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智山學報 第55 - 018山本 匠一郎「『大日経』所説の諸字門について」

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(1)

経 』所説

諸 字 門

本 匠

  は じ め に

 文字

を習

アルファ ベ ッ

よせ

人 生 訓 や 道 徳

につ い て

ぶ のは

西 を 問 わ

ひ ろ

く世

て い る。 イン ドで

も子 供

の 頃 か ら

わ れ る

言 葉 遊 び

あ り

古 来

釈 尊

時 代

わ れ て

習字 法

1) 。 ア (a)、 ア

  、

イ (

i)、 イ

r

か ら サ

s

ha

) ま

で の

梵 語

の ア ル フ ァベ ッ トを

い ろ はガ ル タ の よ

ア (a>の

切 諸 行 無 常

ankya sarvasai iskata )

2 )とい

唱 え

文 字 を学 習す

る の で

る。

 

仏 教 文 献

お け

梵 語

音 節 表

(字 門sytlabary>にはい

か あ

る が3}

表 的 な も

のに

42

50

系 統

る。

42

字 門

お よ

厳経」

ら れ

50 字

門 は 仏

ら れ る こ と はよ

く知

られ てい る4) 。 こ こ で

取 り

r

経 」

も字 門

か れて いる。

r

大 日経 疏 亅

いて、

字 門 を説 く諸 経 典

羅 列

し て、

る よ

要 請 し

てい るの を

見 出 す

こ と

る。

    所

以 に

品 経

及 び

厳 入

界 品

四 十二

を 説 く

浬 槃 文 字 品

    文 殊 所 問 経

大 集 陀 羅 尼 自在 王 品

悉曇 字 母 を 釈 す

るこ と

   

所 説

義 或

いは 同 な り

し此 の

意 を

得 れ ば

諸 経 冷 然

と して

    会 し

違 妨 す

所 無 し

S)。

 

した

典で

か れ る 諸

門 は

さ ら に

後 期 密 教

説 か れ

る6) 。 こ こで

は 「

所 説

諸 字 門 を 中心

取 り

た、

の思 想コン テクス ト を

り、 さ ら に その

儀 礼 化

がいか な る

観 念

も と

た さ れ る か

を解 明 し

たい7)。 (

87

(2)

CHISAN-KANGAKU-KAI

智 山学

第 五 十 五 輯

  『

大 日

所 脱

諸 孚 門

具 縁 品」

お け る

  字

門 と

母 体

字 (

母 )

を提 示 し

て、

こに

何 ら

か の

体 系 が 見 出 され

ので

る。

母の

徴 的 な 意

提 示 す

る が、

提 示 しな

も多

い。

広 義

いて

た だ 文

列 す

だ け

また

字相

の み

提示す

真言

な ど も

字門

め ら れ るべ

た と え ばa

va

 ra

 

hq

 

kha

な ど)

こ こで

いわ ゆ る

42

字 門

50 字

門 と

いわ れ る

体 系 的 な字 門 を対 象

考 察 した

い 。

 

42 字

は a

ra 

pa

 ca

 na の

文 殊

ま る

字 門

いわ

ア ラ パ チ ャ ナ

Arapacana

 

Syllabary

42

字 

a

 

ra,

  pa

 

ca

 

na

  la

  da

  ba

 

qa

 

SP.

 

va

 

la,

  ya

 

§

la.

  ka

 

sa,

 

ma ,

  ga

 

tha

, 

a

 

Sva

sva}

  dha

 

 

  a

  kSa

 

sta

. 

jfia

rtha (ha

 

pha

 ita

  bha

 

cha,

 

sma

@hva

, 

【sa (sta)

 

gha,

 

ha

 

摯a

  pha

 

ska

 

ysa

 

9ca.

!a

 

qha

音 節 表 を

。 これ は

般 的 な

サン ス ク リッ ト

語 順

ま ない上 に

a

,6va,

 rtha

 sma

 

hva

, tsa,

ska

 

ysa

,9ca

いっ た

のサ ンス ク リッ

字 母

れ が

か な る言 語

字 母 表 記

で あ る か は

不 分 明 だ

先 行

研 究

に よ

れ ば

8)

ア ラパ チ ャ

ナ 字 門

は ガン ダ

影響

受 け

成 立 し た も

と され る

9)

50 字

門 は

 

a

  a

 

i

 

i

 

u

 

ti

 

e

  ni

 

o

 

au

 

a ,

  的

  ka

  kha

  ga

  gha

 

fta

 

ca

 

cha

, 

ja

, 

iha

  fia

 

!a,

ha

 

4a

 

qha

  oa

 

ta,

 

山a

 

da,

 

dha,

 

na

  pa

  pha

 

ba,

 

bha,

 

ma

  ya

 

ra

 

a

 

va

  Sa

 

§a

 

sa

 

ha

 

k

§a

 

T.

 

 

1

 

1

とい

う音声 学 的

標準

サ ン スク リッ

ト語

順 を採 用 し

てい る1ω 。

  「

大 日

経』

か れ る

諸 字 門

テン

トと し

50

字 門 系

音 声 学

的 な 字 母

順 次 提

るノ

マ ルな 形 態 を と る が

その字 門の

象 徴

的 な

意 味

内 容

して は、

む し

般 若 経 亅

の 42

字 門

か ら

採 用

し て お

ω

系 統

字 門

混 淆

し た 形

で あ る

下 に チベ ッ

訳 を も

とに

「具縁

品」

お け

字 門 を説 く箇 所 を引 用

してお

字 門

ご とに

88

(3)

r

大 日経

亅所 説

諸字

門につ い て

山本

れ る サンスク リッ トを

括弧

示す

ω。

  

 

adyanUtpada) で あ る か らaは

切 法

の 門 で

る。

 

作 業

  

khrya

ら 離 れ

てい る か

ka

切 法

あ る

 

虚 空 に 似

  

(  asama )

不 可 得

か ら

  a

切 法

あ る

 

  

(gati> は

る か ら

ga

切 法

で あ る

 

つ に

め るこ

  

と (

ghana

不 可

る か

gha

切 法

 

  

cyUti

)か

離 れ

てい る か

ca は

切 法

る。

 

影 像

  

chaya )

と 等 し

らcha は

切 法

の門 で

る。

 

jati

) は

不 可 得

  

るか ら

ja

切 法

る。

 

jhamara

jhamtUa

?)13)は

不 可 得

  

る か ら

jha

切 法

る。

 

ka?

taST

ikhra ?}t4)は

不 可 得

  

る か ら

Ia

で あ る

 

生 長 (

vi!hapana

15}

不 可 得

で あ る か ら

  

φ

a は

切 法

の 門で

る。

 

悩 乱 (

damara

る か ら

  

切 法

る。

 

誘 惑

qhafiga

?)16)か ら

れ てい る か ら

¢

ha

切 法

  

る。

 

真 如

(tathata) は

不 可 得

あ る か ら

ta

切 法

  

  住

処 (

sthina

不 可 得

あ る

か ら

tha

切 法

る。

 

調

  御

damana

dEna

t7)

C

不 可 得

か ら

da

切 法

あ る

 

  

dhatu

)は 不 可

る か ら

dha

切 法の門 で あ る

 

para

  

mdrtha

で あ る か ら

pa

切 法

る。

 

(phena》の よ

  

実 体 が な

い か ら

pha

で あ る

  語

vakpatha ) か

  

ら 離 れ

て い る か

ba

(=va) は

の 門 で あ るIs〕

 

切 の

  

bhava

) は

不 可 得

か ら

bha

 

(marana > は

  

で あ る か らma は

切 法

る]9} 。

 

(yEna)は

  

可 得

る か ら

ya

切法

 

塵 (

s

か ら

れ て

  

い る か らra は

切 法

る。

 

laksana

)は不 可

る か らla

  

切 法

る。

 

本 性 寂 静

prakltiSdnti

) で

る か ら

9a

  

の 門 で あ る

 

本 性 鈍 (

j

喚 萌 吋

a?)20)で あ る か ら §a は

切 法

で あ

  

る。

 

真 理

(sarya)

は 不可 得

る か

sa は

切 法

   

(hetu

不 可 得

か ら

ha

切 法

あ る

秘 密

 

89

(4)

CHISAN-KANGAKU-KAI

CH 工SAN

KANGAKU

KA 工

智 山

報 第 五 十 五輯

  

fia

  fia

と 

1

)a

と 

na

ma2D は

の 三

に おい て

な る もので

    あ

っ て、

ら ゆ る

力 を 有 し速 や

かに

める とこ ろ の

利 益 を成 就

せ し め る

    も

の で

門 の

呼称

つ いて は

学者

る。 た と え ば、

井真典

50 字

し22}

神 林 隆

37

23}

有慶

24》

北 條 賢

”)

29

字 門」 とす

経 亅

説 か れ

字 門 そ

に 増 減 が あ

る わ

で は

な く

テ クス

トに 実 際 に示 され

てい る

字 数

33

(漢 訳 は

34

) で

る。

漢 訳

と チベ ッ

ト訳

との

に は

少 し違

いが

に 先 行 研 究

いて

摘 さ

れ てい るので、

蔵 漢 両訳

照 し

ら れ る

につ い て は

べ て

し て おい た

と も大 き

相 違 点

チベ ッ

ト訳

ba

va の

混 用 が 見 られ

漢 訳 よ り

字 少 な く な

ってい る

る26} 。

 

こ の

蔵 漢 両 注 釈

共通 し

特 託 す

き傾 向

は、

字 義

解 釈

際 し

用 し27)

門 を

の立

てい る

経広釈亅

で は

r

中 論

14

章 「観合 品 」 を 引 証

経 疏 亅

で は

第 1 章 「

観 因縁

2

観 去 来 品 」

5

章 「観 六 種 品 」

8

観作作 者品」

第 13 章 「

観行

14

章 「

観 合 品

15

章 「

観 有 無 品」

、 第

16

章 厂観 縛 解 品 」

24

章 「

諦 品 」

25 章 「

観 涅

を 引

貫 し

中 観

空 思 想

か ら

門 を

解釈

ら の

姿

いか

視 点

い て

るべ

う問

いに

対 す

解 答

指 針

る。

8

世 紀 イ

お け る雷 語 思 想 論 的

背景

一一

瓶 と青

を め ぐ

って

 

ここ で

前 後

す る か

し れ ない が

ド言 語 思 想

いてコ

って

の よ

うな 議 論

展 開

さ れ た か

を 辿

っ て おこう

す で に

く の

学 者

に よっ て

指 摘 され

て いる よ

の イン ド

言語

的 影響 を受 け

r

成 立

し てい る

られ てい る28

 

後 期 大 乗 時 代

仏 教 者 た ち

言 語 観

参照 す

ることで

ブッ ダ グヒヤ が

r

大 日 経

を どの よ

なス タ ン ス に おい て

把 握 し よ う と し

てい る

か を

り明 瞭

る こ と が で

go

(5)

大日経

j

所 説の諸 字 門につ いて

本)

 

ド言 語 思

で はコ トバ の

常 住 性 と無 常 性

につ いて 理

な る二つ の

れ が

コ トバ

常住

う説

立 脚 す

るのが

正統

モ ン の

ヴェ

重 要 視 す

るミ

ンサ

学 派 と ヴェ

ン タ

派 と

文 法 学 派

の 三

あ り

29)

コ トバは

無常

う説

立 脚 す

るのが

シェ

シ カ

学 派

ニ ヤ

学 派

あ り

仏 教 も

ち ら

拠 る

。 こ の

バ は

無 常

」 と

主 張 命 題

定 言 的 論 証 式

は、 い

チャ ン ドラキ

ルティ

530

6GO

)の

r

プ ラ サ ン ナパ ダ

に よ れ ば

以 下の よ うで あ る

   〔

主 張 〕

は無 常

あ る

   〔

理 由 〕

く られ た も

ので

あ るか ら

  

実 例 〕

く ら

れ た

のは

無 常

であ る と 知 ら れ る

と え ば 瓶

よ う

に。

  

適 用

同様

に コ トバはつ

ら れ た

の で

   〔

結 論

ら れ た

の で

る か らコ トバ

は 無 常

あ る

。30)

  

tatra 

yathanitya

6abda

I

 

k

talcatvat!

kVtakamanityarp

 

i

§

a甲 ノ

yatha

 

gha

Op

  

tatha ca

 

aka

螽abda

’tasmEtktal(atvadanitya  

iti

コ トバ は

無常

であ る

主 張

題 は

ド言 語 思 想

上の

大 き な

問 題 で

っ て

観系

も 「

ニ ヤ

ヤ ビン

亅 を

め と

用 さ れ

る。 こ の コ

バ の

無 常 性

論 証 す

るフォ

ミュ ラ の

成 要

つ と

示 さ

れ る

喩 例

の比

喩 」

「た と え ば

の よ

yathA

 

g

例 を指 示 す

だ け

適 用 と結 論

論 証 肢

略 す

るこ と が で き る ほ

この

「瓶

比 喩 」

よ く知 ら れ る

とい

う制

作 物

を もっ て

存 在 者

般 を

表 させて

あ ら ゆ る もの に

用 し

、一

切 諸 法

無 常 性 を証 明 す る

ので

る。

 

さ ら

時 代

っ て

8

世 紀

の イン ドに は

仏 教

論 者

ブラ フマ ン

を主 張 す

た ち

Sabdabrahmavadin

>が いた と

れてい る

その思

状 況 を

く記 し

て い るの が カマ ラ シ

740

795) の

摂 真 実 論 釈 亅

(Tattvasahgrahapafijikdi)

5

章 「

語 ブ

ラフマ ン の

考 察 」

SabdabrahmaPHnlksA

) で

る 31〕

本 章

コ トバ と

真 実 在

を め ぐ る 問 題 に 関 し て

イン ド

仏 教

91

(6)

CHISAN-KANGAKU-KAI

CH 工SAN

KANGAKU

KA 工 智 山学 報 第 五 十 五 輯 の

相 克

展 開 され

冒 頭 部 分

イン ド文

法 学

大 成 者

バ ル

リハ リ

45e

500

頃)の

ャパ デ イ

(Vakyapadipa 

1

D

引 用 され る

  

そ れ よ り世

創 造

の起こ るとこ ろ の (根 源)

不 壊

に し て

本 性

  

と なせ

始 も

ブラ フマ ンが

(意 味artha ) と

て 開

    す 」

コ2}

  

anま

dinidhana

brahma

 

Sabdatattvarp

 

yadak

§aram  

l

  

vivartate

rthabhavena 

prakriya

 

jagato

 

yata

世 界

Sabda

を 本 質

る ブ ラフ マ か ら展 開 し た

で あ る

とい

は、 ヴェ

聖 典

絶 対 的権 威 を 承 認 す

タ学 派

学 説

あ り

シャ

ンタラ ク シ タ、 カマ ラ シ

ラ はこ

れ を徹 底 的

論 す

る。 その 反

に 用いる 比 喩 が

瓶の比 喩

の比 喩

であ る。

以 下

そ れ を端 的

示 す 「

摂 真 実論

142

143

頌 を引 用 す

る33}

 

142

頌 〕 そ れ

粘 土 )

を本性 と しな

か ら乖 離 す

土 を本

  

性 質

を 知

か ら

個物

土 と

う本

   質

こ の

ら れ る。

  

atadnipaparEv監tamVdrfipatvopalabdhitatl!

  kumbhako

dibhede

§u mTdatmaiko

tra 

kalpate

 

X

142

  〔

143

頌 〕 し

か る に

黄 等

事 物

につ い ては

の よ

に (語の

  

性 が ある と は)

知覚

さ れ ない

そ れ

と し

のか ら

  

乖 離

本質

想 定 も無根拠

  

nilapitadibhavanErp  na tvevamupalabhyate /

  

aSabdtitmapartivrtirabTji  

kalpana

pi

 tat 〃143ノノ

こ こで

っ てい るの はい

ゆ る

「直接 知 覚 」

(pratyak§a)の

問 題

で あ る。

瓶 や

や 水 瓶 な ど

々 の

事 物

異 な る が

集 合 概 念 的

は 陶磁 器 は

土 か ら な る とい う

本 性

が あ る

さ れ る。 この場

個々の

物 が た と え

し て

概 念

(コ ) に よっ て

存在 者

か れ てい る と

措 定

る こ

し か し

とい

う色覚

眼 と

う視覚

認 識

に (92)

(7)

r

大日経

亅所説

の諸

門につ い て (山 本 ) よ る

ので

本性

っ て

青 は知 覚 され な

い 。 こ

聾 者

に は

え な

い の

と 同

じこ

る (だ が 厳 密に は直 接 知 覚は世 俗のあ り方として認め ら れ る だけで

勝 義に おいて は否 定さ れ る)

こ う した 比

に よ

ブラ フマ ンに よっ て

展 開す

万 物 が 語

形 相

っ て

さ れ てい る

う説

シャ

ンタ ラ ク シ タ

カマ ラ シ

ら は 否 定す

るの で

  「

経 広 釈 」

瓶 と青

比 喩

  「

の比

「青

の比

j

に よっ て

語 の み

ず存 在 者

無 自性

証 す

方法

で に

龍樹

や 聖

著 作

始 ま り

3

中 観

系 論 書

学 文 献

見 られ

る が

、8

世 紀

の シ ャ

ン タラ クシ タやカマ ラシ

いて

比 喩 が 語

ブ ラフ マ ン

論 者

対 す

反 駁 に 用

てい る の

を 見 た

また

こ の

比 喩 表 現 は

ダ グ

ヤ も多 用 し

ている。

し煩 瑣

大 日経 広 釈 亅

8

yα)

に お け る そ う し

比 喩

引 用 を以

下 に 例 示 し よ う (「」括弧はすべて

大日経

本 文 を 指し

()括 弧は補足語であ る)35)。

  〔

比 喩 〕

  1

「自

心 を

実 に

とい

のは

の心 を もっ て 瓶

を 如 実 に

  

刹 那

に おい て

を 虚

abhOta

  

と し

排 斥 し

の よ

所 執 分 を

排 斥す

る の で

る。 〔D

76bM

91a)

 

2.

余 す

と な き法 界 を表 す

の は

語 を 生 ず

4

つ の a

  

(4 : a甲

を 説 くこと と 関 連 す る

この

4

つ の a字 は 不 生 な る 語 を 生

    ず

の と

認 識 され

か ら

瓶 等

諸法

語 も ま

  

さ れ

る だ ろ

。…

中 略

っ て 生

とい

のは

    瓶 等

そ れ ぞ れ

言 葉

が 不

生 な

a字 )に

い て

生 ず

るか

  

ら で

る。

D

164b/R205b

 

3

さ て

(sa

匐 な る

の は

かつ

不 空

」 と

の は、

虚 空 等

   

は 空であ る といわ れ

諸 法

は 世

と しては 空では ない とい う場 合

(93)

(8)

CHISAN-KANGAKU-KAI

智山学報第

五十五

    そ

れは

た だ想

の み に

す ぎな

い とい

の で

そ こで

を 進 め て

1

2

  

3…

等 と連 ね

とい

のは

の a

か ら

さ ら に た だ

  

す ぎな

い と

され

か ら

i等

多 く

文字

を生

   

こ と で

る。 (D

246bM

314b>

  〔

の比

喩 )

 

1

主 よ

菩提 は 無相

」 と

のは

菩 提

に おいて は

    黄 と

う色

形 等 は そ

ま ま無相

か ら

D

77alP

92b

 

2.

所 執

能 執 を離

れ ている

の は

  

と して

認 識

事 物

排 斥

し た

方法

に よっ て

自性

る が

  

青 等

して

知覚

さ れ る

事物

は存 在 し な

か ら

離 れ

て い

る」

の で

  .

D

92a!P

mb )

 

3

無相

とい

の は

菩 提 心

っ て

る が ま まの

黄 等

    相

が ない こ

る。 (

D

g5htp

llsb)

 4

た だ蘊

のみ で

そ れ

さ ら に

水 泡 等

方 法

排 斥 し

て、

  

そ れ ぞ れ

自性

た だ

膏等

の み に

す ぎな

と理 解 す る

とを説 く

   

D

97b

P

1t8b

 

5

は 無 垢

自性

」 と

の は

菩 提 心

自性

あ た

  

も虚 空

は煩 悩 等

障 碍

な く

さ れ

いの

  

同 様 に

菩 提

に おい て

悩等

障 碍

な く

れ はいか な

  

識 に よっ て

さ れ ない

の で

る。 (

D

159b1R200a

 

6

そ れ

空 性

自性

は 青 等

性 質

いか ら

「見

    (

D」60alP

200a

 7

勝 義

に おい て

自性

黄 等

れて

  

自性

る か

世 を超 越

し た もので

る。

D

255atP

328a)

大 日経 広 釈 亅

諸処

さ れ る

を抽 出

の で

文 脈 が 取 り

い か

しれ ないが

ず れ も諸 法

無 自性

にこ の比

が 用い ら れ てい る。 こ

し た

青 と

う簡 潔 な比 喩

例 示

っ て

諸 法

空 を説

明す

手法

般 化 し

てい

とが 知 られ

る。

そ し

シャ

ン (

94

(9)

r

大日経 」 所 説の諸 字 門につ い て

本〉

タ ラ ク シ タ、 カマ ラ シ

ラ に おい て は

と く

語 ブ

ラ フマ ン

論 者 を標 的

つ つ

言語

し て

さ れ てい る。

 

と りわ け

言 語

して は

比 喩

2

3

注 目

さ れ る。

2

で は

あ ら

文 字

言 語

がa

包 摂 さ

れ る と し ている。 例

3

で は

a

らあ ら

ゆ るコ

バ の

が 生

る と

てい る

その

を 生

出す

のは

た だ 「

想 」

よ る

想 」 缶

h

du shes

 

Skt

 sar1)

jfia

) は

哲 学 的

に は

表 象 」

(VorStel)ung)の

っ て

知 覚

づいて

意 識

現 わ れ る外 界

対 象

をい

この

文 脈

では

文 字

言 語

に よ る

概 念 的 知 覚 偉 用 を意 味 す

る もの で

っ て

大 日経 亅

ま さ し く

こ の

箇 所 が

rning

前)

っ てい る か ら

り明

に は

名 辞

名 称

名 前

を 意

味 す

た だ

ぎ ない

とい う

言 は

に お け るノ ミ ナ リ ズム

してい る

る。

また

こ こでの

議 論

世 俗 と勝 義

の 二

諦 説

に おい て

捉 え られ

てい る

点 は 注 目 され

る。

世 俗

に おいて のみ

事 物

知 覚 表 象

存 在

め るの は

当時

の中

観 派

論 師 た ち に

特 徴

的 な 思

で あ る

仏 教

は どこまで

ノミ ナ リ

ム の

を取 り

バ ラモ ン

ヴェ

ダ の

主 唱す

語 ブ

ラ フマ ニ ズム

徹 底 的

排 斥 しあ う対 立 関

あ る

。 こ

う した 思 想

対 立 構 造 は

中 世

ロ ッパ に

お け

「普 遍 論

に おいて

遍の

実 在性

を 主

す る 側 が

実 念

論の立

遍の

否定す

が ノ ミナ リ

ム の

と思 想

パ タ

よ く似

てい る

。 こ

う した 仏 教

基 本 的立 場 は

密 教 者

ブッ

ダ グ

い て

も堅持 され

て い ると

え ら れる。

 

の比

は と

の比

典 拠

大 日

ff

SS )の

経 説

に おいて

もそ も見 出 す

こ と が で

る。

般 若経 亅

31}や

r

大 集 経 」

38)

経 亅

39)に も

同 じ文

ら れ る

諸仏典

で はな

く黄

で は

な く

と して諸

名 称

摩 訶 衍 などの空 を説 く。 とりわけ

三昧王経

の所 説は言 語と の関わ り に おい て注 目 される)。 こ

う し

経 説 を

ブッ ダ グヒヤ

シャ

ンタ ラ ク シ タ

カマ ラ シ

ラ ら

も もち

ろ ん認

し てい

言 語

にブラ フマ ン の よ

な 普 遍

絶 対 者

のは

の立

で は ない

あ く ま

も空 観

に おい て

ゆ る

存 在

恒 常性 を否 定 し

てい

く態 度

は、

言 語

して

(とい

より

95

(10)

CHISAN-KANGAKU-KAI

学報 第

におい て こそ

)発 揮

てい るので

っ て

字 門 も ま た そ う し た 視 点

い て

捉 え な け

れ ば

  仏 教 者 と

モ ン

にお け る修 学 の 相 違

  イ

お け

仏 教

外 道

との

立、 これ は

実 在

を め

相 克

の ク

テ ィ カル

な状 況

言 語

哲学的

に おいて

発揮

さ れ るの

を見 た

そ もそ も両 者

基 本 的

ぶべ

対象

る の で

る。

た と え ば

玄 奘

興 味 深

例 を

ている が

る 阿

モ ンが

子 を

鞭打

つ つ

(声 明謝

を教 授 す

場 面

遭 遇 し

そ う

し た

学 問

無 意 味 な

こと

を 説 き聞

か せ

その

子 供

を 仏

に 出

ぜ し め

た と

40)。

ダ を絶 対 視 す

るバ ラモンと

世典

文辞」

ぎ な

と し

義 的

否 定 す

仏 教 徒

に は

基本

姿勢

る。

仏 教

が イン ドの

教 で あ る 以 上

ン ド

伝 統 宗 教 と

し てのバ ラモ ン

がつ ね に

先行者

し て

対峙 し

てい

ので

あ り

仏教

教 線 拡 張

いて は

論 者

主 張 を

知 し

お く必 要 が あ

る。

大 乗

基 本 的 立 場

外 道

rirtbika

否 定 」

そ れ 故

に こ

外 道 を 調

伏す

る た め に

部 経

さ ら に

医 学

世 間

学 問 を 学

か れ る

以で

る (

菩 薩 善 戒経

41}「瑜 伽 師 地

nCj42

 

ま た 書

literacy

) と

(。rality)の

問 題 に 関

わ る

乗経 典

根 本的

性 格

典 書 写

奨 励 」

る43} 。

仏 教 徒

(とりわ け大

に とっ て

に よ る

活 動

(経 典 書 写〉は 必 須の

は文 字

習 得

字)

不 可 欠

バ ラモ ンに

っ て

学 習

厳 し

弟 関係

の口

っ て

子 供

頃 か ら長 年

修 学

わ れ る

ヴェ

ダ の

学 習

を 必 要 と し ない仏 教

って

で に

伝 承 形 態

はロ

か ら

書 写

と移 行 し

つ つ

たか ら

識 字

教 化

にお

条件

っ た。

 

不 空

15

金 剛

事 す

る が

モ ン

同様 「

梵 本 悉 曇 章 及

び 声 明 論

」 を まず 学

ん で いる“} 。

真 言 を学

に とっ てサン ス ク リッ ト

文 法

学 (

lndian Phonetics)45>の

習 得

必 須

か ら

不 空

蔵 は そ

本 格

96

(11)

r

大日経

所 説の諸 字 門につ いて (山本 )

的 な 学 習

して

て て までイン ドに

し てい る。

 

した

修学事情

8

世紀

当時

ン ド

西 域 僧

っ て

般 的

智慧輪

に イン ド

辺の

状 況 を伝 え

てい る

46)

け西

(胡 〉

トカラ (吐 貨 羅 )

ク シャ

ン (羯 霜 那 〉

地 方

で は

言 語 形 態

な るか ら

地 方 布 教

お け

梵 語

教 授 法

地 域 差 を踏 ま え

た 上 で

洗 練

を加 え

て いか

な け れ

な らな

い。

そ れ

は インド

大 乗 仏 教 (

さ ら に は

後期

真 言 密 教

国 外

行 う際

題 で

っ た は

る。

大 乗 布

教の

弼 で

ヴェ

ダ に よ ら な

梵 語学

を果 た そ う

場 合

字 門」

う仏教 知 識

く識 字 法

は、

っ と

も有 効

簡 易

初 歩 的 な 教

授 法

っ た ろ

  ま

た イン ドに お

学 問

といえ ば

明論 」

因 明

医 明

工巧 明 )の こ

る が

仏教

に おいて

学習

し て

参 照

文 法 学 は

あ く ま

参考

的 な知 識

す ぎな

とを 踏 まえ

お く必 要 が あ

る。

中 核 思 想 た

a

!man 〕

仏 教 が

貫 し

批 判

して

ので あ り

教 も ま た 同 じ で あ る

た と

経 亅 「

住 心 品」

十 種 外 道 段

で は

当時

諸 思 想

教 が 主 張 す

世 界 原 理 説 を 列 挙 す

非 声」

bda

 agtibda>

が あ る

47) 。

声 」

ァ イ シェ

シ カ

ンサ

学 派

に比

さ れ る

外 道

で あ り

コ トバ の

関 し

(atman)の

存 在 を主 張 す

立 場

あ り

非 声

と は

声 論

反 対

立場

る。

う した立 場 を排 斥

否 定 し

て いる4s)。

 

「大 日 経 」 所 説 の 諸

門 の 儀 礼 化

32

字 と三十二相

 

ド言語 思 想 に 対 す

仏 教

基本 的

態度

した。 そ の

姿

端 的

に い

言 語 道 断 故 」 (

valcpathaghogasamucchinna  tvit49)

あ り

仏 教

基 本 的

立 場 で あ る

だ が

その立

場 を

しつ つ

っ と

も言 語

して繊 細 な

感 覚 を保 持 し

つ つ かつ

語 を

え た 世

し て

を は

せ、

思 想

閃 きを重 視 す

るの

が 大 乗 経 典

る。

大 乗経 典

にお け る 諸 字 門 には

言 語

に よっ て

言 語

徹 底 的

に 批

背 後 世 界

と通 徹 し

意 思

が (

97

(12)

CHISAN-KANGAKU-KAI

CH 工SAN

KANGAKU

KA 工 智 山学 報 第 五 十 五 輯

る。

しば し

指 摘 され

る よ

に、

字 門

神 秘 的

」 「

秘 教 的

5°)

っ て、 言 語 で は 認

さ れ

ない

精 神 境 位

な らぬ

文 字 を通

じ て 入 るこ

と を 目的 と し

てい

た と え ば

r

般 若 経 亅

字 門 を通 じ

不 可 得 空 」 を悟

が 目的

あ り

r

華 厳 経 亅 も ま

般 若 波 羅 蜜 門 」

る こ と

を 目的

と 図1 円

明掌輸

 

ka

 

 

pa 

 

kha

 

上 顎

 

pha

 

ga

 

上首

 

ba

 

両上 腕

 

gha 下 顎  

bha

  両 手

 

ca

 

 

ma

 

心 臓

 

cha

 

舌の中 央

 

ya

 

男根

 

a

 

舌の先

 

ra

 

鎖 骨59)

 

ha

 

 

a

 

 

ta

 

 

i

 

 

ha

 

 

r

 

左目

 

da

  腰

 

u

 

 

dha

 

 凸

 

o

 

  m   膀 胱

 

e

 

右 耳

 

山a

 

 

ai

 

左 耳

 

da

 

両 脇

 

o

 

右 頬

 

dba

 

両 肋 骨

 

au

 

左 頬

2

遍 照王 (児 玉義隆 氏 筆 ) 図

3

 「

晶」 所 説

32

字の身

配 置 (98>

(13)

r

大日経 」 所 説の

諸字

門につ いて (山 本 )

る。

そ う し

般 若 経 亅

r

華厳経

j

か れ る

字 門が

か な

実践 儀 礼

(坐 禅 観

) を

っ ていた か

ら かで は

いが

r

大 方

広 仏

華 厳 経

界 品 四 十二

字 観

明 字 輪 」

(図

D

の よ

お そ ら

く何

らか

瞑 想 対 象

と な

っ ていっ

た と考 え ら れ る

St)。

そ う

し た

諸字

いて

構 成 さ れて

る か

て み たい

 

r

大 日経 亅

では

先 述

具縁

品」

の ほ か

字 輪 品」

52》

布 字

53〕

成 就

品 」54}な ど で

を 説

いてい る。 い わゆ る

百 字

章」

5S)で は

百 光

遍 照 王 」

(図

2

)56}

と呼 ば れ る 種 子

マ ンダ

観想

中 央

にarp

字 を 置 き

周 辺

ka

 ca

1a

 

ta類

 

pa 類

25

字 を

孔 雀

のよ

円状

に a a  a

(阿

四転 :発心

修 行

菩 提

涅 槃 ) と

展 開

100

配列

100 字

か ら

ば ゆい

光 明 を 放

っ て

自身 を そ

観想

る こ

と を

く (

100字の数 え 方には諸 説 あ る57)

で に

光 遍 照

王 につ いて は

先 行 研 究 が あ

るのでSS}

こ こで は

「布 字 品」

持 誦 品」 を中 心

諸 章

所 説

検 討

し たい

r

大 日 経

布 字 品 」 所 説

諸字

に し て

図示

して おこ

(図

3

)。

 

布 字

で は

子 音 と母 音 を 含 め た

32

字 を 身 体

布 置 す

瞑 想

布 字

)が

てい る

こ の

32

にa

2

えて

aIp は

 

ab

浬 槃 を意 味 す

る と

34

説 く

の arp

こに

当 さ

れ る

のか

不 明

注 釈 を施 し

てい

大 日

は町

を頂

碑 を全 体

布 置 す

る と

解 釈 し

てい るω 。

  先

「具 縁 品 」

では

33

(漢 訳は34字 ) が 説 か れ る と 述べ た が

ブ ッダ グヒヤ が 諸

門の

字 数 を

と し

数 え

てい る

とい

と、

と し て

子 音

数 を

F32

字 」

る (a に

始 ま

る母

16

と して

立て に数 える)。

具 縁 品」

ω

字 輪 品」

62)

布 字

字 成 就 持 誦 品 」

で は、

門の

示 内 容 も字 数 も異 な

同 じ く

32

と して

え て

数 え

る の は

こ の

32

とい

う数 字 が 彼

で キ

なっ てい る

か ら

r

大 日経

Bha

“ya)で は

「布 字 品」 所 説

32

仏の 身 体の 特 徴

を示 す

る、

解釈

し ている。

以 下

そ う した 解 釈

て み よ

99

(14)

CHISAN-KANGAKU-KAI

智 山 掌 報

五十五

 

1

勝 義

に おいて 示

の は

その a

か ら

真 如 を示 す

に お

  

い て

示 す

の は、

の a

字 か ら三 十

大 人 相

る こ と

示 す

そ れ

  

字 章」

百字成就持

誦 品

に、 こ

れ ら

の a

か ら

ka

32

流 出

  

るこ

と を説 き

そ れ らの

32

を さ らに三

大 人

観 ず

るべ

  

あ る

と説 くか ら

就悉

地 品

D

163b1R204b)

 

2

布 置 す

き も

を説 く

こ と か

ら 「

阿 闍梨 は彼 を

  

ん で

 

大 威 徳 あ る 諸 仏 とせ よ」 と

と ま

で は

32

そ れ らす

  

べ て

方 法

阿 闍 梨

身 体

布 置 す

と を

説 く

の で

る。

   

(「阿 闍

真 実 智品」D

226aXP

285b>

 

3.

ka

は 咽 喉 と知

るべ

に は

じ ま

っ て、

勇 者 は

  

知 者

の よ

」 と

こと

布字

か れ たこ

  

でに (「阿 闍 梨 真 実 智 品」に)

々 の

支 節 を

身体

置 す

べ た。

  

そ れ は

ka 等

支 節 を

か な る 身体

諸 部 位

布 置 す

か を

説 き示

  

し た

の で

32 字

は こ れ ら を

置 さ れ た 三 十

大 人 相

相 応 す

る の

  

布 字品」

D

227b

P

288a

例 文

で は

ka

32

諸 部 位

に 配 して、

が 仏

の 三

変 容 し

てい

く布 字 観 が 説 か れ

てい る。

32

つ な が

とい

恣意

解釈

し ているの では

な く

前 半 部

具 縁 品」

「成 就 悉

地 品 」

ら中 盤

字 輪 品 」 を

経 て

後 半

闇 梨 真 実 智 品 」

布 字 品 」

百 字

就 持 誦 品」 ま

ダ グ

ヒヤ の

してい る と

てよい。 つね に

諸 章

に わ たっ

子 音 を

32

字 と し

数 え

る の

い てい る か らで

。 こ こに

は文 字

相 と身体

相 と仏

の 三

者 を

対 応

さ せ る

観 念

いている

 

こ の

布 字

阿 閣 梨

摩 地 」

弟 子 を

マ ンダ ラ に

入 し て 灌 頂 を

授 け

阿 闍 梨 が 修 す

るべ

瞑想法

で あ る 。 マ ン ダ ラ

を前 に し

阿 闍 梨

を仏

じて金

剛 薩 堙

と して の

弟 子

対 面 す

る。 阿

闇 梨

に 文 字

を身 体

布 置 した だ け

で は

仏 身 と

は な ら

菩 提 心

堅 固

文 字

バの

実 智 を 修 習 す

る よ

努 め な く

は な らな

阿 閣 梨

100

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