Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
Expression of Cross-Linked Protein on
Tissue-Engineered Epithelial Cell Sheets from Rabbit Oral
Mucosa
Author(s)
鈴木, 正史
Journal
歯科学報, 114(6): 644-645
URL
http://hdl.handle.net/10130/3516
Right
論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 これまで咽頭癌などで,広範な粘膜摘出後に細胞シートによる再建方法が行われてきた。移植を目的とした 粘膜シートを開発するうえで,上皮細胞の分化を維持させるために間葉系の細胞による作用は不可欠である。 そこで今回は,上皮下結合組織由来の線維芽細胞の有無により,上皮シートにどのような変化があるかをみる ために,上皮下結合組織由来の線維芽細胞をコラーゲンゲルに埋入し,その上に上皮シートを作成した。でき た口腔粘膜シートの,組織的観察とタンパク質の局在観察を行った。 2.研 究 方 法 上皮シート作成のため,日本家兎口腔粘膜から細胞を採取した。同時に酵素処理により分離した結合組織由 来の細胞をゲル状のコラーゲンと混和し,インサート上に播種した。この結合組織ゲルを feader 細胞とし, 上皮細胞と共培養を行った。また,コントロールとしてコラーゲン上に上皮シートを培養した。両シートを比 較するために,通法に従い凍結切片を作製し,免疫組織化学的染色によって,細胞骨格タンパク,接着タンパ クの局在観察を行った。 3.研究成績および結論 線維芽細胞の存在により上皮シートの厚みや上皮の細胞骨格タンパクの発現量に大きな差がみられた。ま た,接着タンパクや,上皮のバリア機能の指標であるタイトジャンクションにおいても,線維芽細胞の存在が 優位に働くことが示唆された。さらに未分化な上皮細胞も維持されていることが明らかになった。以上のこと より,上皮下結合組織由来の間葉系線維芽細胞は,上皮細胞の未分化性を保持しながら分化を促進し,また上 皮の機能的な成熟にも影響することが示唆された。 論 文 審 査 の 要 旨 移植を目的とした粘膜シートを開発するうえで,上皮細胞の分化を維持させるために間葉系の細胞による作 用は不可欠である。上皮下結合組織由来の線維芽細胞の有無により,上皮シートにどのような変化があるかを 氏 名(本 籍) すず き まさ し
鈴
木
正
史
(東京都) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2060 号(乙第772号) 学 位 授 与 の 日 付 平成26年4月16日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当学 位 論 文 題 目 Expression of Cross-Linked Protein on Tissue-Engineered Epithelial Cell Sheets from Rabbit Oral Mucosa
http://dx.doi.org/10.2485/jhtb.23.275
掲 載 雑 誌 名 Journal of Hard Tissue Biology 第23巻 2号 275−280頁
2014年 論 文 審 査 委 員 (主査) 阿部 伸一教授 (副査) 田 雅和教授 片倉 朗教授 石田 瞭准教授 歯科学報 Vol.114,No.6(2014) 644 ―112―
みるために,上皮下結合組織由来の線維芽細胞をコラーゲンゲルに埋入し,その上に上皮シートを作成した。 できた口腔粘膜シートを経時的に回収し,組織的観察とタンパク質の局在観察を行うために HE 染色と免疫組 織化学的染色を行った。線維芽細胞の存在により上皮シートの厚みや上皮の細胞骨格タンパクの発現量に大き な差がみられ,接着タンパクや,上皮のバリア機能の指標であるタイトジャンクションにおいても,線維芽細 胞の存在が優位に働くことが示唆された。さらに未分化な上皮細胞も維持されていることが明らかになり,上 皮下結合組織由来の間葉系線維芽細胞は,上皮細胞の未分化性を保持しながら分化を促進し,また上皮の機能 的な成熟にも影響することが示唆された。 本審査委員会では1)線維芽細胞の役割について,2)上皮層の骨格タンパクについて,3)臨床応用につ いて,などの質問がなされたが概ね妥当な回答が得られた。また課題としてタンパクの定量化や RNA などの 検索についての要望がなされたが,本研究で得られた結果は,今後の歯学の進歩,発展に寄与するところ大で あり,学位授与に値するものと判定した。 歯科学報 Vol.114,No.6(2014) 645 ―113―