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胸部食道癌術後再発に関する臨床的研究

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Academic year: 2021

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(1)

( 東 女 医 大 誌 第54巻 第 間 1 頁 1296~1313 昭和 59年 12 月 J

特別掲載

胸部食道癌術後再発に関する臨床的研究

東 京 女 子 医 科 大 学 消 化 器 病 セ ン タ ー 外科(主任.遠藤光夫教授〉 計 士 口

( 受 付 昭 和59年9月26日〉

Clinical Study of Recurrence of Cancer after Surgery for Thoracic Esophageal Carcinoma

katsumi YOSHIDA Division of Surgery, Institute of Gastroenterology (Director: Prof. Mitsuo ENDO) Tokyo Women's Medic旦1Coll巴ge Patients showing recurrence of cancer after surgery for thoracic esophageal carcinoma were studied, and the following results were obtained. 1)The types and frequencies of postoperative recurrence in261 cases of thoracic esophageal car -cinoma were: cervical-upper mediastinal lymph nodes26%, intraabdominal lymph nodes6%, hepatic metastasis13%, pulmonary metastasis8%, bone or other organs4%, local mediastinum 27%, in -volvement of anastomotic site8%, pleuroperitoneal dissemination8%.

2) Recurrence in the cervical-upper mediastinal lymph nodes was frequent in patients in whom curative resection was thought to be successful; the mean time of recurrence was one year and five months after surgery, which was later than the other types of recurrence. The diagnosis was made by chest X-ray examination, tumor scintigraphy and CT scan.

3) Many of the cases of recurrence in the intraabdominal lymph nodes and hepatic metastasis were recently diagnosed by ultrasonic tomography.

4) Recurrence in the local mediastinum was frequent in patients who had shown hard infiltration into the adventitia, occurring relatively soon after surgery.

5) Patients with recurrence in the cervical-upper mediastinum were treated by localized radiotherapy and systemic immuno-chemotherapy. Patients with recurrence in the intraabdominal lymph nodes and hepatic metastasis were treated by intra司arterial infusion of carcinostatics and systemic

immuno-chemotherapy. Laser irradiation and chemotherapy with cis-platinum (CDDP) used in recent recurrent cases proved to b巴E妊ective.

6) The mean survival period was longer in patients who received postrecurr巴nttreatment than in those who did not, regardless of the type of recurrence. The effect of postrecurrent treatment was significant in cases involving the cervical-upper mediastinal lymph nodes, intraabdominal lymph nodes, hepatic metastasis, local mediastinum, and pleuroperitoneal dissemination. 緒 自 5年生存率23%と , 他 臓 器 の そ れ に 比 し か な り 不良である.これは手術例のほとんどが進行癌で あるためで,治療成績向上のためには集学的治療 の強調される由縁である. 胸部食道癌の手術成績は,術式の改良,術中術 後管理の向上により,手術死亡率

5%

以下と著し い改善がみられるが,術後遠隔成績を考えると,

(2)

-1296-そ こ で , 消 化 器 病 セ ン タ ー に お い て 切 除 を 行 なった胸部食道癌例のうち術後再発例について検 索,癌再発と原病との関係,再発部位,再発まで の時期,診断,診断方法などにつき分析した.さ らに,再発癌といえども遠隔成績向上のためには, 早期に発見し,治療を行なうことが必要であるこ とを知り得たので,その診断に至る過程と,治療 法としての集学的治療の一端についても述べるこ とにする. 検索対象および検索方法 1.検索対象 対象は,東京女子医大消化器病センターにおい て, 1965年2月より1982年12月までの聞に,原発 性胸部食道癌切除術を受け,術後再発をきたした 症例で,入院または外来治療を受け,経過観察し 得た261例で、ある.このうち,剖検例は83例である. 検 索 対 象261例の内訳は,男性226例,女性35例, 年齢は最高77歳 , 最 低32歳 , 平 均59歳であった. 2.検索方法 1)再発形式 臨床ならびに剖検所見から,再発形式を(1)遠 隔リンパ節再発, (2)臓器再発, (3)局所縦隔再 発, (4)断端再発, (5)胸膜腹膜播種性再発に分 けた.複数の再発形式を有するものは,再発初発 症状に関連した再発や,死因に一番関係の深い再 発を,主たる再発形式として選んだ. (1)遠隔リンパ節再発 遠隔リンパ節再発は,原発巣よりはなれた部位 に腫蕩を認め,リンパ行性再発と思われる症例で, 頚部上縦隔リンパ節再発と,腹腔内リンパ節再発 に分けた.遠隔リンパ節再発例は83例あり,うち, 頚部上縦隔リンパ節再発67例,腹腔内リンパ節再 発16例であった. (2)臓 器 再 発 臓器再発は,主として血行性再発と思われる症 例で,肝,肺,骨その他の臓器再発に分けた.臓 器再発は64例で,肝転移再発34例,肺転移再発20 例,骨その他の臓器再発10例であった. (3)局所縦隔再発 局所縦隔再発は,原発巣の占居部位,局所所見 より,局所から発育したと思われる症例とした. 1297 縦隔の腫療が遠隔リンパ節再発によるものか,局 所縦隔再発によるものか不明の時は,局所縦痛再 発とした.局所縦隔再発例は72例あった. (4)断端再発 断端再発は,原発巣の切除断端に再発を認めた 症例とした.断端再発例は22例あった. (5)胸膜腹膜播種性再発 胸膜腹膜播種性再発は,胸腔腹腔内の広範圏に 播種性に再発した症例で、ある.胸膜腹膜播種性再 発例は20例であった. 2)再発の診断法 再発の診断法については,問診や理学的所見を はじめ,

X

線検査,内視鏡検査,超音波検査,

CT

検査,血管造影,核医学検査など,数多くみられ, そのうちのいくつかの組合わせで行なっているの が普通である.各項目別に特異的な診断法を述べ る (1)遠隔リンパ節再発 頚 部 上 縦 隔 リ ン パ 節 再 発 の 診 断 は 夏 声 , 頚 部 リンパ節触知,咳,疾(血疾〉等の臨床症状と, 腫蕩シンチグラム,

CT

スキャン,胸部X線撮影, 気管支鏡等の検査により行なわれた. 腹腔内リンパ節再発の診断は,腹痛,腰痛,腹 部腫虜等の臨床症状と,腹部超音波断層撮影,腫 蕩シンチグラム,

CT

スキャン等の検査により行 なわれた. (2)臓器再発 肝転移再発は,全身倦怠感,食欲不振,腹部膨 満感等の臨床症状と,超音波断層撮影,腫蕩シン チグラム,

CT

スキャン,血管造影等の検査により 診断された. 肺転移再発は,咳,疾,胸背部痛等の臨床症状 と,胸部X線撮影,腫蕩シンチグラム,

CT

スキャ ン等の検査により診断された. 骨転移再発は,腰痛,神経症状(シビレ感等〉 等の臨床症状と,腫湯シンチグラム,骨X線撮影,

CT

スキャン等の検査により診断された. (3)局所縦隔再発 局所縦隔再発は,咳,疾,胸背部痛等の臨床症 状と,腫虜シンチグラム,胸部X線撮影,

CT

ス キャン等の検査により診断された.

(3)

(4) 断端再発 断端再発は,食物の通過障害等の臨床症状と, 消化管X線撮影,消化管内視鏡検査等により診断 された. (5) 胸膜腹膜播種性再発 胸膜腹膜播種性再発は,呼吸困難,腹部膨満感, 胸水,腹水の貯留等の臨床症状と,胸水,腹水の 細胞診により診断された. 研究成績 1.再発形式と各因子 以下,再発形式と各因子について検討した.そ の細部については,食道癌取扱い規約1)(以下規約 と略す〕に準じた. 1)再発形式と術式(表1) 一期的胸壁前吻合術は 169例,分割胸壁前吻合術 は40例,胸骨後功合術は26例,胸腔内助合術は26 例であった. 頚部上縦隔リンパ節再発では,胸腔内助合術で 占める割合が12%と低い傾向が見られ,他の術式 には大きな差はみられなかった.腹腔内リンパ節 再発では,胸腔内吻合術で占める割合が15%とや や高い傾向が見られた.局所縦隔再発では,胸腔 内吻合術で占める割合が 4 %と低かった.断端再 発 で は , 胸 腔 内 吻 合 術 で 占 め る 割 合 が46%と高 かった. 2)再発形式と占居部位(表2) 占居部位を,胸部上部食道(Iu),胸部中部食道, (Im),胸部下部食道 (Ei),腹部食道 (Ea)に分 け,検討した(図1).規約により, 1uは胸骨上縁 より気管分岐部下縁まで, 1mは気管分岐部下縁 と食道胃接合部までを 2等分した上半分, Eiは気 管分岐部下縁と食道胃接合部までを2等分した下 半分のうち,胸腔内食道, Eaは気管分岐部下縁と 食道胃接合部までを2等分した下半分のうち,麗 腔内食道とした.占居部位は, 1u 23例, 1m 156例, Ei 71例, Ea 11例であった. 表l 再 発 形 式 と 術 式 遠隔リンパ節再発 臓 器 再 発 局再所縦隔発 断端再発 胸播種膜性腹再膜 言十 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 肺 骨,その他 症 i7U (26%) 67例 (6 %) 16例 〔1334%例) (8 %) 20例 (410%例〉 (2772%例〉 (822%4F〕H 〔820%例〕 (102601%tF〕4 胸 吻 一 般 的 44 8 24 12 8 49 7 17 169 手 壁 合 (26) ( 5 ) (14) (7) ( 5 ) (29) (4) (10) (100) 術 前 術 分 割 (1218) (8 ) 3 (8 ) 3 (15 2) (3175) (2l ) ( 2 5 ) (14000) 々 胸骨後吻合術 (39 4) 1 3 l 2 7 2 l 26 (4) (11) ( 4 ) ( 8 ) (27) (8) (4) (100) 式 胸腔内吻合術 (13 2) (14 5) (14 5) (82 ) (4) l (1426) (12060) 表2 再 発 形 式 と 占 居 部 位 遠隔リンパ節再発 臓器再発 局再所縦発隔 断端再発 胸播種膜性腹再膜発 百十 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 肺 骨,その他 症 例 (26%) 67例 (6 %) 16例 〔1334%例〉 〔820%例〉 〔410%例〕 〔2772%例〉 〔822%例〉 (820%例〉 261%例〕 (100 lu (25 2) 1 14 3 23 (4) (61) (13) (100) 占 1m 50 6 18 13 5 45 4 15 156 居 (32) ( 4 ) (11) ( 8 ) ( 3 ) (29) (3) (10) (100) 部 Ei 12 10 12 7 5 11 9 5 71 (17) (14) (17) (10) (7) (15) (13) (7) (100) 位 Ea 3 2 6 11 (27) (18) (55) (100) 一 一

(4)

Ce 3 n l E 図1 占居部位 0:食道入口部,

s

胸骨上縁, B 気管分岐部下 縁, D 横隔膜, J:食道胃接合部 頚部上縦隔リンパ節再発では, 1u 22%, 1m 32% と原発巣が胸部中部食道から,胸部上部食道で占 める割合が高い傾向が見られた.肝転移再発例で は, Ei 17%, Ea 27%と胸部下部食道から腹部食 道にかけて占める割合が高い傾向が見られた.局 所縦隔再発例では, 1u 61%, 1m 29%であった. 断端再発例では, Eaで55%と高かった. 3)再発形式と進行度(表3) 規約によれば,組織学的進行度は5度に区分さ れている〔表4) 対象症例を進行度で分けると, stage 0 4例, stage 1 5 {7"U, stage II 10{7"U, stage III 109{7"U, stage 1V 133例と,ほとんどがstageIII, 1Vの進 行癌であった.stage 0は頚部上縦隔リンパ節再発 と,肝転移再発に,それぞれ3例 1例みられた のみであった. 頚部上縦隔リンパ節再発例では, stage 0, stage Iで占める割合が75%,80%と高かった.肝転移再 発例では, stage 0, stage 1が,それぞれ

1

例づっ みられた.局所縦隔再発では, stage 1Vで占める 割合が高かった.断端再発では,stage IIにも占め る割合が高くみられた. 4)再発形式と外膜浸潤(表5) 一規約により,手術時組織学的外膜浸潤を4つ に分け,検討した(表6). 対象症例は, ao 37例, a130例, a2 120例, a374 例と,多くがみ, a3で、占められている. 頚部上縦隔リンパ節再発例では,

a

o

a

1で占める 表3 再発形式と進行度 遠隔リンパ節再発 臓器再発 局再所縦隔 発 断端再発 胸播種膜性腹再膜発 言十 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 肺 骨,その他 症 例 (2667%tFU 616%例 1334%6)t (820%例 410%例 (2772%例 (822%例) 820%例 261%FU (100

3 1 4 (75) (25) (100) I (84 0) (21 0) (15 00) 進 II 3 1 3 1 2 10 D (30) (10) (30) (10) (20) (100) 度 III 44 7 11 10 5 14 11 7 109 (41) ( 6 ) (10) ( 9 ) (5) (13) (10) ( 6 ) (100) IV (1130) (6) 8 (1138) (7) 10 (4) 5 (4573) (7) 9 (1130) (110330)

(5)

1299-症 例 a

外 膜 aj 浸 a2 潤 a3 症 例 日。 リ 日1 ン ノ、 節 転 n2 移 n3+4 不明 表4 組 織 学 的 進 行 度 進(行st)度 外膜浸潤 リンパ節転移 臓器転移 胸膜播種性転移 。度 口1,sm nC -) MoCmo) PloCp1o) I度 mp nC -) MoCmo) PloCp1o) II度 aj nj (+) MoCmo) Plo(p1o) 111度 a2 口2(十〉 Mo(日10) Plo(p1o) IV度 a3 n3(十)n,(+) Mj(mj) P1o(plj) 表5 再 発 形 式 と 外 膜 浸 潤 遠隔リンパ節再発 臓器再発 局再所縦発隔 頚部上縦隔 (2667%例〉 18 (49) 12 (40) 32 (27) 5 (7) 断端再発 腹 腔 内 肝 肺 骨,その他 L一一 16例 〔1334%例) (820%6〉1 (410%fF〉j 〔2772%例〕 22例 (6 %) (8 %) 1 10 2 l 3 ( 3 ) (27) ( 5 ) C 3 ) ( 8 ) 3 3 1 1 4 5 (10) (10) ( 3 ) ( 3 ) (14) (17) 11 17 10 7 24 10 ( 9 ) (14) C 8 ) ( 6) (20) ( 8 ) 1 4 7 l 44 4 (1) (5 ) (10) (1) (60) ( 5 ) 表6 組 織 学 的 外 膜 深 達 度 ao 癌組織が外膜に出ていないもの. aj 癌組織がわずかに外膜に達しているもの. a2 癌組織が明らかに外膜に出ているもの〔切除標本の最 外層に癌が露出しているものを含む). a3 癌組織の明らかに他臓器浸潤を認めるもの. 浸潤他臓器が切除さわしていなくても, I奮が最外層に露 出しており,手術所見を参考に他臓器に浸潤している と思われるもの. 表7 再 発 形 式 と リ ン パ 節 転 移 遠隔リンパ節再発 臓器再発 局再所縦発隔 断端再発 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 肺 骨,その他 (2667%例〕 (6 %) 16例 (1334%fF〕U 〔820%例〕 (4 %) 101列 (2772%f列) (822%例〉 12 5 2 1 9 1 (39) (16) (7) ( 3 ) (29) ( 3 ) 12 3 5 2 1 10 5 (31) (7) (13) ( 5 ) ( 3 ) (25) (13) 34 6 9 9 4 33 10 (29) ( 5 ) (8 ) ( 8 ) ( 3 ) (28) ( 9 ) 9 7 15 6 4 20 6 (12) (10) (21) ( 8) ( 5 ) (28) ( 8 ) 1 胸播種膜性腹再膜発 計 〔820%例〕 (100%) 261例 2 37 ( 5 ) (100) l 30 ( 3 ) (100) 9 120 ( 8 ) (100) 8 74 (11) (100) 胸播種膜性腹再膜発 十目 (820%6〉リ 261%例〉 000 1 31 ( 3 ) (100) 1 39 ( 3 ) (100) 12 117 (10) (100) 6 73 ( 8 ) (100)

(6)

割合が49%,40%と高く,局所縦隔再発例では, hで、占める割合が60%と高かった.その他の再発 形式では,特徴的な差はみられなかったが,肝転 移再発例では a。においても27%みられた. 5)再発形式とリンパ節転移(表7) 規約により,郭清用リンパ節を,表8,図2の ように分け,郭清用リンパ節群の分類を表9のよ うに行ない,手術時組織学的リンパ節転移を, ll3, il4を1つにし, 4つに分けて検討した(表10). 対象症例は, ilo31例, il139例, il2 117例, il3十4 73例と,日,n3+4の症例が多かった. 頚部上縦隔リンパ節再発例では, ilo・39%,il1 31%, il229%と ilの低い方で占める割合が高い 傾向が見られた.その他の再発形式においては, 特徴的な差は見られなかった. 6) 再発形式と組織型(表11) 規約により,扇平上皮癌を,角化傾向ならびに 層状の分化の明らかな高分化型,角化傾向のほと んどなく,分化の傾向が乏しい低分化型,および その中間の中分化型の3つに分け,未分化癌を含 めた 4つに分けて検討した. 対象症例は,高分化型肩平上皮癌 107例,中分 表8 享si青 用 リ ン パ 節 名 番 号 リ ン パ 節 名 100 I 側頚リンパ節 lateral cervical lymph nodes 101 I頭部傍食道リンパ節

cervical paraesophageal lymph nodes 102 I深頚リンパ節 deep cervical lymph nodes 103 I 咽頭後リンパ節 retropharyngeal lymph nodes 104 I 鎖骨上リンパ節 supraclavicular lymph nodes 105 I胸部上部傍食道リンパ節

upper thoracic paraesophageal lymph nodes 106 I胸部気管リンパ節

thoracic paratracheal lymph nodes 107 I 気管分岐部リンパ節

bifurcation lymph nodes 108 I胸部中部傍食道リンパ節

middle thoracic paraesophageal lymph nodes 109 I 肺門リンパ節

pulmonal hilar lymph nodes 110 I胸部下部傍食道リンパ節

lower thoracic paraesophageal lymph nodes 111 I 横隔膜リンパ節

diaphragmatic lymph nodes 112 I 後縦隔リンパ節 posterior mediastinal lymph nodes 註1.1以下のリンパ節名は“胃癌取扱い規約"に準じた 註2. 頚昔日気管リンパ節は 101に含むものとする. 番 号 │ リ ン パ 節 名 1 I右噴門リンパ節 right cardiac lymph nodes 2 I 左噴門リンパ節 left cardiac lymph nodes 3 I 小智リンパ節 lesser curvature lymph nodes 4 I 大雪リンパ節 greater curvature lymph nodes 5 I 幽門上リンパ節 suprapyloric lymph nodes 6 I 幽門下リンパ節 subpyloric lymph nodes 7 I 左胃動脈幹リンパ節 left gastric artery lymph nodes 8 I 総肝動脈幹リンパ節 common hepatic artery lymph nodes 9 I 腹腔動脈周囲リンパ節 celiac artery lymph nodes (左胃動脈根ワンパ節lymphnodes at the root of left gastric artery) (総肝動脈根リンパ節lymphnodes at the root of common hepatic artery) (牌動脈根リンパ節lymph nodes at the root of splenic artery) 10 I牌門リンパ節 splenic hilar lymph nodes 11 I牌動脈幹りンパ節 splenic ariery lymph nodes 12 I肝十二指腸靭帯内リンパ節

hepatoduodenal ligame叫tlymph nodes

13 I勝後部リンパ節 retropancreatic lymph nodes 14 I 腸間膜根部リンパ節 mesenteric lymph nodes 15 I 中結揚動脈周囲リンパ節 middle colic artery lymph nodes 16 I大動脈周囲リンパ節〔腹部〕 paraaortic lymph nodesCabdominaD 註3. 102は主として上深頚リンパ節を意味し,下深頚リンパ節は 104に含むものとする. 註4. 112は主病巣より深くはなれたリンパ節とし,大動脈周囲リンパ節〔胸部〕も含む. 1301

(7)

L

図2 郭清用リンパ節 化型扇平上皮癌

1

0

2

例,低分化型扇平上皮癌

4

7

例,未分化癌

4

例で,高分化型扇平上皮癌,中分 化型扇平上皮癌が多かった. 再発形式との関係をみると,頚部上縦隔リンパ 節再発例と,局所縦隔再発例では,高分化型中分 化型で占める割合が高く,肝転移再発例,断端再 発例では,やや低分化型で占める割合が高い傾向 を示した. 7)再発形式と脈管侵襲(表

1

2

)

規約により,切除標本でリンパ管侵襲・血管侵 襲のみられないもの(-),軽度のもの(+),高 度のもの〔件 十什〉に分け,検討した. (一〉 は

1

9

例, (十)

1

4

9

例, (十十 判十)

8

4

例で, ほとんどの症例に脈管侵襲はみられた. 再発形式との関係をみると,頚部上縦隔リンパ 節再発,肺転移再発,骨その他の臓器再発,局所 -1302 縦隔再発,断端再発に,脈管侵襲のないと思われ る症例がみられたが,約半数は頚部上縦隔リンパ 節再発例であった. 8) 再発形式と再発時期(図 3) 再発時期は,

6

カ月未満

1

0

1

例,

6

カ月

-1

年未 満

6

7

1

-2

年未満

6

1

2

-3

年未満

2

4

3

-4

年未満

4

4

-5

年未満

2

例, 5年以上 2例で,多くが 1年以内に再発している. 全体の平均再発時期は約11カ月であった.再発形 式別にみると, (1)頚部上縦隔りンパ節再発は,

1

6

例が2年以 上たってから再発し,平均再発時期は

l

5

カ月 であった.他の再発形式に比べ遅く起っている. 術後5年3カ月目,術後9年目に再発した症例も あり,長期の経過観察が必要であると思われた. (2)腹腔内リンパ節再発は 8例が1年未満に 再発を認めたが 2年以上たってから再発した症 例が4例あった.平均再発時期は 1年であった. (3)肝転移再発は,

1

9

例が

6

カ月未満に再発し, 2年 以 上 た っ て か ら 再 発 し た 症 例 が1例であっ た.平均再発時期は8カ月であった.

(

4

)

肺転移再発は,

1

4

例が

1

年未満に再発した が, 2年以上たってから再発した症例が 3例あり, 平均再発時期は

1

年であった. (5)局所縦隔再発は, 37例が6カ月未満に再発 し,

2

1

例が

6

カ月

-1

年未満に再発した.

2

年以 上たってから再発した症例は

1

例で,平均再発時 期は 7カ月であった. (6)断端再発は 9例が6カ月未満に再発を認 めたが 4年4カ月と長期間たってから再発した 症例が 2例あった.平均再発時期は 1年 2カ月で あった. (7)胸膜腹膜播種性再発は,

1

6

例が

1

年未満に 再発し, 2年以上たってから再発したのは1例で, 局所縦隔再発と似た傾向を示した.平均再発時期 は短く 7カ月であった. 2.再発の診断 1)再発形式と再発時の主たる症状〔図4) (1) 頚部上縦隔リンパ節再発 頚部上縦隔リンパ節再発例では,慶声が50%以 上にみられ,頚部リンパ節触知や,咳,疾(血疾〉

(8)

表9 郭清用リンパ節群の分類

よぶ

:

T

T

第1群(N,) 第2群(N2) 第3群(N3) 頭部食道 Ce 101 102, 104 100, 103, 105, 106, 107, 108 上部 Iu 105 106, 107, 108, 112 101, 110, 111, 1, 2, 胸 (104)(109)105106107110 中部 1m 108 3, 7, (104), (109) 食 111, 112, 1, 2 道 下部 Ei 110 108, 111, 112, 1, 2, 105, 106, 107, 3, 7 (109) 110, 111, 3, 7, 9, 腹部食道 Ea 1, 2 108, 5, 8, (112), (4) (10), (11) 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, (ll0), 噴 門 部 C 1, 2, 3, 4 〔胃上部〕 (5), (6) (111) 註1.Cは胃癌取扱い規約による. 註2. ( )のリンパ節は病巣の位置と拡がりによっては,必ずしも郭清しなくてもよい. 註3食道胃接合部癌のリンパ節群の分類は,特殊なものとして下記の如く定める. 食 道 胃 7, 9, 10, 11 108, 5, 6,8, 1, 2, 3 第4群(N.) 109, 110, 111, 112, 1 , 2, 3

100, 102, 103, 3, 4, 5,6, 7, 8, 9

100, 101, 102, 103, 4, 5, 6,8, 9

100, 101, 102, 103, 104, 4, 5, 6, 8, 9・・ 100, 101, 102, 103, 104, 105, 106, 107, 109, 6

100, 101, 102, 103, 104, 105, 106, 107, 108, 109, 112, 15, 16""" 100, 101, 102, 103, 104, 105, 106, 107, (山), (111), (4) 1 (山), (1乱(凶,(ω1109, 15, 16 で 来 院 す る 症 例 が 多 か っ た . (2)腹 腔 内 リ ン パ 節 再 発 表10 リンパ節転移 n番号はりンパ節群名を表わし転移の有無は〔十), 〔ー)で表わす n (-) リンパ節転移が全くないと思われるもの n,(+) 第1群のリンパ節に転移を認めるもの n2( +) 第 2群のリンパ節に転移を認めるもの n,(+) 第3群のリンパ節に転移を認めるもの n4(十〉 第3群よりもさらに遠隔のリンパ節に転移 を認めるもの ものが多かった. (5)骨 転 移 再 発 腹 腔 内 リ ン パ 節 再 発 例 で は , 腹 痛 ( 不 定 の 心 富 部 痛 , 季 肋 部 痛 〕 や , 腰 痛 が 多 く , 下 痢 で 来 院 す る 症 例 も み ら れ た . 骨 転 移 再 発 例 で は , 腰 背 部 痛 や , 骨 転 移 部 の 手 足 の 腫 癌 や 痔 痛 で 発 見 さ れ る こ と が 多 か っ た . (3)肝 転 移 再 発 肝 転 移 再 発 例 で は , 全 身 倦 怠 感 , 食 欲 不 振 で 来 院 , 腹 部 腫 癌 に 気 付 く も の が 多 か っ た . (4)肺 転 移 再 発 肺 転 移 再 発 例 で は , 咳 , 疾 ( 血 疾 〉 で 来 院 す る -1303 (6)局 所 縦 隔 再 発 局 所 縦 隔 再 発 例 で は , 咳 , 疾 ( 血 疾 〉 や , 胸 背 部 痛 で 来 院 す る こ と が 多 く , 頚 部 上 縦 隔 リ ン パ 節 再 発 例 と 似 た 症 状 を 示 し た . (7)断 端 再 発 断 端 再 発 例 で は , 食 事 の 通 過 障 害 や , 胸 壁 前 吻

(9)

表11 再発形式と組織型 遠隔リンパ節再発 臓 器 再 発 局再所縦発隔 断端再発 胸播種膜性腹再膜発 言十 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 柿 骨 , そ の 他 症 例 67例 16例 34例 20例 10仔U 72例 22例 20{7U 26117U (26%) (6 %) (13%) (8 %) (4 %) (27%) (8 %) (8 %) (100%) 32 9 7 7 6 29 9 8 107 高分化型 (30) ( 8 ) (7) (7) ( 6 ) (29) ( 8 ) (7) (100) 扇 組上皮平 中分化型 27 4 13 11 I 34 5 7 102 (26) (4) (13) (11) (1) (33) ( 5 ) (7) (100) 癌 7 3 12 2 3 8 7 5 47 織 低分化型 (15) ( 6 ) (26) (4) ( 6 ) (17) (15) (11) (100) 刑 二士二 来 分 化 癌 2 l 1 4 (50) (25) (25) (100) 不 明 1 l 表 12 再発形式と脈管侵襲 遠隔リンパ節再発 臓器再発 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 肺 症 例 (26%) 67例 (616%例) 〔1334%例) (820%例〉 脈 (48 2) ( 1 5 ) 45 11 16 9 (30) (7) (11) ( 6 ) 侵 襲 →十 十件 (1311) ( 5 6 ) (2118) (19 1) 不 明 3 1 合術を行なった症例では,頚部にある助合部の腫 癌として気付くものが多かった. (8) 胸膜腹膜播種姓再発 胸膜腹膜播種性再発例では,胸背部痛や,呼吸 困難,咳,疾がみられた. 2)再発形式と各種検査法〔表13) 再発の診断に有効で、あった検査法を,最近の5 年間の102症例で検討した. (1)頚部上縦隔リンパ節再発 頚部上縦隔リンパ節再発例は27例あり,腫湯シ ンチグラムで頚部や上縦隔の腫蕩が診断できたの が30%あった.その他, CTスキャンで頚部や上縦 隔の腫療が認められた症例が26%,胸部 X線検査 で,縦隔の拡大,気管の偏位,気管の変形が認め 局再所縦発隔 断端再発 胸播種膜性腹再膜発 Z十 骨 , そ の 他 10例 (2772%fF)l 〔822%fFt (820%例〉 261%例〕 (4 %) (100 2 5 3 19 (11) (26) (16) (100) 5 39 14 10 149 ( 3 ) (26) (10) (7) (100) 3 25 5 9 84 ( 4 ) (28) ( 6 ) (11) (100) 4 1 9 られ診断された症例が22%あった.気管支鏡検査 で腫療の確認や,気管の圧排,変形から診断さわし たのが15%であった. (2) 腹腔内リンパ節再発 腹腔内リンパ節再発例は9例あり,半分以上超 音 波 断 層 撮 影 で リ ン パ 節 の 腫 大 と し て 診 断 さ れ た.その他, CTスキャンでリンパ節の腫大が22% 診断できた. (3) 肝転移再発 肝転移再発例は18例あり, 83%が超音波断層撮 影で診断できた.その他,血管造影で44%,肝シ ンチグラムで33%が診断できた. (4) 肺転移再発 肺転移再発例は12例あり, 50%が胸部単純 X線

(10)

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一一

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I

川 '1';

{W~ 川 1主│禍:}~ハi!i J 政。 片山 図3 再発形式と再発時期 (O~) (5) 骨転移再発 再 発 部 位 状 50 100 肝 (34例) 肺 (20例) 図4 再発部伎と主な症状 撮影,胸部断層

X

線撮影で診断された.その他, 腫蕩シンチグラムやCTスキャンで肺腫壌が診断 されたのが

33%

25%

あった. -1305 骨転移再発例は11例あり, 64%が骨シンチグラ ムで腫蕩の存在が診断され,骨

X

線撮影, CTス キャンで,それぞれ

27%

18%

が診断できた.

(

6

)

局所縦隔再発 局所縦隔再発例は

1

9

例あり,

37%

が腫蕩シンチ グラムで縦隔の腫蕩が診断された.また

37%

に胸 水の細胞診により縦隔再発が診断された.その他, 26%がCTス キ ャ ン で 縦 隔 の 腫 虜 と し て 診 断 さ れ,胸部X線撮影で縦隔の拡大,気管の偏位等に より,縦隔再発が

21%

診断された. (7)断端再発 断端再発例は4例あり,消化管内視鏡検査や消 化管X線検査にて,吻合部の腫虜として,それぞ れ

25%

診断できた. (8) 胸膜腹膜播種性再発 胸膜腹膜播種性再発例は2例しかないが,胸水, 腹水の癌細胞の存在より診断された.

3

.

再発の治療(表

1

4

)

再発の治療は,画ーした方法は決めていないが, 再発部位により多少特色がある. 1)頚部上縦隔リンパ節再発に対しては,可能な ものは摘出し,同部にCo照射等の放射線療法を 加え,全身的に

OK4

3

2

PSK

等の免疫療法と,ブ レオマイシン(またはぺプレオマイシン),マイト

(11)

表13 再 発 形 式 と 検 査 法

よ 寸

遠隔リγパ節 頚上縦部隔 腹股内 肝 症 例 数 27例 917U 18例 腫場シγチ グ ラ ム 30% 11% 33% CT 26 22 22 気 管 支 鏡 検 査 15 消化管内視鏡検査 超 音 波 断 層 撮 彫 15 56 83 X 線 検 査 22 血 管 造 彫 11 44 細胞診(胸水腹水〉 血 液 生 化 学 検 査 11 表14再 発 部 位 と 治 療 法 く頚部上縦隔リンパ節> く肺転移> ・リγパ節摘出 ・免疫化学療法 .放射線療法 ・免疫化学療法 <局所縦隔〉 く腹腔内リンパ節または肝転移> ・放射線療法 -抗癌剤の動注 ・レーザー照射 ・免疫化学療法 ・免疫化学療法 マイシン

C

(

以後

MMC

)

5F

u

等の化学療法を 行なった. 写真l 治 療 前 (無 気 肺〕 臓 器 局所縦隔 断 端 胸播膜腹膜種 肺 骨 12例 llj列 19例 4例 2伊j 33% 64% 37% 25 18 26 8 5 25% 50 27 21 25 37 50%

2

)

腹腔内リンパ節再発や,肝転移再発に対して は,動脈内に抗癌剤

M

MC20-40mg

,注入を行な い,加えて免疫化学療法を全身的に行なった. 3)肺転移再発に対しては,全身的に免疫化学療 法を中心に行なった. 4)局所縦隔再発に対しては,放射線療法に全身 的に免疫化学療法を追加した.局所療法ではある が,気管に浸潤したものに対しては, レ ー ザ ー 照 射も併用した.以下に1症例を示す. 症例は,

5

5

歳男性,

1m

の肩平上皮癌で,術後

6

写真2 治 療 後 1306

(12)

-カ月目に胸痛と呼吸困難で来院,左肺は無気肺を 呈し(写真1),気管支鏡で,左気管支は再発腫蕩 により完全に閉塞していた.同部に,ヤグレーザー 照射50W,0.5secをくりかえし行なった結果,閉 塞部は開通し,無気肺は完全に治癒し,呼吸困難 も消失した(写真2) 5) CDDP による治療 最近では化学療法としてプラチナ製剤で抗瞳蕩 作用のあるシスプラチン(以後CDDP)を使用し た.使用方法は, CDDPを1日20mg,5日間連続 投与,または, CDDP 1日15mg,7日間連続投与, Iクールの総量を100mgとした.これを3週間ご とにくりかえした.症例は少いが,再発例11例に 使用し,有効と思われる症例を経験したので報告 する. 対象症例は,頚部上縦隔リンパ節再発例1例, 腹腔内リンパ節再発例4例,肺,骨転移再発例 1 例,局所縦隔再発例4例,断端再発例1例であっ た.厚生省小山・斉藤班の抗癌剤効果判定基準に よると,表15のようになっているが, CR+PRを 有効例とすると,表16のごとくで,頚部上縦隔リ ンパ節再発例に1例,腹腔内リンパ節再発例に1 表15厚 生 省 小 山 ・ 斉 藤 班 の 判 定 基 準 著効・・・・・・CompleteResponse(CR) ・測定可能病変,評価可能病変および腫蕩による二次的 病変がすべて消失し,新病変の出現がない状態が4週 間以上持続したもの. 有効・…・・PartialResponse(PR) • 2万向調IJ定可能病変の縮少率が50%以上であるととも に,評価可能病変及び腫蕩による二次的病変が増悪せ

r

.

かっ新病変の出現しない状態が少なくとも4週間 以上持続した場合. 方向測定可能病変においてそれぞれの算定式で求め た縮少率が30%以上であり,評価可能病変及び腫場に よる二次的病変が増悪せず,かっ新病変の出現しない 状態が少なくとも4週間以上持続した場合. 不 変 'No Change(NC) • 2方向損IJ定可能病変の縮少率が50%未満, 1万向測定 可能病変においては縮少率が30%未満であるか,また はそれぞれの25%以内の増大にとどまり腫携による二 次的病変が増悪せず,かつ新しい病変が出現しない状 態が少くとも 4週間以上持続した場合. 進行 ..Progressive Disease(PD) ・測定可能病変の積または径の和が25%以上の増大,又 は他病変の増悪,新病変の出現がある場合. -1307 表16 CDDPの有効性 (CR+PR) 頭部上縦隔リンパ節再発 1/1例 腹 腔 内 リ ン パ 節 再 発 1/4 臓 器 再 発(肺〕 1/1 局 所 縦 隔 再 発

/1 断 端 再 発

/1 例,肺,骨転移再発例に1例,計 3例 (27%) の 有効例が得られた. 6) 動脈内抗癌剤注入の効果(図 5) 腹腔内リンパ節再発や,肝転移再発例に対し行 なった動脈内抗癌剤注入の効果について調べてみ た(図5).腹腔内リンパ節再発例 16例のうち,施 行例7例,未施行例 9例であったが,施行例の平 均再発後生存期聞は11カ月,未施行例の平均再発 後生存期聞は

4

カ月であった.肝転移再発例

3

4

例の うち,施行例16例,未施行例 18例であったが,施 行例の平均再発後生存期間は6カ月,未施行例の 平均再発後生存期間は3カ月で,動脈内への抗癌 剤注入の有効性がうかがわれた.

4

.

再発後の生存期間(図

6)

再発後の生存期聞をみると,全体の平均再発後 生存期聞は6.0カ月で,再発形式別にみると,頚部 上縦隔リンパ節再発が9.6カ月で一番長く,次に腹 腔内リンパ節再発の6.7カ月であった.一番短いの は局所縦隔再発で,

3

.

9

カ月であった.

3

.

で、述べた ように再発後再発に対する治療を行なった症例

.

三'Hカ)J 20ウ)J

.

.

.

10力)J

.

.

.

.

.

"

.

.

.

.

同 "

.

目" 一 ←

-

山 'f'ιJ生存期間 11カ)j 4カ円 6 1])J 3カH ~ i干 (十i (十1 (-) 1呼 党 形 式 JI¥i.1作1吋JI./パ節干与党 rJHd~ll> 党 図5 動脈内抗癌剤注入の効果

(13)

- 死 亡 治 療 例 ..,j43''1 A亮亡無,古療f到 合P〆日日日1 ぉp、0.01

.

2年

.

.

.

.

.

.

.

.

九 1年 "

.

" A " "

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.

1面通園「

.

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A 四 国 " 同

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4

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~ 品 " 戸 十 " "

-

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自ム 一品 、 同 品 .品

月ーさ

-

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-叫 干町生存 10446lヶ45毎月9 1ヶ月7lヶ2.7ヶ月5.1ヶ月21ヶ1.9ヶ月6]ヶ月21ヶ5.5ヶ月7.5ヶ月2lヶ1Dヶ月4.5ヶ月9lヶ2.6ヶ月5.9ヶ月5!ヶ4.8ヶ月5.1ヶ月日Jヶ]Dヶ月 瑚 問 9 E 月 4 月 6 月 6 月 3 月 5 月 4 月

空 自 部 上 縦 隔 腹 腔 内 H干合 目市 骨 そ の 他 局 所 縦 隔 断 端 胸 膜 腹 膜 * 普 4除 1針重性 :童隔リンハ節 臓 器 そS 図6 再発後生存期間 と,行なわなかったた症例を再発形式別にみると, L 、ずれの再発形式においても,平均再発後生存期 間では,治療を行なった症例の方が長いが,頚部 上縦隔リンパ節再発,肝転移再発,局所縦隔再発 では,推計学的に危険率

0.1%

以下で,腹腔内リン パ節再発,胸膜腹膜播種性再発では危険率

1%

以 下で,有意差が認められ,治療効果があったもの と思われた. 考 察 食道癌の治療成績は,他の消化器癌に比し劣っ ているのが現状である2)へその原因として,高齢 者に多いこと,術前より栄養状態が悪いこと,早 期発見が難しく,大部分が進行癌で再発死亡例が 多いことなどが考えられる制 最近は,麻酔の発達, IVH等術後管理の進歩な どにより,手術死亡率は

10%

以下になってきてお り,当センターでも

4.6%

の成績である. しかし, 遠隔成績は,

5

年生存率が

23%

と 悪 い 印 そ こ で 遠隔成績を向上するために,早期発見早期治療が 推進されてきて,少しづっ成果をあげつつある が8) 一方,再発例に対しても同じことが延命効果 をあげるために必要と考えて,臨床的に種々の検 討を加えてみた. 1.再発形式 再発形式の分類は,諸家により多少異なるが, 大別して, リンパ行性再発,血行性再発,局所再 発に分けられる. リンパ行性再発である遠隔リン パ節再発を,頚部上縦隔リンパ節再発,腹腔内リ ンパ節再発に分け,血行性再発と思われる臓器再 発を,肝,肺,骨その他の臓器に分け検討した. 局所再発には,統ーされた見解はないが,局所縦 隔再発に断端再発,胸膜腹膜播種性再発を加えた. 死亡時には多くの症例が複数の再発形式を有して いたが,死因に関係がなかったり,症状の発現し ない位軽い再発形式を除き,主たる再発形式(再 発初発症状に関連した再発や,死因に一番関係の 深い再発)について検討するだけでも,充分その 意義は失なわれないと思われた. 再発形式の頻度は,頚部上縦隔リンパ節再発

6

7

(

2

6

%

)

,腹腔内リンパ節再発

1

6

(

6

%),肝 転移再発

3

4

03%)

,肺転移再発

2

0

(

8

%

)

,骨 その他の臓器再発

1

0

例 (4%),局所縦隔再発72例

(

2

7

%

)

,断端再発

2

2

(8

%),胸膜腹膜播種性再 発

2

0

(

8

%)であった.磯野ら9)は, リンパ節再 -1308

(14)

発42.2%,臓器再発40.1%,局所再発6.8%と報告 し 三 戸 らl川土,リンパ節再発43%,臓器再発43%, 局所再発

13%

と報告し,局所再発が少ないが,福 島ら11),塩崎ら12)の報告では,局所再発が最も多 く,われわれの検討で、も,局所縦隔再発27%と多 かった.これは局所再発の取り扱いによる差であ り咽いずれにしても, リンパ節再発,臓器再発に ついての検討が重要であることには差がないと思 われた.臓器再発は諸家の報告側-11)叫と同様,肝, 肺が主な再発臓器であった.

2

.

再発形式別特徴 1)頚部上縦隔リンパ節再発 食道癌のリンパ節転移率は,一般に 50~60% と 言われている14)-17) 頚部上縦隔リンパ節再発例の 原発巣の占居部位は,lu,

1m

に多い傾向が見られ, 術式は,胸腔内吻合術は少なかった. リンパ液の 流れの関係より18) 20),上部,中部食道に多く見ら れる再発形式のーっと思われる.外膜浸潤は, ao, a1で占める割合が高く,手術時リンパ節転移は, no, n1等 nの低い方に多い傾向が見られた.進行 度としては, stage 0, stage 1で占める割合が高 かった.つまり,外膜浸潤が少なく, リンパ節転 移の少ない,比較的早期で,局所は完全に切除で き,治癒切除できたと思われる症例で起りやすい 再発形式と思われた. 手術時,頚部や上縦隔リンパ節に転移の頻度は 高いが2山 2),食道癌の手術は,食道切除だけでも大 きな侵襲となる上,食道再建という大きな侵襲が 加わるので,頚部や,開胸反対側の上縦隔のリン パ節の郭清については,広範囲のリンパ節郭清に よる術後肺合併症の激増する恐れより,充分には 行なわれなかったためと思われ,術後管理の発達 した現在,遠隔成績向上のためには,拡大リンパ 節郭清や,術後頚部上縦隔予防照射等の術後合併 療法が必要と思われる23)24) 組織型は,高分化型,中分化型肩平上皮癌で占 める割合が高く,脈管侵襲のないと思われる症例 で占める割合が高い傾向がみられた.福島ら11)も, リンパ行性型は,高分化型27%,中分化型25%, 低分化型0 %と,高分化程多いと報告し,藤田ら25) は,脈管侵襲陰性群でも半数にリンパ節転移があ -1309 る と 報 告 し て い る . 脈 管 侵 襲 陰 性 で も 再 発 の チェックが必要と思われた. 再発時期は,他の再発形式に比し遅く起ってお り,平均再発時期が1年 5カ月であった.三戸ら10) の報告では,遠隔リンパ節再発の王子均再発時期は, 12.3カ月と,著者らに比しやや短いが,同様の傾 向を示した. 2)腹腔内リンパ節再発 占居部位は,

E

i

10例, Im6例と, リンパ節再発 としては下部食道に多い傾向がみられた.諸家の 報告でも12)26)-28) 中部下部食道においては,腹腔 内リンパ節転移率が高く,手術時,手術侵襲を最 小限におさえるためと,食道再建臓器として胃管 を用いることが多いため充分郭清できなかったも のと思われる. 外膜浸潤や,手術時リンパ節転移,組織型,脈 管侵襲には,特徴的なものはみられなかったが, 頚部上縦隔リンパ節再発例のように,llo,脈管侵襲 陰性例はみられなかった. 再発時期は,平均

1

年で同じ遠隔リンパ節再発 としては,頚部上縦隔リンパ節再発例より早く 起っている. 3)肝転移再発 占居部位としては, lu

1m

例にもみられるが,

EiEa

例に多い傾向がみられた.三戸10) 藤田ら26) も同様の報告があり,下部食道癌の場合は,術後 肝転移再発に対する充分な考慮が必要と思われ た ao, noと進行度の低い症例にも多くみられるこ とは,注意すべきことであり,根治切除可能と思 われた症例にも再発に対する考慮が必要であっ た 組織型は,低分化型で占める割合がやや高く, 脈管侵襲は,全例が陽性であり,他の再発形式に 比し,再発時期は早く起っていた.三戸川,福島11) らの報告でも,ほぼ同様の傾向であった. 4)肺転移再発 占居部位は,

1m 1

3

例,

Ei7

例で,肝転移再発例 に比し,やや上部に多い傾向がみられた. 外膜浸潤,手術時リンパ節転移はすべての程度 にみられ,特徴はみられなかった.

(15)

再発時期は平均 1年で 2年以上たってから再 発した症例が3例みられた.三戸ら10)は肺転移再 発は遅く起り,平均再発時期は32カ月を報告して いる.われわれの症例では,それほど遅く起って いないが,臓器再発の中では一番遅く起っている. 長期の経過観察が必要と思われた. 5) 骨転移再発 骨転移再発例は,ほとんどの因子が肺転移再発 例と似ており,全例が

s

t

a

g

e

III, 1Vの進行癌で, 脈管侵襲陰性例にもみられた. 6)局所縦隔再発 すべての占居部位にみられるが, 1u 1mに多い 傾向がみられた.進行度は

s

t

a

g

e

1Vに多く,特に a3症例に多かった.手術時リンパ節転移(一)の症 例にもみられ,

a

f

a

c

t

o

r

に関係が深かった.再発 時期は早く,平均再発時期7カ月であった.三戸 ら10)も再発時期は一番早く,全例が6カ月以内に 死亡したと報告している.塩崎らl川ま,局所再発の 92%が脈管侵襲陽性で, 75%が低分化型扇平上皮 癌であると報告しているが,われわれの症例で、は, 局所縦縞再発例72例中93%に脈管侵襲陽性で同様 の傾向であるが,組織型は,高分化型29例,中分 化型34例と,高分化型,中分化型に多い傾向を示 した 7)断端再発 断端再発例は,原発巣の占居部位がEiEaiこ多 い傾向がみられ,下部食道,腹部食道ということ から,手/iJ式は胸腔内吻合術に多かった.中部,下 部食道切除の際,日側端への切除が充分行なえな かったためと思われる.充分な口側への切除が必 要と思われた. 他の因子では特徴的なものはみられなかった が,平均再発時期は1年2カ月と長く 4年以上 たってから再発した症例が2例みられた. この再 発形式も長期の経過観察が必要と思われた. 8)胸膜腹膜播種性再発 進行度は

s

t

a

g

e

III, 1Vの進行癌に多く,全例が 脈管侵襲陽性例であった.a。またはnoの症例にも みられたが,組織型では,やや低分化型で占める 割合が高かった. 礎野ら叫は,腹膜再発に 4年すぎ 1年すぎに 1310 起った症例を報告し,比較的長い経過後の再発と 報告しているが,われわれの症例でも l例 2年 すぎに再発のみられた症例があるが,平均再発時 期 7カ月と短く,食道癌の中では予後の悪い再発 形式に入った.

3

.

再発の診断(症状と検査法) 再発の診断についての報告は少ないが,再発形 式別に,術式,占居部位,進行度,外膜浸潤, リ ンパ節転移,組織型,脈管侵襲,再発時期等の特 徴をつかみ,再発時の主たる症状,検査法を検討 し再発の早期発見のポイントと考えた. 1)頚部上縦隔リンパ節再発 症状として,嘆声や頚部リンパ節の触知で来院 する症例が多く,腫蕩シンチグラム, CTスキャ ン,胸部X線検査で再発と診断された症例の多い ことより,再診時には,声色の変化や,頚部を触 診することに注意をはらい,定期的に胸部X線検 査,腫蕩シンチグラム, CTスキャンを行ない,ま た,遅くなって再発する症例も多いことから,長 期の経過観察が必要と思われた. 2)腹腔内リンパ節再発 症状として腹痛,腰痛で来院する症例が多く, 腫疹シンチグラム, CTスキャンで診断されるこ ともあるが,最近では,多くの症例が超音波断層 撮影で診断されている.村田ら29)の報告でも, 10 m m以上のリンパ節で, 86%と診断率が高かっ た.患者に与える苦痛も少なく,容易にできる検 査法であり,肝転移再発の有無の検索と同様,定 期的に行ない,有効な検査法と思われる. 3)肝転移再発 症状として全身倦怠感,食欲不振,腹部膨満感 で来院することが多く,検査では, 83%が超音波 断層撮影で診断されている.腹腔内リンパ節再発 と同様,有効な検査法と思われる.また,半数以 上が 6カ月以内に再発していることより 6カ月 以内においては,できる限り頻回にチェックを行 なった方が良いと思われる.血管造影検査で島口 ら3川主, 1cm以上5cm未満の病変は約60%診断で きると報告している.われわれの症例で、も44%に 診断され,またこの検査法は治療としての動脈内 抗癌剤注入につながることより,有効な検査法の

(16)

ーっと考えられる31) 4)肺転移再発 症状としては,咳,疾など,かぜ、様の症状で来 院する症例が多く,検査は,腫蕩シンチグラム,

CT

スキャン,胸部

X

線検査で診断されることが 多い. 再発時期は

2

年以上たってから再発した症例 が3例あるが 1年以内が多く,術後1年聞は特 に注意をはらい経過を追わなくてはならないと思 われた. 5)骨転移再発 症状としては,転移骨部の終痛で来院する症例 が多く,単純X線撮影ではわからなく,腫蕩シン チグラムで診断された症例があった.再発時期は 6カ月以内が多く,術後早期の聞は定期的な腫虜 シンチグラムが必要と思われた. 6)局所縦隔再発 症状としては,頚部上縦隔リンパ節再発と似た 症状で,腫蕩シンチグラムで多くが診断され,

CT

スキャン,胸部X線撮影でも診断されている.a3の 症例に多く,再発時期は一番早く起っており,ほ とんどが 6カ月以内に起っている.むの進行癌で、 は,術後早期の聞は頻回にチェッグを行なった方 が良いと思われた. 7)断端再発 症状としては,ほとんどが通過障害で,胸壁前 吻合術においては,吻合部腫癌で気付くこともあ る.原発巣が下部食道で,胸腔内吻合術の症例に 多く,消化管X線撮影,内視鏡検査で診断された. 再発時期に幅があり,術後 4年以上たってから再 発した症例が2例みられたことより,定期的に, しかも長期の経過観察が必要と思われた.

8

)

胸膜腹膜播種性再発 特徴的な症状はないが,胸水,腹水の貯留と細 胞診により診断されている.定期的の診察時に, 胸水,腹水の有無のチェックを行なう必要がある と思われた.

4

.

再発の治療 再発後の生存期間は,再発形式により多少の差 はあるが,平均6.0カ月と短い.井口ら32)も 2カ 月以内が最も多く,食道癌治療には,術直後より -1311 再発防止のための対策が特に重要であると報告し ている.再発防止のため,非治癒切除はもちろん, 治癒切除であっても,手術のみに頼ることなく, 術後合併療法が必要であることは周知のことであ るが,これらに注意をはらっても,再発は認めら れる.そこで,再発の早期発見につとめ,再発が 認められた場合,あきらめることなし再発部位 により工夫した治療を行ない延命効果を望むこと も大切と思われた.再発後治療を行なった症例と, 行なわなかった症例で、は,頚部上縦隔リンパ節再 発,腹腔内リンパ節再発,肝転移再発,局所縦隔 再発,胸膜腹膜播種性再発に有意差が認められ, 平均再発後生存期間では,いずれの再発形式でも, 再発後治療を行なった症例の方が長かった.症例 は少ないが,最近では,化学療法として CDDPの 使用,局所療法ではあるが, レーザー照射など, 新しい治療法も行なわれるようになり,その成果 も出てきている. 結 語 胸部食道癌術後再発例を検討し,次のような結 果を得た. 1)胸部食道癌術後再発261例の再発形式と頻度 比 頚 部 上 縦 隔 リ ン パ 節 再 発26%,腹腔内リンパ 節再発6 %,肝転移13%,肺転移 8 %,骨その他 の臓器転移4 %,局所縦隔再発27%,断端再発 8 %,胸膜腹膜播種性再発 8 %であった. 2)頚部上縦隔リンパ節再発は,比較的早期で, 局所は完全に切除できたと思われる症例に多く, 脈管侵襲のないと思われる症例で占める割合が高 かった.再発時期は,平均再発時期がl年 5カ月 で,他の再発形式に比し,遅く起っており,長期 の経過観察が必要であった.再発時の症状として は,要声や頚部リンパ節の触知で来院することが 多く,胸部X線検査,腫蕩シンチグラム,

CT

ス キャンで診断された. 3)腹腔内リンパ節再発は,下部食道に多く,再 発時の症状として腹痛,腰痛が多かった.診断は, 腫蕩シンチグラム,

CT

スキャンで、行なわれたが, 最近は超音波断層撮影で診断されることが多く なった.

4

)

肝転移再発は下部食道に多い傾向がみられ,

(17)

平 均 再 発 時 期 は 早 く

8

カ月であった.診断は, 83%が 超 音 波 断 層 撮 影 で さ れ て い る が , 血 管 造 影 検 査 も , 治 療 に つ な が り , 有 効 な 検 査 法 で あ っ た . 5)肺転移再発は, 2年 以 上 た っ て か ら 再 発 し た 症 例 が3例 あ り , 長 期 の 経 過 観 察 が 必 要 で あ っ た . 再 発 時 の 症 状 は 咳 , 疾 な ど , か ぜ 、 様 の 症 状 で 来 院 する症例が多く, 50%が 胸 部X線 撮 影 で 診 断 さ れ た 6)局 所 縦 隔 再 発 は み の 症 例 に 多 く , 再 発 時 期 は 早 か っ た . 7 ) 断 端 再 発 は , 下 部 食 道 で , 胸 腔 内 吻 合 術 を 行 な っ た 症 例 に 多 く 4年 以 上 た っ て か ら 再 発 し た 症 例 が2例 み ら れ た . 8)再 発 後 の 治 療 は , 頚 部 上 縦 隔 リ ン パ 節 再 発 例 に は , 可 能 な も の は 摘 出 し , 同 部 に 放 射 線 療 法 を , 全 身 的 に は 免 疫 化 学 療 法 を 行 な っ た . 腹 腔 内 リ ン パ 節 再 発 例 , 肝 転 移 再 発 例 に は , 動 脈 内 に 抗 癌 剤 注 入 , 全 身 的 に 免 疫 化 学 療 法 を 行 な っ た . 局 所 縦 隔 再 発 例 に 対 し て は , 最 近 , レ ー ザ ー 照 射 も 併 用 し た . 化 学 療 法 と し てCDDPを 使 用 し , 有 効 例 が 得 ら れ た . 再 発 後 は , 治 療 を 行 な っ た 方 が , い ず れ の 再 発 形 式 に お い て も 平 均 再 発 後 生 存 期 間 は 長 く , 頚 部 上 縦 隔 リ ン パ 節 再 発 , 腹 腔 内 リ ン パ 節 再 発 , 肝 転 移 再 発 , 局 所 縦 隔 再 発 , 胸 膜 腹 膜 播 種 性 再 発 で , 有 意 差 が 認 め ら れ た . 稿を終るに臨み,終始御指導御校聞を賜わった思師 遠藤光夫教授に深甚なる感謝の意を表するとともに, 直 接 御 指 導 を 載 い た 井 手 博 子 助 教 授 な ら び に 教 室 の 研究班の諸兄に深謝します. なお,本論文の要旨は,第四回日本消化器外科学会 総会,第83回日本外科学会総会において発表した. 文 献 1)食道疾患研究会編.食道癌取扱い規約.改訂第5 版金原出版(1976) 2)食 道 疾 患 研 究 会 。 全 国 食 道 が ん 患 者 登 録 , 1969-1973年度症例5年生存率.癌の臨床 27 539(1981) 3)奥平恭之・ほか.食道癌治療成績の現況. 日外会 誌 81(12)1552 -1558(1980) 4)磯野可ー・ほか:胸部食道癌の死亡原因.外科 38(2) 153-158(1976) 一 1312-5)佐 藤 博 ・ ほ か 食 道 癌 の 遠 隔 成 績- 5生率・10 生率 .手術 32(2) 153-159(1978) 6)遠藤光夫・ほか。癌手術の遠隔成績 食道.外科 診療 18 863 -867(1976) 7)遠藤光夫。胸部食道癌の外科治療.耳鼻展望 24 449-457 (1981) 8)遠藤光夫・ほか 胸部食道癌治療の現況.日気食 会報 31(3) 199-205(1980) 9)磯野可一 食道癌再発の実態と対策.日消外会誌; 17(3) 527-536 (1984) 10)三戸康郎・ほか。食道癌の術後再発形式別にみた 予後について. 日消外会誌 14(5) 639-644 (1981) 11)福島松郎・ほか 食道癌再発死亡例からみた今後 の治療対策 術後の特異的免疫療法の可能性 . 外科診療 20 462-470 (1978) 12)塩崎 均・ほか。食道癌における再発形式の検討. 日消外会誌 9 140(1976) 13)磯野可一・ほか 食道癌切除耐術例の死亡原因並 びに,その検討. 日外会誌 76(1)63-64 (1980) 14)遠藤光夫・ほか 胸部食道癌の外膜浸潤とリンパ 節転移.臨床成人病 13(5) 737 -741 (1983) 15)遠藤光夫・ほか 胸部食道癌の切除郭i青術式.外 科治療 49(1)25-31 (1983) 16)武藤輝一・ほか 胸部食道癌の切除郭清術式. リ ンパ節郭清を中心に.手術 351267-1274(1981) 17)木下巌・ほか 胸部食道癌の切除郭清術式.手 術 351259 -1265 (1981) 18)森 堅 志 気 管 お よ び 食 道 の り ン パ 管 . 気 食 会 報 19 85-98 (1968) 19)忽 那 将 愛 日本人のリンパ系解剖学.金原出版 (1968) 20)佐 藤 博 ・ ほ か 胸 部 食 道 癌 の り ン パ 節 転 移 に 関 する2-3の検討.胸部外科 19(10) 682-686 (1967) 21)三戸康郎.食道癌の頚部リンパ節転移. 日消外会 lt'l:: 14(7) 1016-1022(1981) 22)井手博子・ほか 胸部食道癌のリンパ節転移.手 術 281355 -1364 (1974) 23)遠藤光夫・ほか.食道癌の術後合併療法.特に放 射線療法,化学療法との併用.臨床と研究 55(1) 45-50 (1978) 24)遠藤光夫・ほか。胸部食道癌の外科療法. 日医会 総会 20(II)1496-1500 (1979) 25)藤田博正・ほか・食道a。癌の臨床病理学的検討. 日外会誌 81 15 -23(1980) 26)藤旧博正 食道癌切除例の再発形式に関する検討 一剖検例を中心に . 日外会誌 85(1) 17-28 (1984) 27)石上浩一・ほか 食道癌のリンパ行性転移と手術 合併療法としての制癌剤療法.臨床と研究 51(1) 170-179(1976)

(18)

28)三戸康郎・ほか:胸部食道癌のりンパ節転移並び に 郭 清 に 関 す る 一 考 察 . 外 科 治 療 43(2) 123~ 132(1980) 29)村田洋子・ほか・食道癌における腹腔内転移リン パ 節 の 超 音 波 診 断 の 検 討 . 日 消 外 会 誌 14(7) 1005~ 1015(1981) 30)島口晴耕・ほか 転移性肝癌の血管造影ー音JI検所 1313 見 と の 対 比 を 中 心 と し て .臨放 2481~ 86 (1979) 31)三浦 健・ほか・肝転移の化学療法,とくに動注 化学療法について.臨放 24 1075~ 1082(1979) 32)井口 潔・ほか食道癌の再発形式とその対策. 消化器外科セミナ-4 巻東京へるす出版 132~ 145(1981)

表 9 郭清用リンパ節群の分類 よぶ : T T 第 1 群 (N , ) 第 2 群 (N 2) 第 3 群 (N 3) 頭部食道 Ce  1 0 1  1 0 2 ,  1 0 4  1 0 0 ,  1 0 3 ,  1 0 5 ,  1 0 6 ,  1 0 7 ,  1 0 8  上部 I u  1 0 5  1 0 6 ,  1 0 7 ,  1 0 8 ,  1 1 2  1 0  , 1 1 1 0 ,  1 1 1 ,  1 ,  2 ,  胸 ( 1 0 4 ) ,  ( 1 0 9 )
表 1 1 再発形式と組織型 遠隔リンパ節再発 臓 器 再 発 局再所縦発 隔 断端再発 胸播種膜性腹再膜発 言十 頚部上縦隔 腹 腔 内 肝 柿 骨 , そ の 他 症 例 67 例 1 6 例 34 例 2 0 例 1 0 仔 U 72 例 22 例 2 0 { 7 U  2 6 1 1 7 U  (26%)  (6 %)  (13%)  (8 %)  (4 %)  (27%)  (8 %)  (8 %)  ( 1 00%)  3 2  9  7  7  6  29  9  8  1 0 7  高分化型
表 1 3 再 発 形 式 と 検 査 法 よ 寸 頚上縦部隔 遠隔リ γ パ節 腹股内 肝 症 例 数 2 7 例 9 1 7 U  1 8 例 腫場シ γ チ グ ラ ム 30%  11%  33%  CT  2 6  2 2  2 2  気 管 支 鏡 検 査 1 5  消化管内視鏡検査 超 音 波 断 層 撮 彫 1 5  5 6  8 3  X  線 検 査 2 2  血 管 造 彫 1 1  4 4  細胞診( 胸水腹水〉 血 液 生 化 学 検 査 1 1  表 1 4 再 発 部 位 と 治

参照

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