[原著]統合失調症患者を抱える家族の心的外傷後ストレス障害(PTSD)と主観的困難・負担感および精神健康との関連: 沖縄地域学リポジトリ
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全文
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(87) . 厚生労働省による 「精神保健医療福祉の改革ビジョ ン」1)では, 入院医療中心から地域生活中心へという基 本方策が掲げられ, 入院後1年未満の患者の残存率を %以下とすることや, 入院後1年以上の患者の退院率を %以上とするなどの具体的数値目標が示されている. 「精神保健医療福祉の改革ビジョン」 は年から概ね 年間の精神保健福祉改革の具体的方向性を示したも のであるが, 年の報告では1年未満の平均残存率. は %, 1年以上の平均退院率は %であり2), 残 存率, 退院率ともに目標値に到達できない現状にある. 長期あるいは短期入院に至る条件として, 家族の受け入 れ意識が大きく影響していることが指摘されており3), こうした家族の意識は入院患者の退院に関する意識にも 影響を与える重要な要因であるとされている4). また, 精神障害者の療養および地域生活を維持・継続するため には, 家族による患者支援が必要不可欠であるとされる 一方で5), 実際には統合失調症の陰性症状にともなう患 者の日常生活上の自己管理や投薬などのマネジメントの.
(88) . 患者家族の と精神健康との関連. ほか, 衛生面や外見に対する無頓着さなどの日常生活技 能 ( . . ) の低下など, 家族にかかる負 6) 担は大きい . このような家族の負担をはじめ, さまざ まな要因が家族の退院受入れ意識にも影響することが考 えられるが, とりわけ臨床的場面においては, 患者の精 神症状悪化時の幻覚や妄想状態にともなう不穏や粗暴行 為などの急性期の症状が家族の心的外傷後ストレス障害 (
(89) . . . . :以下 ) の発 症に関与し, 家族の受け入れ意識にも影響することが報 告されている7). は, 年米国精神医学会診断基準 ( Ⅲ) によりはじめて範疇化された診断概念であり, 現在では 原因となる心的外傷体験の種類を問わず, 心的外傷後の 共通の症候群として広く受け入れられている8). はこれまで米国を中心に多くの疫学研究が行われてきた. . !ら9)による全米調査では, 生涯有病率は男 性"%, 女性#%, 現在有病率は男性"%, 女性$ %であったことが報告されている. 我が国においては, 阪神淡路大震災を契機に の概念が広く知られる ようになり, 震災後の 出現率は男性%%, 女 性%であったことが報告されている) . また, 川上 ら)は中国九州地方の3県4市町村の%歳以上住民の無 作為抽出サンプルによる構造化面接の結果, 調査時点で の の診断基準を満たす生涯有病率の割合は% (男性#%, 女性&%) であり, 調査時点から過去% ヶ月に の診断基準を満たす%カ月有病率の割合 は# % (男性%, 女性"%) であったことを報告し ている. 一般に ないしは心的外傷性ストレス症状の測 定尺度は自記式質問紙尺度と構造化診断面接尺度に大別 される. 自記式質問紙尺度としては, すでに改訂出来事 インパクト尺度日本語版 '
(90) ( ) . (以下 ' ) ) が作成され, その信頼性と妥当 性が検証されている8). 本邦では, 阪神淡路大震災後の 仮設住宅住民調査%)や性暴力被害者$), 水害被災者#)な ど, 心的外傷体験に曝露したさまざまな集団を対象とし た調査に ' ) が使用されている. 精神疾患のなかで も統合失調症と に関連した先行研究7) では, 長 期入院統合失調症患者を抱える家族の"*%に の可能性のあるとの報告がなされているが, 患者家族の に関連した研究は端緒についたばかりである. が +,- (+ ( ( ) に及ぼす影響につい てみた先行研究では, 交通事故被害後 を認めた 者では健常者に比べ +,-スコアが有意に低いとの報 告")や, の中核症状が +,-の低下や生活機能障 害に影響すること&), また, が身体および精神的 日常役割機能や社会生活機能など, 日常生活全般に及ぼ す影響が顕著であるとの報告*)もなされている. さらに, が疑われるケースでは, 心理的ストレス反応の 表出が強いとの報告)もあり, 心理的ストレス反応の表. 出の程度は, 心身の健康状態に大きな影響を及ぼす要因 であることが考えられ, こと統合失調症患者を抱える家 族においても, にともなうストレスに対する脆 弱性や反応過敏性は, 患者の疾患に起因するさまざまな 介護上の困難感や負担感, 将来の不安や抑うつ, 孤独感 といったさまざまな心理的現象に影響している可能性が 推察できる. しかし, こうした統合失調症患者の急性期 状態にともなう家族の心的外傷体験や が患者の 介護にともなう困難感や負担感およびストレスなどの精 神健康との関連について検討した研究は著者らの知ると ころほとんどなされていない. そこで, 本研究は長期入 院中あるいはデイケア通院中の統合失調症患者を抱える 家族を対象に, 患者の急性期状態が家族の心的外傷体験 や を惹起し, 介護上の主観的困難度・負担感, 心理的ストレス反応に影響を与えている可能性について 検討することを目的とした.. 沖縄県中南部に位置する .病院に入院中または精神 科デイケア通院中の統合失調症患者の家族*$名を対象 に, 平成%%年月から%月までの間に質問紙調査を実 施し, 調査協力の得られた&名 (男%"名, 女##名, 回 収率#"%) を分析対象とした. なお, 本研究では対象 者の の可能性が患者の退院に関する否定的認識 や退院後の受け入れ意識を困難にしている状況が, 結果 として患者の入院期間の長期化に影響している可能性を 考慮し, 入院中の患者については入院期間が年以上の 長期入院患者の家族を対象とした. 対象者の基本属性にかかる事項としては, 性別, 年齢, 続柄, 学歴, 職業の有無, 現病歴の有無, 暮らし向き, 健康感および宗教の有無について設問した. また, 対象 患者に関する事項として, 性別, 年齢, 入院回数, 罹病 期間, 抗精神病薬服薬量, 通算の入院期間, 入院形態に ついて設問した. 抗精神病薬服薬量は, /
(91) 0 当量への換算法%)に基づいて算出し, 統合失調症の 診断は, 主治医により ' ! (' . ! . ( (. . . 1 / 2 . ) に基づいて行った. 傾向の評価には飛鳥井ら%)が作成した' ) を 使用した. ' ) は 再 テ ス ト 信 頼 性 ( &,. 3
(92) 4) および総得点を%#5%" ( (で感度3, 特異度3$, 陽性的中度3, 陰性的中度3&と高 い信頼性と尺度妥当性が検証されており, のス クリーニングとして有用であることが報告されている%). ' ) は 「どんなきっかけでも, そのことを思い出す と, その時の気持ちがぶり返してくる」, 「睡眠の途中で 目が覚めてしまう」 や 「別のことをしていてもそのこと が頭から離れない」 などの8項目から構成される再体験 や, 「そのことについて考えたり, 思い出すときは, な.
(93) 宮城. 哲哉. んとか気持ちを落ちつかせるようにしている」, 「そのこ とを思い出させるものには近寄らない」 や 「そのことは 考えないようにしている」 など8項目から構成される回 避と, 「イライラして, 怒りっぽくなる」, 「ものごとに は集中できない」 や 「警戒して用心深くなっている気が する」 などの6項目から構成される過覚醒の3下位領域 項目から構成される. は, 地震, 事件被害, 事故などの強いストレスを伴う外傷的出来事を1つ記入 し, その出来事に対し回答を求める尺度である. 本研究 においては, 統合失調症の急性期症状による 発 症の有無について焦点を当てるため 「ご家族 (患者) の 症状が一番激しかった時のことをお聞きします.」 との 説明文を提示し, 「症状が全くない」 0点∼ 「非常にあ る」 4点の5件法より評定を行った. 得点が高 いほど である可能性が高いことを示している. なお, 本研究における の
(94) α係数は であり, 高い内的整合性を有していた. 患者の発病に伴う家族の主観的困難や負担を測る尺度 には, 山口ら)によって内的一貫性, 再現性, 基準関連 妥当性および構成概念妥当性が検証された主観的困難度・ 負担調査票
(95) ! " #
(96) ! " " !(以 下 ) を用いた. は, 「身体の疲れを感じる」, 「友人や親せきの人と率直につきあえなくなった」 や 「よく眠れない」 など項目から構成される 「患者の疾 患に起因する主観的な負担や抑うつ」 や, 「病気の将来 の見通しがつかない」 や 「患者さんの行動の意味がよく 理解できない」, 「今抱えている問題がいつ解決するか見 通しがつかない」 など9項目から構成される 「病気の知 識がないことによる混乱や将来の不安」 と, 「患者さん につい感情的な対応をしてしまう」 や 「患者さんとよく 話をする」, 「患者さんと一緒にいるとイライラする」 な どの$項目から構成される 「患者との関係に関する困難 さ」 の項目からなる. は4件法により 「その とおり」 1点∼ 「全くない」 4点の4段階リッカート法 で配点し, 得点が高くなるにともない主観的な困難や負 担感も高いことを示している. なお, 本研究における の
(97) α係数は であり, 高い内的整合 性を有していた. 心理的ストレス反応は, 鈴木ら)によって内的整合性 および弁別妥当性の検証された心理的ストレス反応測定 ) 尺度 #
(98) ! " "! " % " ! ! (以下 ) を用 いて評価した. は 「気持ちが沈んでいる」, 「泣 きたい気持ちだ」 や 「何となく不安だ」 など6項目から なる抑うつ・不安, 「怒りを感じる」, 「不愉快だ」 や 「悔しい思いがする」 など6項目からなる不機嫌・怒り, 「根気がない」, 「自信がない」 や 「良くないことを考え る」 など6項目からなる無気力の3下位領域項目か ら構成されている. 「そのとおりだ」 3点∼ 「全く違う」 0点の4件法で評定を行い, 点数が高くなるにともない 心身健康状態の悪化を示している. 本研究における
(99). . ほか. α係数は であり, 高い内的整合性を有してい た. 得点が$点以上 解析は, 先行研究) をもとに のものを &
(100) " '群, $点未満を (
(101) " '群の2群 に区分し, 基本属性および各スケールとの間で, χ2検 定ないしは ) * # ! の + 検定により群間で統 計的差異をみた. 解析には , -を使用し, 有意 水準はいずれも5%未満とした. 倫理的配慮として, 対象病院の院内倫理規定委員会の 承諾を得て後, 対象者には調査の目的や調査は無記名で あり, 回答は任意であり随時拒否することができること, 調査協力を拒否した場合においても一切不利益を被るこ とはないこと, 調査データは統計的処理ののち処分され ることを文書あるいは口頭により説明を行い質問紙への 回答をもって同意を得たこととした.. 今回の対象患者の医療形態別 (入院群名, デイケ ア群名) の , , の各総得点の平 均比較では, 平均得点 (入院群. ± ,, デイ ケア群 /± , = ,), 平均得点 (入院 群$ ± ,, デイケア群 .±. ,, = ./), .± ,, デイケア群 ± /, 平均得点 (入院群 = ), いずれにおいても統計的差異を認めなかっ た. そこで, 以下の解析においては, 入院およびデイケ アの対象家族をあわせて, 得点により &
(102) " ' 群, (
(103) " '群の2群に分類し, 比較検討した. 対象者の 得点による &
(104) " '群の占める割 合は全体の. % (,名) を占めおり, の群間 による基本属性との比較結果では, 性別, 年齢, 続柄, 学歴, 職業, 現病歴, 暮らし向き, 健康感, 宗教の有無 いずれにおいても統計的差異を認めなかった (表1). と対象患者の臨床的背景要因との比較結果で は (表2), 性別, 年齢, 入院回数, 抗精神病薬服薬量, 通算の入院日数 (過去の入院期間の総数), 入院形態い ずれにおいても統計的差異を認めなかった. と との比較結果では (表3), 総得点は &
(105) " '群 ($ ,± ) が (
(106) " '群 (, .± ,) に比べ有意に高値を示した (0 ). 同様に, の下位尺度のうち 「患者の疾患に起因 する主観的な負担と抑うつ」 では, &
(107) " '群 ( ± ) が (
(108) " '群 ($ ±$ ,) に比べ有意に高値 を示した (0 ). なお, 他の2つの下位尺度であ る 「病気の知識がないことによる混乱や将来の不安」, 「患者との関係に関する困難さ」 では群間で統計的差異 を認めなかった. と との比較結果をみると (表4), 総得点は &
(109) " '群 ( ± ) が (
(110) " '群 ( ± $) に比べ有意に高値を示していた (0 )..
(111) . 患者家族の と精神健康との関連. .
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(192) 群 ± , . .
(193) 群 ± , ), 「不機嫌・怒り」 ( . .
(194) 群 ± , . .
(195) 群 ± , ), 「無気力」 ( . .
(196) 群 ± , . .
(197) 群 ± , ) のいずれにおい ても . .
(198) 群が . .
(199) 群に比べ有意に高値を示 した.. 本調査における対象家族の 得点 . .
(200) 群 が占める割合は %と4割近くを占めていた. 統合失 調症の急性期症状には, 幻覚や妄想, 自我障害のほか, 滅裂思考や連合弛緩といった思考形式の障害や緊張病症 候群などの症状も一般にみられる). 本研究においては、 統合失調症の急性期症状にともなう の状況につ いて検討するため, 対象患者の一番激しかった症状を想 起しての設問であり, その時期や具体的な精神症状の評. 価, あるいは再燃・再発の頻度等についての評価はなさ れていないが, 慢性疾患である統合失調症の病態の特徴 から, 再燃・再発を繰り返す過程での幻覚・妄想状態, 不穏や粗暴行為などの急性症状の発現が予測される. 加 藤ら)は幻覚・妄想状態にともなう不穏や粗暴行為など の外傷的出来事の強さは の経過に影響を及ぼす とし, それには他覚的な程度のみならず, 自覚的な認知 と反応も大きく影響することを指摘している. また, 戦 後年経過しても心的外傷の症状は増加し, その後遺 症はストレスに対する脆弱性と相互作用に関連している 可能性があるとの報告)にもあるように, 症状の 遷延化あるいは慢性化も指摘されており, 今回の対象者 においても患者の急性期状態にともなう発症初期から現 在に至るまでの主観的外傷体験の状況やそれに随伴する 身体および精神的浸襲の程度が, 傾向に影響し た可能性が考えられる. と主観的困難・負担感を測る との関連 をみると, 総得点および下位尺度の 「患者の疾患に起因.
(201) . 患者家族の と精神健康との関連. する主観的な負担と抑うつ」 との間で, 群が. 群に比べ有意に高値を示していた. 本結果か ら, 患者家族の
(202) 傾向はストレス対処能力の減弱 さを惹起し, 患者の疾患に起因した問題解決能力の低さ に影響を及ぼし, 主観的介護負担感も大きくなったこと が推察される. 患者の介護に伴う負担は生涯にわたり継 続し, 患者の間近で生活する家族は, 患者との距離感と もあいまって患者を支える負担により慢性的な疲弊状態 に陥る. また, 患者自身の疾患にともなう能力障害は, 病勢の進行とともに, 思考の貧困, 情動の鈍麻や平板化, 無為・自閉などの陰性症状をきたし), 就労や日常生活 においても困難を生じることが多く, これらは統合失調 症特有の疾患に起因した障害であるにもかかわらず, 家 族は患者に原因を帰属させることができず, 事態が改善 される期待をもてない実情があるとされる6). このこと から, 患者家族では,
(203) 傾向にともなう不安に加 え, 手を尽くしてもどうにもならないという 「あきらめ 感」 からくる精神的な負担の増大や, 精神障害に対する 社会の偏見やスティグマが親の罪悪感や自責の念をいっ そう強め, 周囲に相談できずに独りで抱え込んでいる実 情5)が, 家族の主観的介護負担感に影響した可能性も推 ) 察される. は
(204) と大うつ病との発症に ついて, 両疾患が同時に発症する率が最も多く, 次に
(205) が先に発症した例が多かったことから, 抑うつ 症状は
(206) に続いておこる二次的な反応であると結 論づけている. また, 患者家族の
(207) 傾向に伴う状 態として, 病気に対して悲観的であきらめやすく, 不安 や抑うつに陥りやすい対処行動をとりやすい傾向にあり, そのことが
(208) 症状の発現と相互に影響を及ぼして いる可能性も指摘されている). 以上のことから, 今回 の結果は, 対象者の
(209) 傾向に起因した抑うつ状態 の可能性も推測され,
(210) のみならず家族の抑うつ 症状にも焦点をあてた取り組みの必要性を示唆する結果 であると考える. と 得点との関連では, 総得点ならびに 下位尺度の 「抑うつ・不安」, 「不機嫌・怒り」, 「無気力」 のいずれにおいても 群が . 群に比べ ) 有意に高値を示した. 加藤ら は, 外傷的出来事を受け る家族自身の性格や精神障害の家族歴, 精神障害の既往, 過去の外傷体験などによる個体側の脆弱性は,
(211) の発症と経過に影響し, 外傷的出来事への遭遇しやすさ, 対処行動の問題として寄与する場合のほか, 準備性の亢 進あるいは反応閾値の低下などにつながる可能性に言及 している. 本調査結果においても, 群が . 群に比べ, 総得点および3下位尺度のいず れにおいても有意に高値を示したことから, 家族の
(212) 傾向がストレスへの対処または対処能力の低下 に影響する可能性が示唆された. 尾鷲ら) は
(213) と ストレスへの脆弱性との関連について,
(214) が慢性 の経過をたどる場合には, 新たな外傷体験を5倍体験し. やすいとしている. このことから長期にわたる
(215) 傾向の状況は, 新たな外傷体験を惹起しやすいことが考 えられ,
(216) 傾向にともないストレス耐性が減弱し ストレス反応を生起しやすい状況が推察された. . ら)は, 統合失調症者を抱える家族の感 情表出は患者の発症に対するコーピングであり, 高い感 情表出とは患者の発症に対するコーピングの困難さを示 しており, このような高い感情表出を行う家族では, 患 者の精神疾患発症 の際の原因帰属に関して, 疾患や症 状としてとらえるのでなく, 患者本人自身の問題として 考える傾向のあることが指摘されている. 本調査結果も, こうした家族の
(217) が 「不機嫌・怒り」 などのスト レス反応として, 家族の高い感情表出に影響した可能性 が推察される.. 本研究結果から, 統合失調症を抱える家族は
(218) 傾向の影響によりストレスフルな状態にあり, 精神健康 の悪化に伴い主観的困難感・負担感をきたしやすい可能 性が示唆された. 今後の方策として, 患者家族の
(219) 傾向を考慮した早期の家族介入の実施や, 患者ケアにと もなう家族の負担軽減を図る取り組みとして, 家族会な どの共有する場の提供や社会資源の活用を積極的に勧め ていくことが, ひいては患者の社会的入院の防止, 早期 退院の促進に有用であることが考えられた. 今後の課題として, 本調査は沖縄県 病院1施設の 家族を対象としており, 対象者数も!名と少数である ことから, 今回の結果を一般化することには困難がある. また,
(220) の測定尺度は自記式質問紙と構造化診断 面接尺度に大別される8)が, 本調査では被面接者への負 担を考慮し による自記式質問紙を採用したが,
(221) の確定診断のためには構造化面接が必要であり, 今回の自記式質問紙法である による
(222) の判 定には大きな限界がある. また, の測定に際し, 統合失調症の急性期症状に関しては, 対象患者の一番激 しかった症状を想起してのみの設問であり, その時期や 具体的な精神症状の評価, あるいは再燃・再発の頻度等 についての評価はなされていない. さらに, 今回の "による 「主観的困難・抑うつ」 や による 「抑うつ・不安」, 「不機嫌. 怒り」, 「無気力」 は,
(223) 傾向にともない生起された精神症状として位置づけたが, 逆にこうした症状が
(224) 傾向を助長し, 高めた可能 性も考えられる. こうしたことを踏まえ, 今後は面接調 査とスクリーニング調査を併用することによって, 患者 家族の
(225) の診断の確度を高め, 要因間との関連に ついて詳細な検討を行うことが大きな課題としてあげら れる..
(226) 宮城. 哲哉. ほか. 1) 精神保健福祉対策本部, 精神保健医療福祉の改革 ビジョン. , . 2) 厚生労働省社会・援護局生涯保健福祉部精神・障 害保健課, 国立精神・神経医療研究センター精神保 健研究所:精神保健福祉資料. , . 3) 大島 巌, 岡上和雄:家族の社会・心理的条件が 精神障害者の長期入院に及ぼす影響とその社会的機 序 全国家族福祉ニーズ調査のデータによる多変量 解析的アプローチ. 精神医学: . , . 4) 朝野英子 栄セツコ 清水由香:精神科病院長期入 院者の退院に関する要因の文献的検討. 生活科学研 究誌9:
(227) , . 5) 藤野成美, 山口扶弥, 岡村 仁:統合失調症患者 の家族介護者における介護経験に伴う苦痛. 日本看 護研究学会雑誌:
(228) , . 6) 水野泰尚, 藤山直樹:統合失調症をもつ患者を抱 える家族の精神的負担と有効なサポート. 上智大学 心理学年報 :
(229) . , . 7) 梶谷康介, 中島竜一, 梶原雅史, 飯野芳子, 小方 万紀子, 大本秀代, 井上雅之, 佐々木裕光, 神庭重 信:長期入院統合失調症患者の家族の精神健康度‐ , . の観点から. 精神医学
(230) : 8) 飛鳥井望, 廣幡小百合, 加藤 寛, 小西聖子: (臨床診断面接尺度) 日本語の尺度特性. トラウマティック・ストレス1:
(231) , . 9) , , !" , #$% &'( : ! ! $ ! ) * ! ') ' ) ! %! ) * +) ') ! , $ - ,. * %. . . ,* %) ! ,
(232) : ,
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(234)
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