簡易型成層圏大気資料採集装置の開発
著者
中澤 高清
簡易型成層圏大気試料採集装置の開発
(課題番号:07554017) 平成7年度∼平成9年度科学研究費補助金(基盤研究(A) )研究成果報告書 平成10年3月 研究代表者 中 津 高 清 (東北大学理学部教授)簡易型成層圏大気試料採集装置の開発
(課題番号:07554017) 平成7年度∼平成9年度科学研究費補助金(基盤研究(A) )研究成果報告書 平成10年3月 00010132514「二二=二二二二」
研究代表者 中 滞 高 清 (東北大学理学部教授)はしがき
地球温暖化や成層圏オゾン破壊といった大気環境問題にとって、広域 にわたって関連する諸微量気体の挙動を詳細に把握し、それらの循環を 解明することが不可欠である。特に、成層圏はオゾンが破壊されている 現場であると同時に、光解離や光化学反応によって多くの温室効果気体 が消滅している所である。しかし、成層圏における微量気体の観測は、 観測手段の困難性のために、ごく限られたものでしかなく、そこでの請 気体の変動と分布は未だ十分に理解されていない。したがって、簡便な 大気試料採集装置を開発し、中緯度に加え、対流圏起源物質の成層圏へ の入口である低緯度や対流圏への戻り口である高緯度など、地理的に広 域にわたる観測をさらに行い、成層圏における諸気体の挙動をより詳細 に理解する必要がある。本研究においては、南極や北極あるいは赤道域 などのように恒久的な気球基地の無い場所での成層圏大気の採集を可能 にするために、小型軽量で小さな気球でも飛揚でき、回収が容易であり、 大気試料の採集時間も極めて短く、気球の飛朔制御が不要であり、準備 や運用が少人数でできるような、全く新しい成層圏大気試料採集装置を 開発する。 研究組織研究代表者:中揮高清
研究分担者:青木周司
研究分担者:岡野章一研究分担者:矢島信之
研究分担者:小野和夫
研究協力者:本田秀之研究協力者:森本真司
(東北大学理学部教授) (東北大学理学部助教授) (国立極地研究所教授) (宇宙科学研究所教授) (岸川特殊バルブ技術部課長) (宇宙科学研究所技官) (国立極地研究所助手) 1研究経費 平成7年度 平成8年度 平成9年度 計 5, 900千円 4, 600千円 1, 300千円 ll, 800千円 研究発表 (1)学会誌等
Honda, H., S. Morimoto, H. Akiyamal, G. Hashida, S. Aoki, H. Ui, T. Nakazawa, N. Yajima and T. Yamanouchi, A newly developed grab sampl ing system for col lecting stratospheric air over antarctica, Ant arctic Record,
40(2), 156-168, 1996.
Honda, H., S. Aoki, T. Nakazawa, S. Morimoto and N. Yajima, Cryogenic air sampling system for measurementS Of
the concentrations of stratospheric trace gases and their isotopic ratios over Antarctica, ∫. Geomagn. Geoelectr.,
48, 1145-1155, 1996. (2)口頭発表等 山内恭、青木周司、本田秀之、中津高清、神沢博、回収気球による南 極大気サンプリング計画、大気球シンポジウム、 64-67、 1993. 青木周司、山内恭、森本真司、本田秀之、矢島信之、中津高清、南極 における成層圏大気のタライオサンプリング実験計画、第17回極域気 水圏シンポジウム、 1994.
本田秀之、矢島信之、山内恭、青木周司、森本真司、中揮高清、南極 における成層圏大気のクライオサンプリング実験の問題点と対策、第
17回極域気水圏シンポジウム、 1994.
Honda, H., N. Yajima, S. Aoki and T. Nakazawa, Cryogenic air sampling system for measuring stratospheric trace gases over Antarctica, International Symposium on Polar and Tropical Atmosphere, Nagoya, Nov. 7-14, 1994.
本田秀之、橋田元、山内恭、青木周司、中揮高清、南極気球実験用グ
ラブサンプリング装置の開発、大気球シンポジウム、 47-50、 1995.
Honda, H., N. Yajima and T. Nakazawa, Development of stratospheric air sampling system in Japan, 20th International Symposium on Space Technology and Science, Gifu, May 19-15, 1996. 森本真司、橋田元、山内恭、本田秀之、秋山弘光、矢島信之、青木周 司、中浮高清、宇井啓高、召田成美、南極昭和基地におけるグラブサ ンプリング実験-37次隊での実験結果-、大気球シンポジウム、 5-6、 1996. 橋田元、森本真司、山内恭、青木周司、川村賢二、中揮高清、本田秀 之、南極昭和基地におけるクライオサンプリング実験計画、大気球シ ンポジウム、 1ト14、 1996. 本田秀之、井筒直樹、矢島信之、森本真司、橋田元、山内恭、青木周 司、中揮高清、昭和基地用採取装置の試験、大気球シンポジウム、 7-10、 1996. 本田秀之、青木周司、町田敏暢、菅原敏、川村賢二、吉村悟、中揮高 3
清、キルナ(スウェーデン)におけるクライオサンプリング実験、大 気球シンポジウム掲載予定、 1997. 本田秀之、秋山弘光、矢島信之、森本真司、橋田元、山内恭、青木周 司、中洋高清、小型成層圏大気グラブサンプリング装置及びt地上支 援システム、第19回極域気水圏シンポジウム、 1996. 森本真司、山内恭、橋田元、本田秀之、秋山弘光、矢島信之、青木周 司、中津高清、宇井啓高、召田成美、昭和基地における回収気球予備 実験、第19回極域気水圏シンポジウム、 1996.
Yajima, N., T. Yamagami and H. Honda, Japanese balloon activities in the field of upper atmosheric research, 13th ESA symposium on Europian Rocket and Balloon ProgrammeS
and Related Research, 01and, Sweden, May 26-29, ESA
Ⅰ.南極昭和基地での気球回収実験 1.はじめに 簡易型の成層圏大気試料採集装置を開発するにあたって、装置回収オ ペレーションの問題点の洗いだしが必要であった。そのため、 1995年1 月に昭和基地においてゴム気球を使用して簡単な装置を飛揚させ、飛行 中の気球の追跡、着陸位置予測、観測器の探索、観測器の回収作業等を 実際に実行した。 2回のテストを実施し、採集装置に要求される条件や回 収の手順等について貴重な知見を得た。 2.実験に使用した装置 回収実験に使用した搭載機器は、気圧スイッチ、気球切り離しカッタ ー、レーダー反射板、レーウィンゾンデ(電池容量0.5日分) 、ラジオブ イ(電池容量2.5日分)で構成され、その荷姿を図1-1に示す。また、重 量構成は次ぎに示す通りである(単位はkg) 0 1回目 2回日 ゴム気球
荷姿
ラジオブイ レーウィンゾンデ レーダー反射板 総重量 自由浮力(40%) 総浮力 2.0 4.0 0.4 0.7 1.7 1.7 0.4 0.4 0.6 1.2 5.1 7.7 2.0 3.1 7.8 10.8 なお、機器が海に降下し水没した場合に備え、ラジオブイ部は防水構追 にした。 地上系は以下のように構成した。定常気象の追跡システムでレーウィ ンゾンデを追跡し、上昇中は気球の方位角、高度角、気圧、気温、湿皮 から高度、水平距離等をリアルタイムで計算した。なお、パラシューI 降下中は、方位角、高度角、気圧、気温、湿度データは取得できたが、 リアルタイムでの飛軸位置計算は行わなかった。さらに、このシステム 5に加え、 「しらせ」のレーダーでの追跡を試みるためにレ-ダ反射板も 取りつけた。 観測器の探索は、ラジオブイ信号の到来方向を携帯受信機で求める方 式で行い、宇宙科学研究所三陸大気球観測所で使用しているものと同一 の回収受信セット(手持ちアンテナ、プリアンプ、携帯受信機、電池) を用いた。 実験を行うかどうかを決定するためには上層風を用いた航跡検討が必 要であるので、この目的のために計算プログラムも準備した。このプロ グラムは、気球上昇時の風データから、着陸位置を予想するためにも用 いた。 3.実験手順と結果 昭和基地においては、事前準備として、指揮連絡系統、役割分担、実 験手順の周知を行い、実験前日には受信系の動作確認を行った。実験当 日のⅩ・180分には、 (1)地上の天気が良好、 (2)地上風が5m/sec以下、 (3) 上層風による航跡予測で、着地位置が昭和基地から半径50km以内、とい う条件が満たされているかどうかを基準として実験の実施を判断した0 実験のスケジュールは以下の通りであった(単位は分) 0 Ⅹ・60 フィールド作業開始 Ⅹ-40 噛み合せ Ⅹ-25 ガス充填 Ⅹ+o 放球 Ⅹ+100 気球切り離し 上昇時の風データを用いた着地位置予測 Ⅹ+120 回収部隊出発 回収、帰投 1横目は、 2000gゴム気球1個を使用し、 95年1月21日0710LTに放球 した。この気球の気球カット設定高度は15kmであったが、カッターが動 作せず、高度24kmで気球が破裂するまで上昇した。上昇時の風データを 使った計算から、着陸予測位置は69008'S、 39002'E、水平距離は 23.3kmと推定された。観測器の探索は2機のヘリコプターを用いて行い、
ラジオブイ電波は昭和基地近くから受かっていたのでその最大レベル方 向に進行したが、受信レベルが十分大きくなった時点で方角を見失った。 そのため、一旦その場をはなれて別方向からも電波到来方向を求め、交 点付近を捜索し、発見した。実際に回収した地点は69007'S、 39oO2'E であり、昭和基地からの距離は23.4kmであった。この実験における航跡 (上昇時)と回収地点、および上昇時の風を用いて予測した航跡を図1-2 に示す。上昇時の航跡は概ね一致しており、回収地点の違いも大きくは ない。なお、予測値は、飛朔結果から得られたより適切なパラメータを 使用し、昭和基地を中心にして描いたものであり、 Ⅹは回収地点、ロは レーウィンゾンデ追跡データ、 ・は上昇中に求めた風向風速データを使 って航跡と着地地点を予測計算したものである. 1回目の実験から問題点として指摘されたことは、プリアンプのバイパ スによってラジオブイ受信信号強度を規制し、電波発信源付近でも方向 を求めることが出来るようにすること、パラシュート降下中の水平距離 を知ること、レーダー反射板が小さすぎて機能しなかったことなどであ った。 2機目は95年2月6日0710LTに放球した。この実験では、レーダー反 射板を2個に増やしたため総重量が増加したので2000gゴム気球2個を使 用し、気球カット高度は25kmに設定した。前回の実験の結果を考慮して、 この実験においては、気球上昇中の気圧一高度変換テ.-ブルとレーウィ ンゾンデの高度角と気圧データから、パラシュート降下時も水平距離を 計算することを試みた。上昇時の風データを使った予測から、着陸位置 は69009'S、 39025'E、水平距離は16.5kmと推定された。 この実験における実際の航跡(上昇時) 、回収地点および上昇時の風 を用いて予測した航跡を図ト3に示す。航跡の形状は似ているものの、上 昇時から飛朔方向に差があり、回収地点も大分違っていることが分かる。 この原因は、航跡予測のソフトウエアに問題があり、まだ改良の余地が あることが判明した。なお、この図の内容は、図1-2と同様である。 探索は前回と同様に2機のヘリコプターを使用して行い、発見位置は 69o11.3'S、 39025.3'E、昭和基地からの水平距離は22kmであった。 7
4.まとめ ゴム気球を使用した観測器の回収実験を実施し、開発を目指している 試料大気採集装置に装備すべき機器や探査・回収手順について必要な情 報を得ることができた。観測器のトラッキングは定常気象観測で使用さ れるレーウィンゾンデやレーダーを用いて行うことができ、また着地後 の探索はラジオブイによって可能であり、比較的手軽な方法が採用でき ることが明らかとなった。しかし、さらに確実性を増すために、 GPS
(Global Positioning System)等の測位装置を搭載することも考慮すべ きと考えられる。また、今回の実験で多少問題があることが判明した舵 跡予想ソフトウエアを更に改良し、取り扱いも簡便にしつつ着陸位置予 測の精度を改善する必要がある。特に10km以下ではパラシュート降下中 に風に流される距離が大きいので、比較的低い高度での詳細な風データ が必須であり、定常気象からのレーウィンゾンデ追跡の生データを使用 できるようにすべきである。この計算は万一電波断になった場合の最終 的な拠り所となっているので、精度の向上は不可欠である。
図1-1南極昭和基地で行われた気球回収実験に用いられた観測器の 構成
180
図1-2 1995年1月21日に昭和基地から放球された観測器の航
跡(□)と回収地点(×)および風データから予測された航
図1-3 1995年2月6日に昭和基地から放球された観測器の航跡 (□)と回収地点(×)および風テ一夕から予測された航跡
(・) し
Ⅰ Ⅰ.成層圏大気試料採集装置 1.はじめに 簡便に成層圏大気を採集できるグラブサンプリング装置を開発した0 この装置は、大気採集が1ないし2高度に限られ、採集試料量も少ないが、 クライオジェニックサンプリング装置に比べて取り扱いが非常に簡単で あり、実験準備や放球、回収等のオペレーションは、未経験の数人でち 行うことができる。また、本装置を用いた実験のために必要な地上支揺 装置類も開発した。さらに、本採集装置の性能の予備試験と問題点の洗 い出しのために、実際に1997年1月にプロトタイプの装置を昭和基地で 放球し、成層圏大気試料の採取と装置回収を行った。 2.開発すべき採集装置の仕様の検討 ここで開発すべき装置は、南極や北極、赤道域などで使用することを 想定しており、現場まで開発者や製作者が行くことが出来ず、全く予備 知識がなくても間違い無く操作できるものを作る必要がある。さらに、 小型軽量で取り扱いも簡単で確実に動作し、かつ試料採取装置としての 基本的性能(採取量、試料汚染対策など)は十分なものである必要があ る。そこで、下記に示す幾つかの基本方針を立てた。 1)ゴム気球の使用 プラスチック気球よりゴム気球の方が遥かに取り扱いが容易であ り、各地で行われている定常気象観測の担当者の協力を得やすい0 しかし、通常のゴム気球にとっては搭載装置が大重量となるので、 気球自体の開発が必要となる。 2)最高採取高度 C02やCH4の分析に最低限必要な大気試料量、その採恥こ必要と なる容器の容積、装置全体の総重量、ゴム気球の能力等を考慮し、 試料採集の最高高度は25kmとする。 3)パラシュート降下中の試料採取 装置全体の構成を考えると、試料採集容器を気球やパラシュート からの十分に離すことはできないので、上昇中には搭載装置自体か
らのアウトガスの影響を受け易いと予想される。したがって、採取 予定高度に達した時点で気球を切り離し、パラシュート降下を始め た直後に試料採取を行う方式にする。 4)電磁弁の使用 クライオサンプリング装置のために開発し使用してきたバルブ開 閉機構は、開閉速度と重量の関係で本装置には使用することができ ないので、後で述べる火薬式の弁が完成するまでは、仮に電磁弁を 採用する。 5) GPSの使用 本装置にとって、小型軽量であり、高度と位置の計測精度が高い ということが重要であるので、 GPSを採用する。 GPSの情報は絶えず 基地に伝送し、装置の回収作業を容易にする。 6)搭載コンピュータの使用 試料採取シーケンスの実行、 GPSデータの取得、基地へのデータ の 伝送など、複雑な処理を行う必要があるためコンピュータを搭載 す ることにする。 3.大気採集装置の設計の詳細 本研究で開発した採取装置を図2・1に、仕様を表2・1に示す。装置は主 に電磁弁と手動弁付の試料容器、制御回路、電池、 GPS受信機、送信機 で構成されている。ほぼ全ての部分は、緩衝装置付のアルミニウム製フ レーム内に組み込まれている。さらにこの装置にはゴンドラの反転機構 が組み込まれており、総重量は約11kgである。 試料容器はステンレス製で、内表面は電解研磨を施した。容積は15リ ッタとしたので、試料量が高度25km (気圧は約25hPa、気温は約221K である)で350mlsTPになるo試料容器の電磁弁は、試料採取のために 10秒間開けるよう設定し、高度分解能を500m以内になるようにした。
この時の採取効率は、以前行った実験の結果から(Honda and ltoh、 1982) 、 80%程度と見積もられた。なお、仮に効率が100%であるとす
ると、高度25kmでは437mlsTPの試料大気が採取できるはずであるo試
料容器に保有している 間の試料の変質は、空気ベースの
C02とcH4の標準ガスを用いて検討したoその結果、 1カ月程度の試料保
存では、変質は全く無視できることを確認した。なお、濃度分析の精皮
はC02については0・1 ppmv 、 CH4については2 ppbvである(Tanaka et
a1., 1983、 Nakazawa et a1.、 1993) o
試料容器には、ステンレス製の小型手動弁と電磁弁を取りつけた。辛 動弁は試料容器の真空排気や試料の分析時に使用すると同時に、現場と 日本を移動する間の試料の汚染を防止するための役割ももっている。電 磁弁は、搭載マイクロプロセッサからの指令により、成層圏の指定され た高度で大気試料を試料容器に導入するために使用される。 気球やゴンドラからのアウトガスによる汚染を防ぐために、大気試料 の採集は採取装置がパラシュート降下中に行われるが、さらに本装置は 採取装置は上下反転機構を備えている。すなわち、ゴンドラの底部を上 にしてGPS受信機に結索することによって逆さ吊りの状態にして放球し、 試料採集を終えた後に両者を繋ぐロープを切断し、装置上部からのロー プによって吊り下げることにより緩衝機構を下にした正常の姿勢に戻す という工夫を行った。 採取装置が氷上あるいは陸上に着地することを考えると、ゴンドラを 安全に下ろすために緩衝機構を取りつけることが必要となる。そこで、 高さ20。m、底面積100。m2を単位とするアルミハニカムをショックアブ ソーバーとして使用した。アルミハニカムは軽量であり、衝撃吸収特性 が良いという特徴を有しており、 2つのアルミハニカムを直列に接続した ものをゴンドラの4隅に取り付けた。なお、各アルミハニカムにはプレク ラッシュ操作を施し、衝撃発生時に生ずる一時的に大きな衝撃を抑える ようにした。本装置にはゴンドラの着地速度が約7m/secになるようなパ ラシュートを使用しており、同じ速度条件の下で落下実験を繰り返し、 このショックアブソーバーを使用することによって衝撃は15G以下にな ることを確かめた。 図2・2に示すように、制御回路はマイクロプロセッサー、電磁弁駆動用 リレーとリレードライバー、反転カッター、メインカッター、送信用変 調部で構成されている。 GPS受信機からの位置データは、採取装置のス テータスデータと共にマイクロプロセッサーによって収集された後、 10
秒毎に基地に送信される。なお、最新バージョンの制御回路においては、
GPSデータは5秒毎に、ステータスデータは10秒毎に送信されるように
改良した。位置データとステータスデータを送信していない時間は、級 で述べるビーコン信号を送る。本制御回路においては、このように種々 の相互に関係無いデータを送る必要があり、パケットデータ伝送方式を
利用した(Honda and Yajima, 1993) 0
大気の採取手順は制御回路からの司令によって実行され、 (1)気圧スイ ッチがONの状態であり、かつGPS高度が大気採取予定高度を超えた、 (2) 気球破裂が検知された、 (3)ソフトウエアタイマーがタイムアップした、 のいずれかが満足された場合に試料採集が開始される。火薬を利用した メインロープカッターは、気球を切り離して装置をパラシュートで降下 させるために使用する。気圧スイッチは590hPa (高度約4.3km相当)に 設定してあり、地上や放球直後に、予期せぬ気球切り離しが起こらない ようにしている。 GPS受信機による高度制御が不能になることも考えら れるので、その場合のために、設定高度までの上昇時間の1.3倍に設定さ れたソフトウエアタイマによって強制的に気球を切り離し、試料採取シ ーケンスを動作させるようになっている。 大気試料の採集は、搭載コンピュータからの指令によって以下の手脂 で行われる。設定高度で気球の切り離しが行われた2秒後に電磁弁が開か れ、 12秒後に閉じられる。ゴンドラ反転用カッターは132秒後に起動さ れる。ゴンドラの反転は、パラシュートやゴンドラを含む仝システムに 強い衝撃を与えるので、気球切り離しによる動揺が十分減衰し、パラシ ュートによる減速効果が出た時に実行するように設定してある。 地上基地においては、採集装置からの信号を可搬型の受信装置で受伝 し、復調した後、小型コンピュータにGPSデータとステータスデータを 表示しつつ格納する。この受信システムにより、位置情報以外に、大気 採取の開始および終了高度、開始時刻および終了時刻、メインロープカ ッターの作動高度と時刻、大気採取の実行状況、ソフトウエアタイマー の残り時間、飛朔している装置の仰角と方位角、水平距離等を瞬時に知 ることができる。装置から送られてくるステータスデータは、一旦送宿 バッファに入力されると、書き換えられず繰り返し伝送されるので、飛 15
期中に何らかの原因によって地上局でこれらの情報を受信できなくても、 装置を回収することによって取り出すことが可能である。 この搭載装置は厳しい条件下での使用を考慮し、制御回路には設定ど ンを差し替えるだけで採取高度を変更できるように配慮した。ここで示 した装置では、設定高度を15、20、25kmにし、これから選べるようにし てある。また、搭載制御装置の機能を素早く確認するため、一連のシー ケンスを短時間で模擬できるテストモードも採用した。特に、この機能 においては、カッターのように地上で実際に駆動させることが出来ない 装置を誤って作動させないように、また地上ではONしない気圧スイッチ 等の疑似信号を入力できるようにしたテスト装置をケーブル間に挿入し、 動作状況を表示できる工夫を行った。 4.気球システムの構成 本採集装置の発射時の荷姿を図2-3に示す。全体のシステムは主に気球、 パラシュートとゴンドラから構成されているが、さらに気球破裂検知器、 メインロープカッター、レーウィンゾンデ、 GPS受信機も取りつけられ ており、全てはナイロンロープで結索されている。気球とゴンドラ間の 距離は約10mで、システム全体の重量は17kgである。ゴム気球はプラス チック気球と比べて取扱が容易であるので、本システムのために4.5kgの ゴム気球を開発して使用した。開発に当たっては、ガス注入口に特別製 の口管を取り付け、ガス充填用ホースの脱着や充填後の注入口の処理、 充填時の浮力の保持を簡単に行えるように工夫した。 気球破裂検知器とメインロープカッターは、気球とパラシュートの間 に配置してあり、設定高度に達する前に気球が破裂した場合(ゴム気球 の場合は、製品の品質のばらつきによって良く発生する) 、それを検知 する。気球破裂検知器はマイクロスイッチを利用したものであり、一定 以上の張力がロープにかかっている場合にはスイッチが入っているが、 気球が破裂するとこの張力が無くなるのでスイッチがオフする機構とな っている。気球が破裂した場合、搭載コンピュータはスイッチからの宿 号を受け取り、採取シーケンスの実行を開始する。上昇中に気球が破裂 した場合でも、メインロープカッターを作動させて気球を切り離し、パ
ラシュート降下速度を仕様通り7m/Sにする。 着地時の衝撃を効率良く吸収するためには、採集装置が垂直に着地す る必要がある。そこで、本システムのためには、揺れが少ない降下特性 (±5度程度の揺れ)をもつ十字傘を採用した。レーウィンゾンデは、定 常気象の追跡システムを利用して気象データを取得すると同時に、装置 の追跡のバックアップにもなっている。 この装置を放球するためには、自由浮力5kg(30%)を含んだ給浮力を 22kgにする必要がある。本研究においては、取り扱いが簡単で確実に必 要量のヘリウムガスを充填するために、新たなガス充填システムを開発 した(写真1) 。このシステムは、ステンレス製マニフオールド、圧力セ ンサー、温度計、流量調整バルブから構成されている。気球に充填され るガス量は、注入前のガス温度(実際上は高圧シリンダーの温度)とそ の圧力、注入後のガス圧力のみで決定し、充填中のガスの温度変化は蘇 祝した。なお、浮力に対するこの温度変化の寄与は数%であり、実際の 自由浮力は30%であるので、この程度の誤差は気球飛期に影響はない。 5.昭和基地における大気採取実験 本研究で開発した大気試料採集装置のテストを行い改良を加えるため に、南極昭和基地で実際に気球を使って飛揚させ、回収することを試み た。現場における準備作業を軽減するために、装置を送り出す前に特別 の注意を払った。試料容器は、実験室でターボ分子ポンプを使用して 100℃24時間の加熱排気後、更に室温で3日間にわたって継続排気した。 その後、試料容器に1.5気圧の乾燥純空気を充填し、 3カ月に及ぶ輸送期 間中に内壁への吸着等が平衡に達するようにした。この間の電磁弁と辛 動弁を通しての漏れを防止するため、電磁弁のもう一端に全ステンレス 製の小型手動弁を取り付けた。これらの作業の後、図2-3のように、気球 やパラシュート、ゴンドラ等の全てはロープで結合され、さらに必要な 結線がなされ、段ボール箱内に緩衝材と共に梱包した。 昭和基地では、ターボ分子ポンプを用いて試料容器を1日間室温で排気 した。また、テスト装置を使って制御回路の全機能を確認し、 GPS衛星 からの最新の情報でGPS受信機内の測位情報を更新した(GPS受信機が 17
保持している最後の各種情報を、東京のものから昭和基地のものへ書き 換える必要があるため) 。装置の打ち上げは、地上風が穏やかで、かつ 定常気象観測による最新の高層風データと航跡予測プログラムから着地 位置が昭和基地より50km以内と予測された時に行われた。 実験は1997年1月19日に実施された。ゴム気球にヘリウムガスを充填 した後、電磁弁から小型手動弁を取り外すことができなかったため、根 元の手動弁を開け、ソフトウエアタイマをリセットし、放球した。この 時の試料採集の設定高度は25kmであった。図2-4に示すように、装置は 毎分約200mで上昇したため、高度20kmでソフトウエアタイマが起動し、 メインロープカッターが作動した後、大気採集シーケンスに入った。読 料採集後は、ゴンドラの反転機構が働き、図2-5のような状態で降下し、 図2-6に示す航跡をとり昭和基地から9km離れた海氷上に着地した(写真 2) 。着地後、ヘリコプターによる回収が行われたが、特に装置の損傷は 見られなかった。なお、本装置の設定された上昇速度は毎分300mであり、 実際にはこの速度を100m/minも下回ったが、実験後に地上装置を検討 したところ特に間違はないと判明したので、低い上昇速度の原因はヘリ ウムガスを充填する時の操作ミスによるものと考えられる。 昭和基地での実験により、本装置の所期の目的は達成されたことが確 認されたoしかし、国内に持ち帰った試料を分析したところ、 C02やCO の濃度が期待された値より多少高いことが判明した。この現象は、試料 容器内壁に残存した有機物が試料大気中の02によって酸化されたために 生じたと考えられ、容器の有機物を取り除くためにスチーム洗浄を行い、 濃度の分かった大気試料を重点・保存し分析することにより、問題がな いことを確認した。このような処理を施された試料容器を用いた採集装 置は、 1998年に昭和基地で打ち上げられる予定となっている。 上で述べたように、本装置の試料容器には電磁弁が仮に取りつけられ ているが、電磁弁の弁座にはゴムが使われているために、本装置によっ て採集された試料大気はCFC等の分析に用いることができない。そのた め、次の章で述べる新しいタイプの弁と取り替えた採集装置も開発し、 1998年に昭和基地で用いる予定となっている。
表2-1 本研究で開発した成層圏大気試料採集装置の仕様 試料容器 試料容器容積 バルブ機構 飛軸位置追跡 着地位置探索 採取シーケンス制御 気球破裂時の安全策 試料汚染対策 ゴンドラ 重量 採取予定高度 その他 試料容器前処理 輸送時の汚染対策 採取試料の保存 SUS製、 1本、内面複合電解研磨 15リッター 手動弁+電磁弁 GPS+レーウィンゾンデ ラジオブイ マイクロプロセッサ+各種センサー 気球被裂検知装置 パラシュート降下中の採取、採取後採取装置 を上下逆転 アルミフレーム+クラッシュ機構(アルミハ ニカム) llkg 25、 20、 15km (任意に設定可能) 加熱排気 標準ガスを加圧充填後封じ切り 液体ヘリウムで小容器に転送 19
<GPSⅠ
<Tum-
⊂) ⊂) N ▼・.■ ツ ネ メ ツ *モメ ク イ I ( R ヨ +ユB I.<十B Seara
1:i :_? ど + 7& 6 ツ ヌVヨ 6 蹠&2 & GFW& 耳6t 誚ト 6ツ
m
鞄
_一一′
ー■ヽ 兮mp Gondo】 Transn Miniatt; Electro Samp】 .TxAnt
1
ー■■ー _一一′ ー _一一■ヽー ーヽー 400 Over Cutter ottom Plate lnum Honeycomb) ol Electronics 良 ng Rope le Container (15L)ure Manual Valve
magnetic Valve
Shock
Absorber
5 90hPa
図2-2 成層圏大気試料採集装置に搭載された制御回路
写真1 新たに開発したゴム気球のためのヘリウムガス充填装置
#1 (97/01/19) 6:00:00 6:30:00 7:00:00 7:30:00 8:00:00 8:30:00 UT 図2-4 1997年1月19日に昭和基地から放球された成層圏大気 試料採集装置の高度変化 5 0 L l l ■ J L i ( E q ) 山 口 ⊃ 1 -1 J V
Parachute
図2-5 降下中の成層圏大気試料採集装置の構成
#1 (97/01/19) 0
180
図2-6 1997年1月19日に昭和基地から放球された成層圏大気
写真2 海氷上に着地した成層圏大気試料採集装置
Ⅰ ⅠⅠ.開口弁およびピンチオフ弁の新たな開発 1.はじめに 今日までの成層圏大気試料採集装置に採用されている開閉弁は仝金局 製であるが、その駆動にはモーターを使用するために重量がかなり重く なり、また電流容量も大きくなる(Hondaeta1.,1996) 。一方、電磁弁 は手軽に使用することができるが、弁座への試料の選択的吸着や弁座に 使われている材料による汚染があるために、全ての成分の測定に必ずし も使用できない。そこで、本研究において成層圏における各種の大気成 分を測定する目的で、火薬を駆動力とした小型かつ高信頼のバルブの開 発を行った。 2.カッターを利用した開口部の試作 我々が開発し使用してきたタライオサンプラーの試料取り入れ口には ガラス封じを採用しているが、放球や事前準備、輸送時に破損の心配が あった。また、ガラス割り機構を改良したり、機構の刃が当たる部分の ガラスに傷を付けて割れ易くする工夫を行ったが、必ずしも確実に開口 出来たわけでもなかった。そこで開口部を全金属化する事にし、気球で 使用しているロープカッターを1本だけ用いて確実に作動する構造とし たo動作原理は、金属パイプの一部を細くして応力が集中する場所を作 り、火薬を使ったピストンで横から押すことによって折れるように.した ものである。火薬を使用した装置は気球や衛星等では良く使われており、 その動作の信頼性の高さは実証済みである。 希薄な成層圏大気を効率よく採集するためには大きなコンダクタンス を確保する必要があるので、内径を16mmとした。また、適当な強度が ありまた確実に折り取れるようにするために、材質は硬質アルミニウム (A6063BE-T5)とした。図3・1に示したように、このアルミ部分(キ ャップと呼ぶ)は、ミニコンフラットフランジまでを一体化して作り、 折る部分には切り込みを入れた。この弁を確実に作動させるためには、 材質、切れ込み部の厚さ、カッターの薬量(法的規制がある)等を適切 に選択する必要があり、油圧装置を使った数種類の金属の試験片を折る
基礎実験およびカッターの試作と切断実験を繰り返し行い、各パラメー タを決定した。 この開口部はキャップ先端部でホルダーに固定され、切り込みを入れ たキャップの近傍を、キャップに垂直に取り付けたカッターで押す構追 となっている。また、一定距離以上にピストンが飛び出さないような構 造を採用することによって、作業者の安全を図ると同時に、容易に分解 と洗浄ができ、また確実に組み立てが出来る構造にした。なお、この開 口部はタライオサンプラーの試料採集口にも採用することを考慮して、 可動部分はステンレスベローズで覆い、燃焼ガスの放出がないようにし た。実際、開発した開口部はタライオサンプラ-搭載品として既に5回以 上使用したが、期待通り機能し、また試料の汚染に関しても全く問題と なっていない。 3.カッターを利用した開閉弁 簡易型の成層圏大気試料採集装置を開発するにあたって、軽量小型で 確実かつ短時間で開閉するバルブが不可欠であった。そこで、上述のア ルミキャップの開口機構と、真空機器のチップオフで使う無酸素銅パイ プのcold weld、更に日本酸素(秩)が製作する異種金属の摩擦庄接 (NS-JOINT)を組み合わせて新たなバルブを開発した.このバルブは、 従来のバルブおよび開閉機構と比較して、小型軽量になること、調整な どが全く不要で取り扱いが簡単になること、開口部のリークに対する宿 頼性が格段に増すこと、環境条件に対してほとんど制約が無くなること、 制御回路が簡単になることなど、現場での負担を大幅に減らすことが出 来ると言う大きなメリットがある。一方、デメリットとしては、容器の 排気や採集した試料大気の取り出しのために別にバルブを付加する必要 がある、一回毎の使い捨てになるので維持費が高くなる事などが挙げら れる。 本研究で開発した開閉弁の構造を図3-2に示す.この弁にはストレート のパイプを使用するため、通常のバルブのように内部が複雑な形状をし ていないので、比較的細いものでも十分なコンダクタンスが確保できる という利点がある。開口に関しては、上で述べた機構を小型化して使用 29
し、カッター作動時に発生する燃焼ガスの外部への放出を避けるために、 カッターの可動部はベローズシール型にした。一方、閉口はカッターか らの燃焼ガスの漏れを許容し(シールするので特に問題はない) 、構造 が簡単で小型にすることが出来る0リングシール型とした。 容器の容量と希望採取時間を考慮し、パイプの内径は6mmとすること にした。このパイプをcold weldするために必要な力は、内径6mm、厚さ 1mmの無酸素銅の焼き鈍しパイプを油圧のチップオフカッターを用いて 様々な力で潰し、漏れを検査することによって検討した。次にこの力を 火薬で作り出すために、ピンチカッターのアクチュエーターの薬量や薬 室の大きさを決めた。この際、最も重要な部分は銅パイプを押しつぶす 刃先であるので、チップオフカッターで使用している角度(67度)と先 端のRをそのまま採用した。実際に、 4組のカッターを試作し、薬量を 50mg、 75mg、100mgと変えて銅パイプをcold weldしてテストしたところ、 75mgの場合リークはない(6.5Ⅹ10-8at皿cc/sec以下)ことが判明した0 100mgの場合は薬量が多すぎたために銅パイプが切断され、 50mgでは力 が足りずリークが多かった。しかし、薬量が100mgで切断されたパイプを 調べてみたところ、多少刃先のRの大きさを大きくして潰れる範囲を広げ ることによって確実なシールが出来ることが分かった。 以上、本研究で開発した新たな開口弁は実用に供することができ、実 際にこのバルブを搭載した採集装置を試作し、今年中に採集実験を行う 予定である。また、現在、さらにパイプ材質の組み合わせを変えてテス トをしており、先端キャップのアルミ部分と銅を摩擦庄接する試みの準 備も進めている。これらはいずれも棒状の材質を圧接し、後でパイプに 加工する。
ストッパー ボディー
取り入れロホース
図3-1 火薬カッターを用いた開口機構
試料容器へ
100mm
ⅠⅤ.さいごに 南極や北極のような実験条件の厳しい場所で使用するために、簡単で 取り扱いが容易な成層圏大気採取装置を開発した。装置の開発に先立っ て、昭和基地でゴンドラの回収予備実験を行い、トラッキングや着地級 の探査の方法を検討した。開発した採集装置は、容積15しのバルブ付き 試料容器を使ったグラブサンプリング装置であり、 4.5kgのゴム気球と十 字傘を使用する。本装置は、汚染の無い大気を採取するためのゴンドラ 反転機構と、着地衝撃を吸収するための緩衝装置を装備している。 GPS とレーウィンゾンデ受信システムを使って、飛期中の装置の追尾を行う。 また、搭載装置に加え、取り扱いが容易なヘリウムガス充填システム、 搭載装置から送られてくるGPSデータやステータスデータを処理するた めのコンピュータ等の地上支援機器も開発した。これらのシステムを用 いて、昭和基地の上空で実際に成層圏大気の採集を行い、所期の性能が 得られることを確認した。さらに、本装置に搭載するために、小型軽量 でかつ短時間で確実に動作する火薬を用いた開閉弁も新たに開発した0 謝辞 昭和基地における大気採集実験は、 JARE36、 JARE37およびJARE38 の協力を得て実行された。各隊の隊員に感謝の意を表する。 参考文献
Aoki, S・, Nakazawa, T・, Murayama, S. and KawaguchiI, S. (1992): Measurements of atmospheric methane at the Japanese Antarctic Station, Syowa, Tellus, 44B, 273-281.
Bauer, R., Engel, AリFranken, H., Klein, E., Kulessa, G., Schller, C. and Schmidt, U. (1994): Monitoring the vertical structure of the
Arctic polar vortex over northern Scandinavia during EASOE: Regular N20 profile observations・ Geophys・ Res・ Lett., 21, 1211・
1214.
Bischof・ W.・ Borchers・ R・・ Fabian・ P・ and Kruger, B・ C. (1985):
Increased concentration and vertical distribution of carbon dioxide in
the stratosphere, Nature, 316, 708-710.
Boden・ T・ A・・ Kaiser・ D・ P・・ Sepanski・ R・ J・ and Stoss, F・ W. (Eds.),
(1994): TRENDS '93: A Compendium of Data on Global Change.
ORNL/CDIAC-65・ Carbon Dioxide lnformation Analysis Center, Oak Ridge National Laboratory'Oak Ridge, Tenn., U.S.A.
Chubachi・ S・ (1984): Preliminary result of ozone observations at
Syowa Station from February 1982 to January 1983, Men. Natl.
Inst. Polar Res.. 34, 13-19.
Ehhalt・ D・ H・・ Roth・ E・ P・ and Schmidt・ U・ (1983): On the temporal variance of stratospheric trace gas concentrations, J・ Atmos. Chem.,
27・51.
Etheridge, D・ M・・ Pearman・ G・ Ⅰ・ and Fraser・ P・J・ (1992): Change in
tropospheric methane between 1841 and 1978 from a high
accumulation rate Antarctic ice core, Tellus, 44B. 282-294.
Etheridge・ D・ M- Steele, L・ P・, Langenfelds・ R・ L・, Francey, R. ∫.,
Barnola, J・ ・M・ and Morgan・ Ⅴ・ Ⅰ・ (1996): Natural and anthropogenic
changes in the atmospheric CO2 over the last 1000 years from air in Antarctic ice and firn・ J・ Geophys・ Res., 101, 4115-4128.
Ehhalt, D. H., Seiler, W. and Muller, F. (1979): Simultaneously
measured vertical profiles of H2・ CH4, Col N20・ CFC13 and CF2C12
in the mid-latitude stratosphere and troposphere, ∫. Geophys. Res.,
84, 3149-3154.
Farman, ∫. C‥ Gardiner, B. G. and Shanklin, ∫. D. (1985): Large
tosses of total ozone in Antarctica reveal seasonal Clo∑/NOx
interaction, Nature, 315, 207-210.
Gamo, T., Tsutsumi, M., Sakai, H., Nakazawa, T.. Tanaka. M.,
Honda, H., Kubo, H. and ltoh, T. (1989): Carbon and oxygen isotopic
ratios of carbon dioxide of a stratospheric profile over Japan,
Tellus, 41B. 127-133.
Gamo, T., Tsutsumi, M., Sakai, H., Nakazawa, T., Machida, T.,
Honda, H. and ltoh, T. (1995): Long・term monitoring of carbon and oxygen isotope ratios of stratospheric CO2 over Japan, Geophys・ Res・
Lett., 22, 397・400.
Honda, H. and ltoh, T. (1982): Balloon・borne stratospheric air sampling system, Uchuken Houkoku Tokusyuu・gou (Bulletin of the Institute of Space and Astronautical Science Spec. Issue), 4, 107-125 (in Japanese with English abstract).
Honda, H. and Yajima, N. (1993): Kikyuu kougaku-ke主 syuutyuu seigyo deita densou sisutemu, Proceedings of Balloon Symposium,
4-8 (in Japanese).
Honda, H., Aoki, S‥ Nakazawa, T., Morimoto, S. and Yajima, N.
(1996): Cryogenic air sampling system for measurements of the
concentrations of stratospheric trace gases and their isotoplC ratios
over Antarctica, J. Geomagn. Geoelectr., 48.
Itoh, T., Honda, 冗., Tominaga, T., makide, Y., YamakiI, R., Nakazawa, T., Hashida, G., Sakai, H., Tsutsumi, M. and Gamo, T.
(1989): The vertical distribution of stratospheric trace gas mixing
ratios over Japan, Uchuuken Houkoku Tokusyuu-gou (Bulletin of the Institute of Space and Astronautical Science Spec. Issue), 24, 49・61
(in Japanese with English abstract)・
Lal, S.. Borchers, R., Fabian, P. and Krueger, B. C. (1989): The vertical distribution of CH4・ N20・ CFC-12 and CFC-ll in the
middle atmosphere at mid-latitudes, ∫. Atmos. Terre. Phys., 81・90.
Machida, T., Nakazawa, T., FujiiI, Y., Aoki. S. and Watanabe, 0.
(1995): Increase in the atmospheric nitrous oxide concentration
during the last 250 years, Geophys. Res. Lett., 22, 292ト2924.
Murayama, S., Nakazawa. T.. Yamazaki, K., Aoki, S., Makino, Y・, Shiobara, M., Fukabori, M., Yamanouchi, T., Shimuzu, A., Hayashi, M., Kawaguchi, S. and Tanaka, M. (1995): Concentration variations
of atmospheric CO2 0Ver Syowa Station, Antarctica and their interpretation, Tellus, 47B, 375-390.
Nakamura, T., Nakazawa, T., Nakai, N.. Kitagawa, H., Honda. H.,
Itoh, T., Machida, T. and Matsumoto, E. (1992): Measurement of 14c
concentrations of stratospheric C02 by accelerator mass spectrometer. Radiocarbon, 34, 745-752.
Nakamura, T., Nakazawa, T., Honda, H., Kitagawa, H., Machida, T.,
Ikeda, A. and Matsumoto, E. (1994): Seasonal variations in 14c
CO2 measured with accelerator mass spectrometry・ Nucl・ Instr・ and
Meth., B92, 413-416.
Nakazawa, T‥ Aoki, S., Murayama, S., Fukabori, M., Yamanouchi,
Tリ Murayama, H., Shiobara, M., Hashida, G., Kawaguchi, S・ and Tanaka M. (1991): The concentration of atmospheric carbon dioxide
at the Japanese Antarctic Station, Syowa, Tellus, 43B, 126・135・
Nakazawa, T., Machida, T., Murayama, S., Gamo, T.. Tsutsumi, M., Sakai, H., Nakamura, T., Nakai, N., Makide, Y., Honda, H. and ltoh,
T. (1992): Variations of trace gases in the stratosphere over Japan, Uchuuken Houkoku Tokusyuu一gou (Bulletin of the lnstitute of Space
and Astronautical Science Spec. Issue), 30, 31-43, (in Japanese with
English abstract).
Nakazawa, T., Machida, T., Tanaka, M., Fujii, Y., Aoki, S. and
Watanabe, 0・ (1993): Differences of the atmospheric CH4
Concentration between the Arctic and Antarctic regions in
pre-industrial/pre・agricultural era, Geophys. Res. Lett., 20, 943・946.
Nakazawa, T., Machida, T., Sugawara, S., Murayama, S., Morimoto, S., Hashida, G., Honda, H. and ltoh, T. (1995): Measurement of the
stratospheric carbon dioxide concentration over Japan using a
balloon-borne cryogenic sampler, Geophys. Res. Lett., 22,
1229-1232.
Neftel, A., Moor, E., Oeschger, H. and Stauffer, B. (1985): Evidence from polar ice cores from the increase in atmospheric CO2 in the
past two centuries, Nature, 315, 45-47.
Schmidt. U., Knapska, D. and Penkett. S. A. (1985): A study of the
vertical distribution of Methyl Chloride (CH3Cl) in the midlatitude stratosphere, ∫. Atmos. Chem., 3, 363-376.
Schmidt, U.and Kheidim. A. (1991): In situ measurements of carbon dioxide in the winter Arctic vortex and at midlatitudes: an indicator of the 'age'of stratospheric air, Geophys. Res. Lett., 18,763・766.
Schmidt, U・・ Bauer・ R‥ Engel, A・, BorchersS, R・ and Lee, ∫. (1994):
The variation of available chlorine, Cly・ in the Arctic polar vortex during EASOE, Geophys. Res. Lett, 21, 1215-1218.
Stolarski, R・ S・, Krueger・ A・ J・・ SchoeberlL, M・ R・, Mcpeters, R. D.,
Newman, P・ A・ and Alpert, ∫. C., (1986): Nimbus 7 satellite
measurements of the springtime Antarctic ozone decrease, Nature,
322. 808-811.
Tanaka・ M・・ Nakazawa・ T・ and Aoki, S・ (1983): High quality measurements of the concentration of atmospheric carbon dioxide, ∫. Meteorol. Soc. Japan, 61, 678-685, 1983.
Tanaka・ M・・ Nakazawa・ T・, Shiobara, M・, Ohshima, H., Aoki, S., Fukabori・ M・・ Kawaguchi, S・, Yamanouchi, T., Makino, Y. and
Murayama, H・ (1987): Variations of atmospheric carbon dioxide
concentration at Syowa Station (69o OOO'S, 390 35'E), Antarctica, Tellus, 39B, 72-79.