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児童における自律的動機づけと過剰適応との関連について -関係性の視点から-

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(1)平成19年度 学位論文. 児童における自律的動機づけと過剰適応との関連について 一関係性の視点から一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 学校教育学専攻. 学校心理学コース. MO6088J藤村和久.

(2) 目 次. 問題と目的 1 問題の背景. 1−17 1. 1.教育をめぐる現状 2.自律的動機づけの難しさ 3.自律的動機づけに向けて 3. H 理論背景 皿 本研究のめざすところ. 12. W 研究の目的. 15. 1. 2. 3. 4.. 自律的動機づけ尺度の作成 自律的動機づけと,教師認知及び他者受容感との関連を探る 過剰適応と自律的動機づけとの関連を探る 教師の気づきと自律的動機づけや過剰適応との関連を探る. 研究I I 目的 H 方法 1.実施時期及び対象者. 18−32 18 18. 2.調査内容 3.手続き 皿 結果 1.因子分析. 19. 2.信頼性・妥当性の検討 3.クラスター分析 IV 考察 1.各動機づけについて 2.関係にこだわる動機づけの位置づけについて 3.動機づけスタイルについて. 研究H I 目的 H 方法 1.実施時期及び対象者. 26. 33−44 33 33. 2.調査内容 (1) 教師認知尺度 (2) 他者受容感尺度. 3.手続き 皿 結果 1.因子分析 (1) 教師認知尺度の因子分析 (2) 他者受容感尺度の因子分析. 34. 2.動機づけスタイルと教師認知との関連 3 動機づけスタイルと他者受容感との関連について IV 考察. 43.

(3) 研究皿 1 目的. H 方法. 45−65 45 45. 1.実施時期及び対象者 2.調査内容 (1) 過剰適応尺度 (2) 葛藤不安尺度 3.手続き 47. 皿 結果 1.因子分析 (1) 過剰適応尺度の因子分析 (2) 葛藤不安尺度の因子分析 (3) 過剰適応児童の抽出. 2.過剰適応と葛藤不安との関連 (1) 過剰適応群と葛藤不安との関連 (2) 下位尺度毎の過剰適応と葛藤不安との関連について. 3.過剰適応と自律的動機づけとの関連 下位尺度毎の過剰適応群と自律的動機づけとの関連について 5.過剰適応と動機づけスタイルとの関連について 6.過剰適応と学年との関連について. 4.. 64. IV 考察. 研究IV I 目的 H 方法 1.実施時期及び対象者. 66−74 66 66. 2.調査内容 3. 手続き 67. 皿 結果 1.4年生の結果より 2.5年生の結果より 3.6年生の結果より IV 考察. 総合考察 I. H 皿. IV. 児童における,自律的動機づけの特徴 過剰適応と自律的動機づけの関係 過剰適応的な児童に対する教師の気づきについて 今後の課題. 文献 添付資料 謝辞. 73. 75−84 75 76 82 83. 85−89.

(4) 問題と目的 1 問題の背景. 1.教育をめぐる現状 現在,教育をめぐる様々な問題がクローズアップされている。不登校,. いじめなどの問題の深刻化,子どもの自殺や殺傷事件など,枚挙に暇が. ない状況である。文部科学省(2001)の21世紀教育新生プランにおい ては,少子化や都市化の進展,家庭や地域社会の「教育力」の著しい低 下などを背景として,我が国の教育は,いじめ,不登校,校内暴力,学 級崩壊,凶悪な青少年犯罪の続発など深刻な問題に直面していることを 指摘している。最近では,「モンスターペアレント」への対応に苦慮す る学校も多く,組織的に取り組む教育委員会も出始めている。週刊誌や テレビなどのマスコミも,理不尽な保護者に対する批判を強めているの が現状(斉藤2007)としている。他にも給食費未納家庭の増加,児童虐 待の問題などがある。このように,社会情勢を背景にしながらも家庭や 保護者に問題や責任があるとする傾向がある。. しかし,一方で,体罰や飲酒運転,児童生徒へのわいせつ行為など教 員の不祥事,授業や生徒指導などの教育活動をうまく遂行できない不適 格教員の問題,児童生徒への対応が後手後手となるような学校や教育委 員会の体質など,教職員や教育委員会に対する不信も高まっており,社 会全体に広まりつつある。そのような世論を背景として中教審や教育再 生会議において,免許更新制度について議論され,不適応教員に対する 研修制度が各自治体において整備されるなど教員の資質向上を目指す動 きもある。日常の学校現場においても,保護者との連携や,学校評価の 公開,地域との連携などの積極的なサービスが図られつつあるが,「学 校・教員バッシング」「教委バッシング」が少なくなる様相は見うけら れない。むしろ年を追う毎に保護者や社会からの要求が強くなり学校・ 教員・教委への不信が増していく傾向がある。. 一1一.

(5) 「学校や教員が悪い,教委が悪い,そして保護者も悪い」と言うよう にそれぞれの立場で批判をし合う現状において,子ども達の教育の責任 の所在がたらいまわしにされている。齋藤;(2007)は,学校・教員,教委,. 保護者のいずれにも問題が少なくないことは確かであると述べており,. 相互不信を増大させるような最近のマスコミなどの論調からは,本当に 教育を良くするような社会的雰囲気は生まれてこないとしている。その ような中,一番の被害者は,社会的に無力な児童生徒ではなかろうか。. それぞれの立場を批判し合うことでこの深刻な問題を解決に導いていく ことは難iしい。. しかし,学校現場に目を向ければ,様々な教育問題,教員の不祥事な ども話題に挙がることはあるが,ほとんどの教師は,目の前の児童生徒 に対して献身的な態度で教育に携わっていることに気づかされる。学校 現場の教師はこのような教育をめぐる困難な社会情勢の中,猫の目のよ うに変わる教育施策にも対応しながら懸命に教育活動を行っているので ある。多くの子ども達が安心して学校生活を送ることができるのは現場 の教師の教育に対するひたむきさに支えられていると言っても過言では ない。. 2.自律的な動機による学習の難しさ そのような中,現場の教師も苦闘しているといえる。不登校を抱える 学級の担任の負担は大きい。学級崩壊といわれるクラスの状況が増えて きているともいわれ,当該担任教師は苦慮している。そのような様々な 問題の背景は何であるのか。今野ら(2004)は,「家族形態の多様化」「保 /) 護者の価値観の変化」「家庭の教育力の低下」等を挙げてイ・る。このよ. うな学校現場以外の要因に学校の教師が直接介入していくことは難し い。このような現状の中で,子どものこころが分からないことに悩み,. 自らの精神を病む教師も少なくない(石隈1999)。しかし,自らの精神 を病むに至らなくとも学校現場の多くの教師は,保護者対応や教員バッ シングなどを含めた子どもをめぐる様々な問題に追われながら,子ども 達に対して,その場で注意したり,喚起したり,なだめたりするなどの. 一2一.

(6) 対症療法的なアプローチをすることに終始しているのが現状ではなかろ うか。日常的に行われる授業場面においても,同じように,児童生徒の. 学習意欲が高まらない時や,無気力な児童生徒に対して,悩みながらも 対症療法的な態度で臨み,悪循環を繰り返している教師が多くいるので はないだろうか。このような現状の中では,児童生徒が自ら学び考えて いくような自律的な動機による学習は困難であろう。. 3.自律的動機づけに向けて. 那須(1996)も,大人(教師)の世界の都合で,自然な学びのメカニ ズム,意欲のメカニズムにそぐわない形式を強要しておきながら,それ に合わせられない子どもの方に責任を押しつけようとしていると言及し ている。学校現場の教師は目の前の児童生徒に教育を行う中で,試行錯 誤しながらも,目一杯頑張らせて目標を達成させようとする傾向がみら れるが,自然な学びのメカニズム,意欲のメカニズムに従って児童生徒 のアセスメントを行い,学校生活の中に応用していくことはこれまでの 教育の中であまり取り入れてこられなかったことであり,これまでの対 症療法的なアプローチからの転換の第一歩であろう。例えば,教育心理 学の不毛性は古くから叫ばれてはいるが,逆に,教育心理学を中心にと した心理学の理論をひもといて,学校現場での実践に生かしていくこと は,多くの教師が試行錯誤しながら苦闘する近年の対症療法的なやり方 に大きなヒントを与える有効な方法であるのではないだろうか。自己決 定感が高い学習である自律的動機づけ(速水1998)が,近年,注目を集 めている。以下,理論背景について説明していく。. H.理論背景 Maslow(1954)によって提唱された欲求階層説(Hgure 1)の中の最高次の. 概念である自己実現は,教育や子育ての鍵概念になる(光武1999)とさ れている。MaslowはCar1, R Rogersらと同じように「人間は基本的に,. 自分をよりよいものに,そしてより健康なものに成長させようとする方. 一3一.

(7) 向に動く存在である」とするヒューマニスティック心理学の立場をとる。 光武(1999)は,ヒューマニスティック心理学が,病理よりも健康な面に. 焦点を当てている事を指摘した上で,現在では,人間尊重や個性を重視 する教育に強い影響を与えているとしている。. 一4一.

(8) 妻 、生塵 Figure l欲求階層説(光武1999による). 一5一.

(9) 欲求階層説を,今日の児童生徒をめぐる問題に当てはめてみる。問題 の背景となっている現代社会は,とりわけ人と人との繋がり,つまり,. 関係性が薄くなる傾向が強い。核家族化や共働き夫婦の増加。家庭での 個食の問題。地域での子ども達同士のコミュニティも失われ始めており,. 子ども達同士が遊ぶとしても,コンピュータゲームを介すること多く,. 友だちと対面して,ふれあいながら,ぶつかり合いなが遊ぶ姿を見るこ とは少なくなった。加えて,携帯電話やインターネットの急速な普及に よって,そのような傾向が一層強くなってきていると考えられる。この ように,人と人と関係性が弱く,信頼感や受容野が満たされていない状 態は,つまり,欲求階層説で言う「集団所属と愛」の欲求が十分には満 だされていない状態といえる。「集団所属と愛」が満たされない状態で は,自分の能力を認められたり,人から自分のことを認知されにくくな り,「自己尊重」の念を持つことが困難になると考えられる。「自己尊 重」をすることが難しければ児童生徒自身が自信を持つことも難しくな るため,自律的に自己決定をしたり自律的な動機によって学習していく. ことも難しくなる。その結果,「自己実現」をしていくことが難しくな るのではないだろうか。桜井(2000)も「必然性の観点からは『他者から. の受容感(ここでは集団所属と愛)』がうまく育成されるような環境さ え用意してあげれば,子ども達には『他者からの受容感』のみならず『自. 信(ここでは自己:尊重)』も『主体性(ここでは自己実現)』も培われ ることになる」としており関係性の大切さを指摘している。 Harlow(1958)の,サルを用いた代理母親の実験も同じような示唆を私. たちに与える。布製のサルと授乳機能のついた針金製のサルとの比較実 験の中で見出されたことで,子ざるは針金製のサルからの授乳よりも,. 布製のサルのスキンシップを好む。さらに,後者の方がサルの活動範囲 が広くなる。つまり,母親との触れ合いが子どもに愛着を形成し,それ が安全基地の役割を果たすことを見出したのであり,安全基地を意識で きる場合には自律的に行動することできることを意味している。ここで も,『受容感』や『愛』を含めた関係性を大切にすることが,自律的な 行動に繋がることを意味していると考えられる。. 一6一.

(10) 今回の研究は,Maslow等のヒューマニスティック心理学の流れをく んだ研究を基盤にしているため,近年のヒューマニスティック心理学の 動きも概観する。. 最近のヒューマニスティック心理学をリードしているのがDeciと Ryanによる「自己決定理論」(Deci&Ryan,2002)である。自己決定理論 の中でも,Maslow(1954)の「集団所属と愛」「自己尊重」「自己実現」に. 対応するものとして「関係性の欲求」「有能さへの欲求」「自律性の欲 求」が位置づけられていると考えられ,人が生得的に持っている心理的 欲求として特定している。. 自己決定理論とは,これまで内発的一外発的という二項対立的に捉え られることが多かった動機づけを,自己決定性という観点から一次元上. の両極として捉え,連続性を持つものとしている(岡田・中谷2006) (figure 2)o. 一7一.

(11) 白d治定牲低 ・←. 噂 痴話定論轟. 外的 無力状態. 取導入れ豹 詞・化的 二合的 三三的 動機づけ 動機づけ 軸機づ酵 動機づけ 動機づ縫. Figu罫e 2 連続体としての動機づけの分類(速水肇998による). 一8..

(12) つまり,外発的動機づけを自己決定感の程度により「外発的動機づけ」. 「取り入れ的動機づけ」「同一化的動機づけ」「統合的動機づけ(定義. が曖昧になる為,今回は扱わない)」「内発的動機づけ」とし,適切な 働きかけによって,より自己決定性の高い動機づけが形成されることが 想起されているのである(岡田・中谷2006)。速水(1998)も,これまで. の内発的動機づけに関する議論ではあまりに目的性一手段性の視点が偏 重されてきたことに注視し,日常的な行動内容を考えると本当に重要な のはむしろ自律的にやろうとするか否かということが必要だと述べてい る。また,速水(1998)は,第二の視点である自己決定性の視点と,第一. の視点である目的性一手段性が独立したものとみなして,二つの視点に よる四つの動機づけの二次元分類を行っている(丘gure3)。速水(1998)は,. 日常生活の中で重要なのは自律的にやろうとするか否かということとし ながら,自己決定感の高い動機づけを「自律的動機づけ」という言葉で 表現している。具体的には,同一化的動機づけや内発的動機づけが自律 的動機づけとなる。本研究では,自己決定理論をもとにした自律的動機 づけを中心に研究を進めていく。. 一9一.

(13) 目的的. 内発的動機づけ. 他律的. 自律的. り入れ的動機づけ. 同一化的動機づけ. 外発調整. 手段的 Figure 3動機づけの二次元分類(速水1998). 一10一.

(14) 自己決定理論では,これらの動機づけのもととなる基本的な欲求とし. て,自律性の欲求,コンビテンスの欲求,関係性の欲求が挙げられる (Deci&Ryan,1991)。そして,これらの欲求が満たされると外的な価値. が内在化され,より自己決定の程度の高い動機づけ,つまり自律的動機 づけを持つようになることが仮定されている。. 実際,児童の学習動機を概観してみると上記のような自己決定感を軸 にした動機づけの形態がみられる。しかし,自己決定理論のベースの一 つである関係性の欲求そのものに固着し,学習動機を見いだしている児 童が比較的多くみられるように感じられる。この傾向は児童の発達段階 での自我が未熟な状態であることが影響を及ぼしていると考えられ,児 童の特性の一つとも考えられるのではないだろうか。例えば「みんなと 一緒にいるのが嬉しいから」「先生やおうちの人の喜ぶ顔が見たいから」. 等の関係性を持ちたい傾向が,そのまま学習動機になっていること,又. は,ヂ1番にならないと家の人が認めてくれないから」「勉強すれば先 生や家の人がかまってくれるから」等の,関係性を無くしたくなかった り,維持したいと考えることがそのまま学習動機になっていると考えら れる。. つまり,上記のように,欲求階層説や自己決定理論をもとにしながら,. 現代の児童生徒をめぐる問題を考えてみると,人と人との繋がりが薄く なる傾向と子ども達をめぐる様々な問題の増加とが密接に関連している ように思えてならない。少なからず子ども達は「集団所属と愛」,いわ ゆる関係性の欲求が満たされないままに,無理をして頑張り続けたり,. 不安定になっている状態とも取れる。つまり,生得的な欲求である関係 性の欲求が満たされずに,家庭のみならず,学校,そして授業中におい ても関係性の欲求を満たすことが学習動機そのものになっているのでは ないだろうか。そこでは,学習が目的的に行われているのではなく関係. 性の欲求を充足させるための手段として行われていると考えられるた め,「学習中だけど関係性を求めたい」とするような矛盾や葛藤が生じ ているのではないだろうか。その際に子ども達の中に無理が生じ,過剰 適応の傾向をしめすのではないだろうか。このように,現代の子ども達. 一11一.

(15) の中には,関係性にこだわることによって過剰適応を引き起こしている 児童が少なからず存在すると仮定して研究を進めていきたい。自分を良 く見せたい,もしく自分自身に自信が無いために周囲に合わせようとす る等の状態は,自律的動機づけは必ずしも高くはなく,確固とした自我 も形成されてはおらず,自我が揺らいでいる状態である考えられる。つ まり,過剰適応とは,友だちや教師との関係性に固執するあまりに,不 安も高く,他人からの受容感をも感じることが難しく,苦しい状態でも あるのではないだろうか。. 菅野(2006)は「人間っていいものだなあ」という体験によって心の基. 礎が形成されるともしている。つまり,関係性にこだわり,偽りの自己 で人と接する過剰適応の児童生徒は,人間の良さ体験が不足している状 態なのではないだろうか。菅野(2006)は一方で,上記のような人間の良. さ体験の不足が,息切れ型の不登校をはじめ,反社会的問題行動,いじ めなどさまざまな不適応行動の原因となることも指摘している。よって,. 自律的動機づけ理論をもとに,関係性に着目して過剰適応の児童生徒の 実態を明らかにすることは,子ども達をめぐる様々な問題を解決するた めには,有効な手段であると考えるのである。. m 本研究のめざすところ. 先に述べたように,児童生徒が教室での授業場面だけでなく様々な場 面で,人との関係性を求めているようにみえても,自律性の基盤となる ような確固とした関係性を形成できていない場合,どういう理由がある のだろうか。関係性を基盤にした動機づけではなく,児童生徒の動機づ けの状態の中で関係性に固執したような動機づけが存在するのではない だろうか。これまでの,児童生徒の関係性や,関係性と動機づけに関す る研究は,上野他(2000),三島・宇野(2004),河村・田上(1997)などの. 教師の児童生徒に対する関わりについての代表的な研究において触れら れてはいるが,非常に少ない。自己決定理論の中でも,人との関係性が 自律的動機づけの基盤の一つとされているが,児童生徒の学習を観察す. 一12一.

(16) ると,関係を求めること自体に学習の動機を見いだしているであろうケ ースが数多く見られる。しかし,自律的動機づけ理論をもとにした動機 づけ研究の中で,関係性に関する動機づけを仮定した研究は皆無であり, 学習動機と関係性について踏み込んだ研究が必要と考えられる。つまり,. 自律的動機づけ理論に基づきながら,児童の実態に即した,新しい動機 づけ尺度を構成する必要がある。. それに,今回は自己決定理論をもとに考えていくが,先程も述べたよ うな関係性は外からの影響であり外発的動機づけの一部となる。よって,. 私たちの行動は,外発的動機づけに支配されていると言っても過言では ない。つまり,児童生徒自身の関係性の認知や,児童生徒自身の援助資 源の認知などは外発的動機づけの一つである。その一つとしての児童の 自律的動機づけに影響を与える教師の行動に関するこれまでの研究は,. 児童生徒を統制して課題解決に至らせる指導と,児童生徒の要求や意見 を教師が配慮して支援・助言する指導とに分類し,いずれの指導が児童 生徒の自律的態度を促進するかを検討してきた(弓削・松田2003)。例 えば,行動統制的指導態度と自律支援的態度との分類(Deci Nezlek& Sheinman l981;鹿毛・上淵・大家 1997),教師中心部指導と児童中心. 型指導(小室 1955),直接的指導と間接的指導(Amidon Flanders& Temple l961),目標達成行動と集団維持行動(三隅・吉崎・篠原 1977). などが挙げられる。最近の研究で,弓削・松田(2004)は,教師と児童と. に共有の課題を設定する行動と解釈できる指導行動のカテゴリーを見い だしている。しかし,これまでの研究では,教師の指導行動に重きを置 いた研究がほとんどであり,関係性や自律的動機づけとの関連に視点を 置いた研究は見られない。今回の研究では,教師だけでなく周囲の援助 資源との関連を含めて自律的動機づけとの関連について考えていく。 新井(1995)は,学習意欲の発達モデルを提唱しているが,その中で,. 児童生徒の自己目標実現のための学習意欲,つまりここで言う,自律的 動機づけによる学習は年齢とともに増加するとしている。しかし,その 事に対して疑問を感じざるを得ない。若い世代の離職率の高さ,フリー ターやニートの増加などを考えると,本当の意味での自己実現,つまり. 一13一.

(17) 自律的動機づけを主とした学習が行われたとは到底思えないのである。. 先にも述べたように,「集団所属と愛」が満たされない状態では,自 分の能力を認められたり,人から自分のことを認知されにくくなり,「自. 己尊重」の念を持つことが困難になると考えられる。そして,「自己尊 重」をすることが難しければ児童生徒自身が自信を持つことも難しくな るため,自律的に自己決定をしたり自律的動機づけによって学習してい くことも難しくなるのである。現在の若者を巡る社会情勢は,そのよう. なことを反映していると考えられるのではないか。特に,児童期におい ては,社会化の過程が優先し,青年期に入ると,自己意識の高まりと共 に自分自身の精神・内界を観察しはじめるため,個性化の側面が重要な 課題となっている(宮川1977)としている。児童期においては「集団所 属と愛」や「自己尊重」よりも社会化の過程を優先するような矛盾,つ まり,関係性に固執するあまりに周囲の人間関係に過剰に適応している のではないだろうか。よって,児童期には周囲に過剰に適応しながら「素. 直なよい子」「模範生」などと言われながら,一見何の問題もなく過ご してきた子どもが,青年期に至って問題を表面化するという現象(桑山. 2003)も理解できるのである。さらに,今日の子どもを取り巻いている 社会や学校の状況を考えてみれば,競争社会の原理である「できること,. 優ることはよいことだ」という価値観が支配的である(桑山2003)。こ うした基準で評価されると,子どもはもう無条件の愛情や承認を与えら れなくなってしまい,常に,「なになにができたら」という条件付きの 愛情,条件付きの承認が与えられることになる(鈴木1991)であろう。. それに,日本人がもっている従来のよい子の枠組みは「いわれたことを すなおにきく」であり,小学校低学年の児童でさえも「いわれたとおり にちやんとする」子どもをよい子だと考えている(遠藤1995)。このよ うな文化・社会的背景の中で,自分を押し殺してしか”よい子”,つまり. 大人から是認される存在ではあり得ないという状況が,子どもの対大人 適応を過剰にし,「小さな大人」を作り出す(桑山2003)と考えられてい る。子ども達同士の状況を考えてみれば,鵜飼(1992)は,いじめ問題に. ついて述べる中で,子ども達は「ひたすら身近な友だちを刺激しないよ. 一14一.

(18) うに気を遣い,はっきりした自己主張を避け,他人に合わせ,当たり障 りのない人間関係を維持しようとして生活している」とも述べられてい る。授業場面においても,教室の雰囲気を概観するならば,友だちが挙 手しているのを確認してから手を挙げたり,友だちと同じような意見に 終始する授業場面に出くわすことも多々ある。大人の行動の中にも同じ ような傾向が見られることから,日本文化の特徴ともいえると考えるの だが,このような,文化や社会的背景の中で,本来であれば,自分でも のを考え,決定し,自己主張していく中で,少しずつ自己のアイデンテ ィティを形成していく時期に,それを阻まれて,人の価値に左右された り,人の目が気になったり,受け入れられようと頑張りすぎたりするな ど,過剰適応的な毎日を送らざるを得ない児童生徒の現実があると考え られる。人間関係が希薄になり,Maslow(1954)の言う「集団所属と愛」. や生得的な「関係性の欲求」が満たされにくい児童生徒をめぐる現代社 会の特徴は更に強くなっていくであろう。児童にとって,そのような環 境の中での自己実現は難しいのではないだろうか。このように過剰適応 しながら生活を送る児童生徒は,ストレスフルな毎日を送る中で,苦し い思いをしていると考えられるため,児童が学校生活で最も多くの時間 を過ごす学習場面に注目して,関係性に視点を置きながら自律的動機づ けと過剰適応との関連について明らかにしていくことにより,より自律 的動機づけに繋がるヒントが得られるのではないだろうか。. 過剰適応傾向が強い児童生徒に対しての支援のヒントが得られたとし ても,身近にいる教師や保護者などの援助する側からの気づきがなけれ ば支援は難しい。つまり,過剰適応傾向が強い児童生徒は,意識的にし ろ無意識的にしろ,がんばり続けることを良しと考えているであろうた め,その苦しさを援助する側に訴えてくる事はあまり期待できない。そ れならば,学校においては,過剰適応傾向が強い児童生徒に対し教師が 気づき支援していく必要がある。これまで,教師の「気になる」児童生 徒の研究はいくつか見受けられるが,「気になる」児童生徒の概念の幅 が広く,過剰適応に視点を合わせた研究は見られない。よって,過剰適 応に視点を置いた,教師の「気になる」児童生徒の実態を把握し分析し. 一15一.

(19) ていくことは,過剰適応傾向の強い児童生徒に対する教育現場の支援に ついての提言が得られるかもしれない。. IV 研究の目的. 1. 自律的動機づけ尺度の作成. 上記により,学習中の動機づけの中に「関係性に関する学習動機」を 仮定した。既存の動機づけ尺度は,現代の児童の実態に必ずしもそぐわ ず,関係性に関する学習動機を仮定して作成されてはいない。よって,. 新しく構成する必要がある。その為に,既存の動機づけ尺度の作成に関 する研究をもとに下位尺度及び,下位項目を吟味しながら自律的動機づ け尺度として再構成していく。. 2。自律的動機づけと,教師認知及び他者受容感との関連を探る. 自律的動機づけと教師認知や他者受容感を関係性の視点から分析す る。つまり,自律的動機づけと教師認知の実態や他者受容感との関連を 明らかにすることで,児童生徒が教師をどのように認知しているのか,. そして,親や友人を含めた周囲の人からの受容感はどの程度であるのか 実態を把握すること。そして,教師認知や他者受容感を含めた関係性が,. 自律的動機づけとどのような関連があるのかを探っていく。つまり,欲 求階層説(Maslow l 954)でいう「集団所属と愛」について教師認知や他. 者受容感をもと見ていき,自律的動機づけとの関連を探りたい。このよ うな研究により,自律的動機を持って学習する為の周囲の支援の在り方 を明らかにできるのではないだろうか。. 3 過剰適応と自律的動機づけとの関連を探る 主に関係性を視点に置きながら,自律的動機づけと過剰適応との関連 を明らかにする。人の意見に左右されがちであったり,人からの評価を 過剰に気にしての学習というのは,学習中の人間関係において過剰に適 応している状態と考えられる。齋藤(2006)は,不登校準備段階の学校生. 一16一.

(20) 活で過剰適応的な姿勢が目立っているとしている。その背景には,不安 や葛藤も抱えているとも考えられる。そのため,自律的動機づけと過剰 適応との関連を明らかにしていくことで児童が,安心して,より自律的 動機づけを主として取り組むことを可能にするための方法が見出させる のではないだろうか。. 4 教師の気づきと自律的動機づけや過剰適応との関連を探る 教師は,教育現場において,児童生徒と接する中で様々な気づきがあ ると考えられる。今回の研究の一つの視点である過剰適応傾向が強い児 童は,教室の中で苦しい思いをしている可能性が高い。このような児童 に対して気づいたり,援助する立場である教師は,このような過剰適応 傾向が強い児童に対して気づくことが好ましい。ここでは,担任教師へ のアンケートをもとに,教師の気づきと自律的動機づけや過剰適応につ いて調査をし,過剰適応の傾向と援助についての提言を明らかにする必 要ががあるのではないだろうか。. 一17一.

(21) 研究1 1 目的 自律的動機づけ尺度の作成. H 方法 1.実施時期及び対象者. 平成19年6月初旬に佐賀県A市立B小学校及び,C町立D小学校に 在籍する4年生から6年生379名を調査対象者とした。分析は回答に不 備があった24名分を除き,355名を対象とした。. 2.調査内容 自律的動機づけ尺度48項目を作成した。本尺度を作成するにあたり,. 児童が主に学習面で活性化される際の感情を考慮しながらリストアップ した。これまで,児童の自律的動機を見ることができる尺度が存在しな かったため,児童の自律的な価値付けの変化が分かる項目にも重点を置 いた。あわせて,関係性にこだわる動機づけにも視点を置きながら作成 した。作成の際には,速水(墨998)の自律的動機づけの定義及び,桜井 (1989)による小学生用の学習動機測定尺度,速水・田畑・吉田(1996)に. よる中学生・高校生用の学習動機づけ尺度を参考にした。回答形式は, そう思う(4),少しそう思う(3),そう思わない(2),全ぜんそう思わな い(1)の4件法で評定を定めた。. 3.手続き 調査はクラス担任に依頼し,すべてクラス毎に集団で実施した。なお,. 本調査は,学校長,担任教師の了解のもとで実施された。教示は「あな たが学校や家でがんばるわけを教えてください」と質問用紙に明記して おいた。担任の回収後はクラス毎に袋に密封し,学校で一括して郵送し. 一18一.

(22) てもらった。. 皿 結果. 1.因子分析. 自律的動機づけ尺度50項目に対して重み付けのない最小二乗法・プ ロマックス回転による因子分析を実施した。その結果,固有値の推移や 解釈可能性から6因子解35項目を妥当と判断した(Table l)。. ・第1因子『内発的動機づけ』(α=.86). 「むずかしいもんだいにもちょうせんしたいから」「もんだいをとく. のが楽しいから」など7項目 ・第H因子『関係固執的動機づけ』(α=.77). 「先生やいえの人にほめられたいから」「先生がやさしく教えてくれ るから」など7項目 ・望地因子『取り入れ的動機づけ』(α=.70). 「テストの点が悪くなるのが嫌だから」「まわりの人についていけな くなるのがいやだから」など7項目 ・第IV因子『外的調整による動機づけ』(αr73). 「まわりから『勉強をやれ』と言われるから」「先生が勉強しなさい と言うから」など6項目 ・第V因子『同一化的動機づけ』(α=.82). 「勉強は,生活に役にたつことだから」「勉強することは大切なこと. だから」など5項目 ・第VI因子『関係喪失回避i的動機iづけ』(α=.72). 「友達にまけると家の人が嫌な顔をするから」「1番にならないと家 の人がみとめてくれないから」など3項目. 第1因子及び第皿因子から第V因子は,これまでの理論で見出されて いたものだが,第II因子と第IV因子は,これまでの理論にはなく,新し. 一19一.

(23) く見出された因子である。. 一20一.

(24) Table 1自律的動機づけ尺度の因子分析結果(Promax回転後の因子パターン) 谷 α=.86 16.むずかしいもんだいにもちょうせんしたいから 6。もんだいをとくのが楽しいから. .89. 一.01. 一.18. .08. 一.06. .82. 一.12. 一.06. 一.04. .05. .00. 31.頭をつかって考えることが好きだから 穏.できるようになることがおもしろいから 21.分からないことが分かるとうれしいから 27.世の中やしぜんのことについて知りたいから. .79. .03. 一.17. .13. .08. 一.05. .61. .02. .16. 一.05. .07. 「04. .52. .02. .25. 一.25. 。00. .05. .44. 「02. .09. .15. .26. .02. .34. .24. 一.12. 一.09. .04. .11. 一,02. ,81. .06. 一.20. 一.11. 一.05. .69. .03. .0准. 一.11. .07. .63. 一.20. .08. .10. 「15. .56. 一.04. .11. .10. .08. .憶2. .43. 「06. .06. .16. 一.06. 30、先生や家の人をあんしんさせたいから. 。10. .42. .23. .15. .08. 「08. 46,家の人が自分のために仕事をがんばってくれているから. .12. .36. .11. 「01. ,04. 一.04. 37.みんなの前ではっぴょうできるとうれしいから. 第皿因子関係固執的動機づけ(α=.77) 43.先生や家の人のよころぶ顔を見たいから 41。先生や家の人にほめられたいから 44.たんにんの先生といるのがうれしいから 36.家の人に自分をもっとすきになってほしいから 20.先生がやさしく教えてくれるから. 壷皿因子取り入れ的動機づけ(α=.70) 13.テストの点が悪くなるのがいやだから 18.テストで100点を取りたいから. ,05. ・.65. .25. .06. .58. 34.まわりの人についていけなくなるのがいやだから. 一.09. 一.07. .56. 8.自分だけが分からなくなるのがいやだから. 一.21. 「09. ,53. 39.もんだいをまちがえてはずかしい思いをしたくないから. 一.15. 一.03. 23.大人になってはずかしくないようにしたいから 47.友だちにまけたくないから. 一.06 .10. 一.0准. .04. ,03. 一.04 .13 一.08. 一.13. .01. 一.18. 一.04. .10. .12. 一.03. .09. ,20. 一.02. .51. .00. .06. .16. .03. .48. 「05. .22. 一.14. 「05. .38. 一.02. 一.03. .17. 一,01. 第W因子外的調整による動機づけ(α=.73) 19.まわりから「勉強をやれ」と言われるから 14.家の人が「勉強しなさい」とうるさいから 4.先生が「勉強しなさい」と言うから 9.勉強しないと,まわりの人がもんくを言うから 24.先生がしゅくだいを出すから. .08. 一.01. 一,04. .71. 一.08. .15. 一.08. .08. .70. 一.11. .11. .00. .59. .02. 一.04. .19. .45. 一.12. .02. 一.06. 一」0.. .00. .06 一.11. 一.09. .03. .02. .43. 29.勉強しないとほしいものを買ってもらえないから. .10. .07. .06. .39. 一.13. .27. 第V因子同一化的動機づけ(α=,82) 2.勉強は,生活に役にたつことだから. .06. .21. .15. .07. 一.06. 一.01. 一.08. .69. 22.勉強することは大切なことだから 7.しょうらいの自分の仕事に役にたちそうだから. .06. .06. 一,02. 一.13. .67. .02. .08. ,08. ,05. ,59. 17.べんきょうには大事なことがたくさん入っているから. .28. 一.05. ,07. 一.02. .50. .01. 12.勉強して,りっぱな人になりたいから 第W因子・関係喪失回避的動機(α=.72) 45.友だちにまけると家の人がいやな顔をするから. .17. ,09. .11. 一.01. .46. 一.02. .08. 一.04. .13. 一.06. 一,04. .72. 42.1番目ならないと家の人がみとめてくれないから 38.100点じゃないと家の人が自分をきらいになるから. 一.01. .01. 一.09. ,06. 。13. .67. 一.05. ,05. .02. .05. 一.03. .66. .58. .33. 「32. .57. .01. .51. 一.14. .46. .20. .34. .17. .13 一.11. 日. 1 五. 皿. .11. 一.33. V. .39 一.05. 一21一.

(25) 2.信頼性・妥当性の検討. 信頼性に関しては,内的整合性を調べるためのα係数が,全体的に満 足できる水準に達していた(Table l)。. 3.クラスター分析. 上記のような動機づけが,ある程度連続性を持って存在していること は考えられるが,速水(1998)も述べるように,ある個人がどれか一つだ. けの動機づけを有していることを意味するものではない。例えば,同一 化的動機づけが同一個人内で相対的に一番高くともその人は即発的動機 づけも,内発的動機づけも幾分持っていると考えられる。このように個 人によりある程度の幅や高さの差があると考えられるため,クラスター 分析にて動機づけの傾向を分類することにした。今回のクラスター分析. は,研究H以降の分析と対応させて分析を行う為に佐賀県A市立B小 学校の4年生から6年生199・名を対象にした。. クラスター分析(ward法)を行う際には,6つの下位尺度毎の平均点 を用いた。その結果,デンドグラムを見ながら4つの解釈可能なクラス ターを導出した(Figure4)。概観してみると,取り入れ的動機づけがどの クラスターにも高い水準で含まれている(Table2,Figure5)。取り入れ的. 動機づけが高いのは児童の特徴であると考えられるため,各スタイルを 解釈する際に,取り入れ的動機づけを考慮に入れずに解釈する。クラス ター1(87名:46.5%)は,いずれの動機づけも平均的に維持しているた め,”平均的動機スタイル”と解釈した。クラスター2(30名:16.0%)は,. 同一化的動機が高いながらも,関係固執的動機づけと関係喪失回避的動 機づけに占める割合が他のスタイルの中の関係固執的動機づけと関係喪 失回避i的動機づけに占める割合に比べて比較的高いため,”関係志向ス タイル”と解釈した。クラスター3(54名:28.9%)は,内発的動機iづけと. 同一化的動機づけが他の群に比べて有意に高い。速水(1998)は,自律的. 動機が高いことは,内発的動機づけと同一化的動機づけが高いことであ ると定義していることから”自律性高スタイル”と解釈した。クラスター 4(16名:8.6%)は,逆に内発的動機づけと同一化的動機づけが有意に低. 一22一.

(26) く,外的調整による動機づけが有意に高いため,”自律性低スタイル”と 解釈した。. 一23一.

(27) 至 コi. ヨ「「. 翠 i. l i l l. 事 …. li…. 1「 牛. : : :. 耳. ヨ. 導. : ミ. 引 ;i ヨi. 声. i. 幸 …. i. 熱 碧. i. I. i. I. !. 1. 旨 I. 1. }. 釦. i. I 1. I. I. i. I I I I. I I I 1. 1. [. E. I. I. I. I. 旨. I. l. 「. 剥. 1. 旨. 1. 一ト. 郵 i ミ. i. i. も. 劃. Fig廻re4クラスター分析のデンドグラム. 。24一.

(28) Table2動機づけスタイル毎の自律的動機づけ得点と多重比較の結果 平均的動機S. 、心ロS. 局S. S. 内発的動機け. 2.75. 3.21. 3.55. 1.83. 66,94***. 関係固執的動機づけ 取り入れ的動機づけ. 2.42. 3.14. 2.96. t85. 33.5***. 3,2>1>4. 2.74. 3.45. 3.01. 2.95. 12,82***. 1.92. 222. 2>3>1 3=4. 外的調整による動機づけ. 1.48. 2.74. 31.98***. 同一化的動機づけ. 4>2>1>3. 3.06. 3.63. 3.79. 2.03. 88.57***. 3,2>1>4. 戸哩. 多重比較の結果. 3>2>1>4. 1.5 1.17 1.29 51.45*** 2.22 2>4,1 1=3 多重比較の結果は,1:平均的動機S,2:関係志向S,3:自律性高S,4:自律性低Sを表す。. 関係喪失回避的動機づけ ***P<.001. 3,5. 目内発的動機づナ ■関係固執的動機づけ 團取り入れ的動機づけ 目外的調整による動機づけ. 3 2.5. 2. 囮同一化的動機づけ 圏関係喪失回避的動機づけ. 1.5. 1. 平均的動機S 関係志向S. 自律性高S. 自律性低S. Figure5動機づけスタイル毎の自律的動機づけ得点. 一25一.

(29) 次に,動機づけスタイルを独立変数,各動機づけ得点を従属変数とす. る1要因分散分析を行った結果,すべての動機づけ得点に関して有意な 差が見られ(F(3,183)ニ66.94;F(3,183)=3350;F(3,183)=12.82;F(3,183). ニ31.98;F(3,183)=8857;F(3,183)=51.45,すべてp〈.001),それぞれの動. 機づけスタイルは相互に異なる特徴を有していることが確認された。. TukeyのHSD法による多重比較の結果をTable2に,動機づけスタイル 毎の各動機iづけ得点をFigure5に示す。. IV 考察. 1.各動機づけについて これまでの自己決定理論をもとにした動機づけの研究において児童を 対象にした量的研究が少なく,児童の発達段階や特徴を考慮しながら各 因子の特徴を説明する必要があるため,それぞれの自律的動機づけ尺度 の各因子の特徴を他因子との違いや関連を考慮しながら定義する。尚,. これまでの理論で明らかにされてきた「内発的動機づけ」「取り入れ的 動機づけ」「同一化的動機づけ」「外的調整による動機づけ」において は,これまでの理論を踏まえながら児童の実態に合わせて,必要であれ ばそれらの定義を踏まえて,児童の視点から考慮し直すことにした。. 第1因子『内発的動機づけ』は,やること自体が「楽しいから」「お もしろいから」など,目的的であり,真に内面化,或いは,真に統合さ れた動機づけであると考える。これは,一般的な内発的動機と同じ理論 であるとする。. 第H因子『関係固執的動機づけ』は,今回新しく見出された動機づけ である。つまり,学習がおもしろいから,楽しいからではなく,「先生 といるのがうれしいから」「家の人にもっと好きになってほしいから」. など,学習や学習場面を人との関係性を高める目的として認知している 動機づけであるとする。言い換えるならば,「信頼する人や気が合う人. 一26一.

(30) との人間関係を持ちたい」とする外業的な動機づけであろう。小学校の 教室場面においては,低学年のみならず高学年においてもこのような傾 向はよく見られる動機づけである。つまり,学習すること自体に十分な 価値を見出せず,人につられて行動しがちな児童期においてはよく見ら れる学習動機ではないだろうか。. 第零因子『取り入れ的動機づけ』は,「まわりの人についていけなく なるのが嫌だから」「テストで100点を取りたいから」などのように, 親を含めた周囲の価値に素直に従うような動機づけである。「よい子」. であろうとするような心理的背景があり,学習活動として成り立ちはす るが,学習の価値の内面化,或いは統合されるには程遠く自己決定感は 低い動機づけであると考えられる。まだ,まわりの教師や親などの意見 に流されてしまうような,自我が確立されていない小学生段階であるた め,取り入れ的動機づけは児童にとっては,一般的なものであり,「関 係固執的動機づけ」と同じように児童の学習への適応の一つの形態と言 えるのではないだろうか。. 第IV因子『外的調整による動機づけ』は,「先生が勉強しなさいと言 うから」「勉強しないとほしいものを買ってもらえないから」などに代 表されるように,無理矢理に,或いは条件つきに学習活動が行われてい る動機づけであるとする。一般に言う典型的な外野的動機づけである。. 第V因子『同一化的動機づけ』は「勉強することは大切なことだから」 「将来の仕事に役にたちそうだから」など,身近な価値に確信を持った. り,確信に変わりつつある動機づけであるとする。つまり,「取り入れ 制動機」と対比して述べるなら,迷い無く,学習の価値に確信を持って 取り組んでいる,自己決定感の高い動機づけであるといえる。学習の価 値が内面化され,統合あるいは統合されつつある動機づけとも考えられ る。学習動機が内面化や統合されていくには,2種類あると考えられ, 信頼する人からの指示によるものであれば比較的すんなりと,一方で,. 一27一.

(31) 自分の経験や内省によるものであったら時間をかけて少しずつ内面化, 統合されていくのではないだろうか。. 第VI因子『関係喪失回避的動機づけ』は「友達にまけると家の人が嫌. な顔をするから」「1番にならないと家の人が認めてくれないから」な ど,外部の力関係によって無理に学習させられるのではなく,人との関 係を失うことに対する過剰な防衛を伴う動機づけである。他人の感情に 配慮し過ぎた故の動機づけとも考えられる。関係固執的動機は,いわゆ る関係性の「プラス」の欲求,関係喪失回避i的動機を欠乏を避ける関係. 性の「マイナス」の欲求と考える。つまり,関係固執的動機は,「もっ と関係を深めたいがために関係に向かっていく動機づけ」であり,関係 喪失回避i的動機は「見捨てられ不安が強く,関係が途切れるの恐れ,現 在の関係にすがっている動機づけ」であると言える。. 2 関係にこだわる動機づけの位置づけについて 本研究は,自己決定理論を前提としており,自己決定感の強さを基準 に6つの動機づけの位置を検討する必要がある。. そこで,自己決定感の意味を説明をするならば,自己決定感とは,外 発的動機,内発的動機に関わらず自己決定して行動に移す感覚であり,. 児童の学習場面を当てはめるならば,怒られながらも学習に取り組む児 童は学習に取り組もうとしている意味でも自己決定しているのであり,. 自らの課題を見つけて学習に取り組もうとしている児童も自己決定をし ているのである。前者と後者の違いは自己決定感の強さの違いである。 つまり,自己決定感の強い「同一化的動機づけ」「内発的動機づけ」は,. 自ら学習の価値を内面化している状態であり,自律性の高いと言えるこ とから,学習が自律的に動機づけられていると言えるのである。 よって,「外的調整による動機づけ」「取り入れ的動機づけ」「関係固 執的動機づけ」「関係喪失回避的動機づけ」は,自律性の強さではなく,. 自己決定感の強さによってそれぞれの位置づけをしていく必要がある。. そこで,それぞれの動機づけを位置づけていく。これまでの理論で見. 一28一.

(32) 出されていた,「内発的動機づけ」「同一化的動機づけ」「取り入れ的動. 機づけ」「外的調整による動機づけ」は,そのままの位置で,新しく見 出された「関係固執的動機づけ」と「関係喪失回避的動機づけ」を組み. 入れる。検討する際には,動機づけの二次元分類(速水1995)の図 (∬gure3)をもとにして考える。. 「関係固執的動機づけ」「関係喪失回避的動機づけ」の関係性に関す る似ている2つの動機づけのみで考えてみる。2つの動機づけともに, 関係性に関する動機づけである。しかし,関係固執的動機づけが関係を 高めていきたいとする動機に比べて,関係喪失回避的動機づけは,関係 が途切れるのを恐れ,現在の関係にすがっている動機づけであり,切実 感が強い。よって,自己決定感は関係喪失回避的動機づけの方が強いと 考えられるのではないだろうか。次に,目的一手段の軸を念頭に考えて みると,関係固執的動機づけの方が,切実感が少ないこともあり目的性 が高いのではないだろうか。まとめと言うならば,関係喪失回避的動機 づけの方が自己決定感が強く,関係固執的動機づけの方が,より目的的 であるとしたい。しかしながら,関係固執的動機づけと関係喪失回避的 動機づけとは,ともに関係性に関する動機づけの状態であり,重なると ころもあると考えられるため,概念の違いを示しながらも,ひとまとま りとして考えてみてもよいのではと考える。. 一29一.

(33) 目的的. 他律的. r. 自律的. ’. へ. 機. ,、固執的 、、. 、. り入れ的動 、、. \ 外的調整. 同一化的動機. 、 、、. 、、. 、ム. 動. 関{、喪失回避. 1. 、. ’. !. ㌔。 −ρ ノ. 手段的. Figure6関係固執的動機づけと関係喪失回避的動機づけの位置づけ. 一30一.

(34) 次に,関係性に関する動機づけである関係固執的動機づけと関係喪失 回避的動機づけを,動機づけの二次元分類の何処に位置づけるかを考え. る。この2つの動機ともに,上記で述べたように関係性に関する動機づ けであるため一つにまとめて考える。. この,「関係性に関する動機づけ」は,内発的動機づけや同一化的動 機づけほどは自己決定感が強くないであろう。それに,外的調整のよう には,やらされている動機づけではない。取り入れ的動機づけとの違い は,取り入れ的動機づけは周囲に流されてしまうような傾向があるが,. 関係性に関する動機づけは,人との関係を求めたり,関係を無くさない ように動いているため,取り入れ的動機づけよりも,自己決定感は強い と考える。よって,塊ure6のような形で二次元分類に組み入れるのが適 当と考えられるのではないだろうか。. 3 動機づけスタイルについて. 1要因分散分析を行った結果,すべての自律的動機づけ得点に関して 有意な差がみられ,多重比較を行った結果も,各動機づけスタイルに特 徴的な変化が見られた。. 取り入れ的動機づけが,全ての動機スタイルに比較的,高い水準で含 まれている。自律性高スタイルのような比較的学習へのやる気が高い動 機づけスタイルや,逆に自律性低スタイルのようなやる気が低いスタイ ルにおいても比較的高い。つまり,自我が確立されていない小学生段階 においては,親や教師に素直に従おうとするが,価値を内面化すること は難しいため,取り入れ的動機づけを一般的に持ち合わせていることが 考えられる。. 次に,平均的動機スタイルを除いた,動機づけスタイル毎の特徴を具 体的に述べながら考察していく。自律性高スタイルとは,内発的動機づ けや同一化的動機づけが高く,外的調整による動機づけが低い状態であ り,いわゆる,やる気のある児童の動機づけスタイルであろう。自律性 低スタイルとは,内発的動機づけと同一化的動機づけが低く,外的調整 による動機づけが高い自律性高スタイルとは逆のスタイルであり,いわ. 一31一.

(35) ゆる周囲からはやる気がないと認識されがちな児童の動機づけスタイル であろう。関係志向スタイルは関係喪失回避的動機づけと関係固執的動 機づけが高い動機づけスタイルであり,ここで,関係性にこだわりすぎ るならば,重要な他者との対人関係に過剰適応傾向を示すような児童の. 動機づけスタイルになりうるのではないだろうか。研究1において,人 間関係に過剰に適応した状態の中に過剰適応傾向があるのではないかと 仮説を立てた。関係志向スタイルを人間関係に過剰に適応した動機づけ スタイルと捉えるならば,関係志向スタイルにこそ,過剰適応傾向が強 い動機づけスタイルであると考えるのである。過剰適応との関連は研究 皿において分析及び考察を行っていきたい。. 研究Hにおいては,動機づけスタイルの特徴を踏まえながら,自己実 現,つまり自律的動機づけに至るために必要な概念であると考えられて いる「集団所属と愛」に関係が深いと考える,周囲からの受容感や関係 性に視点を置いて研究を進めることとする。. 一32一.

(36) 研究H 1 目的 自律的動機づけ尺度と児童の教師認知,及び他者受容感との関連を探 る。. H 方法 1.実施時期及び対象者. 平成19年6,月初旬に佐賀県A市立B小学校に在i籍する4年生から6 年生219名を調査対象者とした。分析は回答に不備があった20名分を 除き,199名を対象とした。. 2.調査内容 児童の自律的動機づけと教師認知や他者受容感との関連を調査するた めに,教師認知尺度と他者受容感尺度を実施した。. (1) 教師認知尺度. 教師認知尺度21項目を作成した。教師の指導類型については,代 表的なものとして三隅・吉崎・篠原(1977)のP−Mリーダーシップ論. に基づいた研究がある。それ以来30年余りが経過し,教師の指導に ついての様々な研究がなされてきた。今回の教師認知尺度を作成する にあたり,これまでの研究を概観し,佐藤・篠原(1976)の質問項目, 三隅他(1977)の教師のリーダーシップ項目,三島・宇野(2006)の学年. 末の教師認知分析結果を参考にしながら児童の実態に合わせて作成し たものと,最近の小学生の実態に合わせて独自に作成したもので構成 した。回答形式は,そう思う(4),少しそう思う(3),そう思わない(2),. 全ぜんそう思わない(1)の4件法で評定を定めた。. 一33一.

(37) (2) 他者受容感尺度. 他者受容感尺度14項目を作成した。他者受容感とは、他者が自分 をあるがままに受け入れてくれると思えること(桜井2000)とする。 関連する考えとして丹羽(2006)は「being」とは「自分が自分である. こと」「ありのままの自分」としており,rbeing」を認めるとは、そ の子自身の欲求を尊重することになり,自分に自信のある子どもにな ることができるとしている。桜井の考えと重ね合わせると、他者受容 感の高まりが子どもの自信につながるといえる。続けて桜井(2000)は、. 「他者からの受容感」のもとになるのは、乳児期を中心に形成される 「母親からの受容感」としている。上記のことを踏まえ,”家族から の受容”と”友人からの受容”の2っに分けて独自に構成した。回答形 式は,そう思う(4),少しそう思う(3),そう思わない(2),全ぜんそ う思わない(1)の4件法で評定を定めた。. 3.手続き. フェイスシートは用いずに,アンケート用紙の最後に性別と出席番 号を書いてもらった。担任の回収後はクラス毎に袋に密封し,学校で 一括して郵送してもらった。. 皿 結果. 1 因子分析. (1) 教師認知尺度の因子分析. 教師認知尺度21項目に対して重みなし最小二乗法,プロマックス 回転による因子分析を実施した。その結果,固有値の推移や解釈可能 性から3因子解16項目を妥当と判断した(Table3)。尚,第H因子『中 立公正』と第三因子『学習厳格』においてα係数が低い結果となった。. 被験者数の少なさが原因とも考えられるが,先行研究である三島・宇 野(2006)の教師認知分析結果の因子分析において,「自信・客観」「怖. 一34一.

(38) さ」という『中立公正』『学習厳格』に対応する因子のα係数が,.80. 以上という高い信頼性を得ており今回の研究に採用することにした。. ・第1因子『受容』(α=.83). 「クラスの先生は,クラスの誰かが悲しんでいる時なぐさめてくれま. す」「クラスの先生はうれしい時に一緒に喜んでくれます」など9項 目. ・第H因子『中立公正』(α=.60). 「クラスの先生は,なっとくがいく理由でしかってくれます」「クラ スの先生は,私たちが困ってもまず自分たちで考えるように言われま. す」など5項目 ・第m因子『学習厳格』(α=.45). 「クラスの先生は忘れ物をしたら厳しく注意されます」「クラスでは,. 勉強をがんばらなかったら厳しく注意されます」の2項目. 一35一.

(39) Table3教師認知尺度の因子分析結果表(Pr。max回転後の因子パターン) 谷. 1四谷」α=.83. 10.クラスの先生は,クラスの誰かが悲しんでいる時なぐさめてくれます. .83. 一.15. 7.クラスの先生が教室に入ってくるだけで安心します 21.クラスの先生が私たちを見ていてくださるとやる気が冷ます。. .73. .01. .71. 一.06. 17.クラスの先生は,勉強が分からなくて困っている時,助けてくれます. .63. .00. .15. 1.クラスの先生は,うれしい時いっしょに喜んでくれます 4.クラスの先生は,自分の好きなことや苦手なことも話してくれます 12.クラスでは体育や図工の時に上手な人をよくしようかいされます. .60. .25. 一.06. .55. .03. 一.15. .49. 一.20. .43. .25. .39. .02. 一.03 .00 .08. 一.16. 9.クラスの先生は,大事なことを,子どもの意見を聞いてからきめます 5.クラスの先生は授業中,良い考えを見つけた子によく発表させます 第皿因子「中立公正」(α=.60) 2.クラスの先生は,なっとくがいく理由でしかってくれます 11.クラスの先生は,勉強中に勉強とは関係ないことも話してくれます. .05. .76. .04. 一.18. .52. 一.21. 20.クラスでは,私たちがこまってもまず自分たちで考えるように言われます. 一」0 一.03. 一.06. .44. 3.クラスの先生は,きまりを守らない人にはきびしく注意されます. .14. .35. .14. 16.クラスの先生は,悪いことをした時どの子にも同じようにしかります 第皿因子「学習厳格」(αニ.45). .20. .26. .17. 15.クラスの先生は,忘れ物をしてもあまり注意されません※. 8.一スでは. がんばらかかくて まし注意れせん※. I. 因子. I 一 五. ※逆転項目. 一36一. 一.08. 一.12. 一.03. .53. 一.03. 一.14. .48. 皿. 皿. .61. .17. .23.

(40) (2) 他者受容感尺度の因子分析. 他者受容感尺度14項目に対して重みなし最小二乗法,プロマック ス回転による因子分析を実施した。その結果,固有値の推移や解釈可 能性から2因子解12項目を妥当と判断した(Table 4)。. ・第1因子『友人・仲間からの受容』(α=.77). 「困った時は,クラスのみんなが助けてくれるから安心だ」「楽しく. おしゃべりができる友だちがいてうれしい」など7項目 ・第H因子『家族からの受容』(α=.75). 「家の人が,いつもはげましてくれるから勇気が出る」「家の人は,. いてほしい時いっしょにいてくれる」など5項目. 一37一.

(41) Table4他者受容感尺度の因子分析結果(Pr。max回転後の因子パターン) 1. 項目内容 第1因子友人仲間からの受容(α=.77). ∬. 11いつも,友だちが遊びにさそってくれてうれしい. .80. 一.12. 10楽しくおしゃべりができる友だちがいてうれしい. .67. 一.04. 12友だちは自分のことをいつもはげましてくれる. .61. 4友だちは自分と遊んでくれないことが多い※ 6いつも,クラスのみんなとすごすのが楽しい 8困った時は,クラスのみんなが助けてくれるから安心だ 25みんなの前で失敗した時,笑われたりバカにされることがある 第三因子家族からの受容(α=.75) 9家の人が,いつもはげましてくれるから勇気が出る 1家の人は,いてほしい時いっしょにいてくれる 2なやみがあっても家の人がいるから大丈夫と思う 3家の人は,自分の良い所を分かってくれている 7家の人に話をしてもしんけんに聞いていないと思う※ 1. 一38. 一.25. .48. .06. .47. .28. .42. .00. .04. .82. 一.04. .64. 「08. .63. 「09. .59. rO5 1. ※逆転項目. .26. .60. .50. H .51.

(42) 2動機づけスタイルと教師認知との関連 動機づけスタイル毎に,教師認知の下位尺度毎の得点が異なるかどう かを検討するために,動機づけスタイルを独立変数,教師認知得点を従. 属変数とする1要因の分散分析を行った。その結果,『受容』『中立公 正』において有意な差が見られた(それぞれF(3,183)=19↓ρく.001;F (3,183)=6.07pくOl)。TukeyのHSD法による多重比較の結果をTable5に,. 動機づけスタイルと教師認知との関連のグラフをFigure7に示す。. 多重比較の結果より,『受容』認知において,自律性低スタイルが他 の群より有意に低い結果となった。そして,『中立公正』認知において も,自律性低スタイルは,他の群よりも有意に低い結果となった。『受 容』認知のみにおいて,自律性高スタイルと平均的動機群の間に有意差 が見られた。. 一39一.

(43) Table 5動機づけスタイルと教師認知との関連. つけスイル 平均的動 S 関係心・S 局S. 重比 の旧果. 低S 戸二. ヌ:谷. 2.86. 3」4. 3.30. 中立公正 学習厳格. 3.12. 3.17. 3.22. 2.62. 6.07**. 3.20. 3.10. 3.20. 3.16. 0.20n.s. 2.30. 19.10 ***. 1,2,3>4;3>1. 1,2,3>4. 多重比較の結果は,1:平均的動機S,2:関係志向S,3:自律性高S,4:自律性低Sを表す。 ***ρ〈.001,**ρ〈.01. 聖聖帯. 3.20 3.00. ロ平駒的動撮s 2.80. 困関係志向s 図自稗性菖s ロ堅甲性循s. 2.5σ. 2,40 2.20 2.oo. 畳喜. 中立公正. 掌習厳穏. Figure7動機づけスタイルと教師認知との関連のグラフ. 一40一.

(44) 3 動機づけスタイルと他者受容感との関連について. 動機づけスタイル毎に,他者受容感の得点が異なるかどうかを検討す るため,動機づけスタイルを独立変数,他者受容感得点を従属変数とす. る1要因の分散分析を行った。その結果『友人仲間からの受容』と『家 族からの受容』ともに有意な差が見られた(それぞれF(3,183)=17.31,ρ〈 .ool;F(3,183)=17.48 pくoo1)。 TukeyのHSD法による多重比較の結果を. Tab亘e6に,動機づけスタイルと他者受容感との関連のグラフをFigure8 に示す。. 多重比較の結果より,『友人仲間からの受容』においては,自律性低 スタイルが他の群に比べて有意に低く,自律性高スタイルと平均的動機 スタイルの間にも有意差が見られた。『家族からの受容』においては関 係志向スタイルと自律性低スタイルの間,及び,自律性高スタイルと平 均的動機スタイルの間に有意差が見られた。. 多重比較の結果より,『友人仲間からの受容』においては,自律性低 スタイルが他の群に比べて有意に低く,自律性高スタイルと平均的動機 スタイルの間にも有意差が見られた。. 『家族からの受容』においては関係志向スタイルと自律性低スタイル の間,及び,自律性高スタイルと平均的動機スタイルの問に有意差が見 られた。. 一41.

(45) Table 6動機づけスタイルと他者受容感との関連. けスイル 平均的動機S関係心口S 局S. 低S 戸阻 有意確率多重 の.。果. 友人仲間からの受容. 3.13. 3.27. 3.47. 2.46. 17.31 ***. 3>1,4;2,1>4. 家族からの受容. 2.73. 3.02. 3.38. 2.30. 17.48 ***. 3>1,4;2.3>4. 多重比較の結果は,1:平均的動機S,2=関係志向S,3:自律性高S,4:自律性低Sを表す。 ***P〈001. 棉. 弗棉. 弗棉. 3.40 3.20 3.oo. □平均的動機5 梱関係志向S 栩自律性高s 目自律性低S. 2,80 2.60 2.40. 2.20 2.00. 友人仲閻からの受容. 家族からの受容. Figure 8動機づけスタイルと他者受容感との関連のグラフ. 一42一.

(46) IV 考察. 自律的動機づけと教師認知との関連より,自律性低スタイルの児童は,. 教師を受け入れてくれる存在とは認知しておらず,中立的な立場で指導 したり,分け隔て無く接してくれているとも認知していない傾向が明ら. かになった。この結果は,児童生徒の要求・意見への配慮型指導を主に 教師が実施するとき,学級活動への積極的参加態度(佐藤・篠原,1976) や,児童生徒の積極的な学習参加の言動が顕著である(鹿毛他,1997)と いう報告と一致する。. 『受容』認知のみに着目すると,自律性高スタイルと平均的動機スタ イルの間に有意差が見られたが,この結果は,平均的な動機づけで学習 している児童は,自律性の高い児童に比べて教師からの受容感を感じに くい状態であると言える。やる気のある,自律性の高い児童は教室で目. 立つこともあり,ともすればこのような自律性の高い児童に対して教師 の意識が偏りがちな傾向を反映している可能性も考えられる。. 自律的動機づけと他者受容感との関連においても,自律性低スタイル は,他のスタイルに比べて受容感が低い傾向が認められる。つまり,自 律性の低い児童は友人や仲間のみならず家族からも受け入れられていな いとする意識を持っていると考えられる。『友人仲間からの受容』に着 目すると,上記の教師からの『受容』と同じように,自律性高スタイル と平均的動機スタイルの間に有意差が見られた。平均的動機スタイル,. いわゆる,平均的な動機づけで学習している児童は,自律性の高い児童 に比べて友人や仲間からの受容感を感じにくい状態であると言える。友 人や仲間関係の中でも,自律性の高いやる気がある児童が注目され,他 の動機づけスタイルの児童と比べると受け入れられがちになる。つまり,. 平均的動機以下の児童,特に自律性の二二の児童は,他者からの受容感 を感じにくいという状況であると考えられる。. 序章において,関係性にこだわる児童は,関係に固執するあまりに不 安が高く,他人からの受容感を感じることが難しく,苦しい状態になる のではないかとする仮説を立てていたが,関係性に固執する傾向の強い,. 一43一.

(47) 関係志向スタイルにおける児童の受容感は低くはなかった。他方,自律 性低スタイルにおける児童の受容感が他のスタイルに比べて有意に低い ことは,Maslow(1954)の欲求階層説でいう「集団所属と愛」が,自律性. 低スタイルの児童において満たされていないことも考えられるため,不 安感との関連から最後に総合考察において述べることとする。. 一44一.

(48) 研究皿 1 目的 過剰適応と自律的動機づけとの関連を探る。. H 方法 1.実施時期及び対象者. 平成19年6,月初旬に佐賀県A市立B小学校に在i籍する4年生から6 年生219名を調査対象者とした。分析は回答に不備があった20名分を 除き,199・名を対象とした。. 2.調査内容 児童の自律的動機づけと過剰適応及び,葛藤不安との関連を明らかに するために,過剰適応尺度及び,葛藤不安尺度を実施した。. (1) 過剰適応尺度. 過剰適応尺度16項目を作成した。本尺度を構成するにあたり児童用 A:NエゴグラムのACより7項目と,過剰適応尺度(桑山2003)よりを9 項目を児童の実態に合わせて言い換えて用いた。ちなみに,過剰適応尺 度(桑山2003)は,自分自身に対する自信のなさや周囲からの左右のさ れやすさなど自分を責める反応に代表される「対自因子」と,周囲によ い印象を与えて是認される存在になろうとする他者志向的な態度を中心. と』た「対他因子」に分かれており,ANエゴグラムもそのように分類 される可能性があるため,その確認の為に因子分析を参考として。回答 形式は,そう思う(4),少しそう思う(3),そう思わない(2),全ぜんそ う思わない(1)の4件法で評定を定めた。. 一45一.

Table 5動機づけスタイルと教師認知との関連 つけスイル 平均的動 S 関係心・S 局S 低S 戸二 重比 の旧果 ヌ:谷 中立公正 学習厳格 2.863.123.20 3」43.173.10 3.303.223.20 2.302.623.16 19.10 ***6.07**0.20n.s 1,2,3>4;3>1 1,2,3>4 多重比較の結果は,1:平均的動機S,2:関係志向S,3:自律性高S,4:自律性低Sを表す。 ***ρ〈.001,**ρ〈.01 聖聖帯 3.20 3.00 2.80 2.5σ
Table 6動機づけスタイルと他者受容感との関連 けスイル 平均的動機S関係心口S 局S 低S 戸阻 有意確率多重  の.。果 友人仲間からの受容 家族からの受容 3.132.73 3.27 3.02 3.473.38 2.46  17.31 ***2.30   17.48 *** 3>1,4;2,1>43>1,4;2.3>4 多重比較の結果は,1:平均的動機S,2=関係志向S,3:自律性高S,4:自律性低Sを表す。 ***P〈001 3.40 3.20 3.oo 2,80 2.60 2.40 2.20
Table 10事前萎縮と葛藤不安との関連 低吟  平均群 局群  引値 多重比較の結果 予期不女 状態不安 t871.65 2.662」2 3.22    44.13 ***2.41    10.04 *** 1〈2〈3 1〈2,1〈3 多重比較の結果は,1:低群,2:平均群,3:高群を表す。 ***ρ〈.001 Table 11評価維持と葛藤不安との関連 低群  平均群 局群  戸置 多重比較の結果 予 訓説 状態不安 251 1.92 2642.13 2.692」9 085 ns 2.00n.s Ta
Table 13過剰適応群と自律的動機づけとの関連について 過llも糖 質群 平均群 局方  戸値 多重比較の結果 内発・動  け 関係固執的動機づけ 取り入れ的動機づけ 外的調整による動機づけ 同一化的動機づけ 関係喪失回避的動機づけ 2.86 2.532.521.633.09t33 2.99 2.642,93t933.301.42 2.932。833.432.083.36 1.53 0.51n.s1.76 n.sO.51**1.76* 1.54n.s1.08 n.s 1〈2<31〈2,3 多重比較の結果
+2

参照

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