氏 名(本 籍)
学 位 の 種 類
学 位 記 番 号
学位授与年月日
専 攻
学位論文題 目
学位論文審査委員
前
田
春
和(愛知県)
博
士(工学)
甲第
83
号
平成10
年
3
月
25 日
生産開発システム工学専攻
き裂を持つ平板の面外問題に関する基礎的な研究
(恥eb$icStudyofan仇1tl)f-planeProble血TithYarious
Cracks)
(主査)教 授
中
川
建
治
(副査)教 授
森
本
博
昭
教 授 六
郷
恵
哲
論文内容の要旨
本研究は、亀裂を持つ無限薄板に面外方向に力が作用する場合の同席を取り扱っ
たものである.指導教授の中川等の従兵の研究は」平板に内在する亀裂の先端に
応力集中が有限で河口変位と応力が共存して滑らかに変化する領域を毅定する応
力関数を導くものである.これらの研究は、従来より同種祝されていた界面亀裂
の応力筆一中も平滑化されたものとして得られることを示`しているので、亀裂解析
の非常に・有効な1つの手法であると思われるが、解析対象は全てt裂の面内力問
題に限られものであった.すなわち、著者の研究Iま中川等の解析法を面外力問題
へ拡張したものであるが次のような特敏を備える有意義な研究である.
【1】
本研究の独創性
「平板のt裂の面外問題では、t裂線上の境界条件はたわみ関数の2階と3階
導阿数を含むので解を導くのは容易ではない」と表現されている.本研究では平
板のたわみと断面力の関係を表す解を、t裂線上で 肌【=0 となる解ⅠとRx 三
0
となる解Ⅱとに分類して、それぞれの基本解を導き易くする手法を工夫した。
この独特なアイデアによって、亀裂問題の面外聞層は、界面t裂の問題も含めて
棲めて解き易いものになった.従来のt裂の面内力間填で応力と開口変位が共存
する遷移区間が構成されたように、面外聞題に置いても同様な遷移区間が設定さ
れるような解が導かれることになった.
解を導き易くした事に依って、一様板のt裂の面外聞穏の解関数は先験的に2
次の無理関数の差の項で表されるものと仮定しても、t裂線上の境界条件を満足
するものを導き得る事を計算例で示している.
【・2】導かれた結果の特徴
解析例として、①y軸上の有服部分で連続している(外側亀裂の)板が面外せ
ん断あるいは捻りを受ける問題、(診中心に亀裂を1つ含む無限板が面内で引弓良り
を受ける場合と面外へせん断を受ける場合とでは応力典中卒が異なる事の実証、
③界面に複数の亀裂が配正されている接合披の面外たわみ、等を示している.
注目に催する桔諭の主なものは次のようなものである.
遷移区間では応力(断面力)が有限であると規制するだけで他の制約を設定し
ない限り有限連続の板の面内と面外の解は複数の解を比較的容易に榊成する事が
可能となる.避移区間の断面力を予め規制していないために多様な解が成立して、
全てが亀裂線上の境界条件を満足する.これらの解を基にして中心亀裂の面内間
一23一
噂の僻を導くには関数の実数部と虚数部とを交代させるだけで良い.しかし面外
聞超では上妃の関数項の交代だけではy軸上の境界条件が乱されることになる.
これが面内問題と面内問題の相違点の1つである.面外聞届のこの乱れは補正関
数を投定することで立合されるが、この補正項のために亀裂先端の断面力に符号
反転が(1回づつ)生じることになる.すなわち、面外力同席の境界条件は面内
力闘個よりは威しい(制約がきつい)ものであり、応力集中率も面外聞周の方が
大きくなる.
異材間の界面亀裂の面外聞層では、ヰ川等が面内問題で活用した手法に沿って
解を導き得る.変形と応力の連続条件より導かれる
bi-elaslic cons=== は、
亀裂長さや、遷移区間長さ及び、用いる基礎関数に閑.わらす常に一定であるとい
う結果が得られた.
本研究に関連する発表論文
1.即甲春和,藤井靡軌中川建治:典常時方牲板界面き裂の面外聞闇lこ関する研軋
土木構造・材料輸文典,第12号,pp.97・108,1996.11.
2.陛嬰畢粗.藤井腑軌中川趣治:き梨を持つ薄板の面内と両外囲遁の解の閑迎性
と断面力集中度の比較について,土木構造・材料論文典.節13号,pp・69・78.
1997.12.
3.哩旦畢卑.藤井康軌段榊金,【川畑治:直線上に複数のき裂を持つ板の面外聞
超の基礎的な研究.工超力学(Cltilla印刷中)
論文審査結果の要旨
本研究の内容を学術輸文としての見地から審査検封しておおよそ次のような結
輸が得られた.
【1】
関連する他の研究
本研究は指導教授の中川等の従来の研究を発展させたものである.中川、藤井
等の研究は、平板に内在する亀裂の先端に応力集中が有限で開口変位と応力が共
存して滑らかに変化する領域を投定する応力関数を導くものである.これらの研
究は、従来より問題視されていた界面t裂の応力集中も平滑イヒされたものとして
得られることを示しているので、t裂解析の非常に有効な1つの手法であると思
われる・しかし、解析対象は全てt裂の面内力問題に限られものであった.
【2】
本研究の独創性
「平板のt裂の面外問題では、1裂線上の境界条件はたわみ開放の2階と3階
導関数を含むので解を導くのは容易ではないJと表現されている.本研究では平
板のたわみと断面力の蘭係を表す解を、t裂線上で批;0となる解ⅠとRェ…0
となる解Ⅰとに分類して、それぞれの基本解を導.き易くする手法を工夫した.
この独特なアイデアによって、t裂同局の面外聞題は、界面t裂の問題も含めて
極めて解き易いものになった.従来のヰ裂の面内力同属で応力と開口変位が共存
する遷移区間が構成されたように、面外聞頓に置いても同様な遷移区間が投定さ
れるような解が導かれることになった.
【3】導かれた絵美の特徴
-24-解析例として、①y軸上の有限部分で連続している(外側t裂の)坂が面外せ
ん断あるいは捻りを受ける問題、②中心にt裂を1つ含む無限板が面内で引張り
を受ける場合と面外へせん断を受ける場合とでは応力集中率が異なる事の実証、
③界面に複数のt裂が配置されている接合板の面外たわみ、等を示している.
注目に値する結論の1つは次のようなも.のである.
遷移区間では応力(断面力)・が有限であると規制するだけで他の制約を設定し
ない限り有限連続の板の面内と面外の解は複数の解を比較的容易に構成する事が
可能となる。遷移区間の断面力を予め規制していないために多様な解が成立して、
全てが亀裂線上の境界条件を満足する。これらの解を基にして中心亀裂の面内問
題の解を尊くには関数の実数部と虚数部とを交代させるだけで良い。しかし面外
聞題・では上記の関数項の交代だけではy軸上の境界条件が乱されることになる.
これが面内問題と面内問題の相違点の1つである。面外聞題のこの乱れは補正関
数を設定することで整合されるが、この補正項のために亀裂先端の断面力に符号
反転が(1回づつ)生じることになる。すなわち、面外力問題の境界条件は面内
力問題よりは厳しい(制約がきつい)ものであり、応力集中率も面外聞題の方が
大きくなる事が示された。