昭 和46年1月(1971) 9
研 究 報 文
食 品 の テ ク ス チ ャー の 測 定 に 関 す る 研 究(第2報)
静 的 粘 稠性 測 定 器 に よ る食 品 の テ クス チ ャ ーの 測 定
岡
部
魏
*Studies
on the Measurement
of Food
Texture
(Part
2)
Food
Texture
Measurements
with
the Statical
Measuring
Apparatus
for Rheological
Properties
of Foods
Takashi Okabe
i.緒 言 テ クス チ ャ ー と い う言 葉 が 食 品 に対 して 用 い られ る 場 合,そ の解 釈 は 人 に よ り必 ず し も一 致 して い な い が, Matzは そ の 著 書 の 中 で"温 度 と痛 感 を 除 い た,主 と して 口腔 の 皮 膚 や 筋 肉 に よ って 感 知 され る食 品 の 物 理 1) 的 特 性"と い う よ うに 使 って い る。 こ の よ うに テ クス チ ャーは 一 次 的 に 人 間 の触 感 に よ って 評 価 され る もの で あ る こ とだ け は 間 違 い な い の で,客 観 的 な機 器 に よ る 測 定 は 通 常 困難 な 場 合 が 多 い 。 しか し,マ サ チ ュー セ ッ ツ工 科 大 学 食 品 工 学 科 のProctor教 授 らが 開 発 2) し,そ の後 ゼ ネ ラル フ ー ズ 中 央 研 究 所 で 改 良 され た テ 3」 クス チ ュ ロ メ ー タ ーは,口 腔 内 の 咀 し ゃ く動 作 を まね て プ ラ ン ジ ャー で 試 料 台 上 の食 品 を2回 く りか え し加 圧 し,食 品 を 通 して 試 料 台 が 受 け る力 を そ の 腕 に と り つ け た ス トレイ ン ゲ ー ジで 検 出 し,そ の 変 化 を 自記 記 録 す る よ うに した 動 的 な テ ク ス チ ャー 測 定 器 で あ る。 この 記 録 曲線 を 解 析 して 得 られ る硬 さ,凝 集 性,弾 力 性,付 着 性,も ろ さ,咀 し ゃ く性,ガ ム性 な ど の機 械 的 パ ラ メー タ ー は,感 覚 に よ る評 価 値 と の 相 関 が 高 い 4」 とい わ れ て い る。 著 者 は 前 報 で上 皿 桿 秤 を 基 に した 静 的 粘 稠 性 測 定 器 を 試 作 し,各 種 の 食 品 を 測 定 した が,こ れ が 各 食 品 の 粘稠性 の特徴 を よ く表 わ し,加 工 食品 や調 理食 品の品 5) 質 の差 の 検 出 に も有 効 で あ る こ とを 認 め た が,こ の よ うな 静 的 粘 稠 性 測 定 器 を 使 って 食 品 の テ ク ス チ ャーの 測 定 が で き な い も のか と考 え,10数 種 の食 品 に つ い て テ クス チ ュ ロ メ ー ター で の 測 定 と対 比 しな が ら測 定 を 行 な い,間 接 的 に この 静 的 粘 稠 性 測 定 器 で の テ ク スチ ャー 測 定 の 可 否 に つ い て 検 討 を 加 え て 見 た 。 II.実 験 の 部 *本 学 家庭機 械研究室 II-1.実 験 の方 法 1.試 料 試 料 と して 次 の よ うな4グ ル ー プ,13種 の食 品 を 用 い た 。 ① 粘 稠 性 が 相 当 異 な る も の … … こ ん に や く(煮), じ ゃが い も(煮),く じ ら 肉(煮),(ゴ ム栓) ② ね り製 品 類 … … 小 田 原 か まぼ こ,宇 和 島 か まぼ こ,市 販 か まぼ こ(市 販 の並 品,で ん ぶ ん の 添 加 量 の 多 い も の),ポ ー ク ソー セ ー ジ ③ 果 物 類 … … バ ナ ナ,り ん ご ④ 果 子 類 … … 羊 か ん,カ ス テ ラ,ビ ス ケ ッ ト 2.静 的 粘 稠 性 測 定 器 に よ る 測 定 静 的 粘 稠 性 測 定 器 と して は 前 報Y'1..一報 告 した も のを 用 い,試 料 の 形 状 は 高 さ10㎜,直 径15㎜ と し,加 圧 軸 に は 先 端 径2.8mφ(以 下3φ と略 記),8㎜ φ(以- 10ー 下8φ と略記〉を用い,加重速度 2kg/minで 2.5kg の荷重まで, 0.5 kg/minで 0.75kg まで加重し,そ の時の荷重一変形率線図を求め, また 8φ の荷重子 で2.5分間 500g,または試料がその間破壊しない程 度の荷重を加え, 2.5分後全荷重を除いた時のクリー プとその回復をしらベた。 3. テクスチュロメーターによる測定 テクスチュロメーターは武田薬工食品研究所のもの を借用した。そのため静的粘澗性測定器による測定と 時間的にずれ,環境条件も若干異なったので,完全な 比較はできなかったが,大体の傾向は把
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早ーで、きたもの と考えられる。 テグスチュロメーターで測定するとき,通常試料の 種類や目的とする特性によってプランジャーの種類や 試料の形状を替えるのがよいようにいわれているが, 今回は各種の食品を同じ条件で比較したいため,すべ て同一条件で測定を行なった。 試料の高さは 10凹とし,断面積はプランジャーの 形状の影響をさけるため,なるべく大きくした。プラ ンジャーは径 17阻のルサイト, クリアランス 3阻 で,阻しゃく速度12回/m.in,記録紙送り速度 1500皿 /min とし,回路への入力電圧は通常 1Vとし,試料 により適宜増減した。 II-II. 実験結果 静的粘調性測定器による測定結果は,荷重(または 時間〉と変形率の関係をグラフで示したが,前報の場 合と異なり横軸に変形率を,縦軸に荷重(または時 間〉をとり,加重速度 2kg/minのものとO
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5見/min のものは縦軸のスケールを荷重の大きさで合わし,比 較が容易なようにした。 テクスチュロメーターにより測定すると,食品によ りそれぞれ特徴のあるテクスチュロメータ{カーブが 得られる。このパターンより次のような意味をもっパ ラメーターを求め,テクスチャーを表示する。 硬さ………物質を変形するのに必要な力 凝集性……食品の形態を形成している内部結合力の 大きさ 弾力性……外力によって生じた変形が,力をとり去 ったときに,変形以前の状態にもどる割合 付着性…・・・食品の表面と他の物体(舌,歯, 口など〉 の表面とを付着させている引力にうちかつ て両者を引き離すのに必要な力 脆さ・…・・物質を破壊するのに必要な力。確さと凝集 性に関係する。 阻しゃく性……固形食品を飲み込める状態にまで阻 食物学会誌・第25号 しゃくするのに必要なエネルギー。硬さ, 凝集性,弾力性に関係する。 ガム性……半固形状の食品を飲み込めるまでくだく のに必要なエネルギー,硬さと凝集性に関 係する。 典形的なテクスチュロメーターカーブと,そのパタ ーンからこれらの変数の求め方を第1図に示す。 硬 さ:最初の山の高さHd
入力電圧 凝 集 性 :2回目の山の面積Az
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言 力 性 : 粘 土 様 標 準 物 質 の (1回目と 2回日 の接触点間距離)C一試料の(タ )B 付 着 性 : 最 初 の 山 の 後 の 基 準 線 下 の 面 杭A
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入力電圧 脆 さ:最初の山のはっきりした谷の深さH
2 /入力電圧 阻しゃく性:硬さ×凝集性×開力性 ガ ム 性 : 硬 さ × 凝 集 性 第1図 典型的なテクスチュロメーターカーブと テクスチュロメーターユニット 各ブロックごとの実験結果をまとめると,第2図 第 5図のようになる。 各図の一番左のグラフと二番目のグラフはそれぞれ 各食品の荷重速度が 2同/mi.n,0.5勾/minのときの 荷重一変形率線図を示し,三番目のグラフは各食品 のクリ{プとその回復を示す。一番右の表は前述の方 法で各食品のテクスチュロメーターカーブから求めら れたテクスチュロメーターユニットを示す。なお,参 考として表の下部には古川らがテクスチヤ{評価用語 の研究を行った中で,本実験に用いた食品に該当する ものがあるものについて,それぞれのテクスチャー評 価用語のウェイトの平均評点を示した。この評価はい ろいろの食品について40名位の学生に,テクスチャー を評価する上で適切な用語を数個えらばし,全体を 100点になるようにそれらの用語のウエイトをきめさ せた時の,各用語のその食品に対する平均評点を示し ている。吉川らがこの研究の前段階として行ったテク スチャー評価用語の蒐集では,かたい,やわらかし、と-11-じゃ り,完全弾性体を示すが,他は完全に回復せず, がし、もが一番回復率が悪かった。 テクスチュロメーターユニットではゴム栓, くじら 肉は硬さ,凝集性,阻しゃく性が大きく,じゃがいも はこれらが極めて小さい。こんにゃくは硬さ,阻しゃ く性はあまり大きくないが,凝集性はくじら肉より大 きく現われた。弾力性はゴム栓とこんにゃくが大きな 値を示したが,じゃがし、もはこれも小さかった。付着 性はじゃがし、もに於いて若干見られ,脆さは, じゃが いものみに現われた。 評価用語ではじゃがし、もに“政い"が少しあり,く じら肉に“肢い"がなく, “やわらかい"のウエイト が6を占めているのはやや意外な感じもするが,調理 方法の違いによるものとも思われる。 第3図の第 2ク♂ループねり製品類では,加重速度が 2同fminの場合. 8φ の荷重子では宇和島かまぼこ のみ 2.5kgの荷重に達しでも破壊しなかったが,小 田原かまぼこや市販かまぼこでは1.7 kg前後の荷重, 約90%の変形率に達すると破壊するに到る。ポークソ ーセージは
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7見位の荷重, 40%程度の変形率のと ころから変形の進みが急になれ破壊するに到る。で んぷん含量の多い市販かまぼこでは荷重と変形の関係 いう用語が最も使用頻度が高かったので,表にはかた い,やわらかし、については各食品ともそのウエイトを 示し,その他の評価用語については,かたい,やわら かL、を除いてウエイトの大きいものから二三を取り上 げた。 第2図の第 1ク、、ループの試料食品群では,くじら肉 と,比較に用いたゴム栓は荷重子が 8φ,3φ とも荷 重が 2.5kgになっても破壊しない(変形率が 100% に達しない〉。じゃがし、もは荷重の小さい時は変形し にくし、が,荷重子 8φ でも 400g以下,変形率20% で急激に破壊する。こんにゃくは荷重の小さい時でも 変形しやすいが,荷重1.2 kg弱 , 約80%変形率にな るまで破壊しない。 荷重子の 3φ と 8φ とでは,ゴ ム怜やくじら肉では同じ荷重での変形率の大きさが異 なる以外,大体形は似ているが,こんにゃくやじゃが いもではやや異なるパターンを示す。加重速度0.5見I
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のものは荷重が, 0.75 kg どまりになるため, あまり多くの知見が得られないが,大略加重速度2kgI
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の 0.751屯までの荷重のときの変形に準ずるが, 粘性の要因の多いじゃがし、もでは同一荷重に対する変 形がやや大きく,破壊も早い傾向が見られる。 クリープではゴム十七は荷重除去により変形は Oとな 昭和46年 1月 (1971) 0 9 一 n U A υ ' t d t ・ ・ 一 今 、 u t i -噌 i q L P H u q o 一 7 5 一 t旬、ノ L 、 ノ n b J 一 0 6 ぽ 初 み く M 0 8 一 白 明 f k h こ 〆 に 一 " M M N M i 司,小、 u u ・ ク ﹀ リ ﹀ 3 M ク ホ お ン ワσ
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05 各種食品の静的粘調性測定器によるパターンとそれらのテ クスチュロメーターユニットおよび評価用語〈その 1) こ んにゃく, じゃがし、も, くじら肉. (ゴム栓〉 第 2図第4図の第 3クーループ果物類では, 2 kgjminの加 重速度の場合, 8φ の荷重子ではバナナは変形しやす く, 0.3 kg強の荷重で 40%程度の変形率に達して破 壊するが, りんごでは荷重 2.1kgでの変形率はやっ と13%程度であり,ここで一挙に破壊に到る。 3φ の 荷重子の場合,特にりんごでは 8φ の荷重子のとき と大分パターンが異なり,明らかな破壊点が見られず, 変形は荷重の増加とともに逐次増大して行く。加重速 度 0.5kgjminの場合,やはり最終荷重が 0.75kgで は多くの知見が得にくいが,加重速度 2kgjminの場 合に比べ,ともに同一荷重に対する変形がやや小さく, 破壊点の荷重も大きくなる。 クリープの結果から共に弾力性は少ないことが見ら テクスチュロメーターユニットでも,バナナは硬さ, 凝集性,阻しゃく性などが小さく,りんごはこれらが 大きい。バナナは若干付着性をもち, りんごは相当な 脆さを有する。 評価用語については一応妥当のように思われる。 第5図の第 4グループ菓子[類では, 2 kgjminの加 重速度の場合,荷重子 8φ では羊かんは荷重増加と ともに変形も比較的早く進み,荷重 0.4kg,変形率40 セポ J J ジク ソ 1. 07
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がやや直線的に進む傾向が見られる。 3φ の荷重子の 場合,変形の大きさと共にパターンが 8φの荷重子の 場合とやや異なるが, 4試料の変形進行の順序は殆ん ど変らない。 加重速度 0.5kgjminのものは,細かい点を除いて は大体加重速度 2同jminの場合の 0.751屯までの変 形に似ている。 クリープでは皆相当の回復を示すが,小田原かまぼ こは宇和島かまぼこより,市販かまぼこはポークソー セージより弾力性があることを示している。 テクスチャーユニットではポークソーセージが硬さ, 凝集性,弾力性,岨しゃく性などがすべてかまぼこ類 より小さく,小田原かまぼこと宇和島かまぼこではす べての点に於いて類似しており,市販かまぼこはこれ らより硬さは大きく,弾力性が小さい値となったが, この点についてはでんぷん含量の多い市販かまぼこの 時間の経過による老化の影響が若干入っているものと 思われる。付着性は宇和島かまぼこと市販かまぼこに わずかに見られたが,前者は離水した水を媒体とした 付着,後者はでんぷん糊による付着と考えられる。 評価用語ではかまぼこは一括されているが,かまぼ こ,ソーセージとも一応妥当のように思われる。 力ロ室企及0,5Kユ
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' 'i_ , トとの相関 ( 牢0.93I ケットを除く 1 4 -%位から変形は更に急になり,荷重が 0.451屯位に達 すると破壊する。カステラは加重の初期,包蔵する気 体を放出するために変形は橋めて早いが,荷重 0.2kg, 変形率70%位でそれが終ると極めてゆっくりになり, 1.9勾位でやっと変形率が 100%に達する。ビスケッ トは荷重の増加に対する変形の進行は小さいが,荷重 1.451屯,変形率20%ぐらいで一挙に破壊する。荷重 子 3φ では羊かんとカステラの差は少なくなり,変 形は同じように早く進行する。ビスケットはこの場合 も変形の進行は遅いが,この時は一挙に破壊してしま わず,荷重 0.45勾, 変形率約四%で第1回の破壊点 があり,以後 2回の般壊点をもっ。 0.5勾/minの加重速度ではやはり 2kg/minの力l! 重速度の 0.751沼までの荷重のときのパターンによく 似ているが,粘性要因の大きい羊かんでは変形の進行 と破壊が,2
同/minの加重速度のときより早くなる 傾向がある。 クリープでは,羊かんは比較的弾力性があるが,カ ステラは排除した気体の戻りが困難なために弾力性は 比較的少ない。 テクスチュロメーターユニットでは羊かんがビスケ ットに近い硬さを示し,凝集性もまた近似した値とな った。カステラは凝集性がやや大きく現われた。羊か コ p h J 門 ど 食物学会誌・第25号 ん,カステラは弾力性もやや見られる。羊かんは相当 な付着性が見られたが, ビスケットに脆さが現われて こなかった。これはビスケットはそれ自身の高さ〈約7
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を試料高としたため, クリアランスの3mm
が 相対的に大きすぎた結果パターンの山の部分に明瞭な 谷が現われなかったためと思われる。 評u
価│而面用語で スケツトは人により相当イメ一ジに幅があるものと考 えられ,本実験の試料とは少し異なるウェイトを示し ている。 IIーIII . 考 察 これらの結果より静的粘調性測定器による測定結果 とテクスチュロメーターユニットの対応を考え,ひい ては静的粘調性測定器によるテクスチ γーの測定を考 察すると次のようになる。 1 . 硬 さ 硬さは一般にある変形を生じさすための力と考えら れるので,静的粘調性測定器で測定した場合の荷重 一 変 形 線 図 の 立 ち 上 り 部 分 の11打線の接線と,水平軸 にはさまれた角度のタンゼントを取ればよいと考えら れる。飯尾のカードメーターによる測定記録曲線の解 析に於いても,硬さについては大体これに準じた方法 を取っている。 コ 、 、3
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6.00 -r 7 A. ふ20 二L 3.53 く ハ U ユ 一 一 V L l p h ボ ・ J 一 4 R草 L 鳥 、 ・ こ 切 ー ﹂ O ハ υ ビ 10 20 白札θ 第6図 静的粘調性測定器のノミターンとテクスチュロメーターユニットとの関係〈その 1)硬さ (1) 30H日平1146年 1
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(1971) そこで第6図のように, 13種の食品の加重速度2均 Iminのときの加重子 8φ の場合の荷重一変形率線図 を集め(左の図),その立上りの曲線の接線と水平軸 のなす角度 θをはかり,各々の tanθ を求め,これ ら食品の硬さについてのテクスチュロメーターユニッ トと比較して見ると表(中央)のようになる。この tan θとテクスチュロメーターユニットとの間の相関 係数を求めると0.68となり,あまり良くない。このテ クスチュロメーターユニットと tane
との関係は図で 示す〈右の図〉ようになり, ピスケットやりんごが相 関係数を低くしている原因と考えられるので,この両 者を除き再び相関係数を求めるとO
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93が得られ,相当 よくマッチするようになる。このように,静的粘調性 測定器で測定した結果から硬さを表示するのに, 1111線 の立ち上り部の接線と水平軸のなす角度のタンゼント を用いることは, りんごやビスケットのように,もろ さの顕著なもの,すなわち tan8はかなり大きいが,I
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lJ線に急激な水平方向への屈曲があるものがあれば, 適当な方法とはいえない。 テクスチュロメーターでの測定の場合,本実験では クリアランスは 3mmを取ったので,プランジャーが 一番下へ降りたとき,試料は70%変形を受けたことに なる。(厳密にいえば,この時試料台の腕は少し腕曲 1 5 -し,試料台が少し下るので,硬いもの程変形率は小さ くなる。〉そこで第 7図のように静的粘調性測定器に よって得られた荷重一変形率線図に,変形率70%のと ころに線を引き,曲線との交点の荷重をとり〈ゴム栓 は実験の範囲では変形率が70%に達しなかったので, これを除いた), これと硬さについてのテクスチュロ メーターユニットとの関係を見ると中央の表と右の図 に示すようになり,かなり良い結果が得られる。 このように静的粘調性測定器によって硬さを表示す るには, ltil線の立ち上りの接線の水平軸となす角度の タンゼントを取るより,適当な変形率になる荷重を取 る方がよい結果が得られる。なお,テクスチュロメー ターで硬さの測定を行なう時の標準的な条件は,試料 の高さ弘インチ (12.7mm)でクリアランスは 2mm と なっているので,これと対応さすには84%変形率の荷 重をとるのがよいとら考えれる。 なお荷重子 3φ の場合について,荷重 8ψ の場合 と同様70%変形における荷重と,硬さについてのテク スチコロメーターユニットとの関係をしらべると第1 表のようになり,相関係数は0.80で 8φ の荷重子を使 った場合より大分悪い。 これは 3φ の荷重子を使った場合,第2図 第5 図に示すように, 8φ の荷重子を使用する場合より荷(
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(コ“一歩J ウ~ft.- バ」ー一一~ー←一一一一ー一一←一一一一一←一一一一-~ u 0<; 心 1.5 20 2.'5 70戸事t苛o),~有萱(持} 第7図 静的粘調性測定器のパターγとテクスチュロメーターユニットとの関係(その2)硬さ(2)-16 -メ ト 一 一 一 J ︿ 、 テ係一ーリ一150
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一 中 一 テ 一 と 一 じ く ( 小 字 市 ポ パ り 羊 カ ヒ 一 重が小面積に集中するため,荷重一変形率の様相がや や異なって来て,単に 8φ の場合を比例的に変化した (例えば先端の断面積について〉ようにはならず,テ クスチュロメーターで使っている直径 17mmのプラン ジャーとは差が大きくなり,比較しにくくなることと, 8φ の荷重子が先端だけ直径 8mmで,軸はそれより 組]¥,、のに対し,3
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の荷重子では全長直径が2
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阻 で 食物学会誌・第25号 あるため,食品によっては軸のまわりに粘着して,軸 の周辺における粘性抵抗が変形を抑制しているものも あるためと思われる。このような点から,テクスチュ ロメーターユニットとの対応,したがってテクスチャ ーを表示するためには荷重子 8φ の結果を採用する のが適切であると考えられる。2
.
弾力性 弾力性は荷重を除いた時の変形の回復と考えられる ので,静的粘調性測定器でのクリープとその回復のグ ラフから知見が得られる。そこで第 8図のように,各 食品のクリープとその回復のグラフを集め,荷重を除 く直前の 2.5分の時の変形率と,その後1.5分経過後, すなわち始めから4
分後の変形率を求め,これより回 復率を出し,弾力性についてのテクスチュロメーター ユニットと比較し,この両者の相関係数を求めると 0.59となり,あまり良い相関は得られなかった。 この原因は静的粘調性測定器,テクスチュロメータ 一両者にあると考えられる。静的粘調性担,1]定器ではク リープを与える荷重に20,50, 100gの分銅を用いた が,試料により荷重のきめかたを荷重一変形率線図よ り知り得た破壊点の荷重に適当なフアクターをかける など,何らかの規正が必要のように思われる。また,テ クスチュロメーターの方は弾力性が他のパラメーター に比ベパラツキが多く,その算出法にも若干問題があ るのではないかと思われる。これらの点については機 ハ υ F h J 円 U ﹁ hJ η/ ﹂ l l 1 1 ハ υ テ ク ス ノ ナ ュ ロ メ l ? l ユ ニ ッ ト チ タ ト 十 0 3 6 0 一 9 0 4 2 一 4 9 一 8 5 8 一 ス一三Z
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点。 -1 仁 川 ノ ・ 50 100 回復卒(伯) 第 8図 静的粘調性測定器のパターンとテクスチュロメーターユニットとの関係(その 3)弾力性昭和46年 1月 (1971) -17 -食 品 ク
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表中( )の ーユニットとの相関 V . ω │ものを除く 第 9図 静的粘調性測定器のパターンとテクスチュロメーターユニットとの関係(その 4)阻しゃく性 会をとらえ更に検討を加えたい。 3.岨しゃく性 阻しゃく性は食品を飲み込める状態にまで阻しゃく するに必要なエネルギーであるから,静的粘調性測定 器による測定では破壊に達するまでの仕事量と解釈で きる。そこで第 9図のように加重速度 2kg/minにお ける 8φの荷重子の加重一変形率線図を集め,破壊し たものについて,破壊変形率までの水平軸と,破壊点 までの曲線,および破壊点から水平軸にたてた垂線に よって囲まれた面積をはかり,これらと阻しゃく性に ついてのテクスチュロメーターユニットを比較した。 その相関係数は0.92となり,相当よくマッチしている ことがわかった。したがって静的粘調性測定器で岨し ゃく性を表わすには,荷重一変形率線図の破壊点まで の面積を用いるのがよいことを認めた。 阻しゃく性についても,硬さのときと同様 3φ の荷 重子を用いた時を 8φの荷重子の場合と同様に破壊点 までの面積と,阻しゃく性についてのテクスチュロメ ーターユニットとを比較すると第 2表のようになり, 相関係数はO.69で荷重子 8φ の場合と比べると相当悪 くなる。この原因はやはり硬さの場合と同様,荷重子 の先端の面積の直接原因の他に, 3φ の荷重子の特異 性が影響しているものと考えられ,阻しゃく性の場合 もやはり 8φの荷重子を使った結果を用いるのが妥当 のように考えられる。 75 ロ : クバJ " ヲ 半 ピ-リj 庁. /.月J 0 ・ノ¥。
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破壊点の小さいものから順にならベ,これをその食品 の凝集性についてのテクスチュロメーターユニットと 比較すると第3表のようになる。 表に見られるように,破壊荷重と凝集性のテクスチ ュロメーターユニットの関係は,相関係数を求めるま でもなく,順位が狂っていたり,比例関係にないもの が多く,破壊荷重で凝集性を表わすことは妥当でない ことになる。この原因は,テクスチュロメーターでの 凝集性は,J
1
出法として第1の山と第2の山の面積を 比較しているため,弾力性の要素が大分入っているも のと考えられ,その算出法自体にも若干問題があるの ではないかと考えられる。 5. 付着性 付着性は食品と他の物体の表面どうしが付着してい る引力を引き離すのに必要な力であるが,テクスチュ ロメーターでは第1の山の後で基線より下に現われた 面積で表示される。静的粘調性測定器での本実験では それに対応するものは求められなかったが,今後付着 性を測定する適当な方法を考えて行きたし、と思ってい る。 なお,テクスチュロメーターにおける付着性の測定 も,粘着性の大きいものでは実験条件では引き離れな い場合もあるので,曽恨のようにその算出方法に疑問 をなげかけているものもある。 6. 脆 さ 脆さは物質を破壊するのに必要な力と表現されてい る。テクスチュロメーターユニットで、は,第1の山に 現われた最初の明瞭な谷の深さで、表わしている。本実 食物学会誌・第2
5
号 験で脆さの現われたのは,じゃがし、もとりんごだけで, ピスケットは条件がよければ当然数値として表われて 来るべきものである。これらのものの,静的粘澗性測 定器による荷重一変形率由線を見ると,最初変形の進 行は荷重の増加に対して少ないが,ある荷重に達する と急激に破壊し,グラフには水平方向への直線的な屈 ljHが見られる。しかし今回はそれを数値化するには到 らなかったが,静的粘調性測定器による脆さの表示の 可能性は充分あると考えられる。 7.ガム性 ガム性は半間形状食品に対する表現であるのでテク スチュロメーターユニットはその算出法にしたがって 一応数値は出したが,本実験に使用した食品試料には 関係ないので,考察は加えなかった。 以上,静的粘調性測定器による測定結果と,テクス チュロメーターで測定して得たテクスチャーの各的性 のパラメーターとを比較し,静的粘調性測定器により, このような特性値が得られるかどうかを検討したが, 硬さ, l!tLしゃく性については概ね満足できる結果を得 た。しかし,凝集│生,弾力性については両者による測 定結果の問によい相関が得られず,今後更に測定法や 算出法について検討を加えたい。付着性については今 回の静的粘調性測定器による測定からは知見は得られ ず,今後はその測定法についても考慮したい。脆さに ついては,静的粘調性測定器の結果から明確な値は出 せなかったが,脆さを有するものは特異なパターンを 画くことから,それを把握することができる。 このように静的粘調性測定器では,テクスチュロメ ーターとうまく対応しにくいものもあったが,これに よって得られるパターンは試料によりそれぞれ特長の あるものが得られ,荷重子を 3φ と 8φ の二種類使用 することにより,試料の粘調性についての更に深し、↑古 報が得られるので,食品の粘柄性を測定するのにはや はり欠かすことの出来ない機器である。 III.要 約 1.前報において試作した静的粘調性測定器により, 食品のテクスチャーの測定が出来ないものかと考え, テクスチャーの主観的評価との相関が高いといわれて いるテクスチュロメーターによる測定と平行して4
群1
3
種の食品について静的粘澗性測定器で測定を行ない, 得られたパターンとテクスチュロメーターでの測定に よる特性値のパラメーターの関係をしらべ,テクスチ ャー表現の可能性を考察した。 2.食品のテクスチャーの表現のうち一番よく用い昭和46年 1月(1971) られる硬さについては, 8φ の加重子を用いた70%変 形率の荷重がよくテクスチュロメーターユニットと対 応した。 3. 岨しゃく性については 8φ の加重子を用いた破 壊点までの山線と,水平軸,水平l抽に立てた垂線で回 れた面積がテクスチュロメーターユニットによく対応 した。 4.弾力性については,クリープとその回復のデー ターより回復率を求め,テクスチュロメーターと比較 したが,よい相関は得られなかった。これは両者とも 部力性についての測定方法や算出方法に問題があるも のと思われる。 5.凝集性についても明らかな相関は得られなかっ た。付着性については本実験の静的粘調性測定器での 結果からは知見が得られなかった。これらについては 今後検討して行きたい。 6. 脆さについては静的利調性測定一器の結果より数 値的な値を求められなかったが,パターンからは充分 その知見が得られる。 7.以上のように,静的粘調性測定器でも,テクス チャーについて多くの知見が得られるが,それをパラ メーターとして表わすにはなお考察を加えねばならぬ ものもある。 8. 静的平Jli調性測定器は,テクスチュロメーターと 同じテクスチャーの特性仰を表わしにくいものもある -19 -が,試料の粘調性について多くの情報が得られ,食品 の粘調性測定器としてやはり欠かせないものである。 謝 辞 本実験を行なうに当り,テクスチュロメーターにつ いていろいろ御教示頂いたり,御便宜を与えて頂いた 武田薬工食品研究所戸田準氏他皆々様に厚く御礼申し 上げると共に,本実験の遂行に協力して頂いた紺谷 (旧姓山下)路子f;;:史に深く感謝する次第です。 参 考 文 献 1) S. A. Matz : Food Te"),.ture 5 (1962) A vi Pub. Co.
2) B.E.Proctor, S. Davison, G.
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Malecki, and M. Welch : Food Tech. 9, 471 (1955)3) H. H. Friedman, J.E. Whitney, and A. S. Szc -zeniak :