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1)11th International Conference on Coatings on Glass and Plastics(ICCG11)参加報告

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Academic year: 2021

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11th

International Conference on Coatings on Glass and Plastics(ICCG11)が,2016年6月 12日から16日にかけてドイツのブラウンシュ バイクにおいて開催された。ブラウンシュバイ クは首都ベルリンから西へ約200km の距離に ある,ニーダーザクセン州の代表的な都市であ る。ICCG11が開催されたカンファレンスセン ターはブラウンシュバイク駅から徒歩10分程 のところにあり周辺には近代的なビルディング も多く見受けられるが,旧市街に一歩足を踏み 込めば,そこには中世の歴史的な建造物が立ち 並ぶ美しい街並みが広がる。また,ブラウンシ ュバイクは偉大な数学者でありまた物理学者で あったガウスが生まれた街としても知られる。 本学会はガラスあるいは樹脂基板上への成膜 に関わる国際学会であるが,とりわけ大面積あ るいは大量生産に関する先端成膜技術が取り上 げられ,企業からの参加者が多いのが特徴であ る。ICCG の第1回の開催 は1996年 に 遡 り, 以後隔年で開催さ れ,今 回 は11回 目 を 数 え る。会議はおおよそドイツの Fraunhofer IST や Fraunhofer FEP,あ る い は オ ラ ン ダ の TNO が主催となり,ドイツとオランダで交互 に開催されている。本年度は55件の口頭発表 と42件のポスター発表があった。発表者の国 籍の内訳は,ドイツが58人と一番多く,以下 日本(12人),オランダ(7人)と続き,ヨー ロッパ各国からの参加者は全体の8割を占め る。なお,本年度の学会参加者数は250名を数 える。(※氏名,所属先,等を公開許可した参 加者の人数)。 初日12日(日)のショートコースでは,一 般的な成膜技術に関するものと言うよりは,最 新のプラズマ源,バイオメディカルアプリケー

Thin Films Division,Nippon Electric Glass Co.,Ltd.

Masaaki Imura

Report on 11

th

International Conference on Coatings on Glass and Plastics

(ICCG 11)

伊 村 正 明

日本電気硝子(株)薄膜事業部

11

th

International Conference on Coatings on Glass

and Plastics(ICCG11)参加報告

ニューガラス関連学会

〒529―0292 滋賀県長浜市高月町高月1979番地 TEL 0749―85―2233 FAX 0749―85―5919 E­mail : mimura@neg.co.jp 写真1 学会が開催されたカンファレンスセンター 37

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ション,プラズマモデリング,フレキシブルバ ッテリー,超高速加熱プロセスやバリア膜特性 評価といった,かなり的を絞った実践的な講義 が行われた。これからこれらの分野で研究を始 めようとしている技術者,あるいは研究を始め て間もない技術者にとっては非常に有意義な講 義となったであろう。 2日目からは Introductory Session を皮切り に本格的に学会がスタートした。口頭発表およ びポスター発表については,ともに以下の8つ のセッションに分かれて討論がなされた。 1­Advanced Vacuum Processes, 2­Wet-chemical and Hybrid Processes, 3­ALD,CVD,and Atmospheric Plasma

Proc-esses,

4­Processes for Flexible Substrates,

5­Film Growth,Process Control,and Model Based Concepts,

6­Energy Conversion,Saving,and Storage, 7­Optics,Consumer Electronics,and

Commu-nication,

8­Medical,Food,and Environmental Applica-tions。

Introductory Session では現在・将来のマー ケット,ビジネス情報や技術トレンドについて 9件の招待講演がおこなわれた。ここで内容つ いて簡単に紹介させて頂く。Skidmore,Owings & Merrill 社の Timm 氏からは多数の写真を用 いていろいろな建築物でどのようにガラスが使 用されているのか具体例が紹介された。現在 は,外観を単に美しく見せるだけではなく,省 エネルギーを意識した環境への負荷を低減した 設計が数多く盛り込まれているとのことであっ た。著者が所属する日本電気硝子からは超薄板 ガラスとそのアプリケーションについての発表 がなされた。超薄板ガラスは優れた光学特性, 化学的安定性やガスバリア性と,オーバーフ ロー成形による優れた表面平滑性,さらにはフ レキシブル性や超軽量を兼ね備えており,ディ ス プ レ イ,OLED 照 明 あ る い は タ ッ チ セ ン サーなどのアプリケーションに有用であること が紹介された。また,基板端面を適切に処理す ることにより,数百 m のガラスを破損なしで R2R プロセス処理できるとのことである。He-liatek 社の Pfeiffer 氏からは建材一体型太陽光 発電用の R2R プロセスによる有機太陽電池の 発表がなされた。500mm 幅の PET フィルム 上に効率7% を超えるタンデム型有機太陽電池 を R2R プロセスで作製し,実際の建物に設置 した具体例が示された。近赤外光で発電するよ うにして可視光透明度を向上させた OPV や, ITO の代わりに薄いメタル膜を用いたコスト ダウンなどの話などもあった。名古屋大学の堀 氏らは超高密度・高精度大気圧非平衡プラズマ を医療の分野に応用するという新しい技術を紹 介した。プラズマ照射によりがん細胞のみを選 択的にしかも効率的に死滅させることができる という非常に興味深い内容であった。GPD の Vitkala 氏からは世界のガラスマーケット,技 術開発,トレンドについて,GPD2015会議で の講演による最新情報をレビューする形で発表 がなされた。ガラス業界全般の状況についての 情報を得るためには非常に有益であったと思 う。 ICCG11においてベスト論文賞として Solli-ance/TNO の Y.Creyghton らによる”Develop-ments in Plasma Enhanced Spatial ALD for High Throughput Applications が選出され

写真2 口頭発表会場の様子

38

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た。ALD(Atomic Layer Deposition)法は, ご存知のように,原子・分子レベルで堆積をお こなうために非常に高品位の薄膜を形成するこ とができるが,反面,成膜速度が非常に遅い, 大面積化が難しいと言った問題点を抱えてい た。氏らは S―ALD(Spatial Atomic layer Depo-sition)法を R2R や S2S プロセスに適用し, 従来の時間的なシーケンシャル成膜の100倍も の高速で成膜を可能とした。さらには誘電体バ リア放電により400mm 幅までの大面積の成膜 を実現した。 ポスターセッションにおいても,参加者それ ぞれが face―to―face で有意義な議論をすること ができたと思われる。ここでは,ベスト3ポス ター賞として選出されたポスターのタイトルの みを紹介するに留めたい。1位: Influence of thin―film properties on the reliability of flex-ible glass ,2位: Effects of Al content on the properties of ZnO : Al films prepared by serial co―sputtering using a dual cylindrical rotatable magnetron assembly ,3位: Depo-sition of ITO films by reactive high power im-pulse magnetron sputtering from a metallic rotatable target 。 以上,ICCG11について簡単に紹介させて頂 い た。次 回 の ICCG12は2年 後 の2018年 に Fraunhofer ISC 主催でドイツのヴュルツブル クで開催されることが決まった。日本からもぜ ひ多くの研究者が参加し,活発な議論がおこな われることを期待する。 39

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