及び補助金の情報開示】 【役員の報酬の開示】 情報開示及び情報の有効活用の必要性 国民が安心して福祉サービスを受けられるように、その主要な担い手である社会福祉法人は、利用者や国民に対して経営内容を 十分に開示する必要がある。会計書類については、インターネットでの公開等の方法により財務諸表等を自主的に公表することを 促しているが、平成25年7月時点で自主的公表は全体の4割程度に留まっている。 社会福祉法人には、国や地方公共団体から社会福祉施設の整備や事業の運営のために補助金が交付されているが、その全体像を 把握する仕組みが構築されておらず、国民に対する開示もされていない。 社会福祉法人から所轄庁に財務諸表が提出されているが、体系的に集計されておらず、有効に活用されていない。 情報開示の義務化 法令において、財務諸表等の事務所への備置き及び閲覧並びにインターネット上での情報開示を義務付け。 有効利用に向けた情報の集約と体系化 厚生労働省において標準的形式を提示し、全国の社会福祉法人の情報を集約して閲覧することのできる電子開示システムを構築。 上場企業に準じた情報開示の必要性 社会福祉法人は、補助金や介護報酬、措置費などの公的な収入を得ているほか、非課税措置など財政上の優遇措置を受けている。 これらのことを背景に、上場企業に準じた適切かつ透明な事業運営が期待されているが、上場企業には課されている役員に対する 報酬等の開示義務が社会福祉法人にはない。 役員の報酬等の開示の義務化 社会福祉法人の役員に対する報酬や退職金などについて、その算定方法の方針や役員区分ごとの報酬等の総額の開示を義務付け。 26

(28)

事務所への備え置き及び閲覧 第45条の32(計算書類の備置き及び閲覧(平成29年度改正(要約))) 社会福祉法人は、計算書類等(貸借対照表及び収支計算書、事業報告、これらの附属明細書並びに監査報告(会計監査人設置社 会福祉法人においては会計監査報告を含む。)を、定時評議員会の2週間前から5年間、主たる事務所に備え置かなければならない。 社会福祉法人は、計算書類等の写しを、定時評議員会の2週間前から3年間、従たる事務所に備え置かなければならない(計算 書類等が電磁的記録で作成されている場合において、従たる事務所でその閲覧をすることができるときは除く。)。 評議員及び債権者は、社会福祉法人の業務時間内は、いつでも、書面の写しの閲覧若しくは交付又は電磁的記録の閲覧若しくは 交付を請求することができる。ただし、債権者が写しの交付の請求又は電磁的記録の提供の請求をするには、当該社会福祉法人の 定めた費用を支払わなければならない。 何人も、社会福祉法人の業務時間内は、いつでも、計算書類等の閲覧を請求することができ、当該社会福祉法人は、正当な理由 がないのにこれを拒んではならない。 第45条の34(財産目録の備置き及び閲覧(平成29年度改正(要約))) 社会福祉法人は、会計年度終了後3月以内に、財産目録等(財産目録、役員等名簿、報酬等の支給の基準を記載した書類及び事 業の概要その他法人運営の状況等を記載した書類)を作成し、当該書類を5年間主たる事務所に、その写しを3年間従たる事務所 に備え置かなければならない(電磁的記録をもって作成することができる。従たる事務所への備置きについては、従たる事務所で その電磁的記録を閲覧することができる場合は不要。)。 何人も、社会福祉法人の業務時間内は、いつでも、財産目録等の閲覧を請求することができ、当該社会福祉法人は、正当な理由 がないのにこれを拒んではならない。なお、役員等名簿については、当該社会福祉法人の評議員以外の者から閲覧の請求があった 場合には、個人の住所に係る部分を除外して閲覧をさせることができる。 報酬等の基準の作成 第45条の35(平成29年度改正(要約)) 社会福祉法人は、理事、監事及び評議員に対する報酬等について、民間事業者の役員の報酬等及び従業員の給与、当該社会福祉 法人の経理の状況その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めなければならない。 報酬等の支給の基準は、評議員会の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。 社会福祉法人は、評議員会の承認を受けた報酬等の支給の基準に従って、その理事、監事及び評議員に対する報酬等を支給しな ければならない。 ※評議員の報酬等の額は、定款で定めなければならない(法第45条の8において準用する一般社団・財団法人法第196条)。 ※理事の報酬等の総額は、評議員会の決議又は定款で定めなければならない(法第45条の16第4項において準用する一般社 団・財団法人法第89条)。監事の報酬等の総額は、評議員会の決議又は定款で定めなければならず、各監事ごとの額について定 めていないときは、監事の協議によって定める(法第45条の18において準用する一般社団・財団法人法第105条)。 ※会計監査人の報酬等は、監事の過半数の同意が必要((法第45条の19において準用する一般社団・財団法人法第110条)。 27

参照

関連したドキュメント

このような状況のもと、昨年改正された社会福祉法においては、全て

「社会福祉法の一部改正」の中身を確認し、H29年度の法施行に向けた準備の一環として新

社会福祉士 本間奈美氏 市民後見人 後藤正夫氏 市民後見人 本間かずよ氏 市民後見人

佐和田 金井 新穂 畑野 真野 小木 羽茂

今年度第3期最終年である合志市地域福祉計画・活動計画の方針に基づき、地域共生社会の実現、及び

⑤  日常生活・社会生活を習得するための社会参加適応訓練 4. 

重点経営方針は、働く環境づくり 地域福祉 家族支援 財務の安定 を掲げ、社会福

次に、平成27年度より紋別市から受託しております生活困窮者自立支援事業について