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鉄筋コンクリート用棒鋼のガス圧接継手の低温引張強度特性および圧接部の焼準の確認方法 : 低温下における鉄筋コンクリート用棒鋼のガス圧接継手の脆性破壊発生特性に関する実験的研究(その3)

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(1)

NII-Electronic Library Service 【研 究 論 刻 UDC :624

078

3:624

012

45 :624

04:624

059

22 日本建築学 会構造系論 文 報 告 集 第 349号

昭 和 60 年 3月

  

鉄 筋

棒鋼

接 継 手

張 強 度

圧 接 部

焼 準

確 認方 法

低 温下

に お け る

鉄 筋

コ ン ク

ト用棒鋼

の ガス

圧接継 手

   

脆 性破 壊発 生特性

に関

研 究

 

そ の

3

員 員 員 会 会 会 正 正 正 正 会 員

久*

* *

* * *

* ** *   §

1

序  筆 者ら は こ れ まで に 既 報 1)で

鉄 筋コ ン ク リ

ト用 棒 鋼 (以 下

鉄 筋 と呼ぶ )の切 欠 感 受 性 を 円周 切 欠 丸 棒 試 験 片に よっ て評 価 する方 法を示 し た

 さ ら に

引き続 き

既報2)で

鉄 筋の ガス圧 接 施 工 時に鉄 筋の表 面にク ランプきずが 生 じ る と

こ の表き ずを起点と し て脆性破壊が生 じや すい こと を示し。 そ こで

ク ラン プき ずの よ う な 表 面 切 欠 き を 有 す る 鉄 筋 を 想定し, 使用温度において鉄 筋コ ン ク リ

ト部 材と して 十分 な変 形 能 力が得られ る た めに必 要な伸び性 能 を有す る鉄 筋の材 質 選 定 方 法 を示した

 既報 3 )で は 鉄 筋の ガス圧接 継 手の冶金的 変 化につ い て検 討 を行い

鉄 筋の表 面のふし間 隔の縮み によっ て 生じる ノ ッチ底 部か らの脆 性 破 壊 発 生 特 性 を検 討する た めに そ の ノッ チ をモデル化し た 円周 切 欠丸棒試験片によ り熱影 響部にお け る脆 性 破 壊 発 性 特 性 を調べ

これに よっ て

焼 準 (後 熱処理)の効果の大きい こ と を定 量 的 に 爪 し た

  本 報では

圧 接 継 手の低 温 引 張 強 度に及ぼすふ く ら み 幅

焼 準の影 響を実 験 計 画 法によっ て調べ

圧接 部の応 力 集 中を軽 減す る観点 か ら 最 適 なふ く らみ 形状

お よ び, 継 手の状 態で の焼 準の効果にっ い て検討し た

これ に よっ て既報1}

2〕

3} 知 見 をも含めて低 温 構 造 物 を 対 象と し た 鉄 筋ガ ス圧接 継 手の圧 接 条 件 を設 定し

種々 の鉄 筋 のガス圧 接 継 手につ いてこ の圧 接 条 件の妥 当 性 を低 温 引 張 試 験に よっ て確 認し た。  最後に 現 場に おける圧 接 継 手の品 質 管 理の

手 法と   零 神 奈川大 学 教授

工博  ** 清水 建 設 (株 )技 術 研 究所  主 席 部 員

工 博 * ** 信 州 大 学 助教授

工博 # # 清 水 建 設

1

株 )技 術 研 究所   研 究 員

工 修    (昭 和 59 年 5 月 7日原 稿 受 理日

昭和 59 年 10 月 5日改 訂 原稿 受     理 日

討 詭 期 限 昭 和 60年6月 末H) し て硬さ測 定によ る 圧接 部の焼 準と確 認 方 法につ い て検 討し た

  §

2

 ガス圧接継 手の温引 張 強 度に及ぼす     ふ く ら み幅お よ び焼 準の影 響 (実 験

1

)  2

1  目   的  既報

2

)で は

鉄筋ガス圧接 継 手の低 温 引 張 強 度に及 ぼ す諸要 因の影 響につ い て実 験 計 画 法 を 用いて検 討 し た が, と り あげた要因の う ち, 圧接部の ふ く ら み幅お よび 焼 準の効 果につ いては明 確な結論 を得るに は至ら な かっ た。 こ れ は

圧接 継 手の多く が圧接 時に生じる クランプ きずから母 材 破 断 を生 じ

圧 接 部 破 断が きわ めて少な かっ た ためである。  本 実 験では

圧接 時に鉄 筋の表 面に ク ランプきずが生 じない よ うに く さ び型の クラン2蹙 用いク ランきず か ら発 生 する母 材 破 断を防 止し

必 然 的に圧 接 部 破 断 を 多く生 じさせ

ふ く らみ形 状お よ び焼 準の効果を, 再 度 実 験 計 画 法 を用い て定 量 的に明ら かにす ること とし た

 2

2  実験 計 画   (1 ) 試験要因と水準  本実験で は

試験 要 因と して鉄 筋 種

ふ くらみ幅

焼 準

温度の 4因 子をと り あげた

各要因の水準は表

一1

に示 す とお りで あり

これ らの要 因 と水 準 を表

2に 示す よ 表

1 要因 と水 準 水 準 123 要   因 A (鉄 筋 種)高炉 D32 高炉 D51 電炉 D32 B(ふ く らみ 幅) 1

2D1

7D2  2D C (焼 準 )

無 有

亅〕(温 度)

75℃

100℃

⊥50℃

91

N工 工

Eleotronio  Library  

(2)

2 要 因の わりつ と繰り返し数 要 憎 A B C D (温 度 ) 晦 (鉄 筋 種 〉 (ふ くらみ幅 ) 〔焼 準 )

 75℃

100℃

150 ℃ 1D32 高炉 L2D 無 222 2

7D 有 222 3

2

2D 有 222 4D51 高 炉 1

2D 有 222 5

1

7D 有 222 6 ∬ 2

2D 無 222 7D32 宙 炉 1

2D 看 222 8 ’

L7D 無 2     し 22 9 厂

2

2D 有

  ,

222 翊

 

 

L

些型

灯LKIL  躅  @競 入IL 焼 もど 巽材 〔

e 一 } うに

2

)と同 様 に 実 験計 画法の

L

, 直 交 表に りつ

た。  各要因の水準の 概 要 は 次 の と

である 。

1

)鉄筋種  本実験では,鋼

SD  

35

で,ふし形 ,径 が異な る 3 種

の 鉄 筋 を用い た 。 各供 試 材の 化 成 分 および

械 的性 質 は表 一3

すとおりで あ る 。

@2

)  ふく

み 幅   本 実 験では , 圧接部

ふく らみ の 大 径を

1

5D

D

は 鉄筋 の 呼

名 の数値) と 定

して

らみ

1

2D

1

7D

2

2D

3

水 とし た。  

3 >

焼  準   焼準につい て は, 圧接 の ま (無)と 焼

したもの (有) の

2 水

準 とし ,直交 に は焼 有をダ ミ ー とし わりつ けた 。

 4

)温 

 度

 試

験温

度につ

ては −

75

℃ ,

100 ℃, −

150

°C の

3

水 準とし これ らの

準を 直交表 に 外 側因子 とし て わ りつけ た 圧 接 部の ふく ら み 幅お よ

焼 準 の効果の程度 を明ら に す る ためには , 供 試 体の中にあ

程度 の 数圧 接部 断 を 生 じさせ る必 要 が ある 。そのため,実 際 の低 温 造物 で

象 とされる温度よ りも低い温 度

で 実験 を った。 実験 繰り返し 回 数は   ニ し , 計 54の実 験 を

。  (2) 試 験 体       (al 素 材 試 験 体 一 @4QO                                   400    8       500     

 

650            

2000

  

b

継 手試駿体 図一1

 

試 体の形状 寸法   試 験 体 の形状 寸法 は , 図 一1 に示 す おりである。 各 試 験体と も 所要 の 試 験部分 を 除 いて 周波 焼 入 れを 施 し

強度増加をは,目的 と す

試験 部 位で 最 終 破断 が 生じ る よ う に し た。  圧接試 験 体の 作 成 に

い ては 圧接 作業 のバラキ を

なくす る ために 自動 ガス 圧 と

た 。 ただし ,

有の 自動 ガス 圧接装置 では , バ

の揺動幅 に 限界がある た め

ふ くら み 幅

2

2D

には 手 動ガ ス圧接 と し た 。  い ずれの圧接 方

に いても,ふ くらみの 最 大径を

1

5D

と し, 要 のふ く ら

幅 が 得られるようにバ ー ナ

揺 動幅お

圧 接時間 を変化さ て圧 接 し た 。   各筋径 , ふ く ら み 幅ご

接 条 を表

4

に 示

。   (

3

)焼準方法  本 験で , 既 報

3

) の実験 結果 を も

に,

5

示 す

ー ナ

とで焼の 加 熱 を 行い , そ 加熱 時間は

D32

の 場 合

1

5

分、

 D51

の場合

D0

分 とし

。  

4

)低 温引張試験方法 素材 および継手の 低 温 引張試験 方法 は, 既 報

2

)に示

とおりであ

。すなわ ち,低温槽内 に液 体 窒素 を 噴霧 し, フ

によ

て か く 拌し で き る 低温雰囲気中 で 試 験 体 を 冷 却し , 所 定の 試 験 度に おいて

的 引張載荷 行っ

。  

2

3

実験 結果   本実

におけ 圧 接 継 手の

温引張 試 験結果を実験番

ごと に図 一 ノ 示 す。   こ こで ,脆 性 破 断

た継手 の破断部 は

圧 接 の ふ く ら み 部 ,母材 の クラ ン , ロー ルきず 部 分 に 大別で きるq図 ぞれW,C, Rの ナ表 表一 供試 体 フ化 学 成 ィ 謔ム@ 械 Iォソ<TAB><TAB><TAB><TAB><TAB><TAB>化    学

 

  成   分 @   @ 〔雅 )<TAB><TAB><TAB><TAB><TAB><TAB><TAB>機    的  性 

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試材 記 @

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筋電 炉

筋高 F鉄 筋 <TAB>o.240.

270

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45 .5   

48,

&    45」<TAB>64.465 .3

(3)

NII-Electronic Library Service 表

4 圧接 条 件 圧接 部形状 バ

振 幅     〔

 

) 時    間  (s

 

) 縮 み 代   {mm ) 加     圧 ガ

流量    (〃hr

alm0 ℃ ) 鉄   筋 呼ぴ名 工         程 工         程 工    程 還 元級 中 性 炎 3

451678934

567     894710u ラ  ム 断 面積 (

  ) 設   定 圧  力 (kgrん )02C2H20

C2H

1

2Do61422303850201510L52022151810400 D321

5

D 皇

7Do14334355

585320201D15    452227291040018102040202D1880       幽 2

2D      60

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匡炉 22Dtt

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有 σ9Or 図

2 圧 接継 手の低温引張 試 験 結 果 Q

200   

15D     

100     

5D       O        温  度 TPC 適       ω 示 した。 なお, 記 号のないもの につ い ては

母 材で延性 破 断 を生じ た こ とを示す

 

圧接 継手の低 温引張 強度に及ぼ す各 要因の影響につ い て検 討す るに当っ て, 各 試 験温度にお け る継 手の引 張 強 さaJ と素材の引 張 強さσβと の比 aJ/aB を継 手 強 度 比 と 定 義 し

a./ as に関 する分 散 分 析を行っ た結 果 を表

6 に示 す。 こ の分 散 分 析に おい て, 破 断 部 位 が

C

R

の 場 合

圧 接 部の真の強 度は不 明であるが

破 断 部 位の影

93

N工 工

Eleotronio  Library  

(4)

5  焼準 加 熱 時における バ

ナの火力 ガス流量  (4/hr 

a皇m  O

C) 鉄   筋 呼 び 名 02 C2H2 発   熱   量 (kcal /hr) D32D51224D4290 22304340 30910D60100 衷

6 分散分析 表 (継手 強度比) 1 要 因 自 由 脱    f 変   鋤   S 分   散   V

 

 

 

 

 

 

 

1 分 散 比   Fo 純 変 動   S

寄 与 率 ρ (筋) 榊 A20

1377O

058926

500

ユ325L3

6

B20

U730

0587        22

53O構

1121u

5

1

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1081       [ 0

108141

53O

1055 且0

8 eL1

 

 

OO120

 

 

 

 

IO

0006 率* D2O

07340

0367 工4

12O

0682 7

0 AXD40

09140

Q229      

* 8

81O

0810 8

3 BXD4D

04650

0116       *宰 4

460

0361 3

7 CxD2O

0878O

0439       *累 16

88D

0825 8

5 e220

00220

0011 e3330

09160

002S (e

) 〔35) (O

0938 ) 〔。… 2・}

1

(e) (36) (0

09381 (。

002酬 0

358935

5

計 53o

9769O

Ol84 0

9769100

0

轄 :危 険 峯 1 %で有 意 響 を除 くために

母 材 強 度と同等の強 度を有するものと 仮 定し て解 析し

安 全 側の評 価を行っ た。   本 実 験で は

,一

次 要 因

二 次 要 因とも 危 険 率 1%で 高 度に有 意で ある。 こ の中で も要 因A の寄 与 率 が 最 も 大きい

3に各 有 意 要 因の効 果の推 定 を 示す

 こ れ ら の結 果か ら次の こと が言え る

  1)本 実 験に お け る試 験 温 度の範 囲 内で は, 鉄 筋 径に よっ て継 手 強 度 比が異な る

す な わ ち

太 径の鉄 筋の圧 1

21

1

1 。

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°

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覧 邑 e 筋           鉱 馬 ε { 謝 9 60

定 推 の 果 効 因 要 3

図 接 継 手の 場 合 は 細径の鉄 筋に比べ て継 手 強 度 比が低い

  2 )ふ く らみ が 1

7D の場 合は L2D に比べ て若 干 継 手強度比は高いが, 2

2D になる と継 手 強 度 比は顕 著 に低 下 す る

 

3

)焼 準し た もの の継 手 強 度 比は圧 接の ま まに比べ て 高いを示す

  4 >温度は継手強 度 比に及 ぼ す影 響が大き く, 温 度の 低 下に伴っ て継 手 強 度比 は低 下す る

  5)温 度 と 鉄 筋 種

ふ く ら み幅

焼 準の そ れ ぞ れの に交 互 作 用が見られ

鉄筋種につ い ては太 径 (

D51

), ふ く ら み幅につ い て は2

2D

焼 準にっ い て は圧接の ま まの場 合にそ れ ぞ れ 温度の低 下に伴い継 手 強 度 比 が 著し く低下す る. な お

本実 験で は各 要 因 と も

75 水準間に有 意 差は見 られ な い

 

方, 本 実 験で は

既 報2)に比べ て

ク ラ ンプきず か ら破 断し たもの は少な く

し かも

そ の耐 力低下は比 較 的 少な い

こ れ により

く さ び型の クラ ンプが有効で あ ること が わ か る。 しか し, こ の ク ラ ンプ型 式の場 合に も

鉄 筋の ふし上にわずかに軽 微な ク ランプきずが残る こと が あ り, こ れ が継 手の終 局 強 度 時に脆 性 破 断を誘起 す ること を考え れば, 今後さ ら に改 良す る余 地 が ある。  本実験 結果お よ び既報 2)の知見を基に 低温下で使 用さ れ る鉄 筋 ガス圧 接 継 手に母 材 と 同 等 程 度の継 手 強 度 を確 保する ために は ク ラ ンプきずのつか な い圧 接 装 置 を 使 用す る と と もに

ふ く らみ径 1

5D

ふ く ら み幅 1

7D のふ く ら み形 状と し

圧接 部の焼 準を行う必要

ある と言え る

 §

3

 各種 鉄 筋の ガス圧接継手の低温引張 強度      (実 験∬)  3

1  目    的   本 実験

1

温下に おける鉄 筋の ガス圧 接 継 手 に高い継手強度比 を確 保す ることの で き る圧 接 条 件が明 らかになっ た。 し か し

こ の圧 接 条件は

少ない種 類の 鉄 筋に よる実 験 結 果か ら得ら れ た もの であ り

市販の の種 類の鉄 筋につ い て も適用で き る か否か につ いて確認 してお く 必要が あ る

  こ こ で は

径お よ び ふ し形 状のな る 10種 類の鉄 筋 につ い て現状に お け る実 際の低温構造物で対象と さ れ る 最 低温度 近 傍で圧 接 継 手の引 張 強 度の確 認 を行っ た

 3

2 実 験 計 画  (

1

) 供 試 材  本 実 験に用い た供 試材は,

SD35

, 

D32

が7種 類 (高 炉 鉄 筋 4種 類, 電 炉 鉄 筋

3

種 類)

,D51

が 3 種類 (高炉 鉄筋 2種 類, 電 炉 鉄筋 1 種類 )であ る。 これ らの化 学 成 分 お よ び機械 的性 質を表

一7

に示す。  (2 ) 試 験 体の作 成   試 験 体の形 状 寸 法は

実 験

1

と同 様である。 試 験 体の 作成に当っ ては

ふ く ら みの最 大 径 を1

5D

ふ くらみ

(5)

NII-Electronic Library Service

J

7 供 試 材成 分お よ機械是性質 (

va

 

ll

) 供 試 材

学 成 分 〔% ) 1 機   械   的 性 質 呼 び名 製 法 種 別 記  号 cSi 恤 PsCuNiCr501 △6z

N /c   σY 〔  f〆    σ8 〔kgf/m  ) E6

{私 ) R

A

(% ) vT

s 〔℃ ) LD 詑 高炉鉄筋 o

240 β1 ユ

350

0300

0210

010

0240

020

OOlTro

oo395

6345

664

430

566

8O

5 M

广

D

220

421

340

D270

0320

D2O

0230

DLD

om 丁

O

00396

D943

260

031

365

315

4 N

0

250

251

370

Q290

D25O

010

0300

020

026o

oo10

00705

4843

561

930

867

5

10

1 0

o

290

33 】

360

0300

0240

田 0

0340

06O

003O

0010

00484

5941

O64

828

761

444

正 P

竃 炉 鉄笛 0

270

311

02G

02D0

033o

240

055o

12o

oo1O

0040

Dユ173

7848

865 β 28

455

615

9

Q

o

27o :301

U0

0340

0270 β2o

o了40

2D  

00且 0

0070

01244

1140

064

727

454 β 65

0 R

0

25o

201

02o

029o

0330

35o

07且 0

220

0010

004O

Dl143

9241

151

229

958

728

6 SD51 高 炉 鉄 筋 o

27036

1

410

0240

Ol60

0】 D

眤6o

030

0270

002O

00285

2245

166

匸 28

558

75

9 T

o

27o β 91

390

038O

036O

020

0350

OB0

002TrD

00505

1542

352

G29

56 聰β 36

3 u

r 電 炉 鉄 0

30O

181

130

0320

048O

400

086o

23O

0010

0040

OllO3

7742

565

925 β 48

777

0

σY :降 伏 点  eB :引 張 強 さ  E4 :伸び率  R

A

:絞 り  vTrs :破 面 遷 移 温 度 1

2 11 8Lo

曇09 慧

。, 鴪 07 つ6 ■ 「

一「

「− 71 試 験1股

75℃ 鰤 、SO55     ° 母 職 断        ● 圧 接 部岐断 W

匣 接のま ま N

焼iv/したもの   oo ●

88

wNwNWNWNWNWNWN L      M     N      O     P       O       R し       卩52       供 試 材 図

4 各 種 鉄 筋の圧 接 継 手の継 手 強 度 比

幅を1

7D と し

自動ガス圧接装置 を 用いて圧 接 し た

  圧 接 試 験 体の半 数につ いて は

前 述 表

5に示す バ

ナ 火 力の もとで焼準を行っ た

  (

3

)試 験温度

 

実 際の低 温 構 造 物で対 象 と され る最 低 温 度よ り若干 低 い

一75

℃ で試 験 を 行い

安 全 側の評 価を行うこ と と し た。  

3.

3

実験 結果  本 実 験に お け る 圧接継 手の低 温 引 張 試 験 結 果を図

4 に示 す。  まず

破断位置につ い ては 全 試 験 体30体 中

圧接 部 破 断 を生じ た もの は 11体で あ り

そ の内訳は圧接の ま ま 9 体, 焼 準 し た もの 2体で あ る

残り 19体は母材 破 断で ある。  圧接 部 破 断を生 じ た試験体に注目 す る と

圧 接の まま で は継 手 強 度比の低 下が

25

%程 度にな るものが見られ る が

焼 準し たもの で は圧接 部破断 と 言 え ど も径 また は ふ し形 状にか か わ らず

継手強 度 比は ほぼ1

0で

母 材 と同等の強 度を 呈 して お り

焼準の効果の大き い こと が 確め

ら れ る。  こ こ で, 焼準し たもの の うち

供 試 材

0

および

S

の 場 合

それ ぞ れ 1 体ずつ 若干 強低 下して い るもの が見 られ る が こ れは ふ しの上に生 じ た軽微 なク ラ ンプ き ずか ら母 材 破 断 を生 じ た た め で あ る

 な お

供 試 材

U

は母 材 破 断に もか か わ らず継 手強 度 比の 低 下が見 ら れ るの は

もとも と素材の靱性が低 く (

T,

 

+77℃), 母 材 表 面の ふ しのつ け根の 応 力 集 中 に よっ て脆 性 的に破 断し た た め である。  §4 考   察  4

1 ふ く らみ幅の影 響  (1 )ふ く ら み幅によ る応力集 中 の変化  圧接継手のふ く ら み部に は鉄 筋の表 面の ふ し間 隔の縮 み によっ て ノッチ が 形成されや すく, その ノッチ底部に 応 力集中が生じ る

低 温下 での使 用 を考 慮すれ ば で き るだけ ふくら み径 を 小さくし

ふ く らみ幅 を大きくする ことに よっ て圧 接 部の応 力 集 中を軽 減する のが望まし い と考え ら れる。 しか し

良 好な圧 接が得ら れ る た めに は

ふ く ら み径は1

5D 程 度の大き さ が 必要であ るの

 そこ で ふ く らみ径をLsD と

定に してふ く ら み 幅 を変 化 させた場 合の圧 接 部の応 力 集 中の変 化 を有 限 要 素 法5 )を用い て検 討し た

 解 析に は

互に ふ し形 状

径の な る

3

種 類の鉄 筋 M (D 32)

 

R

D32

お よ び

S

D51

)の圧接継手を用い t

これ らの圧接 継手は そ れ ぞ れ ふ しの位置 が圧 接 面に対し て対 称と な るよ うに圧接し た もの で

継 手の縦リブに対 し て 90

°

の鉄 筋 軸 断 面に お ける圧接 部の形 状を 忠実に再 現し

鉄 筋 軸に対す る軸 対 称 問題 と して弾 性 解 析を行っ た。 要素分 割の

例を 図

5に示す

応 力 集 中 を相 対 比 較す る た め

注 目 す るノ ッチ底 部の三角形要 素の

辺の 最 小 長さ は約

0.1mm

と し, 最小要 素の形状 寸 法はいず れの場合も ほ ぼ同

と な る よ うに分 割し た

 図

6に 解 析 結 果の例を 示 す

こ こ で a2 は軸 方 向の 鉄 筋表面の応 力度で あ る

圧接部表層 の応 力 集 中は, 軸

95

N工 工

Eleotronio  Library  

(6)

方 向に対して ふしの圧 接 面 側に生 じ る。  こ こで は, ノッチ底 部の応 力に注 目す ること とし

応 力集中 係 数α をノッ チ部の ネッ ト断 面 応 力a。etに対す る ノッチ底 部の最 大応力 σmax の比

すなわ ち

 a・= ・ am

x /σ

et と 定 義する と α は応 力 集 中の程 度を示し

ま た強 PertAl

 

P。,,日 1

1

Par      巳A ParI8        彑

 

 

ユ  ie

l

l

ll

5 圧接 部の要 素分割の

例 (D32

波ふ し) 供 試 財M D32いfi7シ ,     ふ(ら み臣 15D    

⊂ ら み幅12D 9 応力 瑛 中孫 敦

α

のピ

ク値 50 2s 謹29 15       10       12D  1

7D  2

2D      

1

くらみ輻 図

ア 応 力 集 中 係 数と ふ く ら み幅の関係 o

_

圧鬼面1 0106 048 02

陥 1

馴 lm   

e

g1

s

Ooo

lk巳tlm

一 10         2Q        50        40         50         圧 接 面 か らの軸 方 向距離

〔mml 〔a)D32 〔波ふ し)ふ く ら み幅1

2D の場 合

_

 一  一  

_

_

       60 度 低下の生じ や すさを示すもの と考えられ る

6に は

応 力 集 中の 大 きい部 分の応 力 集 中 係 数a のも併 記し た

 図

7は応 力 解 析 結果か ら圧 接 部に生じ たノ ッチの応 力集 中係数の最 大α max をふ く ら み幅ご とに

た も の である

応 力 集 中係 数の大 値は ふ く ら み幅が

1.7D

 の と き相対 的に小さ くな っ て いる。

  

実 際の圧接で は, 圧 接 部にお ける軸 方 向各部のアプ  セ ッ ト量 を相 対 比 較すると

圧接面 近傍が大きい

 

た がっ て

ふ く らみ幅の大きい圧 接 部を形 成す る場 合

 

に は

圧接面の近傍には アプセ ッ トが集 中す る た め き  び しい ノ ッチ が生じ や すくな る。 ふ く ら み幅が大きい  ほど 応 力集中 係 数は小さ くな ると考え られ や すいが

°

 

0     5     ρ    

 

5       0     5                   」     1

    α 5       a       2   儡 痛 当 子 鐸 R 煙  

∈ E 丶 蜀 5

OR 皆

01

n 供試 梶M D52〔渡ツシ }    

く ら み匝1

50    

a.

( ら み 軸 1

7D

9

 塔力 奥 中 瞭歌e のピ

ク偵 旺 搬 面 冫        圧 接 面 か らの軸 方 向距離〔mm , 〔b) D32 (波ふ し}ふ く ら み幅1

7D の場 合 鯉

5D 韻 2   5  

 

    0   Z       2 の 酒 還 岳 罧 R 惶

    5    

 

  0         5     1       L       α    

晝 E さ ぎ 6 只 惶 e2

5」      

「 隣斌 肘 M O52{減 フ シ1     」

匿 150     ふくらみ 躯22D 9 嚀力 描 中 係数

α

ク伍 〔.

9

.) 10          2Q          きQ         圧 接 面 か らの軸 方 向距 離 〔mm ]  〔cD32 (波 ふ し1ふ く らみ幅 2

20D の場合    図

6 圧接 部の応 力 集 中

ふ く ら み幅が極端に大き すぎる場 合には逆に応 力 集中 係数も大き く な ることがこれによっ て説 明でき る.   (2)  圧 接 部の破 断 位 置に お ける応 力 集 中   実 験

1

で は

圧接 試 験 体54体 中16体に圧接 部 破 断 が生じ た。 こ の うち継 手の引 張 強 度が母材の引 張 強さ に比べ て明 瞭な 低下を 示 し た試験体

IO

体につ いて破 断 部 位にお け る 応 力集中 を 前 項 (1 )と 同様に有限要 素 法を 用いて解析し た。

 

解析にっ ては, 写真

1示 すよ う にに よっ て破壊の発生 点を確 認し

こ の発 生 点と鉄 筋 中心 軸を通る縦 断面に お け る圧 接 部の形 状を拡 大して素 分 割 を行っ た。

 

解 析 結 果の

を 図

8に示す

各 試 験 体と も応 力 集 中係 数の最 も高い部 位よ り破 壊 を生 じて い る

破 壊 応 力は低 下 する傾 向に あ る と言え る。  前 項 (1}に お い てふ く ら み幅がL7D の場 合に 応 力 集 中 係 数が相 対 的い こと

お よ び応 力 集 中 係 写 翼

1 破 断 面 {aお よ び破壊の生点を通る軸 断 面形 状 (b)

(7)

NII-Electronic Library Service

    

tT

s

°T

1

. ,

1

 0       10     20 

  駅)      4e     50     6Q    70     80    90     1QO 〔圧 撫iの          圧接 面からの軸 方 向 距 雎 Imm )     図

8 圧接部の破断部位にお け る応力集中の

ヨ002 ミ巳Qi

§6。

§

郵40

n セ。

      1     2     5    4     5      6       応 力 集 中 係数el 図

一9

圧 接 部の破 壊 応 力 と 破 断 部 位にお ける      応 力集 中 係 数の関 係 数が低いほ ど破壊し難い実 験 事 実と か ら

低 温 下で使 用 さ れ る 圧接 継手の ふ くらみ形 状は

ふ くらみ径 をLs D と し た場 合, ふ くら み幅は 1

7D と する の が適 切と 考え ら れ る

 4

2

  焼 準の効 果  圧接 部の焼 準の効 果につ い て は

既 報3)で円周 切 欠 丸 棒 試 験 片に よ る 評価の結 果

適 正に焼 準が行われ た場 合母材と 同等以 上に低 温靱性の 向上が見ら れ ること が明 らか に なっ た

  本 報に おける実 験

1

で は

実際の圧 接 継手の状態にお い ても焼 準の効 果 が大きい こと を顕 著に見ること が で き る。 すな わ ち

圧接の ま までは

75

°

C

よりも低い 温 度 域で は 温度の低 下に伴い急激に強 度が低 下する傾 向 を示 す が

焼 準 したもの は

100℃ まで ほと んど 強 度 低 下は な く

,−

150℃ に 至っ て も母 材 強 度の約 10

% 程 度の強 度の低 下を示すの み で ある

 また

実 験 皿で も, 継手の圧 接 部 破 断は圧 接の ま まの もの に多 く見ら れるが, 焼 準し たもの には き わ めて少な く

明ら か に焼 準の効果が認め られ る

特に

D51

の場 合ふ しの 高 さが高いた め

圧 接 部に生じ るノッチの深さ も大き く なりや す く

圧 接の ま までは強 度 低 下の著し い ものが 見 ら れるが

焼準し たものはいずれ も 圧接 部 破 断 は見られ ず

焼 準の効 果が大きい ことが確め られ る

 4

3  寸 法 効 果

  実 験

1

に お い て

鉄 筋 種に主 効果が見 ら れ

A

,(

D51

高 炉 )は A1 (D32 高炉), 

A

, (

D32

電 炉 }に比べ て継 手 強 度 比が低い。

 

ま た, 温度と鉄 筋 種とに交 互 作 用 が 見られ

,A2

A

, お よ び

A

,に 比べ て温度の低 下に伴い継 手 強 度比の低 下 が顕著にな る。  本 実 験に用い た実験 計 画 法

Ls

直交表で は鉄 筋の製 法 に よ る効果 と径に よ る効果 を 明確に分離す ることは でき ないが, 上 述の効 果は製法に よ る も の で は な く, 径に よ るものと推 察され る

 また

実 験

U

におい て も

圧 接 部破断を生じ た もの の う ちD51 の場 合に は

D32

に比べ 顕 著下 を 示 す もの が見ら れ る

 

こ のよ うに 太 径に な るとそ の圧接 継手は低温下で強度 低下を招き, 脆

的な破 断 を生 じや すく な る と考えられ る

この理 由の

つ と して 太 径の場 合

細 径に比べ て ふ しの高さが高く

圧 接 部に深い ノッ チ が形 成され や す く な ること が考え ら れる。 既 報 2)

に示し た よ うに線 形 破 壊 力 学 的 観 点か ら ノッ チの先端 形状 が 同

であれ ば

ノ ッ チ が深い ほど脆性破 壊が生 じや すいと言え る

も う

つ の理 由と して は 報 3) に示 し た よ うに圧 接の ま までは太 径の場 合

圧 接 部の冷 却 速 度 が 緩く

結 晶 粒の粗 大 化が生じ靱 性が低くな る ことが挙 げら れる

  し か し

4

2に述べ た ように

太 径の場 合で も適正な 焼 準によっ て圧 接 部の靱 性が改 善 され 圧 接 部での低 応 力脆性 破 壊を防 ぐこと がで き

圧 接 継 手 を実 用に

する こと が可 能である

  §

5

現 場 圧 接 部の硬 さ測 定による焼 準の確 認 方 法  5

1 圧 接 部の硬 さ測 定 方 法の問題 点   圧 接 部を焼 準する ことに よっ て継 手の脆 性破 壊 発生 特 性が向上す る ことは以上に述べ たとお りで ある

ま た 既 報3)で圧 接 部の靱 性を表 す 指 標の

つ である破 面 遷 移温度と硬さ とのに相関が あ るこ を 示 し た

し た がっ て

圧接部の焼 準が継 手の脆性 破 壊の防 止の 目 的で 要 求され る場 合 圧 接 部が焼準されている か否か を 現場で 確 認 する こと が重 要であり

その手 段の

つ として圧 接 部の硬さを測 定する方 法が考え られ る

 

現 場で圧 接 部の硬さを 測 定す る場合, 非 破 壊的に圧 接 部の外 面 をそ の場で測 定す る必 要が あ る

し た がっ て , 硬さ測 定器 は軽量, 小 型で持ち運 び可 能でな け ればな ら ない

そこで, 本研究で は, 写真

一2

に示すポ

タブル 硬さ計を採用し た

採 用したポ

タブル硬さ計は

鋼 球 を試 料 表面に衝突さ せ

鋼 球の衝突前 後の速度 変 化を硬 さに換 算す る よ うになっ てい る

す な わ ち, 鋼 球の速 度 変 化 (反 発 速 度 / 打 撃 速 度 )の 1000 倍の値が

L

値と し て デ ジタ ル表 示 装 置に表 示さ れ

そ の L 値を ビヅ カ

ス硬さ に換 算 するもの で ある

 

5.

2

硬 さ測 定 位 置  実

va

 

n

に供し た供試材

0

(D32 )お よ び

T

(D 51)を

97

 

N工 工

Eleotronio  Library  

(8)

写真

2 ポ

タブル硬さ計によ る 圧 接部のさ測定 190180   170

W160f ミ1弱  140150 ’29 。。 1901eo   170 密 鬯1607 ミ,s。   140150 80    60    40     20   0    20    40    60   60   }O◎         圧接 画か らの軸 方両阻離【mm }       (aD51 圧接のま まの場含 120100    80    6P    40    20    0     20   40    eo   80   1DO       圧 掖面からの軸方 向 距離{m 〕       (b}D5ユ 焼 準し た も のの場 合      図

10  圧 接 継 手の縦リ ブ上の硬さ分 布 用い て 圧接 試 験 体 をそ れ ぞれ 6体つつ 圧

その半 数 の圧接部を焼準し た

 

各試 験 体の縦 リブ上の硬さ を ポ

タブル硬さ計で測 定 し た結果の

例を 図

10に示 す

こ れ ら の 図か ら

圧 接の ま までは 圧接中央部がく母 材に近づ くにつ れ て 硬 さ が低 下す ること

お よび焼 準した もの の圧 接 部の硬さ は母 材と ほ ぼ 同

で かつ ほ ぼ

様な硬さ分 布に なっ てい ること が わ か る。  焼準の無を硬さで確 認す る 場合, 圧接の ま まの試験 体では硬さ が高く

かつ変 化の少ない 位 置 を 測 定する必 要が あ る

10か ら判 断 して

D

 32の場 合 圧接 面か ら

20mm

以 内, 

D

 

51

の場 合 圧 接 面か ら

30

 mm 以 内 が 適 切 で あ ると考え られ る

 図

11は

各 試 験 体につ い て上 記の範 囲 内で測定し た圧 接部の硬さの平 均 値 とその母 平 均の 95% 信 頼 限 界 な らびに母 材の硬さの平 均 値 とその母 平 均の 95% 信 頼 限 界 を示し た もの である

これか らわ か る よ うに

焼 準 が な さ れ て い な け れ ば

圧接 部の硬さは母 材の硬さ より 平 均 的に 18

24 

Hv

く なっ て いる。   5

3 硬さ測定に よ る焼 準の確 認 方 法   焼 準の有 無につ い て

圧接 部と 母 材の硬 さ を n 点つ つ 測 定

の平 均 値の差 が (

AHv

)cr 以 上で あ れば焼 準は な さ れて い ないと判 断 する ことにする

 分散が ♂ の母 集 団か らn 個 (n≧5 >サンプリングし

その平 均 値 を求 める作 業 を 繰り返 すと平 均値の分布は σ2/

n な る分 散 を もつ 正 規 分布と な る。  圧接 部の硬さの分散を品

母材の硬さの分散を a}と す れ ば, そ れぞれ母 集 団か らn 点 測 定 した硬さの 平 均 値は

そ れ ぞ れ 茜 ノn

σ

l

/n な る分 散をもつ 正 規 分 布 と な る。 今

圧接 部の硬さの 母平均を(H。)w

母材の そ れ を (

H

。)Bとすれ ば

そ れ ぞ れの分 布の差の分 布は平 均 が (

H 。

 w

H

。 }B で, 分散が (茜 +aZ )/n な る 正規分 布 となる

こ こで

判 定 基 準 を (

AH 。

)cr とすれば, 圧 接 部 と母 材の そ れ ぞれの n 点の 平 均 値の 差が (AHv )。 。以 下 と な る確 率

すなわ ち

焼 準され て い な い にもか かわ ら ず焼 準さ れて いる と判 断さ れ る確 率を5% と す れ ば       (

Hv

)v

CHv

)一 (

AHv

)cr                   

1

65

 

−s

(1 )       σw十σbn が成 立す る

  (1 )式に おい て (

Hv

}w

Hv

)e は

5

2の結 果をもと に安全側と し て     (Hv)w

(Hv)8

18r

…r・

 

一・

 (2) と し た

茜,aZ は,本実 験では 圧 接 部の硬 さの π (

V

は 不 偏 分 散)の最 大 値が 9

87 母材の硬さの π の最 大 値が 7

98であるため安 全

の値 と して     σ 

σ蚤≒100

………・

…・

………・

……・

……

(3 ) と し た

 ま た

焼 準し た もの の圧 接 部 と母 材と の硬さ の平均値 1ga 180   170 ま

li

 16。

f

“150i   140ISO

ki

   

1

i

季 亞

i

1

 95%儒 頼限界  

鮮均   95% 信 孛n隈 #

0  圧椴No  母 材 部     lao       MO

125456   789101112         L    」一         L

_一

」    −          D52    051       D聡     051         −

」         L

−_

_

」       焼準 無         焼準有 図

11 圧接 部お よ び 母材 部にお け る そ れ ぞ れの硬       さの均 値 と95%信 頼 限 界

(9)

NII-Electronic Library Service の差 (

AH

。)。T は

11か ら わ かる よう に       (∠SHv)cr

10

 (4) とすれば (1 )式よ り      n

9

 

−t・

t・

 (5) と な る

す な わ ち

圧接 部およ び 母材のさ を そ れぞれ 9点 (≒

10

つつ測 定 し, その平均値の差が(

AHv

10以 上 あ れ ば

そ の接 部焼 準さ れ 判 断 して も その間 違 う確 率は 5 %以下で あると言 うこ とが で き る

  §

6

結   論

 

本報で は

実験 計 画 法 を用い て圧 接 継手の低 温 引 張 強 度にぼ す 圧接 部のふくらみ形 状, 焼 準の影 響を謂べ

さ ら に実際の低 温 構 造 物で考え られる最低温度で種々 の 鉄 筋の ガス圧 接 継 手の低 温 引 張 強 度を 確 認 し た

また 圧 接部の有 無 を確 認るた めのさ試 験の適 用 性 について検討し た。 その結 果 を要 約す る と次の と おり で ある

 

1 )低 温 下におい て

鉄 筋 ガス圧接部で低 応 力の脆 性 破 壊を生じ さ せ ないための圧 接 部のふ く らみ形 状は

ふ く らみ径 1

5D に対してふ く らみ幅は 1

7D と する の が よい

 

2) 低 温 下に お ける鉄 筋 ガス圧接 継 手の継 手 強 度 比 は

圧 接部を適正 に焼 準し たもの は圧 接の ま まのもの に 比べ て向上 す る

 

3)

75

°

C

にお け る 圧接 継 手は

D32 の場合焼準の 有 無に か か わ らず母材と 同程 度の引 張 強 度 を示す

また D51 の場 合

圧 接の ま まで は 圧接 部 破 断が生 じ や す く 継 手 強 度 比は低い が し たもの では母 材 と同 程 度の 引張 強 度 を示す

 

4) ポ

タブル硬さ計 を用い て圧 接部お よ び母 材の縦 リビ上のさ を そ れ ぞ れ 10点 ずつ測 定す ることによ り

圧接部の焼 準の有 無 を 判 定す ること がで き る

 本 研究は

既 報 1), 2), 3 )お よ び本 報 を含 めて

市 販 鉄 筋お よ び その ガス圧 接 継 手につ いて

低 温 下にお け る脆 性 破 壊 発 生 特 性を 調べ

現 状い て設 需 要 る低 温 構 造 物へ の適用性を検 討す るこ と を目 的としたも の である。 こ れ らの

連の研究結果か ら

低 温 構 造 物を 対 象と した市販 鉄 筋の材 質 選 定 方 法 およびそ のガス圧接 継 手の適用方 法が明ら かに なっ た。

  謝    辞  

連の 研究を 遂行する に当り

H

本ガス圧 接 (株)大 井

郎専務取 締 役 (前 (社 〉 日本 圧 接 協 会 副 会 長 ), 大 阪 大 学 工 学 部 豊田政男助教授に は有益 な ご指 導

ご助 言 を賜 り ま し た

ま た (株)須山 工業 所 須 山美 寿 社 長

清 水 建 設 (株 〉技 術研究所中辻照幸, 小 早 川恵実の両 氏 他 多くの方々 に

終 始ご協 力 を頂き ま し た

未尾 な が ら深 甚な る謝 意 を表し ま す

参 考 文 献 1) 藤 本盛久

藤盛紀明

中込 忠 男

矢部 喜 堂;円 周 切 欠き    を 有する鉄筋コ ン ク リ

ト用棒鋼の温 下に お け る脆 性   破 壊 発 生 特 性に関する実 験 的 研 究

日本建築学 会 論 文 報     告 集

第334号

昭 和58年12月

2 )藤 本 盛 久

藤 盛 紀 明

中込 忠男

矢 部 喜堂 :表 面 切 欠き     を有 する鉄 筋コ ン ク リ

ト用 棒 鋼の脆 性 破 壊 発 生 特 性

    低温下にお け る鉄 筋コ ンク リ

ト用 棒 鋼のガス圧 接 継 手   の脆性破壊発生特性にす る実験的研究 (その 1

    建築 学 会 論 文 報 告 集   第337

昭 和59年3月 3} 藤 本 盛久

藤 盛 紀明

中 込 忠 男

矢部 喜 堂 :鉄 筋コ ンク リ

    ト用 棒 鋼の ガス圧 接 継 手の熱 影 響 部における脆 性 破 壊 発   生特 性

低温下に お け る鉄 筋コ ク リ

ト用 棒 鋼の ガ ス   圧接 継 手の脆 性 破 壊 発 生 特 性に関する験的研 究 (その     2)

日本 建 築 学 会 論 文 報 告 集   第346号

昭 和59年12     月 4 横 川 孝 男:自動ガス圧接によ る鉄筋の接 合に関 する研 究

  学位 請 求 論 文

昭和53年7月 5} 山 田 嘉 昭

横 内 康 人 :有 限 要 素 法によ る弾 塑 性 プロ グラ    ミングEPIC

1V解 説

培 風 館

昭 和56年3月 6) 石 川 肇

藤 森 利美

久米 均:化 学者および化 学 技 術   者の た めの統 計 的手 法, 東京 化学同 人

1974年6月 7新 版 品 質管理便 覧 編 集 委 員 会 :新 版 品 質 管 理 便 覧, 日     本 規 格 協 会

1982年9月

99

N工 工

Eleotronio  Library  

(10)

SYNOPSIS

VDC:624.07S.3:624.012.45:624.04:624.05g.22

TENSILE

STRENGTH

CHARACTERISTICS

eF

GAS

PRESSURE

WELDED

JOINTS

OF

REINFORCING

STEEL

BARS

AT

LOW

TEMPERATURES

AND

A

CONFIRMATION

METHOD

OF

NORMALIZING

WELDS

-Experimental

study on

brittle

fracture

initiation

characteristics of

gas

pressure

welded

joints

of

reinfor ¢

ing

steel

bars

at

low

temperatures.

byDr. MORIHISA FUJIMOTO,

Pref,

ef Kanagawa Univ.,

Dr. TOSHIAKI FUJIMORI. ShimizuConstructionCo.,

Ltd.,Dr. TADAO NAKAGOMI, AsseciateProf.of

syu Univ.and YOSHITAKA YABE, Rhsearch Englneer,

ShimizuConst[uctionCo,, Ltd., Members of A.I.

J,

Inthispaper, effects of

bulge

shape and normalization on the tensilestrength ofgas pressurewelded

joints

of reinforcing steel

bars

were investigated

by

theaid of the experimental

design

method.

As

the result, an adequate

bulge

shape was

found

out and also the effect of normalization on the tensile strength was confirmed to real welded

joints

of reinforcing steel

bar$.

First

an app:opriate procedure of

gas

pressure

welding of reinfoTcing steel

bars

for

use

in

structures

for

low

tempertureservice was propQsed,

Secondly,

an evaluation method of normalization of welds

by

hardne$s

testing was

proposed

for

the quality control at thesite,

表 一 2 要 因 の わ り つ け と 繰 り 返 し 数 要 憎 A B C D (温 度 ) 晦 (鉄 筋 種 〉 ( ふ く らみ幅 ) 〔焼 準 ) 一  75 ℃ 一 100 ℃ 一 150 ℃ 1D32 高 炉 L2D 無 222 2 〃 旦 .7D 有 222 3 厚 2 .2D 有 222 4D51 高 炉 1 .2D 有 222 5 厚 1 ・7D 有 222 6 ∬ 2 ,2D 無 222 7D32 宙 炉 1 .2D 看 222 8 ’ 尸 L7D 無 2     し 22 9 厂
表 一 5   焼準 加 熱 時 に お け る バ ー ナ の 火 力 ガ ス 流 量     ( 4 /hr   ・a 皇 m    O レC 鉄   筋 ) 呼 び 名 02 C2H2 発   熱   量(kcal /hr ) D32D51224D4290 22304340 30910D60100 衷 一 6   分 散 分 析 表 ( 継手 強度 比 ) 1 要 因 自 由 脱     f 変   鋤    S 分   散  V              1分 散 比  Fo 純 変 動  S ’

参照

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