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ソ》配グ病院医療と在宅医療

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Academic year: 2021

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東医大誌 69(1):1−2,2011

   ・げ畷・

ソ》配グ

病院医療と在宅医療

東京大学高齢社会総合研究機構教授 東京医科大学医学総合研究所客員教授

辻 哲 夫

Tetsuo TSUJI

 未曽有の高齢化に伴い医療に求められるものが今大きく変容しつつある。

 後期高齢者が2005年から2030年にかけて1,100万人から2,200万人へと都市部を中心にして倍増する。

これに伴い年間死亡者数も急増するが、注目すべきはその年齢構成である。1965年頃は死亡者のうち3分 の2が75歳未満のいわば若死にであったが、それが現在は3分の1であり、2030年には4分の1となる。

一方、死亡年齢の最頻値は現在男子85歳、女子90歳であり、要するに、大部分がいわば天寿を全うし、

しかもその大部分は、虚弱な期間を経て病院で亡くなっている。多死社会の到来に伴い、虚弱な期間を経 て死に至る過程における生活の在り方が社会の問題として問い直されるであろう。

 これまでの医療は、端的に表現すると臓器の治療を通じて「死と戦う」ということを中心においてきた といえるが、以上のような状況の変化の下で、それに加えて、「最期までその人らしい生活を支える」とい う方向へ、その座標軸を移すことが求められている。

 具体的には、臓器別医療を基本として病院を中心に展開するいわば病院医療の体系に加えて、多くの他 職種と連携して最期まで生活の場で全人的に診る在宅医療の体系の急速な展開が必要となっている。それ が進まなければ、病院も都市部ではいわば津波のように押し寄せる後期高齢者の下で急性期の医療を必要

とする患者を受け止めきれなくなり、医療システムそのものの危機に陥ることも懸念される。

 このため、在宅医療の普及を含めた総合的な医療介護政策の思い切った展開とともに、在宅医療を担う 家庭医、総合医の大幅な拡充を視野においた大学教育が必要であるが、今後20年が正念場であるのでそれ だけでは間にあわない。東京大学高齢社会総合研究機構では、在宅医療を速やかに普及するため、千葉県 柏市を拠点として、多くはこれまで病院を中心として臓器別の専門医として育てられてきた地域の開業医 を対象とするオンザジョブでの在宅医療の研修を実施するべく、在宅医療の実習と多職種連携の演習を中 心とする実践的なプログラムを開発中である。これを全国に普及するための最大の課題は、在宅の実習現 場と実習指導医の確保である。このことが、病院医療関係者を含めて全医療界の課題として受け止められ

ることを切に願う。

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東京医科大学雑誌

第69巻 第1号

略 歴

哲夫(つじてつお)TSUJI, Tetsuo

東京大学高齢社会総合研究機構 教授 1971年  東京大学法学部卒業 1971年  厚生省(当時)入省 1986年

1988年 1990年 1992年 1994年 1996年 1998年 2001年 2002年 2003年 2004年 2006年 2007年 2009年

厚生省社会局老人福祉課シルバーサービス振興指導室長 厚生省社会局老人福祉課長

厚生省保険局国民健康保険課長 年金福祉事業団資金運用事業部長 厚生省保険局企画課長

厚生省大臣官房政策課長

厚生省大臣官房審議官(医療保険、健康政策担当)

厚生労働省年金局長 厚生労働省大臣官房長 厚生労働省保険局長 厚生労働審議官 厚生労働事務次官 退官

東京大学高齢社会総合研究機構i教授 専門/研究テーマ/関心のある分野

社会保障政策、高齢者医療ケア政策

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