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普通教科「情報」履修者のWeb情報に対する検証行動の分析 -情報の収集・発信学習のための教材開発に向けて-

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(1)平成19年度 学位論文. 普通教科「情報」履修者の Web情報に対する検証行動の分析 一情報の収集・発信学習のための教材開発に向けて一. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 学校教育学専攻 教育内容・方法開発コース. MO6030H 井田 信也.

(2) はじめに_.____._,_.._____.______..._____.. ..4. 第1章 現在のWebの状況と学校教育における対応...__..。.... ,6. 1.1.現在のWebの状況...。....._....._........_......._._.._.... .6. 1.2.現在のWeb空間における問題点... .7. 1.3.情報の検証能力とメディアリテラシー._. .11. 1.4.社会の情報化と学校教育____._._.___.___.._. .13 1.5.教科「情報」の設置____.__.9____._._。__._ .15. 1.6.教科「情報」における情報の検証__.__.__.____. .16. 1.7.情報社会に参画する一員の素養iとしての情報の検証能力... .20. 第2章 調査方法と分析の観点______..___.___.__. .24 2.1.調査方法._____._..___.__…・・_…・…………・・….. ・24. 2。1.L調査に用いた課題文について__.__.__。__.__. .28. 2.1.2.課題1について__.____.._____.._.____. ..29. 2.1.3.課題Hについて_.__.___._____.._...___. 2.1.4.課題皿について___.___.._._____。._。__.. 2.1.4.課題に対する事前調査.____.__.___.. .30 .30. .31. 2.2.分析の観点.______.______....____.__._. 第3章調査結果______...___.___..___.. .32. .34. 3。1.課題1の調査結果_____._.___.___...____. .35 3.2.課題Hの調査結果..______.____._._.___.._. 。37. 3.3.課題皿の調査結果__..____.___._.__....___.. 第4章 調査結果の考察_____._.____.__.. .39. .41. 4.1課題1について_____。._.._._____.______..._。.41. 4.1.1.課題1における典型的な検索例._._____..__.. .41. 4.1.2.課題1におけるNs5の検索の様子.______。._. _.45. 1.

(3) 4.1.3.課題1におけるS6の検索の様子___.___.._____.46 4.1.4.課題1におけるS5の検索の様子____._._.___.__47 4.1.5.課題1の考察まとめ___.__._..__.____..____4g 4.2課題Hについて.__..___...._.__._._..___..___.__50. 4.2.1.課題Hにおける典型的な検索行動の例__..____._._.50. 4.2.2.課題1におけるS2の検索の様子.______.._.____52 4.2.3.課題HにおけるNs10の検索の様子__.____..__.._53 4.2.4.課題Hの考察まとめ___._.__...______。.____55 4.3課題皿について___._.__.._._____._____.._..._57. 4.3.1.課題皿において回答の根拠として挙げられた情報について58 4.3.2課題皿におけるS4の検索の様子__..____._.____61 4.3.3.課題皿におけるNs8の検索の様子___.__._...____63 4.3。4.課題皿の考察まとめ_._____.._____.._.____.64. 4.4.調査を概観しての考察_._____.______...__.___66 4.4.1.検索エンジンについての知識._..__.__..__.____..67. 4.4.2.回答の際に見られた特徴的な行動___._.__._____67 4.5.考察のまとめ__..____..___.___.__..____._._.69. 4.5.1.協力者の検索行動とバイアス._____._.___.___..70. 4.5。2.高い能力を見せた協力者の行動について_._.____._.,72. 第5章 Web情報の検証能力育成のための教材開発にむけて_..__81 5.1.認知科学的アプローチによる情報検索______.._____.82 5.2.検索者のバイアスと検索行動______.9______...._._84. 5.3.情報の発信者についての情報検証__._.___.______..85 5.4.支援のための手法.______..___._.__._._.____...86. 5.4.1.ワークシートによる支援__.____.._.._____._._87. 2.

(4) 5.42.システムを利用した検索の支援__.____。______92 5.5.情報の発信学習のために_____.._._._____...._.__.g5 おわりに._____._.____..__.__._.___.______..._97 引用文献_.,_____._._.____.._____._.______..._gg 謝辞__.____..____.__..___.___.._____.._。_._108. 資料A(協力者の検索の様子)______.__.__.__.____109. 資料B(回答用紙および事後アンケート)______..._____144. 3.

(5) はじめに. 社会の情報化が進むと共に,我々の生活にとってコンピュータ の存在は欠かせないものとなった.コンピュータの一般家庭への. 普及に伴い,Webを利用したコミュニケーションは活発になり,. これまで情報発信が行えなかった個人による頻繁な情報発信が 行われている.しかし,Webを利用した情報発信は,その手軽さ. 故に個人の偏見や主張に偏った情報を発信することが可能であ るため,Web空間には信葱性の低い情報が大量に発信されている また,従来から情報発信を行ってきた官公庁や企業・マスコミな. どからの情報も発信されているため,現在のWebは信葱性の高 さが異なる情報が玉石混交の状態となっている.. 学校教育においては,情報化社会に参画する一員としての資質 を養うために,情報機器の活用を積極的に取り入れた授業実践等. が行われてきた.2002年には,高等学校において教科「情報」 が新設され,「情報活用の実践力」,「情報の科学的な理解」,「情. 報社会に参画する態度」を柱とした教育が行われることとなった. 教科「情報」では,Webを利用した情報の受発信を行う際に留意 する点について学ぶ単元が設定されており,教科書では情報収集 の際にとるべき適切な方法について具体的に記されている.. しかし,実際に教科「情報」の履修者がWebを利用した情報 収集をどのように行っているのかについて調査したデータが無 いため,実態がつかめない状態になっている.そこで,本研究で. は教科「情報」を学んできた大学生に対し,Webを利用した際の 情報収集時において,得られた情報に対しどのような検証行動を とっているかを明らかにするための調査を行った.その結果を分. 4.

(6) 析するとともに,行動を改善するための学習者支援の手法を提案 する.以下に,本研究の構成を述べる.. 第1章では,本研究の背景として,現在のWebの状況とこれ までの日本の情報教育などに言及する.. 第2章では調査を行うにあたって,その手細きと分析の観点に ついて述べる.. 第3章では調査結果について述べる.. 第4章では実際に協力者がとった行動を分析し,協力者の行動. から教科「情報」履修者のWeb情報に対する検証行動について 考察する.. 第5章では調査結果の考察をうけて,適切な検証作業を伴った 情報検索を身につける学習のために,学習者を支援する手法につ いて提案することで今後の教材作成のための布石とする.. 5.

(7) 第1章 現在のWebの状況と学校教育における対応 1.1.現在のWebの状況. 1995年のwindows95⑭登場以後,各家庭へのパソコンの普及 率は上昇を続け,それに伴いインターネットなどのネットワーク. 環境の整備も図られることになった.これにより,それまで一部. のユーザが極めて小さなコミュニティを形成していたパソコン 通信などよりもはるかに巨大なコミュニティを簡単に作ること が可能となった(吉見・水越 2000).このようなネットワーク. の構築は,それまでの社会における人々のコミュニケーションか ら地理的・時間的な障害を軽減することとなり,人々の生活を大. きく変化させていったといえる.総務省(2006)によれば,2006. 年の家庭におけるインターネット利用が可能な機器の保有率は 60.5%で,インターネット利用者の通信手段はxDS:L回線とケー. ブルテレビ回線が主であり,家庭での高速・大容量通信が手軽に 利用可能となっていることを示している.. インターネットが普及して問もない頃は,Webを介した情報発. 信は官公庁や企業・マスコミ・HTMLなどを扱える一部の先進 的ユーザによってのみ行われていた.しかしながら,現在のWeb においては,Blog, SNS(Social Networking Service)等の CMS(Contents Management System)の普及により,それまでの. エンドユーザにとって負荷の大きかった情報発信が容易になっ. た.また,個人が発信する情報は他のユーザがWebを利用して 情報収集をする際に有益なものとなるだけではなく,マスメディ. アが個人の発信する情報をニュースソースとしたり(生田,斉藤 2006),企業が商品の市場調査の為のリソースとして利用するな. 6.

(8) ど,その重要性が高まっている(奥村2006).また,Wikipedia. に代表されるようにWeb上でユーザがそれぞれに持つ知識を持 ち寄り,協同で情報の編集にあたるといった行為は,いまや当た り前に行われている(0’Reilly 2005).現在のWebの状況を図1 に示す.. ’ 従来のWeb ’. ’. /. 現在のWeb. \ / ●● 働 o. じ/. 勢零轡剰. 須て轡た弩弓幣マズ i1コξ晦選的ユーザ. …. 情報 発信. 鷹=コミ. …. 噂など. \i. 8b $N$. Wiki. 8BS. ;1. μ ll ll l 纏. Webページ. 1・従来のWebページ. ;容易に書き込みがi 蓼. 情報 閲覧. l可能なWebページ1 ’1 \一 oC轟躍S}一一一ノ 1. ◎◎② エンドユーザ. =. ’. ノ. 図1現在のWebにおける情報の受発信状況 1,2.現在のWeb空間における問題点. Webによる情報の発信が容易になったことにより,Webは, 公的な機関などによるオーサライズされた情報に加え,個人の主 義・主張に偏った情報なども入り混じったものとなったと言える、. 例えば,Blogはインターネットの初期からあったWeb上で個 7.

(9) 人の日記を綴るためのサービスに,閲覧者がコメントをしたり,. 記事に関心を持った閲覧者が自身の日記に容易にリンクを張っ たり(トラックバック)するための機能を付加したものである.. 従来の日記サービスでは,閲覧者数は表示されても,それに対す る読者からの反応が分かりづらかった.しかし,コメントが残さ. れることで記事に対する読者の反応が即座に分かるようになっ. たことに加え,手軽に利用できることから芸能人や著名人の Blogなどを中心に一般のユーザにまで広がりを見せた.読者か ら人気のある記事をBlogで書く作者(Bloger:プロガー)は,一. 個人でありながらWebを通して有名人になる事ができた.しか し,一般ユーザのBlo9に対する盛り上がりを利用して,企業が 商品の宣伝を著者に依頼し,あたカ∼も個人が商品を薦めているか. のような記事を書かせることが行われるようになった.. この頃に登場したのがSNS(Social Networking Service)で. ある.SNSは従来のBlog機能をメインとし,興味関心のある分 野についてのコミュニティ作成機能などをもたせたCMSの一種 である.ユーザは現実世界の友人やSNSを通じて知り合った人 物と自分のページをリンクさせ,リンクさせた者同士でBlogを. 閲覧したり,特定の分野や問題に興味を持つ者同士がSNSを通 じて仲間を集め,グループを作り,その中で議論を交わすことで. 知見を深めていくといった活動を通して,Web上に小さな社会と. も呼べるものを築く事が可能となった.SNSには自分のページ を閲覧したユーザの履歴が残るため,誰が自分の記事を見たのか ということが即座に分かるという特徴を持っている.そのため,. 自分の日記は閲覧されているのにコメントがなされないことに 8.

(10) 不安や不満を感じたり,閲覧した日記にコメントを付けなければ. ならないという強迫観念に捉われるユーザが生まれrSNS依存 症」という現象を生み出すまでになった.現在のSNSは日記の ほかに,動画,写真,映画や文学についてのレビュー,自分が今 聴いている音楽までもが手軽に発信できるようになっている.. Wikiはユーザが情報を編纂し作り上げていくWeb上の辞書の. ようなものである.代表的なものとしては 「Wikipedia」 (http:/ja.Wikipedia.grg)や「はてなダイアリー」のキーワード. 機能(http:〃www。hatena。ne.jp)などが挙げられる.従来の事典. では扱わなかったような日常的な用語や事象についての項目が 作成されたことで,これまで検索から発見することが難しかった 情報についても,そのことについての知識を得ようとするユーザ が概要を把握することが容易になった利点がある.しかしながら. 問題点もあり,情報の編纂はユーザ同士が行うため,しばしば異. なった見解を持つユーザによって情報の改変が繰り返し行われ る「編集合戦」の問題がある.また,虚偽の記述を意図的に加え,. 項目を改変する「荒らし」行為も行われる.情報の編纂は匿名の ユーザによってリアルタイムに行われているため,閲覧する際に は記述された内容の根拠について注意を払う必要がある.. Webを利用した情報発信の手軽さは,情報の速報性につながり Webページ内のテキストをコピーして,編集を加えたり(あるい はそのまま自身の情報として)再発信するために,ある事柄に対. する同一の見解が複数のユーザから大量に発信されるといった 事も起こっている.そのため,検索エンジンを利用した情報探索 を行う場合,検索結果には同一の情報がランキングの上位を独占. 9.

(11) してしまうため,一瞥しただけでは同様の事柄に対する,異なる 立場の情報が無いようにも見えてしまう.このような状況になる. と,Webをリソースとして利用しながら問題解決を行う場合は, 大量の情報の中から自らが必要とする情報を見つけ出し,吟味し 取捨選択レていかなければならない.また,収集した情報を元に した情報発信を行う際に,そもそもソースとなる情報が誤ったも. のであったり,偏ったものであったり,また各種の権利を侵害す るようなものであれば,それを基にした情報発信を行うことは,. 他のユーザにとって混乱を与えることになるだけでなく,情報発. 信者個人の責任が問われる現代において非常に危険な行為であ るといえる.. 日本において情報発信が活発に行われていることは,アメリカ. のTechnorati(2006)が行った調査によれば2006年第4半期の Blog投稿数で,日本語の記事が英語や他の言語からの投稿数を 上回ったという調査結果から示されている.また,ネットレイテ. ィングス(2007)によれば,今後もWebを利用した個人の情報 発信量が増えていくことが予測されており,以上を考慮すると,. 探索に加えてWeb情報の妥当性や信愚性を常に意識し,検証す る能力は必須のものであるといえる.これからのWebでは,こ のような高度な能力がリテラシーとして 必要になるということが,斎藤・大岩(2004)からも主張され. ている. 以下に現在のWebにおいて主流となっているCMSの 利点と難点をまとめる.. 10.

(12) Blo9 利. ・手軽な情報発信が可能. 点. ・トラックバックによる情報のリンクが可能. 難. ・検索スパムとなる可能性がある. 点. ・執筆者についての情報が見えにくい. SNS 利. ・議論を促進しやすいコミュニティ機能. 点. ・社内や学校でコミュニケーションの活性化に繋がる. 難. ・他者とのコミュニケーションカが必要. 点. ・コミュニティが犯罪の温床となる可能性がある. Wiki 利. ・大まかな知識を得ることが可能. 点. ・共同作業で文書を作成するのに向いている. 難. ・悪意的な改ざんが行われることがある. 点. ・執筆者についての情報が見えにくい ・情報の更新時期の確認が必要. 1.3.情報の検証能力とメディアリテラシー. Webの黎明期には,一般のユーザは提供されるサービスを利. 用し,発信される情報を享受するという,受身的な態度でWeb 11.

(13) 空間の探索を行っていた(吉見・水越2000).これは,従来の メディアリテラシー教育で扱っていた,情報発信者としてのマス. コミと情報受信者としての視聴者という関係(生田・丸山 2006)の範躊であり,その時点でWebの利用に関わるリテラシ ーは従来のメディアリテラシーで扱ってきた新聞やテレビに対 するものと同じであった.. 他者によって発信された情報を検証する能力は従来のメディ アリテラシー教育でも扱われてきたものであり,学術論文の読解 力を身につけるための研究として,沖林(2003)や大河内(2004). においても,また,メディアリテラシー教育の系譜の中で”News In Education”の理念を基に新聞を教材として扱った際などにも. 重要であるとされてきた(影山2006).しかし,Web空間の中 の情報は,学校教育で扱われる新聞や図書のように洗練され,吟 味されたものばかりではなく,むしろそうでない情報のほうが大. 部分を占めている.現在のWebにおける情報発信は,個人の偏 見に基づいて作成された情報が,マスメディアにおける校閲など にみられるような,発信する情報についての検証がなされないま ま行われるため,従来のメディアリテラシーで述べられてきた方 法では情報の検証がしづらいものとなる(有賀・吉田1ggg).. Web空間が日常に密接したものとなったことで必要となった 新しいリテラシーとして佐藤(2003)は「ポスト産業主義の社会の. リテラシーは高度化し複合化し流動化する知識社会における基 礎教養の教育であり,批判的で反省的な思考力とコミュニケーシ ョン能力の教育として再定義されるべきであろう」と述べている (佐藤2003).また,生田(2003)では「批判的で反省的な思考力. 12.

(14) とコミュニケーションの能力,多様なメディアを駆使し,人と人 が交わって創造知を生産する教養」としている(丹羽ら2002).. これら2つは現在のメディアリテラシー研究者の提言の一例で あるが,Potter(2004)や,中橋・水越(2003)などにおいて も同様の主張がなされている.. つまり,現在のようなWebの状況を鑑みれば,これから必要 となるリテラシーは,ソースとしての情報を探索する際に,Web. 検索の結果得られたWebに掲載された情報の信葱性を常に意識 し,情報を探索することであり,情報の収集段階における高度な. リテラシーである(斉藤・大岩2004).また,このようなWeb の探索時における情報の検証作業の必要性は,吉見・水越(2000),. 斉藤・大岩(2004),佐藤(2003),丹羽ら(2002)などのメデ ィアリテラシーの研究者からも提言されるようになっており,こ の能力をこれまでの情報教育の目標である「情報活用の実践力」. や「情報社会に参画する態度」に加えるとともに,包括的な教育 を行っていく必要があると考えられる.. 現在では,酒井ほか(2006)など,これまでのメディアリテラ シー研究からの知見を,学校現場の教員に還元し,将来的には学 校での教授活動へとつなげるべく,教師教育に関わる研究や実践 が行われている.. 1.4.社会の情報化と学校教育. 社会の情報化に伴い,これまで一般のユーザが必ずしも使う必. 要のなかったコンピュータは社会生活を営む上で必須のツール となった.高度情報化社会における技術は目まぐるしく変化し,. 13.

(15) 日々新たな技術が開発されたり,従来のものが進化していくよう. な状況の中では,情報に対する正しい知識と,それを使いこなす 能力といった,いわゆる情報活用能力を身につけることが求めら れた.そこで,文部省(1992)は,情報活用能力を「情報及び情 報手段を主体的に選択していくための個人の基礎的な資質」と定 義し,子どもたちの情報活用能力を育成するよう教育現場に要求 した(近江ら2005).. 学校現場での情報機器の整備は文部省によって行われた100 校プロジェクト(1996)に始まり,国としての施策であるe・japan 戦略(2001)により,全国の学校へのコンピュータの積極的な導入. とインターネットなどのネットワークへの接続が行われること となった.その成果として,現在では学校におけるコンピュータ の整備率は,コンピュータユ台あたり8.8人(高等学校では6。7 人,中学校では3.0人)となった(文部科学省2004).. 学校へのハードウェアの整備が整ったことに加え,ネットワー ク環境の整備も行われたことにより,従来では時間的・地理的な. 制約により行うことが難しかった学校間での情報発信を伴う活 動を積極的に取り入れることが可能となった.地理的に隔たれた 学校同士をネットワークで接続し,交流学習を行ったり,生徒に. よる学校のHP作成などが頻繁に行われた(Eスクエアプロジェ クト2000).また,情報発信だけでなく,インターネットを学習 のリソースとして用いた情報収集活動も頻繁に行われた.. このような経過を経て,文部科学省は,1998年12月に学習指 導要領の改訂を行い,2002年度より新しい教育課程が実施され ることとなった.この新教育課程では,中学校において「ゆとり」. 14.

(16) の中で「特色ある教育」を展開すると共に,生徒に豊かな人間性 や自ら学び考える力などの「生きる力」の育成をはかることを基 本的なねらいとしている(文部科学省1999).さらに,この改定 では,近年の高度情報化ネットワーク社会の進展に伴った現代社 会の「情報化への対応」として,情報活用能力のいっそうの充実 を目標に掲げている.そのための施策として,小中高の各学校段 階を通じて,各教科や「総合的な学習の時間」においてコンピュ ータやインターネットの積極的な活用を図るとともに,これまで 選択科目であった中学校における技術・家庭科分野の「情報とコ ンピュータ」の必修化と,高等学校における教科「情報」の設置 がなされた(宮田・鈴木2004).. 1.5.教科「情報」の設置. 教科「情報」では,情報活用の実践力・情報の科学的な理解・ 情報社会に参画する態度,の育成を通して生徒が情報社会の一員 となることを目指している.しかし,布施ら(2003)によれば, 教科「情報」の指すところの「活用の実践力」・「科学的な理解」・. 「態度」について教員の間でも定義や解釈が異なり,何を教えれ. ば良いのか,といった教育目標を設定することが難しいといった 意見も当初あった.そのため,授業での学習内容も機器の操作や ソフトの扱い方などが中心とされた.また,機器の整備不足は依 然続いており,教員のスキル不足もあり,十分な教育が行えない 学校も多かった(布施ほか2003).. また,社会ではコンピュータやインターネットを通して生徒が 犯罪や事件に巻き込まれるような事態も発生し,死者までが出る 15.

(17) 事態となった.このような状況を改善するために,情報社会に参. 画する態度の育成を目指して,各種権利保護の精神や匿名掲示 板・いわゆる「学校裏サイト」において,公序良俗に反しない意 識を養うための授業実践などが行われるようになったが(文部科 学省2005),それでも十分な成果を挙げているとは言い切れず,. 実生活においてはまだ意識が低いという調査結果もある(三宅 2005).. しかし,教科「情報」では,情報社会の一員として参画するた めに,生徒に積極的な情報発信者となることを求めており,情報 発信に関する授業実践は現在も増えている(須田ら2007).. 1.6.教科「情報」における情報の検証. Webを利用した情報収集時において生じる問題に対応するた め,主に情報Aと情報Cでは,Webの情報を収集する際の注意事 項について学習する単元が設定されている.高等学校学習指導要 領解説「情報編」(2005)によれば,情報Aでは,(2)情報の収 集・発信と情報機器の活用,単元において,. ウ 情報の収集・発信における問題点. 情報通信ネットワークやデータベースなどを利用した情 報の収集・発信の際に起こり得る具体的な問題およびそれを解 決したり回避したりする方法の理解を通して,情報社会で必要 とされる心構えについて考えさせる.. としており,情報通信ネットワークやデータベースなどを活用し た情報の収集・発信に際し. 16.

(18) コ. ロ. ロ 1・情報が伝達される過程で情報が損なわれることがあるなどl I l. l 酢 ロ. ロ コ. 1 の信頼性の問題 匪. 1 じ ロ. ロ ロ. 1・情報の信懸性の問題 I. ・. i. 巳 ロ じ. コ. ;・取り扱う情報の内容や取り扱いによっては他人の利益やプ1 ■ コ. 匪 ロ コ. i ライバシー等が損なわれる可能性があること I コ コ. I. ■ ■ 1. 1 疽 ■. コ コ. i・情報発信にあたって責任が生じること. l i. などを認識させ,それらの解決には個人の意識や努力が必要で あることの認識を持たせることが必要であるとしている(文科省 2005).. また,情報Cでは,(3)情報の収集・発信と個人の責任,の 単元において. ア 情報の公開・保護と個人の責任. 多くの情報が公開され流通している実態と情報の保護の 必要性及び情報の収集・発信に伴って発生する問題と個人の責 任について理解させる.. としており,内容の取り扱いとして,. 17.

(19) コ. i情報社会の中で,多くの情報が公開されており,それらを有効i I. l. ロ. ロ. ロ. ゆ ロ. 1 1 ロ. 「 置 ほ. 1に利用することが求められていることを理解させる.また,フ;. ;ライバシーや著作権などをめぐりさまざまな問題が生じてきl I l. I. ■ コ. 1たことを知り,情報の保護に関しての生徒の意識を高め,情報; I. I. l. 置. ;を収集・発信する場合に気をつけなければならない問題点や情l I. l. 「 ロ. 1 コ. I. I. 1報に関する個人の責任について理解させる.(中略)情報の収l 「 じ. 1 ロ. i集・発信については,情報社会では自分にとって適切な情報以i ■ コ ロ. ■ コ コ. 1外にも多様な情報が流通していることを理解させ,誤った情報; 1. l. I. 匡 ロ. 1や偏った情報が人間の判断に及ぼす影響,不適切な情報への対1. , 1 ロ. , ■ コ. i処法などを扱うことが大切である.例えば,社会で話題になつi 駐 ロ ロ. i ほ ロ. 匿 曜 ロ. 1 ■ コ. 1たような意図的にねつ造された情報,インターネットや携帯電1 1話によるいたずらや犯罪などを,インターネットや新聞などかl I l. I I. コ. ロ. 1ら調べ,具体的に対処法などを考えさせることが必要である.1 1. 「. 1____幽____隔________一______一一____一___r________一____蘭___________噛_一_零___幽________1. としている.また,指導要領の内容をうけて教科書ではWebを 利用した情報収集を行う際に注意する点について大別して,①著 作権やその他の権利保護に反したページではないか,②情報は断. 口性があるものか,の2点が挙げられている.②についてはWeb ページを一瞥して判断することは容易ではなく,そのために主に 次の点を確認することとしている.. A)情報の発信者が誰かを確認する B)出典が示されているか確認する C)情報の内容が新しいか確認する. D)別のWebページとのクロスチェックを行う A)についてはWebに掲載された情報の製作者が誰なのかとい 18.

(20) うことである.例えば,ある事件ついての記事がWebに掲載さ れていた場合,個人のBlogなどで事件の状況の説明や背景など が記述されていたとしても,著者の意図が強調されている場合が ある.そういった場合は,まず事件自体が事実であるか確認する ことが必要である.そのためには,Webだけでなく従来からある 新聞やテレビ等のマスメディアも利用できるが,マスメディアは. スポンサーの意向によって発信する情報が制限されることがあ るが,警察発表や記者会見などのニュースソースは同じである場 合がほとんどなので,事件の概要を知るためには有用である1. B)については,掲載された情報の背景にある事実を確認するこ とである.どんなに体裁がもっともらしく執筆された文章であっ. ても,それが著者の独断や偏見に基づいたものであっては,信愚 性が低くなる.他者を説得するための論法としては,展開する論 の背景にある情報を示すことで,主張の信愚性を高め,論理的に 他者を説得することが可能となる.また,示されているソースを. 検証する際にはA)や後述するD)の手続きが必要であり,適切 なものが示されていない場合もあるので注意しなければならな い.. C)は情報の新鮮さを確認することである.Webはその速報性 の高さから,新たな情報が次々に発信されている.しかし検索結 果のランキングには「Google」(http:〃www。google.co。jp)のよう. なロボット型検索エンジンや「Yahoo!Japan」 (http:〃www.yahoo.co.jp)のようにディレクトリ型とロボット型. 1ただし,マスメディアから発信される情報を読み解くためのメディアリ テラシー的な観点をもって受信する必要がある.. 19.

(21) の特徴を持つ検索エンジンによって検索結果の提示方法が異な るため,必ずしも検索結果のトップに最新の情報が表示されると. は限らない(西之園2001).特に社会調査などの統計を扱った 情報の場合,あまりにも古い統計を元に論じられていては正確さ に欠けたものとなる.. D)については,同一の情報について複数:のページを閲覧し比. 較することである.Webでは同じ事柄について複数の見解が発信 されるが,そのなかにはデマや発信者の見解・心情に偏ったもの も多く存在する.検索した結果から,どの情報を信じるかという ことはユーザが判断することになる.そのため,あえて複数のソ. ースによる情報を閲覧し,異なった見解を入手し比較したうえで 判断を下す必要がある.. Webによる情報収集を行う際に,このような手続きを経て検索 を行うためには,常に上述の点を意識することが必要であり,か. つ複数の項目を同時に判断し比較していかなければならないた め,検索者には相当の負担がかかるものとなる.つまり,これか らの情報社会に参画するために必要となるリテラシーとして,ま. ずは教科書で述べられているような手法を用いて情報の検証が 出来る,ということであると推察できる.. 1.7.情報社会に参画する一員の素養としての情報の検証能力. 現在の高等学校への進学率は97.7%と非常に高い数字になっ ているが,そこから大学へ進学する生徒は49.3%と,全体の半分. 程度である(文部科学省2006).つまり,高等学校を卒業し就職 する生徒は,高等学校までで培った知識・経験を基に社会の一員 20.

(22) として参画していくことになる.しかし,このような能力が身に. つかないままWebを利用して情報の受発信を行うことは, Web 空間の無駄な(データとしての)情報量を増大させる危険性があ り,情報社会に参画する一員としてのふるまいとしては好ましく. ない。また,高等教育の観点からいえば,大学などへ進学する生 徒は,高等学校で学んだ内容を身につけてきていることを前提と している.昨今,大学生のレポート課題において,Web情報のテ キストをコピーしてそのまま回答に用いるという,いわゆる「コ. ピペ」の問題がある.この問題についても,(中谷ほか2007) によれば,収集した情報を吟味し,比較検討したうえでの行為で あれば安易に批判することはできないとしているが,中谷らによ れば実際には安易な情報のコピーが行われているようである.こ れも,コンピュータの操作能力は身についているが,他者の情報. を尊重する態度が十分に形成されていないことによるものと考 えられる.. また,ネットレイティングス(2007)の調査によれば,2007. 年3月度の家庭内パソコンからのインターネット利用者数が 4,500万人に到達し,2010年には5,500万人になると予測され. ている.そのなかでユーザが利用するコンテンツは1位が Yahoo!(検索ポータルサイト),2位がmixi(SNS),3位が楽天(ネ. ットショッピング)となっており,次いでYoutube(ユーザによる 動画投稿サイト)となっており(ネットレイティングス2007),ユ. ーザが投稿するスタイルのコンテンツ(CoNsumer Generated. Media)であるmixiやYoutubeが上位にあることからも,個人 による情報発信が盛んに行われていることが示されると共に,こ 21.

(23) れらの情報を閲覧するだけのユーザ数は発信者よりも多いと考. えられる.現在もWebの情報量は増加しており,利用するユー ザには様々な発信者からの情報を読み取るリテラシーが必須の ものとなっていくことは明らかである.. このようなWeb状況の変化を経て,教科「情報」設置から数 年がたち,教科書の内容も改定されることとなった.しかし,改 定された教科書の内容分析を行った,香山ら(2007)によれば,. 本研究でこれからのWebにおいて必須の能力と考える情報の検 証についての記述が減少しているようである.従来の学習内容か ら減少したということは,何らかの理由により情報教育において. 情報の検証に関連する内容に時間を割く必要性が減ったという ことを示唆している.例えば,堀田(2007)は情報検索の能力が未. 熟な学習者が,Webを利用することの危険性を指摘しており,情. 報検索の訓練を行うために実際のWebを利用すべきではないと 述べている.しかしながら,本研究では前述してきたように,こ. れからのWebを利用するにあたって,情報の検証能力が必須で あると主張する立場から,教科「情報」履修者は前述の検証能力. を持ってWebにおける情報検索を行っていると推測する.しか し,実際に教科「情報」を履修した者が,Webを利用してどのよ うに情報の検索と検証を行っているのかについて,質的に分析し た調査・研究は無く,実態がっかめない状況となっていた.そこ. で本研究においては,教科「情報」履修者のWeb情報の検証行 動について調査を行うこととした.今回の調査においては,履修 者の検証行動を教科「情報」履修の効果として捉え,その効果を 明らかにすべく,比較対象を用意することとした.教科「情報」. 22.

(24) 履修者の年代では,教科「情報」を履修しなかった場合との比較 を行うことが出来ないため,教科「情報」設置以前の教育課程で 学んできた大学生の行動を比較することで,教科「情報」で獲得. されるべきWeb情報に対する情報の検証行動が履修者に身につ いているか示すことができると考えた.もし,両者の行動に差が みられない場合には,教科「情報」履修者は高等教育を受けてき た者と同等の能力を身につけており,教科「情報」の成果として,. 情報の検証能力が身についていることになるが,両者の行動に差 があった場合,それが高等教育を受けた経験による差異なのか, 教科「情報」履修者のほうが高い能力を発揮した場合には,教科 「情報」を履修したことによる差異であるのか検証することとし た.. 23.

(25) 第2章 調査方法と分析の観点 教科「情報」履修者がWebを利用した情報検索を行う場合に,. 得られた情報に対する検証行動が,教科「情報」の教科書で挙げ. られているような方法を用いて行われているのかを明らかにす るために調査を行った.. 2.1.調査方法. 調査対象として,高等学校在学時に教科「情報」を履修した本. 学学部生10名を対象とした.また,履修者の行動を分析する上 で比較対象として教科「情報」設置以前の教育課程で学んできた. 学部生10名にも協力を依頼した.表1に教科「情報」履修者(以. 下,Sとする)の,表2に教科「情報」設置以前の教育課程を修. 了した学部3回生・4回生(以下,Nsとする)のプロフィール をそれぞれ示す.. Sについての内訳は,情報A履修者6名,情報B履修者1名,. 情報C履修者3名となった.Nsについては3回生と4回生それ ぞれ5名ずつに調査協力を依頼した.表1,表2における「利用 経験」とは協力者のインターネット利用年数について尋ねた項目. である.「利用頻度」とは,協力者が普段Webによる情報検索を どの程度の頻度で行っているかについて,1:よく使う,2:たま. に使う,3:どちらともいえない,4:あまり使わない,5:全く. 使わない,の5件法で回答させたものである.これにより,協力. 者が普段からWebを利用した検索にどの程度慣れ親しんでいる のか,またそこからWebを情報のリソースとした情報収集をど の程度行っているか,大まかに予想できると考えた.. 24.

(26) 表1 履修者プロフィール N. 履修科目. S1. 情報A. 1年. S2. 情報A. S3. 利用頻度. 使い分け. 5−6年. よく使う. する. 2年. 5−6年. たまに使う. しない. 情報A. 1・2年. 8年. よく使う. する. S4. 情報A. 1年. 5年. よく使う. しない. S5. 情報A. 1年. 6年. あまり使わない. しない. S6. 情報C. 1年. 10年. たまに使う. しない. S7. 情報C. 1年. 9年. よく使う. する. S8. 情報A. 1年. 7年. たまに使う. しない. S9. 情報B. 3年. 7年. よく使う. しない. S10. 情報C. 1年. 3年. あまり使わない. しない. 履修年次 ・利用経験. 表2 3・4回生プロフィール N. 学年. 利用経験. 利用頻度. 使い分け. Ns1. 3. 5年. たまに使う. しない. Ns2. 3. 10年. よく使う. しない. Ns3. 3. 5年. よく使う. しない. Ns4. 3. 3年. たまに使う. しない. Ns5. 3. 6年. よく使う. しない. Ns6. 4. 5年. あまり使わない. しない. Ns7. 4. 8年. よく使う. しない. Ns8. 4. 8年. たまに使う. しない. Ns9. 4. 7年. よく使う. しない. Ns10. 4. 9年. よく使う. しない. 25.

(27) 利用頻度について教科「情報」履修者の回答は,よく使う:5. 名,たまに使う:3名,あまり使わない:2名であった.非履修 者は,よく使う:6名,たまに使う:3名,あまり使わない1名, と両者の間ではほとんど差がなく,インターネットの利用年数も. 同程度であったため,インターネット検索に必要な操作能力は同 程度と判断した.. 「使い分け」の項目については,検索エンジンが持つロボット 型やディレクトリ型といったそれぞれの特性を理解して,検索を. 行う際に検索エンジンを使い分けているかについて尋ねる項目 である.本調査においては協力者が普段行っている検索の様子を 観察するために,使用させる検索エンジンは協力者が自由に選択 出来るようにした.また,協力者が検索エンジンを使い分けると 回答した際には,正しい知識を持って使い分けているのか確認す るため,その理由も書かせることとした(「使い分けをする」と 回答したS1, S3, S7が使い分ける理由については,巻末資料B のうちp.146,p.153, p.162,を参照のこと).なお,検索エン. ジンを選択させるだけでなく,使用するブラウザについても,本. 学で学生が利用可能なPCにデフォルトで設定されている Mozzila FireFoxと一般的に利用されているMicrosoft Internet Explolerを選択可能とした.. 調査の手続きとしては,協力者に課題を提示し,インターネッ. トで検索した情報を元に回答する様子を調査者が観察しっっビ デオカメラで撮影し,協力者の検索過程を事後でも分析できるよ うな形式をとった.それに加えて検索過程で協力者が何を考え検 索を行っているのか把握するために,検索の過程で思ったことを 26.

(28) 可能な限り声に出して検索を行うよう,検索前の協力者に口頭で 指示した.. 協力者には課題を遂行させる前に,課題についてどのような知 識を持っているのかを問うた.その方法として,課題に取り組む 前に協力者の課題に対する事前知識の有無について,自由記述形 式により回答させた.それに加え,検索を行う前に課題について どのように考えるか(判断)を問うための質問項目として,課題. 1および課題Hでは, 1:信じる. 2:信じてもよい 3:どちらともいえない. 4:あまり信じられない 5:信じられない. という5件法で回答させ,課題皿は賛成・反対の2択により回答 させることとした.5件法により判断をさせた理由は,後述する ように,今回設定した課題には複数の見地から作成された情報が あり,それらをリソースとして判断する際には,得られた情報に ついての全面的な肯定・否定ではなく,信じてもよい・あまり信 じられない,のように判断を保留する場合も起こりうるため,そ のような協力者の微妙参判断の変化を捉えるためである.. 検索後に,協力者に回答させる形式については,検索前の項目. と同様に,各課題に共通して,自由記述による回答に加え,5件 法による判断を問うことで,検索を通して課題に対する判断が変 化したか確認することとした.また,協力者には回答の際に回答. の根拠としたWebページのUR:Lを挙げさせることで,検索の過 27.

(29) 程でどの情報を重要と判断したか示させた.. *実際に使用した調査用紙については資料Bを参照のこと。. 2.1.1.調査に用いた課題文について. 調査で協力者に解決させる課題は(斉藤・三輪2001)を参考に,. 1:日常的な課題 1:日常的だが正確な理解には専門的知識を要する課題 皿:解決に専門的知識を要する課題. の3種類を作成した.それぞれ趣旨が異なる課題設定をした理由 は,協力者の既有知識によって作業の効率が異なってしまうこと. を避けるためである.それに加え,インターネットを用いた検索 という,日常生活の中で頻繁に行われているであろう活動を観察. するにあたって,課題皿のように学校現場で設定されるような課. 題だけでなく,課題1や課題nのように,いわゆる噂や都市伝説. 等のような,信愚性が低い情報もWeb上には存在するため,協 力者がそのような日常生活で接する可能性があるWeb情報に対 して,教科書で挙げられているような手法をとって検証作業を行 っているか観察しやすいと考えたからである.具体的な課題文と してはそれぞれ,. 28.

(30) 課題1 「映画「となりのトトロ」にまつわる怖い話があると言われてい. ます.どういうことなのか調べて,あなたの考えを述べなさい」. 課題H 「マイナスイオンの健康効果について調べなさい」 課題皿. 「クラスで日本における米の輸入自由化の是非についてディベ ートを行うことになりました.議論を行うために必要な情報をイ ンターネットで調べて,あなたの考えを述べなさい」. とした.. 2.1.2.課題1について. 課題1は公開から現在に至るまで老若男女を問わず根強い人 気があるアニメーション映画にまつわる都市伝説について調べ させる課題であり,協力者の既有知識として映画についての情報 を持って検索に臨むと考えられた.いわゆる噂やデマといった部 類にあたる情報であり,映画制作元のプロダクションが公式に否. 定しているにも関わらず,個人のBlogやWebサイトには都市伝 説を肯定する情報が多く,それらの中には映画のシーンについて. の解釈が著者によって拡大解釈されたものや著者の想像といっ たものがほとんどである. その為,この課題では特にA)情報 の発信者が誰か確認する,について検証する様子が観察できると 考えた.. 29.

(31) 2.1.3.課題11について. 課題Hについてはテレビ番組を発端に数年前まで頻繁に話題 に挙がったマイナスイオンにまつわる課題である.そもそも疑似 科学用語であるが,多々のメディアで扱われたり,家電や日用品 の広告やパッケージで頻繁に目にする用語であるため,ほとんど の協力者がこの語句について,ある程度の健康効果があるという. イメージを持っていると考えられる.しかし,なぜそういった効 能がある/ないのかを理解するためには,科学についてある程度 の知識が無ければ正確な説明は出来ない.協力者は,この「よく. 分からないが健康効果があるようだ」というイメージを元に検索 を行うことが予想された.ここでは,科学に関する正確な知識が 必要となるため,情報を検証する際に主張の根拠について検証す. るかという点について,教科書で挙げられている手法から特に B)出典が示されているか確認する,について観察できると考えた. 2.t4.課題lllについて. 課題皿については解決に専門的な知識を要する課題として,社. 会科の授業でディベートを行うこととし学校で実際に行われる 活動を想定した状況を設定した.学校で行うディベートでは通常. 賛否2つのグループに分けて行われるが,今回は協力者がどちら. の立場から意見を述べるかを検索の前段階で決められるように した.ディベートを行うためには,自分の陣営の意見だけでなく,. 対立する主張についても把握しておくことが基本である.社会問 題については,時間の経過と共に問題点も変化する可能性がある ため,あまりにも古いデータを用いて現在の状況を論じる事は不 30.

(32) 適:切な場合がある.そのため,この課題については教科書で挙げ られている手法のうち特に,C)情報の内容が新しいか確認する,. D)別のWebページとのクロスチェックを行う,について観察で きると考えた.また,この課題は国内問題だけではなく国際関係 の視点から,複雑な状況を踏まえて情報収集を行うことが求めら れる課題である.この課題に取り組むにあたって,協力者は解決 のための専門的知識を有していないものと考えた.そのため,協 力者の既有知識に拠らない,未知の事象に対しどのような検索行 動をとるか,という点についても観察できると考えた.. 2.1.4.課題に対する事前調査. なお,今回の調査では教科「情報」履修者がWebで収集した 情報に対しどのような検証行動をとっているかを明らかにする ものであるため,課題に対する回答の正誤や適否については問わ ないものとした.また今回設定した課題については,課題の作成. 時点(2007年10月)でWeb上に賛否双方の情報が混在しているも. のを取り上げ,実験者が事前に課題について検索を行い,Blog やWikiまたは官公庁や企業など,オーサライズされた情報を含 め,様々な発信者からの情報が存在することを確認し,Web上の リソースを用いて十分回答が可能であることを確認した.正式な 調査を行う前に,これらの課題文が適当であるか確認するために 本学大学院生により予備調査を実施した.その結果,回答に詰ま る場面は観察されなかったため,課題文が適当であると判断し, 本調査に用いた.. 31.

(33) 2.2.分析の観点. 調査の結果得られたデータを分析する観点として,特にSら については教科書で挙げられているA)∼D)の手法を用いて情報 の検証を行っているという仮定のもと,. i.事前知識の有無と検索行動との関係 ii.検索の前後で判断に変化は生まれたか iii。回答に至るまでに偏った情報だけを閲覧していないか. iv.回答の根拠として挙げた情報は適当か の4点から行うこととした.. i.については,事前調査で課題についての事前知識を持つ協 力者と持たない協力者の検索行動を比較した際に,どのような差 異があるか検証することとした.. ii.については事後の判断が事前のものから,肯定的・否定的 に変化したならば,検索の過程で得られた情報により,判断に変 化がもたらされたということになる.そこで,判断の変化と閲覧 した情報に関係があるか検証することとした.しかし,判断に変. 化がもたらされなかった場合であっても,賛否両方の情報をバラ ンスよく閲覧した結果であれば,一概にその判断を否定すること はできない.. iii.については,協力者が検索を行う際に,ある一方の見地に. 偏った情報や,特定のユーザからの情報だけでなく,他の知見の 可能性を常に意識しつつ検索を行ったか,について検証する.教. 科「情報」では1つの事象に対し複数のソースを閲覧し,その信 葱性を検証することを求めており,現在の雑多な情報が混在する Webにおいて必須の能力であると考える. 32.

(34) iv.について,教科「情報」は,信頼のおける発信者からの情. 報か,という点を判断基準の1つとして挙げていることから,本. 調査においても,発信者の正体が判別できないようなBlogなど を根拠として挙げる事は好ましくないと考える.また,同様の理. 由から,ここではWikiなど1つの事柄に対し複数のユーザが編 纂を行っている情報についても,それのみで判断を下すことは適 切なものではないと考えた,. さらに,Webにおいて情報検索を行う際には,どういつだ検索 キーワードを入力するかが,必要とする情報が得られるかに大き く関わってくる.また,検索キーワードから,検索者がどのよう. な情報を求めているのかが推測できる.そこで,協力者が用いた 検索キーワードにも着目した.. 以上の観点から調査を行った.次章にその結果を示す.. 33.

(35) 第3章調査結果 以下,調査結果の表記について,H:omePage(以下HPとする) とサイトの表記の違いは,協力者が回答の際に根拠として挙げた. URLが,ディレクトリの中でも特定のページを示すものである 場合「H:P」と表記し,ページディレクトリトップのURL,を挙げ た場合は「サイト」と表記している.「Blog」については, Web. 上のBlog作成サービスを利用して作成されたものを表している 各協力者の詳細な検索行動については巻末の資料A(協力者の 検索の様子)を,回答用紙については資料B(回答用紙および事 後アンケート)を参照のこと。. 34.

(36) 3。1.課題1の調査結果. 履修者の結果(課題1). 表3 事前知識. 検索前. 検索後. 根拠. S1. なし. 3. 3. 知恵袋,個人のBlog. S2. あり. 4. 3. 知恵袋. S3. あり. 4. 5. Wikipedia. S4. あり. 2. 2. 個人のBlog, Wikipedia. S5. なし. 5. 5. 個人のBlog. S6. あり. 2. 2. 個人のBbg. S7. なし. 3. 5. 個人のBlog. S8. あり. 5. 5. 個人のBbg. S9. なし. 4. 4. 個人のBlog. S10. なし. 4. 1. 個人のBlog. 表4 3・4回生の結果(課題1) 事前知識. 検索前. 検索後. 根拠. Ns1. なし. 4. 5. 個人のBlog,公式Blog. Ns2. あり. 2. 3. 個人のBlog, Wikipedia. Ns3. あり. 3. 3. 個人のBlog, Wikipedia. Ns4. あり. 4. 2. 個人のBbg. Ns5. なし. 3. 5. 公式Blog. Ns6. あり. 2. 2. 個人のBlog. Ns7. あり. 2. 1. 知恵袋,個人のBlog. Ns8. なし. 3. 4. 個人めBb9. Ns9. あり. 3. 5. 知恵袋,個人のBlog. Ns10. あり. 3. 3. 個人のBbg. 35.

(37) 本課題において協力者が回答の際に根拠として挙げたWebペ ージついて,判断を肯定的に変化(肯定的な変化とは,検索の後 で,課題に対する判断が検索前に比べて,より肯定的な判断を下. したことを示す)させたS2はYahoo!知恵袋2において,課題と 同一の質問がされたページを挙げた(表3参照).. S10は個人のBlogのみを根拠として挙げており(表3参照),. 非履修者であるNs4およびNs7も同様にBlogのみを根拠とした (表4参照).. 否定的に変化した協力者は,S3, S7およびNs1, Ns2, Ns5,. Ns8, Ns9であり,履修者に比べ非履修者が多かった.履修者が. 挙げた根拠は,Wikipedia,都市伝説を肯定する内容のBlog記 事であった(表3参照).非履修者は,履修者があげた情報に加え. て,映画制作会社が都市伝説を公式に否定している記事を挙げて いる(表4参照).. 無変化だった協力者S1, S4, S5, S6, S8, S9が挙げたペー. ジは,Yahoo!知恵袋,個人のBlog, Wikipedia,と肯定的および. 否定的な変化があった他の履修者と同様のものであった(表3参 照).非履修者Ns3, Ns6, Ns10についても同様のページを根拠 とした(表4参照).. 2 「Yahoo!知恵袋」とは,インターネットの掲示板サイトの1種であ り,ユーザからのあらゆる質問に他のユーザが答え,複数の回答があ った場合,質問者が最も有用であると考えた回答に対しポイントが付 与されるといったものである.しかし,Yahoo!のIDさえ取得すれば 誰でも投稿が可能であることと,過去の質問を検索せずに同様の質問 を投稿するユーザがおり,そのたびに異なった見解の回答がなされる という問題点があるため,これだけを根拠とすることは適切でない.. 36.

(38) 3.2.課題llの調査結果. 履修者の結果(課題1). 表5 事前知識. 検索前. 検索後. S1. あり. 3. 2. 業者HP. S2. あり. 1. 1. 業者HP. S3. あり. 2. 3. Wikipedia個人のHP. S4. あり. 3. 4. Wikipedia,業者HP. S5. あり. 3. 4. Wikipedia,業者HP. S6. あり. 2. 1. 業者HP. S7. あり. 3. 3. Wikipedia,業者HP. S8. あり. 2. 4. 業者HP, Wikipedia,個人のBlog. S9. あり. 2. 1. 業者HP. S10. なし. 2. 2. 業者HP. 根拠. 表6 3・4回生の結果(課題H) 事前知識. 検索前. 検索後. Ns1. あり. 2. 3. Ns2. あり. 1. 3. Wikipedia業者HP. Ns3. あり. 2. 3. Wikipedia. Ns4. あり. 2. 2. Wikipedia. Ns5. あり. 3. 4. Ns6. あり. 1. 4. Wikipedia. Ns7. あり. 1. 1. 業者HP. Ns8. あり. ’1. 1. 業者HP. Ns9. あり. 2. 3. Wikipedia,業者HP. Ns10. あり. 1. 1. 業者HP. 37. 根拠 業者HP, Wikipedia,. ヘてなダイアリー. 学会のレポート,. 走ッ生活センターのページ.

(39) 本課題でマイナスイオンの健康効果について肯定的に判断が 変化した,S1, S6, S9が回答の根拠として挙げた情報は,マイ. ナスイオンを発生するという製品を販売する業者の且Pであっ た(表5参照).非履修者においては,肯定的な変化をした協力者 はいなかった(表6参照).. 否定的に判断を変化した協力者,S3, S4, S5, S8が根拠とし. て挙げた情報は,業者のHP, Wikipedia,マイナスイオンの健 康効果に批判的な記事を発信する個人のHPであった(表5参照) また,無変化の協力者が挙げたものは,業者のHP, Wikipedia,. マイナスイオンの健康効果について批判的な記事を発信してい る個人のWebページ・Blo9であった.非履修者では,Ns1,Ns2, Ns3, Ns5, Ns6, Ns9が否定的な判断に変化しており,根拠と して挙げた情報は,履修者と変わらないものであった(表6参照).. しかし,Ns5については学会で疑似科学についての講演を行った レポートを発信している学者のページや,マイナスイオン機器に. ついての注意を促す国民生活センターのページを選択しており, オーサライズされた情報を根拠として挙げた(表6参照).. 無変化だった協力者,S2, S7, S10が根拠として挙げたペー. ジは業者HPのみであった(表5参照).非履修者のNs4は Wikipediaのみを根拠とし, Ns7, Ns8, Ns10も同様に業者HP. のみを根拠として挙げた(表6参照).課題1に比べ,この課題に. おいて無変化だった協力者は全員が1∼3という高い位置で,マ イナスイオンの健康効果についての肯定的な判断を変えなかっ た(表5,表6参照).. 38.

(40) 3.3.課題lllの調査結果. 履修者の結果(課題皿). 表7 事前知識. 検索前. 検索後. S1. あり. 反対. 反対. 教育関係のHP. S2. あり. 反対. 反対. 米穀店のHP. S3. なし. 反対. 反対. 教育関係のHP,個人のプログ. S4. あり. 賛成. 反対. 個人の見解[高校のHP]. S5. あり. 反対. 反対. 農業団体のHP. S6. あり. 反対. 反対. 教育関係のHP. S7. あり. 賛成. 反対. S8. あり. 反対. 反対. 個人のHP,反対派の政党HP. S9. あり. 反対. 反対. 個人の見解[高校のHP]. S10. なし. 賛成. 反対. 個人の見解[高校のHP]. 根拠. 新聞社のニュースHP,. _業団体のHP. 表8 3・4回生の結果(課題皿:). 事前知識. 検索前. 検索後. Ns1. あり. 反対. 賛成. 個人のBlog. Ns2. あり. 反対. 反対. 個人のHP,農水省のHP. Ns3. あり. 反対. 反対. Ns4. あり. 反対. 反対. 教育関係のHP. Ns5. あり. 反対. 反対. 関税協会のページ. Ns6. あり. 反対. 反対. 個人の見解[高校のHP]. Ns7. なし. 反対. 反対. 農業団体のHP. Ns8. なし. 賛成. 反対. 個人の見解[高校のHP]. Ns9. あり. 反対. 反対. Ns10. あり. 反対. 反対 39. 根拠. 個人のHP,. ツ人の見解[高校のHP]. 個人の見解[高校のHP],. ウ育関係のHP 個人のHP.

(41) クラスでディベートを行うという状況設定をしたため,この課題. の判断項目は2択とした.そのため,検索前は米の輸入に反対で あったが,検索後に賛成とした回答を肯定的な変化,賛成であっ. たが検索後に反対とした回答を否定的な変化と呼称する.調査結 果は表7,表8のとおりである.. 課題では,全20名の協力者のうち15名が,反対の判断を変 更しなかった.. また,肯定的な判断をした協力者はS4, S7, S10,およびNs1. で,否定的に判断を変化させたのはNs8のみであった.. 40.

(42) 第4章 調査結果の考察 4.1.課題1について. 検索を行う際に,ほとんどの協力者はまず,「となりのトトロ」. という映画のタイトルを入力し検索を開始した.その後「となり. のトトロ 怖い話」や「トトロ 裏話」などのキーワードで検索 を行った(「_」は複数の検索キーワードを区切るために入力さ れたスペースである).なお,協力者の検索行動については巻末 資料Aを参照のこと.. 4.1.1.課題1における典型的な検索例. この課題において多くの協力者に共通してみられた行動の例. として,S4の検索行動を図2に示す.図2にでは(三輪2003) を参考に,検索者の行動の推移を「検索レベル」「検索結果レベル」. 「ページレベル」の3つのレベルに分けて記述した.このような記. 述方法をとった理由として,検索者の行動を記録し可視化する際 に,ノードの関係とそれを閲覧した協力者の行動の推移を一瞥し て把握することが容易なためである.「検索レベル」とは検索に 用いるためのキーワード推敲段階において,検索キーワードウィ ンドウに入力された検索キーワードを示している.「検索結果レ ベル」は検索キーワードを入力し,検索を行った結果,表示され た検索結果ランキングレベルである.四角内の数字は,検索行動. をモニタリングするなかで調査者が把握できた検索結果ランキ ングの表示順であるが,検索エンジンによってはランキングの順 位が表示されないものもある為,確認できた範囲で記録した.ま 41.

(43) た「ページレベル」とは,表示された検索結果からリンクされて. いる各Webページに移動したレベルを指す.. まずS4は映画のタイトルの一部を入力し検索を開始した.最 初に閲覧したページはWikipediaであった.Wikipediaは検索結 果ランキングのトップに表示されていたわけではなく,その際の. 発声より,普段からs4がWikipediaを好んで利用しており,本 調査においても選択したということが考えられる.そして,検索. 開始50秒後にはWikipediaの情報を元に回答用紙に記入を開始 した.Wikipediaの記事には引用が付されているが, s4はそれ らの情報を参照する行動はとらなかった. 検索レベル. 1 検索結果レベル. トト;コ. l. i. 1. w掴k薩ed旧. ページレベル 無難薄端く{}藤). 徽脚戯と…. 事纏か鴨. トトロ_爽詣 “…………騨””『需“帰”…}}刷需『騨”需騨}” 秩h『}▼幽曹 曽曽 暫曽曹嘗…臨吊9謄’ザ’”鴨……9檜薗”嘗曹’. 鼕ュだ5酬煽齢願”騨騨’”…騨『”}”喩…”…一一”…冊刷早‘騨甲”隔…”’’””. 狭山事件 峯欝の夷曲圃体. wikipedia. 狭山事件 ト←欝⑳事が璽獲てない…. 独山事件_ となりのトトロ. [=;ヒ±⊆;コ影が瀧る・一 傑泌,. 猶バ冬も鐘 釣なも鈴な. ⑳か鱒. トトロ狼山事件. トトm都市伝説. 知恵袋. 狭麟. @[==ご≡コ ξ一度規たなあ…. 図2 課題1におけるS4の検索の様子. その後,検索キーワードを変えて検索を行ったが,これはS4 が直接入力したのではなく,Yahoo!の検索結果ページに表示され. 42.

(44) る,入力した語句に関連する検索キーワード群の中から選択した. ものである3.その結果得られたページの記述に,課題で扱った 映画が実際にあった事件をモチーフにしているという箇所を発 見した.しかし,筆者の事前の調査によると,この記事について. は複数のBlogサイトでコピー&ペーストによるものと思われる 同様の記述がされているが,そのどれも明確な根拠が書かれてい るわけではなく,記事の最初の著者が誰なのかも分からない状態. となっていた.S4はこの記事を閲覧し,事件についての検索を 開始した.これは,事件と映画の関係についての記事の事実を確 認するための検索であると考えられるが,この後の検索ワードに. は全てこの事件の名前が含まれているため,S4はこの事件と映 画の関係を調べることに執着していたと考えられる.しかし,最. 後まで映画と事件の関係について記述してあるページの発信者 が誰なのかを検証する事は無かった.また,映画と事件の関係に ついて批判的な情報を検索するといった行動もみられなかった.. S4は検索前に課題の内容について,2:信じてもよい,と判 断していたが,検索後の判断でも同様のレベルで判断を下してお. り,立場を変えることはしなかった.しかし,S4の検索過程で は,発信者についての情報を検証したり,異なった立場からの見 解を探そうとするなど,得られた情報に対する検証行動は見られ なかった.このことから,検索前の判断に基づいて,それを強化 3所謂「他の人はこのようなキーワードでも検索しています」というサー ビス.この機能は,他者によって検索されたキーワードから,検索者が 検索開始時に思いつかなかったキーワードを使って,検索を行うことが 可能であるが,「どのようなユーザ」が「どのような目的」を持って. 使用した語句なのかは分からない.また,他者が自身と同じような事 象について検索を行っているということを認識し,後述の確証バイア スを強化する可能性もある.. 43.

(45) するような情報が得られことを期待した検索を行ったS4の検索 行動は適切なものでなかったといえる.. S4はこのような検索行動を取ったが,他の協力者のなかで判 断を変化させなかった,S1, S4, S5, S6, S8, S9およびNs3,. Ns6, Ns10についても,判断のレベルは2∼5と異なるものの, S4と同様の行動が観察された(これらの検索行動については資 料Aを参照).. また,この課題のように都市伝説や噂についての適切な検索方 法としては,まず映画の製作元が提供する情報を探すことであり. 協力者にもそのような行動が見られることが予想されたが,実際 にそのような行動をとったのはNs1, Ns5のみであり,履修者の 集団には見られなかった.判断を否定的に変化させた協力者およ び無変化だった協力者には,個人のBlogやサイトを転々とし, 中には文中に「公式の情報として映画制作会社の関係者が否定し ている」という記述があるにも関わらず,その箇所を読み飛ばす. かのような様子も見られた.また,S8は映画制作会社の公式サ イトに辿りついたが,サイト内の探索がうまくいかず,どこに目 的とする情報が記述されているか見つけられないでいる様子が 観察された.. 次に,本課題において特徴的な行動をみせたNs5, S6, S4の 検索行動について考察する.. 44.

(46) 4.1.2.課題1におけるNs5の検索の様子. 図3にNs5の検索の様子を示す.. 検索レベル. i検索結果レベルi. となりのトト葭. i. i. ページレベル. y◎戯ube. 検索結果2ページ臼. 検索結果1ページ目. Unk wlkipedia. スタジオジブリ. Return. 都市伝説 1旧一■葡一扁一. u. a. 8BS あたかも公武ぺ榊夢かの ような体戴⑳選人のページ. 懇鞭蝿⇔轡らiれながつな⑳響.. 癒φぺ痢難購し購鞍が灘護ノ・. T◎P. スタジオジブリ Wlnd◎w opea. となりのトトロ. 公鋭晦娯購熾晩鼠蹴鰯. 公式Blog 過去しog. wikりedia 墨”5. 図3 課題1におけるNs5の検索の様子. Ns5は全協力者のなかでも,映画制作会社が公式に都市伝説を 否定する情報を根拠として挙げた協力者である.まず,Ns5は他 の協力者と同様に検索のキーワードに「となりのトトロ」という. 語句を入力し検索を開始した.Ns5は事前知識を持っていなかっ たため(表4を参照),まずは課題の記述が本当に存在する事実な. のか把握するための行動と考えられる.検索を進めるうちに, Wikipediaのなかに,都市伝説を映画の製作関係者が公式に否定 しているという記事を発見した.そこで,映画制作会社の公式サ イトを閲覧しようとしたが,検索結果から閲覧したページは個人 45.

参照

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