図-2再現解析モデル
図-4再現解析結果
図-3ダンパーの履歴モデル
(a)供試体 A ダンパー無 (b)供試体 A-D2
ダンパー有図-5解析の対象とした橋脚の構造および寸法
Key Word:座屈拘束ダンパー, 耐震補強工法, 静的非線形解析, 動的解析, RC
橋脚連絡先:〒111-0051 東京都台東区蔵前
2-17-4 JFE
蔵前ビルJFE
シビル株式会社 TEL03-3864-379612000 1200 130075002200 500
5000 10000
1750 1750
3500
8500
2200
2200
3150 3150
8500
220 220
220 220
12000 1200 130075002200 500
2200
10005000
480 3160 2500
1250 1250
10005000 10000
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1750 1750 3150 3150
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8500 8500
補強前橋脚
RC
巻き立て補強橋脚 ダンパー補強橋脚脚柱とフーチング間にダンパーを設置して補強した RC 橋脚の動的解析による補強効果の検討
JFE
シビル(株) 正会員 ○萩原 健一,
櫻井 有哉,
塩田 啓介早稲田大学 学生会員 熊崎 達郎 早稲田大学 正会員 秋山 充良 1.はじめに
座屈拘束ダンパー(以下,ダンパー)は,補剛材によって軸力材の座屈 を防止した履歴型ダンパーであり,橋梁の制震を目的としてトラスやアー チ橋のブレース材などに用いられている 1).図-1 に示すように,このダ ンパーを
RC
橋脚の脚柱とフーチング間に設置すると,地震時に柱基部の 塑性ヒンジを中心に橋脚が変形するときにダンパーに伸縮が生じ,地震エ ネルギーを効率よく吸収し,橋脚の耐震性能を向上できると考え,著者ら はこれを模型実験によって確認した2).ここでは,実験の再現解析を実施し,ダンパー補強の解析モデルを明らかにする.また,実構造の橋脚をモデルとして,動的解析に基づき,
RC
巻 き立て補強と比較したダンパー補強による耐震性能向上効果を明らかにする.2.実験結果の再現解析
再現解析した正負交番載荷実験の供試体は,参
考文献
2)に示す A
およびA-D2
であり,その解析モデルを図-2に示す.RC 脚柱の非線形性は曲げ モーメント-曲率関係によりモデル化し,履歴特性
は
Takeda
モデル,骨格曲線は参考文献3)に従った.
ダンパーは図-3のような非線形ばね要素とし,等 方硬化と移動硬化を考慮したバイリニア型履歴モ デルとした4).また,図-2に示すように,ダンパ ーのピン接合部の遊間および取付け金具の弾性変 形を考慮した接続要素を導入した.
再現解析の結果を図-4(a)および(b)に示す.解 析値は,水平荷重が最大となるまでの範囲で,実 験結果を良好に再現しており,動的解析による耐 震性能照査は可能と判断した.解析ソフトは土 木 ・ 建 築 向 け 汎 用
3
次 元 動 解 析 プ ロ グ ラ ム「TDAPⅢ」を使用した.
3.実大橋脚を対象とした動的解析 (1)実大橋脚の諸元と解析モデル
再現解析のモ デルを用いて,
実大橋脚モデル について時刻歴 応答解析を実施 した.解析ケー スは,耐震性能
2
3)を満たさない 補強前橋脚,RC図-1橋脚の変形とダンパーの伸縮
縮み 伸び 伸び 縮み
地震力 地震力
560mm
接続要素
遊間 変位 軸力
弾性変形 RC脚柱
ダンパー 1500mm 1024mm
水平荷重
-300 -200 -100 0 100 200 300
-15 -10 -5 0 5 10 15
軸力(kN)
伸縮量(mm) 実験値 解析使用値
-200 -100 0 100 200
-120 -80 -40 0 40 80 120
水平荷重(kN)
水平変位(mm) 実験結果 再現解析結果
-200 -100 0 100 200
-120 -80 -40 0 40 80 120
水平荷重(kN)
水平変位(mm) 実験結果 再現解析結果
土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)
‑381‑
Ⅰ‑191
-4000 -2000 0 2000 4000
-0.25 0 0.25 0.5
水平荷重P(kN)
水平変位δ(m)
-80000 -40000 0 40000 80000
0 10 20 30 40
曲げモーメントM(kN・m)
時間(s)
-4000 -2000 0 2000 4000
-0.25 0 0.25 0.5
水平荷重P(kN)
水平変位δ(m)
-80000 -40000 0 40000 80000
0 10 20 30 40
曲げモーメントM(kN・m)
時間(s)
図-6実大橋脚モデル
-5000 -2500 0 2500 5000
-0.25 0 0.25 0.5
水平荷重P(kN)
水平変位δ(m)
図-9ダンパーの 履歴応答 巻き立て補強橋脚およびダンパー補強橋脚の
3
ケースである.支間長33m,総幅
員
12m
の単純鋼I
桁橋を想定し,上部工重量は3785kN
とした.図-5に各橋脚の 構造および寸法を示す.RC巻き立て厚は一般的に250mm
を標準としているが,ここでは最小かぶりや軸方向鉄筋と躯体の距離を考慮した
220mm
とした.ダン パー補強橋脚では降伏軸力1470kN
の二重鋼管ダンパー4)を橋脚の前面・背面に2
本ずつ設置した.基礎形式は杭基礎とし,場所打ち杭φ1200
を9
本設置した.実大橋脚の解析モデルを図-6 に示す.RC 巻き立て補強脚柱の非線形特性は,
参考文献
5)に従い算出し,Takeda
モデルとした.ダンパーは移動硬化を考慮したバイリニア型履歴モデルとした4).減衰定数は
Rayleigh
減衰を与え,主要な2
つの振動モードに対するモード減衰定数とし,各部材の材料減衰定数は参考文献3)に従った.入力地震波は,JR
西日本鷹取駅構内地盤上-NS成分(Ⅱ-Ⅱ-1)とした.(2)解析結果
図-7(a)~(c)は橋脚天 端の水平荷重と水平変位 の関係である.補強前橋脚 は水平変位の許容値を大 きく上回る.
RC
巻き立て 補強橋脚は躯体の重量が 増加し,剛性や降伏荷重も 大きくなるため,橋脚に作 用する水平荷重が補強前 橋脚と比較して,2.3
倍に 増加している.一方,ダン パー補強橋脚では,図-9 に示すようにダンパーの エネルギー吸収効果が発 揮され,橋脚の変位量を63%
低減し,許容値に収まるとともに橋脚に作用する水平荷重の増加は1.5
倍に抑 制されている.図-8(a)~(c)に橋脚基礎の曲げモーメントの時刻歴応答を示す.補 強前橋脚と比較して,RC
巻き立て補強橋脚は最大応答値が2.6
倍に増加している.そのため,橋脚基礎の降伏に達する断面力が発生し,増し杭等の基礎補強が必要と なった.一方,ダンパー補強では,最大応答値の増加を
1.5
倍に抑えることができ,今回のケースでは基礎の補強が不要となった.
4.まとめ
本研究では,脚柱とフーチング間にダンパーを設置した場合の模型
RC
脚柱の正負交番載荷実験の再現解析と実構造の橋脚モデルについての動的解析を実施した.結果は次のとおりである.(
1
) 再現解析により,ダンパー補強橋脚の解析モデルを明らかにした.(2
)実大橋脚の動的解析を実施し,ダンパー 補強による耐震性能向上効果を確認した.(3
)ダンパーによる補強は,RC
巻き立て補強と比較して,補強に伴う 橋脚の保有水平耐力の増加を抑制できることから,橋脚基礎の補強を軽減できる場合がある.参考文献
1)
宇佐美勉編著,日本鋼構造協会:鋼橋の耐震・制震設計ガイドライン,技報堂出版,pp.243-251
,2006.9. 2)
萩 原健一ほか:脚柱とフーチング間に座屈拘束ダンパーを設置し曲げ補強したRC
橋脚の正負交番載荷実験,土木学 会第70
回年次学術講演会,Ⅰ308-309
,2015.9. 3)
日本道路協会:
道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編,2002.2012.
4)(
社)
日本免震構造協会:パッシブ制振構造設計・施工マニュアル第3
版,pp.522-525
,2013.11. 5)
日本道路協会:既設道路橋の耐震補強に関する参考資料,
1997.8. 6)
土木研究センター:橋の動的耐震設計法マニュアル-
動的解 析および耐震設計の基礎と応用-
,2006.5.
-80000 -40000 0 40000 80000
0 10 20 30 40
曲げモーメントM(kN・m)
時間(s)
図-7橋脚天端の水平荷重-水平変位関係
(a)補強前橋脚 (b) RC
巻き立て補強橋脚(c)ダンパー補強橋脚
(a)補強前橋脚 (b)RC
巻き立て補強橋脚(c)ダンパー補強橋脚
図-8橋脚基礎の曲げモーメント時刻歴応答
-4000 -2000 0 2000 4000
-0.03 -0.015 0 0.015 0.03
軸力(kN)
伸縮量(m)
水平荷重 1.5倍増
2.3倍増
水平荷重
許容値 許容値 許容値
基礎の降伏 に達する
応答値
梁部 線形はり要素
柱部 非線形はり要素
フーチング部 線形はり要素 ダンパー
非線形ばね要素 バイリニア型
橋脚基礎 線形ばね要素
上部工重量 3785kN P
δ
接続要素
+
土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月)