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〈 論 説 〉
ア メ リカ イ ンデ ィア ン法 研 究序 説(三)
公法学 の視 点か ら
藤 田 尚 則
目 次
は じ め に
第 一 章 イ ン デ ィ ア ン 問 題 の 規 制 に 関 す る連 邦 の 権 限 の 史 的 展 開 第 一 節 前 憲 法 時 代(1532年 〜1789年)
1.国 際 法 と植 民 地 時 代 一 ビ ト リ ア の 学 説 2.Moheganv.GovernorofConnecticut
3.ジ ョー ジ 王 戦 争 、 植 民 地 連 合 及 び フ レ ン チ ー イ ン デ ィ ア ン 戦 争 第 二 節 合 衆 国 憲 法 制 定 か ら条 約 締 結 の 終 了(1789年 〜1871年)
1.連 合 規 約 と合 衆 国 憲 法
2.マ ー シ ャ ル ・コ ー トに お け る二 つ の チ ェ ロ キ ー 事 件 3.条 約 時 代 の 終 了 へ 向 け て の 政 策
4.全 権(PlenaryPower)時 代 の 起 こ り(以 上 第19巻1・2合 併 号) 第 三 節 土 地 割 当 と 同 化(1871年 〜1928年)
1.全 権 時 代 の 始 ま り
2.連 邦 最 高 裁 判 所 の 対 応 の 変 化 の 過 程 3.全 権 の 行 使(以 上 第19巻3・4合 併 号) 第 四 節 イ ン デ ィ ア ン再 組 織 法(1928年 〜1942年)
1.「 ドー ズ 法 」 の 成 果 と 「メ リ ア ム 報 告 書 」 2.政 策 転 換
3.1934年 イ ン デ ィ ア ン 再 組 織 法(IRA)の 制 定 と そ の 運 用(以 上 本 号) 4.そ の 他 の ニ ュ ー ・デ ィ ー ル 政 策 下 に お け るイ ン デ ィ ア ン 問 題 処 理 法 概 観 第 五 節 連 邦 管 理 終 結 政 策(1943年 〜1961年)
第 六 節 民 族 自決 と 自 治 政 策(1961年 〜 現 在)
第 四 節 イ ン デ ィ ア ン再 組 織 法(1928年 〜1942年)
1.「 ドー ズ 法 」 の 成 果 と 「メ リ ア ム 報 告 書 」 (a)「 ドー ズ 法 」 の 成 果
前 節 で 詳 論 して き た よ う に 、1887年2月8日 に制 定 さ れ た 「ドー ズ 単 独 土 地
t)
所 有 法 」 は 、大 統 領 に保 留 地 に居 住 す るイ ンデ ィア ンに 明 示 され た単 位 で 一 各 家族 の 長 に対 して160エ ー カ ー、18歳 以 上 の独 身者 に80エ ー カ ー 、18歳 未 満
の孤 児 に80エ ーカ ー 部 族 の土 地 を単 独所 有 で き る よ う割 当 て る権 限 を付 与
す る もの で あ っ た 。 同 法 に 対 して は 、 二 度 の 改 正 が 試 み られ 、1891年2月28日
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改 正 法 は 、従 来 の 割 当 を 変 更 す る も の で は な か っ た が 、土 地 の割 当総 量 を160エ ー カ ー か ら80エ ー カ ー に変 更 し、 更 に 当 該 土 地 の 賃 貸 を 認 め る こ とを そ の 内 容 と す る もの で あ っ た(第1条)。 ま た 、2度 目 の 改 正 た る1906年5月8日 改 正 法(通
3}
称 「 バー ク法 」)は 、 ドー ズ 法 で は割 当地 の所 有 権 は合 衆 国 に よっ て25年 間 、信 託 保 有 され 、 大 統領 が 希 望 す る場 合 は、 それ 以 上 の 期 間 で 信 託 保 有 され得 る旨 規 定 され て い た が、 かか る25年 間 の信 託 期 間 を 内務 長 官 の 自由裁 量 に委任 した の で あ る。 す な わ ち、 内務 長 官 は、 イ ンデ ィ ア ンが 「 彼 又 は彼 女 の問 題 を管理 す る資 格 が あ り、及 び能 力 が あ る」 と認 め た場 合 、土 地 は信 託 か ら開 放 され、
賃 貸 し得 る と し、 更 に、 イ ンデ ィア ンが信 託 期 間 の終 了 前 に死 亡 した場 合 、 内 務 長 官 は、 相 続 人 を決定 し、 及 び 当該 相 続 人 に特 許 状 を発 出 し、 若 し くは 当該 土 地 を売 却 す る こ とを認 め、及 び 「 一・ 人 の購 買 者 又 は複 数 の 購 買 者 」 に特 許状 を付 与 す る、 と した の で あ る(第6条)。
か か る連 邦 政 府 の土地 割 当政 策(allotmentpolicy)の 基 本 を構 成 す る ところ の 一・ 般 理 論 は、 保 留 地 の部 族 共 有 制 を廃 止 して 私 有 財 産 制 に移 行 し、 自 らの小 区画地(plot)を 所 有 す る こ とにな っ た個 々 の イ ンデ ィア ン を農 業経 営者 又 は牧 畜 経 営 者 に移 行 させ るに あ った 。 更 に、 部族 共 有 制 に基 礎 を 置 く部 族 共 同体 の 文化 を破 壊 し、 イ ンデ ィア ンを分 散化 し、 白人 の市 民社 会 に同化 させ るに あ り、
個 々 の イ ンデ ィア ンは、彼 らの新 た な身 分 に見 合 う よ う ヨー ロ ッパ(文 明)の 価 値 基 準 に同化 させ られ て い っ た の で あ る。 白人 との 交 渉 が 結 果 的 に生 じて くる
土地 に対 す る所 有 権 者 た る地 位 乃 至資 格 をイ ン デ ィ ア ンに与 え る こ とは、 白人 の側 か らす れ ば、 と りもな お さず 、彼 ら/彼 女 らに文 明 化 と自助 を教 化 す る手 段 で あ り、政 府 を してイ ンデ ィア ン問題 とその生 活 の 更 な る管 理 の負 担 を軽 減 させ るに あ った 。 勿 論 、 以 前 は入 手不 可 能 で あ った莫 大 な イ ンデ ィア ンの土 地 を 白人 に開放 す る結 果 を招 来 した こ とは、言 うを待 た な い ところで あ る(現 実に、
イ ンデ ィア ンの個 人所 有地 の大 半 は、 白人の土地投機 業者や大土地会社 の手 に落 ちて いったので ある)。 当時、 既 に0定 の イ ンデ ィ ア ン部族 に適用 され た条 約 及 び法律
4)
に基 づ く土 地 割 当 は存在 した が 、 上 記 ドー ズ法 並 び に そ の後 の諸政 策 は、 個 々
の差 異 を全 く考 慮 に入 れ な い大 規 模 な土 地 の私 有 制 と再 配 分 を行 う初 め て の試
み で あ っ た ので あ る。
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連 邦 政 府 が採 っ た 土地 割 当政 策 は、 イ ンデ ィア ン に とっ て は、 将 に、 天 災 で あ った と評価 せ ざ るを得 ないで あ ろ う。 す なわ ち、 土地 基 盤 の破 壊 は、 イ ンデ ィ ア ン部族 の 内部 問題(内 政)の 統 制 を ほ とん ど無 効 にす るほ どまで に減 退 させ た が、 イ ン デ ィ ア ン固有 の文 化 は、部 族 間 で それ ぞ れ 多様 で あ るに して も、本 来 、 彼 ら/彼 女 らの どの 文 化 を とっ て み て も、 個人 と して の イ ンデ ィア ンが農 業 経
営 に従 事 す る こ と、 或 い は土 地 を所 有 す る こ とを予 定 す る もの は な に もそ の 中
5)
に持 ち 合 わせ て は い な か っ た の で あ る。 監 督 官(Commissioner)を 努 め て い た
I>)
ジ ョ ン ・コ リア(JohnCollier,1884‑1968)は 、 「土 地 割 当 法 は 、 各 々 の 土 地 を 割 当 て られ た 部 族 の 第 三 世 代 の イ ンデ ィ ア ン か ら完 全 に土 地 を 取 り上 げ る こ と を 企 図 す る も の で あ る 。」 と述 べ 、1887年 以 来 、 イ ン デ ィ ア ン の 全 土 地 所 有 は 138,000,000エ ー カ ー か ら48,000,000エ ー カ ー に減 少 し、そ の うち の20,000,000 エ ー カ ー は 不 毛 の 土 地 か 、 さ も な けれ ば 、 半 乾 燥 の 土 地 で あ っ た こ と を 指 摘 し
7}
て い る。
そ して 、 三 っ の種 類 の売 却 方 法 が 、 か か る土 地 所 有 の減 少 の 原 因 とな っ た と 言 わ れ て い る。 す な わ ち、 ① 部 族 の構 成 員が 自 らの 割 当地 を受 け取 っ た後 の保 留地 に取 り残 され た余 剰 土 地 の売 却 、② イ ンデ ィ ア ンが 自 らの割 当地 に完 全 な る権 原 を受 け取 っ た後 の彼 らに よ る土地 の売 却 、③ 自 らの保 有 地 の規 模 を決 し て増 や さ なか っ たが 、 自 らの遺 言 に基 づ いて 土 地 を子 ども達 に均 等 に分割 した か 、 或 い は遺 言 を残 さな い で死 亡 した 両 親 に よ っ て小 単 位 の 区画 に分 割 され た 割 当 地 の売 却 、 が そ れ で あ る。 二世 代 以 上 の イ ンデ ィア ンに とっ て 、 土 地 の 売 却 、 特 に、 上 記 ③ の型 の それ は、 「 残 りの イ ンデ ィ ア ン に割 当 て られ た土 地 が、
白人 に渡 る こ とを数 学 的 に保 証 し、 そ して その こ とを要 求 す る」 もので あ った 。 この こ とは、 特 に、 当初 の被 割 当 人 の相 続 人 間 で の分 割 に よ って 、 イ ンデ ィア ンの土 地 の加 速 的崩 壊 を齎 す こ とを意 味 し、 結 果 と して か か る土 地 の崩 壊 は、
土 地 所 有 の規 模 を運 営 ・維 持 で きな い面 積 に まで減 少せ しめた の で あ る。 この 過 程 は、 通例 、 イ ンデ ィア ンの土 地 が 、 「 たか だか 白人 が所 有 す る財産 とい う大 海 の 中 の 島 嘆 」 にす ぎ な くな る まで に、 割 当地 に隣 接 して居 住 す る 白人農 業 従 事者 へ の小 区画 の 土 地 の賃 貸 又 は売 却 とい う形 態 を とっ て推 し進 め られ た の で あ る。 イ ンデ ィ ア ン達 は、 「 常 に減 少 す る小 額 の賃 貸 金 に頼 って生 活 を余儀 な く
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さ れ る 不 在 地 主 」 に な る こ とを 、 半 ば 強 要 さ れ て い っ た の で あ る。
1920年 代 中葉 か ら1930年 代 初 頭 にか けて 、 イ ンデ ィア ン政 策 にお け る連 邦 政 府 の対 応 に大 きな 変化 が起 き る。 す な わ ち、 土 地 割 当 時代 に採 られ て 来 た 同化 政 策 か らの離 脱 が 開始 され 、 イ ン デ ィ ア ン文 化 の独 自の様 相 に対 す る寛 容 な態 度 と敬 意 が 払 われ る よ う にな った 。 新 た な保 護 が 、 イ ンデ ィ ア ンの諸 権 利 に供 与 され 、部 族 組 織(Tribalism)が 支 援 され 、 芸 術 、 手 工 芸 及 び観 光 事業 とい っ た歴 史 的 、 人類 学 的 関 心 事 が 奨励 され た ので あ る。 連 邦 の方 向転 換 は、1920年 代 にお け るイ ン デ ィ ア ン政 策 に 対 す る疑 念 を抱 い た 団体 や 個 人 の努 力 に負 う と
g}
こ ろが大 で あ る と評 され る。 これ らの イ ンデ ィ ア ン擁 護 者 達 は、 イ ンデ ィ ア ン の土地 基 盤 を減 退 せ しめ る公 的 な強制 や議 会 提 案 を批判 した ので あ る。 イ ンデ ィ ア ンの土地 所 有 を更 に減 少 せ しめ る よ う提 案 され た この 当時 の幾 つ か の法 案 は、
反 対 の憂 き 目に会 い、1924年 、 イ ンデ ィア ン問題 に関 す る国家 的規 模 の顧 問 団 体 で あ る百 人 委 員 会(TheCommitteeofOneHundred)が 、政 策 転換 を政 府
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に 推 奨 した の で あ る 。
(b)メ リ ア ム 報 告 書
1928年2月21日 、 内 務 長 官 ヒ ュ ー バ ー ト ・ワ ー ク(HubertWork)の 要 請 に 基 づ い て 企 画 さ れ 、 同 長 官 に 付 託 さ れ た 非 政 府 組 織 で あ る 管 理 に 関 す る 政 府 調 査 研 究 所(TheInstituteforGovernmentResearchStudiesinAdministration)
(後 に ブ ル ー キ ン グ ス 研 究 所(TheBrookingsInstitute))に よ る2年 に 及 ぶ イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 研 究 の 成 果 で あ る 「イ ン デ ィ ア ン 管 理 問 題 」(TheProblemof
IndianAdministration)、 通 称 、 同 研 究 所 の 理 事 で あ る レ ー ヴ ィ ス ・ メ リ ア ム (LewisMeriam)の 名 を と っ た 「メ リ ア ム 報 告 書 」(MeriamReport)は 、 イ ン
デ ィア ン政 策 の管 理 とイ ン デ ィ ア ンの生 活 へ の影 響 につ い て詳 らか に して い る。
メ リアム報 告 書 は、 イ ン デ ィア ンの悲 惨 な生 活実 態 に対 す る公 的 な注 目 ・関 心 を集 め、結 果 と して 、連 邦 政 府 の政 策 転換 へ の主 要 な促 進 剤 の働 きを演 じた 。
同報 告 書 は、 イ ンデ ィ ア ンの圧 倒 的大 多 数 の生 活 に全 面 的 に蔓 延 して い る貧 困 (インデ ィアンの46・8㌫ が年収100〜200㌧ レで、500rレ以上の年収所得者 はわずか に2・
2㌫ に過 ぎない と報告 されて いる。)、病 気 、 災厄 、 そ して不 満 不平 を鋭 く描 き出 し、
イ ンデ ィア ンの 自給 自足 を奨 励 す る もの で も援 助 す る もの で もな い政 府 の イ ン
デ ィ ア ン政 策 の 不 適 切 且 つ パ ター ナ リス テ ィ ックな 管 理執 行 を批 判 す る もの で
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あ った 。 同報 告 書 は 、 イ ンデ ィ ア ン の実 情 を調 査 し、彼 らの窮 状 につ いて の基 本 的 デ ー タ を集 約 し、 その 後 の行 政 措 置 の基 礎 を築 い た と もの と評 価 され て い るが 、 そ の 中 で 、① 保 留 地 で の生 活 問題 に適 合 す る教 育 計 画 、② 体 系 的 な経 済 計画 と経済 発展 、 及 び③ よ り効 果 的且 つ最 良 の官 吏 の必 要性 を強 力 に推奨 し、
更 に① イ ンデ ィア ンの土 地 の イ ンデ ィ ア ンに よる利 用 の促 進 、 ② 共 同体 生 活 の 強化 、③ 保 留 地 に関 す る法 律 並 び に行政 命 令 の 混 乱 の 除去 、 及 び④ 未 解 決 の 法 的 要 求 の 最 終 的決 着 、 につ いて助 言 して い る。 そ して、 報 告 書 の 中 心 課題 は、
イ ン デ ィア ン政 策 は 、 イ ン デ ィ ア ンの た め に彼 ら/彼 女 らが 「白人 に よって 発 展 され て来 た 支配 的 な 文 明 の社 会 的 及 び文 化 的生 活 に没 入 す るか 、 又 は少 な く
とも安 寧 と秩 序 とい う最 小 限度 の基 準 に従 っ て、 当 該 文 明 の 中で 生 活 が 適 合 可
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能 とな る よ う」広 範 囲 に亘 って 設 定 され るべ きで あ る こ とを勧 告 す る にあ っ た と言 え よ う。 報 告 書 は、 基 本 的 に は、 同化 政 策 主 義者 の 立 場 を反 映 す る もの で はあ るが 、 イ ンデ ィ ア ンの 固有 文 化 に対 して敬 意 を払 って い る点 で は 、割 当政 策 を実施 した 時 代 の そ れ とを比 較 した場 合 、 大 きな温 度 差 が あ り、 イ ンデ ィ ア ン政 策 の最 終 的 な 目標 は、 「 イ ンデ ィア ン的 な もの を一 切 壊滅 し去 る」 にあ るの で はな く、 む しろ、 「 イ ンデ ィア ン文 化 の中 の価値 あ る もの すべ て を発展 させ る」
l3)
にあ る とい う立場 を明確 に採 って いた ので あ る。 この報 告書 を契機 に して、1929 年 以 降 、 イ ンデ ィア ンの境 遇 改 善 運 動 の重 心 は、 言 論 に よ る批 判 ・告 発 か ら、
行 政 に よ る問題 の 対応 へ と移 行 して い くこ とに あ る。
2.政 策 転 換
(a)政 策 転 換 の 始 ま り
1929年 、 チ ャ ー ル ズ ・ロ ー ズ(CharlesRhoads)が イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 長 (CommissionerofIndianAffairs)に 、J.ヘ ン リー ・ス キ ャ ター グ ッ ド(J.Henry Scattergood)が 次 長 に 任 命 さ れ た 。 この 人 事 は 、 改 革 主 義 者 に受 け 入 れ られ 、 両 名 に よ り メ リ ア ム 報 告 書 の 多 く の 勧 告 ・助 言 が 実 行 に 移 さ れ る よ う 試 み ら れ 、 ま た 、 イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 職 員 の 向 上 が 試 み ら れ た 。 イ ン デ ィ ア ン の 教 育 は 、 1879年 以 降 、 保 留 地 の 外 で の 連 邦 寄 宿 舎 学 校(boardingschoo1)で 実 施 さ れ る
よ う制 度 化 さ れ 、 学 校 で は 親 た ち の 文 化 を野 蛮 な もの と教 え られ 、 長 髪 、 部 族 語 そ して 部 族 的 服 装 は 体 罰 を も っ て 禁 止 され る ま で に な っ て い た が(同 化 政 策 の
推 進者 達 は これ を理 想 的 な 同化 の 方 策 と見 倣 して い だ)、 地 方 の 通 学 学 校 で 実 施 す る よ う推 し進 め られ 、 イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 に よ る イ ン デ ィ ア ン の 雇 用 と イ ン デ ィ ア ン 文 化 の 尊 重 が 奨 励 され た 。 か か る新 た な 管 理 政 策 は、 「我 々 は、 将 来 に 向 け て 、 イ ン デ ィ ア ン の 子 女 は 彼 ら 自 身 の 文 化 に よ っ て 、 彼 ら 自身 の 人 々 に よ っ て 教 育 す べ きで あ る とい う この 政 策 を 堅 持 す る こ とが 望 まれ る。」([1931]SEC.INT, ANN.REP.84.)と い う報 告 書 の 言 葉 に代 表 され る。 も っ と も、 政 策 転 換 は 、 イ
ン デ ィ ア ン 問 題 局 及 び 連 邦 議 会 に よっ て 全 面 的 に 支 持 さ れ た わ け で は な く、 ロ ー ズ とス キ ャ タ ー グ ッ ド提 出 に よ る多 くの 法 案(例 え ば 、 イ ン デ ィ ア ン請 求 問 題 聴 聞 委 員 会 設 置 法 案 、 イ ン デ ィ ア ン へ の 業 務 提 供 の た め の 州 と地 方 事 務(10cal
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agency>と の 契 約 を制 度 化 す る法 案)は 、 連 邦 議 会 に よ っ て 否 決 され て い る。
(b)「 リ ー ビ ツ ト 法 」 と 「ジ ョ ン ソ ンeオ マ リ ー 法 」 の 制 定
連 邦 議 会 を 通 過 し た 主 た る 法 律 と し て 、 「1932年 リ ー ビ ッ ト法 」(TheLeavitt
の
Actof1932)を 挙 げ る こ とが で き よ う。 同法(正 式名称;「 内務長官 にイ ンデ ィア ン並 びにイ ンデ ィアンの部族 の償還 され て然 るべ き請求金額 を決定 す る権 限 を付与す る法律」(第369号))は 、 「 内務 長 官 は、 本法 に よ り、 個 々 の イ ンデ ィア ン又 はイ ンデ ィ ア ン部族 に対 して 負 債 と して存 在 す る合 衆 国政 府 の償 還 され て然 るべ き 請 求金 額(reimbursablecharges)を 公 平 に且 っ 当 該請 求 金 額 が 発 生 した 当 時 の すべ て の状 況 を適 切 に考 慮 した上 で、 決 定 し、若 し くは削 除す る権 限 を付与 され 、 及 び 指 図 され る。但 し、 政 府 の あ らゆ る灌 溜i事業 の範 囲 内 で の イ ンデ ィ ア ンに よっ て所 有 され る土 地 に対 す る建 設 費 用 の取 立 て は、 す べ て 本 法 に よ り 猶 予 され、 如 何 な る査定 も当 該 土 地 に対 す る請 求金 額 に代 わ って 当 該 土 地 に対 す るイ ンデ ィア ンの権 原 が 無効 に され るまで は行 な われ て は な らず 、並 び に1920 年2月14日 法 律(41Stat.L409)に 従 っ て 当該 土 地 に対 して これ まで に賦 課 さ れ 、 及 び徴 収 され て い な い あ らゆ る建設 評価 額 は、 本 法 に よ り取 消 され る もの
とす る。」 と規 定 して い る。 当該 法 律 は、保 留 地 の灌 概 事 業 の 建設 費 に莫 大 な費 用 を課 され て い た イ ンデ ィ ア ンの苦慮 に対処 す るた めの法 律 で あ った(当 該事業 はイ ンデ ィアンが要求 した もので も彼 らに利益 を齎 す もので もなか ったので あ る)。
また 、管 理 政 策 は、連 邦 歳 出 予 算額 の増 額 を獲 得 す る こ とに成 功 し、1928年
か ら1931年 の 問 の イ ンデ ィア ン問題 局 の予 算 額 は、 凡 そ倍 増 す る まで に至 っ て
アメ リカイ ンデ ィアン法研 究序説(三) ld7
い る。1933年 、1922年 以 降 改 革 運 動 に 深 く携 わ っ て い た ジ ョ ン ・コ リア が 、 フ ラ ン ク リ ン ・ル ー ズ ベ ル ト(FranklinRoosevelt)大 統 領 に よ っ て イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 長 に任 命 さ れ 、 メ リア ム 報 告 書 に始 ま り、 ロ ー ズ 局 長 とス キ ャ タ ー グ ッ ド次 長 に よ っ て 推 し進 め ら れ て き た 管 理 政 策 の 趨 勢 が 、 劇 的 に 加 速 化 す る こ と に な る 。 コ リ ア は 、 彼 の 管 理 権 限 を 使 う こ と に よ っ て 土 地 所 有 権(feepatent) 及 び 相 続 財 産 の 売 却 並 び に 割 当 プ 「ロセ ス を め ぐ る係 争 問 題 を 効 果 的 に 処 理 した の で あ る。 更 に、 こ の 時 期 、 ① 部 族 の 土 地 の 統 合 、 ② 通 学 学 校 の 実 施 、 ③ イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 に よ る イ ン デ ィ ア ン の 雇 用 、 及 び ④ イ ン デ ィ ア ン 業 務 の 権 限 委 譲 に 重 点 を 置 く政 策 が 実 行 さ れ た の で あ る。 こ の よ う に 、 コ リ ア は 、 イ ン デ ィ
ア ンの 伝 統 の保i護 と部 族 組織 の復 活 を 要 求 した の で あ る([1934]SEc.INT.ANN.
17)
REp.90,99;[1933]SEc.INT.ANN.REp.68‑69,100,109.)。
リ ー ビ ッ ト 法 に 続 い て 、1934年4月16日 に は 、 「ジ ョ ン ソ ン=オ マ リ ー 法 」
18?
(TheJohnson‑01MalleyActof1934)が 制 定 され た。 同法(正 式名称;「 内務長 官 にインデ ィア ンの教育、 医療、貧 困か らの救済及 び社会福祉並 びの その他の 目的の 為 に州又 は準州 と協定 を結 ぶ権 限を付与す る法律」(第147号))の 制 定 に よ って 、 連 邦 の基 金 と施 設 が 、 州 又 は準 州 との契 約 に よっ て使 用 可 能 とな り、 イ ンデ ィア ン業務 は、 内務 長 官 に よって確 立 され た基 準 に従 っ て提 供 され る よ うに な った 。 す な わ ち、 同法第1条 は、 「 内務 長 官 は、 自 らの 自由裁 量 に基 づ いて 、 法律 で定 め られ た権 限 を有 す るす べ て の州(State)又 は準 州(Territory)と 、 州又 は準 州 内 の イ ン デ ィア ンの教 育 、 医療 、農 業 へ の財 政 援 助 及 び貧 困か らの 救済 を含 む社 会 福祉 の 目的 で、 州 又 は準 州 の資 格 を有 す る事 務所(agencies)を 通 じて 契 約 を締 結 し、 若 し くは約 定 す る権 限 を付 与 され 、 並 び に上記 契約 又 は諸 契 約 に 基 づ いて 上 記 州 内 の イ ンデ ィ ア ンの 教 育 、 医療 、 農 業 へ の財 政 援 助及 び貧 困 か らの救 助 を含 む社 会 福 祉 の為 に連 邦 議 会 に よっ て割 り当 て られ た 資 金 を歳 出す る権 限 を付与 され る。」 と規 定 して いた 。1936年6月4口 、 同法 は、 そ の運 用 に 柔 軟 性 を持 た せ る為 に以 下 の よ う に改 正 され て い る。 す なわ ち、 「 内務 長 官 は、
… … す べ て の 州 又 は準 州 若 し くは州 ・準 州 の政 治 的 下 部 組 織 、 州 立 の大 学 、 カ
レッ ジ、 学校 又 は適 切 な州 立若 し くは私 立 の 法 人 、機 関 又 は団 体 と… …州 又 は
準 州 若 し くは上 記 法 人 及 び 団体 の代 理 人 を通 じて 契 約 を締 結 し、 又 は約 定 す る
権 限 を付 与 され、 及 び 上記 契 約 又 は諸 契 約 に基 づ い て 上記 州 又 は 準 州 内の イ ン
デ ィア ンの教 育 、 医療 、 … … の 為 に連 邦 議 会 に よっ て割 当 て られ た資 金 を歳 出
19)
す る権 限 を付 与 され る。」(第1条)と 改 正 され て い る。
ジ ョ ンソ ン=オ マ リー法 は、 当初 、 イ ンデ ィア ンが 既 に部 分 的 に一 般 国 民 の 中 に同化 され た 地 域 や 連 邦 政 府 が適 切 な業 務 を提供 で きな い辺 境 地 域 に適 用 さ れ る よ う意 図 され 、 また 、 連 邦 と州 との共 同作 業 を奨 励 す る こ とを通 じて 内務
20)
省 の イ ンデ ィ ア ン業 務独 占権 を終 了 す る為 の試 み で も あ った ので あ る。
3.1934年 イ ン デ ィ ア ン 再 組 織 法(1RA)の 制 定 と そ の 運 用 (a)ホ イ ラ ー 二 八 ワ ー ド法 案
コ リ ア の 採 っ た(採 ろ う と した)諸 政 策 一 経 済 発 展 の促 進 、 自治 、 多 元 的 文 化 政 策 、部 族 組 織 の 復 活 は 、1934年6月18日 に制 定 さ れ た 「1934年 イ ン デ ィ
̀Lf}
ア ン再 組織 法 」(IRA、theIndianReorganizationActofl934)の 中 に それ を 見 出 す こ とが で き る。1934年2月 、 第73議 会 第2会 期 に提 出 され たIRAの 原 案 で あ る 「 連 邦 の保 護 の下 に生 活 す るイ ンデ ィ ア ン に地 方 自治 と経 済 的事 業 の 目 的 で組 織 化 す る 自 由 を承 認 す る法 律 」 と表 題 を付 され た 「ホ イ ラー 一ハ ワー ド 法 案 」(TheWheeler‑HowardBill)は 、 イ ンデ ィア ン立法 の試 み に重大 な変更
を迫 る もの で あ った。 イ ンデ ィァ ンの 自治 が 、 当該 法案 の核 心 を成 す もので あっ た と言 え よ う。
す なわ ち、 第1表 題 第1条 は、広 範 な 自治原 則 と特 別 な政策 を宣 言 し、 「 内務 省 及 び イ ン デ ィ ァ ン問題 局 を通 じて連 邦 政 府 に よって イ ンデ ィ ア ンの保 留 地 に 現 時 点 で行 使 され て い る政 府 の 諸機 能 は、 漸 進 的 に、 放 棄 され、 且 っ か か る保 留地 の イ ン デ ィ ア ンに譲 渡 され る もの とす る… … 」 と定 め て い た。 か か る 目的 の実 現 の為 に企 図 され た方 策 は、 「 地 方 自治及 び そ の他 の 目的 の為 の」 組織 の形 成 で あ り、 第1表 題 第2条 は、 「 … …共 同体 組 織(communitygroup)に 、 適合 す る と考 え られ る以 下 に規 定 す る政 府 権 限及 び 自治 団体 の 特 権 並 び に経 済 活 動 の特 権 の何 れ か 又 はす べ て を承 認 す る」 特 許 状 を発 行 す る 旨 を規 定 して い た。
更 に、 第1表 題 第3条 は、 「 良 心 の 自由、 礼 拝 、 言論 、 出版 、 集 会並 び に結 社 の 自 由 を含 む共 同体 内 の少 数 者 及 び個 人 の 市 民 的 自由」 を規 定 し、 第1表 題 第4
(a)条 は、 選 択 的権 限 を規 定 し、 その 中 に 「 連 邦 の 自治 団体 と して組 織 し及 び活
動 し、政 府形 態 を樹 立 し、 憲法 を採択 し及 び改 正 し、 条例 を制 定、執 行 し、 … …
ア メ リ カ イ ン デ ィ ァ ン法 研 究 序 説(三) 169
並 び に地 方 自治 体 に よっ て慣 例 的 に行 使 され る そ の他 のす べ て の機能 を行 使 す る」権 限 が掲 げ られ て いた。 「 憲 法 」 な る用語 は、法 案 の他 の条 項 に使 用 され て は い な いが 、 憲 法 の採 択 を主要 な 組 織 的 手段 と して予 期 した最 終 的法 律 とは異 な り、 当初 の法 案 は 自治 体 型 の共 同体 憲 章(corporatecharter)の 概 念 を 中心 に据 えて い た 。第1表 題 の そ の他 の規 定 は、 憲 章 採 択 の手 続 を規 定 し、 特 許 状 を与 え られ た 部族 、 内務 省 及 び イ ンデ ィア ン問題 局 の権 限 と義務 を列 挙 して い た。
第2表 題 は、 「 イ ンデ ィア ンの為 の特 別教 育 」 に関 す る規定 を置 き、監 督官 は、
既存 の又 は新 設 の施 設 を利 用 して職 業 訓 練 を行 な う よ う指 図 され 、 イ ンデ ィア ンの 学 校 で イ ンデ ィア ン文化 の学 習 を促 進 す る こ とが 重 要 な新 た な制 度 と して 宣 言 され て い る。 第3表 題 は、 イ ンデ ィ ア ン の土 地 問題 を扱 っ て い るが 、 ほ と ん どの規 定 は最 終 法 で は持 ち越 され て い る。 第4表 題 は、 イ ンデ ィ ア ン問題 に つ い て審 理 す る連 邦 裁 判 所 に関 す る定 め を置 い て い る。 第4表 題 第3条 及 び第 4条 は、 当 該 裁判 所 は保 留 地 に お い て合 衆 国 に対 して犯 され た 犯 罪 、 部 族 と部 外者 との 間 の 商 事紛 争 とい っ た一 定 の事 項 につ い て 第 一 審 管轄 権 を行 使 す る旨 を規 定 し、 更 に、 第5条 は、 当該 裁 判 所 は、 第??裁 判 管轄 権 を有 す る これ ら の事 件 につ いて は、 部 族 裁 判 所 を越 えて 上訴 管 轄 権 を有 す る と規 定 して い る。
この よ うに、 法 律 原 案 の支 柱 は、① イ ンデ ィ ア ン自治 政 府 の樹 立 、 ② 部 族 共 有制 の 復 活 とイ ンデ ィア ンの経 済 的地 位 の向 上 、③ 教 育 基 金 の設 立 と伝 統 的文 化 の復 活 ・保 存 、 そ して④ イ ンデ ィア ンの裁 判 上 ・司 法 上 の権 利 強 化 に あっ た。
しか し、原 案 は、保 留 地周 辺 の 白人 地 主、 牧 畜 ・森林 ・石 油 ・鉱 山業 者 等 に とっ て 自 らの利 益 の増 進 を妨 げ る障 害 物 に映 り、彼 らは議 会 の保 守 的議 員 や 新 聞社 な どに働 きか け、 「 同化 政 策 か らの逸 脱 で あ る」、 「 共 産 主 義 に他 な らな い」 等 の 法 案 成 立 の反 対 キ ャ ンペ ー ンを大 々 的 に展 開 し、 結 果 、連 邦 議 会 の 審 議 過 程 に
お い て原 案 は、大 幅 な譲 歩 ・後 退 を余 儀 な くされ て い く。
後 に 明 らか に な る よ うに、 連 邦 議 会 の 下 院 で258票 対88票 とい う圧 倒 的 な支
持 を得 て成 立 した 「 イ ンデ ィア ン再 組 織 法」 は、 イ ンデ ィ ア ンの 自主 性 の尊 重
を謳 い なが ら も、 究 極 的権 限 の大 部分 は 内務 長 官 に集 中 させ 、 充 当金 の再 審 査
権 をイ ンデ ィア ンに付 与 しな が ら も、 当該 充 当金 の支 出 につ い て の発 議 権 は こ
れ を認 めず 、 経 済 的運 用 の 自由 を大 幅 に制 限 す るな ど、 結 果 的 に は、 同法 の成
果 を著 し く減 殺 させ る要 因 を成 立 当初 よ り内包 す る もの で あ っ た。更 に例 えば、
① 裁判 上 ・司法 上 の イ ンデ ィア ンの権 利 は ほ とん ど削除 され た、 ② 相 続 され た 個 人割 当地 を部族 共 有 地 へ 自動 的 に移 行 す る こ とを規 定 した条 項 は、 自発 的 な 移 行 措 置 へ と修 正 され た 、③ 部 族 政 府 の権 限 が縮 小 され た、 こ とも改 正 され た
22)
点 と して特 記 に値 す るで あ ろ う。
(b)1934年 イ ン デ ィ ア ン再 組 織 法(IRA)
以 下 、 「イ ン デ ィ ァ ン再 組 織 法 」(1934年 法 律 第576号)の 内 容 で あ る 。 イ ンデ ィ ア ンの土 地及 び諸 資源 を保 護 す る為 の、 イ ンデ ィ ア ンに企 業(business)及 び その他 の 団体(organization)を 組 織 す る権 利 を拡 大 す る為 の、 イ ンデ ィ ア ンの為 に掛 売制 度(acreditsystem)を 確 立 す る為 の、 イ ン デ ィ ア ンに一定 の 固 有権 的地 方 自治権(rightofhomerule)を 承認 す る為 の 、 イ ンデ ィア ンに職 業 教 育 を施 す為 の 、 並 び に そ の他 の 目的 の 為 の法 律
召 集 され た 連 邦 議 会 に於 て ア メ リカ 合 衆 国 上 院 並 び に下 院 に よ っ て 、 下 文 に 、 イ ン デ ィ ア ン との 間 の 条 約 又 は 協 定 、 連 邦 議 会 法 律 、 行 政 命 令 、 購 入 若 し くは
そ の 他 の 方 法 に よ っ て 創 出 され 、 或 い は 特 別 の 用 途 の た め に 取 っ て 置 か れ た す べ て の イ ン デ ィ ア ン保 留 地 内 の い か な る土 地 も 、 す べ て の イ ンデ ィ ア ン に 対 し て 単 独 所 有 で(inseveralty)割 当 られ て は な ら な い こ とが 制 定 され た 。
第2条 す べ て の イ ン デ ィ ア ン の 土 地 に 設 定 さ れ た 既 存 の 信 託 期 間 及 び 譲 渡 に つ い て 付 さ れ た す べ て の 制 限 は 、 連 邦 議 会 に よ る何 等 か の 指 示 が あ る ま で 、 本 法 に よ っ て 延 長 さ れ 、 及 び 継 続 さ れ る も の とす る。
第3条 内 務 長 官 は、 公 益 に適 合 す る と考 え た場 合 、 本 法 に よ っ て 、 これ ま で 大 統 領 声 明 又 は す べ て の 連 邦 公 有 地 法 に よ っ て 売 却 され 、 又 は 他 の す べ て の 処 分 方 法 で 開 放 さ れ 、 若 し く は 開 放 が 認 め られ て い た イ ン デ ィ ア ン保 留 地 の 残 存 す る余 剰 土 地 を 部 族 の 所 有 に復 帰 させ る権 限 を授 与 さ れ る。(但 書 略)
第4条 本 法 で 規 定 さ れ る場 合 を 除 い て 、 譲 渡 を制 限 さ れ た イ ン デ ィ ア ン の 土 地 又 は す べ て の イ ン デ ィ ア ン部 族 若 し くは 下 文 に組 織 さ れ た 法 人 所 有 の 不 動 産 に お け る共 有 資 産 の 売 却 、 遺 贈 、 贈 与 、 交 換 又 は そ の 他 の 譲 渡 は 行
な わ れ て は な ら ず 、 若 し くは 承 認 さ れ る も の で も な い 。(但 書 略)
ア メ リカ イ ン デ ィ ア ン 法 研 究 序 説(三) 171
第5条 内務 長 官 は 、本 法 に よ り、 自 らの裁 量 に基 づ い て、 イ ンデ ィ ア ン に 土 地 を供 与 す る 目的 で 、購 入 、 放 棄 、 贈 与 、 交 換 又 は譲 渡 に よ って 、 土 地 の有 す るすべ て の利 益 、水 利 権(waterrights)又 は土 地 に附 属 す る地 表 権 (surfacerights)を 信 託 し又 は その他 の方法 で譲 渡 を制 限 され た被 割 当人 が 居 住 し若 し くは死 亡 した 割 当地 を含 む既 存 の保 留地 の 内 外 か ら取 得 す る権
限 を 付 与 され る。
本 法 に よ り、 上 記 の土 地 、 土 地 に附属 す る利 益 、水 利権 及 び 地 表 権 を取 得 し、 並 び に上 記 の取 得 に付 随 す る出損 の為 に、0会 計年 度 に200万 ドル を超 過 しない範 囲 で 他 の 目的 に歳 出 され ない 国庫 金 の 中か ら充 当 す る権 限 が認
め られ る。(但 書 略)
本 節 に従 って 行 な われ る歳 出予 算 の 充 当 され な い差 引残 高 は、 充 当 され る まで 有 効 な もの とされ な けれ ば な らない 。
本 法 に従 って 取得 され たす べ て の土 地 へ の権 原(title)又 は権 利 は、 合 衆 国 の名 義 で 土 地 が 取 得 され るイ ン デ ィア ン部族 又 は個 人 と して の イ ンデ ィ ア ンの為 に信 託(trust)に 付 され る もの とし、 並 び に上記 の土 地 又 は権 利 は、
州 及 び地 方 自治 体 の課 税 を免 除 され る もの とす る。
第6条 内務 長 官 は、 イ ン デ ィ ア ンの森 林 地 の経 営及 び管 理 の た め に継 続 的 に産 出高 を得 る管 理 方針 に基 づ い て規 則 及 び規 制 を定 め 、 イ ンデ ィア ンの 放 牧 地 に 当該 放 牧 地 の 推 定 収 容 能 力 に応 じて放 牧 され る家 畜類 の個 体 数 を 制 限 し、 及 び質 の低 下 か ら放 牧 地 を保 護 し、 土 壌 の侵 食 を防 止 し、放 牧 地 の充 分 な 利用 を確 保 し並 び に類 似 の 目的 の為 に その他 の規 則 及 び規 制 を発 布 す る こ とを指 図 され る。
第7条 内務 長 官 は、 本 法 に よ り、本 法 に基 づ いて 授 与 され た権 限 に従 っ て 取 得 され た 土 地 に新 た な イ ンデ ィ ア ン保 留地 を宣 言 し、 又 は 当該 土 地 に既 存 の保 留 地 を加 え る権 限 を認 め られ る もの とす る。(但 書略)
第8条 本 法 の いか な る規 定 も、 割 当 地 の イ ン デ ィア ンの保 有 地 又 は現 に存 在 し若 し くは以 後 設 立 され るす べ て の イ ンデ ィ ア ン保 留 地 の地 理 的境 界 線 の 外 にあ る公 有 地 上 の宅 地 に関 係 づ け られ る もの と解 釈 され て は な らな い。
第9条 組 織 化 され るイ ンデ ィ ア ンの 公 認 法 人 又 は本 法 の下 で設 立 され るそ
の他 の組 織 の 出損 を負 担 す る為 に必 要 とされ る総 額 が 、 内務 長 官 の命 令 で
一 会 計 年 度 に25万 ドル を超 過 しな い範 囲 で 、他 の 目的 に歳 出 され な い国 庫 金 の 中か ら充 当 され る こ とを認 め る もの とす る。
第10条 本 法 に よ り、他 の 目的 に歳 出 され な い 国庫 金 か ら総 額1,000万 ドル が 、 内務 大 臣 が 自 ら規 定 し得 る規 則 及 び規 制 に従 っ て、 イ ンデ ィ ア ン部族 並 び イ ンデ ィア ン構 成 員 の 経 済発 展 を促 進 す る 目的 の為 に、 イ ンデ ィア ン
の公 認 され た法 人 に貸 付 け る こ とが で き、 及 び上 記 貸 付 金 の管 理 費用 を負 担 す る こ とが で き る回転 基 金 を設 立 す る為 に充 当 され る こ とが認 め られ る もの とす る。 本 節 の授 権 に基 づ い て 貸 付 け られ た 返 済 金 の総 額 は、 回転 基 金 と して 貸越 勘 定 され 、 当 該基 金 が 設 立 され る 目的 の為 に利 用 され な けれ ば な らな い。 報 告 が 、 毎 年 、本 節 の 授権 に基 づ く業 務 処 理 につ い て連 邦議 会 に行 なわ れ な けれ ば な らな い。
第ll条 本 法 に よ り、 年 間25万 ドル を超過 しない範 囲で 、他 の 目的 に歳 出 さ れ ない連 邦 の 国 庫 金 か ら、 本 節 に従 って為 され る以 前 の充 当 の為 の未 消 費 の差 引残 高 と共 に、 公 認 の職 業 訓 練 学 校 及 び職 業学 校 に お け る授 業 料 並 び に その他 の 支 出 の支 払 の為 に 、 イ ンデ ィ ア ン に対 す る貸 与 の 目的で 充 当 さ れ る こ とが 認 め られ る。(但 書 略)
第12条 内務 大 臣 は、 す べ て の イ ンデ ィア ン部 族 に影 響 を与 え る職 務 又 は任 務 の執 行 に従 事 す るイ ン デ ィア ン事務 局(IndianOffice)に よっ て維 持 さ れ る種 々 の職 務 に現 在 及 び招 来 に亘 っ て任 命 され るイ ンデ ィ ア ンの為 に、
公 務 員 法 に関係 な く、 健 康 、 年 齢 、 資 質 、 経 験 、知 識 並 び に能 力 の 基 準 を 確 立 す る こ とを指 図 され る もの とす る。 上 記 の資 格 を有 す るイ ン デ ィア ン は、 以後 、 上記 の職務 の 空席 に任 命 され る優 先 権 を保 有 す る もの とされ る。
第13条 本 法 の諸規 定 は、 ア ラス カ準 州 に第9条 、 第10条 、第12条 及 び第16 条 が 適 用 され る こ とを除 い て 、 連 邦 の準 州 、 植 民 地 又 は島懊 の属 領 に適用
され な い もの とす る。(但 書略)
第14条 内務長 官 は、本 法 に よ り、1889年3月2日 法(23Stat.L.894)第17
条 に規 定 され た物 品の割 当 て又 は1896年6月10日 法(29Stat.L.334)の 下 で それ らの換 算 され た現 金 価 格 を、 本 法 の諸規 定 を除 いて 、1908年5月29
日法律(25Stat.L.451)第19条 若 し くはす べ ての それ 以前 の 法律 の下 で 単
独 保 有 で 土 地 の割 当 を受 け る資格 を有 す るす べ て の ス ー ・イ ンデ ィ ア ン及
ア メ リカ イ ン デ ィ ア ン 法 研 究 序 説(三) 173
び家 族 の長 又 は18歳 以 上 の独 身者 た る地 位 を 有 す る者 に継 続 して支 給 す る こ とを指 図 され 、 並 び に内務 長 官 の許 可 は、 最 終 且 っ決 定 的 な もの とされ 、 請 求 は、 上記1889年 法 第17節 に よっ て為 され た永 続 的歳 出予 算 か ら支 払 わ れ 、 及 び この 目的 の た め の財 務 省 の帳 簿 に拠 る もの とす る。 何 人 も、 自己 自身 の利 益 と して一 以 上 の割 当 を受 給 し得 ず 、 申請 は被 割 当人 の終 生 を通 じて為 され且 つ 認 め られ な けれ ぼ な らず、 又 は権 利 は失 効 す る もの とす る。
割 当額 は、 本 法 が可 決 され る時 点 で 割 当地 に利 用 で き る土 地 が 上 記 の 土 地 の80エ ー カ ーの 割 当地 の 利益 を受領 す る各 人 に対 す る授 与 に よっ て消耗 さ れ る まで保 留 地 で支 払 わ れ な けれ ば な らな い。
第15条 本 法 の いか な る規 定 も、 合衆 国 に対 す るす べ て の イ ンデ ィア ン部族 の請 求 又 は訴 訟 を損 な い、若 し くは侵 害 す る もの と解釈 され て は な らない 。 本 法 に よ り、 本 法 に よ って公 認 され た 国庫 か ら為 され るイ ンデ ィ ア ンの 利 益 の た め の充 当 は、 合 衆 国 に対 す るイ ン デ ィ ア ンの請 求 を 回復 す るた め に 提 起 され るすべ て の訴 訟 にお け る相 殺物 と見 徹 な され て はな らな い こ とが 、 連 邦 議 会 の意 図 で あ る こ とが 宣 言 され る。
第16条 同一 の保 留地 に居 住 す るす べ て の イ ンデ ィア ン部 族 又 は諸 部族 は、
そ の共 同事 業 の為 に団体 を組 織 す る権 利 を有 し、 部 族 の成 人構 成 員 又 は上 記 保 留 地 に居 住 す る成 人 イ ン デ ィア ンに よ る多 数 決 の投 票 に よ っ て承 認 さ れ た場 合 に有効 とな る適切 な憲法(constitution)及 び条例(bylaw)を 制 定 し得 る もの とす る。 その 場 合 、 内務 長 官 が 規 定 した規 則 及 び 規 制 に基 づ い て 内務 大 臣 に よ って公 認 され 、 且 つ 施 行 され る特 別 選 挙 に付 され る もの と す る。 前記 の承 認 を得 て 、 内務 長 官 に よっ て裁 可 され た 上 記 の 憲 法及 び条 例 は 、 同一 の選 挙 人 に開 か れ 、 並 び に上 に規 定 した と同 一 の 方 法 で 実 施 さ れ る選 挙 手続 を踏 む こ とに よっ て廃 止 で き る もの とす る。 憲 法 及 び条 例 の 改 正 は、 当初 の 憲 法 及 び条例 と同一 の 方法 で承 認 され 、 並 び に裁 可 され 得
る もの とす る。
現 行 法 に よって す べ て の イ ンデ ィア ン部族 又 はイ ンデ ィア ン協 議 会(tribal
council)に 付 与 され た すべ て の権 限 に加 えて 、上 記 イ ンデ ィ ア ン に よっ て
採 択 され た 憲 法 に、 上 記 部 族 又 は 当該 部 族 協 議 会 に以下 の権 利 並 び に権 限
が 付与 され る もの とす る;内 務 大 臣 の承 認 を得 る こ とを条 件 とす る法 律 顧
問 の雇 用 、 弁 護 士 の選 任 並 び に手 数 料 の徴 収;部 族 の 同意 を得 ず に行 な わ れ る部族 の土地 、土 地 の有 す る利益 又 は その他 の部 族 の資 産 の 売却 、処 分 、 賃貸 若 し くは負 担(encumbrance)の 防 止;及 び連 邦政 府 、 州政 府 並 び に 地 方 公 共 団体 との 交 渉 。 内務 長 官 は、上 記 の部 族 又 は当 該 部 族 評 議 会 に、
予 算 局(TheBureauoftheBudget)並 び に連 邦 議i会へ の上 記 の概 算 の付 託 に先 立 って 、 部族 の利 益 の為 に すべ て の充 当 の 見 積 り又 は連 邦 計 画 につ い て助 言 で き る もの とす る。
第17条 内務 長 官 は、成 人 イ ンデ ィア ンの少 な く とも三 分 の一 の請 願 に よっ て部 族 に法 人設 立(incorporation)の 特 許 状(charter)を 発 出 し得 る もの とす る。 但 し、 上 記特 許 状 は、 保 留 地 に居 住 す る成 人 イ ンデ ィア ンの多 数 決 の投 票 に よ る特別 の選 挙 で 承 認 され る まで は そ の効 力 を発 しな い。 上 記 特 許 状 は、法 人 組織 化 され た部族 にすべ て の種 目(description)、 動 産及 び 不 動 産 を」 購入 し、贈 与 に よ り取 得 し、 遺 贈 し、 若 し くは その 他 の 方 法 に よ り所 有 し、 維 持 し、管 理 し、 経 営 し及 び処 分 す る権 限 を移 転 し得 る。 か か る権 限 に は、 譲 渡制 限 され た イ ンデ ィア ンの土 地 を購 入 し、及 び法 人 組 織 化 され た財 産 の 有 す る諸 利 益 と引 き換 え に交 付 す る権 限 並 び に法 律 に矛 盾 しない範 囲 で の法 人企 業(corporatebusiness)活 動 に付 随す る権 限が含 ま れ るが 、 保 留 地 の境 界 内 に含 まれ る いか な る土 地 も10年 の期 間 を超 え て売 却 し、 抵 当権 を設定 し、 又 は賃 貸 す る権 限 は認 め られ な い。 発 出 され た如 何 な る特 許 状 も、連 邦 議 会 が 制 定 した法 律 を除 い て 、 これ を無 効 に し若 し
くは返 還 させ られ る こ とは な い。
第18条 本 法 は、 内務 長 官 に よ り正 式 に命 じ られ た特 別 の選 挙 にお い て、 成 人 イ ンデ ィ ア ンの 多数 が 、 本 法 の 適 用 に反 対 の投 票 を行 な った いか な る保 留 地 に も適 用 され な い もの とす る。 本 法 の通 過 後 及 び承 認 後 の1年 を越 え な い期 間 内 に、30日 間 の 告 知 を行 な った 上 で 秘 密 の 無 記 名 投 票 で 実 施 され る選 挙 を施 行 す る こ とが 、 内務 大 臣 に義務 として課 され る。
第19条 本 法 に於 い て用 い られ る 「 イ ンデ ィ ア ン」 とい う用 語 は、 現 在 、 連
邦 の管轄 権 の下 に あ るす べ て の承 認 され た イ ンデ ィア ン部 族 の構 成 員 で あ
るあ らゆ るイ ン デ ィ ア ン系 の人 、1934年6月1日 現 在 す べ て の イ ンデ ィア
ン保 留 地 に居 住 して い た上 記構 成 員 の 子孫 で あ るすべ て の人 、 及 び 更 に半
ア メ リ カ イ ン デ ィ ア ン 法 研 究 序 説(三) 175
血 又 は そ れ 以 上 の 血 族 の 他 の す べ て の 人 を含 む も の とす る。 本 法 の 目 的 の 為 に、 エ シ キ モ ー(Eskimos)及 び ア ラス カ の そ の他 の 原 住 民 族(aboriginal people)並 び に 本 法 に 於 い て 用 い られ る 「部 族 」 とい う用 語 は 、 如 何 な る 場 合 に お於 い て も、す べ て の イ ンデ ィ ア ン部 族 、組 織 化 され た バ ン ド(band)、
プ エ ブ ロ(pueblo)又 は 一 つ の 保 留 地 に 居 住 す る イ ン デ ィ ア ン を 指 して 言 う も の と解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い 。 本 法 に 於 い て 用 い ら れ る 「成 人 イ ン デ ィ ア ン 」 とい う用 語 は 、 如 何 な る場 合 に於 い て も、21歳 に達 した イ ン デ ィ ア ン を 指 して 言 う も の と解 釈 さ れ な け れ ば な ら な い 。
な お 、 オ ク ラ ホ マ 州 、 ア ラ ス カ 準 州 は、 多 くのIRAの 規 定 を免 除 され た が(コ リアは、1934年 に法 案説 明 の為 に地 方 を遊 説 して廻 っ たが 、 と くにオ ク ラホ マ州 で は、
法 案 に対 す る強 い抵 抗 が 起 きて い る。 オ ク ラホ マで は 、価 値 の あ る石 油 と鉱 山 の採 掘 権 を所 有 して い た 人 々 が、 その特 権 的地 位 を喪 失 す る こ とを嫌 が った の で あ る。)、同 法 制 定2年 後 の1936年5月1日 制 定 の 連 邦 法 律 に よ っ て 、 同 法 の 主 要 な規 定 は
23)
ア ラ ス カ 準 州 に適 用 が 拡 大 さ れ 、 ま た 、1936年7月26日 制 定 の 「オ ク ラ ホ マ 福
24}
祉法 」(TheOklahomaWelfareAct)に よって 同様 の 原則 が オ ク ラホ マ州 に適 用 され た 。
以 上 、 見 て きた よ うに、 本 法 の支 柱 は、① 土地 の個 人 へ の単 独 所 有 で の割 当 制度 の廃 止 、 ② 土 地 の信 託 期 間 の延 長 及 び 譲 渡制 限 の継 続 、 ③ イ ンデ ィ ア ン保 留地 の残 存 の 余 剰 土 地 の部 族 所 有 へ の復 帰 、④ 土 地 及 び部 族 並 び に法 人 組 織 の 共有 資産 の 売 却 ・交換 等 の禁 止 、 ⑤ 購 入 、贈 与 、 交換 等 に よ る土 地 、 水 利 権 、 地 表権 の部 族 資 産 へ の追 加(こ の為 に、一会計年度 当た り200万 ドルの国庫金か らの 充当)、 ⑥ 森 林 地及 び放 牧 地 の運 営 ・管 理 、⑦ 法 人 組織 化 の推 進(こ の為 に、一会 計年度 当た り25万 ドル の国庫金か らの充 当)、 ⑧ イ ン デ ィ ア ン部族 及 び 当該 部 族 の 構i成員 の経 済 発 展 を促 進 す る 目的で の一 会 計年 度 当た り国庫 金 か らの1,000万 ド ル の供 与 、 ⑨ 職 業 訓 練 学 校 及 び職 業 学校 の為 の年25万 ドル の供 与 、⑩ イ ンデ ィ
ア ン業 務 へ の イ ンデ ィ ア ンの雇 用 促 進 、 ⑪ 権 利 請 求権 及 び 訴 訟提 起 の権 利 の保
障、 ⑫ イ ンデ ィ ア ン部 族 へ の憲 法 及 び条 例 制 定 権 の 付 与 、⑬ 法 人 設 立 の為 の特
許 状 の発 出 、⑭ 特 別 選 挙 の 実 施 に よ る本 法 の採 決 、 に あ った 。
(c)IRAの 運 用
連 邦 議 会 に お い て 可 決 さ れ たIRAは 、 同 法 の 規 定 に従 っ て イ ン デ ィ ア ン諸 グ ル ー プの 成 人 に よ る特 別 投 票 に 付 され た が 、1935年 まで に258の 選 挙 が 実 施 さ れ 、 181部 族 、 人 口 に して129,750人 の イ ン デ ィ ア ンが 法 律 を受 け容 れ 、77部 族 、 人 口 に して86,365人 の イ ン デ ィ ア ン が これ を 拒 否 した(中 で もナ ヴ ァホ族(Navajos) が 、8197対7679票 で再 組 織 法 を承 認 しな か っ た こ とが 注 目 され る。 それ は、 第6条 に 規 定 され た 家 畜 の個 体 数 の 制 限 に起 因す る とされ る。 す な わ ち、 ナ ヴ ァホ族 に とって は、 家 畜 の 所 有 数 こそが 、 単 な る財 産 以 上 の社 会 的地 位 を示 す シ ンボ ル の一 つ で あっ た の で あ る。)。同 法 は 、 適 用 を排 除 す る た め の 選 挙 を 実 施 し な か っ た イ ン デ ィ ア ン の14の グ ル ー プ に も適 用 され た 。 また 、1936年 まで に161の 憲 法 と131の 自治
25)
体 設 立 法(corporatecharter)がIRAの 手 続 に従 っ て採 択 され た と言 われ る。
憲 法 及 び 自治 体 設 立 法 は 、特 に、政 府 の形 態 に関 して それ ぞれ 異 な っ た規 定 を置 き、 それ らは、 これ まで の部 族 内 の 古 来 の 且 つ 未 開 文 化 の政 府 形 態 を備 え た ものか ら、 イ ンデ ィア ン部族 の慣 習法 に基 づ く とい う よ りも、 内務 省 イ ンデ ィ ア ン問 題 局 に よっ て前 もっ て 準備 され 、連 邦 憲 法 並 び に コモ ン ・ロー の概 念 に
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基礎 を置 いた 標 準 的 な型 通 りの政 府形 態 を備 え た もの まで さ ま ざ まで あ った 。 同様 に、 これ らの文 書 に よ って 部族 に帰 属 させ られ た権 限 も また 、 部族 の情 況 、 体 験 及 び財 源 に よっ て さ ま ざ まで あ っ た。IRAに 従 っ て樹 立 され た ほ とん どの政 治 組 織 は、 連 邦 及 び諸 州 の政 治機 構 と異 な り、 権 力分 立 の規 定 を置 いて お らず 、 統 治機 関 は、 部族 評 議 会(tribalcounciDで あ り、 多 くの場 合 に執行 権 限 と立 法 の権 能 を もっ て 活 動 して い る。 選 出 され た政 治 家 と して の 、 或 い は 部 族 共 同体 の指 導 者 と して の 資 格 で 活 動 す る部 族 評 議 会 の構 成 員 は、 部 族 の共 有 資 産 の管 理 も行 な って い る。 か か る権 力 の統 合 は、 好 ま しい もの とは考 え ら れ なか った が、 多 くの部族 は、統 合 され た制 度 の下 で巧 く機能 して い た ので あ っ
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た。
種 々 の部 族 乃 至 自治 的部 族 団体 が 採 択 した法 律 又 は命 令 の特 徴 は、 州 の刑 法
典 との相 異 に も見 出 す こ とが で き る。 州 法 典 は、 数 百 、 場 合 に よ って 数 千 の犯
罪 を リス トア ップ して い るが(例 えば、 ミシガ ン州の法令 には3,000以 上の犯罪が刑
罰 を以って規定 されてい る。)、部 族 の法 典 は、40乃 至50の 典 型 的 な刑 罰 を規 定 し
て い るに過 ぎず、 一 般 的 に、 州 法 典 にお いて は通 例 規 定 され て い る と ころ の放
ア メ リ カ イ ンデ ィ ア ン法 研 究 序 説(三) 177
浪(vagrancy)や 共 同 謀 議(conspiracy)と い っ た 規 定 は 置 か れ て い な か っ た の で あ る。 ま た 、 部 族 法 典 の 下 で の 刑 罰 は 、 伝 統 的 に 決 して 厳 罰 で は な く して 、 拐 取(kidnapping)と い っ た 犯 罪 の 場 合 で さ え も、 ほ とん どの 場 合 、6ヶ 月 の 拘 禁 を 超 え る こ とは な か っ た 。 事 実 、 最 大 限 の 刑 罰 規 定 は あ る が 、 部 族 の 刑 罰 法 典 は 、 し ば し ば 、 部 族 裁 判 所(tribalcourt)に 加 害 者 と被 害 者 との 両 者 の 諸 状 況 を 勘 案 す る為 に 広 汎 な 裁 量 権 を 残 して い る。 刑 罰 の 形 式 は 、 伝 統 的 に 投 獄 で は な く して 、 む し ろ犠 牲 者 或 い は 部 族 の 利 益 に な る よ う強 制 労 働 が 課 され て
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きて い る。
1933年8月 か ら1945年6月 の 間 に 内務 省 イ ン デ ィ ア ン問 題 局 が 発 行 した 雑 誌 で あ る 『イ ン デ ィ ア ン ア ッ ト ワ ー ク』(lndianatWork)の1939年6月 号 に掲 載 され た 論 文 を 見 る と、 当 時 の イ ン デ ィ ア ン が イ ン デ ィ ア ン再 組 織 法 を ど の よ
うに捉 え、 どの よ う に評 価 して い た か を 垣 間 見 る こ とが で き る。 例 え ば 、 フ ォ ー ト ・ホ ー ル 保 留 地(FortHallReservation)内 の シ ョ ー ソ ン ・バ ン ノ ッ ク部 族 (Shoshone‑Bannock)の 評 議 会 議 長 で あ る ウ ィ リー ・ジ ョー一ジ(WillieGeorge) が 執 筆 した 論 文 に は、 「わ れ わ れ が この 再 組 織 法 の 下 で 組 織 化 して きて か ら、 評 議 会 は、 〔部 族 を構 成 す る〕 人 々 の た め に な る こ とを 進 ん で こな して い る。 わ れ わ れ は 、 以 前 に も評 議 会 を 置 い て い た が 、 そ れ ら は 異 な っ た も の で あ っ た 。0 つ の こ とに つ い て 、 人 々 は 、 旧体 制 の 下 で は 決 して や らな か っ た の に 、 今 で は 、 評 議 会 の 言 い 分 に 耳 を 傾 け る よ う 努 め て い る。 そ れ か ら、 評 議 会 は 、 以 前 は決
して そ うで な か っ た保 留 地 の 中 の 問 題 を 処 理 す る一 定 の権 限 を も っ て い る。 … … イ ン デ ィ ア ン が 新 た な 組 織 法 に応 じ て か ら、 評 議 会 は 、 担 当 員(Agent)が イ ン デ ィ ア ン に行 な うの が 常 で あ っ た た くさ ん の 業 務 の 管 理 を始 め て い る。」 と記 さ
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れ て い る。
上 記 雑 誌 は 、 政 府 刊 行 物 で あ る の で 、 記 事 を そ の ま ま鵜 呑 み に す る こ と は で き な い が 、 す べ て の イ ン デ ィ ア ン が こ の よ う な 楽 観 的 な 評 価 を再 組 織 法 に 下 し て い た わ け で は な い で あ ろ う 。 事 実 、1946年 に 開 催 さ れ た 上 院 の 公 聴 会 で 、 部 族 の 大 多 数 を 代 表 す る と主 張 した パ イ ン ・リ ッジ ・ス ー 族(PineRidgeSioux)
の ペ ー タ ー ・レ ッ ド ・エ ル ク(PeterRedElk)億 、 「IRAの 故 に部 族 評 議 会 に は 、 も はや 権 限 は存 在 しな い 。 … … 管 理 者(superintendent)こ そが 、 す べ て の 権 限 を も っ と こ ろ の 者 で あ る。IRAの 下 で は 、 イ ン デ ィ ア ン が 以 前 に 有 し て い た 権
限 が 、今 や 取 り上 げ られ て きた とい うの が真 実 で あ る。」 と主 張 し、 再 組 織 法 の 適用 に採 用 され た 投 票 は、 「 決 して投 票 しなか った部 族 構成 員 は、 自分 達 が 恰 も 法律 に賛成 して い るか の よ うに詐欺 的 に参加 登録 させ られ た」 が 故 に無 効 で あ
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る と非 難iして い る。
と ころで 、 これ まで 見 て きた よ うに、IRAの 目的 は、 イ ンデ ィア ン部 族 に限 定 的 自治権 を保 障 し、優 越 的 な連 邦 の管 理 権 を制 限 す る こ とに あ っ た が 、 イ ン デ ィ ア ン問題 局 長 に広 汎 な裁 量 権 が保 留 され 、局 長 ・コ リアが 、 こ とあ る ご と に、 強 力 な 問題 局 の圧 力(強 制力)を 、 部 族 を して管 理 政 策 に従 わせ しめ る手段
として 利用 したの もまた 、 隠せ な い事 実 で あ る(部 族政府 は、 その権 限の大半が究 極的 には内務長官 に集 中 し、いわば内務省のf鬼 儲 にすぎなか った とも言えるであろ う。)。
局 長 ・コ リア は、 イ ン デ ィア ンの土 地 保 有 を増 加 ・統 合 し、 イ ンデ ィア ンの 土 地 の利 用 を改 善 しよ う と試 み た。 既 に見 た よ うに、IRAは 、購 入 に よ る土 地 の部 族 資 産 へ の追 加 を認 め て い たが(第5条)、 連 邦 議 会 は 同法 で 認 め られ た総 額(200万 ドル)を 充 当せ ず 、 イ ンデ ィ ア ンの 土 地保 有 は、 わず か に増 加 は した が 、 政 府 が 必 要 と考 えた総 量 に まで は到 らなか っ た の で あ る。諸 部 族 も、 土 地 購 入 の為 に部 族 基 金 を充 て た が 、 この 試 み は割 当 て られ た 土地 や相 続 され た土 地 を合 併 整 理 す る 目的 で行 な わ れ 、 か か る方 法 に よっ て土 地 を よ り経 済 的 に使 用 し よ う とした の で あ っ た。 賃 貸 よ りも、 イ ン デ ィア ンの土 地 の部 族 に よ る使 用 が 、 奨励 され た の で あ っ た。
ま た、IRAは 、 公 認 され た イ ン デ ィ ア ンの 設 立 した法 人 へ の貸 付 金 制 度 を規 定 して い たが(第10条)、 基 金(総 額1,000万 ドル)は 連 邦 議 会 に よって 充 分 に充 当 され ず 、 イ ンデ ィ ア ンの 経 済 的 な改 善 は、 不 調 で あ った 。 コ リア は、1941年 度 の 年 次報 告 書 の 中で 次 の よ う に述 べ 、 連 邦議 会 に よ る基 金 の充 当拒 否 を非難
して い る。 す な わ ち、 「10年の期 間 で もって毎 年 の満 額 の充 当が為 され な い限 り、
IRAに よ って企 図 され た 〔イ ンデ ィ ア ンの 〕経 済 的独 立 と社 会 復 帰 が 何 等 か の 程 度 の迅 速 性 を以 って 達成 し得 る こ とは、 ほ とん ど期 待 す る こ とが 難 い で あ ろ
う。」([1941]SEc.INT.ANN.REp.451.)。
この期 間 を通 じて イ ンデ ィ ア ン問 題 局 は、 職 務 の 改 善 を試 み て い る。IRAの
雇 用 にお け るイ ンデ ィア ンの優 先 規 定(第12条)に よって 、 イ ンデ ィア ン問題 局
へ の イ ンデ ィア ン被 雇 用 者 は そ の数 を増 し、 コ リア は、 問題 局 を分 権 化 し、職
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務 へ の 責任 を州 、 自治 体 及 び部 族 の 出 張所 に分 か と う と試 み て い る。
これ らの 努 力 は、 当初 、 何 等 か の 改 善 を齎 した が 、 部 分 的 に は 、資 金 と人 員 不足 に よって 相 殺 され 、 更 には 第 二次 世 界 大戦 の 勃 発 に よっ て た ち まち頓 挫 を 来 た して しま った の で あ って(戦 争勃発 に よる議会の保守 化 と充当金支出の大 幅削 減)、 また、 コ リァが採 った政 策 の履 行 は、官僚 主 義 に も阻 まれ、政 策 変 更 は遅 々
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として 進 まなか っ た の で あ る。
コ リア(彼 は、1945年 に辞職 した。)に よ って 推 し進 め られ た政策 は、政 治 的 に も経 済 的 に も若 干 の成 果 を上 げた に過 ぎなか っ たが 、 ドーズ 法 制定 以 来50年 に 亘 っ て続 いた 白人 に よ る土 地 浸食 に終 止 符 が打 た れ 、 わず か275万 工 一 カ ー とは い え、部 族 所 有 地 が 回復 され た こ との 意義 は大 き い と言 わ ざ るを得 な い。 また、
1934年 の 立法 措 置 に よ って 公 立 学校 に政 府 補 助金 が 支 出 され る こ とに な った 結 果 、 ほ とん どの イ ンデ ィ ア ンの子 ど もた ちが近 隣 の公 立 学 校 に通 学 可 能 とな っ
た こ と も、 一 つ の大 きな成 果 と言 え よ う。
主二=口
1)Ch.ll9,24Stat.338(codifiedasamendedat25U.S.C.§ §331‑334,341, 348,349,351,381).
2)Ch.383,§ §1‑3,26Stat.794(codifiedasamendedat25U.S.C.§ §331, 336)
3)Ch。234,34Stat.182(codifiedat25U.S.C.§349).
4)E.g‑.,TreatyofSept.20,1816,art.4,7Stat.150(Chickasaw};TreatyofJuly
l8,1817,art.8,7Stat.156(Cherokees),例 え ば 、 上 記1817年7月8日 の ア ン ド リ ュ ー ・ジ ャ ク ソ ン 少 将 、 ジ ョ セ フ ・ ミ ミ ン テ ネ シ ー 州 知 事 並 び に デ ヴ ィ ッ ド ・メ リ ウ ェ ザ ー 准 将 と ミ シ シ ッ ピ ー 川 東 部 及 び ア ー カ ン ザ ス 川 の チ ェ ロ キ ー ・ネ ー シ ョ ン の 族 長 、 酋 長 並 び に 戦 士 と の 間 に 締 結 さ れ た 条 約 第8条 は 、 「合 衆 国 市 民 に な る こ と を 希 望 す る ミ シ シ ッ ピ ー 川 東 岸 の 、 合 衆 国 に 現 在 譲 渡 さ れ 又 は 以 後 譲 渡 さ れ る 土 地 に 居 住 す る イ ン デ ィ ア ン 家 族 の す べ て の 長 に 、 合 衆 国 は 、 一 区 画(inasquare)750エ ー カ ー の 土 地 の 保 留 地 を 付 与 す る こ と に 同 意 す る 。」 と規 定 し て い る 。 そ の 後 、 土 地 割 当 に 関 す る 規 定 は 、 西 部 膨 張 の 時 代 に 、 特 に 、 ミ シ シ ッ ピ ー 川 以 西 の イ ン デ ィ ア ン 部 族 と の 条 約 に 見 出 す こ と が で き る が 、 同 時 代 の 条 約 の 土 地 割 当 条 項 の モ デ ル と な っ た の は 、1854年3月16日 に ワ シ ン ト ン 市 で イ ン デ ィ ア ン 問 題 局 長 ジ ョ ー一ジ ・W・ マ ニ ペ に よ っ て オ マ ハ 族 イ ン デ ィ ア ン の 族 長7名 と の 間 に 締 結 さ れ た 条 約 で あ る と さ れ る 。 す な わ ち 、 同 条 約 第6条 は 、 連 邦 大 統 領 は 、 オ マ ハ 族 に 保 留 さ れ た 土 地 の 全 部 又 は 一部 を 階 意 に 、 喜 ん で 、 特 権 を 利 用 し 、 恒 久 的 な 故 郷 の 地 と し て 当 該 土 地 に 居 住 す る イ ン デ ィ ア ン に 割 当 て る 認 め 、21歳 以 上 の 独 身 者 に は8分 の1セ ク シ ョ ン(section)、2人 家 族 に は4分 の1セ ク シ ョ ン 、3人 以 上5人 以 下