それでは、建築概論の第1回目の授業を始めます。 今回は、ガイダンスと自校学習についての講義です。
講義資料ページの授業デザインを見てください。 授業の日程等が示されているので、今後は、これを見てWeb授業を受けてください。 まず、授業全体の到達目標は、ここに書いてあるとおりです。 この授業では、副読本として、『学生のための仏教入門ー仏教に学ぶ生きるためのヒ ントー』を読んでもらうことにしているので、全員しっかり読んでくださいね。 それから、下記のシラバスについても、しっかり確認しておいてください。 http://syllabus.itp.kindai.ac.jp/customer/Form/SY01010.aspx?syllabusno=2011B00219
次に、授業デザインの評価のところと、講義資料ページのルーブリックを見てください。 今期は、Web授業であるため、例年行っていた中間試験・定期試験は、各授業の講義 レポートで評価します。 評価方法については、ルーブリックをよくみておいてください。 基本的には、授業レポートは、各5点満点で評価されますので、しっかりしたレポートを 作成してください。 ただし、第14回と第15回は、Web授業を実施しませんので、講義資料ページのPPT講 義を参照して講義レポートを作成してください。 また、目標とする技術者像のレポートは、第8回講義の資料として添付されていますの で、講義資料ページを参照してください。
それでは、自校学習の講義をはじめます。 私立大学には、創設者の建学の精神というものがあり、それを教育の中心に据えてい ます。ですから、新入生は、まず、この建学の精神を学ぶ必要があります。 まず、近畿大学の建学の精神について、下記のYouTube動画を見てください。 https://youtu.be/kvt3QlZO0ds この動画にあるように、近畿大学の建学の精神は、「実学教育」と「人格の陶冶」です。 ここで、「人格の陶冶」は、人格を磨くことであり、人間力を育てることです。 皆さんの中には、本学が第一志望ではなかった人もいるかも知れません。しかし、植 物は、どこに種が落ちようと、そこをおり場として、芽を出し、成長し、葉を生やし、花を 咲かせ、種を育て、子孫を増やしていきます。 ですから、君たちも縁あって、この近畿大学工学部という土壌に種が落ちたわけです から、ここで芽を出し、成長し、自分独自の花を咲かせてほしいと思います。
そして、これも創設者である世耕弘一 先生の建学の精神ですが、近畿大学の教育理 念は、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人」を育成することにあります。 私は、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人」は、SMAPの「世界にひとつだけ の花」のように、Only oneの花を咲かせる人だと思っています。 No.1を目指す人は、人から尊敬される人かも知れませんが、必ずしも、人から信頼され たり、愛される人ではない場合が多いように思います。 比較の中で頂点を目指すことは大事なことでもありますが、常に劣等感と優越感に悩 むことになります。 うつ病になりやすい人は、理想が高く、自分の身に過度な要求をつきつけている人が 多いように思います。 私たちには、皆、天から与えらえた個性があります。その個性を十分に生かすことが、 真の生きがいにつながっていくものと思います。 仏教は、Only oneの自分を発見するものです。それは、多くのいのちに守られ、生かさ れている自己とのであいでもあります。
しかし、最近の大学生の特徴として、ここに書いてあるようなことが言われています。 これは、何を意味するかと言えば、自分で「人格の陶冶」ができないということです。 人間の人格は、悩みや苦しみを乗り越えていくことで形成されます。社会に出れば、学 生時代にはないような、様々な苦しみやストレスが襲ってきます。 仏陀は、「人生は苦である」と言い切っています。すなわち、この世は、娑婆であり、穢 土なのです。文学では、不条理の世界と言われます。 ですから、君たちは、学生時代に、そういう苦しみと向き合う訓練をしないといけないの です。すなわち、悩むことは、若い時にしておくべき大事な仕事なのです。 昔のことわざに「若い時の苦労は買ってでもせよ」とあるように、若い時に苦しみ悩んだ ことが、後の人生に大いに役立つことがあるのです。 苦しみ悩むことを恐れず、チャレンジ精神を養ってください。
この授業の副読本は、では、どうすれば、人間の苦悩と向き合い、人格を陶冶していけ るのか、その道筋を仏教が与えてくれるのではないか、そういう考えのもとに私が独自 に執筆したものです。 私は、大学3年生の時に、上咽頭癌になり、医者から余命半年の宣告を受けました。 本書は、そのような悩み、苦しみをどのようにして乗り越えていったかを記したものです。 詳しい経緯は、第1章に書いてあるので、まずは、まえがきと第1章を読んでみてくださ い。 最近は、宗教と言うと警戒されますが、仏教は、哲学に限りなく近いと思います。 本書を読んでもらうとわかると思うのですが、本書は、伝統的な仏教にもとづいていま す。 私は仏教の専門家ではありませんが、私がであった先生方は一流の先生です。 ですから、本書は、大谷大学でも、龍谷大学でも、通用すると思います。 その点は、安心して読んでみてください。
ここに書いてあるとおり、建築と宗教は、深いかかわりがあります。現存する歴史的建 築物の多くは宗教建築です。 ですから、宗教とは何なのかも知らずして、宗教建築を設計することは不可能です。そ ういう意味でも、宗教の本質を理解しておくことは、建築を学ぶ上でも重要なことなので す。 さらに、すでに述べたように、宗教は、人間の本質を知るにおいても、充実した人生を 送る上においても、非常に重要なものです。 ただし、新興宗教には、十分注意する必要があります。仏教は2500年、キリスト教は 2000年、イスラム教は1400年の歴史があります。歴史をくぐったものには、何らかの真 実があるものと思います。 そういう意味で、新興の宗教は危ういのです。その多くは、人間を迷わせるものになり ます。宗教団体に所属すれば孤独感は癒されるかも知れませんが、社会と断絶してい きます。
このレポート課題にしたがって、レポートを作成してください。 このレポートの提出で、授業に出席したものとみなします。 また、中間試験・期末試験が実施できない場合は、このレポートを成績判定に用いる 場合があるので、そのことも考慮して、しっかりしたレポートを作成してください。 (今期は、上述のとおり、この講義レポートが成績評価に用いられるため、ルーブリック を参照して、きちんとしたレポートを作成してください。) 以上で、第1回目の授業を終了します。