69 を調べた,mutatorとしてはP−lwB(Bellen et al, 1989)をまたjumpstarterとしては∠2,3を用いた. 作製したP因子挿入系統のうち致死系統と不妊系統 はバランサー染色体と組み合わせて異型接合体とし て,また妊性系統は同型接合体にして系統保存した. 今回対象としたのは全て妊性系統である.エンハン サートラップ法では挿入部位を支配するエソハンサー の急ぎによりプロモーターが活性化され,部位特異 的・細胞特異的に,また発生段階特異的にlacZが発現 する.lacZの遺伝子発現は遺伝子産物であるβ一 galactosidaseを, X−gal法を用いて細胞内の濃青沈澱 として組織化学的に検出した. スクリーニングした181系統のうち171系統では中枢 神経系に何らかの遺伝子発現がみられた.多少とも部 位特異的な染色パターンを示したものは117系統で,そ のうち57系統は特定のニューロン群が染色された.さ らにそのうち21系統ではいくつかの体節にまたがって 相同のニューロンが,また4系統では1ないし数対の 特定のニューロンが染色された.なお2系統では脳の 特定部位が染色されるとともに,行動異常(飛翔能力 の低下)をも示した. なお本研究は山元大輔・上田 龍・佐野弓子(三菱 化成生命研)との共同研究である. 4.安定化ヘモグロビン溶液およびその赤血球浮遊 液の流動性 (第1生理)山下 雄平 安定化ヘモグロビン(以下SHbと称す)は,期限切 れ輸血用保存血の再利用を目的として,味の素中央研 究所により作製された化学修飾ヘモグロビンである. ストローマフリーヘモグロビソにピリドキサル5一リン 酸とポリオキシエチレンを結合させたもので,その数 平均分子量は約10万である.このSHbの6g/dl溶液 は,膠質浸透圧および酸素解離能の点で,血液と同等 の性質をもつことが示されている.またラットに対す る交換輸血の実験結果から肝や腎に対して悪影響を及 ぼさないこと,摘出心臓の潅流実験の結果から心臓の 機能が正常に維持されることが報告されている.この ような研究に基づき,SHb溶液の代用血液,あるいは 臓器保存液としての利用性が示唆されている. 今回の研究では,SHb溶液およびその赤血球浮遊液 について,レオロジー的立場から,その性質の検討を 行なった. 材料として,味の素中央研究室より寄贈されたSHb 溶液およびヒト赤血球を用いた.赤血球浮遊液の赤血 球容積比はほぼ42%に調節した.粘度の測定はcone− plate型粘度計(東京計器, E型)を使用し,ずり速度 19.2∼384sec 1の範囲で,25℃で行なった. SHb溶液は,血漿と異なり明らかな非ニゴートソ性 を示し,各ずり速度における見かけの粘度は,SHbの 濃度増加に伴って上昇した. 赤血球をSHb溶液に浮遊させた場合, SHbの濃度 増加に伴い,赤血球間に著しい凝集(rouleaux forma− tion)が生じた.この凝集は, SHb溶液と血漿との混 合溶液においても同様に観察された.赤血球浮遊液は, SHb溶液と同様に非ニュートン性を示し,その見かけ の粘度はSHbの濃度に依存した.この粘度上昇は凝 集が形成されないSHbの濃度範囲においても,また 高ずり速度領域においても生ずることから,SHbによ る凝集のためではなく,赤血球とSHb溶液との間の 相互作用が関与していると考えられる.以下の結果は, SHb溶液を代用血液として利用するには,さらに詳細 なレオロジー的検討の必要性を示唆するものである. 5.人工血液を用いたラット摘出肺機能評価システ ムによる肺保存条件の検討 (呼吸器センター外科,*鼓動宇都宮病院) ○曽根 康之・小野 完二・中島 秀嗣* 田原 士朗・露国 俊成・大貫 恭正 横山 正義・新田 澄郎 目的:パラフルオロケミカルを潅流液に用いたラッ ト摘出肺標本による機能評価システムを作製し,保存 肺機能を定量的に評価した. 方法:換気潅流装置は,人工呼吸器(94。5%02十 5.5%CO2),人工肺(5%02+6%CO2+89%N2),熱 交換器(37℃)およびリザーバーより構成され,灌流
安定化ヘモグロビン溶液およびその赤血球浮遊液の流動性
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