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「する・やる・行なう」についての構文的分析 : 意味と用法について

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(1)

「す る ・や る ・行 な う」 に つ い て の 構 文 的 分 析

意 味 と用 法 に つ い て

目 次 1.は じ め に 2.意 味 的 構 文 の 特 徴 3.構 造 的 構 文 の 特 徴 4.終 り に 1.は じめ に 行 為 を 表 わ す 動 詞 と して 「す る」、 「や る」、 「行 な う」 が あ げ られ る 。 三 つ と も 使 用 頻 度 の 高 い 動 詞 で あ る。 と ころ が 、使用 頻度の 高い語で あれ ば あ る ほ ど、 外 国 人 の 日本 語 学 習 者 に と って 、 そ の 意 味 を と らえ る難 し さが 大 き くな る の で あ る 。 とい うの は使 用 頻 度 の 高 い 語 は場 面 に応 じて い ろ い ろ な 意 味 に も使 わ れ る し、 表 現 意 図 に 応 じて い ろ い ろ な 構 文 に も使 わ れ る の で 、 意 味 的 派 生 が 多 くな り、 そ れ に よ る文 の 構 成 も複 雑 に な る か らで あ る。 また 、外 国 人 の 日本 語 学 習 者 は 辞 書 に た よ って 学 習 して い る人 が 多 い が 、 しか し、辞 典 で は そ の 意 味 と用 法 に つ い て詳 し く説 明 す るわ け に は い か な い の で 、 意 味 と用 法 の近 い 類 義 語 に な る と一 層 難 し く感 じられ る の で あ る。 そ うい う意 味 か ら筆 者 は 本 稿 で 日本 語 教 育 の 視 点 か ら 「す る」、 「や る」、 「行 な う」 と い った 、 常 用 で 意 味 と用 法 が と らえ に くい 動 詞 を と りあ げ て そ れ ぞ れ の 意 味 や 用 法 を考 察 し、 そ れ らの 相 違 点 を 明 らか に して み た い と思 う。

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「す る。やる・行なう」についての構文的分析一 意味と用法について一 標 題 の 動 詞 の 意 味 、 用 法 を 考 察 す るた め 、 関 係 の 論 文 と辞 典 を 調 べ 、 そ の 中 か ら、 代 表 的 な用 例 を 六十 数 例 選 び 出 して 、 在 中 国 日本学 研 究 セ ソ ター の 日本 人 教 師7名 と北 京 外 国 語 大 学 の 日本 人 留 学 生 の3名 を対 象 と して ア ソ ケ ー トを した 。 そ の 結果 を 整理 す る と、 次 表 の よ うに な る。次 表 中 「◎ 」 は 全 員 が 賛 成 、 「○ 」 は 三 分 の 二 以 上 の 人 が 賛 成 、 「△ 」 は 三 分 の 二 以 下 、 半 分 以 上 の人 が 賛 成 、 「口 」 は 半 分 以 下 、 三 分 の 一 以 上 の人 が 賛 成 、 「×」 は 三 分 の 一 未満 、 「#」 は 全 員 否 定 で あ る こ と を 示 す 。 番号 用 例 す る や る 行 な う 1 運 動(研 究 ・勉 強 ・授 業 ・い たず ら)を ∼ 。 0 0 0 2 ク ラス会(研 究 会 ・結婚 式 ・試 合 ・講演 会)を ∼ 。 0 0 0 3 バ レ ー ボ ー ル(ゴ ル フ ・ ト ラ ソ プ)を ∼ 。 ◎ 0 0 4 彼 は い ろ ん な こ とを ∼ た ことが あ る。 0 0 D 5 彼 女 は い つ もす きな こ とを ∼ 。 ◎ 0 △ 6 あの 人 は ど ん な こ とで も ∼ 。 O O D 7 い う こ と は や さ しい が 、 ∼ こ と は 難 し い 。 0 0 0 8 これ は ∼ ざる を得 な い こ とです 。 0 0 O 9 ∼ だ け の こ と は ∼ た 。 0 0 D 10 主 任(教 師 ・委 員 ・役 員 ・世 話 役 ・相 手 ・百 姓)を ∼ 。 ◎ O X 11 店 屋(魚 屋 ・商 売 ・旅 館)を ∼ 。 0 0 口 12 期 待(法 規)に 反 ∼ 。 ◎ # # 13 あ の二 人 は握 手(を)∼ て 仲 直 り した。 ◎ x # 14 あ の人 は大 学 で外 国語 の 勉 強 を ∼ て い る。 ◎ O 0 15 結 婚(卒 業 ・信 用)を ∼ 。 O # x 16 注 意(心 配 ・ひ い き ・感 心)を ∼ 。 0 # X 17 途 中 、 十分 間 の 休 憩 を ∼ た 。 ◎ # X 18 温 泉 地 で一 ケ 月 の休 養 を ∼ た 。 0 # x 19 あ く び(く し ゃ み ・げ っぷ ・ し ゃ っ く り)を ∼ 。 0 x # 20 君 は骨 折(火 傷)を ∼ た経 験 が あ るか 。 0 x # 21 か わ い い顔 を ∼ た赤 ち ゃ ん。 0 # # 22 彼 女 は とて も澄 ん だ 目を ∼ て い る。 0 # # 23 赤 い屋 根 を ∼ た 建物 。 0 # # 24 栓 を ∼ た瓶 。 O # # 25 贅 沢 な 服装 を ∼ た 貴 婦 人 。 0 # # 26 金 持 ち の ふ りを ∼ て い るが実 は文 無 しな のだ 。 0 X x 27 穏 や か な心 を ∼ た人 。 ◎ # # 28 犬 が 首 輪 を ∼ て い る。 0 X #

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29 とて もい いに おい(味)が ∼ ますね 。 0 #i# 30 い い音(歌 声 ・笛 声 ・鳥 の鳴 き声)が ∼ ます 。 ◎ #i# 31 し・な づ ま(地 鳴 り)が ∼ 。 0 #i# 32 め まい(痙 攣 ・悪 寒 ・寒 け ・吐 き気 ・胸 さわ ぎ ・いや な予 感)が ∼ 。 O #i# 33 一 個 千 円 も ∼ 。 0 #i# 34 も う少 し ∼ た ら医者 が き ます 。 0 xix 35 新婚 旅行 は ハ ワイ に ∼ よ う(う〉。 ◎ #i# 36 ぼ くは うな ぎに ∼ ます 。 0 #i# 37 息子 を大 学 に ∼ 。 # oi 38 この本 を妹 に ∼ 。 鉾 Oi# 39 来 週 テ ス トを ∼ よ 。 0 oiX 40 よ く ∼ て い る ね 。 △ OOIx 41 この給料 じゃ ど う して も ∼ て いけね えや 。(作例) # OI# 42 一 杯 ∼ う。 # oi 43 あ い つ を ∼ ち ま え 。 鉾 OOI# 44 寝 込 み を ∼(ら)れ た 。 # oi 45 契 約 を ∼ 。 0 × ◎ 46 任 務 を ∼ 。 X × ◎ 47 洗 濯(後 悔 ・は ち ま き ・夕 涼 み)を ∼ 。 O #Ix 48 ど ろ ぼ うを ∼ 。 0 △ × 49 イ ソ チ キ を ∼ 。 ◎ oiX 50 千 円札 を細 か く∼ 。 #i# 51 目を真 赤 に ∼ て泣 いてい る。 0 #i# 52 息 子 を医考 に ∼ 。 OO #i# 53 患者 に 注射 を ∼ 。 ◎ #Ix 54 彼女 に 電話 を ∼ 。 0 XIX 55 先生 は学生 に本を読 ませた り質 問に答 え させ た り∼ ます 。 0 #Ix 56 :と地 … 寸た りと も敵 に侵 犯 させは ∼ な い。 0 #i# 57 教室 で あて られ は ∼ ない か とひや ひや して い た。 0 #i# 58 大学 は商 学部 に ∼ た い。 0 #i# 59 私た ち はボ ー トを借 りる ことに ∼ た。 0 #i# 60 あ あ ∼ て 生 き て い く 。 0 OIx 61 ど う ∼ た ら も うか る か 。 0 × 62 国会 は議 事堂 で ∼ れた 。 X o 63 この風 習 は今 では 世 に ∼ れな くな った 。 xIQo 表 注)用 例 は作 例 を 除 いて 『基 礎 日本 語 』(森 田良 行)、 『日英 語 比較 』(安 田 滋)、 『す る ・ や る の使 い わ け』(李 奇 術)、 『日本 語教 育辞 典 』(日 本 語 教 育学 会)、 『例解 新 国 語 辞 典』(林 四郎 ほ か三 名)か ら取 った もの で あ る。

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「す る ・や る ・行 な う」 に つ い て の 構 文 的 分 析 一 意 味 と用 法 につ い て 一 次 に 、 まず 意 味 か ら分 析 して 、 そ れ か ら構 造 的 に も考 え て み よ う。 2.意 味 的 構 文 の 特 徴 (1)「 す る 」 の 特 徴 「す る」 は 、 動 詞 の 中 で は も ち ろ ん 、 日本 語 全 体 の 中 で も最 も基 本 的 な 単 語 の 一 つ で あ る 。 そ の 使 用 度 数 は 多種 の 刊 行 物 を 対 象 とす る語 彙 調 査 で は 上 位 八 位 以 内 に あ るの で あ る。 「す る」 は 他 動 詞 で あ る し、 自動 詞 で も あ る。 状 態 を も表 わ せ る し、 行 為 、 動作 を も表 わ せ る。 意 志 的 行 為 に も な る し、 無 意 志 的 行 為 に も な る 。 使 用 範 囲 は 「や る」 「行 な う」 よ りず っ と 広 い わ け で あ る 。 以 下 に 「す る」 の 意 味 的 構 文 の 特 徴 お よび 「や る」、 「行 な う」 との 使 い わ け を考 え て み よ う。 <1>他 動 詞 と して 意 志 的 な 行 為 を 表 わ す 場 合 A.日 常 の 動 作 、 行 為 、活 動 を表 わ す 名 詞 を 目的 語(対 象 語)と す る場 合 ① 運 動(研 究 、勉 強 、 授 業 、 い た ず ら)を す る。 〈や る○ 行 な う◎ 〉 ② ク ラス 会(研 究会 、 結 婚 式 、 試 合 、 講 演 会)を す る。 〈や る○ 行 な う◎ 〉 ③ バ レ ー ボ ー ル(ゴ ル フ 、 トラ ソ プ)を す る。 〈や る◎ 行 な う○ 〉 ① ② ③ の 行 為 は い ず れ も 意 志 的 、 具 体 的 な 行 為 と活 動 を 表 わ す もの で あ るか ら 「や る」、 「行 な う」 で 置 き換 え られ るの で あ る。 た だ し、 「や る」、 「行 な う」 を使 うと 、 意 味 合 い の 違 い は 少 しで も あ る 。 こ れ に つ い て は 後 述 す る 。

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B.き ま った 対 象 が な く、 広 くて ば くぜ ん と した こと を 表 わ す場 合 ④ 彼 は い ろん な こ とを した こ とが あ る。 ⑤ 彼 女 は い つ もす きな こ と を す る。 ⑥ あ の 人 は ど ん な こ とで もす る。 〈や る○ 行 な う△ 〉 〈や る○ 行 な う△ 〉 〈や る◎ 行 な う△ 〉 ④ ⑤ ⑥ の 対 象 が き ま った こ と で な く な る と 、 こ と ば が ぞ ん ざい に な るの で 、 俗 っぽ い 「や る」 が よ く使 わ れ る こ とに な った ので あ ろ う。r行 な う」 は 後 述 の 意 味 的 特 徴 に よ っ て絶 対 に使 わ ない と は 言 え な い が 、 ば くぜ ん と した こ とに は あ ま り使 わ な い よ うで あ る。 C.「 何 か を す る」 と い う意 味 で の 行 為 そ の もの を 表 わ す 場 合 ⑦ い う こ とは 易 い ・が 、 す る こ とは 難 しい 。 〈や る○ 行 な う○ 〉 ⑧ これ は せ ざ る を得 な い こ と で す 。 〈や る○ 行 な う○ 〉 ⑨ す る だ け の こ と は した 。 〈や る○ 行 な う△ 〉 「何 か を す る」 とい う意 味 で の 行 為 そ の もの を表 わ し、別 に 目的 語 が ない 場 合 、 い ず れ も使 え る と思 う。 た だ し意 味 上 と文 体 上 の制 限 で 「行 な う」 は と きに 使 え な い 場 合 が あ る 。 D.役 職 や 身 分 や 役 割 を 目的 語(対 象 語)と した り、 商 売 、 企 業 な どを 目 的 語(対 象 語)と す る場 合 ⑩ 主 任(教 師 、 委 員 、 役 員 、 世 話 役 、相 手 、 百 姓)を す る。 〈や る○ 行 な う ×〉

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「する 。や る ・行な う」についての構文的分析 一 意味 と用法 について 一 ⑪ 店 屋(魚 屋 、 商 売 、 旅 館)を す る 。 〈や る ○ 行 な う口 〉 ⑩ ⑪ の 「す る」 は 「や る 」 で 置 き換 え られ るが 、 「行 な う」 で 置 き換 え ら れ に くい 。 そ の 原 因 は 、 「行 な う」 が 後 述 の よ うに 「役 職 、 身 分 、 役 割 」 な どの よ うな 予 定 した順 序 や 筋 道 の な い もの を 目的 語(対 象 語)と しな い こ とで あ ろ う。 「商 売 、 店 屋 、旅 館 」 な どは 運 営 す る こ と が らに 取 られ る と き も あ る が 、 ア ソケ ー トに よれ ば 、や は り 「行 な う」 が あ ま り使 わ れ な い よ うで あ る。 E.サ 変 動 詞 の場 合 ⑫ 期 待(法 規)に 反 す る。 〈や る#行 な う#〉 ⑬ あ の 二 人 は 握 手(を)し て 仲 直 り した 。 〈や る × 行 な う#〉 ⑭ あの 人 は 大 学 で 外 国 語 の 勉 強 を して い る。 〈や る○ 行 な う○ 〉 サ 変 動 詞 語 幹 に つ く 「す る」 は接 尾 語 の よ うな も の で 「や る」、 「行 な う」 は 接 尾 語 の 性 質 が な い の で あ る 。 ま た ⑫ か ら ⑭ へ と 、 サ 変 動 詞 語 幹 と 「す る」 との 熟 合 度 が 低 くな るに つ れ て 、 自立 性 の 強 い 「や る、 行 な う」 と の 置 き換 え が 可 能 に な っ て く る 。 ⑭ の 「す る 」 は 実 際 に は 自立 語 の 「す る 」 に な って い るの で あ る。 F.抽 象 的 な行 為 、 精 神 活 動 を 表 わ す 名 詞 を 目的 語(対 象 語)と す る場 合 ⑮ 結 婚(卒 業 、 信 用)を す る 。 ⑯ 注 意(心 配 、 ひ い き、 感 心)を す る 。 〈や る#行 な う × 〉 〈や る#行 な う × 〉

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⑮ の 「結 婚 」 な ど の よ うな語 は 抽 象 度 の 高 い 名 詞 な の で 、 具 体 的 な 動 作 、 行 為 を 表 わ す 「や る」、 「行 な う」 との 共 起 性 が 弱 い と思 わ れ る。 しか し、 「結 婚 ・卒 業 」 の あ とに 「式 」 の よ うな 接 尾 語 が つ い た ら具 体 的 な 名 詞 に な って 、 「や る 」 「行 な う」 が 使 わ れ る よ うに な る 。 ⑯ の 「注 意 」 な ど の よ うな 語 は 精 神 的 な活 動 で 内 面 的 な心 理 や 状 態 を表 わ す もの で あ る か ら 、 行 為 を 表 わ す 「や る」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い の で あ る 。 G.静 的 な状 態 や 行 為 を表 わ す 名 詞 を 目的 語(対 象 語)と す る場 合 ⑰ 途 中 、 十 分 間 の 休 憩 を した 。 ⑱ 温 泉 地 で 一 ヶ月 の 休 養 を した 。 〈や る#行 な う × 〉 〈や る#行 な う × 〉 「や る 」 「行 な う」 は 動 作 性 の 強 い 動 詞 で あ り、 と くに 「や る」 は 動 的 な 性 質 が強 い の で 、 静 止 した状 態 あ るい は 行 為 を 表 わ す 場 合 に は 使 わ れ な い よ うで あ る。 〈2>他 動 詞 と して 無 意 志 的 な 行 為 を 表 わ す 場 合 ⑲ あ く び(く し ゃ み 、 げ っ ぷ 、 し ゃ っ く り、 お な ら)を す る 。 〈や る × 行 な う#〉 ⑳ 君 は 骨 折(火 傷)を し た 経 験 が あ る か 。 〈や る × 行 な う#〉 ⑲ は 、 い ず れ も動 作 性 の 生 理 現 象 で あ り、 場 合 に よ って 意 志 的 な 行 為 に もな る が(例 え ば 「わ ざ とあ くび を して 逃 げ よ う と思 っ た が … 」)、 無 意 志 的 な 行 為 が 普 通 で あ る。 ⑳ は 、 傷 害 を 受 け た 経 験 を 問 う場 合 の 無 意 志 的 行 為 な の で 、 意 志 動 詞 の 「や る 」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い の で あ

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「す る ・や る ・行 な う」 に つい て の構 文 的 分 析 一 意 味 と用 法 に つ い て 一 る 。 〈3>他 動 詞 と して 無 意 志 的 な 状 態 を表 わ す 場 合 ⑳ か わ い い 顔 を した 赤 ち ゃん 〈や る#行 な う#〉 ⑳ 彼 女 は と て も澄 んだ 目を して い る 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ 赤 い 屋 根 を した 建 物 〈や る#行 な う#〉 ⑳ 栓 を した瓶 くや る#行 な う#〉 ⑳ 贅 沢 な服 装 を した 貴 婦 人 くや る#行 な う#〉 ⑳ 金 持 ち の ふ りを して い るが 、 実 は 文 無 しな の だ 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ 穏 や か な 心 を した 人 〈や る#行 な う#〉 ⑳ 犬 が 首 輪 を して い る 。 〈や る × 行 な う#〉 ⑳ ⑳ は人 間 の 体 あ る い は 体 の 一 部 の 様 子 を 表 わ して い る が 、 ⑳ ⑳ は 物 の 状 態 を 表 わ して い る。 ⑳ か ら ⑳ は 主 体 の 意 志 的 な要 素 が は い って い る が 、 文 脈 的 に 分 析 す れ ば 無 意 志 的 な表 現 で 、 状 態 を 表 わ す の が 原 義 で あ ろ うと 思 う。 以 上 見 て きた よ うに 、他 動 詞 と して の 「す る 」 は 、 同 じ よ うに他 動 詞 で あ る 「や る 」 「行 な う」 と意 味 的 な違 い が あ るの で 、文 脈 に よ って 「や る ・ 行 な う」 と 置 き換 え られ る 時 も あ る し、 置 き換 え られ な い 時 も あ る こ と が 分 る 。 次 に あ げ る 自動 詞 の 例 に な る と、 いず れ も置 き換 え られ な い もの と 思 わ れ る。

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〈4>自 動 詞 と して 使 わ れ る場 合 ⑳ とて も い い に お い(味)が し ます ね 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ い い 音(歌 声 、笛 音 、鳥 の 泣 き声)が します 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ い なづ ま(地 鳴 り)が す る。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ め まい(痙 攣 、 悪 寒 、 寒 け 、 吐 きけ 、胸 さわ ぎ、 い や な予 感)が す る 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ 一 個 千 円 もす る 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ も う少 し した ら医 者 が きま す 。 〈や る × 行 な う×〉 ⑳ 新 婚 旅 行 は ハ ワ イ に しよ う。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ ぼ くは うな ぎに しま す 。 〈や る#行 な う#〉 ⑳ か ら ⑳ は 無 意 志 的 な 感 覚 、 自然 現 象 と生理 現 象 で あ り、⑳ は 「値 す る」 の 意 味 で あ り、 ⑳ は 時 間 の 経 過 で あ り、 ⑳ ⑳ は 厂選 択 」 「決 定 」 を 表 わ す 意 志 的 な行 為 で あ る が 、 性 質 上 か ら見 れ ば 、 い ず れ も 自動 詞 で あ るか ら、 「や る」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い の で あ る 。 た だ し、 ⑭ は 特 定 の 文 脈 で は 行 為 の 「や る 」 「行 な う」 で 置 き換 え る こ と が 可 能 で あ るが 、 この 文 の 場 合 で は 置 き換 え られ な い と思 う。 以 一ヒ 「す る 」 に 対 す る 考 察 を ま とめ て み る と 、 次 の 図 の よ うに な る(図 1参 照 、 真 中 の 円 は 「す る 」 の 意 味 範 囲 を 示 す)。 (図1) 自 動 詞 的 他 動 詞 的 状 態 性 動 作 性 無 意 識 的 意 志 的 抽 口ぞ ん 象語 ざ い 的 的 さ す 具文丁 一 一 一 一 る 体章重 的 的 さ

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「する・やる。行なう」についての構文的分析一 意味と用法について一 (2)「 や る」 の 意 味 特 徴 「や る」 は 「す る」 の 俗 語 だ とい う説 が あ るが 、 以 上 の 考 察 で 分 る よ う に 、 無 意 志 的 な状 態 や 行 為 を表 わ す 「す る 」 とは 意 味 的 に全 然 ち が う。例 え ば 、 ⑲ か ら ⑭ ま で の 例 は 全 部 「や る 」 で 置 き換 え られ な い 。 意 志 的 な 行 為 を表 わ す 場 合 に も置 き換 え ら れ な い 例 が あ る。 例 え ば 、 ⑮ ⑯ が そ れ で あ る。 した が って 、 「や る 」 は 「す る 」 の 俗 語 だ と説 明す るだ け で は す む もの で は な か ろ うと思 う。 次 に 「や る 」 の 意 味 特 徴 を 考 察 して み よ う。 「や る 」 は 、森 田良 行 氏 の 『基 礎 日本 語 』 の 記 述 に よれ ば 「や る」 を 一 括 して 「あ ち ら側 へ と進 ま せ る意 志 的 行 為 」 と定 義 され て い る。 歴 史 上 の 「や る」 を ふ りか えて み る と、 確 か に も と も と の 意 味 と して物 や 人 間 を あ ち らへ 移 動 さ せ た り派 遣 した りす る 意 味 で あ った 。 『例 解 古 語 辞 典 』r明 解 古 語 辞 典 』 を 調 べ る と 、何 れ も第 一 義 は そ の 意 味 で あ る 。 そ の 例 と して 『明 け 暮 れ 見 慣 れ た る か ぐや 姫 をや りて は 、 い か が 思 ふ べ き」 と あ る。 こ れ は 厂や る 」 の 基 本 的 な 特 徴 で あ る と思 う。 しか し、 何 とな く これ だ け で は現 代 語 の 「や る」 を説 明 しに くい と こ ろが あ る よ うな 気 が す る 。 上 述 の 意 味 で ⑳ 息子 を大学 にや る 〈や る#行 な う#〉 か ら 、 ⑳ この 本 を妹 に や る。 〈や る#行 な う#〉 へ と変 わ る過 程 を説 明す る ことが で きる が 、「文 学 をや る 」「一 杯 や ろ うか 」 を説 明 す る時 に 「∼ に 」 格 が設 定 され な い とい う構 文 的 説 明 だ け で は理 解 しに くい の で は な い か と思 う。

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この 場 合 、 意 味 論 的 に も説 明せ ざ る を得 な い と思 う。 「や る」 の 意 志 的 、 主 観 的 な性 質 か ら派 生 し て き た の で は な い か と思 う。 「や る 気 満 々 」 「や る気 が な い もの か 」 の 「や る」 は 「す る 」 で 置 き換 え る と感 じが ち が うで あ ろ う。 次 に 「す る」 「行 な う」 に 対 す る 「や る」 の 意 味 的 特 徴 を 筆 者 の 考 察 に よ って あ げ て み よ う。 〈1>「 や る 」 は 意 志 的 動 作 、 行 為 を表 わ す 動 詞 で 無 意 志 的 な動 作 、 行 為 、状 態 を 表 わ さな い(図3参 照35頁)。 例 えば 、 ⑲ 卜 ○ の 「す る」 は 、 い ず れ も 「や る 」 で 置 き換 え られ な い。 〈2>「 や る 」 の 動 作 性 が 強 い(図3参 照)。 ⑰ ⑱ に 「や る 」 が 使 え な い の は そ の よ うな 原 因 か らで あ る と思 う。 〈3>「 や る 」 は 具 体 性 が 強 い 。 抽 象 語 、 精 神 活 動 を対 象 と しな い よ う で あ る(図2参 照35頁)。 ⑮ ⑯ に 「や る」 が使 え な い の は そ うい うわ け で あ ろ う と思 う。 〈4>「 や る 」 は 口 語 的 、 ぞ ん ざ い で あ る(図3参 照)。 ⑳ 来 週 テ ス トを や る よ 。 ⑳ よ くや っ て い る ね 。 〈す る○ 行 な う ×〉 〈す る△ 行 な う ×〉 ⑳ は 話 し言 葉 で ぞ ん ざ い な 言 い 方 な の で 、 口語 に で も文 章 語 に で も な る 「す る」 は 使 え る が 、 文 章 語 的 な 「行 な う」 を 使 うと 不 自然 に な る。 ⑳ は 口語 的 で あ る上 に 慣 用 的 で あ る か ら 「行 な う」 が 使 え な い し、 「す る 」

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「す る ・や る ・行 な う」 に つ い て の構 文 的 分 析 一 意味 と用 法 に つ い て 一 も 使 い に く い 。 〈5> 参 照)。 「や る 」 は 、 「行 な う ・す る 」 よ り 俗 語 的 、 意 欲 的 で あ る(図3 ⑳ こ の給 料 じゃ、 ど う して もや って い けね えや 。 〈す る#行 な う#〉 ⑫ 一 杯 や ろ う。 〈す る#行 な う#〉 ⑬ あ い つ をや っち ま え。 〈す る#行 な う#〉 ⑳ 寝 込 み を や られ た 。 〈す る#行 な う#〉 ⑳ ⑫ は 俗 っ ぽ くて 方 言 の 「食 べ る ・食 う」 の 意 味 も あ るか ら 「す る ・行 な う」 が 使 え な い の で あ ろ う。 一 方 、 ⑫ ∼ ⑭ は 俗 語 的 で 慣 用 的 な も の で 、 また 意 味 的 な 派 生 が あ る の で 「す る 。行 な う」 で 置 き換 え られ な い の で あ ろ う。 〈6>「 や る」 は独 立 性 が強 い 。 接 尾 語 的 、 形 式 的 な 使 い 方 は あ ま りな い よ うで あ る(図4参 照)。 ⑫ ⑬ に は 使 わ れ な い の もそ の た め で あ ろ う。 (3)「 行 な う 」 の 特 徴 「行 な う」 に つ い て は 、 現 代 日本 語 の辞 書 に ほ とん ど、 ほ ぼ 同 じ よ うな 説 明 が つ い て い る。 例 え ば 『三 省 堂 国 語 辞 典 』 に は 「〔決 め られ た 順 序 、 計 画 な ど に した が って 〕 物 事 を す る」 と あ る。 と ころ が 、 現 代 語 の 意 味 が 多 少 と も古 語 とつ な が って い る と い う通 時 的 な考 え 方 に よ って 手 元 に あ る 古 語 辞 典 を 二 、 三 冊 調 べ た 。 そ れ に も 「一 定 の 手 順 を 踏 んで 、 あ るい は 作 法 ど お りに 事 を す る 」(例 解 古 語 辞 典)、 「物 事 を 一 定 の 方 式 に した が っ て

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処 理 す る 」(広 辞 苑)と 書 い て あ る。r新 明 解 古 語 辞 典 』 と 『学 研 古 語 辞 典 』 には 、 た だ 厂す る ・な す 」 とは 書 い て あ る が 、 例 は そ うい う意 味 に合 う もの が 出 して あ る。 また 、 『源 氏 物 語 大 成 索 引 』 を用 い て 、 『源 氏 物 語 』 に 出 て きた 厂行 な ふ 」40例 を調 べ た ら、 三 分 の 二 ぐ らい の 例 は 形 式 ば っ た 事 柄 或 い は 仏 事 を 対 象 語 と して い る も の で あ る こ とが 分 っ た 。 そ の ほ か に別 の 意 味 もあ るが 、 多 くは す たれ た り、 か わ った り して 、 この基 本語義 だ け が ほ と ん ど 変 わ らず に 残 って き た の で あ る。 現 代 語 と して は35と39ペ ー ジの 図2、3、4の よ うに 意 味 づ け が で き るか ど うか 、 ま た ア ソ ケ ー トを 見 て み よ う。 ア ソ ケ ー ト表 に示 した よ う に 、① ② ③ ⑦ ⑧ ⑭ に 「や る」、「す る」 と 置 き換 え られ る よ うに な っ て い るが 、 意 味 的 に も文 体 的 に も差 異 が あ る も の で あ る(図2,3,4参 照)。 次 に 「行 な う」 の 特 徴 を あげ て み よ う .。 〈1>「 行 な う」 は 「何 を す る」 の 意 味 で 、 意 志 的 な 行 為 で あ る と 同 時 に 意 識 的 に あ る形 式 や 慣 例 に した が って 、 あ る こ と をす る行 為 で あ る。 例 え ば 、 ① ② で は 「や る 」 よ り 「行 な う」 を 使 う方 が よ り 自然 で あ ろ う。 そ れ は 「会 議 」 「授 業 」 は き ま った 形 式 や 手 順 が あ る行 為 だ か らで あ る。 ま た ③ ⑦ ⑧ の よ うに 「行 な う」 を使 うと形 式 ば っ た感 じが で て く る 〈2>「 行 な う」 は 「す る 」、 「や る」 よ り文 章 語 的 で 丁 重 な表 現 に よ く使 わ れ る。 例 え ば 、 ⑳ ⑳ の場 合 、 「す る」 「や る 」 が 使 え る 口語 文 に は 、 「行 な う」 が 使 わ れ る と 不 自然 に思 わ れ る で あ ろ う。 〈3>「 行 な う」 は また 「実 行 す る」、 厂実 施 す る」、 「行 使 す る」、「果 た す 」 の 意 味 が あ る の で 、 この 場 合 「す る」、 「や る 」 で 置 き換 え られ な い。 例 え

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「す る 。や る ・行 な う」 に つ い て の 構 文 的 分 析 一 意 味 と用 法 につ い て 一 ⑮ 契 約 を 行 な う。 ⑯ 任 務 を 行 な う。 〈す る ○ や る × 〉 〈す る × や る × 〉 ⑮ の 例 に は 「す る」 が 使 え て も意 味 が ち が っ て い て 「契 約 を 結 ぶ 」 と い う意 味 に な る。 〈4>「 行 な う」 は 事 柄(筋 道 や 順 序 の あ る事 柄)を 目的 語(対 象 語)と す る の が 多 い よ うで あ り、 例 えば ① ② ③ の 目的 語 が そ れ で あ る 。 手 順 の な い 動 作 や 物 が 目的 語 に な りに くい 。 例 え ば @洗 濯(後 悔 ・は ち ま き ・夕 涼 み)を す る。 〈や る#行 な う ×〉 〈5>「 行 な う」 は 公 然 と した 行 為 を表 わ す 場 合 が 多 く、 こ っそ り と、 人 に 見 られ た くな い こ とを 目的 語(対 象 語)と す る こ とが 少 な い よ うで あ る 。 ⑱ ど ろ ぼ うを す る 。 ⑲ イ ソチ キ をす る。 〈や る△ 行 な う ×〉 〈や る○ 行 な う ×〉 (4)ま と め 〈1>「 す る 」 の 意 味 範 囲 が 広 い が 、「や る 」 「行 な う」 の 意 味 範 囲 は や や 狭 い 。 ま た 、 「す る」 は 具 体 的),rも抽 象 的 に も使 わ れ るが 、 「行 な う」 「や る」 は 具 体 性 が 強 い の で 、 あ ま り抽 象 的 に は つ か わ れ な い(図3)。 〈2>「 す る 」 は 状 態 性 も あ れ ば 、 動 作 性 も あ る 。 「す る 」、 「行 な う 」、

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「や る」 の 順 で 動 作 性 が 強 くな る(図2)。 〈3>「 す る 」 は 意 志 的 に も無 意 志 的 に も使 え る が 、 「や る」、 「行 な う」 は 意 志 的 に しか 使 え な い(図2)。 <4>「 す る 」 は 一 般 的 な 文 体 で 口語 に も文 章 に も使 わ れ る。 「や る」 は 俗 っぽ い 口語 的 な こ とば で あ る(図2)。 (図2)(図3) 状 態 性 動 作 性 無 意 識 的 意 志 的 口意ぞ ; ん や 語欲ざ い 的的さ す お 文 丁

章重 う 的 さ 自 動 詞 的 他 動 詞 的 抽 象 的 す や 一 一 一 一 具 る る お 体

的 う 3.構 造 的 構 文 の 特 徴 三 つ の 動 詞 の 意 味 的 構 文 の 特 徴 を 分 析 して きた が 、 次 に この 三 つ の 動 詞 の 構 造 的 構 文 の 特 徴 を 考 察 して み よ う。 (1)「 す る 」 の 特 徴

<1>一{1職

軋}嫺

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「す る 。や る ・行 な う」 に つ い て の構 文 的分 析 一 意 味 と用 法 に つ い て 一 の場合 ⑳ 千 円 札 を 細 か くす る 。 ⑪ 目を 真 赤 に して 泣 い て い る。 ⑫ 息 子 を 医 者 にす る 。 〈や る#行 な う#〉 〈や る#行 な う#〉 〈や る#行 な う#〉 ⑳ か ら ⑳ は 「や る 」 「行 な うJで 置 き換 え られ な い 。 そ の 原 因 と して 、 「や る」、 「行 な う」 は実 際 の 動 作 、 行 為 を 表 わ し、 独 立 した 性 質 が あ る の に 対 して 「す る 」 は 抽 象 的 動 作 に も な る こ とが あ り、 形 式 的 、 補 助 的 に使 わ れ る こ と が あ る か らで あ ろ う。 形 式 的 、 補 助 的 に使 わ れ る場 合 、 前 の 「… に(く)」 と一 緒 に 一 つ の 行 為 と な る と見 て い い の で は な い か と思 う。 〈2>「 … … に(動 作 性 を持 つ 名 詞)を す る 」 の 場 合 ⑱ 患 者 に 注 射 をす る。 ⑭ 彼 女 に 電 話 を す る 。 〈や る#行 な う × 〉 〈や る × 行 な う#〉 これ も 「す る 」 の 形 式 性 、 補 助 性 に よ る現 象 で あ ろ う。 動 作 の 成 立 は 目的 語 に よ って き ま る ので あ り、 「す る」 は た だ形 式 的 、 補 助 的 な作 用 を して い るの で あ ろ う。 ⑭ の 「電 話 」 は 「通 話 」 の 意 で あ り、 単 な る 名 詞 で は な く、 動 作 性 の 強 い もの で あ る 。 <3>「 … … た り ・… ・・た り す る 」 の 場 合 ⑮ 先 生 は学 生 に本 を読 ませ た り,質 問 に 答 え させ た り し ます 。 〈や る#行 な う×〉

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この 場 合 の 「す る 」 も形 式 的 、補 助 的 な も の な の で 「や る 」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い もの で あ る と思 う。 〈4>「 動 詞 連 用 形+は(も)+し な い 」 の 場 合 曾 土m寸 た りと も敵 に 侵 犯 さ せ は しな い 。 〈や る# ⑰ 教 室 で あ て られ は しな い か と ひ や ひ や して い た 。 〈や る# 行 な う#〉 行 な う#〉 〈5>「 … … は … … に す る 」 の 場 合 曾 大 学 は商 学 部 に した い 。 O私 た ち は ボ ー トを借 りる こ とに す る。 〈や る#行 な う 牲〉 〈や る#行 な う#〉 〈6>謙 譲 表 現 「お ∼ す る 」 の 「す る 」 は 「や る」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い。 〈7>慣 用 表 現 の 「手 にす る」、 「耳 に す る」 「口 に す る」 の 「す る 」 も 「や る」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い 。 〈2)「 や る 」 の 特 徴 〈1>「 … … を(場 所 ・人 ・動 物)に や る 」 の 場 合 、 例 え ば ⑳ ⑳ の 「や る 」 は 「す る 」 「行 な う」 で 置 き換 え られ な い 。 そ れ は 「や る 」 の 移 動 性 、 方 向 性 が あ る か らで あ ろ う。

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「す る 。や る ・行な う」 につ いての構文的分析 一 意味 と用法 につ いて 一 〈2>「(こ ・そ ・あ)ど う や っ て(た ら)… … 」 の 場 合 ⑳ あ あ や って 生 きて い く。 ⑪ ど うや った ら も うか る か 。 〈す る○ 行 な う ×〉 〈す る○ 行 な う ×〉 「す る」 よ り くだ け た 言 い 方 で あ る。 こ の場 合 の 「や る」 は ご く少 な い 特 例 と して 「こ そ あ ど」 の 副 詞 と結 合 して 形 式 化 した も の に な った の で 、 「す る」 は使 え て も 「行 な う」 で は 置 き換 え られ な い 面 白 い 現 象 で あ る。 (3)「 行 な う」 の 特 徴 「行 な う」 の 主 体 は 大 勢 の人 とな る 場 合 が 多 い 。 そ の 行 為 は公 然 と した 、 公 的 な 活 動 が 多 い の で 、 目的 語 とな る事 柄 と行 為 そ の もの が 強 調 され る こ とが よ くあ る。 よ く受 身 形 に して で て くる こ とは そ の あ らわ れ で あ る 。 ⑫ 国 会 が 議 事 堂 で行 な わ れ た 。 〈や る口 す る ×〉 ㊥ こ の 風 習 は 今 で は 世 に行 な わ れ な くな った 。 〈や る × す る口 〉 この 場 合 、 「や る 」 「す る」 で 置 き換 え る と動 作 主 と動 作 の 受 け 主が 強 調 され 、 ま た 私 的 な傾 向 が 強 くな る の で 不 自然 で あ る。 た と え 置 き換 え られ た と して も意 味 合 い が 変 わ って くる と 思 う。 例 えば 「結婚 式 が行 な わ れ た 」 の文 を 「結 婚 式 が や られ た 」 と 言 っ た ら、 「不 本 意 な が ら結 婚 式 が 挙 行 さ れ た 」 或 い は 「この結 婚 式 は 誰 か に 干 渉 さ れ て(何 か 事 情 が あ って)取 り 消 され た 」 とい う意 味 に な る の で あ ろ う。

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(4)ま と め 〈1>「 す る」 は 実 体 的 に も形 式 的 に も使 わ れ る が 、 「行 な う」 「や る 」 は あ ま り形 式 的 に使 わ れ な い(図4参 照)。 〈2>「 す る」 は 補 助 性 が あ るの に対 し、 「行 な う」 「や る」 は 独 立 性 が 強 い も の で あ る(図4参 照)。 〈3>「 す る」 は 公 的 に も私 的 に もな る行 為 で あ る が 、 「や る 」 は 私 的 な 傾 向 が 強 い の に 対 し、 「行 な う」 は 公 的 な傾 向 が 強 い(図4参 照)。 ま た 、 「す る 」 と 「行 な う」 が 方 向性 、 移 動 性 に 乏 しい 動 詞 で あ る の に 対 し、 「や る 」 が 基 本 意 義 と して 方 向性 、 移 動 性 の あ る動 詞 で あ る と い う 点 を 、 補 足 と して指 摘 して お きた い 。 (図4) 形 式 的 実 体 的 補 助 性 独 立 性 公

1

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J 私 る1} 的 l l

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「する 。やる ・行なう」についての構文的分析一 意味と用法について一 4.終 りに 以 上 「す る」 「や る 」 「行 な う」 の 意 味 的 、 構 文 的 特 徴 を分 析 して そ の 意 味 的 構 造 の 解 明 を しよ う と努 め て き た が 、 結 局 、概 略 的 な分 析 に と ど ま る 羽 目に な った と 思 う。 特 に 「す る 」 の 性 格 を 十 分 に 明 確 に す るに は さ ら に 深 くか つ 広 範 囲 な 研 究 が 必 要 で あ る と思 う。 本 稿 は た だ 「す る」、 「や る」、 「行 な う」 と い う中 国 人 の 日本 語 学 習 者 に 混 用 され や す い 基 本 語 の 意 味 特 徴 を紹 介 した だ け で 、 日本 語 教 育 に即 した 語 彙 研 究 を 期 待 して い る もの で あ る 。 本 稿 が 、 も し 日本 語 学 習 者 や 日本 語 教 育 者 ・研 究 者 に い さ さか で も 役 に 立 て ば 幸 甚 に 思 う。 本 稿 を 作 成 す るに あ た って ご教 示 を くだ さ った 先 生 方 と ご協 力 くだ さ っ た 方 々 に 深 くお 礼 を 申 し上 げ る次 第 で あ る。 参 考 文 献 1.森 田良 行r基 礎 日本 語 』1角 川 書 店 2.日 本 語 教 育 学 会 『日本 語 教 育 辞 典 』 大 修 館 書 店 3.佐 伯 梅 友 、 小 松 英 雄 『三 省 堂 古 語 辞 典 』 三 省 堂 4.佐 伯 梅 友 他 『例 解 古 語 辞 典 』 三 省 堂 5.金 田一 春 彦 『新 明解 古 語 辞 典 』 三 省 堂 6.新 村 出 『広 辞 苑 』 岩 波 書 店 7.池 田亀 鑑 『源 氏 物 語 大 成 ・索 引 篇 』 中 央 公 論 社 8.安 田 滋 「日英 語 の 比 較 」一「す る」 と 「行 な う」 に つ い て 一 『日本 語 学 校 論 集 』2号.昭 和50年(東 京 外 国 語 大 学 附 属 日本 語 学 校) 9.李 奇 術 「す る ・や る の 使 い わ け 」(在 中 国 日本 語 教 師 研 修 セ ソ ター の)『 類 義 語 論 集 』 第 四 期(非 売 品)

参照

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