利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 提 案 と適 用
2017年3月 秋 本 芳 伸
目次
第1章 緒 言
1.1.背 景 と 目 的
本 論 文 の 構 成1.2.
第2章 2.1.
2.2.
2.3.
人 間 中 心 設 計2.3.1.
2.3.2.ペ ル ソ ナ
2.3.3.
2.3.4.
2.4.
2.4.1.
2.4.2.
2.5.
第3章 3.1.
シ ス テ ム 構 成3.1.1.
3.1.2.基 本 デ ー タ
3.1.3.
本論文にお ける基本情報 本論文における用語
これ ま で の シ ス テ ム 開発 手 法 の 課 題 本論文で採用 した基本技術
モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ
113556789
モ デ ル ベ ー ス 開発 お よび モ デ ル ベ ー ス 開 発 ツー ル 本論文で提案す るシステム開発手法の構成
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ手 法 の 構 成 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 構 成 本論文の各章の位置付 け
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ手 法 の 検 証 ロ グ デ ー タ に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ と の 比 較 に よ る有 効 性 の 検 証
3.1.3.1.
3.1.3.2.
3.1.4.
3.1.4.1.
3.1.4.2.
3.1.5.
3.1.5.1.
ロ グデ ー タ に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ手 法 所 在 場 所 ロ グ ・行 動 ロ グ収 集 シ ス テ ム フ ァ ジ ィ推 論 に よ る行 動 分 析
利用者の特徴 と特性に基づ く利用者 のモデ リング手法 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ の 処 理 家 族 の 利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル
二 種 類 の 利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 に よ る シ ミュ レー シ ョン結 果 の 比 較 環境に関する前提
123347999001233466111111111222222222
11 目次
2345612121231212123坊坊坊坊坊蝸2幻羽%%%劉劉劉%%%%聡章LU爲爲爲爲MMM坊坊蛎蛎焔aaaaaaaaaaaaaaaaaa33444444444444444第
本 検 証 の シ ミ ュ レー シ ョン ・プ ロセ ス と関 連 す る値26 ロ グ デ ー タ に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ28
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ28
ロ グ デ ー タ に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 に よ る シ ミュ レー シ ョ ン結 果29
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 に よ る シ ミュ レー シ ョン結 果.29 考 察 と結 論30
複 数 の 家 族 セ グ メ ン トへ の適 用 と比 較 に よ る 有 効 性 の 検 証 シ ス テ ム 構 成
家 族 セ グ メ ン トの プ ロ フ ァイ ル
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ・プ ロ セ ス
シ ミ ュ レー シ ョン の た め の モ デ ル に 関 係 す る値 と関 数 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の た め の 共 通 モ デ ル
家 族 セ グ メ ン トの 利 用 者 の モ デ ル 各 家 族 セ グ メ ン トの 利 用 者 の モ デ ル 各 家 族 セ グ メ ン トの 利 用 者 の モ デ ル の 関 数 評 価 基 準 と シ ミ ュ レー シ ョン の 結 果
評価基準
各 家 族 セ グ メ ン トに お け る 可 能 性 と効 果 供給電力平準化 の可能性 と効果
考察 と結論
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 検 証 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開発 手 法 の 有 効 性 の 検 証
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ サ ー ビ ス ロ ボ ッ トの 実 シ ス テ ム
サ ー ビ ス ロ ボ ッ トの モ デ ル ベ ー ス 開 発 用 シ ス テ ム ア プ ロー チ と 自動 緊 急 停 止 の プ ロセ ス
ア プ ロー チ と 自動 緊 急 停 止 の 評 価 基 準 ア プ ロ ー チ 機 能 の シ ミ ュ レー シ ョ ン と 実 験
ア プ ロ ー チ 機 能 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 ア プ ロー チ 機 能 の 実 験 の 結 果
自動 緊 急 停 止 機 能 の シ ミ ュ レー シ ョン と実 験 自動 緊 急 停 止 機 能 の シ ミュ レー シ ョ ン の 結 果 自動緊急停止機能の実験の結果
考察 結論
1122468890013455567789990011133333333344444444444444455555
象具ぺRR計設製察論子椅椅椅シシ椅実対考結椅車車
...・・・⁝車●●●● りぬむり じり げ ゆ りぬ りぬ
z幻""""""""%%%劉%章LU爲爲爲爲MMM蝸4444444.4.4.4.4.4.4.4.4.55555555555第
具 体 的 人 間 中 心 設 計 プ ロセ ス と して の 有 効 性 の 検 証 ロ ボ ッ トと機 能
具 体 的 人 間 中心 設 計 プ ロ セ ス に基 づ く開 発 体 的 人 間 中 心 設 計 プ ロセ ス の プ ラ ン ル ソナ に よ る利 用 状 況 の 理 解 と 明確 化
モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ に よ るユ ー ザ 要 求 の 明 確 化
RTMに お け るMBSの た め の ユ ー ザ 要 求 に適 合 した 設 計 ソ リュ ー シ ョン の 生 成̲̲.60 RTMに お け るMBSに よ る ユ ー ザ 要 求 に 対 す る設 計 ソ リュ ー シ ョン の 適 合 性 評 価...64
TMで の製 品 サ ン プ ル の 生 成64 TMで の製 品 サ ン プ ル の 検 証
9臼9臼000000FOド0ド0ド0ド0ド0ド0
設 計 ソ リュ ー シ ョン の 評 価 結 果 と製 品 サ ン プ ル の 検 証 結 果 計 ソ リ ュー シ ョ ン の評 価 結 果
品サンプルの検証結果
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 適 用 例 ロ ボ ッ トの 開 発 へ の適 用
5.2.6.1.
5.2.6.2.
車 椅 子 ロ ボ ッ トに お け る利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ 奇子 ロ ボ ッ トの 実 シ ス テ ム
車 奇子 ロ ボ ッ トの モ デ ル ベ ー ス 開 発 用 シ ス テ ム ミ ュ レ ー シ ョ ン の た め の 変 数 と 式
ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ る 評 価 結 果 奇子 ロ ボ ッ トの 実 シ ス テ ム
車 椅 子 ロ ボ ッ トの 実 シ ス テ ム の構 成 シ ス テ ム に よ る検 証 結 果
考察 と結論
5.2.テ レ プ レ ゼ ン ス 車 椅 子 ロ ボ ッ トの 開 発 へ の 適 用
5.2.1.テ レ プ レセ ン ス 車 椅 子 ロ ボ ッ トの 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ.̲.80 5.2.2.遠 隔 地 の 利 用 者 の た め の 安 全 運 転 支 援 機 能82
5.2.3.テ レ プ レゼ ン ス 車 椅 子 ロ ボ ッ トの シ ス テ ム 構 成82 5.2.4.自 動 停 止 共 通 基 本 機 能 の た め の 処 理 手 順83 5.2.5.シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 験 の た め の 変 数 と式84 5.2.6.自 動 停 止 共 通 基 本 機 能 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実 験85
自 動 停 止 共 通 基 本 機 能 の 開 発 環 境85 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の た め の シ ス テ ム 構 成
566790333455899900666667777777777788
85
lV 目次
5.2.6.3.シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果 5.2.6.4.実 験 の 結 果
5.2.7.考 察 と 結 論
5.3.具 体 的 人 間 中 心 設 計 プ ロ セ ス と し て の 適 用 5.3.1.目 標 と ア プ ロ ー チ
5.3.2.対 象 サ ー ビ ス ロ ボ ッ ト と 対 象 機 能 5.3.3.
5.3.3.1.
5.3.3.2.
5.3.3.3.
5.3.3.4.
5.3.3.5.
5.3.3.6.RTMで の 製 品 サ ン プ ル の 検 証
5.3.4.設 計 ソ リ ュ ー シ ョ ン の 評 価 結 果 と 製 品 サ ン プ ル の 検 証 結 果 5.3.4.1.設 計 ソ リ ュ ー シ ョ ン の 評 価 結 果
5.3.4.2.製 品 サ ン プ ル に よ る 検 証 結 果 5.3.5.考 察
5.3.6.結 論
第6章 結 言
謝 辞
具 体 的 人 間 中心 設 計 プ ロ セ ス に基 づ く開 発 ペ ル ソナ に よ る利 用 状 況 の 理 解 と 明確 化
モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ に よ るユ ー ザ 要 求 の 明 確 化
RTMに お け るMBSの た め の ユ ー ザ 要 求 に適 合 した 設 計 ソ リュ ー シ ョン の 生 成̲̲.95 RTMに お け るMBSに よ る ユ ー ザ 要 求 に 対 す る設 計 ソ リュ ー シ ョン の 適 合 性 評 価...99 RTMで の製 品 サ ン プ ル の 生 成99
678999003888888999
引用論文および参考文献
101 101 101 102 103 105 107 109 111
第1章
緒言
本 章 で は 、本 論 文 の背 景 と 目的 、 そ して 、 本 論 文 の 構 成 を示 す 。
1.1.背 景 と 目 的
日常 生 活 で サ ー ビ ス ロ ボ ッ トが 一 般 的 に な っ て き て い る。 サ ー ビ ス ロ ボ ッ トは 、利 用 者 と密 接 に 関 係 しな が ら、 利 用 者 と は独 立 に 動 作 す る。 サ ー ビ ス ロ ボ ッ トに代 表 され る多 機 能 シ ス テ ム に は 、物 理 的 安 全 な ど の ユ ー ザ ビ リテ ィ と心 理 的 安 心 な ど の ユ ー ザ エ ク ス ペ リエ ン ス を 有 す る利 用 者 視 点 で の 高 い 利 用 時 品 質 を 実 現 した サ ー ビ ス を 、多 機 能 シ ス テ ム と関 係 を持 つ 多 様 な 利 用 者 に 提 供 す る こ とが 期 待 され て い る。
しか し、 これ ま で は 、 製 造 企 業 視 点 に 立 ち 、 製 造 企 業 の独 自技 術 に 基 づ い て 、 シ ス テ ム を 開 発 して き た た め 、完 成 した シ ス テ ム が ユ ー ザ 要 求 に 適 合 して い な い こ とが あ っ た。 そ こ で 、 利 用 者 視 点 に 立 ち 、 ユ ー ザ 要 求 に適 合 す る シ ス テ ム を 開発 す る こ と が 必 要 に な っ た 。
サ ー ビス ロボ ッ トで は 、 関係 を持 つ 利 用 者 と して 、 直 接 的 利 用 者 だ け で は な く、 サ ー ビ ス ロボ ッ ト の 周 囲 の歩 行 者 な ど の 間 接 的 利 用 者 も含 ま れ 、 ま た 、直 接 的 利 用 者 に も間 接 的 利 用 者 に も様 々 な 特 徴 や 特 性 を 有 す る多 様 な利 用 者 が 存 在 す る 。 そ して 、 多 様 な利 用 者 に は 、 類 似 した 特 徴 や 特 性 を 有 す る 利 用 者 が 多 数 存 在 す る利 用 者 グ ル ー プ の 中心 的 利 用 者 だ け で は な く、類 似 した 利 用 者 が 少 数 しか 存 在 し な い 境 界 の利 用 者 も含 ま れ る。 そ こ で 、 サ ー ビス ロ ボ ッ トに代 表 され る多 機 能 シ ス テ ム で は 、利 用 者 グル ー プ の 中心 的 利 用 者 だ け で は な く、境 界 の利 用 者 を含 む 多 様 な利 用 者 に対 して も 、高 い 利 用 時 品 質 を 実 現 した サ ー ビス を 提 供 す る必 要 が あ る。 そ の た め 、境 界 の 利 用 者 を 含 む 多 様 な利 用 者 に適 応 す る シ ス テ ム 開 発 が 期 待 され て い る。
しか し、 これ ま で の シ ス テ ム 開発 で は 、 対 象 利 用 者 を 理 解 す る際 に 、 身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 な ど の 対 象 製 品 に 関 わ る定 量 デ ー タ を 多 く の被 験 者 か ら収 集 す る必 要 が あ っ た た め に 、利 用 者 グル ー プ の 中 心 的 利 用 者 の 理 解 は 可 能 だ っ た が 、境 界 の利 用 者 を 含 む 多 様 な 利 用 者 の 理 解 は 困難 で あ っ た 。 そ こ で 、境 界 の 利 用 者 を含 む 多 様 な利 用 者 の 理 解 の た め に 、 比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を 定 性 デ ー タで 補 完 して 利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を 作 成 し、利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を 基 に 、 ユ ー ザ 要 求 と利 用 者 の モ デ ル を 作 成 す る シ ス テ ム 開 発 手 法 が 必 要 に な っ た 。
2 第1章 緒言
ま た 、 シ ス テ ム 開発 で は 、 す べ て の機 能 の 開 発 と評 価 を 、短 期 間 に低 コ ス トで 完 了 す る こ とが 期 待 され て い る。 しか し、 これ ま で の シ ス テ ム 開発 で は 、 シ ス テ ム 設 計 時 に 、 多 くの 被 験 者 に よ る様 々 な 条 件 下 や 繰 り返 し同 一 条 件 下 に お け る評 価 を 実 施 す る 必 要 が あ っ た 。 そ の た め 、 シ ス テ ム のす べ て の 機 能 を 評 価 す る こ と は 困 難 で あ っ た。 そ して 、 製 品 サ ンプ ル が 設 計 時 品 質 を 達 成 す る ま で 、製 品 サ ン プ ル の ハ ー ドウ ェ ア 制 作 と被 験 者 に よ る 設 計 時 評 価 を 繰 り返 す 必 要 が あ っ た た め 、 これ が シ ス テ ム 開 発 の 長 期 化 と高 コ ス ト化 の 要 因 と な っ て い た。 そ こ で 、製 品 サ ン プ ル も被 験 者 も必 要 と しな い 設 計 時 評 価 を 可 能 に す る シ ス テ ム 開 発 手 法 が 必 要 に な っ た 。
更 に 、シ ス テ ム 開 発 時 に お け る被 験 者 の 負 傷 の リス ク の 低 減 も期 待 され て い る。 これ ま で の シ ス テ ム 開 発 で 実 施 され て き た 被 験 者 に よ る評 価 で は 被 験 者 が 負 傷 す る リス ク が あ っ た た め 、 こ の リス クの 低 減 の た め に も被 験 者 を必 要 と しな い 設 計 時 評 価 が 必 要 に な っ た 。
そ こ で 、本 論 文 で は 、前 述 の4つ の 課 題 を解 決 す る シ ス テ ム 開 発 手 法 と して 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く新 た な 利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 を提 案 し、 更 に 、 こ の利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 を 活 用 した モ デ ル ベ ー ス 開発 手 法 を提 案 す る。 本 論 文 に お い て 、 こ の 利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 を 、 利 用 者 の 特 徴 と 特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ手 法[1][2][3]と 呼 び 、そ して 、 この 利 用 者 の モ デ リン グ 手 法 を活 用 した モ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 を、 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法[4][5][6][7][8]
と呼 ぶ 。
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 は 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ手 法 に よ っ て 定 義 した 利 用 者 の モ デ ル を基 に 、モ デ ル ベ ー ス 開 発 の シ ミ ュ レー シ ョン環 境 で 利 用 者 の 代 理 と して 振 舞 うユ ー ザ モ デ ル を 作 成 し、多 機 能 シ ス テ ム の 代 理 と して 動 作 す る デ バ イ ス モ デ ル と協 働 させ る こ と で 、多 機 能 シ ス テ ム の 設 計 時 評 価 を実 施 し、 ユ ー ザ 要 求 に対 す る適 合 性 を検 証 す
る シ ス テ ム 開発 手 法 で あ る。
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ手 法 は 、多 くの 被 験 者 か ら対 象 製 品 に 関 わ る 大 量 の 定 量 デ ー タ を収 集 す る の で は な く、 境 界 の 利 用 者 を含 む 多 様 な利 用 者 の モ デ ル を作 成 す る た め に 、 比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を 定 性 デ ー タ で 補 完 し て利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル を 作 成 す る方 法 と して ペ ル ソ ナ[9][10]を 採 用 し、ペ ル ソナ に よ る利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を 基 に利 用 者 の モ デ ル を作 成 す る手 法 で あ る。
本 論 文 で は 、本 利 用 者 の モ デ リン グ手 法 の 有 効 性 を 検 証 す るた め に 、電 気 自動 車 の 蓄 電 池 利 用 に よ る電 力 需 要 の 平 準 化 の研 究 に 適 用 し、比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を 定 性 デ ー タ で 補 完 す る こ とで 、利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を 作 成 す る こ とが 可 能 で あ り、更 に 、多 様 な 利 用 者 プ ロ フ ァイ ル に 対 して そ れ ぞ れ の 利 用 者 の モ デ ル を 定 義 す る こ とが 可 能 で あ る こ と を証 明 した 。
利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 で は 、製 造 企 業 視 点 で の シ ス テ ム 開 発 か ら、利 用 者 視 点 で の シ ス テ ム 開 発 に 移 行 し、 ユ ー ザ 要 求 に適 合 す る シ ス テ ム を 開 発 す るた め に 、ISO9241‑
210:2010[11]で 定 義 され て い る人 間 中 心 設 計 を 採 用 して い る。 そ こ で 、 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く 利 用 者 の モ デ リン グ手 法 を適 用 し、ペ ル ソナ に よ り、比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を定 性 デ ー タ で 補 完 し て 利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル と シ ス テ ム の利 用 状 況 を 明確 に し、更 に 、利 用 者 の モ デ リン グ手 法 と して モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ[12][13]を 採 用 し、利 用 者 の モ デ ル とユ ー ザ 要 求 を 作 成 す る。
そ して 、シ ス テ ム の設 計 時 評 価 に お け る製 品 サ ン プ ル の ハ ー ドウ ェ ア 制 作 を 不 要 に す る こ と で シ ス テ ム 開 発 の 期 間 短 縮 と低 コ ス ト化 を 実 現 す る た め に 、製 品 サ ン プ ル の 代 理 で あ るデ バ イ ス モ デ ル を作 成 して シ ミ ュ レー シ ョ ン環 境 で シ ス テ ム を評 価 す る こ と を 可 能 にす るモ デ ル ベ ー ス 開 発[14][15][16]
を 採 用 して い る。 ま た 、 モ デ ル ベ ー ス 開発 に よ り、 モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ で 定 義 す るユ ー ザ 要 求 と利 用 者 の モ デ ル を基 に 、利 用 者 の 代 理 と して 振 舞 うユ ー ザ モ デ ル を作 成 し、製 品 サ ン プ ル の 代 理 で あ る デ バ イ ス モ デ ル と シ ミ ュ レー シ ョン 環 境 で 協 働 させ る こ とで 、製 品 サ ン プ ル も 被 験 者 も必 要 とせ ず に シ ス テ ム の す べ て の 機 能 に 対 し て 様 々 な 条 件 下 や 繰 り返 し同 一 条 件 下 に お け
る設 計 時 評 価 を可 能 に す る。
更 に 、被 験 者 を必 要 と しな い シ ミ ュ レー シ ョン 環 境 で の シ ス テ ム の設 計 時 評 価 に よ り、設 計 時 評 価 に お け る被 験 者 の負 傷 の リス ク を排 除 す る こ と を 可 能 にす る。
本 論 文 で は 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の有 効 性 を検 証 す る た め に 、本 開 発 手 法 を サ ー ビス ロ ボ ッ トの 物 理 的 安 全 と心 理 的 安 心 の た め の機 能 開 発 に適 用 し、本 開発 手 法 が利 用 者 視 点 で の シ ス テ ム 開発 を 実 現 し、開 発 した シ ス テ ム が 多 様 な 利 用 者 の ユ ー ザ 要 求 に 適 合 し、製 品 サ ンプ ル も被 験 者 も 必 要 と しな い 設 計 時 評 価 が 可 能 な シ ス テ ム 開 発 を 実 現 し、被 験 者 の 負 傷 の リス ク を 低 減 した シ ス テ ム 開 発 が 可 能 で あ る こ と を証 明 した 。 更 に 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー
ス 開 発 手 法 の 具 体 的 人 間 中 心 設 計 プ ロセ ス と して の 有 効 性 も証 明 した 。
そ して 、利 用 者 の特 徴 と特 性 に基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開発 手 法 を 、 車 椅 子 ロ ボ ッ ト、 テ レプ レゼ ンス 車 椅 子 ロ ボ ッ ト、 テ レ プ レゼ ン ス ロ ボ ッ トの 開発 に 適 用 して 、 本 手 法 の 有 効 性 を 示 した 。 更 に 、 テ レ プ レゼ ン ス ロ ボ ッ トの 開 発 に お い て は 、 具 体 的 人 間 中 心 設 計 プ ロセ ス と して の有 効 性 も示 した 。
1.2.本 論 文 の 構 成
本 論 文 で は 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 を 適 用 した 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開発 手 法 を提 案 す る。 そ して 、提 案 の 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ
ー ス 開 発 手 法 の 有 効 性 を、 以下 の構成 で検証 した。
本 論 文 は 、6章 で 構 成 す る。
第1章 で は 、 背 景 と 目的 、 お よび 、 本 論 文 の 構 成 を 示 す 。
第2章 で は 、本 論 文 に お け る 基 本 情 報 を示 す 。 基 本 情 報 と して は 、本 論 文 に お け る用 語 、 これ ま で の シ ス テ ム 開発 手 法 の課 題 、本 論 文 で 採 用 した 基 本 技 術 、本 論 文 で提 案 す る シ ス テ ム 開 発 手 法 の 構 成 、 そ して 、 本 論 文 の 各 章 の 位 置 付 け を示 す 。
第3章 で は 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ手 法 の 有 効 性 を 示 す 。最 初 に 、 ロ グ デ ー タ に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 に よ る利 用 者 の モ デ ル の シ ミュ レー シ ョン結 果 と、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 に よ る利 用 者 の モ デ ル の シ ミ ュ レー シ ョ ン 結 果 を 比 較 し、 そ の 有 効 性 を 検 証 す る[1]。次 に 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 に よ り、
複 数 の 利 用 者 グル ー プ に 対 し て 各 利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル を作 成 し、各 利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル を 基 に そ れ ぞ れ の 利 用 者 の モ デ ル を 作 成 し、 各 利 用 者 の モ デ ル に 基 づ く シ ミ ュ レー シ ョ ンの 結 果 を 比 較 し、そ の 有
4 第1章 緒言
効 性 を 検 証 す る[2][3]。
第4章 で は 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 有 効 性 を示 す 。 最 初 に 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ 手 法 で 定 義 し た利 用 者 の モ デ ル を基 に ユ ー ザ モ デ ル を 作 成 して モ デ ル ベ ー ス 開発 に適 用 し、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 有 効 性 を検 証 す る[4]。次 に 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 を 人 間 中 心 設 計 の 具 体 的 プ ロセ
ス と して 適 用 し、 具 体 的 人 間 中 心 設 計 プ ロセ ス と して の 有 効 性 を検 証 す る 圖 。
第5章 で は 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開発 手 法 の適 用 例 を 示 す 。利 用 者 の 特 徴 と 特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 を 、 車 椅 子 ロ ボ ッ トの 開 発[6]、 テ レ プ レゼ ン ス 車 椅 子 ロボ ッ ト の 開発[7]、 テ レ プ レゼ ン ス ロ ボ ッ トの 開発[8]に 適 用 し、 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 が 、利 用 者 視 点 に 立 ち 、 多 様 な利 用 者 に対 して 利 用 時 品 質 の 高 い サ ー ビス を提 供 し、 開 発 期 間 を短 縮 し、 開発 コ ス トを 低 減 し、 そ して 、被 験 者 の 負 傷 の リス ク を低 減 す る こ とを 可 能 にす る 開 発 手 法 で あ る こ と を確 認 す る。 更 に 、 テ レプ レゼ ン ス ロ ボ ッ トの 開 発 に お い て は 、 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 を具 体 的 人 間 中 心設 計 プ ロセ ス と して 適 用 し、そ の 有 効 性 を確 認 す る。
第6章 で 結 言 を 述 べ る。
第2章
本 論 文 に お け る基 本 情 報
本 章 で は 、 本 論 文 に お け る基 本 情 報 と して 、 本 論 文 に お け る用 語 、 これ ま で の シ ス テ ム 開発 手 法 の 課 題 、本 論 文 で採 用 し た 基 本 技 術 、 本 論 文 で提 案 す る シ ス テ ム 開 発 手 法 の 構 成 、 そ して 、 本 論 文 の 各
章 の 位 置 付 け を説 明 す る。
2.1.本 論 文 に お け る 用 語
本 節 で は 、本 論 文 で使 用 す る 用 語 を説 明 す る。
「第3章 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ 手 法 の 検 証 」 で は 、利 用 者 、利 用 者 プ ロ フ ァイ ル 、 利 用 者 プ ロ フ ァ イ リ ン グ 、利 用 者 の モ デ ル 、利 用 者 の モ デ リン グ 、 装 置 の モ デ ル 、環 境 の モ デ ル の 用 語 を使 用 して い る。
・ 利 用 者:対 象 製 品 や 対 象 サ ー ビ ス を 、 直 接 的 に 、 ま た は 、 間 接 的 に 利 用 す る人 間 。 サ ー ビ ス ロ ボ ッ トに お い て は 、 実 際 の 利 用 者 や サ ー ビス ロ ボ ッ トの周 囲 に 存 在 す る人 間 。
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利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル(Userprofile):利 用 者 の 特 徴 や 特 性 、 そ し て 振 舞 い を 含 む 人 物 描 写 。 利 用 者 プ ロ フ ァ イ リ ン グ(Userprofiling):利 用 者 の 特 徴 や 特 性 、 振 舞 い を 含 む 人 物 描 写 の 作
成 。
利 用 者 の モ デ ル(Modelofuser):モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ な ど に よ る ユ ー ザ 要 求 や 利 用 者 の 状 態 、 利 用 者 の 振 舞 い な ど の 定 義 。
利 用 者 の モ デ リ ン グ(Modelingofuser):モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ な ど に よ る ユ ー ザ 要 求 や 利 用 者 の 状 態 、 利 用 者 の 振 舞 い な ど の 定 義 の 作 成 。
装 置 の モ デ ル(Modelofdevice):モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ な ど に よ る 装 置 の 状 態 と 動 作 の 定 義 。
環 境 の モ デ ル(Modelofenvironment):モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ な ど に よ る 環 境 の 状 態 と動 き の 定 義 。
ま た 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リン グ 手 法 の 検 証 に お け る 、電 気 自動 車 の 蓄 電 池 利 用 に よ る電 力 需 要 の 平 準 化 の研 究 で は 、V2H、V2G、HEMS、CEMSの 用 語 を使 用 して い る。
6 第2章 本論文における基本情報
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V2H(VehicletoHome):自 動 車 の 蓄 電 池 の 家 庭 に お け る 電 源 と し て の 利 用 。 V2G(VehicletoGrid):自 動 車 の 蓄 電 池 の 電 力 系 統 に お け る 電 源 と し て の 利 用 。
HEMS(HomeEnergyManagementSystem):情 報 通 信 処 理 技 術 を 利 用 し た 家 庭 に お け る 効 率 的 な 電 気 エ ネ ル ギ ー 管 理 シ ス テ ム 。
CEMS(CommunityEnergyManagementSystem):情 報 通 信 処 理 技 術 を 利 用 し た 地 域 に お け る 効 率 的 な 電 気 エ ネ ル ギ ー 管 理 シ ス テ ム 。
そ し て 、 「第4章 利 用 者 の 特 徴 と 特 性 に 基 づ く モ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 検 証 」 で は 、 利 用 者 の 特 徴 と 特 性 に 基 づ く 利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 で 使 用 す る 、 利 用 者 、 利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル 、 利 用 者 プ ロ フ ァ イ リ ン グ 、 利 用 者 の モ デ ル 、 利 用 者 の モ デ リ ン グ 、 装 置 の モ デ ル 、 環 境 の モ デ ル 以 外 に 、 ユ ー ザ ビ リ テ ィ 、 ユ ー ザ エ ク ス ペ リ エ ン ス 、 ユ ー ザ モ デ ル 、 デ バ イ ス モ デ ル 、 エ ン バ イ ロ ン メ ン トモ デ ル 、 ユ ー ザ モ デ リ ン グ の 用 語 を 使 用 し て い る 。
・ ユ ー ザ ビ リ テ ィ(Usability):利 用 者 に と っ て の 製 品 や サ ー ビ ス に 関 わ る 物 理 的 な 使 い や す さ や 使 い 勝 手 な ど の 意 味 。 本 論 文 で は 物 理 的 安 全 に 関 わ る 要 素 も ユ ー ザ ビ リ テ ィ と し て い る 。
・ ユ ー ザ エ ク ス ペ リエ ン ス(UX:Userexperience):利 用 者 に と っ て の 製 品 や サ ー ビ ス に 関 す る 心 理 的 な 経 験 や 体 験 な ど の 意 味 。 本 論 文 で は 心 理 的 安 心 に 関 わ る 要 素 も ユ ー ザ エ ク ス ペ リエ ン ス と し て い る 。
・ ユ ー ザ モ デ ル(UM:Usermode1):モ デ ル ベ ー ス 開 発 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 環 境 で 利 用 者 の 代 理 と し て 振 舞 うプ ロ グ ラ ム(コ ン ポ ー ネ ン ト)。
・ デ バ イ ス モ デ ル(Devicemode1):モ デ ル ベ ー ス 開 発 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 環 境 で 装 置 の 代 理 と し て 動 作 す る プ ロ グ ラ ム(コ ン ポ ー ネ ン ト)。
・ エ ン バ イ ロ ン メ ン トモ デ ル(Environmentmode1):モ デ ル ベ ー ス 開 発 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 環 境 で 環 境 の 代 理 と し て 動 作 す る プ ロ グ ラ ム(コ ン ポ ー ネ ン ト)。
・ ユ ー ザ モ デ リ ン グ(Usermodeling):モ デ ル ベ ー ス 開 発 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 環 境 で 利 用 者 の 代 理 と し て 振 舞 う プ ロ グ ラ ム(コ ン ポ ー ネ ン ト)の 作 成 。
2.2.こ れ ま で の シ ス テ ム 開 発 手 法 の 課 題
こ れ ま で も 、 製 品 サ ン プ ル も被 験 者 も 必 要 と し な い シ ス テ ム 開 発 を 可 能 に し 、 被 験 者 の 負 傷 の リス ク を 低 減 す る シ ス テ ム 評 価 を 可 能 に す る た め の 開 発 手 法 が 研 究 さ れ て き た 。 こ の 開 発 手 法 に 関 す る 代 表 的 な 研 究 に は 、EUのVERITASProject‑FP71P(以 下 、VERITAS)[17][18]に よ るVirtualUser ModelingandSimulation(VUMS)[19][20]と 、 独 立 行 政 法 人 産 業 技 術 総 合 研 究 所[21]に よ る デ ジ
タ ル ヒ ュ ー マ ン(以 下 、DH)[22][23]が あ る 。 こ れ ら の 開 発 手 法 で は 、製 品 の 代 理 と な る デ ジ タ ル モ ッ ク ア ッ プ と利 用 者 の 代 理 と な る ユ ー ザ モ デ ル を 、3DCADな ど の ツ ー ル に よ っ て 作 成 し 、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 環 境 で 評 価 す る 方 法 を 採 用 し て い る
。
VERITASは 、 近 年 の ヨー ロ ッパ で 増 加 傾 向 に あ る高 齢 者 や 障 害 者 に 対 して 、 適 切 な製 品や 環 境 を 提 供 す る た め に 実 施 され た プ ロ ジ ェ ク トで あ る。 そ して 、VERITASで は 、 製 品 に 関 わ る利 用 者 の デ ー タ を 実 験 に よ り収 集 し、ユー ザモ デル を作成 し、シ ミュ レー シ ョン環 境 で評価 す る開発 手 法 を研 究 した 。VERITASの 開発 手 法 で は 、 ユ ー ザ モ デ ル の 作 成 に お い て 多 くの 被 験 者 を対 象 と して 製 品 に 関 わ る様 々 な 操 作 や 動 作 の ロ グデ ー タ を収 集 す る必 要 が あ り、デ ー タ の 収 集 に 長 期 間 と高 コ ス トを 必 要 とす る欠 点 が あ っ た 。 更 に 、VERITASの 開 発 手 法 に は 、 デ ー タ の 収 集 の 際 に 、 被 験 者 が 負 傷 す る リ ス ク も あ っ た 。 ま た 、DHは 、 身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 な どの 統 計 デ ー タ を 基 に ユ ー ザ モ デ ル を 作 成 し、 シ ミュ レー シ ョン環 境 で 評 価 す る 開発 手 法 で あ る 。 そ の た め 、DHに お い て も 、 ユ ー ザ モ デ ル の 作 成 の た め に 、多 く の被 験 者 や 回 答 者 を 対 象 に大 量 の デ ー タ を 収 集 して 、統 計 デ ー タベ ー ス を作 成 す る必 要 が あ り、 長 期 間 と高 コ ス トを必 要 とす る欠 点 が あ っ た 。
そ して 、 こ れ らの デ ジ タル モ ッ ク ア ップ とユ ー ザ モ デ ル に よ る 開 発 手 法 で は 、製 品 の 限 定 され た 機 能 しか 実 現 で きず 、 ま た 、人 間 の 身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 な ど の一 部 の 特 徴 や 特 性 しか 実 現 で き な い た め 、利 用 者 が 簡 単 な 操 作 をす る製 品 の 開 発 に は 有 効 で あ っ た が 、条 件 依 存 の動 作 や 利 用 者 の 振 舞 い に 対 応 す る リア ル タイ ム リア ク シ ョ ン を 必 要 とす る製 品 の 開 発 に は 適 して い な か っ た 。
2.3.本 論 文 で 採 用 した 基 本 技 術
本 論 文 で 提 案 す る利 用 者 の 特 徴 と特 性 に基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 と、そ れ を構 成 す る利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ く利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 で は 、 次 の 要 件 を 実 現 す る 。
① 利 用 者 視 点 で の 高 い利 用 時 品 質 を 実 現 した サ ー ビス を利 用 者 に 提 供 す る こ と が 期 待 され て い る。
(1)利 用 者 視 点 に 立 ち 、 ユ ー ザ 要 求 に 適 合 す る シ ス テ ム を 開 発 す る 必 要 が あ る。
② 境 界 の利 用 者 を含 む 多 様 な 利 用 者 に適 応 す る シ ス テ ム の 開 発 が 期 待 され て い る。
(2‑1)比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を 定 性 デ ー タ で 補 完 して 利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を 作 成 す る 必 要 が あ る。
(2‑2)多 様 な利 用 者 プ ロ フ ァイ ル に 対 して ユ ー ザ 要 求 と利 用 者 の モ デ ル を 定 義 す る必 要 が あ る。
③ す べ て の 機 能 の 開 発 と評 価 を 短 期 間 で 、 低 コ ス トで 実 現 す る こ とが 期 待 され て い る。
(3)製 品 サ ン プ ル も被 験 者 も必 要 と し な い 設 計 時 評 価 が 可 能 な シ ス テ ム 開 発 が 必 要 で あ る。
④ シ ス テ ム 開発 時 に お け る被 験 者 の負 傷 の リス ク の 低 減 が 期 待 され て い る。
(4)被 験 者 を必 要 と しな い シ ス テ ム の 設 計 時 評 価 を 可 能 にす る必 要 が あ る。
そ こ で 、 本 論 文 で は 、 人 間 中 心 設 計 、 ペ ル ソナ 、 モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ 、 モ デ ル ベ ー ス 開発 を採 用 し、以 下 の よ うに利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 の 要 件 を 実 現 す る。 な お 、本 論 文 で は 、サ ー ビス ロボ ッ トを 対 象 に研 究 を 進 め る た め 、 モ デ ル ベ ー ス 開 発 ツ ー ル と して 、RT‑Middleware(以 下 す べ て の 章 で 、RTM)[24][25][26]を 採 用 す る。
(1)利 用 者 視 点 に 立 ち 、 ユ ー ザ 要 求 に適 合 す る シ ス テ ム を 開発 す る。
人 間 中心 設 計 を導 入 す る こ とで 、製 造 企 業 視 点 に 基 づ く開 発 か ら利 用 者 視 点 に 基 づ く 開発 へ の 移
8 第2章 本論文における基本情報
行 を 可 能 にす る。
(2‑1)比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を 定 性 デ ー タ で 補 完 して 利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を作 成 す る。
ペ ル ソナ を利 用 者 プ ロ フ ァイ リン グ手 法 と して 採 用 す る こ とで 、被 験 者 数 と収 集 す るデ ー タ数 を 低 減 す る こ と を 可 能 と し、比 較 的 少 量 の 定 量 デ ー タ を 定性 デ ー タ で 補 完 して 、設 計 に 必 要 な 、境 界 の利 用 者 を 含 む 多 様 な利 用 者 に 関 す る情 報 を獲 得 し、 利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を 作 成 す る。
(2‑2)多 様 な利 用 者 プ ロ フ ァイ ル に 対 して ユ ー ザ 要 求 と利 用 者 の モ デ ル を 定 義 す る。
モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リン グ を利 用 者 の モ デ リン グ に適 用 す る こ とで 、製 品 の モ デ ル や 環 境 の モ デ ル と 同 じ手 法 で 、多 様 な 利 用 者 プ ロ フ ァイ ル を基 に ユ ー ザ 要 求 と利 用 者 の モ デ ル を ダイ ア グ ラ ム に よ っ て 定 義 す る こ と を 可 能 に す る。
(3)製 品 サ ン プ ル も被 験 者 も必 要 と し な い 設 計 時 評 価 が 可 能 な シ ス テ ム 開 発 を 実 現 す る。
モ デ ル ベ ー ス 開 発 を導 入 す る こ とに よ り、製 品 サ ン プ ル の 代 理 と して デ バ イ ス モ デ ル を シ ミ ュ レ ー シ ョン 環 境 で 評 価 す る こ とで
、 シ ス テ ム 開 発 の 長 期 化 と高 コ ス ト化 の 原 因 とな る 、設 計 時 評 価 に お け る製 品 サ ン プ ル の ハ ー ドウ ェア の 制 作 を 不 要 に す る。 ま た 、利 用 者 の 代 理 と して 振 舞 うユ ー ザ モ デ ル を モ デ ル ベ ー ス 開 発 に 導 入 して シ ミュ レー シ ョ ン 環 境 で デ バ イ ス モ デ ル と協 働 させ る こ とに よ り、身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 だ け で は な く、条 件 依 存 の 動 作 や 利 用 者 の 振 舞 い に 対 応 す る リア ル タ イ ム リア ク シ ョ ン な ど を 、様 々 な 条 件 下 や 繰 り返 し同 一 条 件 下 に お い て 、 シ ス テ ム の す べ て の 機 能 に 対 して 、 評 価 を 可 能 に す る。
(4)被 験 者 を必 要 と しな い シ ス テ ム の 設 計 時 評 価 を 可 能 にす る。
ユ ー ザ モ デ ル をモ デ ル ベ ー ス 開 発 に 導 入 す る こ と に よ り、利 用 者 の 代 理 と して ユ ー ザ モ デ ル を シ ミュ レー シ ョ ン環 境 で 動 作 させ て シ ス テ ム を 設 計 時 評 価 で き る の で 、設 計 時 評 価 に お け る被 験 者 の 負 傷 の リス ク の排 除 や 、 検 証 に お け る被 験 者 の 負 傷 の リス ク の低 減 を 可 能 に す る 。
本 節 で は 、 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 手 法 で 採 用 した 、人 間 中 心 設 計 、ペ ル ソ ナ 、 モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ 、 モ デ ル ベ ー ス 開 発 を 説 明 す る。 そ して 、RTMに 関 して は 、 モ デ ル ベ ー ス 開発 と と も に 、 モ デ ル ベ ー ス 開 発 ツ ー ル と して の 役 割 を 説 明 す る。
2.3.1.人 間 中 心 設 計
サ ー ビス ロボ ッ トに代 表 され る多 機 能 シ ス テ ム は 、利 用 者 視 点 で 、 高 い ユ ー ザ ビ リテ ィ と高 い ユ ー ザ エ ク スペ リエ ン ス を 有 す る 、利 用 時 品 質 の 高 い サ ー ビス を利 用 者 に提 供 す る こ とが 期 待 され て い る。
しか し、 これ ま で の シ ス テ ム 開 発 で は 、製 造 企 業 視 点 に 立 ち 、製 造 企 業 の 独 自技 術 に 基 づ い て シ ス テ ム を 開 発 して きた た め 、 シ ス テ ム が ユ ー ザ 要 求 に 適 合 して い な い こ とが あ っ た。 ま た 、製 造 企 業 は 利 用 者 グル ー プ の 中 心 的 利 用 者 だ け に 焦 点 を 当 て て お り、境 界 の 利 用 者 を 含 む 多 様 な利 用 者 に適 応 す る
シ ス テ ム 開 発 は 実 施 され て こ な か っ た 。
そ こ で 、利 用 者 視 点 の 開 発 プ ロセ ス モ デ ル と して 、人 間 中 心 設 計(HCD:Human‑centreddesign)
がISO9241‑210:2010で 定 義 され た 。人 間 中 心 設 計 は 、人 間 が 使 用 可 能 で あ り、人 間 に と っ て 有 用 な
シ ス テ ム を 開発 す る こ と を 目的 と した 開発 ア プ ロ ー チ で あ る。 そ して 、 人 間 中 心 設 計 で は 、利 用 者 に 着 目 し、高 い ユ ー ザ ビ リテ ィ と高 い ユ ー ザ エ ク ス ペ リエ ン ス を 有 す る利 用 時 品 質 の 高 い サ ー ビ ス を利 用 者 に 提 供 す るた め 、 ユ ー ザ 要 求 に適 合 す る 技 術 を適 用 す る こ とを 前 提 と して い る。
Fig.1に 、Iso9241‑210:2010で 定 義 され た 人 間 中心 設 計 プ ロセ ス モ デ ル を 示 す 。 Planthehuman‑centred
designprocess
Understandandspecify Designedsolutionthecontextofuse
meetsuser Requirements
4〆!一'd‑一'一 一'‑nny‑b‑一一N\ ρPP・ ・P・i・t・
Evaluatethedesigns againStreqUirementS
Producedesignsolutionsto meetUSerreqUirementS
Specifytheuser reqUirementS
Fig.1人 間 中心 設 計 プ ロセスモ デ ル.
しか し、ISO9241‑210:2010で は 、人 間 中 心 設 計 の 具 体 的 プ ロセ ス を 提 案 して い な い 。 そ こ で 、 こ れ ま で の 人 間 中心 設 計[27][28][29][30]に よ る シ ス テ ム 開 発 で は 、 ペ ー パ ー プ ロ トタ イ ピ ン グや モ ッ ク ア ッ プ の 制 作 と被 験 者 に よ る評 価 を繰 り返 す 方 法 が 多 く実 施 され て き た 。 しか し、 こ れ らの 方 法 で は 製 品 の 限 定 され た 形 状 や 機 能 しか 実 現 で き な い た め 、利 用 者 の身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 に 関 わ る製 品 の 開 発 や 評 価 に は 適 して い た が 、条 件 依 存 の 動 作 や 利 用 者 の 振 舞 い に 対 応 す る リア ル タ イ ム リア ク シ ョ ン を必 要 とす る製 品 の 開 発 や 評 価 に は 適 して い な か っ た 。 ま た 、 これ らの 方 法 で は 、 多 く の被 験 者 を必 要 と した た め 、被 験 者 の 多 い ユ ー ザ グル ー プ の 中 心 的 利 用 者 に よ る評 価 は 可 能 だ が 、被 験 者 の 少 な い 境 界 の利 用 者 を含 む 多 様 な 利 用 者 に よ る評 価 が 困 難 とい う欠 点 も あ っ た 。そ こ で 、本 論 文 で は 、 人 間 中 心 設 計 の 具 体 的 プ ロ セ ス と な る新 た な 開 発 手 法 を研 究 した 。
2.3.2.ペ ル ソ ナ
製 品 の利 用 時 品 質 の 向 上 の た め に は 、利 用 者 を正 確 に 理 解 す る こ とが 不 可 欠 で あ る。 しか し、利 用 者 を理 解 す る こ とは 容 易 で は な い 。 例 え ば 、健 常 者 で あ る 開 発 者 が 、介 護 用 サ ー ビス ロ ボ ッ トの よ う
な 障 害 者 用 機 器 や 装 置 、 そ して 、 そ れ らの 利 用 環 境 や 利 用 方 法 、 利 用 形 態 な どの 利 用 状 況(Context ofuse)を 理 解 す る こ とは 容 易 で は な い 。
本 研 究 で は 、利 用 者 と利 用 者 に よ る製 品 の利 用 状 況 を理 解 す る た め に 、利 用 者 の 特 徴 や 特 性 を 収 集 し、利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル を 作 成 し、製 品 の 利 用 状 況 を 明 確 にす る手 法 を 検 討 し、ペ ル ソナ(Persona) に 着 目 した 。 ペ ル ソナ は 、製 品 や サ ー ビス な ど の 顧 客 を対 象 と し、顧 客 の 特 徴 や 特 性 、購 買 状 況 を擬 人 化 して 表 現 す る 代 表 的 な顧 客 プ ロ フ ァイ リ ン グ 手 法 の 一 つ で あ る。
そ こ で 、ペ ル ソナ を 利 用 者 に 適 用 し、利 用 者 の 身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 だ け で は な く、 心 理 的 要 因
10 第2章 本論文における基本情報
を 含 む 特 徴 や 特 性 で あ る振 舞 い や 経 時 的 変 化 な ど を含 む 利 用 状 況 を擬 人 化 して 表 現 す る利 用 者 プ ロ フ ァ イ リ ン グ 手 法 と して の 有 効 性 と、人 間 中 心 設 計 に 対 す る適 用 性 を調 査 した 。そ して 、調 査 を基 に 、 本 論 文 で は 、 ペ ル ソナ を利 用 者 プ ロ フ ァイ リ ン グ 手 法 と して 採 用 した 。
ペ ル ソナ の プ ロ フ ァ イ リ ン グ プ ロ セ ス は 、デー タの収集 と利 用者 のセ グメ ン ト化 、フ ァク トイ ドの 解 析 と整 理 、 ス ケ ル トン の 作 成 と優 先 順 位 付 け 、 主 要 ペ ル ソナ の 作 成 、 ペ ル ソナ の 検 証 で構 成 して い る。 な お 、 フ ァ ク トイ ドは 、利 用 者 の 特 徴 や 特 性 、 利 用 状 況 、利 用 方 法 、 利 用 形 態 、 利 用 場 所 、 振 舞 い 情 報 な ど を 表 現 す る 最 小 単 位 で あ り、 ペ ル ソナ の 骨 格 で あ る ス ケ ル トン の 構 成 要 素 で あ る。
ペ ル ソナ の 特 徴 の 一 つ と し て 、比 較 的少量 の定 量デ ー タ を、少人 数 に対す るイ ン タ ビュー な どに よ る定 性 デ ー タ で 補 完 す る こ と で 、利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル を作 成 で き る利 点 が あ る。ま た 、ペ ル ソナ に は 、 ユ ー ザ 要 求 の 定 義 や シ ス テ ム の 要 件 定 義 に 必 要 な機 能 条 件 や 非 機 能 条 件 を フ ァ ク トイ ドと し て抽 出 し、 そ れ らを 基 に 、利 用 者 の 身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 な どの 身 体 的 特 徴 や 特 性 だ け で は な く 、心 理 的 要 因 を 含 む 特 徴 や 特 性 で あ る振 舞 い や 経 時 的 変 化 、 そ して 、製 品 の利 用 環 境 や 利 用 方 法 、 利 用 形 態 な どの 利 用 状 況 を、 ス トー リー と して 定 義 で き る利 点 も あ る 。
そ して 、 ス トー リー と して 表 現 した 身 体 的 形 状 や 物 理 的 動 作 な ど の身 体 的 特 徴 や 特 性 、心 理 的 特 徴 や 特 性 を含 む 利 用 者 の振 舞 い や 経 時 的 変 化 、利 用 状 況 な ど は 、利 用 者 の状 態 遷 移 の 定 義 だ け で は な く 、
シ ス テ ム に 対 す る ユ ー ザ 要 求 や シ ス テ ム の 状 態 遷 移 の 定 義 に お い て も有 用 で あ る。
Fig.2に 、 本 論 文 で 採 用 した ペ ル ソナ の プ ロ フ ァイ リン グ プ ロセ ス[10]を 示 す 。
デ ー タの 収 集 と利 用 者 の セグ メン ト化
ファクトイドの 解 析 と整 理
ス ケル トンの 作 成 と優 先 順 位 付 け
主 要 ペ ル ソナ の 作 成
ペ ル ソナ の 検 証 ペ ル ソナ の 検 証
Fig.2本 論 文 で 採 用 した ペ ル ソナ の プ ロフ ァイ リン グ プ ロセ ス.
ペ ル ソナ に よ る利 用 者 プ ロ フ ァイ リン グ で は 、対 象 製 品 や 対 象 サ ー ビス 毎 に収 集 す べ き 情 報 項 目群
と条 件 が 異 な るた め 、 対 象 製 品 や 対 象 サ ー ビ ス を特 定 す る必 要 が あ り、 そ して 、 収 集 す べ き情 報 項 目 群 と条 件 も経 時 的 に 変 化 す る た め に 、ペ ル ソナ の 自動 作 成 は 困 難 で あ る。 ま た 、 対 象 製 品 や 対 象 サ ー
ビス の ペ ル ソナ を適 切 に 維 持 す る た め に は 、最 新 の 利 用 者 の 利 用 状 況 を 調 査 し、ペ ル ソナ を 更 新 し続 け る 必 要 が あ る。
な お 、ペ ル ソナ に よ る利 用 者 プ ロ フ ァイ リン グ で は 、収 集 す べ き情 報 項 目群 と条 件 の 決 定 に お い て 、 調 査 者 の 知 識 や 常 識 を排 除 す る 必 要 が あ る。
2.3.3.モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ
シ ス テ ム 開 発 で は 、 シ ス テ ム を 明 確 に 定 義 し 、 表 現 す る こ と が 必 須 で あ る 。 モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ(MBSE:Mode1‑basedSystemsEngineering)は 、 シ ス テ ム の 分 析 、 仕 様 決 定 、 設 計 、 検 証 の 支 援 を 目 的 と し 、 シ ス テ ム 要 求 定 義 や シ ス テ ム の 構 造 、 シ ス テ ム の 動 作 を ダ イ ア グ ラ ム に よ っ て 記 述 し 、 装 置 な ど の モ デ ル を 定 義 す る 手 法 で あ る 。
ダ イ ア グ ラ ム に は 、 要 求 ダ イ ア グ ラ ム 、 パ ッ ケ ー ジ ダ イ ア グ ラ ム 、 ブ ロ ッ ク 定 義 ダ イ ア グ ラ ム 、 内 部 ブ ロ ッ ク ダ イ ア グ ラ ム 、 パ ラ メ ト リ ッ ク ダ イ ア グ ラ ム 、 ユ ー ス ケ ー ス ダ イ ア グ ラ ム 、 シ ー ケ ン ス ダ イ ア グ ラ ム 、 ア ク テ イ ビ テ イ ダ イ ア グ ラ ム 、 ス テ ー トマ シ ン ダ イ ア グ ラ ム が あ る 。 モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ で は 、 こ れ ら の ダ イ ア グ ラ ム を 使 っ て 、 ユ ー ザ 要 求 や 装 置 の モ デ ル 、 環 境 の モ デ ル を 定 義 す る こ と が 可 能 で あ る 。 利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 で は 、 利 用 者 の モ デ リ ン グ 手 法 と し て モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ を 採 用 し た 。
こ れ ま で の モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ で は 、 装 置 の モ デ ル や 環 境 の モ デ ル か ら 独 立 し た 利 用 者 の モ デ ル を 定 義 す る こ と は な か っ た 。そ こ で 、本 論 文 で は 、利 用 者 プ ロ フ ァ イ ル を 基 に 、 装 置 の モ デ ル や 環 境 の モ デ ル か ら独 立 し た 利 用 者 の モ デ ル を 作 成 す る 手 法 を 研 究 し た 。
Fig.3に 、モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ エ ン ジ ニ ア リ ン グ の た め の シ ス テ ム ズ モ デ リ ン グ 言 語(以 下 、 SysML)の ダ イ ア グ ラ ム の 構 成 を 示 す 。
システム要求定義 1要 求ダイアグラム1
システムの構造 1パ ツケ ー ジ ダ イア グ ラムl lブ ロック定 義 ダイア グ ラムl l内 部 ブ ロックダイア グ ラムl lパ ラメトリツクダ イア グ ラム1
システムの動作 1ユ ー ス ケ ー ス ダ イア グ ラム1 1シ ー ケ ン ス ダイア グラム1 1ア クティビテ ィダ イア グ ラム1 1ス テ ー トマシ ン ダイアグ ラム1 Fig.3モ デ ル ベ ー ス ・シ ス テ ム ズ ェ ン ジ ニ ア リ ン グ の た め のSysMLの ダ イ ア グ ラ ム.
本 論 文 で は 、Fig.3に お い て グ レー の 四角 の ボ ック ス で 示 した 要 求 ダ イ ア グ ラ ム と ス テ ー トマ シ ン ダ イ ア グ ラ ム に よ り、 ユ ー ザ 要 求 と利 用 者 の モ デ ル を 定 義 した 。
12 第2章 本論文における基本情報
2.3.4.モ デ ル ベ ー ス 開 発 お よ び モ デ ル ベ ー ス 開 発 ツ ー ル
シ ス テ ム 開 発 に お い て 、 開 発 期 間 を 長 期 化 させ 、 高 コ ス ト化 さ せ る 要 因 と し て 、 製 品 サ ン プ ル の ハ ー ド ウ ェ ア の 制 作 と、 被 験 者 に よ る 評 価 や 検 証 が あ る 。 そ し て 、 シ ス テ ム が 複 雑 に な れ ば な る ほ ど 、 製 品 サ ン プ ル の ハ ー ド ウ ェ ア の 制 作 と 被 験 者 に よ る 評 価 や 検 証 に 、長 期 間 と 高 コ ス トを 要 す る 。ま た 、 製 品 サ ン プ ル の ハ ー ド ウ ェ ア に 不 具 合 が 発 見 さ れ れ ば 、 製 品 サ ン プ ル の ハ ー ド ウ ェ ア を 修 正 し た り 、 制 作 し直 した りす る 必 要 が あ り 、 更 に 、 開 発 期 間 を 長 期 化 させ 、 高 コ ス ト化 させ る 要 因 と な る 。
モ デ ル ベ ー ス 開 発(MBD:Model‑BasedDevelopment)で は 、 製 品 サ ン プ ル の ハ ー ド ウ ェ ア を 制 作 す る 必 要 が な く 、 シ ス テ ム の 代 理 と し て 動 作 す る デ バ イ ス モ デ ル や 、 環 境 の 代 理 と し て 動 作 す る エ ン バ イ ロ ン メ ン トモ デ ル を 使 い 、モ デ ル ベ ー ス ・シ ミ ュ レー シ ョ ン(MBS:Model‑BasedSimulation)
に よ り、 シ ス テ ム の 設 計 時 評 価 や 検 証 が 可 能 に な る 。 そ こ で 、 シ ス テ ム 開 発 に お い て 、 開 発 期 間 の 短 縮 と コ ス トの 削 減 な ど を 目 的 に 、 自 動 車 業 界 な ど で モ デ ル ベ ー ス 開 発 が 普 及 し は じ め て い る 。 ま た 、
モ デ ル ベ ー ス 開 発 に は 、 作 成 し た モ デ ル を 実 シ ス テ ム の 基 盤 と し て 利 用 で き る 利 点 も あ る 。 Fig.4に 、 一 般 的 な モ デ ル ベ ー ス 開 発 の 開 発 プ ロ セ ス を 示 す 。
モデル ベー ス開発
一
「 「
モ デ ル ベ ー ス ・ シ ミュ レー シ ョン
「
実システムによる 検証実験 1システム要求定義 巳 ⇔ 標 システム統合テスト1 ⇔ システ ム 統 合 テ ス ト1
⇔
1システム基本設計 巳 ⇔1シ ステム結合テスト1 シス テム 結 合 テ ス ト1
ノ ノ
r
ソフトウエア開刈h
■■■■巳 一 「
1ソフトウェア要求定義 唱 ⇔ ソフトウェア統合テスト1 1自動 コー ディングllソ フトウェア基 本 設 計l
lソフトウェア言羊細 設}ト● ⇔
⇔ ソフトウェア結合テスト1
ソフ トウ ェア 単 体 テ ス トl Iプ ロ グ ラミン グ(コ ー デ ィン グ)1
」
Fig.4一 般 的 な モ デ ル ベ ー ス 開 発 の 開 発 プ ロセ ス.
しか し、 これ ま で の モ デ ル ベ ー ス 開 発 で は 、利 用 者 の 代 理 と して 振 舞 うユ ー ザ モ デ ル を 独 立 した モ デ ル と して 作 成 す る こ と は な く、利 用 者 の 振 舞 い をデ バ イ ス モ デ ル や エ ンバ イ ロ ン メ ン トモ デ ル の 一 部 と して 定 義 した た め 、 多 様 な利 用 者 の様 々 な 振 舞 い に対 応 す る評 価 は 困 難 で あ っ た 。
本 論 文 で は 、 ロ ボ ッ ト開 発 用 ミ ドル ウ ェア で あ るRTMを ロボ ッ ト開 発 の た め の モ デ ル ベ ー ス 開 発 ツ ー ル と して 採 用 した。RTMに は 式 や 図 形 か ら 自動 的 に プ ロ グ ラ ム を 生 成 す る 自動 コ ー デ ィ ン グ機 能 は な い が 、RTMは 単 な る ミ ドル ウ ェ ア で は な く 、 シ ミ ュ レー シ ョ ン ツ ー ル と して の 能 力 を備 えて い る。 そ こ で 、本 論 文 で は 、利 用 者 の 代 理 と して の ユ ー ザ モ デ ル 、 装 置 の 代 理 と して の デ バ イ ス モ デ ル 、環 境 の 代 理 と して の エ ンバ イ ロ ン メ ン トモ デ ル を 、RTM上 の コ ン ポ ー ネ ン トと して 作 成 し、RTM
上 の シ ミ ュ レー シ ョ ン環 境 で 協 働 させ て 、 利 用 者 を 含 め た シ ス テ ム 全 体 を 評 価 す る手 法 を 研 究 した 。 Fig.5に 、利 用 者 の 特 徴 と特 性 に 基 づ くモ デ ル ベ ー ス 開 発 に 適 用 したRTMに よ るモ デ ル ベ ー ス 開