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院内裾癒患者 に対 し栄養補給 を行 った症例の検討

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研究報告 :秋 田大学医学部保健学科紀要11(2):151‑157,2003

院内裾癒患者 に対 し栄養補給 を行 った症例の検討

長谷川 由紀子* ・岡 ミヨ子* 高 橋 紀 子*

佐 藤 紀 子* 小 玉 光 子‥ 神 谷 千 鶴…

浅 沼 義 博…

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平成148月か ら154月 までに,管理栄養士が樽癒対策 チームの一員 として栄養補給 した17症例 の成績 を検討 し た.対象 は男13例,女4例,72±8.6歳であ り,全例が重篤な基礎疾患 を もち,17例中13例が手術後 の患者であ った.

20病変 (17症例) の裾癒 の転帰 は,治癒14病変,改善中に転院 ・退院2病変,不変転院 ・死亡3病変,悪化転院1 変であ った.栄養補給 の内容 はアイソカル ジェ リー66gの補給,卵料理 の追加等 を行 った. 補給期 間 は1‑15週 間 (平均5.4週) であ った. これ らの補給 によ り栄養状態が改善 し早期 に裾癒が治癒 した症例 もあ った. しか し栄 養補給 の前後 の血清 アルブ ミン値 は,前値2.8±0.4g/dP,後値2.9±0.6g/dPであ り, ヘモグロビン値 も前値9.3±2.0g/dP, 後値9.2±1.2g/dPであ った.すなわち,両指標 とも血液学的には改善 は認め られなか った. 従 って, 今後 は栄 養補 給 の内容 を充実 し,補給 エネルギーを増量す る必要があるものと推察 された.

は じめに

近年,裾癖 の治療 にお け る管理栄養士 の役割 が重要 視 されて きた1).平成14725日よ り, 秋 田大学 医 学部 附属病 院 において も,管理栄養士 が裾癒対策 チー ムの一員 と して活動 して きた. そ こで, これ まで栄養 補給 を行 った患者17名 につ いて, その成績 を検討 し今 後 の栄養補給法 の改善 を はか ることを 目的 と した.

秋 田大学 医学部 附属病院 に裾癒対策 チームが発足 し 活動 を始 めた平成148月以 降,平成154月 までの 9ケ月間 に, 院 内裾 癒 患 者 と して報 告 され たの は155

例 で あ る. この うち経 口摂取 が可能 と判 断 し,管理栄 養士 が1回以上対応 したの は28例 (18%)であ る. こ 28 の うち,栄養状態不 良 (アル ブ ミン3.0g/dP 下) のため,管理栄養士 が栄養補給 を行 った17例 を対 象 と した (1).男13例,女4例,年齢72±8.6歳 で あ る. この17症例 の裾癖 の発生部位 は, のベ20病変 で あ り, 内訳 は仙骨部 が14病変 と最 も多 く,背部,鍾部

が各2病変であ った (2). また初診 時 の 「裾 癒 経 過評価

」:

DESIGN(3)23)に よ る点 数 は, 2‑16

(7.5±4.1点) で あ った. さ らに, 全 例 が重 篤 な基 礎疾患 を持 ってお り,17例中13例が手術後の患者であ っ た (2).

栄養補給 を行 った17例 を,以下 の3項 目につ いて検 討 した.

1.栄養補給 内容 と補給期 間

2.血 液 ・生化学検査成績 3.裾癖 の転帰

栄 養 補 給 前 後 の比 較 はStudent t検 定 お よ び Fisherの直接 法 にて行 い, p<0.05を有意 差 あ りと

した.

1.17症例 の初診時 の食事摂取状況 をみ ると,7割 以 上摂取 していたの は2例 のみであ り,半数以上 の症例

*秋 田大学 医学部附属病院 栄養管理室

**秋 田大学 医学部附属病院 看護部

***秋 田大学医学部保健学科

秋田大学医学部保健学科紀要 11 2

KeyWords:裾癒 栄養補給 アルブ ミン値

151

(2)

(54) 長谷川由紀子/院内裾癒患者に対 し栄養補給を行 った症例の検討 A

表 1.管理栄養士が対応 した梅漬患者の診療科別分類

心臓血管外科 6(5) 第二内科 6(4)

第一外科 6(5) 肝胆障 3(2) 胃腸 3(3) 第二外科 4(0) 食道 2(0) 呼吸器 1(0) 乳腺 1(0) 泌尿器科 3(1)

第三内科 1(0) 婦人科 1(1) 整形外科 1(1) E,去 りQr28(11717)

()栄養補給 した症例数

2.17症例 (20病変)の内訳

1 74 仙骨部 13 解離性大動脈癌 2 78 仙 骨部 16 回腸癌

3 72 仙 骨部 10 大腸癌

4 72 仙骨部 8 冠動脈バイパス術後 5 76 右鍾部 2 膜耽がん

6 501 背部 3 後腹膜脂肪 肉腫 仙 骨部 5

7 71 左大転子 5 肝門部胆管癌 8 75 仙骨部 13 解離性大動脈痛 9 75 仙骨部 2 心筋炎

10 61 腎裂部 4 胆嚢癌

仙骨部 7

11 71 仙骨部 5 卵巣癌手術後 12 79 仙骨部 13 解離性大動脈痛 13 88 仙骨部 7 心不全

14 64. 右背部 8 解離性大動脈痛 15 73 仙 骨部 8 肺炎

16 83, 仙 骨部 6 肺炎 ・心不全 17 68 仙骨部

左鍾

脊髄腫癌

2‑ 3割以下 の摂取 に とどま って いた (4). 栄 養 補 給 の 内 容 は ア イ ソ カ ル ジ ェ リ ー66g

(ISOCAL:80kcal, たんぱ く質4.0g, カル シ ウム200

mg,鉄7.0mg,亜鉛7.0mg)の投与11名 , 卵料 理 追 加 3 名,主 食 の変更3名等 で あ った (4).

また栄 養補給 の継続 期 間 は,初診後1週 間で死亡 し 1例 を除 き16例 で1か ら15週 間 (平 均5.4週)であ っ

152

た (3). この うち栄養補給 開 始 後 よ り2週 間 で裾 癒 が治癒 した症例5を呈示 す る.

症例5 :76歳男性,勝朕癌

勝眺癌手術7週後 に仙骨部 に重傷 度2 [DESIGN : 裾癒経過評価用 (3)2,3)]の裾癒 を認 め た. 栄 養 補 給 開始 時 の摂取状況 は,歯 の状態 が悪 いためか主 食 は ど うにか食 べ られ るが副菜 はあ ま り食 べ られ な く摂 取

秋田大学医学部保健学科紀要 11 2

(3)

EBLL2

3.DES IGN (裾癒経過評価表)

カルテ番号 ( )

患 者 氏 名 ( ) I 日 時 / / / / / /

Depth深さ 創内の‑番深い部分で評価し、改善に伴し噴底 が浅くなった勢合、これと相応の深さとして評価する

l

d ll

0

皮 膚 損 傷 .発 赤 な し D lll3 皮 下 組 織 ま で の 損 傷 1 持 続 す る 発 赤 4 皮 下 組 織 を 越 え る 損 傷

2 真 皮 ま で の 損 傷 5 関節腔、体腔に至る損傷または、深 さ判定が不能の場合

EXdate溶出液

I

e ll

0

な し E 3 多量 :12回以上の ドレッシング交換を要する 1 少量 :毎日の ドレッシング交換を要しない

2 中等量 :11回の ドレッシング交換を要する

size大きさ 皮膚損傷範囲を測定 ‥[長径(cm)×長径 と直交す る最大経(cm)]

S 0 皮 膚 損 傷 な し S 6 1 0 0以 上

1 4未 満

2 4以 上 16未 満 3 16以 上 3 6未 満 4 3 6以 上 64未 満 5 64以 上 1 0 0未 満

nflammation/Ⅰnfection炎症/感染

1

0

1 局 所 の 炎 症 徴 候 な し局所の炎症徴候あり偵順l園の発赤動長、熱 感、細 動 23 局所の明 らかな感染徴候あ り (全 身 的 影 響 あ り (発 熱 な ど )炎症徴候、膿 .悪臭な ど)

Granulation 肉芽形成

g 0 治癒あるいにが浅いため肉芽形成の評価が出来ない llGl 3 良性 肉芽が、創 面の10%以上50%未満 を 占め る 1 良性 肉芽が、創 面の90%以上を占める 4 良性 肉芽が、創面の10%未満 を占める 2 良性 肉芽が、面の50%以上90%未満 を占める 5 良性 肉芽がまった く形成 されていない

Necrotictissue壊死組織 混在している場合は全体的に多い病態を持って判断する

n 0 壊 死 組 織 な し N 1 柔 ら か い 壊 死 組 織 あ り

2 硬 く厚 い 密 着 し た 壊 死 組 織 あ り

pocketポケット 毎回同じ体位で、ポケット全周(潰痴 面も含め)[長径(cm)×短径(cm)から潰癌の大きさを差 し引いたもの

i l記 載 せ ず l‑P 1 4未 満

2 4以 上 16未 満 3 16 以 上 3 6未 満 J4 ■3 6以 上

部 位 (仙 骨 部 、坐 骨 部 、大 転 子 部 、軽 部 、 そ の他 )

御中JrrEh符叫\罰務細CCL光琳Jt=8

(4)

(56) 長 谷 川 由 紀 子 / 院 内 裾 癒 患 者 に対 し栄 養 補 給 を 行 った症 例 の 検 討

4.栄養補給の内容 と祷唐の転帰

症例 食穫 初診時の 栄養補給内容 補給期間 (鳶) 禰虚の転帰

食事摂取状況 卵料理付加 Tイ伽 シ'Z')h加 そ?也

1 腎不全食、並食 主食半量 ・副菜少量 半熟卵 ・卵豆腐 ヨーグルト 15 治癒

2 全粥食 主食半量 ・副菜少量 半熟卵 3 悪化転院

3 三分粥食 2割程度 + あまり食べない 2 治癒

4 腎不全食、五分粥食 3割程度 + 刻み状態にとろみをつける 3.5 改善転院

5 全粥食 主食 ・汁 ・牛乳だけ + 2 治癒

6 流動食、五分粥食 そのときによる + 8 治癒

治癒

7 全粥五分菜食 ほとんど摂取しない + 頬 ・パンに変更 8 治癒

8 糖尿食 歯がなく食欲がない 適 ・全粥対応 して食欲あLJ 3.5 改善退院

9 五分粥食、全粥食 とろみで半量 むせるので全粥とろみ にする 2 治癒

10 並食 にぎり + 6.5 治癒

不変退院

11 五分粥食、全粥食 7割程度 、魚嫌い + 4.5 治癒

12 全粥食 5割程度 ヨーグルト 6 治癒

13 全粥食 5割程度 + きざみ 6 治癒

14 高血圧食 6割程度 + 1 治癒

15 並食 2割程度 半熟卵 + ぎ り 10 治癒

16 糖尿食 8割程度 禁止.パン 5 治癒

17 並食 2ロ程度 + <1 不変死亡

不変死亡

5.栄養管理表 (症例5)

月 日 118 1111 1114 1119

(cm) 161.5

重 (kg) 50.3 50.3 45.6 43.5

BMⅠ(kg/m2) 19.3 19.3 17.5 16.7

ALB (?/dQ) 2.7 3.1 3.8 3.9

TP(?/dC) 5 5.7 6.8 7.3 CRP(mg/dC) 5.5 4.4 3.3 2.6

'&BCLHb(g/dl) L 9 .08.4 9.6.01 ...9.5 9.6.15

全 粥 食 全 粥 食 全 粥 食 全 粥 食

食 事 摂 取 状 況 歯 が 悪 く主 食 汁 .牛乳だけ 摂 取 率70%

栄 養 状 態 改 善 計 画 アイソゾエー付加

50%程度であ った.血清 アルブ ミン値2.7g/dC, 紘 蛋 白5.0g/dC, CRP5.5mg/dPであ った. そ こで毎昼 食にアイソカルジェリーを投与 したところ, お い しく食 べて もらった.摂取率 も除々に上昇 して70%程度 とな り,栄養補給 を開始 して2週間で裾癒 は治癒 した. こ の間の血液生化学検査成績 を示す (5). 血清 アル ブ ミン値,総蛋 白は増加 し,CRP値 は減少 していた.

2.血液 ・生化学検査成績

栄養補給前 および栄養補給終了時の血液生化学検査 成績 を示す (1,2).

栄養補給終了 の理 由は,治癒14例,転院 ・退院2例, 154

死亡1例である. また この栄養補給 の期間 は,1週間 以 内 に死亡 した1例 を除 け ば, 1週 間 か ら15週 間 (5.4±3.6週) であ った. 血清 アル ブ ミン値 は栄養補 給前2.8±0.4g/dP, 栄養補給後2.9±0.6g/dCで差 を 認 めなか った (1).

ヘモグロビン値 も栄養補給 の前後で差を認 めなか っ た. 白血球数 は栄養補給前7163±2306/〟 P, 栄養補 給後6475±3386/〟Bであ った (2).CRP値 も各 4.9±4.2mg/dP,4.6±5.5mg/dPで あ り, 栄養補 給 の前 後で差 を認 めなか った.血清 カル シウム値 は,栄養補 給の前後で測定 したが,すべて7.9‑10.0mg/dgの範 囲

秋 田大学 医学部保健学科紀要 11巻 2

(5)

長谷川由紀子/院内裾癒患者に対 し栄養補給を行 った症例の検討 (57)

図 1. 栄養指導前後 の血液生化学検 査成績 (1)

にあ った.鉄 ・亜鉛 は測定 しなか った.

次 に, アイ ソカル ジェ リーにて,栄養補給 を行 った 11例 に限 って,栄養補給前後 の血液 ・生化学検査成績 を示す.血 清 アル ブ ミン値 は栄 養補 給 前2.8±0.3g/

dP,補給後2.7±0.6g/dPで あ り, 同 じ くヘ モ グロ ビ ン値 は9.0±2.4g/dC,8.8±1.1g/dP, 白血 球 数 は 7580±2743/fLP,5952870/FEA, CRP値 は6.

4.4mg/dP,5.3±4.7mg/dCであ った. 白血球数 を除 き, 血清 アル ブ ミン値, ヘ モ グ ロ ビン値, CRP値 で は栄 養補給前後 で差 を認 めなか った.

3.裾癖 の転帰

裾癒 (17症例)20病変 の転帰 を示 す (4). 治癒 したのが14病変,改善 中転 院 ・退院 したのは2病変で あ った.一方,不変転院 ・死亡 したの は3病変,悪化 転院が 1病変 であ った.次 に これ ら17症例 (20病変) に対 す る栄養補給 において,管理栄養士 が栄養改善 の 面 か ら関与 で きたとみなせ る群 と,殆 ど関与できなか っ た群 との2群 に分類 した. すなわち, アイ ソカル ジェ リーを付加 したがあま り食べて もらえなか った例 ( 3),主食 の変更 (症例8,16)や ヨー グル トの付 加 に とどま った例 (症例12), 1週 間以 内 に死 亡 した 例 (症例17)5 (6病変) を栄養改善 に殆 ど関与 で きなか った群 と し他 の12例 (14病変) を関与 で きた 群 と した. そ して,治癒/改善 中転院 ・退院群16病変,

6.裾癌 の転帰 と栄養改善 の面 か らの関与度

転帰 (病変数)関与できた 殆ど関与できなかった

(14) 11 3

̲簸董卓塵痩ニ不変転院 .死亡退旗 ((23)) l1 2l

秋 田大学 医学部保健学科紀要 11 2

2.栄養指導前後 の血液生化学検査成績 (2)

不変転院 ・死亡/悪化転院群4病変 と し,栄養改善 の 面 か らの関与度 との相関を検討 したか,裾癖 の転帰 と 栄養改善 の面か らの関与度 との間 に有意 な差 は認 めな か った (6).

裾癌 はさまざまな基礎疾患 を持っ人 が 自発的 に体位 変換で きない状態 にな ると発症す るものであ り, その 主因 は圧迫 による軟部組織 の虚血性壊死であ る. さ ら に, この裾盾 を生 じやす い全身的要因 として,低栄養, やせ,加齢,基礎疾患,薬剤 な どがあげ られている45). 特 に低栄養 につ いて は,低 アルブ ミン血症,貧血,微 量元素 (秩,亜鉛) の不足 な どによって裾癌 が発生 し やす くなるとともに,創傷治癒が遅 れ ることが報告 さ れている46).そ こで我 々が院内の裾癒対策 チームの一 員 と して栄養補給 を行 った裾癒患者17名 につ いてret rospectiveにその成績 を検討 した.

まず栄養補給の内容 については,アイソカルジェ リー の投与 を最 も高頻度 に行 った. アイ ソカルジェ リーは ミックスフルーツ ・ス トロベ リー ・マスカ ッ トの3 類があ り,1個 あた り, エネルギー8()kcal, たんぱ く 4.0g, カル シウム,秩, 亜鉛 を含 有 して い る. 忠 者 の好 みに応 じて投与 で きること,食品 なので医師の 処方 な しで投与 出来 ること,亜鉛 を比較的多 く含んで いることなどが特徴である. また卵料理 は半熟卵,卵 豆腐等 を患者 の好 みに応 じて調理 し毎 日1回食べてい ただいた. 卵 は1 (50g)あた り, エネル ギ ー76 kcal, たんぱ く質6.2g,脂肪5.2gを含 有 す る良 質 の 栄養源であ り, かつ,秩,亜鉛 な どの微量元素 も含ん でいる. これ らの補給 に対 し大多数 の患者で はうま く 摂取 していただけたが,食欲がな くあま り食べて もら えなか った例 (症例3)や早期 に死亡 され十分 な期間

155

(6)

(58) 長谷川由紀子/院内裾癒患者 に対 し栄養補給を行 った症例の検討

補給 で きなか った例 (症例17)もあ った.今後 は患者 の摂取状況 を把握 し,今 まで以上 に,患者 の好 みや食 欲 に応 じた きめ細 やかな対応が必要であると考えてい る.

客観 的な栄養状態 の指標 として,血清アルブ ミン値, ヘモ グロ ビン値 を栄養補給 の前後 で測定 した. この う ち,血清 アル ブ ミン値 は補給前2.8±0.4g/dP, 補 給 2.9±0.6g/dCで あ り変 化 は認 め られなか った. ま た, アイ ソカル ジェ リーを補給 した11例 に限 って も, 血清 アル ブ ミン値 は,栄養補給前後で差 を認 めなか っ

た.荒川 ら7)は,介護老人保健施設 にい るプ レーデ ン スケール16以下 の裾癒‑ イ リスク入所者 に対 し,CZ‑

Hi(ク リニ コ㈱) に よ る1200kcalの栄 養補給 を4 週 間行 い対照群 と比較 した.栄養補給群 (17例)で は 対照群 (16例) に比べて,栄養補給 によ り血清 アル ブ ミン値 が増加 した こと,赤血球数 は不変であったこと, 裾癒 の発生 は栄養補給群 で1例,対照群で は認 め られ なか った ことよ り,1200kcalの栄 養補給 は血清 ア ル ブ ミン値 の改善 には寄与す るものの裾癖 の発生率 に は影響 しない と報告 した.荒川 らの対象症例 と比較 し て,我 々が対象 と した症例 は,多 くが手術後 の異化期 にあ ること,経 口摂取 が不十分 の もの も含 まれている こと等 の理 由で栄養補給 の効果 は得 に くい可能性があ ると思 われたが,今後 は栄養補給 の内容 を充実 し,捕 給 す るエネルギーを現行 の2‑ 3倍 に増量す る方向で 検討す る必要 があると考 えている. また,裾癒 の治 療 には,栄養管理 のはか に局所管理,減圧 ・除圧管理 が重要 であ る.栄養改善 の面か ら有意 な差 は認 め られ な くて も,裾癒が治癒 している例 につ いては,体圧分 散寝具 の使用等局所 の管理 が奏功 した もの と考 え られ

る.

また微量元素 につ いて,1日の必要量 と してカル シ ウム600mg,鉄15mg,亜鉛15mgと報告 されている4).

156

今回の対象症例で は,血清 カル シウム値 は全例 が ほぼ 規準値 内であったが,鉄や亜鉛等 は測定を していなか っ た.今後 は初診時 に これ らも測定す ることでその欠乏 を早期 に発見 し,適切 に補給すべ く努力 を したい.

管理栄養士が裾癒対策 チームの一員 と して,栄養補 給 した17症例20病変 について,栄養補給 の内容,血清 アル ブ ミン値,裾癖 の転帰 を検討 した.20病変 中,14

病変 で治癒 し,他 に改善 中に転院 ・退院 とな った もの 2病変 あ った. しか し,血清 アル ブ ミン値 は栄養補 給 の前後で改善 していなか った.今後 さ らに,補給す るエネルギー ・たんぱ く質及 び微量元素 を増量 す る必 要 があると思 われた.

1)松浦明子,岡村美鈴,井上邦夫 :裾癒チーム医療構築 の試み.臨床栄養99:33‑40,2001

2)森 口隆彦,宮路良樹,真 田弘美他 :DESIGN」 一裾 癒 の新 しい重傷度分類 と経過評価のツール. 日本裾癒 学会誌4:1‑7,2002

3)真 田弘美,徳永恵子,宮地良樹,大浦武彦,森 口隆彦 , 中候俊夫,福井基成 :DESIGN 裾癒アセスメン トツー

ルとしての信頼性の検証. 日本裾癒学会誌4 :8‑12. 2002

4)美濃良夫 :裾癒予防のための栄養管理.看護技術42:

24‑29,1996

5)美濃良夫 :内科領域における裾癒の成因と管理.メディ カル ・ビューポイ ン ト15:7,1994

6)足立香代子 :栄養の整えは裾癒 のケアを変え るか ?.

臨床看護27:13521358.2001

7)荒川千軟,福田春枝,石川冶他 :裾癒予防 における栄 養補給 の有効性 の検討.裾癒会誌4:379383,2002

秋田大学医学部保健学科紀要 11 2

(7)

長谷川由紀子/院内裾癒患者 に対 し栄養補給 を行 った症例の検討 (59)

TheEffectofNutritionalSupplementationonHospitalizedPatientswith PressureSores

YukikoHASEGAWA',MiyokoOKADA',NorikoTAKAHASHI' NorikoSATO書,MitsukoKoDAMA‥,ChizuruKAMIYA書目

YoshihiroAsANUMA" '

*NutritionSupportService,AkitaUniversityHospital,

**DepartmentofNursing,AkitaUniversityHospital

***CauseofNursing,SchoolofHealthSciences,AkitaUniversity

Weexaminedtreatmentof17casesofpressuresoresinhospitalizedpatientsbytheNutritionSupport Serviceaspartofapressuresorepreventionteam betweenAugust2002andApril2003.Ofthe17patients, themale/femaleratipwas13/4,meanage72years,andallsufferedfrom seriousdiseasessuchaslna】ignancy, heartfailureoraorticaneurysm・13outof17receivedsurgeryjustbeforethePurvey・

Therewere20pressuresorelesionsamong17patients.Oftheoutcomeofthese20lesions,14】esionswere cured,2improvedandthepatientdischarged,3Wereunchangedandthepatientdischarged,orthepatient died,1deterioratedandthepatientwasdischarged.

Withrespecttothecontentofnutritionalsupplements,ISOCAL66a0raboiledeggwassupplementedfor 1to15weeks(mean5.4weeks)inadditiontotheregularmeal.Afterthesenutritionalsupplements,serum albuminincreasedandpressuresoresimprovedabruptlyinsomecases.However,asawhole,theserum albu‑

minlevelaveraged2.9±0.4g/dPbeforenutritionalsupportand2.9±0.6g/dPaftersupport,andHbaveraged 9.3±2.0a/dP,and9.2±1.2a/dB,respectively,indicatingthatnoincreasewasobservedstatisticallyinthese2 parametersthroughnutritionalsupplementation.Although16outof20pressuresorelesionswerecuredor improvedclinically,itispresumedthatthecaloricvalueofthesupplementshouldbedoubledortripledtoim‑

provethenutritionalconditionofpatientswithpressuresores.

秋 田大学 医学部保健学科紀要 11巻 2 157

参照

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