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黒鉛-ダイヤモンド変換および新たな炭素系材料創製 に関するワークショップ : 東京工業大学応用セラミックス研究所共同利用研究ワークショップ

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(1)

東京工業大学応用セラミックス研究所共同利用研究ワークショップ

「黒鉛-ダイヤモンド変換および新たな炭素系材料創製

に関するワークショップ」

日時:平成 22 年 9 月 9 日(木)13:30-19:30

10 日(金)9:00‐16:10

場所:東京工業大学すずかけ台キャンパス

(東急田園都市線すずかけ台駅下車)

J2棟20階、中会議室 (講演)

9 月 9 日(木)

開会挨拶[13:30-13:40]

庭瀬敬右(兵庫教育大)

座長:中村一隆(東工大)[13:40-17:50]

室温の静的圧縮実験による黒鉛-ダイヤモンド変換の光学的およびX線による観察

八木健彦(東大)

石油から抽出できるナノテク新素材-ダイヤ分子-の機能開拓

笹川崇男(東工大)

休憩[15:00-15:10]

グラファイト-ダイヤモンド直接変換焼結におけるグラファイトの結晶度の影響

大藤弘明(愛媛大)

中性子照射黒鉛の衝撃圧縮下でのアモルファスダイヤモンドへの変換

庭瀬敬右(兵庫教育大)

休憩[16:50-17:00]

DLC膜の構造を解釈する

斎藤秀俊(長岡技術科学大)

懇親会 [18:00-19:30]

(すずかけホール2階 SPOPA)

(2)

9 月 10 日(金)

座長:庭瀬敬右(兵庫教育大)[9:00-11:50]

ナノダイヤモンド表面の黒鉛化に伴う分極効果

大澤映二(ナノ炭素研究所)

休憩[9:50-10:00]

ナノカーボン系における圧力誘起構造相転移とダイヤモンド多形の物性

斎藤 晋(東工大)

休憩[10:50-11:00]

各種炭素材料からの直接変換によるナノ多結晶ダイヤモンドの合成とその特性

角谷 均(住友電工)

昼食[11:50-13:10]

座長:阿藤敏行(東工大)[13:10-16:00]

静的高温高圧下の炭素(BN)-溶媒系から高圧相への変換析出機構

福長 脩(日本工大)

休憩[14:00-14:10]

グラファイト構造をもつ炭素ナノ構造体の高圧下構造

中山敦子(新潟大)

休憩[15:00-15:10]

中性子照射した黒鉛におけるエネルギーの蓄積と面外振動のソフト化による黒鉛-ダイヤ

モンド変換の促進

岩田忠夫(東大)

閉会の挨拶[16:00-16:10]

中村一隆(東工大)

(3)

黒鉛-ダイ ヤ研究会( 東工大 2010. 9. 9-9. 10)

室温の静的圧縮実験によ る 黒鉛- ダイ ヤモ ン ド 変換の

光学的およ びX 線によ る 観察

東大物性研究所 八木健彦・ 内海渉

*

( *現在 日本原子力研究開発機構)

黒鉛を ダイ ヤモ ン ド に変換する には、 圧力だけでなく 温度を 上げる こ と が不可欠と

考えら れていた。 し かし 筆者等は適切な出発試料と 加圧方法を 使う と 、 室温での静的

加圧によ っ て黒鉛がダイ ヤモ ン ド に変換する こ と を 見いだし た。 本講演は、 かなり 以

前の研究である が、 下記にま と めら れた 3 つの文献の内容を 紹介する も のである 。

出発試料と し て用いた黒鉛は、 鉄中で溶解し た炭素を 析出さ せて得ら れる 、 キッ シ

ュ 黒鉛と 呼ばれる 、 c 軸だけでなく a 軸も 揃っ たき わめて結晶性の高いも のである 。

こ の結晶を 劈開を 利用し てサブ ミ ク ロ ン に薄く し 、 ダイ ヤモ ン ド ア ン ビ ルでア ルコ ー

ルを 圧媒体と し て加圧し たと こ ろ 、 18GPa 付近で灰色だっ た結晶が無色透明になる こ

と を 見いだし た( 文献 1) 。 ダイ ヤモ ン ド ア ン ビ ルを 利用し て、 高圧相のX 線解析を

試みたが、 黒鉛の散乱強度が弱いこ と と 、 強い選択配向のために充分な情報が得ら れ

なかっ た。 そこ で新たに大型の対向ア ン ビ ル型高圧装置を 開発し 、 加圧軸と 垂直な方

向から X 線を 入射し て、 加圧軸を 含む面内と それに垂直な面内の 2 方向で回折X 線を

測定する こ と によ り こ れら の問題点を 解決し 、 生成し た高圧相が六方晶ダイ ヤモ ン ド

と し て説明でき る こ と を 明ら かにし た( 文献 2) 。 それま で報告さ れていた六方晶ダ

イ ヤが常圧に回収可能だっ たのに対し 、 筆者等の実験では常圧回収不可能と いっ た違

いは残さ れている が、 出発黒鉛の結晶性が良い場合には、 マルテ ン サイ ト 的な相転移

によ っ て黒鉛が六方晶ダイ ヤに変換さ れたと 理解する こ と ができ る ( 文献3 ) 。

文献

(1)W. Utsumi and T. Yagi, Light-transparent phase formed by room-temperature compression

of graphite, Science, 252, 1542-1544, 1991.

(2)T. Yagi, W. Utsumi, M. Yamakata, T. Kikegaw, and O. Shimomura, High-pressure in situ

x-ray diffraction study of the phase transformation from graphite to hexagonal diamond

at room temperature, Phys. Rev.B, 46, 6031-6039, 1992.

(3)内海渉、 八木健彦、 黒鉛の圧力誘起構造相転移: 室温下における 六方晶ダイ ヤモ ン

ド の生成、 日本物理学会誌、 49, 224-227, 1994.

(4)

石油から抽出できるナノテク新素材

-ダイヤ分子- の機能開拓

東京工業大学

応用セラミックス研究所

笹川

崇男

([email protected])

The recent development of techniques to isolate sizable quantities of

hydrogen-terminated diamond molecules, also known as diamondoids, from crude oil

[J.E. Dahl et al., Science 299, 96 (2003)] has created renewed interest in these unique

systems. In addition to their attractive features (e.g., shape, symmetry, high surface ratio,

nanometer-size, etc.), another important property is that they form good, ordered

crystals at room temperature. However, little has been studied as to the electronic

properties of the diamond molecules in their solid state.

My talk covers three topics pointing towards explorations of novel functions in the

solid state of diamond molecules. (1) It is found from first principles calculations that

crystals of diamond molecules have direct band-gap electronic structure, together with

the tunability of the gap value in the UV wavelength (ranging from 180 nm to 230 nm),

which provides significant potential for their optoelectronic applications [T. Sasagawa

and Z.-X. Shen, J. Appl. Phys. 104, 073704 (2008)]. (2) Using a home-made transparent

two-zone furnace, single crystals of diamond molecules up to ~1 cm

3

were grown under

real time observation using the vapor transport technique [A. Iwasa et al., Crystal

Growth and Design 10, 870 (2010)]. This process proved to be an environmentally

friendly means of their refining. Even trace impurities in commercial samples were

successfully removed by our method. The thus-obtained high-purity single crystals will

accelerate their fundamental and applied research, especially in the field of

optoelectronics. (3) The dielectric properties of the crystalline diamond molecules were

theoretically derived from the first principles calculations, and the predicted dielectric

constant

κ

was experimentally confirmed [W. A. Clay et al., Appl. Phys. Lett. 93,

172901 (2008)]. The results (

κ

~ 2.5, less than half of that of bulk diamond) indicate

that diamond molecules are excellent candidates for low-

κ

materials used for the next

generation microelectronic devices.

(5)

グラファイト-ダイヤモンド直接変換焼結におけるグラファイトの結晶度の影響

大藤 弘明(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター) 1. はじめに 近年,グラファイトからの高温高圧下直接変換によって高い透光性と硬度を有する純粋なナノ多結晶 ダイヤモンド焼結体(NPD)が合成され1-3,高圧発生装置や切削工具などをはじめ,研究・産業用途へ の応用が期待されている4-8.単結晶ダイヤをも凌ぐ NPD の高い硬度は,その特徴的な微細組織に起因 する.NPD は,径 10~30 nm の立方晶ダイヤの結晶がランダムに集合した等粒状組織と,層状の結晶が 積層したラメラ状組織より構成される1,9.後者では,一部六方晶ダイヤを伴うこともあり,この中間層 の存在や組織の違いなどから,これら 2 種類の組織は異なる相転移メカニズムを経て形成されたと示唆 される.当初,この原因として,高圧下におけるグラファイト(出発試料)の局所応力の違いが考えら れていたが 9,最近,講演者らはグラファイトの結晶度が,相転移プロセスと生成される微細組織によ り大きな影響を及ぼすことを見出した 10.本研究では,4 種類のグラファイト成形体を用いて同一の温 度圧力条件下で NPD 合成を行い,出発試料の結晶度と生成される NPD の微細組織および相転移プロセ スの因果関係について考察を行った. 2. 研究手法 異なる製造元から入手した 4 種類の高純度グラファイト成形体を出発物質に,3000t マルチアンビル 装置を用いて NPD 合成を行った.試料はそれぞれ直径 3 mm,高さ 1 mm のディスク状に成形し,それ らを 4 個重ねて Ta カプセルで包み,高圧セルに封入した.約 16 GPa まで加圧した後,約 2200℃で 30 分の加熱を行った.出発試料の結晶度の評価は,ラマン分光法(D/G バンド強度比)および SEM,TEM による組織観察を通して行った.回収試料の分析には,顕微ラマン分光法,XRD,TEM を用いた. 3. 結果と考察 出発試料の結晶度の評価には,ラマン分光法を用いた結晶子サイズの見積もり(Tuinstra-Koenig の式 11)が簡便かつ効果的であることを確認した.同一試料において 50 点ずつ分析を行い,結晶子サイズの ヒストグラムを作成したところ,各試料とも 20-100 nm の粒子が大半を占めるが,数百 nm~1 μm 以上 の比較的粗粒な粒子も含まれることが分かった.実際,TEM による組織観察でも径 100 nm 以下の細粒 な結晶と粗粒な結晶が混在する様子が確認され,見積もられた結晶子サイズは個々のグラファイト結晶 の粒径とほぼ一致する.一般的なグラファイト成形体の製造プロセスを考慮に入れると,前者はピッチ (バインダー材)由来,後者はコークス(フィラー材)由来の粒子と考えられる.また,試料によって, 細粒粒子のサイズの分布や粗粒粒子の含有量などが異なる様子も観察された. 一方,各出発試料から合成された NPD の組織観察を行ったところ,試料によって粒径分布およびラ メラ状組織の含有量に明瞭な違いが認められた.特に,出発試料中のピッチ由来の細粒粒子の結晶子サ イズと NPD の等粒状組織部の粒径の間には正の相関があり,またコークス由来の粗粒粒子の含有量と ラメラ状組織の含有量の間にも明確な相関が見出された. 以上より,NPD の特徴的な 2 種類の微細組織は,出発物質の不均質性に起因することが強く示唆され た.ピッチ由来の細粒なグラファイト粒子は,格子欠陥やダングリングボンドに富むためダイヤモンド の核形成が促進され,グラファイト→ダイヤ(立方晶)の相転移は拡散プロセスに進み,結果として粒 状組織を形成すると推定される.グラファイト中の格子欠陥やダングリングボンドの量は,粒径(結晶 子サイズ)の減少とともに増加すると予想される,細粒な出発物質を用いた場合,より細粒な(核形成 優位な)ナノダイヤが生成されると考えられる.一方,コークス由来の粗粒な粒子では,グラファイト の相構造が高圧下まで保持され,相転移は六方晶ダイヤを中間層として生じながら無拡散(マルテンサ イト)プロセスによって進行し,ラメラ状組織を作ると考えられる. 引用文献

[1] Irifune et al. (2003) Nature, 421, 599. [2] Irifune et al. (2004) Pys. Earth Planet. Inter, 143-144, 593. [3] Sumiya & Irifune (2004) Diamond Relat.

Mater., 13, 1771. [4] Nakamoto et al. (2007) Jpn. J. Appl. Phys., 46, L640. [5] Sumiya et al. (2008) Rev. Sci. Instrum., 79, 056102, [6] Kunimoto et al. (2008) High Press. Res., 28, 237. [7] Ohfuji et al. (2010) High Press. Res., 30, 142. [8] Isobe et al. (2010) J. Phys. Conf. Ser. 215, 012136. [9] Sumiya et al. (2004) J. Mater. Sci., 39, 445, [10] Ohfuji & Kuroki (2009) J. Mineral. Petrol. Sci., 104, 307. [11] Tuinstra & Koenig (1970) J. Chem. Phys., 53, 1126.

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中性子照射黒鉛の衝撃圧縮下でのアモルファスダイヤモンドへの変換

庭瀬敬右(兵庫教育大) 衝撃圧縮の手法を用いて新たな炭素系物質を創製す る場合、衝撃圧力、衝撃時間、冷却速度、試料などがパラ メターとなる。例えば、C60フラーレンを充填して52Gpaの 衝撃圧縮を行った場合、回収試料内部には図1にみられる ような黒鉛化度の高い炭素空洞球が生成される[1]。これ は、冷却速度が遅いことによって液体炭素が生成したこ とに関係していると考えられる。これに対して、金薄膜に C60フラーレンを蒸着した衝撃圧縮超急冷法では、23Gpa の圧力で、図2に示すようにC60フラーレンがポリマー化し た破片状の回収試料が得られた[2]。50Gpa付近の高圧で は、C60フラーレン薄膜はアモルファスダイヤモンドに変換 する[3]。 一方、黒鉛を初期試料として用いた場合は、欠陥を含ん だものがダイヤモンド構造に変化しやすいことが報告さ れている。高配向性熱分解黒鉛(HOPG)を初期試料として 用いて、原子炉内で黒鉛を中性子照射すると、不純物の注 入無しに欠陥量をコントロールすることができる。照射下 で黒鉛は、乱れた構造へ変化するが、層状構造を残したま ま基底面内で構造が乱れ、二次元的にアモルファス化する ことが知られている。 今回、中性子線照射と衝撃圧縮を組み合わせることに よって、黒鉛からアモルファスダイヤモンドへの直接変換に 初めて成功した[4]。HOPGを初期試料として、へき開によっ て薄膜化し、金の薄膜で覆った試料にタングステン製の円 板を秒速 1.7kmの速度で衝突させ、その衝撃圧縮によって 発生する超高圧で黒鉛を瞬間的に圧縮した。中性子照射 を行わない黒鉛では、図3aに示すように、衝撃圧縮後で も、黒鉛の層状構造を保ったままであるが、中性子照射 を行なった黒鉛は、図3bにあるように 衝撃圧縮後には、約0.1mm以下のサイズ の透明なガラス片状の物質に変換した。 ラマンスペクトルにはダイヤモンドのピ ークが現れず、アモルファスダイヤモン ドが生成されたことを示している。中性 子照射によって導入された欠陥がアモ ルファスダイヤモンドへの変換を促進し たと考えられる。

[1] K.Niwase, T. Homae, K. G.

Nakamura, and K.Kondo, Chem. Phys.

Lett.362 (2002) 47

[2] K.Niwase, T.Homae, K.G. Nakamura, K.Kondo, Physica B, 376-377, 280.

[3] H.Hirai, K.Kondo, N.Yoshizawa, M.Shiraishi, Appl. Phys. Lett. 64 (1994) 1797.

[4] K.Niwase, K.G.Nakamura, M. Yokoo, K. Kondo, T. Iwata, Phys. Rev.Lett. 102 (2009)

116803.

図1 衝撃圧縮によって、C60フラー レンから生成された炭素空洞球 図2 衝撃圧縮超急冷法によって、 C60フラーレンから生成された破片 図3 衝撃圧縮超急冷法による高配向性熱分解黒鉛 の変化。a.未照射試料、b.中性子照射したもの

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ナノダイヤモンド表⾯の⿊鉛化に伴う分極効果

⼤澤映⼆(ナノ炭素研究所

)!

! ここで謂うナノダイヤモンドは、爆轟法ナノダイヤモンドの⼀次粒⼦分散体、通称 5-nm Buckydiamond 5nBD を指す。量産型ダイヤモンド素材中最⼩粒⼦(平均直径 4.8nm)で あり、表⾯原⼦が、全原⼦数(推定約 9000)の約 20%を占めるために、粒⼦の性質・挙 動が⾮ダイヤモンド炭素から成る表⾯原⼦に⼤きく影響される可能性があり、既知の⼈⼯ ミクロダイヤモンドと異なる興味がある。今回は表⾯の特徴に焦点を当てて紹介する。 通称名中の ʻBuckyʼ は、フラーレン型球状⿊鉛層の存在を⽰す。フラーレン型炭素層は、 TEM では良く⾒えないが、Raman スペクトルに強い G バンドがあること、SCC-DFTB 計 算で⼩ダイヤモンド結晶を⼊⼒して構造最適化すると{111}⾯から⾃発的にダイヤモンド ー⿊鉛変換が起きて、A に⽰す様なコア・シェル構造を与えることなどから、粒⼦表⾯に存 在すると信じられる(B, C)。とすると、5nBD の表⾯では、炭素の混成状態中で最も電 気陰性度の⼤きなフラーレン型炭素ネットワークと、逆に⼤きな負の電気陰性度をもつダ イヤモンド結晶炭素核が、2Å 以下の短距離で接近しているために、空間経由軌道相互作⽤ によって電⼦移動が発⽣し、負電荷が{111}⾯上、正電荷が{100}⾯上に局在して、例の ない多極⼦を与えると考えられる。この様⼦は SCC-DFTB 計算によって再現された(D)。 SCC-DFTB 計算が⾏われた 2007 年の時点では、ナノダイヤモンド粒⼦の構造として良 く⽤いられる切頂正8⾯体 E を仮定した。しかし、視差矯正付き TEM などで観察しても多 ⾯体は確認できず、むしろ球に近い形が⾒えること、および天然ダイヤモンド結晶はほぼ 例外なく⾓が取れて丸みを帯び、球形に近い形も往々にして発⾒される事などを考慮して、 5nBDの形をOh点群表⾯異性体混合物と考えるようになった。有⼒構造F―I は多極⼦構造、 ⽔溶性、⽔性コロイドの安定性など多くの 5nBD の振る舞いを⽭盾なく説明する。 A D ! ! 吊鴿滀卜鰦兂! ! B C Csp2+xコア A E F G H I

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ナノカーボン系における圧力誘起構造相転移とダイヤモンド多形の物性 東京工業大学 大学院理工学研究科 物性物理学専攻/ 量子ナノ物理学研究センター 斎藤 晋 1990 年のKrätschmerらによるフラーレンC60の大量合成は、化学的にみると、有機化学と 無機化学にまたがる新分子、しかも、新たな炭素同素体の登場として、画期的なことであ った。そして、同時に成し遂げられた、C60クラスターがあたかも原子の様に結晶を組み上 げた固体C60の合成は、ダイヤモンドとグラファイトに次ぐ新たな炭素結晶の登場として、 物理学上も誠に意義深いものであった。原子系が、まずナノメートルスケールのクラスタ ーを構成し、そして、クラスターが構造単位となって固体結晶を構成するという階層性は、 固体C60の電子構造にも明確に現れており、ドープされた固体C60が示す高温超伝導などの興 味深い物性の起因となっている。そして、1991 年のIijimaによる、螺旋構造を持つナノメー トル直径の円筒状一次元物質・カーボンナノチューブの発見は、0 次元系として対比できる C60・フラーレン系と異なる次元性を持つ炭素ネットワーク物質として、sp 2炭素系のさらな る構造と物性のバリエーションの存在を示す、物理学上のブレークスルーであった。 その後、これらフラーレンとナノチューブから合成される新物質として、ナノチューブ の中にC60列を内包した「ピーポッド(サヤエンドウ)」と称される複合次元系、そして、 「分子性固体」である固体C60を加圧することで、フラーレン間に化学結合が作り上げられ た一次元C60ポリマー(1種類)と二次元C60ポリマー結晶(2種類)の合成が報告された。 即ち、ナノカーボン系は、それ自体が新物質として注目されるものである一方、圧力処理、 さらには温度処理によって、さらなる新物質へと構造を変化させる「前駆体」としても、 大変魅力的な系であることが判明してきた。 本講演では、圧力一定の分子動力学手法と密度汎関数法を用いた、これらナノカーボン 系の示す圧力下での構造変化について報告する。特に、 (1)固体C60の三次元ポリマー化予測研究、および実験報告との比較研究 (2)カーボンナノチューブ系における圧力誘起構造相転移研究 について、詳しく報告する。前者では、sp3化の高度な進行の様子と、それに伴うC 60結晶の 金属化について、また、後者では、多様な構造変形と、その結果得られる「グラフェンナ ノリボン固体」や「新ダイヤモンド結晶相」について、その物性予測とともに、時間の許 す範囲で紹介したい。

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各種炭素材料からの直接変換によるナノ多結晶ダイヤモンドの合成とその特性

住友電気工業㈱エレクトロニクス・材料研究所 角谷 均 グラファイトを出発物質として超高圧高温下(15GPa 以上、2200℃以上)でダイヤモ ンドへ直接変換させることで、数十nm のダイヤモンド粒子からなるダイヤモンド単相の ナノ多結晶ダイヤモンド(Nano-polycrystalline diamond 以下、NPD)が得られる。そ の硬度(約130GPa)は、ダイヤモンド単結晶(SCD)の硬度(60-130GPa、大きな異方 性あり)と同等以上で、SCD のような機械特性の異方性やへき開性がない。さらに、バイ ンダレスであるため耐熱性にも優れ、従来の Co バインダーを含むダイヤモンド焼結体 (PCD)の欠点であった熱劣化の問題もない。このような優れた特長から NPD は、次世 代の硬質工具材料として期待されている[1]。最近は、8-10mm径の大型で良質な多結晶体 も得られるようになり、実用化の検討が行われている。 一般に、単結晶材料を変形させた場合、面すべりによる塑性変形で転位が広く伝搬した り、劈開割れによりクラックが大きく進展するが、多結晶体材料では各粒子内での転位や クラックの進展は、原子配列が不連続となる粒子界面(粒界)で阻止される。粒子間結合 が十分である場合、粒子が小さく粒界が多いほどこの効果が顕著となり、硬度や強度、靭 性が向上する。このような結晶粒微細化による強化は金属材料ではHall- Petch の関係と して知られている。NPD は、直接変換と同時に粒子同士を結合させる焼結プロセスによ るため、粒界に介在物や不純物を含まず、粒子間結合は十分強固である。また、非常に微 細な粒状ダイヤモンドが緻密に組織を形成しており、粒界面積が極めて大きい。このため、 上記の微細化による強化効果が有効に作用して、単結晶と同程度以上の高い硬度を示した と考えられる。同様の効果がcBN でも見られ、hBN からの直接変換により得られた高純 度cBN 多結晶体(粒径 0.1μm 以下)の硬度(50-55GPa)は、cBN 単結晶の硬度(41-43GPa) を大きく越えている[2]。 一方、アモルファスカーボンやグラッシーカーボン、フラーレン(C60)やカーボンナノチ ューブ(CNT)などの非グラファイト状炭素を出発物質として、より低い温度(15GPa では 1600-1800℃)で合成すると、10nm 以下(シングルナノサイズ)のより微細な粒子からな るシングルナノ多結晶ダイヤモンド(Single-nanosized NPD, 以下 SNPD)が得られる[3]。 しかし、このSNPD の硬度は 70- 100GPa 程度で、グラファイトから得られる NPD の硬 度に比べて低い。この理由としてまず、逆 Hall-Petch 効果[4](粒子が小さすぎるために 粒界すべりが優勢となって硬度が低下)が考えられたが、圧子圧入部の変形・破壊状態の TEM 観察から SNPD は粒界破壊が優勢であることがわかり、粒間結合力が弱いために硬 度が低下していることが判明した[5]。粒間結合力が弱化する原因として、焼結温度が低い (原子拡散が不十分)ことや原料に含まれる不純物や吸着ガスによる影響が考えられる。 文献 [1] 角谷均, 入舩徹男, SEI テクニカルレビュー, 172 (2008) 82. [2] H. Sumiya, S. Uesaka, S. Satoh, J. Mater. Sci., 35 (2000) 1181.

[3] H. Sumiya, H. Yusa, T. Inoue, H. Ofuji, T. Irifune, High Press. Res., 26 (2006) 63. [4] S. Yip, Nature, 391 (1998) 532.

(16)

静的高温高圧下の炭素(

BN)-溶媒系からの高圧相への変換析出機構

福長 脩 (東工大応セラ研、日本工大) はじめに 合成ダイヤモンドは世界中で約600 トン/年消費されている。その 95%以上は静的高圧溶媒法で合成さ れている。主製品はカッターや砥石ゆえ、砂粒のような結晶粒子である。サイズ1-500μmで、一定の サイズ幅に細かく分級される。結晶粒子のモルホロジーや包有不純物、結晶のサイズに対する要求が多 岐であるため、製品もサイズだけではなく、特性別に10-20 ぐらいバライティーがある。すなわち、こ のような結晶粒子を製造する技術的な問題としては、自由な圧力温度制御範囲で、析出結晶のモルホロ ジーやサイズをコントロールしたいという要求がベースとなっている。 GE の先駆的な溶媒中のダイヤモンド合成機構の研究では、炭素-溶媒系の液相が生成する最低温度線と ダイヤモンドの安定線にかこまれたV 字型の領域でダイヤモンドが生成すること、ダイヤモンドの析出 は溶媒側に炭素がより多く準安定的に溶解して溶媒膜を通じて拡散して、ダイヤモンド核上に堆積する 膜成長機構によるとされていた。[1] 1990 年頃から開拓された非金属溶媒(アルカリ土類水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、C-O-H 流体相など)で は上記のV 字型合成可能領域、膜成長の機構では説明できない結果がおおくみだされた。[2] そもそも 文献[1]の実験条件が特異であり、金属溶媒でも V 字型合成領域全体で膜成長機構が通用できるか否かは 明らかではない。BN-アルカリ、アルカリ土類系溶媒では、V 字型領域が確認できなかったが、これは 速度論的な効果で、十分な核形成時間を与えれば、V 字型合成であることが確認された。[3] 溶媒メルトからの高圧相結晶の核発生 これらに関連する他の問題として、炭素(黒鉛または hBN)はダイヤモンド(または cBN)安定領域で準 安定的に析出するかという問題がある。以前から、平衡線の近傍では準安定黒鉛が析出することが知ら れている。初期の研究では、どのような炭素からでも同じようにダイヤモンドが析出するとされていた が、ある種の不純物(主に水素成分)をふくむ炭素ではダイヤモンド安定領域でもダイヤモンドが析出しな いことが知られており、このような条件で顕著な準安定黒鉛結晶が成長することも確認されている。[4] また、BN-アルカリ金属ホウ窒化物溶媒(典型的な例が Li3BN2, Ca3B2N4)系では広い範囲にわたり準 安定的な再結晶hBN が析出することが確認された。[3] 溶媒メルト中での高圧相(ダイヤモンドや cBN)の核発生過程の制御は実は大変重要な問題であるが、こ れまで総括的に検討されたとはいえない。特に、圧力・温度以外の化学的な条件(たとえば、原料中の 不純物、溶媒組成、原料の結晶化度など)が核発生にどのように効いているかについては、総括的な研 究がない。 発表者もこれらに対する総合的な知見は持ち合わせてはいないが、これまでの結果をベースに種々の溶 媒中でのダイヤモンド、cBN 高圧相結晶の核発生の謎の一端を紹介させていただく。 いくつかの実験データ 図1 は、hBN と Ca3B2N4 溶媒が接触している試料を cBN 安定 P-T 条件下で保持した試料の実体顕微

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鏡写真である。全体は白色透明な再結晶hBN マトリックスであり、そこに点々と cBN 結晶が析出して いる。膜成長ならば、高圧相の成長の起点は原料と溶媒の界面であるが、この場合cBN 結晶は再結晶 hBN 中のランダムな位置に析出している。 図1はcBN 安定領域で析出した準安定 hBN(白)と cBN 結晶(茶)粒子 図2 はフラン樹脂を比較的低温度で熱処理した非晶質炭 素(ガラス状炭素)とインバー合金溶媒接触させて、ダイヤ モンド安定P-T 領域で処理した試料のインバー合金側の 実体顕微鏡写真である。この場合は、予想に反して原料 炭素層にはダイヤモンドは全く見られず、インバー合金 の底に巨大な黒鉛結晶が析出していた。 図3 は C-O-H 流体中で CaCO3 を原料としてダイヤモン ドを合成した例[4]で、7.7GPa1500℃で 12h 反応させて ようやく準安定的に生成した黒鉛結晶中にダイヤモンド が見られ、反応が完結するには約48hを要する。 これらの例にみられるように、溶媒系や原料炭素によっ て、ダイヤモンドの安定領域であってもダイヤモンドの 核発生が速やかに起こる場合とそうでない場合などさま ざまである。ということは、最初に述べたV 字型生成領 域でダイヤモンドが生成するのはむしろまれな場合とも 言える。 炭素(BN)-溶媒系においてどのように安定高圧相の 核が生成するかという問題は古くからいろいろな説が提 案されているが、いまだに解決されていない。実用的な ダイヤモンド材料を製造するような純粋技術的立場から も進展が要請されていると思われる。 文献 [1] H.M.Strong R.H.Hannemann, J.Chem.Phys., 46(1967)1838

[2] M.Akaishi etal. J.Cryst.Growth,104’1990)578 [3] O.Fukunaga etal. Diamond

Relat.Mat.,13(2004) 1709

[4] O.Fukunaga etal. Ibid, 14(2005) 160 [5] S.Yamaoka etal., ibid 11(2002) 1496

図1

図2

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グラファイト構造をもつ炭素ナノ構造体の高圧下構造

新潟大学超域研究機構 中山敦子

 炭素ナノ構造体には、グラファイト構造(一次構造)を構造単位としているものが多く

ある。これらはグラフェンやバルクなグラファイト結晶にはない多様なフレームワーク

(二次構造)で構成される。圧力は、構造とそれに基づく物性を系統的に変化させること

ができるため、新規機能性を見出す一手法として、構造の圧力変化の研究は大変有用であ

る。炭素ナノ構造体の場合、特に、一次構造が電子状態に反映し、二次構造が圧力応答に

バリエーションを与えるから、「一次構造」、「二次構造」そして「圧力」を適切に選択

すれば、比較的容易にねらい通りの機能が得られるだろう。

 これまでの研究では、いくつかの炭素ナノ構造体でみられる「高いグラファイト性」、

「特徴的なフレームワーク」、「グラフェンの積層によって得られる配列するナノ空間」

に注目し、①グラファイト構造の安定性の理解とNew Diamondとしての可能性、②カー

ボンの圧力誘起金属化、超伝導化の探索、③その場観察による炭素π電子系配列ナノ空間

がもたらす高圧下での水素貯蔵とその機構解明をおこなってきた。今回は、高圧下構造の

その場観察で明らかになった様々な炭素ナノ構造体の物性や機能のうち、(1) G-balls

(Fig. 1, Ref. 1)に見られる高圧下でも安定なグラファイト相と圧力誘起金属化、(2) 多層

カーボンナノチューブ(Fig. 2, Ref. 2)、メソカーボンマイクロビーズの圧力下でみられる

炭素π電子系配列ナノ空間への水素貯蔵について紹介する。

Ref.

(1) A. Nakayama et al., APL 84, 5112 (2004).

(2) A. Nakayama et al., Diamond & Related Materials 17, 548 (2008).

G-balls !"#$%& Buckling 6'()*+,-./ !"#$%&' ()* +, !"#$%&-. !"#$%&' +, !"#$%&' /+ /+ Fig. 1 閉じたグラファイト構造をもつ多面体状グラ ファイト G-ballsのTEM象と高圧下構造のイメージ (2) Fig. 2 (1) 開口処理をしたo-MWCNTsのTEM象.(2) 水素と ともに加圧したo-MWCNTsにみられるグラファイト構造の 圧力変化. (a) a-軸長、(b) c-軸長. (1)

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中性子照射した黒鉛におけるエネルギーの蓄積と面外振動のソフト化

による黒鉛-ダイヤモンド変換の促進

東大工学系原子力 岩田 忠夫 黒鉛のダイヤモンドへの変換の中性子照射による促進に関して考察を行う。

§1.室温付近で中性子照射を行ったとき、黒鉛の中に生成する格子欠陥は格子間C2分子 のクラスター(clusters of interstitial C2 molecules) (C2)n と単一空孔(single vacancies) V であり、そのC2分子は周囲の原子層面上の原子と共有結合をつくらないと考えている。そ の根拠となる主な実験は次のようなものである。 (1) 100 K 付近の電気抵抗の逆回復 ― 格子間原子 C から格子間 C2分子がつくられる。 (2) 低温比熱の増加 ― 格子比熱の増加は高さ 0.040 eV の周期ポテンシャル中の C2分子 の束縛回転による。電子比熱の増加は単一空孔 V の増加による。 (3) 200℃付近のウィグナーエネルギー放出の構造 ― (C2)n → (C2)n-1 + C2 (n≧2), C2 + 2 V → annihilation によりエネルギーが放出される。n の増加とともにエネルギ ー放出は高温側にずれる。 (4) 陽電子寿命 245 ps と結びつく欠陥のアニーリング ― 観測される寿命 245 ps の陽電子 は単一空孔 V にトラップされた陽電子である。 この 245 ps 欠陥、すなわち V は 1000~1400℃ のアニーリングにより消滅する。 §2.特に、60℃ で 1.4×1020 n/cm2 (E>1 MeV) の中性子照射をした黒鉛試料の主な性 質は以下のようである。 (1) 格子比熱の増加より C2分子の濃度は f = 1.16%、電子比熱およびホール係数より単一 空孔 V の濃度は 2f であると推定される。 (2) c 軸方向および a 軸方向の寸法変化はそれぞれ 11.8±0.4%および-1.05±0.15%である。 一方、c-spacing および a-spacing の変化はそれぞれ 9.0±0.5%および-1.3%である。 (3) 100~600℃間で放出される蓄積エネルギーは 450±30 J/g である。他のデータを援用 して2000℃までの放出を加えると、全蓄積エネルギーは 1560±280 J/g と推定される。 (4) 室温以下の熱伝導度は、a 軸方向も c 軸方向も 2~3 桁減少する。 §3.ダイヤモンドへの変換を促進する要因としては次のようなものが考えられる。 (1) 蓄積エネルギーの放出: 100℃以上で放出され、温度上昇を加速する。しかし、欠陥の migration が必要なので、圧力下では放出が抑えられるかもしれない。 (2) 格子間クラスター付近の原子の密集: X線の(00l)回折線は低角側にずれ、broad に なる。これより、格子間クラスター部の原子間距離は 1.8~2.0Å と推定される。この 部分がダイヤモンドへの変換の核となる可能性がある。

(3) 面外振動のソフト化: 黒鉛層面の bending elastic constant を cρκ2とするとき、面

外振動のDebye 振動数はκに比例する。0→293 K の温度上昇時に、他の弾性定数と比 較して、κの減少が著しく、面外振動の振動数の著しい減少、即ち面外振動のソフト化 が起こる。これは Δa/a<0(負の膨張)と関係し、Δc/c>0 とは直接の関係はないと 考えられる。次に、140 kbar の加圧時には、Δa/a=-0.010、Δκ/κ=-0.53 である。 この関係より、中性子照射では、Δa/a=-0.013 なでので、Δκ/κ=-0.69 と推定され る。これはすでに約180 kbar の圧力が加えられている状態である。

参照

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