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腎細胞癌における核DNA量, AgNOR数, PCNA, c-erbB-2の予後予測因子としての有用性に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

腎細胞癌における核DNA量, AgNOR数, PCNA, c-erbB-2の予

後予測因子としての有用性に関する研究( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

玉木, 正義

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1145号

Issue Date

1998-01-21

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15129

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 玉 木 正 義(岐阜県) 博 士(医学) 乙第 1145 号 平成10 年 1 月 21日

学位規則第4条第2項該当

腎細胞癌における核DNA圭,AgNOR数,PCNA,C-erbB-2の予後予測因子

としての有用性に関する研究

(主査)教授 河 田 華 道 (副査)教授

教授 佐 治 重 畳 論文内容の要旨 腎細胞癌において組織学的悪性度(grade)は,予後予測因子として重要である。しかしながら,一般的には gradel腎細胞癌症例は予後良好であり,grade3症例は予後不良であるが,grade2症例では予後良好群と不良 群との混在が認められており,それらを鑑別するその他の予後予測因子が求めら・れてきた。一方,核DNA鼠 argyrophilicnucleolarorganizerregion(AgNOR),PrOliferatingcellnuclearantigen(PCNA)とc-erbB-2の4者は,生物学的悪性度の客観的な指標として報告され,各種の癌において予後予測因子としての有用性が認 められている。そこで申請者は,これら4者の腎細胞癌の予後予測への応用を試み,特にgrade2症例における 予後良好群と不良群との鑑別への可能性を検討した。 研究対象 1990年4月から1994年6月までにトヨタ記念病院泌尿器札 岐阜大学医学部泌尿器科およびその関連病院にて手 術が施行された腎細胞癌71例を検討対象とした。摘出腎は一部を核DNA量測定用として使用し,残りを10%ホ ルマリン液にて12時間から24時間固定乱 パラフィン包哩ブロックを作成し3FLmの薄切切片をAgNOR染色, PCNA染色及びc-erbB-2染色に使用した。 研究方法 1)核DNA量の分析 腫瘍組織の細切後,VindelQvらのlow-Saltrapiddetergentmethodに準じて処理し,PrOPidiumiodideを用 いDNA染色し,FACS440flowcytometerにて測定した。DNAploidyの判定については,DNA histogram上 2cと4cの2つのpeakを示し,4c細胞の割合が10%未満のものをdiploidとした。DNA histogram上2cと4c peak

が明らかに異なる位置のpeakを示すものと,2つのpeakを示すが4c細胞の割合が10%以上のものをaneuploidと した。 2)AgNOR染色 切片を脱パラフィン化した後,Platonらのone-StePSilvercolloid methodに準じて行った。検体のAgNOR 数は,100核あたりの平均AgNOR数とした。 3)免疫組織学的染色(PCNA染色,C-erbB-2染色) 切片を脱パラフィン化した後,PCNAの検出のためにはPC-10(DAKO社),C-erbB-2の検出のためにはNCL,C Bll(Novocastra社)をそれぞれ一次抗体として使用し,ABC法にて免疫染色した。PCNAは核が染色された腫 瘍細胞を陽性細胞とし,陽性細胞が集中している部分を選んで1000個の腫瘍細胞中の陽性細胞の割合を測定した。 また,C-erbB-2は細胞質が染色された腫瘍細胞を陽性細胞とし,陽性細胞が少数でも認められた症例は陽性とし た。 研究結果 1)各指標と予後との関連 Gradeと予後との関連では,gradeが高くなるに従って,予後不良となる傾向を認めた。Gradelと3,grade 2と3の間に生存率に統計学的有意差を認めた(p<0.05)。 T因子と予後との関連では,pTlとpT3,pT2とpT3の問に生存率に統計学的有意差を認めた(p<0・05)o pTl

(3)

-155-+pT2とpT3の生存率の問にも統計学的有意差を認めた(p<0.05)。 Ploidyと予後との関連では.aneuploid症例が統計学的に有意にdiploid症例より予後不良であった(p<0.05)。 AgNOR数と予後との関連では.receiv9r・Operatin女characteristic(ROC)曲線より算出したAgNOR数1.90 を境界として2群に分けると,AgNOR数1.90以上の症例は,1.90未満の症例より統計学的に有意に予後不良であっ た(p<0.05)。 PCNA陽性率と予後との関連ではt ROC曲線より算出したPCNA陽性率35.0%を境界として2群に分けると, PCNA35・0%以上の症例は,35.0%未満の症例より統計学的に有意に予後不良であった(p<0.05)。 C-erbB-2と予後との関連では,C-erbB-2陽性の症例は,C-erbB-2陰性の症例より統計学的に有意に予後不良で あった(p<0.05)。 2)Grade2症例における各指標と予後との関連 丁因子と予後との関連では.pTl,pT2,PT3の各丁因子間の生存率に統計学的有意差を認めなかった。また.

pTl+pT2症例とpT3症例の間にも生存率に統計学的有意差を認めなかった。

Ploidyと予後との関連では.aneuploid症例とdiploid症例の問に生存率に統計学的有意差を認めなかった。

AgNOR数と予後との関連では,AgNOR数1.60以上の症例と1.90未満の症例の間に生存率に統計学的有意差を

認めなかった。 PCNA陽性率と予後との関連では,PCNA陽性率35.0%以上の症例は35.0%未満の症例より有意に予後不良で あった(p<0.05)。 C-erbB-2と予後との関連では,C-erbB-2陽性症例はc-erbB-2陰性症例より有意に予後不良であった(p<0.05)。 結 論 腎細胞癌全体の検討で.核DNAploidy,AgNOR,PCNA,C-erbB-2を測定することは,腎細胞癌患者の予後 を予測する上で有用であることが示された。さらに予後良好の症例から癌の再発進行により死亡する予後不良の 症例までを含むgrade2症例においてもPCNAおよびc-erbB-2を測定することにより,予後不良と考えられる症 例を選別し,これら症例に対して,術後補助療法として免疫療法,化学療法などの積極的治療法を選択すること により予後の改善が図れるものと思われた。 論文書査の結果の要旨 申請者玉木正義は.腎細胞癌において核DNAploidy.AgNOR,PCNA,C-erbB-2を測定することに.より,腎 細胞癌の予後予測因子としてこれら4者が有用であることを明らかにした。さらに,grade2症例においてもPC NA,C-erbB-2は有用な予後予測因子となることを明らかにし,gradeとPCNA,C-erbB-2を組み合わせることに より,より詳細な予後を推測し適正な治療法の選択が可能となることを示した。 本研究の成果はt 腎細胞癌の予後予測に新知見を加えたものであり,泌尿器科学の発展に少なからず寄与する ものと認める。 [主論文公表誌] 腎細胞癌における核DNA鼠 AgNOR数,PCNA,C-erbB-2の予後予測因子としての有用性に関する研究 泌尿紀要 43(10):697∼702,1997

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