学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2014 年 1 月 22 日(水)
報告番号: 甲 第 1615 号 氏名: 大久保 秀紀
論文審査
担当者 主査 教授 土田 明彦 印
副査 教授 田渕 崇文 印
副査 教授 池田 徳彦 印
審査論文の題目:
Prediction of non-biochemical recurrence rate after radical prostatectomy in a Japanese cohort: Development of a postoperative nomogram
(日本人における前立腺全 摘除術後の生化学的非再発率の予測:術後ノモグラムの作成)著 者:
Hidenori Okubo, Makoto Ohori, Yoshio Ohno, Jun Nakashima, Rie Inoue, Toshitaka Nagao, Masaaki Tachibana
掲載誌:
International Journal of Urology (in press, 2013)
論文要旨:日本人コホートにおける前立腺全摘除術後の生化学的非再発率を予測するために、東京医科大学病院 で前立腺全摘除術および骨盤リンパ節郭清を施行されたT1-3N0M0前立腺癌の計606人について、術前 PSA値および前立腺全摘除術標本の病理学的因子の生化学的非再発率の予測能をCox hazard回帰分析 で検討し、その結果に基づいてノモグラムを作成した。Concordance index (C-index)によってノモグラ ムの予測能力を評価し、予測された非再発率と実際の結果について、bootstrap法によるキャリブレーシ ョンにより比較した。平均観察期間60.0ヵ月のうち、計187例(30.9%)に生化学的再発が起こり、5 年生化学的非再発率は72.3%であった。Cox hazard回帰分析に基づいて、血清PSA値と前立腺全摘除 術標本の病理学的因子を用い、生化学的非再発率を予測するノモグラムを作成した。C-indexは0.77で あり、キャリブレーションは良好であった。以上の結果から、本研究で検討された術後ノモグラムは,
個々の生化学的非再発率を正確に予測することにより、根治的前立腺全摘除術後の術後補助もしくは術 後救援放射線やホルモン療法の必要性に関して価値ある情報を提供することができると考えた。
審査過程:
1.前立腺癌の術後ノモグラムの意義について適切な説明がなされた。
2.術後ノモグラムの評価項目の選定について適切な説明がなされた。
3.手術標本の病理組織学的評価法について適切な説明がなされた。
4.前立腺癌の再発形式について適切な説明がなされた。
5.術前PSA値と術後再発との関連について適切な説明がなされた。
6.他の同様の研究報告との違いについて適切な説明がなされた。
7.本研究結果に基づいた臨床応用の可能性について適切な説明がなされた。
8.本研究結果を検証するための前向き研究について適切な説明がなされた。
価値判定:
本研究の結果、個々の患者の生化学的非再発率を正確に予測することが可能となり、根治的前立腺全 摘除術後の補助療法の必要性に関して価値ある情報を提供できることが示され、学位論文としての価値 を認める。