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4 言語指導について

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Academic year: 2021

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言語指導について

1.言語指導の前に 「ことばって何でしょう」と聞かれたら、どのように答えるだろうか。 「単語」、「伝え合うもの」、「コミュニケーションのための手段」など、その人の立場か ら、様々な答えが返ってくるのではないだろうか。 普段は、何も感じることなく使っていても、改めて聞かれると、その人その人のとらえ 方が違っているのではないだろうか。ことばにはおおよそ3つの要素がある。 ①音声言語(話しことば) たとえば「リンゴ」のように、音となって口から発せいられることばのことである。英 語のSpeechにあたる 「ことばが遅い 「ことばが増えない」などは、①を挿していること。 」 が多い。 ②言語(考えることの内容) 英語のLanguageにあたる。リンゴを見て「リンゴ」と言えるのは「これは赤くて甘酸っ ぱい果物で名前はリンゴだ」とわかっているからで、概念とか認知と言われる脳の中の処 理過程である 「ことばが遅い」の多くは、①と②の両方に問題がある。。 ③コミュニケーション意欲 相手にこのことを伝えたい、と思う気持ちのこと。頭で考える内容があり発音する力が あっても、伝えたい気持ちがなければ、口から発せられる「ことば」にはならない。②の 考える力と、③の伝えたい気持ち・人に向かう気持ちが整ってはじめて、①の口から出て くる「ことば」が生み出されるのである。 、 、 ( ) 実際 私たちが子どもの成長発達の中で最も気にしているのは 音声言語 話しことば のことが多いのではないだろう。話していれば、安心するが、よく聞いていると、気にな る部分が出てきて、発達の遅れが気になってくるのではないだろうか。 そこで、言語を発達の視点から捉えること、言語を他の発達との関連で考えてみること が大切となる。 1 生活リズムの確立(早寝早起き、食事の時間の設定、体を動かす) 2 こころ育て(おもしろい、楽しい、うれしい、という経験を) 3 ことば 音声言語となって出てくるまでに、子どもたちが身に付けておかなければならないこと、 けっこうたくさんあるものである。

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2.言語指導の前段階として 言語発達の個人差は非常に大きいが、1歳前後で発語が出る前までに、赤ちゃんには、 発声するがおしゃべりができない前言語期という時期がある。子に時期にはすでに他者と のコミュニケーションは始まっている。話しかけられると、声を出したり、からだをうご かしたりの反応がそれである。 赤ちゃんの発声は、生後すぐからの、クーイングと何語で7ヵ月ゴロまでかけて発達す る。 しかし、赤ちゃんはひとりで発声練習をしているわけではない。親や大人の行う話しか けの反応することで、練習をしているのである。この話しかけは、子どものことばの数や 文法などの言語発達を支えるだけではなく、人とかかわることそのものへの興味や動機を 育てることにもなる。 赤ちゃんは意味があるとはっきりわかることばを話すようになる少し前から、身振りや 指さしで他者とコミュニケーションをとるようになる。始めは赤ちゃん自身何を伝えたい の か が は っ き り し 、 ないこともあるが 徐 々 に 、 何 か を 他 者 に 伝 え た い と い う 意 図 が 明 ら か に な っ て く る 。 指 示 対 象 が は っ き り と し た 意 図 的 な 身 振 り や 指 さ し が 出 て き て 、 何 か を 伝 え る た め に こ と ば を 用 い る よ う に な っ ていく。 1歳を過ぎると約 半 年 ほ ど で 約 5 0 語 の こ と ば を 獲 得 す る 。 そ し て 、 5 0 語 を 超 え る と 急 。 激に語彙が増える

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3.自立活動と言語指導 聾教育においては、聴覚の障害に対応した対人関係の形成や情緒的安定に配慮し、補聴 器の装用等により保有する聴覚の有効活用や認知・概念の形成を図る必要がある。その上 に立って、種々の事物や事象、自己の行動等に対応した言語概念の形成を図り、体系的な 言語を身につけることが重要である。これらは、自立活動の時間における指導を中心に、 教科等の指導に当たっても、この領域の内容と密接に関連を図りながら指導する必要があ る。 つまり、聾教育における言語指導は、そのままの状態では十分な言語発達が期待できな い聴覚に障害のある幼児児童生徒に対して、言語の習得と発達を促すことを目的とした聾 学校固有の「自立活動」の指導内容であり、そして、本来的には各教科に先立って指導さ れるべきものであるが、小・中学部、高等部では、各教科においても指導されなければな らない内容である。 しかしながら、聴覚に障害のある幼児児童生徒に対する言語指導には、大きな困難を伴 う。聴覚に障害のない幼児児童生徒の言語発達は、聴覚的受容をもってごく自然に行われ るのが一般的である。それに対して、聴覚に障害のある幼児児童生徒は、補聴器の装用等 によって聴覚的受容を図りながらも大きな制限があるため、視覚的受容をもって補いなが ら、人為的に言語を習得させ言語発達を図らなければならないからであろう。また、言語 の習得は、主体的に獲得するものである。しかし、聴覚に障害のある幼児児童生徒の場合 は、人為的に言語を獲得させるがゆえに、指導によっては主体性を損ないやすいというリ スクがあることも、言語指導を困難にしている要因と考えられる。 4.教科学習において言語指導を進めるための配慮事項 (1)児童生徒の実態に対応した題材を選定し、必要に応じ学習の手掛かりとなるような 視覚的な教材(具体物、写真、パソコン等)を活用する。 (2)学習している内容や事物・事象、取り上げた語句等は、極力今までの学習、児童生 徒の生活や経験との関係づけを図り、語連鎖が拡充するよう指導する。そのために、 教室環境の整備に努め、現在の学習の状況がわかり、既習事項を思い出し関連づけの 手掛かりとなるよう掲示物に配慮する。 (3)児童生徒が、今、何を学習しているのか、教科書のどこを学習しているのか、本当 に理解しているかどうか等確認し、学習の目的や内容、するべきことを意識づけなが ら授業を進める。 (4)考えなくても答えられる一問一答式の質問は避け、考えなければ答えられない(考 えると答えられる)質問を主にしながら授業の展開を図る。

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文で話す習慣化を図る。また、助詞の誤用はその都度訂正し、指文字等を活用する。 (7)児童生徒が発言しやすいよう、意見、質問、感想、反対等の基本的文型や、学習の 進め方、考え方等をパターン化しておく。そして言語力の拡充に伴い、意識的にこの パターンを壊し、応用力をつけていく。 (8)学習したことはその場で必ず声に出して言うなどの言語化や口声模倣の習慣化を図 る。 (9)話し合いの際は、読話(手指法によるコミュニケーション含)で受容しやすいよう 指導者の距離、高さ、方向、光線等の位置関係に気をつける。 (10)児童生徒から質問が出るような展開を心掛け、児童生徒の感情や思考を大切にし、 心を揺さぶるようなやりとりを心掛ける。 (11)新出語句や難語句、多義性のある言葉等は、意識的に取り扱い、意味に合う状況を 作る等色々な語彙指導の方法によって指導する。 ( )12 一連の学習の流れや内容がわかり 児童生徒の思考が整理されるような板書にする、 。 (13)ノートは漫然と書き写すだけに終わらないよう注意し、学習したことが記憶される よう配慮する。 (14)児童生徒が自信と意欲をもって学習できるよう、認め、励まし、ほめることを忘れ ない。 7.線記号の活用 (1)は・が・を 例)ぼくは、ごはんを食べました。 (2)の・も 例)おもちゃの人形 (3)と・や 例)動物園と水族館 (4)から・まで 例)家から学校まで (5)問い 例)テレビをみましたか。 (6)促音 例)すっかり晴れた。 (参考文献) 『教員研修用テキスト 教科学習の中における言語指導』 『学年的水準』石黒あきら 『ことばをはぐくむ』中川信子

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8.言語に関する評価法~J.COSS日本語理解テスト~ (1)J.COSS日本語理解テストとは 言語発達遅滞児や言語に問題をかかえる学習障害児、聴覚障害児、高次脳機能障害者な ど、日本理解にさまざまな困難を示す対象児・者の言語能力を評価するためのテスト。 、 ( ) 。 、 2005年に 原著である英語版 TROG;Bishop,1989 を基に作成された このテストは 語彙のみではなく、文法知識を含み、対象者に直接実施することができる。 (2)J.COSS日本語理解テストで評価できるもの ・口頭もしくは書記で提示される語彙や文法項目を含んだ文章をどれくらい理解できるか を評価することができる。 ・幼児や児童の言語発達水準の評価や、高齢者の加齢による言語能力の変化を評価するこ とができる。 ・言語に問題を抱えている発達障害児や聴覚障害児、認知症、失語症患者における日本語 理解の発達水準を推定することができる。 (3)J.COSS日本語理解テストの内容と構成 ・日本語独自の助詞関連項目や障害児・者で困難が示される教授関係項目を含んだ20項目 80問題からされている。 1 名 詞 11 XもYもちがう 2 形容詞 12 位置詞 3 動 詞 13 主部修飾 4 2要素結合文 14 受動文 5 否定文 15 比較表現 6 3要素結合文 16 数 詞 7 置換可能文 17 述部修飾 8 XだけでなくYも 18 複数形 9 XだがYがちがう 19 格助詞 10 多要素結合文 20 主部修飾 ※所要時間 約20~45分

参照

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