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人を感じていくこと

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Academic year: 2021

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人を感じていくこと

− 3年2組「児童会館から科学館へ」「凧作りの魅力って?」の実践から−

深 山 孝 之 私は、社会の授業において人との出会いは大変重要であると考えている。人との出会いの中で子ど もたちは、社会に生きる人の生き方と自らの生き方を照らし合わせていく。人を見つめることで、人 を見ている自分自身の内面を見つめ直していくことになる。子どもたちは人との出会いによって、今 までの自分の枠を広げていく。さらにふれあっていくことで、自分の外側にある今まで意識していな かった世界とのつながりを変えていくきっかけになる。このように、子どもも人とコミュニケーショ ン(直接的な人との交流、直接的には目に見えない社会的諸関係)を経験することによって、その子 なりの人への見方や感じ方を強めたり、広めたりしていく。自分の中でおきていく変化を感じること が子どもが学んでいくことになるのではないかと私は考えている。

教師が子どもにとって適していると考えた人との出会いを軸とした2つの教材と、その周辺でおき たことを通して、Ⅴ子さんは、自らの人との結びつきを問い直してきた。そのことが、どのように彼 女にかえちてきたのか、明らかにしたいと、私は思った。これは同時に、学びを構想する教師として、

彼女が学んでいくことに私は、どう関わることができるのか、自らに課したものだった。それ時、私 が子どもたちに願う「人を感じていくこと」の大切さを自らが自覚していくという課題でもあった。

1.V子さんのとらえと願い

Ⅴ子さんは、地域にある浅間通り商店街の探検では、店の人が優しく声をかけてくれることや、大 人にも子どもにも同じ対応をすることに商店街のよさを感じていた。「呉服町名店街と浅間通り商店 街ではどちらが好きか」という問題では、「浅間通り商店街の人があれだけ頑張っている。呉服町名 店街が好きとは悪くて言えない」という意見を出した。彼女にとって、商店街のよさを語る時には、

そこに息づく人の存在が欠かすことのできない事実であることを私は感じた。その姿から、ものやこ とというよりはまず、人への興味をもち、自分と人とのつながりに目を向ける子であると考えていた。

そんな彼女に「児童会館から科学館へ」「凧作りの魅力って?」という2つの教材における学びを構 想した。子どもたちに、日頃から愛着をもって利用している児童会館が科学館として生まれ変わる事 実を与える。彼女は、新しい科学館への興味や期待をもちながらも、児童会館が取り壊されることに 寂し羊を感じる。特に、児童会館でお世話になっている人への思いや科学館を計画する人への気遣い から、自分自身がどう考えていけばいいのか悩むだろう。そこでは、自分にとって何が大切なのかを 自分自身に問いかけていく姿が見られる。また、地域に娘づく郷土玩具である駿河凧を作るKさんと の出会いを設定する教材では、実際に凧作りを体験する場を設ける。彼女はものを作ることがとても 好きなので、もの作りをするKさんに、自分との共通点を兄い出す。昔の遊びよりも今の遊びに興味

を示す子どもが多くいることから「自分は凧遊びをこれからもやりたいのか」という問題が生み出さ れる。実際に凧遊びをする人が減っていることと、地域で伝統を守りながら一生懸命凧作りをしてい るKさんの姿との間で、自分自身はどう考えればいいのか迷っていく。そんな彼女は、「自分で作る ことに意味があるし、作っている人の頑張りも認めたい」と話すに違いない。もの作りが好きな自分 とKさんの姿とを重ね合わせ、人を感じていく彼女の姿を見ることができる。

ものやことも人との関係が深いと考えている彼女の姿から私は、地域での2つの教材を通してさま ざまな事柄に対して自分とのつながりを見つけ、思い悩みながらも、自らの人に対する思いを見つめ ていく追究が期待できると考えた。ものへの愛着を深める人やもの作りへの情熱を表す人が、どうし てそう感じるのかを考えることで、そのことが気になって仕方がない自分を見っめていく。それは、

彼女自身が自分の内にあるもうひとりの自分を兄い出すことである。彼女にとって、人との出会いか

らその人に賛同したり、自己矛盾を感じたりする経験を積み重ねていくことで、自分ならどう考える

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のかと自らの判断に厚みや幅をもたせることになり、社会事象を見る眼を広げていくことにもなる。

そうした場を設定することが、人を感じていくよさを彼女自身が見っめ、社会事象を見っめる眼をいっ そう磨き、彼女を支えることになると私は考えた。

2.教材の中で人を感じていく

(1)館長さんとの出会い

新しく駅南にできる科学館移転に賛成した彼女だが、児童会館の館 長さんとの出会いにより、今までお世話になってきた児童会館で働く 人に目を向けることになり意見の変化が見られた云アンケート調査や

児童会館の見学などで、さまざまな事実を蓄えた子どもたちに、「児  〈児童会館の館長さん〉

童会館が科学館に移転することに対してどう思うのか」と聞いた。彼女は、「始めは賛成だったけど、

今はどちらかと言うと反対。せっかく児童会館の館長さんと仲良くなれたのに、館長さんがいなくなっ てしまうのは悲しい」と語った。他の子が科学館の施設や入場料のことを考えた意見を言う中で、そ こに携わる人のことを話す彼女の意見は異質であった。彼女の意見は、施設の中味や入場料などにこ だわっていた子どもたちの考えを揺さぶることになり「Ⅴ子さんが言うように、カンチャンがなくな るのは寂しいけど、頑張っている館長さんがいなくなるのはもっと寂しい」という意見が聞かれた。

彼女は、自分の意見が友達に伝わったことで、人に心を惹かれた発言をしたことはまちがいではなかっ たと友達とのつながりを何となく感じ安心した。彼女は「児童会館のものを科学館に移せばいいとい う意見もあるけど、科学館のことを考えてくれた人がかわいそう」と科学館準備室の方も気遣ってい た。彼女は、どう判断するのだろうか。私は、彼女ならどちらの人も大切にする判断をしていくであ ろうと思い、その判断を迫るために、すでに決まっている科学館移転計画という事実に対して「自分 たちならこの計画をどうするのか」という問題を投げかけた。

Cl 決まったことだから仕方がない。今を見ていかなくてはいけない。

C2 (Ⅴ子)決まったことだからといってそのままでいいというのではなく、自分の気持ちを 大切にした方がいい。そのままの計画で館長さんが科学館に行ってくれればいい。

C3 児童会館の人は遊ぶ工夫などをよく知っていて優しい。

C4 (Ⅴ子)ものより人がいい。児童会館の人の方が慣れている。ものを移したら科学館の計 画を立てた人がかわいそう。

私は、子どもたちが提案していることが、できることなのかできないことなのかをはっきりさせる 関わりをした。一生懸命考えている子どもたちには厳しいことではあるが、できることとできないこ との区別をしていくことで、科学館移転計画に対する自分の意見を見っめ直すことになると考えた。

Tl V子さんの言ったようなことが実現できるのか考えてみよう。

C5 館長さんに話せばわかってくれる。

C6(Ⅴ子)館長さんはものではないので、私が言えば働いてくれる。

彼女はこう言い切った。施設の中味などというものやことではなく、そこで働く人とのつながりを もっことによって、人に惹かれたり、思いを大切にしたりする彼女の持ち味が、十分に発揮されてい ると感じた。私は、友達とは違う観点で人を通して社会事象を見っめていく彼女の一貫した姿勢を他 の友達に広めたいと思った。人を感じ、力強く意見を述べる彼女に、ものやことに目を向けていた友 達も、館長さんが科学館に行くことは実現するかもしれないと、賛同していった。実現ができないか もしれないという壁を前に、彼女が強く語っていく姿は、他の友達の心に響き、徐々に受け入れられ ることで自信をもつことになった。彼女は、賛同する友達の意見を嬉しい気持ちで聞きながら、同じ 空間を共有している友達との、今までとは違う温かな結びっさを感じていたはずだ。

彼女は、「児童会館と同じことを科学館でもやってくれて、所員の方がいろいろ優しく教えてくれ れば、これからできる科学館も思い出の場所になる」と、新しい科学館に期待する意見も付け加えた。

館長さんとの出会いによって、彼女は自分と児童会館との今までの関係を変化させてきた。彼女は人

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に惹かれていくことで、周囲のもの、こと、人と自分とのつながりが少しずっ広がっていくことに歓 びを実感したのではないかと思われる。最後に館長さんと話す機会を設けた時に、館長さんゐ口から

「児童会館の所員がすべて科学館の所員古事なります」という話を聞いて一番歓んだのが彼女であった。

(2)Kさんには頑張ってほしい

彼女の姿を通して、子どもが自らの成長の過程で、どんな人と出会うのかということが、その子ら

・しさの発揮にとって大きなことであると感じた。さらに彼女が「なぜ、人のことを考えてしまうのか」

ということを見っめていくことで、自分自身を冷静に眺めるもうひとりの自分に出会うことができる のではないかと考えた。そこで、静岡市の郷土玩具である駿河凧の伝統を守っているKさんとの出会 いから′「凧作りの魅力って?」を設定した。なぜなら一生懸命凧作りをするKさんの生き方をもの作 りを楽しみ自分の作ったものを大切にする彼女が自分の生き方を重ね合わせていくことで、人を感じ てしまう自分自身を見っめることができるからだ。それは、彼女への学びの構想であった。

実際に駿河凧を作る体験では、彼女は、ひとっひとっをていねいに確実にやっていき、緊張の連続 で大変な仕事になった。Kさんに教えてもらいながら苦労してできた凧は、自分だけの自慢の凧であ る。この経験から彼女は、駿河凧での遊びと比べて、今流行りの遊び の方が面白いと考える子に対して、自分で作ることの楽しさを訴えて いった。さらに「このままでは未来には駿河凧はなくなってしまうの ではないか」という友達からの意見に、駿河凧作りに携わるKさんの 苦労を思い反論する姿も見られた。しかし「駿河凧はなくなってしま うのか」ということについては、はっきりとした根拠をもって語るこ く駿河凧〉     とはできなかった。駿河凧で遊ぶ人の数が減っていること、駿河凧を 作る店が静岡に1軒になってしまったということも、彼女にとって心配な事実であった。彼女は、事 実をっなぎあわせると「なくなる」と考えざるを得ないということと、どうしてもそうは答えたくな いという自分の気持ちとの間で思い悩むことになった。

C7 Kさんは頑張りやだから、駿河凧はなくなってほしくない。

T7 遊びはたくさんあるのだから、駿河凧くらいなくなってもいいのでばないか。

C8(Ⅴ子)Kさんも遊んでほしいと思ってる。大変な仕事をするKさんに頑張ってほしい。

T8 Kさんへの思いが強いということ?

C9 (Ⅴ子)多分。(声が小さくて聞き取れない)

じっくりと考えた末に彼女は小さくつぶやいた。そこに、自分の心に引っかかっているのは、Kさ んの存在だということを認めた彼女の姿を見た。その時、彼女が自分では、はっきりしないが、人を 感じてしまうもうひとりの自分に気づき始めているのではないかと私は思った。      \

(3)自分と人を重ね合わせていく

「駿河凧は自分には関係ないし、未来には売れないと思う」という意見が出されたが、今まで、な くなってほしくない、という意見を盛んに発言していた彼女は反論しなかった。きっと「なぜ自分は 大切にしたいのだろう、自分はKさんに何を感じているのだろうか」というもうひとりの自分が問い かけていたに違いない。駿河凧がなくなりそうな事実となくなってほしくない気持ちとの間で、彼女 が自分の内面をじっくりと見っめていることを感じ、その姿を私はとらえようとした。

ClO(Ⅴ子)自分にはあまり関係ないかもしれないけど、なくなったらKさんがかわいそう。

T9 なぜそういう風に考えてしまうの。一生懸命作っている姿に何かを感じるの?

Cll(Ⅴ子)自分も作るのが大変だったから、そんな仕事をするKさんには頑張ってほしい。

TlO 言葉ではう′まく言い表せないけど、そう思ってしまうんだな。

さらに、自分自身とKさんを重ね合わせていく彼女の発言があった。

C12(Ⅴ子)自分で作ったものをお母さんは捨ててしまうけど私は大切にしたい。Kさんも自

(4)

分が一生懸命作ったものがなくなってしまったら、とても嫌な気持ちがすると思う。

Tll V子さんはKさんと気持ちが重なっているみたいね。

彼女と対話をしながら私は、思わずこう言ってしまった。伝統とか、昔から続いているという事実 だけではなく、自分が作ったものに愛情を感じているKさんに彼女の心が響いていることを、私は実 感したからである。彼女はノートにも、「自分で作ったものを大切にする気持ちはKさんと似ていま す」と書いている。なぜ自分はこんな風に人を感じてしまうのか、その明確な答えにはなっていない が、人を感じてしまう自分を自覚しているようであった。人とのつながりから、彼女の内面でもうひ とりの自分との関係が変わりつつあることを私は感じていた。それは、彼女自身が人を感じてしまう 自分を、素敵だなと思い始めている姿ではなかったのだろうか。

3.2つの教材の追究から

2つの教材の追究の過程では、さまざまな彼女の姿を見ることができた。自分の係の担当ではない けれど、大変そうにしている友達の様子を見て自分がゴミを運んでいく優しい一面を見せた。体育で は、自分のミスがチームの敗戦につながってしまい、味方に泣いて謝る姿が見られた。休みの日に、

児童会館に行き、「館長さんと友達になった」と自慢をするように話してくれたこともあった。日記 には、家の人に自分が作った駿河凧を見せて誉められたこと、弟に紙芝居を作ってあげて喜ばれ、嬉 しいと思っていることなどが書かれていた。そこでは自分と対象とのつながり、自分と友達を含めた 人とのつながりを、無意識のうちに広げている姿が感じられた。

2つの教材と彼女の周辺でおきていることをっなげていくと、彼女の中で変わったことが2つある。

1つ目は、友達を含めた人に対する見方や感じ方である。自分の外側にある児童会館の館長さんや Kさんとのつながり方が変わったのである。今まで知らなかった人に自分の地域という身近な範囲の 中で出会うことによって、周囲の社会と自分とが深く結びっいていることを感じることができた。さ らに、自分の考えが友達に垂同されることで、自分自身で考えていいという自信につながった。その ことは、人を感じていくよさを彼女自身が見っめ、社会事象を見る眼を広葦葦ニ㌘賢二′鱒∴与曙 げたことになったのだろう。

2つ目は、自分の内面が変わったということである。私が、彼女に「一 生懸命作っている姿に何かを感じるの?」と聞くと、間をおいて、「凧作 りを一生懸命しているKさんには、何しろ頑張ってほしい。一生懸命に作っ ているものがなくなったら嫌だ。Kさんと私の気持ちは似ている」と答え

たo Kさんに自分と同じような気持ちを感じ、自分と重なったに違いない。 〈V子さんと教師〉

彼女は、何となく人を感じてしまう自分自身に気づき、そんな自分もいいなと思って見っめているも うひとりの自分を兄い出したのだろう。このように、周囲の社会と自分とのつながり、人を感じてい くもうひとりの自分を兄い出していく中に、彼女の学んでいる姿があったと私は考えた。

教師の関わりとしては、人との出会いの場を設けたこと、彼女がなぜ人を感じてしまうのかを彼女 自身が問うような対話をしたことだと考える。関わることで、人とのコミュニケーションを経験し、

人を感じていく彼女のよさが発揮されることになった。関わりながら、私自身もⅤ子さんの姿を鏡に して、館長さんやKさんの生き様を自分ともっなげるようになっていくのを感じていた。教師にとっ ても、子どもとの関わりを含め、さまざまなコミュニケーションの経験を積み重ねていくことが、自 分が自分らしくなっていくことにおいて重要なことであった。

彼女の健気で一生懸命な姿を見ながら私は、自分の授業の構想をふり返っていた。自分がこの人だ

と思った人と子どもたちを出会わせることは、私にしかできない最大の関わりであると考えたい。こ

のことは、子どもを見っめる目を絶えず広げていくことができ、子どもの魅力の再発見とともに教材

の魅力の再発見にもなった。また、人を感じ続けようとしたことで、人と自分がどのようにつながっ

ているのかを自らが自覚することにつながり、自分の魅力の再発見もできたのであった。

(5)

3年2組 『児童会館から科学館へ』教材に込める願い

<とらえ>

自分たちの身の周りのもの、こと、人に大変興味をもっている。さまざまな地区から通学する子どもた ちなので、附属小を自分たちの生活の中心であると考え、自分たちがふれ合っている学校の周りを自分 たちの共同の生活圏(地域)とし、地域を広げてい.くことに関心を高めている。

(生活の中で)

クラスの中での小さな出来事 でも自分に関係することなら、

納得するまで話をする。自分の 意見を簡単には変えない姿から、

自分の意見を大切にする子ども たちの強い思いを感じた。

(以前の教材「すんぷ!ふしぎ!発見!」の中で)

駿府公園は地域の一部であると考えている。特に児童会館は、お 年寄りが楽しめる場所、自分たちの憩いの場所として愛着を感じて いる。その児童会館が移転し科学館になることを知った。子どもた ちは敏感に反応し、反対という姿勢を示したb駿府公園の中にある 児童会館だからこそ大切だという子どもたちの思いを感じ、具体的

な事実が決まった時に改めて話をすることにした。

<願 い >   J       J

児童会館が科学 館 に移転 して しま うことが よ り具体的 に明確 にな って くる時期 に、本教材 『児童 会館 か ら科学館へ』を子 ど もたちに出会 わせ、人 とのふれ合 いを通 して、地域 を さまざまな角度 か ら考 えて

い く子 ど もたちの姿 をと らえて みたい と思 った。

<関わりの構想>

*実際の科学館を見る場を 設定する。

*実際に科学館ができる場 所を見たうえでの意見交換 の設定。

*科学館への思いを準備室 の人に語ってもらう場の設 定。具体的な事実の提示と 移転計画への期待が語られ る。Ⅴ子さんは科学館移転 計画を進める人との出会い によって科学館への思いを 強めることになる。

*構想を変更し、児童会館 の館長さんとの出会いの設 定。館長さんへの思いを強 め、自分と児童会館との結 びっさを今一度考えること が期待される。

*友達とは違う意見をもっ

Ⅴ子さんが人の大切さを友 達に訴える場の設定。

*決まってしまったことで もあきらめないで考える子 どもたちに計画自体をどう 思うか自分の意見を見つめ るための関わり。

*当初の構想にはなかった が、子どもたちの思いの実 現から自分たちの考えたこ

とを見っめ直すための関わ りを構想する。

J

<授業の構想とⅤ子さんの表れ>

<科学館ができる所を見に行こう>

C すごく大きくなっている。駅の前なのでた くさん人が来る。児童会館より科学館の方 が大きいのでびっくりした

<児童会館が科学館になってしまうことを どう思うか>

C 児童会館がつぶれるのは嫌。新しい科学館 には新しい物があるので行ってみたい

<科学館準備室の人の話を聞きたい>

C 科学館はお金をとるのか?児童会館に似た ようなものはあるのか

C 面白そうなものが多くあるので行きたい

<多くの人の意見を聞いてみたい>

C 駿府公園で遊んだ後に児童会館に行けなく なるから嫌だという人がいた。

<もう一度児童会館で遊んでみよう>

(館長さんと の出会い C 児童会館の方がいい。.

の新た な構想)

新しい所に みたいけど、館長さんと仲良くなれた

<科学館移転計画を自分はどう思うか>

C 反対。館長さんと友達になれたし、その館 長さんがいなくなるのは寂しい

C ものを移せばいいという人がいるけど、科 学館の計画を立てた人がかわいそう

<自分ならこの計画をどうするのか>

<科学館移転計画を自分はどうしたいか_>

を深く見っめ る学習問題

に変更)

C 館長さん が科学館に行って

くれればいい

T 実現できるか考えてみようよ

C 館長さんは私が言えば働いてくれる

<自分たちの計画は受け入れてもらえるか>_

(子どもた ちの思いを実現するこ

や人とのつながり

を広げる新た

ことこそ、もの

な関わり)

ように優し

く教えてくれれば科学館も思い出の場所に

なる

<実際の追究>

*Ⅴ子さんは、児童会館の よさを認めながらも科学館 に惹かれていく。児童会館 と自分とのつながりを見っ めるきっかけになる。

*科学館の人の熱意を感じ、

実際にできる科学館への期 待を大きく膨らめる。

*アンケート調査で児童会 館を残してはしいという意 見をたくさん聞きながら事 実を蓄えていく。

*館長さんゐ児童会館への 思いや科学館への期待を聞 いて、児童会館の中味だけ ではなく、人に惹かれてい く彼女を私は感じた。人へ の思いが自分と周囲との関 係をどう変えていくのかと らえていきたいと思った。

*彼女は日記に、「館長さ んに科学館に行ってほしい とみんなに強く言いました」

と書いた。自分はどうする のかと考えたことが、友達 にも大きな影響を与える。

*自分と館長さんとの関係 を深めている。彼女が自分 の考えをふり返り、人を感 じることのよさを自分自身 が気づき始めたた瞬間でも

あった。自分自身を自覚し

ていくことが人への見方を

広げることにつながる。

(6)

1

3年2組 『駿河凧の魅力って?』教材に込める願い

<前教材からのとらえ>

自分たちの地域とは何かを考え、地域にある児童会館への思いを強めていった。特に、児童会館の館 長さんが長い間、苦労や努力をしてきたことや、新しくできる科学館へ強い期待をよせる人と出会うこ

とから、人に心を寄せていく子どもたちの姿を見ることができた。特にⅤ子さんは、館長さんへの思い を強め、児童会館と自分、自分と館長さんとのつながりを変えていった。そこに息づく人の存在は、彼 女にとって自分の枠を広げていくことになることに彼女自身が気づき始めていた。

<願い>

自分の地域にあるもの、こと、人と自分たち との結び付きがさらに深まることで、地域に対 する愛着の強まりや広がりが期待できる。Ⅴ子 さんには、駿河凧作りをする加藤さんとの出会 いで、人と自分がどうつながっているのかを

「なぜ自分は人を感じてしまうのか」と自らに 問うことで、人を感じることのよさ、価値を自 分なりに自覚することが期待できる。それは、

今後彼女が、社会への見方を広げることにつな がっていく。

<関わりの構想>

*実際の駿河凧を提示す

る。

*駿河凧を作っている加藤 さんを映したビデオを見せ る場を設定する。

*駿河凧作り体験をする場 の設定。

*Kさんの指導で駿河凧 を作り、実際に上げてみる ことで凧遊びの楽しさを実 感する。Ⅴ子さんは自分で 作ることの楽しさを強め

る。

*作っている人のことを一 番に考え、凧遊びの楽しさ を訴えるであろう。

*凧遊びをする人が少なく なっている現実と、流行り のおもちゃに惹かれる人を 見ながら、駿河凧がなくなっ てしまうことを不安に思う 気持ちを強める。彼女が大 切にしている人への思いを 十分に話す場の設定。

*当初の構想にはないが、

彼女との対話の中でなぜ人 を感じてしまうのか自覚さ せる関わりを考える。人を 感じることは、人への見方 や感じ方が広がるというこ とを彼女自身に気づいては しいという教師の願い。

<彼女の周りでおきていること>

クラスの中で、人のためになることを進んで行う 姿が見られる。ゴミ捨て、係の仕事、班の中で困っ ている子への優しい対応など。日記には、自分がも の作りを大切にしていることを、弟への紙芝居作り や手品作りなどをする中で書いている。自分で作っ たものへの愛着を感じているようだ。児童会館に館 長さんを尋ねて行き、館長室で科学館へ館長さんも 行くことを約束してきたことを自慢するように私に 話した。自分と自分の周辺の社会とのつながりを広 めている姿が見られている。

<授業の構想とⅤ子さんの表れ>

/ 庄・bJ=Tnロ ト/【⊥′丁ヽロロ・ナ・LL ▲ヾ_つ・・J二Tナ FR ト・J J」.上、ヽ、

\J況†1 /llJlL一IL巳>ノ/llJl▼(L JHJ 、L l「J ̄仁.己が し/dヽ フ ′ノ ̄ /

<駿 河 凧 を見 て どん な こ とを 感 じます か >

(駿 河 凧 の 印 象 を 強 め る投 げか け に変 更 )

<駿 河 凧 作 りを して い る人 につ い て ど う思 い ま す か >

C  一 人 しか作 って い る人 が いな いの に は、び っ く り した。 失 敗 して はい けな いか ら大 変 だ と思 った

<駿 河 凧 を作 って、 上 げ て み よ う >

C  作 って み た ら上 手 に で き た。 自分 の 1 つ の 凧 な の で み ん な に 自慢 した い

<凧 遊 び を や ってみ て の感 想 を話 そ う >

<難 しか った の に ど う して楽 しか った の か >

(作 る こ との 楽 しさ を十 分 感 じて い る子 ど もた ち が、 K さん へ の 思 い にふ れ る関 わ り)

C  自分 で作 っ た もの で 楽 しめ る のが い い

<K さん は どん な思 い で 凧 を 作 って い るか > C  み ん な に楽 しん で も らいた い

<凧 遊 び とお店 で買 って きた遊 び道 具 の ど ち ら で 遊 ぶ か >

C  昔 か らの人 に と って思 い 出 が な くな る

/ ピコ′ヽ」」.1ココ世 ナビナ ,・↓1 」、、一,J l>、h J_I、J、、ヽ、

、 ロノJ ldりIIJl叔王)【 ̄▼(L L qレ′ノ ̄ニノ U l▼ ソ /ヽ_V ′ノー /

(子 ど もか ら駿 河 凧 は な くな って しま うのか と い う不 安 が 出 され た こ とか ら投 げ か けた )

<駿 河凧 はな くな って しま うの か > C  駿 河 凧 は な くな って ほ し くな い C  K さん は遊 ん で ほ しい と思 って い る。

何 しろ K さん に は頑 張 って ほ しい T  K さん へ の思 い が 大 き いの C  多 分

< 自分 は なぜ 駿 河 凧 を残 した い と思 うのか > C  K さん は作 って い るか らか わ いそ う T 、 一 生 懸 命 作 って い る姿 に何 を感 じる のか C  K さん に は頑 張 って ほ しい

T  言 葉 で は うま く表 せ な い ん だ な。 加 藤 さん と気持 ちが 重 な って い るみ た い ね

<実際の追究>

*手作りの駿河凧に興味を 示している。凧に作った人 の姿を見ている。

*自分で作ること、プロに 教えてもらうことに喜びを 感じている。

*当日は風がなくてうまく 上がらなかったが作ったこ とに満足している子が多く いた。難しく、上がらない のに楽しいと言う子への関 わりをする。

*Ⅴ子さんの意見を聞いて、

全体に広げるために、人へ の思いを揺さぶる投げかけ をする。

*今の遊びの実態という事 実をもとに「凧遊びは未来 にはなくなってしまうので はないか」という意見から 学習問題が生み出された。

*自分と重ねながらKさん を見っめていく彼女には、

人を感じていることのよさ に自らが気がっいてはしい という私の強い思いが表れ ている。今後、彼女は人を 感じる自分のよさを肯定す

ることが期待される。

<ノートより>

作ったものを捨てるのは嫌

だ。その気持ちとKさんの

気持ちは似ている。

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