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イメージ体験能力が現実感覚におよぼす影響 −想像的活動における統御能力の検討を通じて− [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)イメージ体験能力が現実感覚におよぼす影響 ―想像的活動における統御能力の検討を通じて ― キーワード:解離, 離人感, ソース・モニタリング, イメージ体験, 統御能力 人間共生システム専攻 澤 聡一 【問題と目的】 本研究は、日常生活において起こりうる範囲での現実. があれば頭を切り替えることできるか否かを測定するこ とで、 「日常的なイメージ活動における統御能力」を測定. 感覚の混乱について多層的に理解することを目的とする。. する質問紙尺度(Controllability of Daily Imagery. 「現実感覚」 という用語は本来非常に多義的で曖昧だが、. Scale;以下 CDIS)を作成する。CDIS については、想. このような意味での現実感覚の代表的な説明概念として. 像活動の体験頻度(f次元)と想像活動における統御能. は、解離(Janet, 1910)および離人感(Dugas, 1898) 、. 力(c次元)の両尺度構成を行ない、より精密に各対象. リアリティ・モニタリング(Johnson, & Raye, 1981) 、. 者の能力の実態を把握しうる測定を試みる。CDIS のc. よ り 包 括 的 に は ソ ー ス ・ モ ニ タ リ ン グ ( Johnson,. 次元はまた、体験的距離の統御能力の次元を反映すると. Hashtroud, & Lindsay, 1993)が考えられよう。これら. 考えることもできよう。また、副次的にではあるが、f. は重篤な精神障害において認められる一方で、通常の日. 次元は内的体験への傾性という意味で、心的構えの「方. 常生活においても認められる(Carlson, & Putnam,. 向性」を反映すると考えることができるかもしれない。. 1989) 。解離は体験の諸側面がその統合ないし連続性を. 研究 2 では、作成された CDIS について、先行研究で. 失うという意味で、また離人感は現実世界との疎隔感で. 用いられているイメージ能力および現実感覚指標との関. あると同時にその機制には解離が深く関わるという意味. 連を検討する。高い CDIS-f得点はイメージなど内的体. で、現実感覚の異常として捉えることができるだろう。. 験との親和性が高く、また低い CDIS-c得点は必要があ. また、ソース・モニタリングの混乱はある情報の起源を. っても頭を切り替えることができないという意味で、そ. 非現実的に帰属させるという意味および自己の基盤とな. れぞれ現実感覚の異常と関連すると思われる。研究 3 で. る自伝的な記憶の所在が不確かになる(cf. 虚偽記憶;. は、虚偽記憶の生起にイメージ教示や CDIS など被験者. Loftus, & Ketcham, 1994,自伝的記憶;Singer, &. の属性が及ぼす効果を検討することで、現実感覚概念の. Salovey, 1993)点から現実感覚の異常とみなしうる。. 一つであるソース・モニタリングの混乱および虚偽記憶. 本研究では、これらの概念を統合的に理解する理論的. とイメージ体験能力の関連について実験的に検討する。. 枠組みとして、イメージ体験概念を重要視する。イメー. これらの研究を通じて、イメージ体験の視点から現実感. ジ体験概念は田嶌(1983)や水島(1983)など多くの研. 覚を統合的に把握する試みを行なう。. 究者がその重要性を指摘しているが、ここでは臨床応用 の有効性が広く知られており、また概念整理が明瞭であ る田嶌(1996)の体験様式論を基盤に、現実感覚に関す る諸概念の検討を行なう。. 【研究 1】 目的:想像活動の体験頻度を測定するf尺度と、必要に. 田嶌(1996)は、体験的距離と心的構えという二つの. 応じて想像活動から頭を切り替える能力を測定するc尺. 要素をイメージ体験の様式を決定付ける要素として重要. 度からなる CDIS の作成。f 尺度は心的構えの方向性、. 視している。本研究ではこの理論を基盤にしつつも、心. c尺度は体験的距離の統御能力の一側面とも考えられる。. 的構えに「どのような『方向性』で体験に対するか」と. 方法:対象者 125 名(男性 50 名、女性 74 名、無回答. いう次元と「体験によって相互作用的に変化する『内的. 1 名) 。平均年齢は 20.99 歳であった(SD=2.93) 。. 枠組みそのもの』 」の二次元を想定し、また体験的距離と. 材料・手続き 先行研究などから項目を抽出、作成し、. 心的構えを主体が能動的に関与しうる能力と考えてその. 対象者に配布して回答を求めた。全 20 項目について、. 統御能力(controllability)を重要視する。なお、体験的. 対象者は「一度でも体験したことがあるか(なければ次. 距離は体験と主体の間の心的距離と考えられる。. の項目へ) 」 「その体験頻度(4 段階評定、1∼4 点:CDIS-. 研究 1 では、日常における想像的な活動において必要. f) 」 「その体験において頭を切り替えることができるか.

(2) (7 段階評定、1∼7 点:CDIS-c) 」を尋ねられた。ま. の再吟味が必要と思われる。また、f次元とc次元の設. た、 「一度も体験したことがない」項目については、CDIS-. 定など、尺度の構成についても再考が必要だろう。. fは 0 点、CDIS-cは他項目の平均値で置き換えられた。 結果:CDIS-f尺度の主成分分析の結果、CDIS-c尺度 の主成分分析の結果を Table1、Table2 に示す。なお、. 【研究 2】. 全項目について「一度も体験したことがない」と回答し. 目的:CDIS の妥当性を検討するとともに、現実感覚と. た 1 名と、半数以上の回答者が「一度も体験したことが. イメージ体験能力との関連について調査的検討を行なう。. ない」と回答した 2 項目を以降の分析の対象外とした。. 方法:対象者 研究 1 と同じ。. 主成分分析の結果から、第 1 主成分への負荷量が.40. 材料・手続き CDIS-fおよび CDIS-cに加え、イメ. 以上の項目をそれぞれ CDIS-f項目、CDIS-c項目とし. ージ能力を測定する材料として、VVIQ(イメージ場面. て抽出した。CDIS-f得点と CDIS-c得点について、. の鮮明性を測定;長谷川(1995)の訳出)および TVIC. Pearson の積率相関係数を算出したところ、r= -.27,. (イメージ場面の統御能力を測定;長谷川(1995)の訳. p< .01.であった。. 出) 、現実感覚を測定する材料として J-DES(解離性傾 向を測定;Umesue, Matsuo, Iwata, & Tashiro(1996). Table 1 CDIS-f の主成分分析の結果. Table 2 CDIS-cの主成分分析の結果. 項目 負荷量 美術品や自然の鑑賞 0.54 読書への熱中 0.53 架空の場面に浸る 0.52 生活の中での想像 0.52 描画など創造的活動 0.51 追憶への捕われ 0.51 買い物への熱中 0.44 夢の世界 0.43 映画やテレビ鑑賞 0.43 散歩など屋外の体験 0.43 カラオケやダンスへの熱中 0.42 いたずら電話やメールが気になる 0.42 ゲームなど仮想現実 0.41 神や運命の影響 0.36 音楽鑑賞や演奏 0.35 怖い話が気になる 0.33 スポーツにおけるイメージの利用 0.31 嫌な話が気になる 0.30 固有値 3.42 寄与率( %) 18.98. 項目 負荷量 架空の場面に浸る 0.63 生活の中での想像 0.62 描画など創造的活動 0.60 読書への熱中 0.58 買い物への熱中 0.58 音楽鑑賞や演奏 0.50 追憶への捕われ 0.47 スポーツにおけるイメージの利用 0.47 散歩など屋外の体験 0.45 嫌な話が気になる 0.44 カラオケやダンスへの熱中 0.44 映画やテレビ鑑賞 0.43 ゲームなど仮想現実 0.40 美術品や自然の鑑賞 0.37 いたずら電話やメールが気になる 0.32 夢の世界 0.31 神や運命の影響 0.30 怖い話が気になる 0.11 固有値 3.89 寄与率( %) 21.60. の訳出)および特性非現実感尺度(離人感を測定;須永, 1996)を一つの冊子とし、回答を求めた。 結果:CDIS によるグルーピングの効果の検討 平均値 によって CDIS-fおよび CDIS-c得点の High-Group と Low-Group を区別し、その組み合わせで各被験者を 4 グループに分類した(Figure1) 。 CDIS- c High. Ⅲ群. Ⅰ群. CDIS- f Low. CDIS- f High. Ⅳ群. Ⅱ群. CDIS- c Low. Fig ure 31-1 CDISによるグルーピング Figure. 考察:CDIS-fと CDIS-cのいずれについても 13 項目 が抽出された。想像活動への体験頻度と想像活動におけ. このグルーピングの効果について、VVIQ 、TVIC、. る統御能力のいずれも精神健康との関連が想定される尺. J-DES、特性非現実感の各得点を従属変数とする一元配. 度として重要であると思われる。また、CDIS-fは心的. 置分散分析を行った。 その結果、VVIQ 得点について F(3,. 構えの方向性を、CDIS-cは体験的距離の統御能力の個. 120)= 3.03、TVIC 得点について F(3, 120)= 4.61、J-DES. 人特性的な一側面をそれぞれ測定しうるとも考えられる。. 得点について F(3, 120)= 5.54、特性非現実感得点につい. また、両尺度得点に弱い負の相関関係が認められたこ. て F(3, 120)= 8.28 であり、いずれの尺度得点についても. とから、想像活動への親和性が高い者は、現実的な活動. CDIS によるグルーピングの有意な効果が認められた. への適応に何らかの困難があることが予想される。体験. (p< .01.∼p< .05.) 。Ryan 法による多重比較の結果、. 様式論から説明すると、心的構えが内界志向的であるな. VVIQ においてⅡ群に比較してⅣ群が、また TVIC にお. らば体験的距離の統御がやや困難になる、といえよう。. いて他群に比較してⅣ群が有意に低いことが示された. 一方で両尺度とも第 1 主成分について充分な寄与率が. (p< .01.∼p< .05.) 。なお、J-DES および特性非現実感. 得られず、 採用されなかった項目の共通点も不明である。. における多重比較の結果は Figure2、Figure3(次ペー. また、CDIS-cはその採点法にも問題が残るだろう。体. ジ)に示す。. 験の快不快や能動性などの側面を考慮した項目、回答法.

(3) 40 *. 共分散構造分析によるモデルの検討 潜在変数の数お. 30 **. よび潜在変数間の関連から 5 つのモデルを仮設し、各適. +. 合度指標を比較した。その結果、特性イメージ体験能力、. 20. 状態イメージ体験能力、現実感覚の三つの潜在変数を仮 10. 定し、特性イメージ体験能力と現実感覚とに共変関係を 想定するモデルがもっとも妥当と判断された( χ²=9.90,. 0 Ⅰ群. Ⅱ群. Ⅲ群. Ⅳ群. p= .27;RMSEA=0.04;AIC=35.90,Figure4 参照) 。. Fig ure 3Figure 2 4 J- DES得点にCDISグルーピングが及ぼす効果. 考察:CDIS によるグルーピングの効果について検討し. + p<.10., * p<.05., * * p<.01.. た。Ⅱ群はもっとも想像的な活動に入り込みやすく、ま たⅣ群は想像的活動からもっとも疎遠なグループと思わ. *. 90. れるため、VVIQ および TVIC について得られた結果は. +. 80. 妥当と思われる。日常的な想像活動における統御能力が. **. 70. +. 60. イメージ場面におけるイメージ能力にも影響を及ぼす可. 50. 能性を示唆すると考えらよう。. 40 30. また J-DES 得点と特性非現実感得点におけるグルー. 20. ピングの効果検定では、現実感覚の検討に体験頻度と体. 10. 験における統御能力とを組み合わせることの有効性が示. 0 Ⅰ群. Ⅱ群. Ⅲ群. Ⅳ群. 唆された。すなわち、もっとも想像的な活動に入り込み. FigFigure ure 3- 5  3 特性非現実感得点にCDISグルーピングが 及ぼす効果 + p<.10., * p<.05., * * p<.01.. やすいと思われるⅡ群が他群よりも解離傾向および離人 感が高く、一方想像活動には親しまないものの必要な際. 各尺度得点の二変量関係の検討 Pearson の積率相関 係数についての相関行列を Table3(右下)に示す。. にはその統御が可能という意味でもっとも現実感覚が高 いと思われるⅢ群が他群よりも低い解離傾向および離人. 重回帰分析による現実感覚の予測の検討 J-DES お. 感を示すことが示唆された。これらの結果はまた体験様. よび特性非現実感を従属変数とする重回帰分析の結果を. 式論にも矛盾せず、心的構えと体験的距離の統御能力を. Table4 に示す。. 組み合わせることの重要性を示唆すると考えられる。. Table 4 Table 3-4 「現実感覚」を従属変数とする重回帰分析. R(Rイ) CDIS-f CDIS-c VVIQ TVIC J-DES 特性非現実感. 相関分析について、CDIS-fと J-DES、特性非現実感 尺度との間に有意な正の相関関係が、CDIS-cと J-DES、. J-DES 特性非現実感 0.61(0.38) 0.62(0.38) 0.18 * 0.13 n.s -0.08 n.s -0.15 + 0.02 n.s 0.04 n.s -0.04 n.s 0.02 n.s ― 0.48 * * 0.49 * * ― いずれもN=124 += p< .10., * = p< .05., * * = p< .01.. 特性非現実感尺度との間に有意な負の相関関係が認めら れたのが特徴的であった。想像活動の体験頻度が高い、 もしくは心的構えが内界志向的な者は現実感覚が低く、 想像活動における統御能力が高い、もしくは体験的距離 の統御能力が高い者は現実感覚が高いことを示すこの結 果は、本研究の仮説を支持すると思われる。. e. また、重回帰分析の結果から、J-DES 得点の予測に .44. e. -.133 (n.s). CDIS-f -.53. VVIQ. e. CDIS-fが、また特性非現実感得点の予測には CDIS-cが有効である可能性が認められた。この. 状態イメージ 体験能力. .78. TVIC. e. 結果は体験様式論からの考察が有効と思われる。. 特性イメージ 体験能力. e. CDIS-c. .30. Table35 各測定尺度の相関行列( Pearsonの積率相関係数 r.) Table -.97 (p< .05.). CDIS-f e. J-DES. .76 現実感覚. e. 特性非現実感. .77. Figure 4 採用されたモデル. CDIS-f CDIS-c VVIQ TVIC J-DES 特性非現実感. -0.27 0.26 0.14 0.38 0.37. CDIS-c ** ** n.s *** ***. 0.04 0.06 -0.29 -0.32. VVIQ. n.s n.s ** ***. 0.35 * * * 0.11 n.s 0.13 n.s. TVIC. 0.02 n.s 0.06 n.s. J-DES. 0.58 * * * いずれもN=124 * = p< .05., * * = p< .01., * * * = p< .001..

(4) すなわち、解離は心的構えの急速な方向転換の結果と考. る Friedman 検定をおこなったが、いずれの得点につい. えられ、また離人感は常に体験的距離を保ってしまう統. ても有意な教示条件の効果は得られなかった。. 御能力の障害の結果と考えられるかもしれない。. 被験者属性の効果検討 CDIS-fおよび CDIS-c、. 共分散構造分析によるモデルの評価では、イメージ体. III-14 について中央値から High-Group と Low-Group. 験能力を日常生活に基盤を置く性格特性的要素と想起. を設定し、CEL 増大得点および CEL 変動得点に及ぼす. されたイメージ場面についての場面状態的要素とに区. 効果を検討した。その結果、CEL 増大得点と CEL 変動. 別することの有効性、および特性的イメージ体験能力と. 得点のそれぞれについて、CDIS-fによるグループ化の. 現実感覚には密接な関連がある可能性が示唆された。こ. 効果に Low-Group>High-Group の有意な差の傾向およ. れらの知見はイメージ体験概念を整理し、従来さまざま. び有意な差が認められた(Z= -1.80, p< .10.;Z= -2.39,. な関連が想定されてきた種々のイメージ能力と現実感. p< .05.) 。また、CDIS-c、III-14 のグループ化の効果に. 覚について統合的な理解を促進するために有用かもし. ついては、CEL 増大得点および CEL 変動得点のいずれ. れない。一方、特性イメージ体験能力と状態イメージ体. についても有意な差が認められなかった。. 験能力との関連が有意ではないなど、課題も残された。. 考察:観察的教示と体験的教示を区別したイメージ体験 教示の効果のみならず、先行研究において認められてい るイメージ教示の効果が認められなかった。材料の妥当. 【研究 3】. 性に問題があるほか、自伝的記憶に近いイメージの様式. 目的:現実感覚を構成する一要素であるソース・モニタ. の操作(ここでは視点の違い)には高い認知的な負荷が. リングの混乱にイメージ体験が及ぼす効果を検討する。. かかり、そのため自由な様式のイメージにおいては認め. 。平 方法:対象 大学生 23 名(男性 8 名、女性 15 名). られた効果が認められなかった可能性が考えられる。あ. 均年齢は 24.41 歳であった。. るいは、イメージの想起様式について知られている個人. 材料・手続き ソース・モニタリングの混乱を測定す. 差を考慮する必要があるのかもしれない。. る目的で、共通するターゲット項目を含む二種類の子ど. 被験者の属性が及ぼす効果について、日常的な想像活. も時代の出来事リスト(CEL-A、CEL-B;出来事の確信. 動を体験する機会が相対的に少ない者ほど、過去の体験. 度を測定)を作成した。また、異なる様式のイメージを. についての確信度が有意に揺らぎやすいことが示された。. 想起させるために、各ターゲット項目を連想させる場面. この結果は、ソース・モニタリングの混乱による説明が. について 「実際に自分が体験しているようなイメージ (体. 難しいが、一方体験様式論からの説明は可能であると思. 験的イメージ教示) 」と「自己像を傍観者的に眺めるイメ. われる。すなわち、内界志向傾向の高い者(CDIS-fの. ージ(観察的イメージ教示) 」の二種類を作成した。併せ. High-Group)はその内界志向性のゆえに、イメージと. て、CDIS、想像活動への関与を測定する III-14(笠井・. 記憶など内的表象の差異に敏感であるのかもしれない。. 井上,1993)を被験者属性の測定材料として用いた。. 信頼性の検討がさらに必要だが、イメージ体験概念の重. 研究 1・2 と同時期に、CEL-A、CDIS-f、CDIS-c. 要性を示す結果として興味深いと思われる。. への回答を被験者に求めた。 その二週間から一ヵ月後に、 III-14 および先述の教示を用いた二種類のイメージ想起 を各被験者に求め、その後「CEL-A と異なる項目から構. 【本研究のまとめ】. 成されている」と教示して CEL-B への回答を求めた。. 想像活動の体験頻度と想像活動における統御能力の. また、イメージ教示の妥当性を検討する目的で、イメー. 測定尺度を作成し、その尺度を中心に現実感覚理解にお. ジ体験の評価についても質問紙尺度への回答を求めた。. けるイメージ体験概念の有効性を検討した。イメージ体. 結果:CEL-B におけるターゲット項目から CEL-A にお. 験能力の概念や尺度構成について課題は残るが、日常的. ける同項目の確信度得点を引いた得点の合計を CEL 増. な想像活動における統御能力が現実感覚に及ぼす効果、. 大得点、CEL-A と CEL-B の差の絶対値の合計を CEL. またそれらを体験的距離と心的構えから検討する体験様. 変動得点として分析の対象とした。また、イメージ体験. 式論の重要性がほぼ一貫して示唆された。. の評価用紙の結果から教示の妥当性が確認された。. これらの知見を用いた現実感覚概念の整理、またコン. イメージ想起条件の及ぼす効果の検討 CEL 増大得. トロール感などの概念も含めた統御能力概念の整理、さ. 点および変動得点について、イメージ想起条件(体験的. らにはその作用機序がいまだ不明確なイメージ体験その. 教示条件、観察的教示条件、統制条件)を独立変数とす. ものについての検討が今後の大きな課題といえよう。.

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