「2012 年新入社員意識調査」より
「協調性・意欲・やる気は増加、責任感・社交性は減少」
入社の動機としては、
「自分の資格や能力が発揮できる」が 4 年連続トップに
『入社を決めた主な理由は何か』(複数回答)との問いには(図1)、「自分の資格や能力が発揮で
きそう」(38.0%)が今年も最も多かった。次に、「企業イメージが良い」(29.9%)、「これから発
展しそう」(19.4%)が続いた。昨年に引き続き、新入社員は自分の能力が存分に発揮でき、かつ、
イメージの良い企業を選び、入社を決めているようだ。
38.0
29.9
19.4
17.6
16.4
13.9
9.7
8.3
7.6
39.6
26.7
17.9
18.9
13.5
12.3
10.4
7.5
10.4
38.9
26.9
18.8
17.5
17.9
11.9
13.0
7.4
11.6
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0 45.0
自分の資格や能力が発揮できそう
企業イメージがよい
これから発展しそう
業績がしっかりしている
会社のある場所がよい
先生に勧められた
通勤の都合
福利制度・厚生施設が充実している
社員教育に熱心
図1 入社を決めた主な動機 上位
10項目(複数回答)
2012年
2011年
2010年
(%)
東日本大震災に端を発した電力供給不安や、欧州債務問題など企業を取り巻く環境は依然厳し
さを増している。そのなかで、厳しい就職活動を終え、県内でも多くの新入社員が社会人生活の
第一歩を踏み出している。当社では毎年3月から4月にかけて、県内企業の新入社員を対象にア
ンケート調査を実施している。今年の調査結果(有効回答数 673名、うち男性 359名、
女性314名)から、今年の新入社員の意識を探ってみたい。
「協調性」は増加し、
「責任感」が減少
『社会人として必要なもののうち、あなたが自信を持てるもの』(複数回答)との問いには(図
2)、「協調性」が 29.4%で最も多く、次いで「意欲・やる気」(27.4%)、「忍耐力」(22.4%)と
なった。今年の新入社員は、震災後に強く意識されるようになった「絆」という言葉の影響から
か、職場内のチームワークを意識する傾向があるようだ。一方、「責任感」(22.9%→19.8%)、「社
交性」(21.9%→18.1%)は昨年より減少した。リーダーシップを発揮することに尻込みし、仕事
以外での職場のつきあいが苦手な消極的な面もあるようだ。
29.4
27.4
22.4
19.8
18.1
14.2
13.1
13.0
12.8
27.4
23.7
22.9
22.9
21.9
11.2
15.3
11.0
14.5
28.0
24.5
22.5
24.9
21.0
10.2
12.8
12.8
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0
協調性
意欲・やる気
忍耐力
責任感
社交性
根性
体力
柔軟性
継続力
図2 あなたが自信をもてるもの 上位
10項目(複数回答)
2012年
2011年
( %)
「職場の雰囲気が良いと感じる時」が増加傾向
『あなたはどのような時に働きがいを感じるか』(複数回答)との問いには(図3)、「仕事が面
白いと感じる時」が 72.1%で一番多く、以下「職場の雰囲気が良いと感じる時」が 46.5%、「社
会に貢献していると感じる時」が 25.7%と続いた。特に「職場の雰囲気が良いと感じる時」は昨
年(44.5%)から 2.0 ポイント増加しており、今年の新入社員が職場内のチームワークを意識す
る傾向はここにも表れているようだ。
72.1
46.5
25.7
20.7
15.0
5.1
4.7
2.7
71.0
44.5
25.1
20.5
19.7
5.5
4.3
2.4
73.3
39.2
23.8
19.2
15.4
9.9
3.0
2.5
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0
仕事が面白いと感じる時
職場の雰囲気が良いと感じる時
社会に貢献していると感じる時
給料・ボーナスをもらう時
自分を理解してくれる上司がいる時
昇進昇格する時
同僚と競争している時
その他
図3 どのような時に働きがいを感じるか(複数回答)
2012年
2011年
2010年
( %)
仕事は「どんな仕事も一生懸命に」
『仕事が合わない時どうするか』との問いに対しては(図4)、「どんな仕事でも一生懸命やる」
と答えたのが 78.3%となり、5年間連続で7割を超えている。続いて、「好きな仕事なら一生懸
命やるが、嫌いな仕事はそこそこにする」は 9.2%となり、昨年(9.4%)より 0.2 ポイント低下
した。また、「転職する」も 3.2%で、昨年(4.1%)よりも 0.9 ポイント低下した。就職活動が
厳しかった影響からか、仕事に対して意欲的な姿勢がここにもあらわれているようだ。
78.3
9.2
6.3
3.2
3.0
75.7
9.4
6.6
4.1
4.2
75.1
9.8
9.3
2.5
3.3
75.3
8.1
9.1
4.1
3.4
70.2
10.5
11.8
3.4
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0
どんな仕事でも一生懸命やる
好きな仕事なら一生懸命やるが、
嫌いな仕事はそこそこに
上司と話し合ってその仕事を替えてもらう
転職する
その他
図4 仕事が合わない時どうするか
2012年
2011年
2010年
2009年
2008年
( %)
「家庭・生活」を重視するが増加
『「会社・仕事」と「家庭・生活」のどちらを重視するか』との問いには(図5)、「家庭・生活」
を重視と回答した人は 61.4%(「家庭・生活」を重視(12.1%)とどちらかというと「家庭・生活」
を重視(49.3%)の合計)で、昨年(59.6%)よりも 1.8 ポイント増加した。一方、「会社・仕事」
を重視と答えた人は 38.5%(「会社・仕事」を重視(9.4%)とどちらかというと「会社・仕事」
を重視(29.1%)の合計)で、昨年(40.4%)より 1.9 ポイント減少した。わずかではあるが、
昨年と異なり「家庭・生活」を重視する人が増加した背景には、やはり東日本大震災の影響によ
り、家族との「絆」を重視する傾向があるようだ。
12.1
49.3
29.1
9.4
11.1
48.5
32.7
7.7
11.1
53.3
31.3
4.4
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
「家庭・生活」を重視
どちらかというと「家庭・生活」を重視
どちらかというと「会社・仕事」を重視
「会社・仕事」を重視
図5 「会社・仕事」と「家庭・生活」のどちらを重視するか
2012年
2011年
2010年
( %)
「部下を持つような管理職になりたい」が、女性で増加傾向
『社会人としてどのような道を進みたいか』との問いに対しては(図6)、「いろいろな仕事を
経験し、部下を持つような管理職を目指したい」と回答したのは男性 36.7%、女性は 12.7%とな
り、昨年に続き男女で大きく差が出る結果となった。しかしながら、男性は 38.5%→36.7%と 1.8
ポイントの減少に転じているのに対し、女性は 10.3%→12.7%と 2.4 ポイント増加する対象的な
結果となった。職場での女性の管理職登用も一般的となり、女性新入社員のキャリアアップ思考
が強まっているようだ。
10.3
12.7
37.0
38.5
36.7
47.9
48.4
31.0
33.5
30.4
21.7
21.6
23.2
21.3
20.9
7.6
7.8
2.4
0.9
1.1
10.3
8.5
5.4
5.5
9.2
0.4
2.1
1.0
1.0
0.3
1.7
2011年
2012年
2010年
2011年
2012年
女
男
図
6 社会人としてどのような道に進みたいか
いろいろな仕事を経験し、部下を持つような管理職になりたい いろいろな仕事を経験したいが、管理職にはこだわらない
1つの分野を勉強し、その道の専門職になりたい 管理職にも専門職にもならず、一般社員でよい
特に考えていない その他
「すぐに職場で使用する能力」を必要とする新入社員が増加
『自分自身の能力アップのためにどのような勉強が必要か』(複数回答)との問いには(図7)、
「資格を習得する」が 44.7%で最も多く、次いで「パソコンスキルを向上させる」(35.7%)、「外
国語を勉強する」(30.9%)と続いた。「資格を習得する」は昨年(48.5%)より 3.8 ポイント減
少したが、「パソコンスキルを向上させる」は昨年(33.1%)より 2.6 ポイント増加、「外国語を勉強
する」は昨年(29.1%)より 1.8 ポイント増加し、パソコンスキルや外国語といった「すぐに職
場で使用する能力」を必要とする新入社員が増加傾向にあるようだ。
44.7
35.7
30.9
29.0
8.7
4.0
48.5
33.1
29.1
29.3
8.7
5.6
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0
資格を取得する
パソコンスキルを向上させる
外国語を勉強する
セミナーに参加する
その他
特に必要とは思わない
図7 自分自身の能力アップのためにどのような勉強が必要か(複数回答)
2012年
2011年
( %)
「育児と仕事」を両立できる職場環境づくりを
『定年まで勤めたいか』との問いには(図3)、男性 64.8%、女性 41.3%が「そうしたい」と回
答した。特に、女性は昨年の 34.0%から 41.3%と大きく増加し、昨年よりも男女の差は 10.3 ポ
イント縮む結果となった。
定年まで勤めたいという意欲的な女性新入社員が増加しているなか、結婚・出産・育児を経て
も働き続けられる職場環境づくりが、改めて求められる結果となった。
45.9
34.0
41.3
65.4
67.8
64.8
4.7
2.8
5.6
4.1
1.7
2.0
18.8
18.4
13.8
17.3
14.8
18.6
2.4
5.9
2.6
8.8
10.1
8.4
8.2
12.8
12.1
0.6
0.3
13.3
17.0
19.0
0.3
0.6
6.7
9.0
5.6
4.4
4.6
5.2
2010年
2011年
2012年
2010年
2011年
2012年
女
男
図
8 定年まで勤めたいか
そうしたい いやになったらやめる 他によい仕事があれば転職する いずれ独立したい 結婚したらやめる 子どもができたらやめる その他
初めての給料は家族へのプレゼントに使う
『初めての給料の使い途は何か』(複数回答)との問いには(図9)、やはり「家族などにプレゼ
ントする」が 63.6%で、昨年(65.8%)よりも 2.2 ポイント少ないものの依然多かった。また、
「貯蓄する」も 48.7%で昨年(53.1%)よりも 4.4 ポイント少ないが、2番目に多い結果となっ
た。初めて貰うお給料はお世話になった人へのプレゼントなどに使いたいという考えは引き続き
根強いようだ。
63.6
48.7
39.5
22.9
12.1
9.8
3.2
5.2
65.8
53.1
41.3
20.6
11.3
6.8
5.0
3.3
70.6
54.8
40.0
28.9
15.6
10.1
4.5
3.4
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0
家族などにプレゼントする
貯蓄する
自分の身の回り品を買う
友人とのつき合いに使う
スポーツや趣味、旅行、レジャー等に使う
記念になるものを買う
英会話や資格取得など、自己啓発の費用に使う
その他
図
9 初めての給料の使い途(複数回答)
2012年
2011年
2010年
( %)
理想の上司は今年も「イチロー」と「天海祐希」
、最近話題の人物の名前も
『理想とする上司像を有名人に例えると』の問いには(表)、男性の上司としては、「イチロー」
(男 53 人 女 21 人)が7年連続で1位となった。女性の上司でも女優の「天海祐希」(男性 21
人、女性 29 人)が3年連続の1位となった。『その有名人を選んだ理由』では、「イチロー」は、
「率先して手本を見せてくれそう」が 24.6%で最も多く、次に「頼りになりそう」が 17.4%で続
いた。「天海祐希」を選んだ理由は、「仕事ができそう」が 25.0%で最も多く、「頼りになりそう」
が 23.9%で2番目に多い回答となった。自分の手本となるような仕事のできる先輩で、困ってい
る時に頼りにできるような上司像を理想としている。
また、男性の2位には「橋下徹(大阪市長)」が、女性の4位には「澤穂希(なでしこ JAPAN)」
と最近話題の人物も初めてランクインした。
男性上司 回答数( 人) 順位 女性上司 回答数( 人)
イチロー 7 4 1 天海祐希 5 0
橋下徹 2 6 2 江角マ キコ 3 1
明石家さんま 1 7 3 真矢みき 2 7
所ジョージ 1 1 4 澤穂希 2 4
松岡修造 8 5 和田アキ子 1 5
表 理想とする上司
企業側も新入社員の意識を十分に把握し、仕事への意欲を高めてもらう工夫が必要
厳しい就職戦線を勝ち抜いてきた新入社員は、自分の能力・資格を最大限に生かし、どんな仕
事でも一生懸命に取り組むという非常に前向きな意欲をもっている。また、「協調性」に自信があ
る新入社員が増加傾向にあるのに対し、「責任感」「社交性」に自信のある新入社員は年々減少傾
向にあるようだ。「失敗してもいいから責任ある仕事を任せる」「飲み会で先輩の経験談を聞かせ
る」などという伝統的ともいえる育て方では、なかなか今年の新入社員の能力を向上させるのは
難しそうである。企業側も、新入社員の意識を十分に把握し、常に仕事への意欲を高めてもらう
工夫や努力が必要である。
㈱しがぎん経済文化センター