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岡田怜美 論文内容の要旨

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Academic year: 2022

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(1)岡田怜美 論文内容の要旨 主. 論. 文. Efficacy of a Biliary Splint at the Anastomosis in Living Donor Liver Transplantation −With a Special Reference to Postoperative Endoscopic Treatment for Biliary Stricture 成人生体肝移植後の胆管狭窄に対する内視鏡的治療における胆道スプリントの有用性 岡田怜美、曽山明彦、日髙匡章、足立智彦、大野慎一郎 夏田孔史、原 貴信、高槻光寿、江口 晋. International Surgery 104:27-32. 2019. 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 (主任指導教員:江口 晋教授). 緒. 言 肝移植後の胆管狭窄合併症は、長期予後や QOL に大きく影響する問題である。特に 部分肝を移植する生体肝移植では、再建に用いる胆管の径が細く難度の高い吻合とな る。術後は胆管の血流不良や胆汁漏などが狭窄の発生に影響すると考えられる。 胆管狭窄をきたした場合、より低侵襲な治療として、バルーン拡張やステント留置 などの内視鏡的治療が第一選択となる。しかし、内視鏡的治療が困難な症例では、経 皮経肝的胆道ドレナージ術(Percutaneous transhepatic biliary drainage ; PTBD) や再手術など高侵襲な治療を要する場合がある。 胆管-胆管吻合による胆道再建の場合、多くの施設において胆道スプリントチュー ブを留置しており、我々も手術時に胆道スプリントを留置する方針としている。胆道 スプリント留置は細径である胆管の吻合時に有用であると考えられるが、術後胆管狭 窄の予防という点において有用性は明確ではない。 本研究では、生体肝移植後胆管狭窄に対する内視鏡的治療の成績を検証するととも に、胆道スプリント留置と内視鏡的治療成績との関連性を検討し、胆道スプリントの 有用性を検討することを目的とした。さらに、内視鏡的治療が困難となり得るリスク 因子についても検討した。 対象と方法 2005 年 4 月から 2015 年 7 月までに当院で施行した生体肝移植症例 168 例のうち、 胆管‐胆管吻合による胆道再建症例 148 例を対象とし、後方視的に解析を行った。148.

(2) 例は全例、手術時に胆道スプリントを留置していた。移植後は血清ビリルビン値が 3mg/dL 未満となり、造影検査にて造影剤通過良好であることを確認した後に、胆道ス プリントをクランプしており、さらに移植後 3 か月後の造影検査後にスプリントチュ ーブを抜去する方針としている。対象症例においても同様の方針で治療を行った。 コントロール不良な臨床症状、血液検査での肝胆道系酵素の上昇、画像検査での胆 管狭窄を認め、治療を必要とした症例を胆管狭窄例と定義した。治療は、内視鏡的治 療を第一選択とし、内視鏡的治療困難症例においては、PTBD や再手術を選択した。 本研究では、術後胆管狭窄に対し内視鏡的治療介入を要した症例を、内視鏡的治療 成功群と不成功群に群別し、胆道スプリント留置との関連性を検討した。 結. 果 対象 148 例のうち、胆管狭窄に対し内視鏡的治療介入を要した症例は 24 例(16.2%) であった。24 例のうち、十二指腸乳頭部へのカニュレーションが困難であった 2 例は 検討より除外した。22 例の内視鏡的治療成績は、成功群が 14 例(63.6%)、不成功群 が 8 例(36.4%)であった。不成功群は PTBD、さらにランデブー法でのステント留置が 可能であり再手術例は認めなかった。 内視鏡的治療が困難となり得るリスク因子の評価として、両群における術前・術 中・術後因子を比較したが、有意差は認めなかった。不成功群では 3 か月以内のスプ リント逸脱率が 50%であり、成功群(21.4%)と比較し高い結果であったが有意差は認 めなかった。 次に内視鏡的治療成績と胆道スプリント留置との関連性を検討した。胆道スプリン トは移植後 3 か月後に抜去の方針としているが、自然逸脱症例も存在し、本検討では 7 例(31.8%)において 3 か月以内の自然逸脱を認めた。そこで胆道スプリント留置期 間(3 か月以内の自然逸脱、または 3 か月留置)と内視鏡的治療介入の時期(3 か月以内、 または 3 か月以降)に着目した。3 か月以内の治療介入例は 2 例であり、ともに胆道ス プリント逸脱例、また治療不成功例であった。3 か月以降の治療介入例は 20 例であり、 内視鏡的治療成功率は 70%であった。20 例において、スプリント 3 か月留置例(n= 15)では、逸脱例(n=5)よりも成功率は高い結果であったが(73.3% vs 60%)、有意 差は認めなかった。 考. 察 3 か月以内の早期狭窄例は 2 例認めており、ともに胆道スプリント逸脱例であり、 内視鏡的治療成功率は 0%であった。一方で、3 か月以降狭窄例での治療成功率は 70% であり、早期狭窄と比較し明らかに高い結果であり、3 か月以降の狭窄例に対しては 内視鏡的治療は有効であると考えられた。 また、胆道スプリント留置により胆管炎や線維化を引き起こし胆管狭窄の発症へつ ながるとの報告もみられるが、本検討では胆道スプリント留置例と逸脱例では胆管狭 窄の発症率は同等であり、スプリントそのものと胆管狭窄との関連性は明確ではなか った。 したがって、胆道スプリントを留置し早期胆管狭窄を予防することで、その後の胆 管狭窄に対する内視鏡治療の成功につながる可能性が示唆された。 (1910 字/2000 字).

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