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都道府県知事選挙における投票率の長期低落傾向の分析

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Ⅰ.都道府県知事選挙における投票率の

  説明要因

日本の公職選挙において、投票率は長期的な低落傾向 にある。選挙は代表民主制の根幹をなす制度であり、そ こでの投票率の低下は、選挙によって根拠を与えられる 統治権力の正統性にとって重大な危機ととらえられる。 しかし従前の投票参加研究は、投票率の低下という長期 の時間的変化を念頭におきながらも、多くがクロスセク ショナルな差異の分析に基づき時間的変化を推論した ものであり、なぜ投票率が低下しているのかという疑問 についての直接的な説明は十分にされてこなかった1) 本論文ではこうした問題意識から、都道府県知事選挙の 投票率の分析を通じて、その長期低落傾向の説明要因の 分析を試みる。 戦後に公選のはじまった都道府県知事選挙において も、投票率はやはり低落傾向を示している。図 1 は、都 道府県知事選挙の投票率について、第 1 回統一地方選挙 が実施された 1947 年 4 月 5 日からの経過日数を横軸に とって図示したものである。図の直線は回帰直線を表し ている。経過日数と投票率の相関係数は−0.572 であり、 0.1% 水準で統計的に有意である。 都道府県知事選挙における投票率の説明要因を分析 した数少ない研究として、蒲島の研究がある2)。蒲島は、 有権者の個人的特性とは独立した選挙をめぐる状況、い わゆる「選挙の舞台装置」を紹介する文脈のなかで、選 挙の舞台装置として、選挙の競争度(無風選挙か否か)、 同時(同日)選挙か否か、投票日の天候の 3 つをとりあ げ、1956 年から 1987 年までの都道府県知事選挙におけ る投票率の説明要因として分析を行い、統一選下同時選 挙、人口集中度、当選者と次点の相対得票率差、第二次 産業人口比、便乗・合併選挙の 5 つの要因が投票率に影 響を及ぼしていることを明らかにしている。 また、やはり選挙の舞台装置に着目した研究として、 石上の研究がある3)。石上は、1957 年 4 月から 2005 年 3 月までに行われた都道府県知事選挙の投票率について 分析を行い、統一地方選挙、同時(同日)選挙、政党の 相乗り・分裂の状況などが投票率に影響していることを 明らかにしている。 本論文の分析は、1947 年 4 月 5 日の公選開始以後、

都道府県知事選挙における投票率の長期低落傾向の分析

伊 藤   誠

要旨  本稿の目的は、日本の都道府県知事選挙における投票率の長期低落傾向の要因について実証的に明らかにすることにある。 1947 年の公選開始以来のすべての都道府県知事選挙についてのプールドデータを作成し、投票率に影響を及ぼすと考えられる 諸要因について計量分析を行い、パス図を提示した。本稿の分析によって、日本の都道府県知事選挙における投票率の説明要 因の様相が示されるとともに、その長期的な低落傾向が、産業の高次化、主として統一地方選挙からの離脱に伴う都道府県議 会議員選挙との同時選挙機会の減少による啓発・動員効果の減少、有権者数の増加による一票の価値の低下、選挙の競争度の 低下によるものであることが明らかとなった。 0 5000 10000 15000 20000 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 経過日数 投票率 図 1 都道府県知事選挙における投票率の変動

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2010 年 10 月 31 日実施の福島県知事選挙までに実施さ れたすべての都道府県知事選挙 792 件4)のうち、無投 票となった 14 件を除く 778 件のプールドデータに基づ く。 被説明変数は投票率である。説明変数として用意した のは、長期的な変動要因として、一票の価値、第一次産 業就業者比率、第二次産業就業者比率、第三次産業就業 者比率、統一地方選挙、議会選同時選挙の 6 変数、短期 的な変動要因として、第一回統一地方選挙、衆院選同日 選挙、参院選同日選挙、降水量、任期満了、選挙間隔、 現職者立候補、多選回数の 8 変数、長期・短期の両面的 な変動要因として、惜敗率の 1 変数の、計 15 変数である。 表 1 に、投票率と合わせた 16 変数の記述統計を示して いる。 一票の価値は、当該選挙の当日有権者数の逆数である。 ただし、有権者数の単位は 100 万人としている。人口規 模にかかわらず一つきりの地位をめぐって争われる首長 選挙の性質から、都道府県知事選挙の一票の格差は大き なものとなっている。直近の都道府県知事選挙において 有権者数が最も多かったのは東京都の 10,238,704 人、最 も少なかったのは鳥取県の 485,443 人であり、21.1 倍の 開きがあった5)。首長選挙では有権者数が多いほど一票 の重みは小さくなり、そのことが有権者の政治的有効性 感覚の低下を通じ、投票率を押し下げる要因となる可能 性を指摘することができる。長期的変動要因としても同 様の指摘は可能だろう。第 1 回統一地方選挙におけるこ の 2 都県の有権者数はそれぞれ 2,601,796 人、308,626 人 であり、直近の選挙と比較してそれぞれ 3.9 倍、1.6 倍 の開きがある。つまり有権者数の増加による一票の価値 の低下が、投票率の長期低落傾向の一因となってきた可 能性を指摘することができる。 第一次産業就業者比率、第二次産業就業者比率、第三 次産業就業者比率はそれぞれ、就業者数全体における各 次産業就業者数の割合である6)。一般に日本では、都市 化の進行した地域において投票率が低くなる傾向があ る。投票率の長期低落傾向との関係では、都市化の進行 がそれをもたらした可能性を指摘することができるだろ う。投票率との相関係数は、第一次産業就業者比率 0.594、 第二次産業就業者比率−0.385、第三次産業就業者比率 −0.571 で、すべて 0.1% 水準で有意であり、第一次産 業就業者比率が高いほど投票率は高くなり、第二次・第 三次産業就業者比率が高いほど投票率は低くなる。なお、 3 変数の間の相関係数は、第一次と第二次の間で−0.724、 第一次と第三次の間で−0.929、第二次と第三次の間で 0.419 と高いため、分析ではその点を考慮する必要があ る。 統一地方選挙は、4 年ごとに実施される統一地方選挙 で行われた選挙かそうでないかを表すダミー変数であ る。統一地方選挙で行われた選挙を 1、そうでない選挙 を 0 とする。統一地方選挙では、国や地方自治体、報道 機関などが一斉に啓発活動を行い、通常の都道府県知事 選挙以上に選挙への関心が高められることなどから、投 票率が向上する。前述した蒲島や石上の研究でもその効 果は確認されている。統一地方選挙で行われた都道府県 知事選挙 289 件の平均投票率は 73.6%、それ以外の 489 件では 57.0% と、約 16.7% の差がある。平均値の差の 検定を行うと、この差は 0.1% 水準で有意である。図 2 は、 統一地方選挙から次の統一地方選挙の直前の都道府県知 事選挙までの期間を一つの区間として、統一地方選挙と 統一地方選挙外の知事選挙の区間平均投票率を図示した ものである。統一地方選挙の知事選挙の平均投票率は、 同一区間の統一地方選挙外のそれを一貫して上回ってお り、経年変動の影響を考慮してもなお統一地方選挙の効 表 1 変数一覧

mean s.d. min max

被説明変数  投票率 .632 .158 .254 .951 説明変数(長期的変動要因)  一票の価値 1.009 .567 .098 3.240  第一次産業就業者比率 .240 .194 .004 .767  第二次産業就業者比率 .278 .080 .085 .481  第三次産業就業者比率 .478 .143 .139 .784  統一地方選挙 .372 .484 0 1  議会選同時選挙 .292 .455 0 1 説明変数(短期的変動要因)  第一回統一地方選挙 .059 .236 0 1  衆院選同日選挙 .021 .142 0 1  参院選同日選挙 .012 .107 0 1  任期満了 .883 .322 0 1  選挙間隔 1399 215 119 1486  降水量 4.97 10.93 .0 92.4  現職者立候補 .689 .463 0 1  多選回数 1.37 1.34 0 7 説明変数(長期的・短期的変動要因)  惜敗率 .490 .284 .030 .999 N = 778(降水量のみ N = 777)

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果が存在することが確認できる。投票率の長期低落傾向 との関係で言えば、統一地方選挙で行われる都道府県知 事 選 挙 は、 第 1 回 統 一 地 方 選 挙 の 46 件 を ピ ー ク に、 2003 年の第 15 回統一地方選挙で最少の 11 件7)、2007 年の第 16 回統一地方選挙でも 13 件と著しく減少してお り、統一地方選挙による投票率向上効果の恩恵を享受で きない選挙の増加が、その長期低落傾向の一因となって きた可能性が考えられる。 また、議会選同時選挙は、当該都道府県の都道府県議 会議員選挙が同時に行われた選挙かそうでないかを表す ダミー変数である。同時選挙には、同時に行われる選挙 による動員に加え、有権者にとっても一度に複数の選挙 への投票が可能となる利点があることなどから、投票率 を向上させる効果があると考えられ、やはり蒲島や石上 の研究でその効果が確認されている。ただし、主として 都道府県知事選挙の統一地方選挙からの離脱により、都 道府県議会議員選挙との同時選挙は直近の選挙で 12 件 とこちらも著しく減少しており、議会選同時選挙の投票 率向上効果を受けられない選挙の増加が、投票率の長期 低落傾向の一因となってきた可能性もまた考えられる。 以上の 6 変数を投票率の長期的変動要因として用い る。これに対し短期的変動要因の 8 変数は、一過性の影 響が想定されるコントロール変数である。 第一回統一地方選挙は、第 1 回統一地方選挙で行われ た選挙かそうでないかを表すダミー変数である。先述し た都道府県議会議員選挙は、1951 年の第 2 回統一地方 選挙から都道府県知事選挙と同時に行われ、2007 年の 第 16 回統一地方選挙でも 3 都県8)を除く 44 都道府県 議会議員選挙が知事選挙と同一日程で実施されている が、1947 年の第 1 回統一地方選挙では同時に行われず9) 都道府県知事選挙は市区町村長選挙と同時に行われた。 また第 1 回統一地方選挙は、初の知事選挙であり、終戦 後の混乱がまだ収まりきらない状況下の選挙であるな ど、やや特異な選挙である。第一回統一地方選挙は、そ の影響をコントロールするための変数である。 衆院選同日選挙と参院選同日選挙はそれぞれ、衆議院 議員総選挙と参議院議員通常選挙と同日に行われた選挙 かそうでないかを表すダミー変数である。衆議院議員総 選挙あるいは参議院議員通常選挙と同日に行われた都道 府県知事選挙は、それぞれ 16 件、9 件とあまり多くない。 しかし、衆院選と同日に行われた知事選挙 16 件の平均 投票率は 73.6%、それ以外では 62.9% と差は大きく、0.1% 水準で統計的に有意である。参院選の 9 件では平均投票 率は 64.6%、それ以外では 63.1% であり、差は有意でな い。 任期満了は、前任の知事が任期を満了しての選挙かそ うでないかを表すダミー変数である。また、選挙間隔は、 当該都道府県知事選挙の前回選挙からの経過日数であ る。前任知事の 4 年の任期が満了されず、選挙の間隔が 通常より短くなれば、有権者の負担が上乗せされること になり、投票率を押し下げる要因となる可能性が考えら れる。任期満了の変数によって、その質的側面を表し、 選挙間隔の変数によって、量的側面を表すことができる と考えられる。なお、そうした意味合いから、第 1 回統 一地方選挙で行われた 46 件については、便宜的に選挙 間隔を 4 年(1461 日)とし、任期満了による選挙とし て扱う10)。ただし、任期満了による知事選挙 687 件の 平均投票率は 63.16%、それ以外の 91 件は 63.22% とほ ぼ等しく、差は認められない。 降水量は、選挙当日の降水量である。悪天候は有権者 の投票コストを増大させ、投票率を低下させる原因とな りうるとも考えられるが、蒲島の研究でこの影響は確認 されなかった。降水量は、各都道府県で代表的と考えら れる気象台の選挙当日の日降水量を用いるが11)、降水 量と投票率の相関は統計的に有意でない。 現職者立候補は、前任の都道府県知事が再立候補した かそうでないかを表すダミー変数である12)。現職者が 立候補した知事選挙 536 件の平均投票率は 62.4%、それ 以外の 242 件では 64.9% であり、現職者が立候補する 5 10 15 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 区間 平均投票率 統一地方選挙 統一地方選挙外 図 2 都道府県知事選挙の統一地方選挙と統一地方選 挙外における区間平均投票率      

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と投票率は低くなる。平均値の差は 5% 水準で有意であ る。また、多選回数は、立候補した現職者のそれまでの 選出回数である。現職者が立候補していない場合は 0 と する。 惜敗率は、第一位得票者13)の得票数に対する第二位 得票者の得票数の割合である14)。蒲島の研究は、選挙 の競争度の指標として当選者と次点の相対得票率差を用 いているが15)、本論文では、資料の収集が容易であり、 また資料として高い確度が得られることから16)、惜敗 率を競争度の指標として採用することにした。惜敗率と 相対得票率差の近似値17)の相関係数は−0.978 と非常に 大きく、惜敗率は指標として簡便であり、かつ得票率差 によって表される競争度とほとんど変わらない状況を表 すことができると考えられる。惜敗率と投票率の相関係 数は 0.353 で、0.1% 水準で有意であり、惜敗率が高い ほど投票率も高くなる。ただし、惜敗率を競争度の指標 とすることについては、投票率が得票率差に影響を及ぼ すという逆の因果関係の経路も想定しうるとする小林の 指摘がそのまま当てはまる18)。図 3 は、都道府県知事 選挙における惜敗率と投票率の関係を図示したものであ る。図を見ると、左下の惜敗率も投票率も低い集団と、 右上のやや不明瞭であるが惜敗率も投票率も高い集団の 他に、左上に惜敗率が低いにもかかわらず投票率の高い 小さな集団が存在している。同じ図を、統一地方選挙で 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 惜敗率 投票率 0 1 2 3 4 5 6 7 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 多選回数 惜敗率 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 惜敗率 投票率 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 惜敗率 投票率 図 4 都道府県知事選挙における惜敗率と投票率 (統一地方選挙) 図 6 都道府県知事選挙における多選回数と惜敗率 図 5 都道府県知事選挙における惜敗率と投票率 (統一地方選挙外) 図 3 都道府県知事選挙における惜敗率と投票率

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行われた選挙であるかそうでないかによって分割したの が、図 4 と図 5 である。図を見比べると、統一地方選挙 は、惜敗率の低い選挙の投票率をかなり大きく持ち上げ ているように見える。統一地方選挙外で行われた知事選 挙における惜敗率と投票率の相関係数は 0.502 と、より はっきりした関係が見られるが、統一地方選挙における 相関係数は 0.133 で、5% 水準で有意ではあるもののか なり小さくなる。また、統一地方選挙で行われた都道府 県知事選挙 289 件における平均惜敗率は 51.3%、それ以 外の 489 件では 47.6% であり、投票率の高くなる統一 地方選挙において平均惜敗率は 3.7% ポイント高くなるが、 この平均値の差は 5% 水準で統計的に有意でない19)。す なわち、統一地方選挙という外的要因により向上する投 票率から惜敗率への影響は認められず、これらの図の比 較と分析から、投票率が惜敗率で表されるような競争度 に影響を及ぼすという経路の存在は支持されない。 惜敗率については、投票率の説明変数であると同時に、 他の説明変数からの影響も考えられる。図 6 は、多選回 数と惜敗率の関係を示す箱髭図である。現職者の立候補 のない都道府県知事選挙の平均惜敗率は 63.9% であり、 図の箱の位置の比較から競争度が高いことがわかる。平 均惜敗率は、その右隣の現職者が 2 期目の再選を目指す 選挙で 39.4% と底となり、その後、多選回数が増える にしたがって上昇していくという傾向を図から読み取る ことができる20)。この惜敗率は、投票率の変動要因と して、長期・短期両面での影響が想定される。 以上の 16 変数に、都道府県を表す変数と、第 1 回統 一地方選挙の実施された 1947 年 4 月 5 日を起点とする 経過日数の変数を加えた 18 変数によって、都道府県知 事選挙における投票率の長期低落傾向の説明要因を分析 する。なお、選挙関係のデータは、平成 14(2002)年 度以降については、総務省ウェブサイトの「都道府県知 事選挙結果」、それ以前については、総務省自治行政局 選挙部『選挙年鑑』、都道府県選挙管理委員会連合会『選 挙』、不足分については、各都道府県選挙管理委員会の ウェブサイト、新聞の記事データベースを適宜参照し、 作成した。また、各次産業就業者比率は、国勢調査の報 告書と総務省統計局のウェブサイトからデータを取得 し、作成した。降水量のデータは、気象庁のウェブサイ トから取得した。

Ⅱ.分析結果

表 2 は、都道府県知事選挙における投票率を被説明変 数、前節で述べた 15 変数を説明変数として、5% 有意 水準を基準としたステップワイズ法によって変数選択を 行った回帰分析の結果である。本論文のデータは公選開 始以来の都道府県知事選挙のプールドデータであるが、 47 都道府県について選挙期日ごとにデータを積み重ね た不完全パネルデータとして考えることができるため、 各都道府県ごとに定数項を与える固定効果モデルによる 分析を行っている。これによって、説明変数が投票率に 及ぼす影響を、各都道府県固有の地域特性などに基づく 投票率水準から区別して分析することができる。プーリ ング回帰モデルとの F 検定の結果は、変数選択前後と もに固定効果モデルを支持している。表の b は偏回帰係 数、b* は標準化した偏回帰係数を表す。回帰式の当て はまりのよさを表す自由度調整済み決定係数 R2は 0.694 であり、表の 10 変数によって投票率の変動の 69.4% を 説明できる。 一票の価値は、説明変数の被説明変数への影響力を表 す標準化偏回帰係数 b* の値が 0.367 であり、その絶対 値で表される 10 変数の中での影響力は 2 番目に高い。 投票率に対しては正の関係にあり、一票の価値が大きく なるほど都道府県知事選挙の投票率は高くなる。各次産 業就業者比率で表す都市化要因や他の変数の影響を差し 引いても、一票の価値の投票率への影響が見られるとい 表 2 都道府県知事選挙における投票率の説明要因 b b* 説明変数(長期的変動要因)  一票の価値 .102 .367 ***  第二次産業就業者比率 .165 .084 **  第三次産業就業者比率 −.442 −.401 ***  統一地方選挙 .047 .143 *  議会選同時選挙 .112 .324 *** 説明変数(短期的変動要因)  第一回統一地方選挙 −.046 −.069 .  衆院選同日選挙 .206 .186 ***  参院選同日選挙 .126 .086 ***  現職者立候補 .019 .055 ** 説明変数(長期的・短期的変動要因)  惜敗率 .178 .322 *** N = 778, Adj.R2 = .694 *** p < .001 ** p < .01 * p < .05 . p < .1

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うことから、この分析結果は、有権者数の増加による一 票の価値の相対的減少が、投票率の減少に結びつくとい う仮説を支持している。 各次産業就業者比率については、3 変数を同時に投入 した場合に多重共線性の問題が生じるため、組み合わせ を検討し、表の結果を得た。第三次産業就業者比率の b*の値は−0.401 であり、表の 10 変数中、最も大きな 影響を投票率に及ぼしている。また、b の値は−0.442 であり、第三次産業就業者比率が 1% 高くなると、投票 率は 0.442% ポイント低くなる。これに対し、第二次産 業就業者比率の b* の値は 0.084 で、影響力は低いが、 投票率に対して正の影響を及ぼしている。第二次産業人 口比から投票率への負の影響を見出した蒲島の研究と異 なって見える分析結果であるが、分析条件が異なり、ま た戦後、第三次産業就業者比率とともに増大していた第 二次産業就業者比率は 1990 年代には減少に転じており、 変数のもつ意味合いも変化していると考えられる。 統一地方選挙の b* の値は 0.143 であり、10 変数中の 影響力は中程度である。b の値は 0.047 であり、都道府 県知事選挙が統一地方選挙として行われると、投票率は 4.7% ポイント高くなる。また、議会選同時選挙の b* の 値は 0.324 であり、影響力は 10 変数中 3 番目に大きい。 bの値は 0.112 であり、都道府県議会議員選挙が同時に 行われると、都道府県知事選挙の投票率は 11.2% ポイ ント高くなる。2 変数の b の値の合計は 15.9% であり、 分析に用いた都道府県知事選挙 778 件における、統一地 方選挙で行われた 289 件の平均投票率 73.6% と、それ 以外の 489 件の平均投票率 57.0% の差 16.7% に近い値 となる。統一地方選挙で投票率が高くなる理由としては、 日程が統一されていることによる啓発の効果より、都道 府県議会議員選挙が同時に行われることによる啓発と動 員の効果の方がかなり大きいと考えることができる。 第一回統一地方選挙については、5% 水準では統計的 に有意ではないが21)、統一地方選挙と議会選同時選挙 の 2 変数に対するコントロールの必要性を考慮して分析 に投入している。b* の値は−0.069 であり、投票率への 影響力はあまり大きくない。b の値は−0.046 であり、 第 1 回統一地方選挙では諸要因によって、通常想定され るより投票率が 4.6% ポイント低くなっていたと考える ことができる。 衆院選同日選挙の b* の値は 0.186 であり、10 変数中 の影響力は中程度であるが、件数の少なさを考慮すれば 大きな値と言える。b の値は 0.206 であり、衆議院議員 総選挙が同日に行われると、都道府県知事選挙の投票率 は 20.6% ポイント高くなる。この値は、前節で見た衆 院選が同日に行われた都道府県知事選挙とそれ以外との 平均投票率の差 10.6% よりかなり高い値であり、また 統一地方選挙と議会選同時選挙の複合効果よりも高い値 である。 参院選同日選挙の b* の値は 0.086 であり、衆院選同 日選挙よりかなり投票率への影響力は落ちる。それでも bの値は 0.126 であり、参議院議員通常選挙が同日に行 われると、都道府県知事選挙の投票率は 12.6% ポイン ト高くなる。この値は、議会選同時選挙の単独効果より 高いが、統一地方選挙との複合効果よりもやや低い値で ある。 任期満了と選挙間隔の変数は、投票率への影響が見ら れなかった。また、降水量から投票率への影響について も見出すことはできなかった。 現職者立候補の b* の値は 0.055 であり、投票率への 影響力は 10 変数で最も小さい。前述した現職者の立候 補している選挙で投票率が低くなるという関係とは、逆 の結果が出ている。b の値は 0.019 であり、現職者が立 候補していると投票率は 1.9% ポイント高くなる。また、 多選回数の投票率に対する影響は見られなかった。 惜敗率の b* の値は 0.322 であり、表の 10 変数中、4 番目に大きな影響を投票率に及ぼしている。b の値は 0.178 であり、都道府県知事選挙の惜敗率が 1% 高くな ると、投票率は 0.178% ポイント高くなる。 表 3 は、この惜敗率を被説明変数とし、惜敗率を除く 14 変数を説明変数として、同様の方法で行った回帰分 析の結果である。F 検定の結果は、やはり固定効果モデ ルを支持している。ただし、決定係数 R2の値は 0.212 表 3 都道府県知事選挙における惜敗率の説明要因 b b* 説明変数(長期的変動要因)  第二次産業就業者比率 −.499 −.141 **  第三次産業就業者比率 −.377 −.189 ***  統一地方選挙 −.081 −.138 ** 説明変数(短期的変動要因)  現職者立候補 −.313 −.510 ***  多選回数 .058 .271 *** N = 778, Adj.R2 = .212 *** p < .001 ** p < .01

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であり、説明力は高くない。 第二次産業就業者比率の b* の値は−0.141 であり、惜 敗率への影響力はあまり大きくない。b の値は−0.499 であり、第二次産業就業者比率が 1% 高くなると、惜敗 率は 0.499% ポイント低くなる。 また、第三次産業就業者比率の b* の値は−0.189 であ り、惜敗率への影響力は中程度である。b の値は−0.377 であり、第三次産業就業者比率が 1% 高くなると、惜敗 率は 0.377% ポイント低くなる。産業構造の高次化には、 惜敗率で表される選挙の競争度を低くする働きがあると 考えることができるだろう。 統一地方選挙の b* の値は−0.138 であり、惜敗率に対 する影響力は 5 変数中、最も小さい。b の値は−0.081 であり、統一地方選挙で行われる都道府県知事選挙では、 惜敗率は 8.1% ポイント低くなる。 現職者立候補の b* の値は−0.510 であり、惜敗率に対 する影響力は最も大きい。b の値は−0.313 であり、現 職者が立候補している都道府県知事選挙では、惜敗率は 31.3% ポイント低くなる。言い換えれば、新人のみで争 われる都道府県知事選挙では、惜敗率は 31.3% ポイン ト高くなる。 また、多選回数の b* の値は 0.271 であり、惜敗率へ の影響力は現職者立候補に次いで大きい。b の値は 0.058 であり、現職立候補者の選出回数が 1 増えるごとに、惜 敗率は 5.8% ポイント高くなる。回帰式の現職者立候補 と多選回数の部分は、図 6 に示した多選回数と惜敗率の 関係をよく表している。 一票の価値、議会選同時選挙、第一回統一地方選挙、 衆院選同日選挙、参院選同日選挙、任期満了、選挙間隔、 降水量から惜敗率に対しての影響は見られない。また、 第一次産業就業者比率については、やはり多重共線性の 問題から変数の組み合わせを検討した結果、分析から除 外している。 以上の検討に基づき、さらに変数間の関係を検討の上、 統計解析ソフトウェア R の SEM パッケージによるパス 解析を行った結果を、図 7 に示している。具体的には、 経過日数から長期的変動要因の各説明変数へのパス、表 2 と表 3 の分析結果に基づいた説明変数から投票率と惜 敗率へのパス、また図では省略しているが、地域特性を コントロールするための各都道府県ダミー変数を作成し 投票率と惜敗率へのパスを設定した。ただし、各次産業 就業者比率については、第三次産業就業者比率の 1 変数 のみを分析に投入して図を簡略化している。また経過日 数から議会選同時選挙へのパスは、主として統一地方選 挙を通じて説明されると考えられるため、除外している。 モデル検討の結果、統一地方選挙から議会選同時選挙へ 経過日数 一票の価値 -.345 第三次産業就業者比率 .902 統一地方選挙 -.320 投票率 .205 -.313 惜敗率 -.172 議会選同時選挙 .823 -.081 .340 .349 現職者立候補 .048 -.355 多選回数 .691 衆院選同日選挙 .142 参院選同日選挙 .066 .175 図 7 都道府県知事選挙における投票率の説明要因のパス解析

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のパス、現職者立候補から多選回数へのパスを追加し、 また、5% 水準で有意でなかった経過日数から惜敗率へ のパスと、統一地方選挙と第一回統一地方選挙から投票 率へのパスをモデルから除外した。モデルの適合度を表 す GFI は 0.862、AGFI は 0.847、RMSEA は 0.079 であり、 十分とは言えないが、おおむね良好である。なお、図の パス係数は標準化した値であり、すべて 5% 水準で有意 である。誤差項は省略している。 都道府県知事選挙の投票率に直接の影響を及ぼしてい るのは、一票の価値、第三次産業就業者比率、議会選同 時選挙、衆院選同日選挙、参院選同日選挙、現職者立候 補、惜敗率の 7 変数である。 単独の影響力では惜敗率が最も大きく、選挙の競争度 が高くなるほど、投票率は高くなる。惜敗率に対して直 接の影響を及ぼしているのは、第三次産業就業者比率、 統一地方選挙、現職者立候補、多選回数の 4 変数である。 第三次産業就業者比率と統一地方選挙、現職者立候補の 3 変数は、惜敗率に対して負の関係にあり、選挙の競争 度を低める働きがある。また、多選回数は正の関係にあ り、競争度を高くする。このうち第三次産業就業者比率 と統一地方選挙については、経過日数の影響を受けてい る。経過日数は第三次産業就業者比率を通じて惜敗率を 低める方向に働くが、統一地方選挙を通じて惜敗率を高 める方向にも働く。パス係数の積和を比較するとそれぞ れ−0.155 と 0.026 であり、全体としては惜敗率を低め る方向に働き、知事公選の開始以来、競争度が低下して きたことが、結果として投票率を低下させる方向に働い てきたと言える。 次に投票率への影響力が高い変数は議会選同時選挙で あり、都道府県議会議員選挙との同時選挙では投票率は 高くなる。経過日数との関係では、統一地方選挙で行わ れる知事選挙が減少してきたことが、議会選同時選挙の 減少を通じて、投票率の低下につながってきたと言える だろう。 第三次産業就業者比率の投票率への影響力も高く、都 道府県の第三次産業就業者比率が高くなるほど、知事選 挙の投票率は低くなる。また、第三次産業就業者比率は 先述したとおり、惜敗率で表される知事選挙の競争度を 高めることを通じても、さらに投票率を低くする方向に 働く。パス係数の積和は−0.373 となり、間接効果も含 めれば、投票率への影響力は最も大きい。 投票率に直接影響を及ぼしている 7 変数のうち、一票 の価値の影響力の大きさは、ちょうど真ん中に当たる。 経過日数からのパスの符号は負、投票率へのパスの符号 は正であり、一票の価値の低下が投票率の低下を招いて きたと言うことができる。 また、衆院選同日選挙と参院選同日選挙は、それぞれ 独立で投票率を高めている。この影響は一過性のもので あり、経過日数からの影響は受けない。 現職者立候補の投票率への影響は、直接の影響を及ぼ す 7 変数で最も小さい。直接のパス係数の符号は正であ り、投票率を高める方向に働くが、現職者立候補は惜敗 率で表される競争度を低くすることで投票率を低くする 方向にも働いている。惜敗率を通じての間接効果の積和 は−0.082 であり、直接効果の 0.048 を打ち消し、全体 としては投票率を低める。 経過日数からの影響を受ける一票の価値、第三次産業 就業者比率、議会選同時選挙、惜敗率の 4 変数に注目す ると、経過日数からこれらの変数を最終経路として投票 率へ向かう 4 経路のパス係数の積和はそれぞれ、一票の 価値−0.071、第三次産業就業者比率−0.282、議会選同 時選挙−0.090、惜敗率−0.045 となり、第三次産業就業 者比率の影響力が圧倒的に大きい。第三次産業就業者比 率が都市化、惜敗率が選挙の競争度に相当すると考える と、本論文冒頭の図 1 で示した都道府県知事選挙におけ る投票率の長期低落傾向は、主として都市化によって生 じ、議会選との同時選挙機会の減少、一票の価値の減少、 選挙の競争度の低下によって、さらにその傾向が強めら れてきたと言うことができるだろう。

Ⅲ.結論

本論文では、日本の都道府県知事選挙における投票率 の説明要因について計量分析を行い、パス図を作成した。 分析によって、諸々の要因が直接的・間接的に投票率に 対して影響を及ぼす様相が明らかとなった。 長期低落傾向にある投票率の説明要因としては、第三 次産業就業者比率に表される都市化の影響が圧倒的に大 きい。第三次産業就業者比率の伸びはやや鈍化しつつあ るものの依然として進行しつづけており、投票率の低下 は当面つづくものと予想される。 他には、主として統一地方選挙からの離脱に伴う都道 府県議会議員選挙との同時選挙の減少の影響がある。統 一日程に復帰する機会は少なく、このことが投票率低下

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の一因となっている。 有権者数の増加による一票の価値の低下も、投票率に 負の影響を及ぼしてきた。ただし、日本の人口は 2005 年頃をピークとして、すでに減少局面に入っており22) 都道府県知事選挙の有権者数についても、2002 年頃か ら有権者数の減少する府県が出はじめ、直近の各都道府 県知事選挙においては、46 件のうち 16 件で有権者数が 減少している23)。そのため、今後さらに進行すると予 想される有権者数の減少は、投票率の低落にとって多少 のブレーキとなる可能性を指摘できる。 さらには、選挙の競争度も投票率に負の影響を及ぼし ており、都市化による競争度の低下が、投票率の低落を 招いている。 本論文で示したモデルは、モデルの適合度が十分に高 いとは言えず、変数間の関係についてもよく説明できて いるとは言えない部分を残しており、さらなるデータの 拡充とモデルの構築が必要である。しかし、都道府県知 事選挙の投票率に影響を及ぼす諸要因の様相を明らかに することで、その長期低落の要因について、ある程度の 成果を示すことができたと考える。 謝辞 本論文の執筆にあたって、木村高宏氏、善教将大氏、 ならびに匿名の査読者から懇切なコメントをいただい た。ここに記して感謝したい。なお、残された誤りはす べて筆者の責にある。 1 )飯田健「投票率の変化をもたらす要因―投票参加の時系列 分析―」『選挙研究』25 巻 2 号、2009 年 2 )蒲島郁夫『政治参加』東京大学出版会、1988 年 3 )石上泰州「知事選挙の投票率―『選挙の舞台装置』を中心 に―」『選挙研究』21 号、2006 年 4 )決選投票 9 件を除く。 5 )ともに 2007 年の第 16 回統一地方選挙。 6 )選挙期日から直近の 2 時点の国勢調査による各次産業就業 者数を用い、各次産業就業者数が直線的な変化をしていると 仮定して、選挙期日の就業者数を推算している。国勢調査は 5 年ごとに 10 月 1 日を期日として行われている。 7 )うち 1 件は無投票。 8 )東京都は 1965 年の第 6 回都議会議員選挙から、茨城県は 1967 年の第 6 回県議会議員選挙から、統一地方選挙を離脱。 以降、知事選挙と議会議員選挙は分離して行われている。沖 縄県は復帰特別措置法により統一地方選挙外で知事選挙と議 会議員選挙が同時に行われていたが、第 3 回県知事選挙から 分離して行われている。 9 )第 1 回統一地方選挙では、都道府県議会議員選挙は市区町 村議会議員選挙と同時に行われた。 10)第 1 回沖縄県知事選挙については、前身として考えられる 公選の第 1 回琉球政府行政主席選挙からの経過日数とした。 また本土復帰に伴い、もともと 3 年であった行政主席の任期 が延長されているため、任期満了による選挙とした。 11)北海道、宮城県、東京都、大阪府、福岡県は各都道府県内 にある管区気象台、沖縄県は沖縄気象台、兵庫県は神戸海洋 気象台、長崎県は長崎海洋気象台、それ以外の 39 府県では 各府県内の地方気象台とした。地方気象台は主として都道府 県庁所在地にあるが、埼玉県は熊谷地方気象台、千葉県は銚 子地方気象台、滋賀県は彦根地方気象台、山口県は下関地方 気象台となる。また、日降水量は、日付を区切りとする 24 時間降水量。1940 年代のデータの得られなかった岩手県の 1 件、富山県の 2 件は、それぞれ県内の旧宮古測候所、旧伏木 測候所のデータで代用している。1974 年 7 月 7 日の第 8 回 静岡県知事選挙については、静岡地方気象台において一日の 降水量 229.5mm を記録しているにもかかわらず投票率が 81.04% と高いが、当日の天気概況は、投票時間にほぼ相当 す る 昼(06:00 ∼ 18:00) が 曇 時 々 雨、 夜(18:00 ∼ 翌 06:00) が大雨であり、翌日はさらに多い 278.5mm の降水量を記録 しているため、実際の投票時間にはそれほどの降水量がな かったと考えられることから、欠損値としている。 12)第 1 回統一地方選挙の 46 件については、当該都道府県の 官選知事経験者が立候補していても、現職者の立候補として は扱わなかった。ただし、第 1 回沖縄県知事選挙については、 公選の琉球政府行政主席を現職者として扱った。 13)第一位得票者となりながら公職追放され、当選者とならな かった者が存在するため、第一位得票者と当選者は必ずしも 一致しない。 14)惜敗率は、1996 年以降の日本の衆議院議員総選挙において、 小選挙区選挙で落選した比例代表選挙との重複立候補者が複 数名、比例代表名簿の同一順位にある際、順位を決定する基 準として用いられるものであり、朝日新聞、日本経済新聞、 毎日新聞、読売新聞の各記事データベースでは、1992 年以 前の使用例が見当たらず、1993 年の政治改革の議論のなか で現れた比較的新しい用語であると考えられる。 15)競争度の指標として他に、泡沫候補を除く立候補者数も用 いているが、その影響は認められなかった。 16)とりわけ初期の都道府県知事選挙では、得票率の計算に必 要な有効投票数の資料を入手することが容易でなかった。 17)得票率の計算に必要な有効投票数を、投票者数で代用して 求めた値。有効投票数は、投票者数から無効投票数、不受理、 持ち帰り等の数を引いたものであり、わずかな計算誤差が生 じると考えられる。ただし、投票者数の一部も有権者数と投 票率を用いた概算値である。

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18)小林良彰『選挙・投票行動』東京大学出版会、2000 年 19)p=0.085 である。 20)多選回数の 6 回は 4 件、7 回は 2 件と、ケース数が少ない。 21)p=0.068 である。 22)厚生労働省人口動態統計。 23)鳥取県知事選挙は前回選挙が無投票だったため、データが ない。

参照

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