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農業構造の変化と保障需要

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(1)

農業構造の変化と保障需要

アンケート調査結果を用いた稲作農家の保障ニーズ分析

渡 辺 靖 仁

■アブストラクト

本稿では,生産能力の持続可能性が懸念されている日本の水田農業の現状 を示し,アンケート調査の個表を用いて稲作農家の保障需要の傾向を分析し た。農村保障市場は寡占的な競争市場である。米販売額の減少はもちろん稲 作農家の保険料・共済掛金支出額の減少をもたらす。その減少率は,農協共 済よりも,生保・損保・簡保の順に高い。一方,規模拡大を志ざす稲作農家 では,経営リスクをカバーする補償需要は高まる。このように稲作農家をめ ぐって縮小する市場がある半面,新たに生まれる市場の可能性を指摘した。

■キーワード

寡占的農村保障市場,水田農業の弱化,相互依存性

1 課 題

日本の水田農業は,農業者の高齢化と後継者不足によって生産力の持続可 能性に疑義が呈され,その再建を迫られている。水田農業の担い手である稲 作農家は言うまでもなく農協組織の組合員と重なり,その人口数において農 村保障市場の大きな割合を占めてきた。また,農村保障市場は寡占的な競争 市場であり,農家はそれぞれの保障需要に応じ,生命保険会社(以下 生 保 とする)・損害保険会社(以下 損保 とする)・かんぽ生命保険(以下

*平成23年9月9日の日本保険学会関東部会報告による。

/平成24年1月20日原稿受領。

(2)

簡保 とする)からの保障提供を受けている。本稿の課題は,この水田農 業の弱化が農村保障市場に及ぼす影響を検討し,今後の保障ニーズの動向を 探ることにある。

2 農業構造の動向と水田農業の特徴

1980年に約400万戸あった稲作農家は2005年農林業センサスでは196万戸と 25年間で半減した。2010年農林業センサスによれば,稲を作った田のある経 営体数は約135万戸である。この統計では,農業就業人口が260万6千人と,

前回調査の05年に比べて74万1千人(22.3%)減少した。その平均年齢は前 回から2.6歳上がって65.8歳となり,高齢化が著しい。

この状態をして,農業が保護されているために産業としての魅力が薄れて 新規参入が進まない証である,という主張がある。しかし一方,むしろ農産 物市場が国際的には開放され土地など資源賦存条件の良い国から輸入された 安価な農産物のほうを国内の消費者・加工業者が選好することから,農産物 の国内における生産誘因が消失した結果である,新規就農の誘因に乏しい,

という主張も可能である。欧米主要国は多額の補助金により自国農業を維持 している。ところが日本は,先進国でみると異例といってよいほど農業に対 する保護水準が低い(例えば鈴木2005)。現在の70歳代にピークがあるとい う農業従事者の異例な年齢構成は,農地改革という制度変更に加えてこうし た異例な保護水準の低さが惹起した結果であろう。

この新規就農の少なさにより,全国の半数強の水田集落で,農業を主とす る65歳未満の農業者がいない 。また,稲作を主とするいわゆる主業農家の 割合は水田農業全体の約4割である。これは他の作物の専業割合が8〜9割 であるのに比べて突出して少ない。

農地もまた,転用と耕作放棄などによりこの半世紀で全農地の25%に相当 する約150万 が失われた。耕作放棄地は約40万 にのぼる。その理由は高 齢化・労働力不足が最も大きい。農業用水を供給する設備の劣化も著しい。

1) 農水省2011実現会議資料による。以下の本項の実態を示す値の出所も同じ。

(3)

田の25%,畑の18%の水利施設が整備後40年を経過している。

米の消費量は,1955年度から2005年度の間に0.55倍に減少した( 食料需 給表 (農水省))。需要減から米価も概ね低下傾向にある。近年では生産費 を割り込むほど販売価格が下落している。

国内の食料供給力の基本は,農地と農業用水と確かな技術を備えた人材 である。(生源寺2011)。しかしながら水田農業は,すでに示したとおりこ の3つのいずれもその将来を懸念せざるを得ない状況にある。限られた新規 参入は結果として水田農業の担い手の高齢化を招いた。現在の年齢構成を見 ても,稲作の継続可能性は危機的状況にあると考えられる。

もちろん農政は,その効果に議論があるもののこのような事態を一定の範 囲で見越した政策が展開されていた。この課題では充実した研究があるので 詳細はそちらに譲る(例えば生源寺2007・鈴木2010)。ここでは,産業とし ての農業の再編と構築を目的とした農業構造の変更の方向は,すでに1992年 に 新しい食料・農業・農村政策の方向 (農林水産省)として提案されて いたことをあえて指摘しておく。

3 稲作農家の保障需要

⑴ 分析の手順

前節でみた水田農業の弱化は,農村保障市場にどのような影響を及ぼすで あろうか。その分析の手法は様々あるが,本稿では,稲作農家を対象に,そ の保障需要の量的・質的変化の解明を試みる。保障需要の代理変数として農 家の共済掛金・保険料支出額を当てる。まず,利用可能なアンケート調査の 個表データを用いて,稲作農家がどのような要因でどれだけ保険・共済に加 入しているかを計量的に明らかにする。次に水田農業の弱化を需要減による 米価下落ととらえ,これによって稲作農家の米の販売収入が減少するとき,

その農家の保険・共済加入の水準にどう影響するかをみる。また,稲作農家 の将来の経営意思決定と保障需要との関連も分析の対象とし,保障(補償)

需要の質的変化の有無を検討する。

(4)

⑵ 先行研究

本稿が対象とする農家のようないわゆる家計の保障需要の分析では,一国 の投資の源泉となる家計の貯蓄性向を計測する観点から,予備的動機・遺産 動機・貯蓄動機による加入行動を把握するため,民間保険にどのような保険 料水準で加入するかという研究が多かった。死亡時点の不確実性を考慮した 保険需要モデルを用いて遺産動機と保険の関係を考察した研究は,Yaari 1965,Fisher1973,Bernheim 1991などの系譜があり,多数の実証研究が 蓄積されている。これらの研究は遺産動機を組み込んだ貯蓄と保険の需要関 数を導き,この動機の計測により,家計の貯蓄・保険加入行動が,王朝モデ ルとライフサイクルモデルのいずれが適合するのかを検証しようとする。こ の分野の先行研究は,2000年までのものは渡辺2001でサーベイしている。

岩本2003は保険需要を⑴遺産動機・貯蓄動機という動機面からみた接近と

⑵対リスク管理・資産形成という機能面からみた接近というふたつに分類し て先行研究を整理している。近年のライフサイクル仮説より見た保障需要関 数の導きとその先行研究は,家計調査データの個表を用いて勤労者世帯の保 険料支出水準を分析した福重2009に掲げられているので詳細はそちらに譲る。

原2010は 平成19年度生活保障に関する調査 (生保文化センター)の個表 を用いて家計の個人年金保険の加入行動と潜在需要を推計している。これら は生保に関する分析が中心である。

簡保の加入状況を含めた研究では大倉ほか2006がある。林2005は保障ニー ズを医療保障・死亡保障・老後保障・介護保障に分け各々における公的・私 的保険の選択行動を,ニューラルネットワークを適用して分析している。

これらの研究は一般の生活者を対象にして分析しており,いずれも農家に 焦点をあてたものではない。農協共済を含めた農家の保障ニーズの分析は,

家計リスク観と保障需要を取り扱った渡辺1998が最も早い。しかしこの研究 には経営リスクと保障需要という観点は欠けていた。農協共済は主として家 計リスクをカバーするものであることに加え,農家の零細性による経営リス クと家計リスクの未分離の状況を踏まえた研究だったからである。なお,渡

(5)

辺2011は本稿の計量分析と同じデータを用いて稲作農家・酪農家の農協共済 掛金支出額関数を推計しているが,本稿で取り上げた生保・損保・簡保の保 険料支出額の推計は行われていない。

⑶ 本稿の特色

本研究では,⑴稲作農家に対象を限定して独自のアンケート調査結果を用 いて保険料・共済掛金の支出額を推計し,農協共済・生保・損保・簡保の共 済掛金・保険料支出額関数を得たこと,⑵農家における,すでに蓄積のある 家計リスク観の研究ではなく,経営リスク観もしくはこれに影響を及ぼす要 素による補償需要を検証したこと,さらに⑶将来の規模拡大の意向といった 経営意思決定のタイプと保障需要との関連を

Bayesian Network

を用いて より詳細に分析したことが,先行研究にはないユニークな点である。

⑷ モデル

本稿では,まず,経営体としての農家の特徴が,共済・保険の加入状況に どのような影響を及ぼすのかを見る。経営リスク観別もしくは経営タイプ別 の保険料・共済掛金支出額の推計と考えてよい。稲作農家の保険料・共済掛 金支出額関数は,各業態の保険契約の未加入者も一定の割合でいることから,

標準型

Tobit

モデルによった。個人の効用関数から保障需要関数を導き,

これを実証分析に親しむ線形方程式に変換するのは,福重2009などにあると おりでありここでは繰り返さない 。

次に,経営意思決定タイプと保障需要との関連をより詳細にみるために,

利用可能なデータを活用し,回帰分析では必ずしも把握できない3以上の要 素間の相互作用を検証する。意思決定の分析に有用な

Bayesian Network

を用いて将来の規模拡大の意向と保障需要の傾向を把握した。利用可能なデ

2) なお,Type2

Tobitは,農協共済に対して9割加入などから,バイアスが

認められなかった。生保・損保・簡保については,加入関数と支出額関数でそ もそも有意な結果が乏しく差異が認められなかった。

(6)

ータによる変数の関連を検証し,意思決定の確率モデルを構築している。

⑸ データ

本稿で用いたデータは,農家の保障ニーズの把握を目的として農協共済総 合研究所が行ったアンケート調査である。調査対象農家の選定は,層化2段 による無作為抽出と機縁法の併用によった。まず,全国の都道府県から一定 数の農家を選択する。業種は稲作と酪農であるが,本稿の分析では稲作のみ を対象とする。都道府県別の選択数は,北海道30戸(うち稲作20戸),都府 県各4〜6戸(稲作3〜5戸)である。農家数の幅は都府県の農家数割合を 考慮している。各都道府県の代表的農村地域を3〜5つ選び,その地に駐在 する調査員を通じて農家を選定した。調査の手法は調査員による訪問面接法 である。本調査は同一サンプルに対して6年間継続実施されている。本稿で は2009年11月に行われたものを用いた 。148戸が分析対象となった。

4 稲作農家の保険料・共済掛金支出額関数の推計

⑴ モデルの変数

標準型

Tobitモデルによる稲作農家の保険・共済加入状況の推計について

述べる。被説明変数・説明変数の基本統計量を表1に掲げた。

1)被説明変数

被説明変数は,農協・生保・損保 ・簡保のそれぞれの保険料・共済掛金 支出額を当てた。本稿ではこの業態ごとの支出額を保障需要の代理変数とし て用いる。農家の保障需要が高ければリスクをカバーするために高額の保険 契約に加入するという前提である。ただし,死亡保障・介護などの生存保 障・入院保障などの保障分野ごとの支出額もしくは保障金額は得られていな い。業態ごとの支出額のみを扱っている。こうしたデータの制約から,厳密 な意味での遺産動機・貯蓄動機による保障需要関数の導出は実施できなかっ

3) 本調査の経年変化の概要は渡辺2011

a

を参照。

4) 農業共済の任意契約の火災保険料も含む。

(7)

た。今後の課題としたい。

各業態への契約に加入しているか否かが 生保加入ダミー ・ 損保加入ダ ミー 。 簡保加入ダミー ・ 農協共済加入ダミー である。加入の有無を判 断する変数として設けた。各業態への契約に加入している場合に,保険料・

共済掛金の支出水準を表す変数が 生保支払い保険料 ・ 損保支払い保険 料 ・ 簡保支払い保険料 ・ 農協共済支払い保険料 である。支出金額は,

調査票では階層に答える質問としている(表2)。回帰分析で用いる変数で は,各階層の中間値の値を挿入した。ただし最大階層は250万円としている。

表2 支払い保険料・共済掛金(2009年)%

1)生命保険 2)損害保険 3)簡易保険 4)農協共済 1.10万円未満

2.30万円未満 3.50万円未満 4.80万円未満 5.100万円未満 6.150万円未満 7.200万円未満 8.200万円以上

9.保険・共済は加入していない 無回答

15.0 18.2 12.6 8.9 8.4 4.7 1.4 2.8 24.3 3.7

20.6 28.0 12.6 2.3 3.7 0.5

0.5 28.0 3.7

18.7 16.8 11.7 3.7 4.2 0.9 0.9 0.9 38.3 3.7

14.5 22.4 16.8 10.7 11.2 7.5 4.7 4.7 5.1 2.3 標準偏差 平均値 最大値 最小値

0.472 1.893 0.487 0.485 888.724 0.284 0.464 0.382 0.274 0.213 0.459 0.472 0.499 0.284 45.945 28.406 31.523 56.926 1133.835 0.284 0.294 0.24 0.294 0.328 0.32 0.499 0.479 0.669 4.372 0.622 0.628 406.049 0.088 0.311 0.176 0.081 0.047 0.703 0.669 0.547 0.912 32.838 17.196 17.5 50.946 824.493 0.088 0.095 0.061 0.095 0.122 0.115 0.554 0.351 1 8 1 1 5160 1 1 1 1 1 1 1 1 1 250 250 250 250 4000 1 1 1 1 1 1 1 1 0 1 0 0 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 認定農業者ダミー

世帯人数(人)

農協共販ダミー 米直販ダミー 米販売額(万円)

米補助金を含めないと赤字 米補助金を含めても赤字 5年後規模拡大ダミー 5年後規模縮小ダミー 5年後廃業ダミー 生保加入ダミー 損保加入ダミー 簡保加入ダミー 農協共済加入ダミー 生保支払い保険料(万円)

損保支払い保険料(万円)

簡保支払い保険料(万円)

農協共済支払い保険料(万円) 預・貯金(万円)

保険料増加ダミー 保険料減少ダミー 預貯金増加ダミー 預貯金減少ダミー 一年リスク志向ダミー 山あいダミー 後継者がいるダミー 売掛金回収不能リスクダミー

表1 モデルの変数:記述統計量

(8)

2)説明変数

説明変数は,経営リスク観を中心とした質問群への回答結果を当てた。

生命系保障については,経営者保険があるとおり,経営リスク如何によっ て生命保険に加入し,経営者が病気や死亡によって機能しなくなったときの 会社経営への影響を緩和するための措置がとられることがある。また, 世 帯人数 を説明変数に入れた。これは主たる生計者が死亡したときの家計リ スクへの対応の基礎となる事情であるし,家族経営農家の場合には労働力が 経営規模に直結することから経営リスクの度合いを示すものとなる 。

このほか,特記すべき説明変数を解説する。

認定農業者ダミー は,制度の運用には批判はあるものの,農業の将来 の担い手として公共部門の審査を経たものであり,本人の農業経営への意思 を表すものとしては無視できない。 農協共販ダミー は,農協を通して米 を販売するか否かである。 米直販ダミー は,農家が直接米を販売するか どうかである。本調査結果の年次推移をみると,前者は年々その割合は低下 し,後者は年々増加している(渡辺2011

a

)。 米販売額 は,稲作農家の米 を売って得られた収入である。本来は農家所得を算出すべきところであるが,

データの制約で農家の収入に関する質問の回答割合がもっとも高い米販売額 とした。なお,交付された補助金は,すべての農家が得ていたわけではない ものの,この米販売額と高い正の相関が認められた。面積比例で交付される 補助金の場合,当然の結果であろう。5年後の経営意向を聞いた質問から,

5年後規模拡大ダミー ・ 5年後規模縮小ダミー ・ 5年後廃業ダミー の3つの変数を設けた。現状維持とする回答結果は除いてある。将来の経営 意向によって経営リスク観が大きく異なると想定されるからである。

預・貯金 は,世帯の預貯金合計額である。これも各階層の中間値を変 数の値とした。ただし最大階層は4000万円としている。米販売額と並んで,

5) きわめて大雑把な主張ではあるが,経営リスクと家計リスクを予備的動機・

遺産動機の有無と程度の一種と解釈する場合,この限りにおいて

yaariの系譜

に基づく保障需要のモデルと位置づけられると考えられる。

(9)

保険加入の余力を表す変数である。この一年間で世帯の支払保険料が増減し たかを聞いた質問から, 保険料増加ダミー ・ 保険料減少ダミー の変数 を設けた。同様に預貯金について 預貯金増加ダミー ・ 預貯金減少ダミ ー なる変数を設けた。金利感応度ないし金融リスク感応度としては, 契 約期間1年間の金融商品について,低利回り元本保証型か高利回り元本未保 証型のどちらを選ぶか という質問の回答結果を当てた( 1年リスク志向 ダミー )。この質問の回答結果は,期間が2〜5年の金融商品の同様の質問 ときわめて似通っていたので,金融リスク感応度を代表する変数とした。

農家の立地から, 平地ダミー ・ 山あいダミー の変数を設けた。中山 間地の立地を外している。言うまでもなく平地の方が経営条件は良好である。

農家に後継者がいるか否かを 後継者がいるダミー なる変数で表す。後 継者がいれば経営規模拡大志向になるなど,将来の経営に前向きの姿勢とな り,リスクを積極的に取る傾向が高まると考えられる。

稲作農家は都府県で兼業割合が高い。農業の家計収入に占める割合を 自 営農業収入割合 で表す。この割合が高いほど稲作専業のウェイトが高まる。

経営リスク観の変数として 売掛金の回収が心配 と思うか否か( 売掛 金回収不能リスクダミー )を当てた。この変数は, 不慮の事故による経営 者死亡経営不振 ・ 郵送保管中の事故による商品棄損 ・ 出荷情報管理ミ ス ・ 残留農薬などによる出荷後の賠償請求風評被害 ・ クレーム対応ミ ス などを心配するか否かの質問の回答結果と,ユールの連関係数で0.4〜

0.6の関連性の高さが見られた。このため,この変数を経営リスク観を代表 する変数とした。農家によっては直接販売をしていないために売掛金のない ところもあるが,ほかの経営リスクとの関連性が高いことから,より幅広く 経営リスクを代表する変数と位置づけている。

⑵ 推定結果と含意

標準型

Tobitモデルの推定は最小二乗法による。推定結果を表3に示す。

(10)

この表では約10%水準で有意な係数を持つ変数を掲げた 。

1)推定結果

農協共済掛金支出額では,認定農業者であり,世帯人数が多く,農協を通 じて米を販売していると,共済掛金の支出額が増える( 認定農業者ダミー

世帯人数 農協共販ダミー )。米の販売額が高まればその収入も高まるか ら,共済掛金の支出額が増える( 米販売額 )。至当な結果であろう。

ところで 5年後規模縮小ダミー は,10%に近い

p値であるが,経営

規模を5年後には縮小すると答える農家の場合,共済掛金の支出額は減少す る。すでに稲作から撤退を決めていると,農協共済の活用も控えるのであろ う。農協組織を作ってきた一員として共済を通じて協同組合運動を行うこと にもネガティブな影響が及ぶ可能性がある。また,立地が山間の場合,共済 掛金の支出額は減少する( 山あいダミー )。条件が不利なゆえであろう。

6) 回帰モデルに採用した変数の全量の推定結果は,渡辺2011

bを参照。

0.844 0.759 0.947 0.825 0.098 0.973 0.23 0.772 0.186 0.431 有意 確率 0.197 0.309

0.067 0.222 1.683 0.034 1.214

‑0.291

‑1.339 0.793 t値

0.259 0.139 0.045

‑0.01 0.032 0.261 0.011 0.165

‑0.037

‑0.2 0.104 ベータ

標準化係数

0.623 0.36 0.45 0.991 0.024 0.246 0.02 0.465 0.291 0.763 有意 確率

‑0.494 0.922 0.76 0.012 2.312 1.168 2.374

‑0.734

‑1.063 0.303 t値

0.276 0.141 0.112 0.091 0.001 0.295 0.202 0.267

‑0.08

‑0.138 0.033 ベータ

標準化係数

0.884 0.19 0.268 0.906 0.003 0.019 0.201 0.994 0.625 0.865 有意 確率

‑0.146

‑1.321 1.115 0.118 3.087 2.405 1.289

‑0.007

‑0.491

0.171

t値

0.258 0.133

‑0.155 0.127 0.013 0.396 0.409 0.15

‑0.001

‑0.059

‑0.019 ベータ

標準化係数

0.447 0.058 0.041 0.019 0.03 0.285 0.346 0.105 0.042 0.103 有意 確率 0.763 1.912 2.065 2.382 2.203 1.075 0.947

‑1.632

‑2.055 1.644 t値

0.158 0.173 0.205 0.206 0.135 0.083

‑0.134

‑0.182 0.136 ベータ

標準化係数

0.375 0.239 39.54 10.094 0.039 10.424 7.26E-07 15.514 12.634 17.102 16.04 9.881 標準偏差 誤差 30.165 19.302 0.082 24.831 1.600E-06 16.679 11.968

‑27.915

‑32.968 16.246

B 標準化されていない 係数

*生保・簡保・損保の標準化されていない係数は紙幅の関係で省略

R2 調整済みR2 (定数) 認定農業者 ダミー 世帯人数 農協共販 ダミー 米販売額 米補助金を含 めても赤字 5年後規模拡 大ダミー 5年後規模縮 小ダミー 山あいダミー 売掛金回収不 能リスクダミ

簡保 損保

生保 農協共済

表3 保険料・共済掛金支出額関数の推定結果

(11)

ところで,売掛金回収不能を懸念する農家の場合,共済掛金の支出額が増 える( 売掛金回収不能リスクダミー )。この変数は経営リスク観を代表す る変数として設けた。従って,経営リスク感応度が高い農家ほど,農協共済 を積極的に活用していると考えられる。

生保・損保・簡保の保険料支出額関数の推定結果では,統計的に有意なも のがきわめて少ない。いずれの業態にも共通するのは,米販売収入である 。 すなわち,米販売金額が高い農家ほど,生保・損保・簡保の保険料支出額が 増加する。

2)米販売額の変動の影響

ところで,米販売額の影響は業態にとって一様ではない。米販売額変数の 標準化された係数の高さは, 生保 > 損保 > 簡保 > 農協 の順 となっている。従って米販売金額の変動による保険料減少率は,既契約の場 合,農協共済よりも,生保・損保・簡保の順で大きくなる。表4にシンプル な計算結果を掲げた。回帰分析で推定した保険料・共済掛金支出額関数につ いて,標準化していない係数を用いた一次式の米販売額の値を変化させたと きの,保険料・共済掛金支出額の値の変化を求めたものである。米販売額の 減少による保険料の減少率は,生保・損保が,農協共済掛金の減少率の2倍 以上となる。農協共済への影響が他業態のそれに劣後するのは,組合員と農 協という結びつきの強さを示唆する可能性がある。

2010年産米は,2009年産米の在庫がふくれあがっていた影響と猛暑による 品質劣化から,16%の値下がりとなった。2010年度から米をモデル事業とす る戸別所得補償制度が導入された。しかし価格低下の激変緩和対策は5中3 の平均によったため,十分な補填が得られず,稲作農家の経営は悪化した。

このような場合の農村部の保障市場の縮小率は,本稿のモデルによってある 程度推定できると考える(表4)。

7) ほかの変数の推定結果の解釈は,渡辺2011

b

に掲げた。

(12)

5 Bayesian Network による規模拡大意向と経営リスク観の傾向 把捉

次に,このアンケート調査結果を活用し,回帰分析では必ずしも把握でき ない3以上の要素間の相互作 用 を 検 証 す る。意 思 決 定 の 分 析 に 有 用 な

Bayesian Network

を用いて将来の経営規模拡大意向と保障需要の傾向を 把握した 。Bayesian Networkとは,ある変数に影響を及ぼす可能性のあ る複数の変数があるとき,⑴それぞれの変数がすべて確率変数で表され,⑵ 変数を結ぶ矢印が因果関係を表し,⑶その因果関係が条件付確率で定量化さ れ,⑷矢印が循環しない(有向非循環グラフ)という条件を満たしたものを いう。変数が確率分布で表されると想定することから,不確実な事象の予測 や曖昧さを含む人間の内面の意思決定の推論過程を解析・再現するのに有用 とされている(繁桝2006) 。

図1は,5年後に規模を拡大するという意思決定に影響を及ぼす要素の相 互関連を示したものである。相互関連は条件付き確率の高低による。前節の 回帰分析では扱わなかった変数も含めてモデルを展開した。変数はアンケー ト調査で利用可能なものを逐次投入し,影響度の確率の高いものを選んだ。

結果として9ケの変数を選択している。

次に,これらの変数の確率分布の相互関連を述べる。

8) 回帰分析では必ずしも把握できない3以上の要素間の相互作用を検討する意 義について,渡辺2011

aを参照。

9) この手法の開発の契機と沿革は渡辺2011

aを参照。実用例については, 村上

2004・和合1995・繁桝他2006に詳しい。ロジックは

Friedman et al

1997に準 拠している。本稿の計算は

Clementin

12.0によった。

表4 米販売額の保険料・共済掛金支出額への影響

業態

支払保険料・

共済掛金 モデルの係数

(コメ販売額の標準化 していない係値)

コメ販売額1円減少時 の支払保険料・共済掛 金の変化

(万円)

サンプル全体平均値で みた影響

(%)

参考値:コメ販売額50 万円減少のときの変化

(万円)

(近似計算)

農協 生保 損保 簡保

54.661 32.838 17.196 17.500

55.852 49.135 44.242 50.988

1.600E‑06 2.092E‑06 1.082E‑06 9.563E‑07

‑0.016

‑0.021

‑0.011

‑0.010

‑1.464

‑3.185

‑3.147

‑2.732

‑0.800

‑1.046

‑0.541

‑0.478 加入者

平均 サンプル 全体平均

(13)

⑴ 米直販ダミーの条件確率

図1に示すとおり,5年後に規模を拡大する意向は, 農協共販ダミー 変数と 米直販ダミー に関連し,後2者の変数は直接関連する。その確率 分布を次に示した(表5)。現在も農協共販をし,将来は規模拡大する場合 には,直販に乗り出す確率は0.67と高い。一方,現在は共販をしておらず,

将来は規模拡大する場合には,直販に取り組む確率は0.82とさらに高い。従 って経営規模拡大が農協共販にはネガティブとなるのは避けられない。ただ し,0.18の確率で農協共販にも戻る確率がある。この点は直販のリスクとの かねあいなのであろう。農家のチャネル多様化によるリスク分散となりうる。

農協としては,共販の誘因を高めることのみならず,直販のノウハウの共有 を行う支援によって,農家自ら行う経営行動のフリーハンドを高める一助と なることも検討してよいのではないか。組合員を富ませることがその基本的 な使命のひとつなのであるから。

図1 規模拡大意向と影響要因

(14)

⑵ 規模拡大意向と預貯金

5年後に規模を拡大するつもりはなく,この一年に保険料が減少した場合,

預貯金もほぼ100%減少した 。これは,米作地帯の一部地域の農家が,農 協の貯金や共済を解約して苗代などの目前の支払に当てている実態と整合的 である。こうした農家は経営の先行きに著しい不安を持ち,将来規模を拡大 するといった判断よりも今の借金をどう圧縮するか,借金を増やさないよう にするか,このような意思決定に至ったのであろう。一方,5年後に規模を 拡大する意向があり,この一年で保険料が減少していない場合,預貯金も 100%減少しない。規模拡大意欲のある農家が保険解約を必要とするほど追 い詰められていない場合には,預貯金も確保しているのである。

⑶ 保険料増加ダミー

表6に規模拡大意向と預貯金増加ダミー・保険料増加ダミーの条件確率を 示した。5年後に規模を拡大する意向を持っているか否かにかかわらず,預 貯金を増やした農家の保険料を増額する確率は等しい。規模拡大の意向の影 響は見られない。しかし預貯金を増加させなかった農家の場合,規模拡大の 意向を持つ農家の保険料を増額する確率は,その意向のない農家の3.3倍で ある。相対的に見れば,何らかの分野であらたな保障需要の存在を示唆して いる。具体的な分野はより詳細に検討する必要があるが,次項のようなリス クは参考になると考える。

10) より詳細には,渡辺2011

b

を参照。⑷において同じ。

0.73 0.82 0.53 0.67 1 0.27

0.18 0.47 0.33 0 0

0 1 1 農協共販ダミー

0 1 0 1 5年後規模拡大ダミー

米直販ダミーの条件確率 条 件

表5 規模拡大意向と米共販・直販ダミーの条件付確率

(15)

⑷ 経営リスクと規模拡大意向

5年後に規模を拡大する意向を持ち,かつ,残留農薬などによる出荷後の 賠償請求リスクを懸念する場合には, 不慮の事故による経営者死亡経営不 振 を懸念する確率が0.93と極めて高い。経営リスクと生命保険・共済需要 の関連の強さをあらためて示している。また,残留農薬を気にするのであれ ば,製造プロセスに関する様々なリスクもまた懸念の対象となる可能性が高 い。この分野では,渡辺2009で分析・提案したように,農家の製造・流通・

販売にかかる賠償保険の需要などの新たな補償市場の拡大を期待することが できる。

6 結 び

⑴ まとめ

本稿では,生産能力の持続可能性が懸念されている水田農業の現状を解説 し,アンケート調査の個表を用いて稲作農家の保障需要の傾向を分析した。

米販売額の減少はただそれだけで農家の保険料・共済掛金支出額の減少をも たらす。その減少率は,農協共済よりも,生保・損保・簡保の順に高い。一 方,規模拡大を志向する稲作農家では,経営リスクをカバーする保障需要は 高まっていることを示した。

表6 規模拡大意向と保険料増加ダミーの条件確率

条 件 保険料増加ダミーの条件確率

1 0.05 0.33 0.17 0.33 0

0.95 0.67 0.83 0.67 預貯金増加ダミー

0 1 0 1 5年後規模拡大ダミー

0 0 1 1

(16)

⑵ 家計と経営体の分離がもたらすもの

本稿を結ぶにあたり,農家の持つ家計と経営体という機能の強弱がもたら す変化の意義をふたつ補足しておく。

ひとつは,弱化によって消える市場と生まれる市場である。本稿では,農 家が経営体として行動するとき,その行動が農協共済にとって相反する効果 を持っていることを示した。すなわち本稿の回帰分析では,稲作農家が直接 販売に乗り出して農協共販のウェイトを下げるのは,家計の保障における農 協共済の共済掛金支出額を引き下げる効果を持つ。この市場の狭隘化は避け られない。しかし農家が独自に直接販売を行うことによって経営リスクへの 感応度が高まれば,むしろ農協共済のこの分野の保障需要を高める効果を持 つ点も合わせて実証した。また,前節で解説したとおり,経営規模拡大を指 向する農家があらたな保障需要を喚起する傾向を見逃すべきではない。

もうひとつは新たな共助の枠組みの構築である。水田農業の弱化は,農家 の経営体としての機能が弱まり家計機能のウェイトを高める農家数が増加す ることをしめす。その一方で経営体機能のウェイトが高まる農家も相対的に 際立つようになる。等質社会といわれてきた農村部において,混住化による ヘテロ化に加えて農家集団内部でのヘテロ化が見えやすくなってきた。こう したケースにおける協同組合と保障提供の考え方もまたこの動きを踏まえて 再考されなければならない。

水田農業の実態において,集落営農という世界的にもユニークな営農形態 を推進している地域では,後者のタイプの農家が核となって前者の農家の参 加をいざない取りまとめているものと考えられる。新たな共助のパターンの ひとつである。

農協共済は保険技術を用いて事業運営を行ってきた。実務上,共済と保険 の相違はその加入動機が利他的か否かに求められてきた。すなわち共済契約 の加入動機は,保険契約のように自分のリスク分散のために行うのではなく,

自分は大丈夫だけれども困っている人もいるだろう,そのような人たちのた めに加入する,というのが共済事業の特徴であった。

(17)

ヘテロ化社会での共済事業を用いた共助はいかなるものであろうか。集落 営農に見るように,地域の水田農業において家計機能のウェイトを高めた結 果として水利・農道管理事業によるサポートのみを行う農家と核となるリー ダーの活動を行う農家とでは直面するリスクは異なる。後者では経営者とし てのリスクをカバーするものが依然として有用であろう。前者もまた地域保 全にあずかって力があるうえ,特に教育や生活の質の維持と再発見などの分 野で,都市農村の交流もしくは対流による農村ならでは付加価値の向上を図 りうる活動も考えられる。こうした活動に関連するリスクを包括的にカバー する受け皿は今でもあるが,これを積極的に推進することで,農村の安心感 をより高めることもできるのではないか。地域社会と個人の機能を再整理し,

多様な協同活動の実践を推進するとともに,その活動領域に応じたリスクカ バーのメニューを検討する必要がある。

もちろん,地域の水田農業自体も将来を見据えて自ら変わるところもある。

例えば岩手県花巻市では,農家自らが水田農業の将来像を描き,地域の1500 の水田を30 規模の50経営体に集約し,低コスト化を進め,園芸品目や加 工にも取り組んで所得や雇用を増やす考えを推進する計画が検討されている

(渡辺2011

c

)。また,集落営農組織がやがては法人格を取得する団体となれ ば,団体自体にも異なるリスク対応が求められる。こうした地域の水田農業 地帯の多様な活動とこれに何らかの役割で関与する農家・地域住民について,

その活動に応じたリスクをカバーし,より円滑な地域経営に貢献する仕組み が共済事業で検討されてよいと考える。

⑶ 今後の課題

本項で用いた農家へのアンケート調査結果は,保障需要の理論的検証とい う点では不足するデータも多いなど強い制約があった。また,計量分析にあ たっても,パネルデータの構築によるより精緻な検討も積み残されている。

さらに理論面でも,効用関数の最大化から導かれる保障需要関数には,本 稿の結びで指摘した,共済と保険の実務上の違いである利他的動機による加

(18)

入が組み込まれていない。利他性は,王朝モデルの遺産動機の拡張によって ある程度説明できると考えられるものの,子孫とほかの組合員をまったく同 列に扱うことには疑問なしとしない。少なくとも提供する金額等では多寡が あると容易に想定できる。そしてこのような利己性・利他性は,他者信頼性 を基礎にしている。近年の行動経済学を用いた研究は,他者信頼性が国民の 行動にも差異を及ぼすことを明らかにしている(例えば山岸ほか2009)。こ うした傾向は保障需要でも協同組合の組合員の活動でも無視すべきではない。

今後はこれらを踏まえてより適切な調査を設計するとともに,理論モデル の拡張と分析の精緻化にも取り組むこととしたい。

⑷ おわりに

都市と農村はそもそも対立するものではない。農村は水・空気・食料・災 害予防などの安全を都市へ供給する戦略部門である。都市は農村からの補給 を受けて,機能的生産活動の有効性と付加価値をより高める。その成果は農 村にも及びその生活を豊かにする。両者はあくまで相互補完的な存在である。

本稿において農村の保障市場,特に危機的状況にある稲作の保障需要市場 の状況を示したのは,経済社会が相互に関連していることの一端を示してみ ようとしたものにすぎない。水田農業の崩壊はその度合いはともかく保険業 にも一定の影響を与える。あらためて経済の相互依存関係を考えるきっかけ になれば幸甚である。

(筆者は山梨大学生命環境学部教授)

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