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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

氏 名: 溝口 優

論文題目: 小児における医薬品の誤使用防止を目的とした包装に関する調査 と提言

溝口優氏から提出された本論文は、小児における医薬品の誤使用を防ぐための包装技術;

Child Resistance technology(以下CRと略す)の我が国における規格法制化に向けた研究 である。親が服用している医薬品を小児が誤使用したことによる死亡事故が、過去に年間 数百件発生していた米国では、既にCR包装の規格が法制化され、事故件数の大幅な減少を 達成している。我が国でも、日本中毒情報センターに年間8千件近くの小児の医薬品誤使 用に関する問い合わせが寄せられているものの、CR包装の規格法制化には至っていない。

米国のCRでは、小児の身体的特性や識字能力などが利用されているが、我が国の小児と異 なる可能性が高く単純に米国のCRを導入することは出来ない。本論文では、我が国の3~

6歳の幼稚園・保育園児を対象に身体的特性および識字能力等CRにおける基本情報に関す る調査結果をまとめ、CR規格の法制化を提言するものである。

まず、薬という文字の識字および飲用目的の理解を調査しCR対象年齢を推定している。そ の結果、我が国におけるCR対象年齢は、欧米の生後42~51ヵ月と異なり、生後48~60 ヵ月とすることが妥当であるとの結論が導かれている。更に、米国で用いられている手指 の大きさや筋力、複雑動作、ハサミの使用能力および識字能力を利用した実際のCR包装容 器を用い、その有効性の検討し情報を得ている。その結果、本邦においては、手指の大き さや筋力といった身体的特性を利用したCR包装がより広範囲な年齢の小児に適用できる 可能性を示唆する結果が示されている。

以上の通り、本論文は欧米では既に対応がなされている小児における医薬品の誤使用の問 題を我が国において顕在化させ問題提起するものであり、かつ、CR規格の法制化に向けた 基本的な情報とその方向性を提言するものであり、その価値は高いと考える。

論文としての様式および構成は、十分に整っている。溝口氏は大学院在学中の 4 年間にお いて専門的な知識・技能・態度に研鑽を重ね、CR 研究領域における研究力、科学的洞察力 とリーダーシップ、社会に貢献できる十分な能力を身に着けたと判断した。また、今後も 生涯にわたり自己研鑽を積むことができる資質を有するに至ったと認められた。 博士論文 審査および口述試験、大学院 4 年間の研究態度を総合的に検討した結果、審査員全員一致 で溝口優氏は博士(薬学)に学位を授与する結論に至った。

主査(職・氏名)教授 太田篤胤

参照

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