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<論文>音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用~小学校における口唱歌による組太鼓の学習を通して~

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(1)音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用. 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 ~小学校における口唱歌による組太鼓の学習を通して~ 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科 笹谷幸代. 1.はじめに. 問に否定的な回答をした児童は 57% を超えていた( 国. 小学校で児童は日常的に色々な音楽に囲まれている。. 立教育政策研究所,2010, p.98 )。. 筆者が教える小学校では,給食時間になるとポップスや. このように日常生活と音楽授業における音楽行為が不. 全校朝会の歌,アニメの曲,クラシックなどの音楽が放. 連続になるのは,音楽と人との関係性や音楽そのものの. 送される。休み時間になれば「『グ』と『チー』で,分. 特質の認識の違いにあるからではないだろうか。 そこで,. かれましょ」と歌いながらじゃんけんでグループ分けを. まず授業や課題活動における音楽の身体化がどうなされ. する姿もみられる。運動会は「南中ソーラン 」で知ら. るかを示し,身体化された音楽の教育的意義と価値につ. れる演舞を披露するのが近年の慣わしとなり,アップテ. いて論じることとした。. 1. ンポな≪ソーラン節≫が毎日のようにグラウンドに響き 渡っている。このように児童は状況や目的に応じ,ある 時は必要性にかられ,またある時は自ら進んで関与しな がら音楽のある日常を送っている。. 2.研究の目的 本研究の目的は,日常生活と音楽科の授業との間に児 童と音楽の関わり方に違いがある現状を捉えた上で,こ. 総務省統計局が毎年 10 歳以上の国民を対象に実施し. の課題を解決するための一つのアプローチとして,日本. ている「社会生活基本調査結果」(平成 28 年)による. の文化的コンテクストを活用した「音楽の身体化」の意. と,「趣味・娯楽」の行動者数 9855 万9千人(行動者 率は 87.0 % )のうち,「CD・スマートフォンなどに. 義と価値を明らかにすることである。具体的には口唱歌 による学習法で組太鼓の音楽が身体化される過程と,そ. よる音楽鑑賞」の行動者率は 49.0 %( 第2位 )だっ. の過程の中で構築される学習者と音楽の関係性を探るこ. 2. た 。つまり,多くの人々が自身の自由時間・空間で各々. くちしょうが. ととした。. のニーズに適った音楽を聴く生活を選んでいることがわ かる。 しかし,音楽科の授業となると児童と音楽の関わり方. 3.本研究の視座 3.1. プラクシス哲学と音楽学習. は変わってくる。鑑賞学習を例にとると,その多くの実. 音楽教育哲学者の D. J. エリオットは,音楽作品. 践は楽曲と自分とが出会う状況・目的・必要性は除外し. ( musical works )そのものが何かを表しているという作. て,「集中的聴取3」(渡辺,2012,p.61 )により,特. 品の概念理解を中心とする美的音楽教育の考えに反駁し. 徴的な音楽の諸要素を手掛かりに楽曲理解を試みるもの. て,音楽がそれぞれ特定の文化的コンテクストにおいて. となる。. もつ意味と価値に関連づけ理解されるべきだと主張して. 国立教育政策研究所が平成 22 年 7 月に実施した「特. いる。. 定の課題に関する調査」にも日常の音楽と音楽学習の隔. 彼は音楽( MUSIC )とは,それを取り巻く社会,文. たりが表れている。ふだんの生活の中で CD などによっ. 化,歴史などに連なるコンテクスト下での人々の多様な. て音楽を聴くことがありますか,という質問に肯定的な. 音楽実践であると述べている。そして,人々の音楽実践・. 回答をした児童は,約 90.1 %であるのに対し,音楽を. 音楽行為 ( musical doing / musicing )と,音楽作品. 聴くとき音楽の授業で学んだことを生かそうというと肯. ( musical works )とを区別した上で,それらを音楽的. 定的な意識をもっている児童は約 42.6 %であり,同質. な思考( musical thinking )の産物であると定義してい 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 61.

(2) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 る ( Elliott, 1995, p.40 ) 。. インフォーマルに獲得した太鼓音楽で用いられている表. 本研究では,このエリオットの音楽教育におけるプラ. 現技法や,太鼓のアンサンブルに関する知識を直接的に. クシス哲学を基盤とし,人間自らが音楽に関与し,意味. 課題解決に役立てることもできる。内在的に身体化され. を構築する非言語的・身体的な手続き的知識(小川,. た音楽を活用できる可能性(後述)も自国の文化的コン. 2015)のことを音楽の身体化と定義する。. テクストを教材化するメリットであると言えよう。. プラクシス哲学に基づいた音楽教育における音楽的な 創造性( musical creativity )の醸成は,こう聴くべき, 感じるべき,演奏すべきと一定の美的基準を宣言的知識 として獲得することに徹していては実現できない。 音楽行為の価値はそれが成される状況・目的・関わる. 4. 研究方法 ABC3つの公立学校における実践を行い,それをもと に太鼓を活用した音楽の身体化の過程や,身体化された 音楽と児童の関わりを明らかにする。. コンテクストに応じて変化する。この音楽哲学思想を背. 最初の実践事例はA小学校の有志の部員で構成された. 景にして,音楽の身体化をめざした学習の意義と価値を. 特設音楽クラブの事例である。地域行事(夏祭り・地区. 日本の文化的コンテクストを活用して実践から探ること. 音楽会)での発表に向け,筆者は主指導者の立場で関わ. とした。. っている。 B 小学校の事例は学習発表会における組太鼓の実践で. 3.2. 文化的コンテクストからみた組太鼓の位置づけ 本研究では口唱歌による組太鼓の学習を取り上げた。. ある。 この実践で筆者は, 該当学年のクラス担任であり, 組太鼓の指導者として関わっている。. 日本の音楽は,流派ごとの限定されたコミュニティの. C 小学校の事例は学習参観の様子を中心にまとめてい. 中で伝えられてきたものが多いが,雅楽のように音楽の. る。筆者は特別支援学級において担任の教師とともに学. 形を変えずに伝承されてきたものと,形を変えて発展し. 習全般にわたるサポートをしている。. てきたものがある。. また,事前調査として横浜市内の公立小学校である C. 組太鼓は後者である。複数の和太鼓を並べてステージ. 小学校の 3 年生から 6 年生までの児童 238 名に対し,児. 上で演奏する太鼓アンサンブルの集団は, 1970 年代頃か. 童が日常生活の中でどのような音楽を身近に感じている. らプロ・アマチュアを問わず数多く現れた。その後,組. か,どのような音楽に接しているか実態をとらえるべく. 太鼓はバブル経済期(昭和 63 年~平成元年)の日本政. 意識調査を行っている。. 府の経済政策「ふるさと創生事業」により,町おこしを ねらった地方自治体の間で広まっていった。 つまり,組太鼓は日本の太鼓音楽の比較的新しい形で ある。太鼓の製造販売を手掛ける老舗商店の宮本康良氏 は,演奏スタイルも異なる伝承型の太鼓音楽との混同を 避けるため,組太鼓は「我が国の伝統楽器を使った 21 世紀の音楽」 と公言するべきではないかと述べている (竹 内 2014,p.147)。 ただ歴史的に新しい音楽であるとしても,本研究では 組太鼓の教材としての価値と可能性を肯定的にとらえて いる。例えば,組太鼓の学習は児童にとって自国の伝統 楽器の奏法・学習法(口唱歌)について知覚し,体験す る機会になる。特に,太鼓音楽の特有のノリや間合いを 肌で感じ,学習者同士が「グルーヴィーな身体4」にな る体験は,ジャズ音楽やクラシック音楽のそれとは異な るものである。 さらに,学習者が地域の行事や音楽メディアなどから. 5. 意識調査 5.1. 調査対象・期間 横浜市内の C 小学校第 3 学年 77 名, 第 4 学年 65 名, 第 5 学年 47 名,第 6 学年 49 名,計 238 名へ日常生活 の中で,どんな音楽へ関心をもって接しているかアンケ ート調査を実施した。 この調査は 2019 年 7 月 16 日から 19 日までの間で実 施し,学年や組と性別は特定できるようにしたが,無記 名で回答させた。 5.2. 調査方法と結果 まず,日常生活の中でどのような音楽に関心を持って いるかについて C 小学校の児童の実態をとらえるため, アンケートを記入させた。3学年は音楽の授業時間に音 楽専科の教諭が記入させた。その他の学年は各担任がア ンケートを配布し,特に説明は加えずにアンケートに記 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 62.

(3) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用. 図1 ふだん音楽とどのように接しているか (3 学年~6 学年対象 2019 年 7 月実施) 入させた。 学校音楽と普段の生活の中の音楽にどれほど開きがあ るのかを調べるために,以下の2つの質問を設定した。 (1)普段音楽とどのように接しているか (2)家や学校でどんな曲を聴いているか まず,普段音楽とどのように接しているかについては 以下の選択できる項目を設定し,あてはまらないものは その他に記述欄を設け,複数回答も可とした。 ●演奏に関する選択肢 ①朝の会や朝会で今月の歌を歌う。. 図2 家や学校でふだん聴く音楽 ( 3 学年~6 学年対象 2019 年 7 月実施 ). ②音楽のじゅ業でリコーダーや鍵盤ハーモニカをふく。 ③家で楽器をひいたり吹いたりする。 ④歌や楽器の習い事をしている。. ●音楽ジャンルの選択肢( 複数回答可 )J pop /ロ. ⑤その他( 記述 ). ック,アニメソング,演歌,外国のロック/ポップ ス,クラシック音楽,民謡,和楽器の音楽,イージ. ●音楽を聴くことに関する選択肢. ーリスニング( 軽音楽 ),ゲーム音楽,その他. ⑥音楽のじゅ業でいろんな音楽を聴く。 ⑦コンサートやライブに行ってきく。 ⑧家ですきな曲をきく。. その結果,この質問項目の回答で上位を占めたのは, J pop やアニメソング,ゲーム音楽であった。. ⑨その他(記述) 5.3.. 人と音楽の関わりからみた調査結果. 回答結果から,学校では演奏(歌唱・器楽)と音楽を. C 小学校の調査は家で音楽を聴く人数が多く,前述の. 聴く機会の双方とも多く,家では演奏より音楽を聴くこ. 総務省統計局による調査と符合した結果となっている。. とが多いと答えた児童が多かった。. また,家や学校で聴く音楽として上位を占めた音楽ジ. 次に,家や学校でどんな曲を聴きますか?という質問. ャンルは,いずれも商業音楽に属するものであった。対. 項目では,音楽ジャンルを想起しやすいように大まかな. 象年齢は少し上だが 2018 年度の中学生以上を対象とし. 音楽の分類を提示し複数回答を可とした。該当しないも. た「音楽メディアユーザー実態調査」の報告によれば,. のはその他として自由記述をさせた。. 「アーティストが好きだからその音楽を聴く」という回 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 63.

(4) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 答が 85.8 %を占めており,2 位が楽曲や映像を気に入っ. 面と胴を文字通り締め上げるタイプの太鼓に属する。長. たから(49.8%),3 位がモノや音源として所有しておきた. 胴太鼓と比べて音色がかん高いので,組太鼓では鋲打太. かったから(34.1%)と続く( 日本レコード協会, 2019 )。. 鼓に合わせて演奏されることが多い。. つまり,宣伝活動に長けた商業音楽が多く選ばれてい. ところで,学校現場における長胴太鼓,締太鼓,ばち. る大きな理由は,個人の好みに適っていることと,所有. の保有数は限られている。そのため,児童生徒の手や背. の欲求を満たすことができる身近な音楽であることが大. 丈にあった長さ・重さを考慮して太鼓やばちを手作りす. きな理由と考えられる。. ることもある。例えば,円柱形のごみ箱に布テープを放. ところで,C 小学校では外部指導者を招聘して我が国 の伝統音楽の授業を実施している。こちらはあまり身近. 射状に張り詰め適当な角度と高さで固定すると,簡易な 太鼓ができる。(図45). ではない音楽の部類である。アンケートでは地域のお祭 りでおはやしの太鼓を経験した児童も数名存在したが, 「家や学校で日本の民謡を聴く」は約 16%,「和楽器に よる音楽を聴く」と答えた児童はわずか5%であった。 それでも長い歴史をかけて脈々と受け継がれてきた音 楽文化を現前させることは,学習者に音楽の多様な実践 を知らしめる意義があろう。この視点で自国の文化的コ ンテクストで育まれた太鼓音楽の有用性や教材としての 有効性について検討する。. 図4 ゴミ箱を使った手作りの太鼓. 6.組太鼓の有用性・有効性. ばちを身近な材料を使って手作りするなら,すりこ木. 6.1. 教材として「太鼓」を活用する. 棒をそのままばちにみたてる方法や,好みの硬さの木を. 組太鼓で使われる太鼓は大まかに分類すると皮面を鋲. 児童が持ちやすい長さに切り揃え,紙やすりで面取りを. で打ってとめるものと紐で締め上げるものに分けられる。. する方法がある。30 人前後のクラス学習ではこのような. 小学校音楽科の「おはやしの音楽」の学習で活用されて. 手作り太鼓・ばちは有効な教具になると考えられる。. いる長胴太鼓(図3)は前者である。. 図3 平置き(左)と斜め置き(右) 図5 手作りの太鼓で練習する児童 やぐら. 長胴太鼓は,大太鼓や宮太鼓, 櫓 太鼓,祭り太鼓と も呼ばれ,古来より日本の神事や地域の行事で活用され てきた。学校では一尺三寸から一尺五寸の大きさのもの が用いられることが多い。. 6.2. 口唱歌による学習法の有効性 読譜力や運指が十分に定着していない児童の多くは楽 譜上の音符一つ一つに音名のカナを付したり,運指の確. 組太鼓の設置方法は,平置き台を使う方法,斜め置台. 認をしたりするために多くの時間を要する。その結果,. を使った方法,やぐら台を使った方法などがある。本研. 楽器の奏法の習熟が不十分なまま学習が進んでしまった. 究の事例で紹介する組太鼓の演奏には平置き台と斜め置. り,読譜そのものができず,教師や仲間の演奏を真似て. き台を使った。締太鼓は,紐やボルトを使って両端の皮. 演奏したりする姿が見られる。 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 64.

(5) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 一方,太鼓の学習法は「ドン・コン・ド・コ」などと. 7.フィールド研究. いった擬音語を使った口唱歌で学ぶ。組太鼓には図 6 の. 7.1. 身体化のプロセス:A 小学校における実践. ような奏法譜もあるが,記憶を助ける備忘録のような役. 7.1.1. 地域行事に向けた特設クラブの取り組み. 割である。学習者は指導者の口唱歌のリズムやノリ,間 合いなどを聴いて忠実に模倣するため,楽器に触れるこ とができない環境でも音楽の身体化を進めることができ る。. 対. 象:A 小学校特設音楽クラブ 16 名 (女子 13 名,男子 3 名). 練習期間:2018 年 7 月 24 日~7 月 30 日, 8 月 21 日~8 月 25 日. 山口によると,江戸時代は楽器の音を写す擬音語 が現在よりも多用されており,口三味線とも言われ るように口唱歌自体を伴奏にして楽しむ様子もあ ったという(山口,2017 pp.92 – 100)。. 教材:荒川寿彦作曲≪大樹≫≪高鳴り≫ *2曲とも2パートの組太鼓 特設音楽クラブは期間限定で活動するクラブ活動であ る。クラブ参加者の組太鼓の経験者は 3 分の1,その他 の児童は初心者であった。 7.1.2. 指導計画(10 日間 各日 1 時間 30 分の練習) ①7 月 24 日(火)基本のリズム(於 音楽室) ・練習スケジュール確認(以降同時間帯で活動) 13:00~13:20 体操・口唱歌. 図6 リズムと口唱歌. 13:20~13:45 全体打ち 13:45~14:10 個別練習. 最近の研究では,オノマトペ(擬態語や擬音語)のよ うに音韻と意味の間になんらかの関係性が見られる場合,. 14:10~14:25 合奏 14:25~14:30 片付け. 擬音語は五感に結びついていることが分かっている(坂. まず,口唱歌とばちの握り方,構え,太鼓の面の. 本, 2018)。太鼓の「ドンドコ,ドンドコ……」とい. 打つ場所を確認した。 基本となるリズムと口唱歌を視. う響きをオノマトペで表したとき,多くの日本人は力強. 認できるようにパワーポイントを使って提示した。 口. い太鼓の音を結び付けドンの重さをイメージしている。. 唱歌と太鼓を打つ様子をみて, 練習メニューと今後の. 盆踊りに合わせて太鼓が「ドンドコ」と鳴っているのを. 練習の見通しを立てた。. 聞いた(演奏した)経験をもつなら,祭りの躍動感や季. ②7 月 25 日(水)≪大樹≫練習(於 音楽室). 節感,さらに連動して祭りのにおいや触感さえ想起する. ・練習スケジュールは 23 日と同じ. こともあろう。児童にとって口唱歌という学習アプロー. ・基本のリズムの復習. チは,太鼓のリズムを体現しながらも,個々に内在する. ・≪大樹≫≪高鳴り≫共通リズム「ドンドコ・ドンド. 感性に働きかけることのできる学習方法の一つであると 考えられる。 なお,口唱歌による音楽学習は指導者側の日本の文化. コドコンコ・ドコドコドコドコ」指導 10 日間という短期間で本番(夏祭り)の演奏発表 することが予定されていたため, 効率よく練習させる. 的コンテクスト理解が何より前提となる。なぜなら,口. ことを心掛け指導した。 正面に拡大した楽譜を提示し,. 唱歌による学習法への理解が不十分であるとものまねで. 口唱歌でリズムを繰り返し指導した。. しかない,音楽的創造性がないとの誤解を招きかねない. ③7 月 26 日(木)≪高鳴り≫練習(於 音楽室). からである。日本の「型」の思想が文化にもたらす影響. 「ドコンコ」を「オランダ」と意味のある言葉に代. は,点前の所作が細かく定められている茶道や,手本通. えた口唱歌は,児童のリズム暗唱を助けたが,オラン. りに作品を仕上げる書道などにもみることができるが,. ダの「ラ」にあたるシンコペーションがはっきりしな. 音楽教師も口唱歌による学習法が模倣の美学に基づいて. くなった。そのため,「オランダ」を再び「ドコンコ」. いるということを理解した上で指導が求められるであろ. と指導し直した。 振り付けを部分的につけ演奏させた。. う。 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 65.

(6) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 ・通し練習・立ち位置決定・演奏時間計測 太鼓をセッティングするところから,片付けまで クラブ員同志で活動できるようになっていた。 また, 振り付けの動きと連動して,自然と口唱歌がでてく るようになっていた。遅刻したり休んだりしたメン バーがいて,自分のパートではないところを担当す 図7 リズム譜と言葉に言い換えた口唱歌. ることになっても臨機応変に対応し,演奏できるよ うになっていた。. ④7 月 27 日(金)≪大樹≫≪高鳴り≫A・B パート. ⑨8 月 24 日(金)≪大樹≫≪高鳴り≫前日リハー. 練習(於 音楽室). サル(於 体育館). A・B どちらのパートを担当しても演奏できるよう. 音楽クラブメンバー初心者群の中には,読譜力が. に練習を行った。. 高い児童と,楽譜を読むのが苦手でリコーダーの演. ⑤7 月 30 日(月)≪大樹≫≪高鳴り≫パート練習. 奏もままならない児童が混在していたが,どちらも. (於 音楽室). 口唱歌を覚えることに苦労していた様子はなかった。. A・B のグループに分かれて練習した。口唱歌で暗. この段階では,口唱歌を言わなくても,口唱歌で. 唱しており,すでに楽譜を置くための譜面台は必要な. 表していた音の強弱やメリハリを表現できるように. い児童が目立った。. なっていた。初心者群の誰もが演奏技能の習得に向. ⑥8 月 21 日(火)≪大樹≫≪高鳴り≫練習(於 体. けて興味を失わず練習を重ねることができた。 ⑩8 月 25 日(土)≪大樹≫≪高鳴り≫当日リハー. 育館) A・B のグループに分かれて練習した。約 3 週間ぶ りの練習だったが,演奏に滞りはなかった。. サル(於 体育館) 作曲者の荒川氏は,和太鼓の研修会でこの2つの曲. ⑦8 月 22 日(水)・ ⑧8 月 23 日(木)≪大樹≫≪. のセクションの入れ替えや,繰り返す数などのアレン. 高鳴り≫練習(於 体育館). ジを許可していたため,難易度の高いリズムは割愛し. 図8 荒川寿彦作曲≪大樹≫ 楽譜 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 66.

(7) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 た。 太鼓演奏を成功させたいという意識の高まりから,. ただ,一部の組太鼓演奏の経験者の中には,16 人しか いない部員の名前さえ覚えようともせず,自分の担当し. 自分の場所の太鼓ばかりではなく,仲間の太鼓も進. たパートの太鼓演奏に没頭し単独行動をする姿もみられ. んでステージにセッティングする姿がみられた。. た。最後に挙げた太鼓演奏経験者のコメントから察する. ⑪8 月 25 日(土)夏祭りでの組太鼓演奏. に,特設クラブへの入会目的は太鼓を演奏することで得. (於 A 小学校グラウンド). られる「グルーヴィー」な経験で,仲間を増やすことで. 本番の演奏予定は 15 分ほどであったが,リハーサ. はなかったと考えられる。. ルのときよりテンポが速まり,やや時間的に短い演奏 となった。. 7.2. 音楽の身体化と拡張型の学習:B小学校の実践 7.2.1. 学習発表会に向けた村人役の取り組み. 7.1.3. 児童の振り返り作文からみた組太鼓の有効性. 対. 以下は,児童の振り返りコメントである。(カッコ内 は筆者の加筆) ・たくさんの人の前で演奏するので,とてもきんちょ. 象:B小学校 3 年生村人役 31 名 (男子 28 名 女子 3 名). 練習期間:2014 年 10 月 22 日~12 月 3 日 教材:荒川寿彦作曲≪大樹≫≪高鳴り≫. うしました。でも,終わったあとはとても気持ちが. *オリジナル創作劇「神様のおるすばん」での. スッキリしました。先生や,家族にも「よかったよ!. 組太鼓演奏. すごく上手だったよ!」とほめてもらいました。と てもうれしかったです。 ・夏祭りのえんそうではがくふ通りにたたけたのと,. 7.2.2. 学習意欲と協働化 B 小学校では,組太鼓曲≪大樹≫と≪高鳴り≫を創作. たのしくえんそうできました。(次回の)コンサー. 劇中で活用した。 この劇中の組太鼓は開拓時代の村人が,. トでは体をもっと大きく動かしたいです。. 田畑に雨が降らず困窮する村の為に「雨乞い太鼓」(≪. ・自分では大きくふりつけしていても,(動画を)見 てみると全然ふりつけができていなかったので,次 の練習ではもっとふりつけを大きくしていきたいと 思いました。. 大樹≫と≪高鳴り≫)を奉納するという設定で用いられ た。 この劇は,筆者が学習発表会のために創作したオリジ ナル作品である。子ども神役以外に,村人,笛星人,コ. ・夏祭りの本番で(当日の)リハーサルできんちょう. ロポックルという配役があった。笛星人はリコーダーを. して失敗したけど,「できる」と思ったら本番はし. 吹く場面,コロポックルはダンスをする場面があったか. っかりできてよかったです。. らか,村人役のグループにはダンスよりは太鼓の演奏に. ・顔がかたくなってしまったけど,太こは上手くたた けたと思います。. 関心があり,かつリコーダーの演奏があまり得意ではな い男子が多く所属していた。. ・ふりも大きくできたし,音もずれずにえんそうがで. 村人役の児童は,学習発表会以前の音楽授業では器楽. きました。(当日の)れんしゅうをしているときに. 学習への意欲が低いように思えた。しかし,口唱歌によ. いろいろな人が見てくれて本番ももっとたくさんの. る太鼓練習がスタートすると,授業時間ばかりか休み時. 人が見にきてくれてうれしかったです。. 間も主体的に練習に励む集団が生まれた。その中には手. ・夏祭りは上手にできた。次回はコンサートのつづき のところをがんばりたい。みんなで合わせるときも ちいい。(太鼓演奏の経験者のコメント). にまめができるほど自主練習をして絆創膏を貼って練習 する児童もいた。 児童Sは外遊びが好きで運動が得意な男子だが,この 期間は休み時間も費やして低い構えで繰り返し練習して. 記述内容から聴衆を前にして演奏をした満足感・達成. いた。練習を重ねるうちに,太鼓の響きやリズムの魅力. 感と,仲間・聴衆と分かち合った感動を,さらなる学習. と仲間と合わせる楽しさにも気づき,Sの学習意欲は増. 課題の発見と,学習意欲の保持・増長につなげる態度が. していった。その結果,S は 2 週間ほどで「雨乞い太鼓」. みてとれる。. の上達者になっていた。 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 67.

(8) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 そんな集団とは別に,「雨乞い太鼓」のリズムと振り. (参加人数非公開). 付けがちぐはぐになってしまうKがいた。Kは技術的に. 期日:2019 年 6 月 24 日 3 校時. うまく演奏できない部分があるが,積極的に自主練習は. 教材:太鼓の基礎リズム (教師の地打ちと合わせて). 行わない,というスタンスであった。Sを筆頭とする上 達者グループは,いつしかKのような演奏技術の未習得 な部分がある児童にアドバイスするようになっていた。. 7.3.2. 児童の実態 -オノマトペとの親和性-. 一部の上達者は,最初から一緒に口唱歌を伴いながら太. C小学校特別支援学級で太鼓の学習を始める2か月前. 鼓を打つことであったり,振り付けをやってみせたりす. の 4 月のことである。どのくらい音を注意して聴くこと. ることにやりがいを見出していた。子どもたち同士の学. ができるか聴き取りクイズを行った。オルガンの単音や. び合いの場では,テンポを落としたり,部分練習をさせ. 和音を拍節的なリズムで何度鳴ったかを聴き取るという. たりといった指導技術はなかったが,教師を介さず練習. 内容であった。過去の指導経験からすると普通学級の 3. に励んでいた。. 学年程度では,例えば「タンタンタンタンタタタタタ」. 本番のSは自信に満ち溢れた様子で演奏初めのかけ声. が 9 回鳴っていることを 8 割以上の児童が聴き分けられ. をかけ,学習発表会の舞台できびきびとした演奏をみせ. る。それを基準にこのリズム課題を提示したが,特別支. た。Kの動きはぎこちない面もあったが,家で練習した. 援級で一番音楽が得意な児童 I ですら正答を出すのは難. 成果も実り,親御さんから褒められてもらえるだけの十. しかった。この後,「タンタンタン」などの短い簡単な. 分な演奏をすることができた。. リズムに問題を差し替えたことでほとんどの参加児童は 正答を見つけることができた。しかし,児童 M はこのリ. 7.2.3. 解き放たれた学習意欲と学習課題の拡張. ズムクイズと答えに終始関心がなかった。. B小学校の実践で紹介した「雨乞い太鼓」と,A 小学. この結果から,彼らが長いリズムを覚えることは困難. 校の組太鼓の作品は同じものである。演奏技能の習得過. のように思われたが,「ドンドコ ドンドコ ドンドコ. 程はほぼ同様であるが,B小学校は学習期間がより長く. ドン」のような基本の口唱歌と太鼓の打ち方を覚えたの. 確保されていたため,音楽の身体化にかけることができ. は,6月後半であった。オノマトペ自体に児童が馴染み. る時間のゆとりがあった。そのゆとりもあいまって,学. や親しみがあり,児童にとって記憶しやすいものであっ. 習者間で協働する関係性が生じたと考えられる。. たためと考えられる。. SもKも読譜が苦手な上に,リコーダーの運指に難儀. 音楽学習の授業参観を翌週に控え,Iはこの太鼓の基. する児童だった。そのため,二人とも当初の太鼓練習の. 本のリズムを口唱歌とともに即座に覚え,Mは仲間がす. 時間は自分自身の技能習得に向けられていた。口唱歌に. るように何とか口唱歌を覚えようとしていた。. よる学習は,Sにはリズムが覚えやすく感じられ,音楽 表現への意欲を削がれずに練習をする助けとなった。 学習者にとって身体化された音楽は,自分の外側にあ. 7.3.3. インフォーマルな学びと文化的コンテクスト の共有. る品評の対象の音楽ではなく,音楽行為の当事者である. 予定通り授業参観が実施された。 T1 教師である筆者は. 自分の「内側の音楽」である。児童Sは身体化された音. 締太鼓で地打ちをしながら,保護者が見ている中で児童. 楽そのものの熟達化にとどまらず,演奏技能を活用して. 一人ひとりに長胴太鼓を演奏させることにしていた。I. 仲間と協働することにつなげていた。このような成長は. の演奏は万全で, 締太鼓とうまく掛け合いができていた。. 熟達者として周囲に認められる経験を経て,最初の学習. 口唱歌を辛うじてマスターしていたMにも自分の番がき. 動機が拡張された(拡張的学習)結果だと言える。6. た。M は唱歌通りにドンドコ……と演奏しようと試みた。 けれども,注目の的となったためか,途中で気持ちが高. 7.3. 潜在化した身体化された音楽の実現:C小学校特. ぶり速いペースでドコドコドコ……と予定にない演奏を. 別支援級での実践. し始めた。このため,締太鼓の地打ちもアドリブでドコ. 7.3.1. 音楽科の学習参観 (保護者向け). ドコと同じように演奏して応えた。学習課題に合ってい. 対. 象:C 小学校の特別援級学級児童 数名. ない活動になってはいまいかと担任教師が不安そうに 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 68.

(9) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 M を見つめていた。締太鼓を打つ筆者はそれを横目に,. 口唱歌で用いる日本語や太鼓という,教師と学習者が共. Mの方を向いて試しに「ヨーオッ!」と,能のお囃子の. 有可能と予想できる言語や楽器についてであったが,C. 掛け声のような声をかけてみた。すると,それを合図に. 小学校の事例で示した知らぬ間に身に付けた潜在的なス. M は両手で太鼓の面を強く「ドン」と打ち,オリジナル. キルも範疇にすべきであったと気付いたためである。. 太鼓の演奏のフィナーレを飾った。. 今後も,音楽と学習者の関係性にこだわり,教育的に. その場に居合わせた保護者からは,そのMの即興的演 奏に大きな拍手と感嘆の声があがった。担任教師は,M. 有意義な音楽行為・教材について考え,実践的に研究を 進めていきたい。. が初めから決まっていたかのような即興表現を堂々とや り遂げた驚きと喜びが隠せなかった。Mは自分の演奏が. 参考文献. 周りから大きな評価を得たことを感じ,自分の演奏の順. 荒川寿彦(2010)大樹/. 札幌市和太鼓教育研究会 夏の. 番が来るたびに,同様の演奏を繰り返し試していた。. 研修会資料. このように M の中に潜在化した音楽を実現させ有意. 荒川寿彦(2010) 高鳴り. 札幌市和太鼓教育研究会夏. 義なものにできた要因は,太鼓がシンプルな作りで操作. の研修会資料. 性に優れた楽器であったこと,M がインフォーマルに知. 一般社団法人 日本レコード協会. 2018 年度「音楽メデ. りえた音楽表現を教師も共通の文化的コンテクスト下に. ィアユーザー実態調査」報告書 (2019.4)企画・広報. あって共有しやすい環境だったためと考えられる。. 部 ( https://www.riaj.or.jp/f/pdf/report/mediauser/softuse. 8. 結論. r2018.pdf)2019.11.1 に取得.. 3つの小学校の事例が示した児童と音楽との関係から. エンゲストローム, ユーリア(2010)『変革を生む研修. みた音楽行為の価値は,状況や目的に応じ当事者として. のデザイン』(Yrjö Engeström. Training for Change:. 音楽的経験を積むことそのものにあると考えられる。. New approach to instruction and learning in working. 例えば,「ドンドン」など太鼓の音を表す口唱歌が,. life. 1994)松下佳代,三輪建二監訳, 鳳書房. 音価に加え五感に繋がる感性情報も携えているというこ. 小川昌文(2015)「『マイミュージック』を育て,培い,. とを踏まえると,口唱歌による学習法は,音(リズム・. 養う音楽授業―授業をクリエイトするために不可欠なも. アーティキュレーション)の知覚と,音に対する物理的. の」『音楽教育実践ジャーナル』pp.6‐19.. 反射以上の心的反応・作用を学習者に伴わせている教育. 小泉文夫 (1977) 『日本の音―世界のなかの日本音楽』. 効果がある。. 青土社.. また,A小学校の夏祭りを終えた後の高揚感や満足感. 国立教育政策研究所(2010)「特定の課題に関する調査. が感じられるコメントと,C 小学校の即興的な太鼓の表. (音楽). 現をした児童 M の表情から, 学習者が組太鼓演奏の当事. (https://www.nier.go.jp/kaihatsu/tokutei_ongaku/hou. 者として「音楽に憑かれる身体的経験 」を快く思って. koku_zentai_001.pdf)2019.6.7.に取得.. いることを窺い知ることができる。B 小学校の太鼓の自. 坂本真樹(2018) 『感性情報学 -オノマトペから人. 主練習のように,口唱歌による学習アプローチで懸命に. 工知能までー』コロナ社.. 練習できたのも,練習過程で「音楽に憑かれる身体的経. 札幌市教育研究事業小学校音楽研究項目研究成果報告. 験」を味わった結果ではないかと推察できる。. (2015)【西区】秋の研究集会「おまつりの音楽―2の. 7. さらに,こうして進んで身に付けた音楽表現は,練習. 1おまつりだいこをつくろう」. 期間にゆとりがあれば学習者同士の協働を生じさせ,個. 総務省統計局 (2019). 「平成 28 年社会生活基本調査―. 人から集団全体の問題を克服する道具となって拡張型の. 生活行動に関する結果 ― 結果の概要」. 学習を成立させる可能性があることもわかった。. ( https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/pdf/gaiyou.p. 一方,音楽学習と文化的コンテクストとの関係性につ. df ) 2019 . 11.1 に取得.. いてさらなる考察が必要だと感じた点もあった。 それは,. 高見仁志(2018)『 新しい小学校音楽科の授業をつく. 筆者が当初文化的なコンテクストとみなしていたものは. る』 ミネルヴァ書房. 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 69.

(10) 音楽の身体化をめざした学習における文化的コンテクストの活用 竹内明彦(2014)『13 人の奏者が明かす 和の管・打 楽器の世界 連載インタビュー記事 縮刷版』杉原書店. 田村拓男(2010)『やさしく学べる和太鼓入門 』 全音 楽譜出版社. 田中健次(2008)『 図解 日本音楽史』 東京堂出版. 月渓恒子(2010)『日本音楽との出会いー日本音楽の歴 史と理論』東京堂出版. 新実徳英編ほか (2015)『中学器楽 音楽のおくりもの』 教育出版. 文部科学省(2017)『 小学校学習指導要領(平成 29 年 3 月告示)』 山口仲美(2017).「 “楽器の音を写す擬音語(2)-近 世・近現代ー」『埼玉大学紀要(教養学部)』第 53 巻 第1号 2017 年,pp.87-102. 山田陽一 (2017) 『響きあう身体 音楽・グルーヴ・憑依』 春秋社. 吉川英史(1980)『日本音楽の性格』 音楽之友社 渡辺裕( 2012 ) 『聴衆の誕生 - ポスト・モダン時代の 音楽文化 - 』中公文庫. Elliott, J. David. (1995). Music Matters: A new. Philosophy of Education. (New York) Oxford University Press.. 南中ソーランとは,1980 年代から 1990 年代にかけて稚内市立 稚内南中学校の文化活動の一環として,教師と生徒の共同作業によ り考案された創作ダンスである。正調ソーラン節は余市町が発祥の 地であるが,漁業の沖揚げ作業の動作を取り入れ,今なお稚内市民 に親しまれている。 http://wakkanai-brand.jp/chiikishigen/c03_nantyusoran.html 2 総務省統計局.「平成 28 年社会生活基本調査結果」p.13 3 集中的聴取とは,われわれを取り巻く音事象の中から作品理解 に関与的なものだけ集中的に聞き取り,それ以外を可能な限りシャ ットアウトしようとする禁欲的な聴き方。( 渡辺, 2012, p.61 ) 4 山田 ( 2017 ) p.134 5図4は札幌市教育研究推進事業( 2010 )秋の研究授業「おまつ りの音楽‐2の1おまつりだいこをつくろう」で活用された簡易太 鼓。 6 エンゲストローム ( 2010 ) pp.53‐54 1. 7. 山田 ( 2017 ) p.270. 教育デザイン研究第 11 号(2020 年 1 月) 70.

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参照

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