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大学生における完全主義の適応的側面と不適応的側面-抑うつ、不安、対処行動との関連-

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Academic year: 2021

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(1)大学生における完全主義の適応的側面と不適応的側面     一抑うつ.不安,対処行動との関連一                            学校教育学専攻                            臨床心理学コース                            M 0 8 0 6 9 D                            宮 原    千 佳. I間題と目的.  因子分析 ㎜∼Sで因子分析(主因子法,プロマッ.  完全主義は多次元的に捉える有効性が示されてい. クス回転)を行い,最終的に21項目,3因子が抽出. る。本研究では,Fros亡eta1.(1993)の2次元で捉え. された。「I.個人的基準(以下PS;α=.85)」(9項目). る分類を用い,適応的側面をr個人的基準(Persona1. 「n.不適応的な評価へのとらわれ(以下MEC;α. Standards:PS(Frost,et a1.,1990))」,不適応的側. :.85)」(7項目),「皿.親の評価(以下P;α=.85)」. 面は「不適応的な評価へのとらわれ(Ma1adaptive. (5項目)と命名された。日本の大学生においてPは. Eva1uative Concerns:MEC(Frost et a1.,1993))」. 新たに得られた因子である。結果をTab1e1に示す。. とする。これらで分類した完全主義は国内で検討さ.  相関関係 MPSと多次元自己志向的完全主義尺. れていない。. 度の相関係数を求めた。PSはr高目標設定(r=.70)」,.  完全主義とメンタルヘルスとの関連については,. 「完全性欲求(r=.68)」と㎜ヨCは「失敗過敏(r. MECは抑うつと正の関連,PSとは負の関連がある. =.63)」,「行動懸念(r=.61)」,「完全性欲求(r=.55)」. とされている(例えば,Frosteta1.,1993)。また,完. 全主義と対処行動との関連も研究され,適応的完全. と中程度の相関を得た。Pは多次元自己志向的尺度 と相関がなかった。この結果は,Pは自己志向的完. 主義と不適応的完全主義では対処行動が異なること が明らかになっている(例えば,伊藤,2003)。しか. 検査信頼性は,十分な安定を得た(r=.76・.78)。. 全主義と関連がないことを示している。MlPSの再. し,完全主義が対処行動を介してメンタルヘルスヘ 与える影響について検討が行われていない。.  以上より本研究では目的を次の2点とする。第1 に,MECとPSの分類を用いて,Mu1tidimensionaユ Pe曲。tionism Sca1e日本語版(MlPS日本語版)を作. 丁且阯el.MPSの因子パターン行列(主因子法、プロマックス回転〕. 1   皿   皿 第1因子個人的基準(α三.目5〕 冨.私は言十画iだ。た人問を目指している. 、糾. 蜆.私はたいていの入に比べて、高い目標を掲げている. .百3. 2、計画的なことは私にとって、とても重要なことである 呈9.きちんとしていることは私にとって1とても重要なことである. 一.03   一.O1. 岨.私はきわめて高い目標を持っている 司.自分自身に最も高い目標を設定しないと,最終的に平凡な人. 、61. 、09    .oo. .59. .四    一.02. 問で終わってしまいそうである. 阯.私は計画だった人問である. 2.方法 損値のない69名(男性16名,女性53名;平均年齢 20.1±1.55歳)の結果を分析に用いた。1ヵ月後に同. じ質問紙を実施し,再検査信頼性には2時点に欠損 値のない53名(男性g名,女性44名;平均年齢19.92. 一〇〇    .22. .02. 動を介して抑うつ・不安に及ぼす影響を検討する。.  対象者と手続き 大学生70名に質問紙を配布,欠. 一、四    .o’. 一.12   一.05. コ。.日々の作業で、他の人よりもより高度なできばえでありたいと.  MPS日本語版を作成する。. 一、06   一.oτ. 、63. 成する。第2に,完全主義のPS・MECが,対処行. 皿研究1 1.目的. .帥. 1日.私は目標を達成立ることに集中するのが得意である. 患っている. 、59. .1里    .03. .50. .1冨   一.09. 第2因子不通応的な評価へのとらわれ{α三.85) 13.仕華や学技で1誰かが自分よりもよく出来ていると,全ての仕事. .04.  や課題を失敗したかのように感じる 23,他の人と同じように出来なかったら、それほ私が劣った人問であ. 一.D9.  ることを意味している  9.仕事や学校で失敗をしたら.失敗Lた人間である. 一.14. 34.ミスが少なければ少ないほど、人はさらに私を好いてくれるだろ. .O〇.  う 14.部分的にでも失敗したら,完全に失敗しているのと同じくらいに. 一29.  いけないことである 別・ミスを十ると.おそらく人は,私をより重要でない人間に思うだろ. .oヨ.  う 32・何度も物事を繰り返すために,作業が遅れる傾向がある. ー.m. 第3因子親の評価(皿三.目5〕. }. l1.私の親は全てのことで1番になることを望んだ.  3、子どもの時1私が完壁でないと罰せられた  1.抱、の親は,私にとても高い基準を設けた.  5.  私の親は.私のミスについて決して理解しようとしてくれなかった 蝸.私の親は.いつも私の将来について私が思っている以上に高.  い期待をしている. ±1.52歳)の結果を用いた。. 因子相関.  尺度 (a)M1u1tid−imensionaユPe曲。七ionis㎜Sca1e.  ロ    一    .ヨ。. (以下MPS;Frosteta1.,1990):完全主義を測る35 項目(5件法)。筆者が邦訳し内容を検討した。(b)多 次元自己志向的完全主義尺度(桜井・大谷1997):自. 己に求める完全性を多次元的に測る4因子20項目 (6件法)。. 3.結果と考察.  丘   .3日  .31ヨ. 皿 研究2. 1、目的  (a)完全主義と抑うつ,不安との関連について相関 係数を用いて検討する。(b)完全主義と抑うつ,不安. との関連において,どのような対処行動が用いられ ているのかをパス解析を用いて検討する。. ユ54一.

(2) 2,方法. ↑^阯蜆一存宜ホパヌ‘布硅水担〕. パス①.  対象者と手続き 2大学の大学生390名に質問紙 を配布,欠損値のない359名(男性102名,女性275. .帖一帖〕. バヌ②     パ貝③      パユ④       パス⑤ .o刷,ヰ刊.    燗郁岨軸 一〇副}〕.         五日間らし ・.o副り    自任幅蜆 .H}}〕.    舳蕪・’冊め 、lm帥刊. 名;平均年齢1g.90±1.82歳)の結果を分析に用いた。. .io■帥〕. .o刷^‡刊. .1帥州   I苛在的肝釈■」刊岬,〃九シュー.旧□剛    気哺らし 一.一1{^仙〕.    カ#ルシス 一.H1い}〕.    冊糀岨雌 一.oo■〕.  尺度 (a)㎜∼S:研究1と同尺度を使用。(b).    故司≡・蹄め .]峠}〕.        カタルシス 1.1!一曲』    竃任幅獺 一.11o帖j        肯宙的解裸一.□liいj    竹笛的岬釈 一。哺岬〕         気団甫らL 一.0副十j    カ{ル,ス 一.mい〕. .o別ヰ^‡〕. Hospita1Anxiety and Depression Sca工e(Zigmond.         カ芋几シス ・.1]一}〕    計両立華.o鋏’帥〕 .1、π÷〕                 肯定的岬冊 ・.o則刊. 抑うつモ手ル.      拙蝸・瑞め .川仲帥}. &Snaith,1983)日本語版(北村,1993):抑うつと. .oπ“‡刊.      計画立虫.肥ω 計画亡霊・O,い}j  肯定的岬択一」1軸}〕 憎糀岨埠 。n剛帖〕.      市中札シ貝 一.n{}‡〕. 不安を測る2因子14項目(4件法)。(c)大学生用日常.      気刊冊らし I.11い工 冑{壬幅獺..]・仙肺刊. 抽韮・締出 .10〔}判  抽嚥・蹄め 。1則‡ヰ‡j. 生活ストレッサー尺度(嶋,1999):4因子32項目(5. .m〔榊刊       .o刷‡叫〕      .l l〔舳〕. 肯定的解暇一.1π’州  .肝而立案、10ω 知肺らし  一.1I=‡‡,〕   カタ’Lシヌ  一.」刮‡‡〕. カ茸ルシス 一、1口}}〕 旨定的岬硯 一.1副帖〕 帖報一1地 一、o刮■. 件法)。分析には合計得点を用いた。(d)咄・axi虹.      抽籠・諦め .岨い}〕 放棄・揃め.1・1い剛  計画立.棄.11同. CopingSca1e(神科他,1995):対処行動を測る8因. .o刷^‡■〕       、o〒仲軸〕. 責任幅娘 一」1!}}〕 肯定的鵬硯 一.1馴}り 肯定的岬釈 一、oヨい〕 カサルシス 一。I刊}●〕 力争’Lシ皿 一.O刊十〕   賞6帝らL 一.11■〕. 子24項目(5件法)。. 3.結果と考察. える対処行動(放棄・詰め,計画立案)は完全主義に.  パス解析 完全主義が,ストレッサーと対処行動,. おいては抑うつを強める。. メンタルヘルスを媒介するモデルを設定した. Iv総合考察. (Fi馴re1)。モデルは完全主義(PS,㎜ヨC,P)とメ.  完全主義を適応的・不適的に捉えるとPS,㎜ヨC,. ンタルヘルス  州サー. Pの3側面が示された。適応的な完全主義(PS)は積.                ② (抑うつ,不   ①. 極的な対処行動に影響し,不適応的完全主義Q凪C,. 安)を組み合  錐主控   耐   [三三コ. P)は問題を回避しながら問題を何とかしようとする. わせた・つを /□握/. 対処行動を行い,問題と向き合いながらも気持ちを. 検討した。い. 楽にさせる対処行動は行わない。しかし,不適応的.              同岬冊1.瞳肘十ろパヌ圓. ずれのモデソレ. な完全主義が行わない対処行動がメンタルヘルスを. でも,十分なモデル適合度は得られなかった。. 良好にさせる対処行動であった。これらから,不適 床的完全主義者が選ばないでいる方法に気づき,行.  全てのモデルで,ストレッサーから完全主義への. 情報収集(.08)に有意な正のパスが見出された。不適. うことで不適応的評価にとらわれながらもメンタル ヘルスを良好にする機会を得て,さらなる悪化を防 げるのではないかと考えられる。. 応的完全主義のうちMECは,放棄・諦め(1o),責.  しかし,本研究においては用いたモデルは想定し. 任転嫁(.14)の対処行動に正,肯定的解釈(・.17),気晴. たモデルのみ検討したため,十分な適合度ではなか. パスは有意であった。  適応的完全主義(PS)は,対処行動の計画立案(.09),. らし(一.11),カタルシス(・.10)が負の有意なパスが見. った。さらに,適応的な完全主義にはどのような要. 出された。Pでは放棄・諦め(.14),責任転嫁C12)に. 因が必要なのかという検討はされていない。今後は. 正,肯定的解釈(・.08),カタルシス(・.07)に負の有意. 適応的完全主義を維持させる要因や不適応的完全主. なパスが見出された。これらから,適応的完全主義. 義から適応的完全主義に変わる過程について検討を. は積極的に問題と向き合う対処行動を行い,不適応 的完全主義は問題を避けながら解決しようとする対 処行動を行うが,問題から避けずに自分の気持ちを. 進めていくことが必要になると考えられる。. 落ち着かせ,すっきりさせる対処行動を行わないと 考えられる。.  検討した全てのモデルで有意なパスをTab1e2に 示す。抑うつ一不安を弱める影響のある対処行動に は問題に関わりながらも自分の気持ちをすっきりさ せる対処行動(肯定的解釈,カタルシス)が共通し,. V引用文献 Flost,R.O.et a1..(1993).Acomp阯i的n oftwo皿e舶皿直s ofpelf砒tio皿ism.月割目㎜ 〃曲㎡〃.  エ雌14,119・126. Fエ。st,R.0.et劫.(1990).The砒me皿曲皿30fpe㎡㏄壮。出m.αコ脾〃刮・肋睾j4,他9側8.. 伊藤菜穂子 (2003).ポジティブ・ネガティブな完全主義の相互作用の効果 日本大学心理学  研究,24,29135.. 神村栄一 他{1995〕.対処方略の三次元モデルの検討と新しい尺幽TAC−24〕の作成 教育  相談研究33,41・47. 桜井茂男・大谷佳子 (1997). “自己に求める完全主義一’と抑うつ傾向および絶望感との関係  心理学研究,68,179・186. 鴫 信宏 {1999).大学生用日常生活ストレッサー尺度の検言立 中京大学社会学部紀要,14−1,.  69−83.. 不適応的完全主義で選ばない対処行動と抑うつ・不. Zi師㎝d,AS.,&Sn舳,且P(jg8目)Th・h卿i㎞㎜㎡邸㎜dd艘p工幽。皿㏄出、ノ地. 安を弱める対処行動が一致した。このことは,不適 応的完全主義者がそれらの対処行動を選ばないこと.  月収曲,血止鵬8o別一痂邊腕白,07,3Gl−370、(Zigmond,八S.,&R.PSI1前th(著〕北村俊則. で,メンタルヘルスを良好にする機会を失っている.           主任指導教員 市井 雅哉. と考えられる。自分の気分をすっきりさせようと考.             指導教員 中村 菜々子.  {訳)(199宮〕、Hospi制㎞8ty㎜d D日p雌si㎝Sc出帆D尺度〕季刊精神診断学,  4(3),371’372.). 155一.

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