85 近森 文夫・高瀬 靖広・小林 幸雄・青柳 啓之・渋谷 進・ 折居 和雄・岩崎 洋治(筑波大学臨床医学系外科) 34.消化管手術後縫合不全例の検討 門脇 淳・門馬 公経・田島 芳雄(猫協医科大学第2外科) ピッツバーグ大における肝移植見学記躍動 高穂(東京女子医科大学消化器病センター外科) 35. 36.練士二期生,思えば今年で二十年,医師として医者として
16:10∼16:50 座長 小林誠一郎
指定講演(1) 大腸癌手術における他臓器合併切除 指定講演(2) 膵管形成異常の診断とその臨床像16:50∼17:20 司会 羽生富士夫
教育講演 肝炎から肝癌へ一最近の臨床知見について一 総括発言 閉会の辞 尾原 徹司(尾原病院) 秋本 伸 ±岐 文武 小幡 裕 中山 恒明名誉所長 小林誠一郎1.食道癌における制癌剤感受性試験Subrenal
Capsule Assayの検討 福井 博行 食道癌に対する有効な投与薬剤や,手術後補助療法 としての選択薬剤を知る目的に,進行食道癌32例を対 象に抗癌剤感受性試験Subrenal Capsule Assayを行 ない,臨床治療導入の可能性に関して検討した.移植 には,正常免疫能を有するBDF!マウスを用い,感受性は6日目の長短径平均値差にてCRからPDまでの5
段階に分け判定した.基礎的検討では,コントロール 群の移植片径は漸時増大傾向を示し,6日目の組織像 では,移植片周囲に白血球浸潤を認めたが,癌細胞は 明らかに存在し,帰着していた.93%が評価可能で, 感受性はCDDP 21%, BLM 4%, MTX 12%, VDS 25%であった.臨床相関率は77%で,臨床治療導入の 可能性が示唆された. 2.食道癌切除標本のルゴール染色性とその臨床的 意義 池本 博行 食道癌206例の切除固定標本のルゴール染色のパ ターンを分類し,その粘膜組織像を検討した.分類は, 均一良染,島田不染,周囲不染,広範不染,淡染,モ ザイクの5型とした.均一墨染は,約49%.島状不染 は約37%で,不染部が大きいものほど癌の可能性が高 かった.周囲不染は約8%にみられ,これは全層型ま たは,基底層型の癌上皮あるいは,異型上皮であった. 広範淡染,不染は約3%あり,異型上皮または,高度 萎縮性上皮で多発癌巣の合併もあった.モザイクは約 3%にみられた.種々の程度の異型上皮が混在し,全 一455 例,多発癌症例であった.高度の飲酒歴が強く関与す ると思われた.食道の内視鏡検査にヨード染色を併用 すれぽ,食道粘膜病変の存在診断の精度が上がり,術 前検査および,経過観察に有用である. 3.肝硬変の胃粘膜攻撃因子に関する検討 内藤はるみ 40∼60歳代の肝硬変(LC)群90例(含肝癌合併27例) を対象に血清ペプシノーゲン1(PGI)測定.胃液検査 を施行し同年代の萎縮性胃炎(AG)群95例と比較し た.血清PGI値はAG群に比べLC群で有意に低く, 胃液分泌能もLC群で酸分泌は低い傾向でありペプシ ン活性は有意に低値であった.胃粘膜PGI値は胃体部 においてLC群で有意に低下していた.しかし胃粘膜 萎縮型ではしC群でCI, CIIが多くAG群に比べむし ろ萎縮は軽く,LC群における主細胞のPGI産生障害 の可能性が示唆された,またしC群では胃粘膜発赤所 見を高頻度に認め生検組織所見では間質の浮腫や細血 管の拡張が目立ち,胃液分泌障害との関連が推測され た.一方,潰瘍合併LC群ではAG群に比べ胃液分泌が 高い傾向にあり肝硬変においても潰瘍発現に防御因子 のみならず攻撃因子も大きく関与することが示唆され た, 4.乳頭部癌の再発形式に関する臨床的・病理学的 検討 新井田達雄 乳頭部癌の切除率は93.7%と膵・胆道癌の中では予 後と共に良好である.しかし従来の標準的膵頭十二指 腸切除術(以下PD)では治癒切除が得られても再発例 が多く,数年を経てから再発するものが少なくない.86 そこで根治術とされるPDの問題点を探るべく,再発 形式を臨床的・病理学的に検討し報告した.対象は乳 頭部品95例中検討可能な59例で,再発は26例(再発率 44%)で,14番リンパ節再発10例,遠隔転移9例,胆 汁外翁忌時の術中散布による腹腔内播腫を7例認め た.特徴的な14番リンパ節再発は,再発例中の38%に 認められ,ほとんどが術後2年以上をへたものであっ た.全て14番リンパ節郭清が不徹底なPD症例であっ た.乳頭部癌に対しては14番リンパ節両側郭清を基本 術式とするPDを行なうべきである. 5.肝内結石症の成因に関する臨床的・病理学的研 究 梁 英樹 肝内胆道に起因しない,肝内に原発する肝内結石症 の成因に関しては,代謝や胆管形態など様々な角度か ら研究がなされている.従来より我々は,肝内結石の 生成母地としての胆管形態異常には先天性の関与があ るとの考えから,臨床経過や胆管像をふまえた臨床分 類(先天群,先天疑い群,後天群の3群)を行ってき た,今回切除肝を臨床分類に沿って分類し,各群間に 特徴があるか,またこの胆管形態異常が先天性か否か について,病理学的に検討した.切除肝59例を検討し た結果,臨床分類各芦間に特有の所見は得られず,し かも明らかに先天性胆管形成異常といえる所見は得ら れなかった.しかし,臨床上先天性を強く疑った群で は,胆管の狭窄や拡張は先天性形成異常の可能性があ ると考えられた. 6.潰瘍性大腸炎の難治化に関する臨床的・病理学 的研究 吉利 彰洋 潰瘍性大腸炎の切除標本の肉眼的分類は,偽ポリ ポージス型,萎縮性大腸炎型の2形態であるが,種々 の内科的治療と,再燃,寛解を繰り返し難治化した症 例を経験するにつれ,これら2形態では分類できない 病冠をもつ例が増加した.それ故に,これらの肉眼所 見に病理組織学的検討を加え,臨床経過と対比検討し た結果,つぎの3型に大別された.すなわち, 1型:全大腸に,均一な炎症. II型:全大腸の部位による炎症が不均一かつ炎症の 強弱の境界が明瞭なもの. III型:全大腸の部位による炎症が不均一かつ炎症の 強弱の境界が不明瞭で混在しているものである. この3型と臨床経過(罹患期間および再燃回数)と は良い相関をしめし,潰瘍性大腸炎の終末像へ至る過 程,が示唆された. 7.大腸癌肝転移例の各種治療法の検討 野方 尚 当センターにおける大腸癌手術症例は昭和43年より 昭和60年までで1,314例でありそのうち251例に肝転移 を認めた.これらに対する治療を次の3群に分類した. 肝切除群(32例),積極的化学療法群(112例)として 動注法に加え,静注法のMMC総量40mg以上投与例, 消極的化学療法群(93例)MMC総量40mg以下の静注 例とした.各群の平均生存期間は,肝切除群のHl症例 が最長で21.8ヵ月,消極的化内湯のH3症例が最短の 5.0ヵ月であった.特にH2, H3症例に対する積極的血 止群は消極的化此面に比し,生存期間の延長は認め難 かった.今回新たにCDDPおよび5−FU動注法を考案 し,10例の肝転移症例に施行したが,腫瘍縮少効果は 認められなかった.さらに,塞栓術に抗癌剤を併用し