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授与した学位

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Academic year: 2022

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(1)氏. 名. 和大. 授与した学位. 博. 士. 専攻分野の名称. 理. 学. 学位授与番号. 博甲第4966号. 学位授与の日付. 平成26年. 学位授与の要件. 自然科学研究科. 3月25日 機能分子化学専攻. (学位規則第5条第1頄該当) 学位論文の題目. Theoretical study on a plastic phase of ice (氷のプラスチック相の理論研究). 論文審査委員. 教授. 田中 秀樹. 准教授. 松本. 正和. 教授. 甲賀研一郎. 学位論文内容の要旨. 計算機シミュレーションによって,相図中で氷 VII と液体の水の間に「プラスチック氷」が存在すると 予測されている。プラスチック氷とは,氷 VII と同じ結晶構造をもちながら個々の水分子が自由に回転し, 継続的な水素結合ネットワークをもたない氷である。氷 VII の融解曲線が実験ごとにばらついていた問題 に対するひとつの解釈として,プラスチック氷が存在する可能性が考えられる。本研究では,プラスチッ ク氷と氷 VII の構造・ネットワークやダイナミクスを比較し,それらの間の相転移挙動を詳細に調べた。 氷 VII を構成する水分子は,自身を中心とする四面体頂点方向にある四つの水分子と水素結合する。我々 はプラスチック氷の極小ポテンシャルエネルギー構造を,同体積の氷 VII と比較した。その結果,プラス チック氷は氷 VII と異なり,多様な水素結合パターンをもつ水分子で構成されることがわかった。 プラスチック氷・氷 VII・液体の分子配向および水素結合の自己相関を求め,分子回転とエネルギー的な 緩和過程との関係を評価した。水素結合ダイナミクスからも,分子の位置は固定されているが,その回転 は自由であることが確認された。また二つの相関の緩和時間の類似性から,水素結合の寿命に並進運動の 影響はほとんどなく,回転運動だけが関与していることが確認された。 広範な温度圧力範囲で分子動力学シミュレーションを実施し,氷 VII とプラスチック氷の間の相転移挙動 を調べたところ,高圧領域で定圧熱容量の発散などの臨界現象が観測された。我々は代表的な臨界指数を求 め,それらがスケーリング則を満たすことを確認した。スケーリング則は圧力によらず成立した。氷 VII と プラスチック氷を特徴づけるオーダーパラメーターを導入し,自由エネルギーを解析した。シミュレーショ ンで得られた自由エネルギー関数を Landau 現象論と照合し,低圧側での一次相転移と高圧側での二次相転移 を三重臨界点がつなぐという結論を得た。.

(2) 論文審査結果の要旨. 申請者は,プラスチック氷と氷 VII の構造・ネットワークやダイナミクスを比較し,それらの間の相転移 挙動を詳細に調べた。氷 VII の実験における融解曲線の不確定の原因として,プラスチック氷が存在する可 能性が考えられるためである。申請者は,このプラスチック氷に対して理論計算化学の面から取り組み,以 下のような具体的業績をあげた。 1. プラスチック氷・氷 VII・液体の分子配向および水素結合の自己相関を求め,分子回転とエネルギー的 な緩和過程との関係を評価した。水素結合ダイナミクスからも,分子の位置は固定されているが,その 回転は自由であることが確認された。また二つの相関の緩和時間の類似性から,水素結合の寿命に並進 運動の影響はほとんどなく,回転運動だけが関与していることが確認された。 2. 広範な温度圧力範囲で分子動力学シミュレーションを実施し,氷 VII とプラスチック氷の間の相転移挙 動を調べたところ,高圧領域で定圧熱容量の発散などの臨界現象が観測された。申請者らは代表的な臨 界指数を求め,それらがスケーリング則を満たすことを確認した。スケーリング則は圧力によらず成立 した。氷 VII とプラスチック氷を特徴づけるオーダーパラメーターを導入し,シミュレーションで得ら れた自由エネルギー関数を Landau 現象論と照合した。以上の解析から,氷 VII とプラスチック氷の間の 相転移は,低圧側で一次相転移,高圧側で二次相転移であり,これらの相境界を三重臨界点がつなぐと いう結論を得た。. 以上は,申請者が第一著者として学術論文3報に纏められ,また高圧の氷についての総説も執筆するなど, 学術的な成果は顕著であり,学位授与に十分相当すると判断できる。.

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