• 検索結果がありません。

教会活動に対する青年の動機づけ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "教会活動に対する青年の動機づけ"

Copied!
35
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)
(2)

教会活動に対する青年の動機づけ

一一 日本 聖公会 11教区の青 年活動一一

19051063

指 導 教員

荻野  直人 立木  茂雄

(3)

教会活動 の社会学

一一 日本聖公会11教区の青年活動一一

目次

1.序論 … …… …… … ………… … ……… … ……… … … ……… …… ………… ………… 1

2.日本 聖公 会 …… ……… … ……… … ………… … ……… …… ………… ………… 2

2‑1 沿革 と組 織 … ……… … ………… … … ……… ………… … ……… …………・2

2‑2 教 区 ………… … ……… … ……… … … ……… …… …… …… … ……… …………°3

各教 区の青年 活動 ………… … ……… … ……… …… ……… …… ………… ………… 9

3‑1 日本 聖公 会全 国青年 ネ ッ トワー クニ ュー ス ・… … … …………… … ……… … ……010

3‑2 活 動 内容 の分類 ………… ……… … … ……… … ……… …… … ……… ………… 11

3‑3 社 会 的行為 と して の諸活 動 ・……… … … ……… … ………… …… ………… ………016

3‑4 11教区の比 較 … ………… ……… … … ……… … ……… …… … ……… ………… 20

青年 活 動 が引 き起 こされ る要 因 ………… … ……… … … …………… … ……… … ……027

4‑1 客 体 か ら付 与 され る 目標 ……… … ………… … ………… ……… ………… 27

4‑2 集 団 の膨 張 に ともな う表 出的行為 の増加 ・…… … … …………… … ……… ………028

結論 … ……… ………… ……… … ……… … … ……… …… … ……… … ……・29

(4)

1.序

「日本人は無宗教である」。このよ うな認識 をもつている人は、決して少 な くないだろ う。

む しろ、多 くの人が 「日本人は無宗教で ある」 と認識してい るのではないだ ろ うか。無宗 教 とは、信仰す る宗教 をもつてない とい うことである。

しか し、宗教統 計調査 (文化庁 2007)に よる と、宗教 団体お よび宗教法人 にお ける信 者総数 は 208,845,429人 である。1これは、2005年時点の 日本の総人 口 127,767,994人(国 勢調査 2005)の 2倍に迫 る数字 で ある。宗教統計調査 は、宗教 団体お よび宗教法人の文 化庁への 自発 的な報告 とい う方法で行われているので、 日本の総人 口よ りも信者数 が多い とい う統計デー タが生まれてい る。神社神道系は地域住民 を氏子 (つま り信者)と して数

える場合 があ り、仏教系では檀家 を全て信者 として数 えてい るので、統計上の信者数 と実 際に信仰 をもつてい る人数 と重 な らない部分 がかな りある。 また、団体によつて信者 とい う立場 の捉 え方 も異な る場合 もあれ ば、信仰 に対す る認識 も個人 によつて多種多様 である。

そのため、社会の 中で 「何 らかの宗教を信 じている人」の人数 を把握す ることは極 めて困 難 である。

一方で、宗教は社会 に対 して強い影響力 をもつていることも事実である。歴史的にも、

宗教 団体 は医療 0福 祉・ 教育 とい う分野 において、それぞれの宗教的な信仰 を土台 とした 革新的な働 きによつて、社会 を改革す るきつかけになつて きた。その反面、政治や社会状 況 との関わ りの中で、 ときに宗教 は戦争や差別 な どの暴力 に加担 している現実 も存在 して い る。国家による政治的な戦略に、宗教 の教義 0信仰・思想が利用 され、各宗教団体が本 来 め ざしてい る実践か らかけ離れ た行動 となって現われ る とい うことを、私たちの社会 は 経験 して きた。 この よ うに、宗教 と社会 は密接不可分 な関係 にあるとい う認識 に立脚 した うえで、次章か らは筆者 もかかわ りが深 いキ リス ト教 団体 である宗教法人 日本聖公会 (以

下、 日本聖公会)の青年活動 と社会 との相互関係 について考察 を深 めてい く。2筆者が教

会 内で行 われてい る活動 の中か ら青年活動 に焦点を当てた理 由は、先行研究が乏 しかつた ことと、近年減少傾 向にある青年信徒 と教会 の関係 を考 えてい く うえで、本研究が有益 な 材料 とな り得 るとい う思いか らである。

日本聖公会では、各教 区、各教会 、 ときには全国規模 で多方面にわた る青年活動が行 わ れてい る。筆者 自身、 日本聖公会 で青年 活動 にかかわつてお り、活動の内容 が教 区によつ て異なっているこ とに気づか され る経験 を してきた。本論文では、教 区によつて青年活動

(5)

の内容が異なる要因を、社会学的な視点か ら問いかける。私たちは、特定の宗教 に対す る 信仰 を土台 としてい る集 団が行 う諸活動 は、その信仰や宗教的な思想 の実践が個人や集 団 の動機 となって行 われてい ると考 えがちである。 もちろん、信仰 の実践に対す る思いが活 動の動機 の一部分 を担 つている場合 は多い に考え られ る。 しか し、果た してその信仰 に基 づ く動機 のみ に依拠 してい るとい えるだ ろ うか。宗教 団体内での活動 に対す る個人、集 団 の動機 を宗教 に対す る信仰 のみ に求 める とい うこ とは、宗教団体や宗教法人が社会的な存 在で ある とい う事実を見逃す ことになる。個人は社会的なるもので あ り、常に他者 との相 互作用 を行 つてい るし、集 団は取 り巻 く環境 との相互作用を絶 え間な く続 けている。 この 原則 は、 どの よ うな集 団に も当てはまるわけであ り、宗教的な集 団 も例外 ではない。 しか しなが ら、我 々は宗教 とい う枠組みか らで しか宗教的な集 団を捉えよ うとは していない。

本論文では、青年 たちがキ リス ト教団体 とい う組織の もとで取 り組 んできた活動のひ とつ ひ とつが社会的行為である ことを見つめ直 したい。

まず は次章で 日本聖公会 とい う組織 と、構成す る教 区の姿 を紹介した うえで、3章以降 は、各教 区にお ける青年活動の内容 について、パー ソンズが理論 として体系化 した (道 的行為)と (表出的行為)(Parsons&Shils 1951)と い う社会的行為 の枠組み を用いて、

日本聖公会 にお ける各教 区の青年活動の実相 に迫 る。

2.日本 聖 公 会

2‑1 沿革 と組織

まず 、本研究の調査対象 として選んだ宗教法人 日本聖公会 (以下、 日本聖公会)につい

て、その沿革 と現在 の組織形態 について説 明す る必要があるだろ う。

聖公会 (Anglican Communion)と は、16世紀 に成立 したイ ングラン ド国教会か ら生ま れた キ リス ト教会 である。 その後 のアングロ・ サ クソン民族の興隆 とともに、米国、カナ ダ、豪州 、イ ン ド、南米、アフ リカ、中国、その他 の国々に広が り、2009年時点では 44 の管 区 (管轄地域)によつて構成 され、160ヶ 国 を超 える国で約 8000万人の信徒 を抱 え てい る。3(Anglican Communion Offlcial Website)ロ ーマ教皇の教権 と統治 に逆 らつた 点で はプ ロテス タン トであ るが、教義はカ トリックと共通 した点が多 く、カ トリックとカ プ ロテス タン トの 中間的立場 を とつてい る。

日本 においては、1968年の米国聖公会宣教委員会 による宣教師の派遣 をは じめに、1873

(6)

年 には英 国聖公会福音宣布協会か らは2人、以後カナ ダ聖公会か らも宣教師が派遣 され る こととな り、1887年に聖職 と信徒 によつて第 1回総会が開かれ、 日本聖公会が組織 され ることとなつた。(キ リス ト教年鑑 2009)現在 は、全 国 11教区か ら成 り、 日本管 区 とし Anglican Communionの うちの一管 区 としての役害1を担 つてい る。全国に、312の 会 0伝 道所があ り、272人の教師 と 54,878人 の信徒が所属 してい る。4(キ リス ト教年鑑 2009)

概括的ではあるが、以上が 日本聖公会 の組織形態と位置づけである。次の項では、 日本 聖公会 を構成す る 11教区の地理 的な構成や教会数、信徒人 口、教 師の人数 な どの分布 に

目をむ けてい く。

2‑2 教 区

(1)  管轄す る地域

各教 区には、それ ぞれ最高責任者 のよ うな役害Jと権限をもつてい る主教がひ とりずつ配 され てお り、最 も中心的な役害Jを果たす 主教座聖堂が ある。 日本聖公会 を構成す る 11教

区 と主教座聖堂 の所在地は表 1のとお りであ る。教区の区画 は、都 道府県をひ とつのま と ま りとしてその集合体 で構成 され ているが、大阪府の一部 を含む京都教区、兵庫県の一部 を含む大阪教 区のよ うな例外ケース も見 られ る。各教 区 とも、地域 内で産業的 にもつ とも 発展 している都 市部 に主教座聖堂が配置 され てい るのは、交通アクセスのよさや、人 口の 集 中 とい う点か ら理解 で きる。

111教

教 区 北海達 東 北

含まれる都道府 県

      

王 引

L

福 島県

L幌 キ リス ト教金

仙台基督教会     仙台市青葉区

北 関東 東 京 横 浜 中部

市 京 都 /ン

ブ レ 王 裂 肥 壁 里    冴 切 望 壁

神奈り│1県、千葉県、静岡県、

山梨県 横浜聖アンデ レ教会   横浜市神奈川区

1  石苦雇璽マタ7教   名古屋市昭和区 京都

大 阪

ξ奈

和 歌 山県 、大阪府 (一)̲̲̲ 聖アグネス教会

     京都市上京区

川 口基督教 会      人阪■型 神 戸

兵庫県、岡山県、広島県、鳥取県、

島根県、山口県、愛媛県、徳島県、

高知県、香川県

神戸聖 ミカエル教会    神戸市中央区

九 州 石両東丁彊賓票T長崎県、宮崎県、

鹿児島県、大分県 沖縄県

福岡聖パ ウロ教会    福岡市中央区

(7)

10県にまたがつて管轄 されてい る神戸教 区か ら、地理 的要因や人 目的要 因に よつて 1 都道県 に よつて成立 してい る北海道教 区、東京教 区、沖縄 教 区までが存立 してい る。 この 事実は、教 区を運営す る うえでの社会的な状況が教区に よつて多様 で あることを示 して る。教 区 ごとの広 さを視覚的に表現 した ものが図1であ るが、教 区 ご とで管轄す る地域 の 面積 に広狭かな りの幅があることがわか る。

教 区の面積 の広狭 は、教 区活動 に どの よ うな影響を及 ぼすだ ろ うか。教 区全体 としての 活動 を考 えた場合、面積 が広いこ とに よる不利益 として一つ 目にあげ られ るのは、「集ま り

に くさ」で ある。筆者 は、 日本聖公会の信徒であ り、大阪教区に所属 してい るのだが、「大 阪教 区は集 ま りたい時 にす ぐに集 まることができていいね」 とい う言葉 を京都教 区に所属 す る青年 たちか ら何度 も言 われた経験が ある。主教が教 区を運営す る うえでは、 どの よ う な影響 が考 え られ るだ ろ うか。教 区がい くつ もの県をまたが り、各教会がそれぞれ離れた 場所 にあるとい うことは、教 区の 中心で ある都市部か ら遠く地理的 に末端 に位置 してい る 教会 には 中央か らの権 限は弱まる。そのた めに、主教 は教 区をある一貫 した方 向性 をもつ て運営 してい こ うとすれ ば、統制 を とることに苦心す る。

では、教 区が広い ことによつて得 ることができる利益 はなにか。 中央か らの統制が強 く 効 きに くい とい うことは、教会運 営や活動 は、各教会 に勤務する教師 をは じめ とす る信徒 の 自治運営に委ね られ る部分が増加す る。 この 自治運営 によつては、同 じ教 区内の他教会 にはみ られない よ うな独 自の活動 が展開 され る可能 性が生 まれる。 さらに、独 自の活動 は 教会 と信徒 自身 のエ ンパ ワメン トの強化 につなが り、教会の発展 にもつなが る。

面積 の小 さい教 区に関 しては、以上で述べた こととは逆の影響を享受す ることとなる。

教 区 として統制 の とれた運営がお こなわれてい るが、各教会に個性 がな く、運営は教 区の 中央 に委任 して しま うか も しれない。反面、物理的な近 さは教会 どうしでの綿密 な連携 を 生みやす い環境 ともい える。教区の活動 内容 と、教 区に与 え られた地理的環境 は相互に関 係 しあつてお り、教 区の特色や雰 囲気 を形成す る過程 で、見逃すことのできない構成要素

のひ とつ である。

(8)

1 11教区の地理的分布 (筆者作成)

(2)  信徒、教会、教師

次 に、各教 区の信徒 、教会 、教師の数 に注 目して、特徴を探 ってゆ く。信徒 は、各教会、

教 区の活動の主な実施 主体であ り、活動す るた めの資金 を献金 とい う形で集 めてい る。教 会 においては、 もつ とも中心的な構成要素 とい える。教会、教 区の運営は主 に信徒 の献金 によつてな され ているため、信徒 の人数 は教 区の財政 に直接 的な影響 を及 ぼす。教会 と教 師は、教 区内の各教会 の運営方法 を左右す る要素である。日本聖公会 の全教会 は、 日曜 日 の午前に礼拝 をす るた め、ひ とつの教会 0伝道所 には原則 として最低で1人の司祭 が勤務

していなけれ ばな らない。5そのため、教 区の運営は教会数 と教師の人数 とい う基本的条 件 の うえに成 り立ってい る。その条件 に よつては、可能な活動 と制限 され る活動が生 まれ て くる。いわば信徒、教会 、教師は教 区内の青年活動 を実施してい く うえでの基本的な資

(9)

源 ともい える。以下、図2、

に した もので ある。なお、

人数 で グラフを作成 した。

3、 はそれぞれ各教 区の信徒数 、教会数 、教師の人数 をグラフ 教師の人数 については司祭 と、司祭職の前段階で もある執事の

6

12000

10000

 8000

6000

Ш

0 0 0

北海道 東北 北関東 東京 横浜

教 区別信徒数 (「キ リ

中部 京都 大阪 神戸

ス ト教年鑑 2009」

九州 沖縄

り筆者 作成)

□教会

□司祭0執

北海道 東北 Jヒ関東 東京 横浜 中部 京都 大阪 神戸 九州 沖縄

教 区ごとの教会数 と司祭 0執事の人数

(「キ リス ト教年鑑2009」 よ り筆者作成)

まず、教 区の信徒数 を比較 した図2からは、最小の沖縄教 区 (1,413人)から最多の東

京教 区 (14,605人 )まで、教 区によつてかな りの差があることが分か る。

教会数 は どうだ ろ うか。信徒数 が多い教 区には多 くの教会が建て られてい るとい うわけ 5 0

4 5

︿ 数 3 5

司 3 0

2 0

︶ 1 5 

︲ 0

教区別 信徒数

教 区別 教会 、司祭・執事の数

(10)

ではない よ うだ。京都 教 区は、信徒数規模 が ほぼ同じ大阪教 区に比べて 16教会多 く存在 し、その数字 は全 11教区で最 も多い。 この理 由の一つは、教区の管轄地域が広範 囲に及 ぶか らと考 え られ るが、それだ けですべての説明がつ くわけではない。一方で、同様 に管 轄地域が広い東北、 中部 、神戸教 区は京者5教区ほ ど教会 の数 が多 くない。東京 、横浜教 区 が信徒数 と同 じよ うに京都 を除 く他教 区よ りも多くの教会が ある とい うことは、信徒か ら の教会 に対す るニーズが他教区 よ りも大 きい ことか らも納得がい く。 また、一定の信徒数 がいなければ献金収入 がないた めに教会 の運営は困難になる。京都教 区のみが、その他 の 教 区に見 られ る、地域 面積 が広い教 区も しくは信徒数が多い教区は教会 の数が多い とい う 法則 があてはま らない。おそ らく、聖公会が 日本 に宣教され る段階での時代的背景や 、 日 本聖公会が今 日の よ うな組織 として成立 してい く歴史的な過程 も大 きな影響 を及ば してい

る と推察 され るが、その検証 は本論文では扱 わないので他 の聖公会歴史研究に委ね ること とす る。

信徒 の人数 と教会数 か ら、11教区の大まかな規模 はつかめたので、次 に教 区に属す る各 教会 に焦点を当て る。 図4、 5は、それぞれ 1教会 あた りの信徒 と司祭 e執 事の人数 を表

してい る。

1教会あたりの信徒数

400 350 300

250

200

150

東北 北関東 東京  横浜  中部  京都  大阪  神戸  九州

4 1教会 あた りの信徒数

(「キ リス ト教年鑑2009」 よ り筆者作成)

沖縄 日本聖公会

(11)

1教会あたりの司祭または執事の人数

0,8

0.6

0.4

0.2

0.0

北海道 東北 北関東 東京  横浜  中部  京都  大阪  神戸  九州 5 1教会あた りの司祭または執事の人数

(「キ リス ト教年鑑2009」 より筆者作成)

沖縄 日本聖公会 全体

信徒数 が多い教会 の礼拝 は、それだけ多 くの信徒が集ま るので、 日曜 日は賑や かな教会 になる。教会 の中で独 自に青年会 が結成 された り、信徒が教会で グループをつ くつてボラ ンテ イア活動 をす るな ど、様々な活動が展開 され ている場合 も多い。信徒数 は、教会 の全 体的な規模の大 き さを示す指標 にな る。 とりわけ、財政的な規模 は信徒数 に よつて大 きな 影響 を受 ける。先 にも記述 した よ うに、教会 の収入の多 くは信徒 の献金か ら成 ってお り、

その収入 で教会 と、教会 をま とめている教 区を運営 してい る。教師の給与 も、 この内か ら 充て られ る。

4は、各教 区の信徒数 を教会数 で害1った数字 を比較 した グラフである。 この グラフか らは、数字 そのまま とい うわけにはいかないが、各教 区の財政状況が うかが える。ここで、

教 区の財 政状況 を把握 してお く理 由は、3章で詳述す るよ うに各教 区では様 々な青年活動 が行 われ てお り、その中にはキヤンプや遠方での宿泊 を ともな う研修機 関紙 の発行 な ど、

財政面 も含む教 区か らの支援がな ければ実施す ることがで きない活動 も含 まれ、青年活動 に対す る教 区の関わ り方 と財政状況 に何 らかの関係性 が あると推察で きるか らである。 グ ラフが示す とお り、各教 区の教会 の規模 にもば らつ きが見 られ、11教区を3つの グループ に分 けることができる。第1グルー プは、日本聖公会全体での平均値 175。9を超 える東京 、 横浜 、大 阪。第2グループは、130か175。9までの北関東 、中部 、京者5、 神戸。第3グ ループは、130以下の北海道 、東北、九州、沖縄 である。(表 2)

(12)

よる のグループ

91繊 全 信 絆 平 均 人 数 に 3つ

175.9人 〜130人 E蘭:市:神l京

130人以下

! ス トみ出日監ZUUV」よ り革 殉 η F

5は 1教会 あた りの司祭 または執事の平均人数で あるが、 日本聖公会全体で0。73人 とぃ うことか ら、全体的 に聖職者 が不足 してい ることがわか る。唯一、東京教 区だ けが 1 教会 あた り1人とい う状態 を保 つてい る。司祭 の多 くは、 日本聖公会の信徒か ら日本聖公 会が運営す る神学校・神学院に進学す るこ とを踏 まえれ ば、1教会 あた りの信徒数 が図抜 けて多い東京教 区では多 くの司祭 が生まれ るのは不思議な ことではない。7注目すべ きは、

0.6人 を下回 る北海道 、東北、北関東 とい つた北部 に位置す る教区である。イ ギ リス、ア メ リカ、カナ ダの各聖公会 の 日本 における初期の伝道 が西日本 を中心 に展開 された とい う 歴史 との関係 の深 さについて も推測 され る ところである。81教会 に1人の司祭が常勤で 勤務 していない とい う状況は、複数 の教会 を掛 け持 ちしてい る司祭 がいる とい うこ とであ る。教会や教 区の信徒数や、教会外 での勤務 も考慮 しなければな らないが、 この教 区にお ける司祭 の不足度 は、司祭 の忙 しさの度合い を表すひ とつ の要素 になることは疑いのない

ところである。

本章では、日本聖公会 の組織像 と、11教区の状況 について述べて きた。次章で記述す る、

各教 区での様 々な青年活動 はその状況が土台 となつて行 われてい るわけである。ただ し、

青年活動 の前提 として存在 してい る とい う意 味のみでな く、長 きに渡 る青年活動 によつて 教 区の状況が変化 して きた とい うこ とも事実である。青年の活動 と、教区全体の活動や取 り巻 く環境、教 区をま とめる 日本聖公会 の活動や状況 は互い に作用 しあいなが ら、変化 し 続 けてい るのである。さらに、次章で紹介す る青年活動の内容は、1992年 10月 か ら 2009 年 5月 までに掲載 された記事 をもと作成 した情報であるため、青年活動 と教 区 とい う環境 の間にある時間軸の うえに存在す る相互作用 を猶の事意識 しなければな らない。

各教 区の青 年活動

本章では、11教区で行われている青年活動について 日本聖公会が運営する日本聖公会全 国青年ネ ッ トワーク事務局 (愛知県名古屋市)が発行す る機関紙『 日本聖公会全国青年ネ ッ トワークニユース』の創刊準備号 (1992)から第32号 (2009)に 掲載 された記事か ら、

(13)

活動 内容 の分類 を行い、比較す ることで各教区の特徴 を詳述す る。

3‐日本聖公会全国青年ネッ トワ ニユ

『 日本聖公会全 国青年 ネ ッ トワ ニユ (以下、ネ ッ トワ ニ ユ ス )は、1994

年 2月 に創刊 された 日本聖公会 の機 関紙であ り、日本聖公会 の全教会 、信徒に対 して青年 活動 に関す る情報 を提供してい る。9第 1号の冒頭記事 には この よ うな言葉 が記 されてい

る。

お待たせ しま した。 ここにネ ッ トワ ニ ユ を創刊いた します。 あの熱い青年 大会か ら1年 6ヶ月。天城 山荘 に集 まつた者 同士の絆 をなん とか大切に したいo〔 略〕 もつ ともつ とお互いの絆 を深 めるた めに、そ して活発 なネ ッ トワ にす るた め に このネ ッ トワー クニ ユ を伝言板 の よ うに使 って くだ さい。み な さんの声がネ ッ

トヮー クの記事です。(事務 局)

「熱い青年大会」 とは、1992年 8月 28日 か ら 31日 に伊豆・天城 山荘で開かれた「第

1回全 国青年大会」の ことで ある。日本聖公会 の全国の青年 が一 同に介 し、学習 と交流の プ ログラムを行 うとい つた内容で、第1回以降、4年1度開催 されてい る。ネ ッ トワー クニ ュースはヽ この第 1回大会 の実行委員会 の働 きによ り創刊 され るこ ととなつた。 縮J 刊準備 号 1992)創刊 当初 は、発行元である 日本聖公会全 国青年 ネ ッ トワー ク事務 局は京 都教 区内の教会 に置かれていたが、第8号 (1997。6)以降か ら、中部教 区が運営する名古 屋学生青年セ ンター に場所 を移した。それ までは、青年 がボ ランタ リーで編集していたが、

その作業 を名古屋学生青年セ ンター の職員が担 当す るよ うになつたた め、年 に 2、 3回 定期 に発行 されていた状況が、事務局の移動以降、5月 と11月 の年2回に安定 して発行 さ れ るよ うになつた。

ネ ッ トワー クニ ユ が果たす役割 は、全 国の教 区で実施 されてい る青年 に関す る情 の交換で ある。事務局は、全教 区か ら記事 を集 めて、それ らをひとつの新間にま とめる。

記事 は、青年活動 の内容報告や 、他教区に対す る呼びか けが主な内容 となつている。分量 は、号 に よ り多少 のば らつ きはあるが、概ね 5、 6ペー ジである。各教区には、青年担 当 司祭 が配置 されてお り、事務局は担 当司祭 と連絡 を取 り合い、情報 を収集 している。ネ ッ トワー クニユ には、全教 区の青年活動 内容のみが並列 して掲載 されてい るので、11教

10

(14)

区を比較す る うえで、有効 な資料 とい える。本調査 は、 このネ ッ トワ ニ ユ の記事

をも とに内容分析 を行つた。

全 国青年 ネ ッ トワー クニ ユ 31号 (2008,11)

3‐活動内容の分類

ネ ッ トワー クニ ユ の記事 に書かれて ある内容 を分類した結果、「交流会」「信仰 のつ どぃ」「学習会」「キヤンプ」「娯楽」「平和学習」「ボランテ イア活動」「他教区合同プ ログ ラム」「広報誌・ 青年委員会 0青年プ ロジエク ト」「エキユメニカル」「聖書学習」「海外交 流」「定期的な会議 」「青年活動への評価」とい う14のカテ ゴ リー に集約 された。まずは、

各カテ ゴ リーの具体的な内容を記述す る。次節では、 ンズの社会的行為 に関す る理 論 の枠組みを用い、それぞれの活動が どの よ うな動機や 日標によつてな された行為 なのか

とぃ ぅこ とに着 目しなが ら、諸活動 の性 質 に言及す る。

(1)  交流会

交流会 は、教 区内の青年 同士が交流す る活動 である。

教 区は、広範囲に教会が分布してい るとい う面か らも、

す る とい つことは、そ ぅ簡単な ことではない。教 区内に多くの青年 がいれば、教 区を地 区 ご とに分 けて交流会 を開 くことがで きるだ ろ うが、少人数 しかいなければそれ も困難 にな 東京 、大阪、沖縄教 区を除いた 8 教 区に広が る青年が集 ま り交流 を

(15)

る。単独のプログラム として行われるこ グラムと複合 して開かれ ることが多い。

れていた0

ともあるが、多 くの場合は他 の要素 を含 んだプ ロ 29号 (2007,11)に は この よ うな記事が掲載 さ

神戸教 区 青年 交流会 広 島キヤンプ報告 ONE STEP FORWA̲RD"

10月 12日 〜14日 に広島で行 われた青年 交流会 に参加 してきま した。私はお隣の島 根 県に住 んでい るのでたまに友達 と遊び に行 つた り、小学生の時 も修学旅行が広島だ った り、私 に とつては とつて も身近で よく知 つてい る県で した0〔中略〕「広島に来て 原爆 について感 じたコ トを人に伝 えるコ ト、伝 えな くてはいけない コ ト」0私はまず も

っ と広 島の原爆 について知 り、考え、それ を人に伝 えて行こ うと思いま した。

この記事 に書かれた神戸教 区の活動 は、広島で原爆や平和 について学び、交流 を深 める とぃ う内容である。 この よ うに、交流会 の手段 として平和学習を企画す る場合 もあれ ば、

他 の 目的や 目標 のために交流会を開催す ることもある。

(2)信仰のつ どい

黙想会や 、修養会 とい つたプ ログラムが この活動 にあた る。同 じキ リス ト教 の信仰 をも つ青年 が集 まつて祈 ることで、個々人が精神的な安 らぎを得 ることが 目的であると考 え ら れ る。集 団 となつて祈 りの ときをもつ ことに よつて、仲 間同士の連帯 も深 まるのか も しれ

ない。宗教的な集 団特有 の活動とい える。

(3)  学習会

教 区、教会またはそれ らを横断した グループが取 り組 んでい る社会 問題 に関連す るテー マ についての学習会である。内容 は、歴史教科書 の改訂 問題 の ような教育に関す るものや 、 在 日韓 国・朝鮮 人、在 日外国人、セ クシヤルマイ ノリテ イヘの差別 といつた問題が含 まれ てい る。 なお、戦争や平和 に関する学習会 は、 これ らとは多少異なつた位置づ けで行 われ てい る傾 向が各教 区 ともあるため、独 立 したカテ ゴリー として設 けてい る。(項 (6)を 参照)学習会 は、キ リス ト教会が もつ 中心的な役害Jである礼拝機能 とい う以外 に、キ リス

ト教精神 に基づいて社会 に働 きか けを行 うとい う役割 を担 ううえで、その最初 の段階の活 動で ある。学習会 の内容 によつて、各教 区が興味 。関心をもつて取 り組んでいる社会問題 が明 らかになる。その際 に、各教 区。教会がある地域 に存在す る背景によつて取 り組む社 会 問題 の内容が規定 されてい る とい う、教 区0教 会 と地域社会 との関連J性にも 目を向けな

12

(16)

けれ ばな らない。積極的 に取 り組む教区が、他教 区 よ りも社会問題に対 して熱心で ある は、必ず しも語 ることはできない。

(4)  キヤンプ

キ リス ト教会では、子 どもを対象 とした キヤンプが盛 んに行 われてきたとい う歴史が あ る。 日本全国で多 くのキヤンプ場 を運営 してい る財団法人 YMCA同盟 も、キ リス ト教精 神 を基盤 として設 立 された組織で ある。 キ リス ト教会でキヤンプが行われるのには、全て の教区・教会 に共通す るものではお よそ二つ の理 由が考え られ る。まず、教育的な 目的の も とに行 われ る場合で ある。子 どもを対象 とした キヤンプ には必ず といつていいほ どヽ こ の要素があるだ ろ う。ただ し、他の宗教が関連 しない団体のキヤンプ と異なるのは、教育 の中に幾分かキ リス ト教 を土台とした宗教教育 とい う意 味合い を含 んでい る点である。2 つ 目は、子 ども世代 に 自分たちの信仰 を伝 える とい う理 由である。それぞれの度合いは、

教会や教 区の主催者 のキヤンプにおいて重点 を どこにお くのか とい つた ことに よつて、差 異が生 じるところではあるが、 この どち らかの要素がまつた く存在 しない キヤンプはお らくないだ ろ う。そのキヤンプが、 どの年齢層の子 どもを対象とした ものかに よつて も 目 標や 目的が変 わつて くる。

また、子 どもを対象 とした ものではな く、参カロ者 が青年 のみ キヤンプ もわずかに行 われ てい る。 このキヤンプは、 自分たちの信仰 を深 めるた めや 、仲間との交流 をもつた めに行 われ る場合や 、娯楽 目的で行われる場合 が考 え られ るが、教 区内で実施 され るキヤンプで 娯楽 目的のみで開かれ るものは存在 しない といつていいだ ろ う。娯楽 目的 とい うのは個人 単位 の 目的 としては十分 にあり得 るだ ろ うが、集 団 としての統一 した 目的にはな り得 ない。

(5)  娯楽

スポー ツ大会や 、 ゴスペル を歌 うといつた よ うな楽 しむ こと自体が 目的の大部分 を 占め てい る活動である。一方、娯楽 を通して教 区や他教区の青年 と交流を深 める といつた狙い があって開かれ ることもある。

(6)  平和学習

主 に、広 島、長崎、沖縄への宿泊 を伴 う研修プログラムが各教区で行 われてい る。宿泊 を伴 わず に、講師 を呼んで行われる場合や 、青年 のみで沖縄の米軍基地問題や憲法九条 に 関す る問題 な どについて学習会が開かれ るこ ともある。 とりわけ、戦争 によつて甚大な被 害 を受 けた地域 を含 んでい る教 区では、平和な社会 を作 り上げるた めの活動 を教区・ 教会 の使命 的役害1と捉 えてい る とい うこともあ り、積極的 に行 われてい る。 とくに、沖縄 (沖

13

(17)

縄教 区)、 長崎 (九州教 区)、 広島 (神戸教区)で活発 に行 われてい る。

(7)  ボ ランテ イア活動

ボ ランテ イア とは、 さま ざまな福祉活動 に無報酬で 自主的 自発的に参加する人の こ とを 指す。(社会学事典 1994)日 本聖公会 には関連す る特別養護老人ホー ムや児童擁護施設 な どの社会福祉施設 があ り、それ らの施設がボ ランテ イア活動 の場 となつてい ることが多い。

宿泊 を伴 う研修 の中にボ ランテ イア活動がプログラム として組み込まれてい る場合 もある。

(8)  他教 区合同 プ ログラ

複数 の教 区によつて行 われる活動で ある。その形態 には、い くつかのパ タ がある。

一つ 目は、中心 となつて企画す る教区 と部分的に協力 をす る教 (場所 の提供 な ど)と

分かれ る場合。二つ 目は、ひ とつ の教区が全て企画 し他の教 区に対 して参加 を呼びかけ 場合。三つ 目は、複数 の教 区の青年が集 まつて、すべての計画を行 う場合である。最 も多

いのは 目のケースで あ り、三つ 目に関 してはほ とん ど見 られなかつた。

(9)  広報紙 口青年委 員会・青年 プロジエク ト

この活動 は、教 区内での青年活動 に関す る情報 を主 とした広報紙 。機 関紙の発行、教区 独 自に設 け られた青年委員会 に関連す る活動 、青年 と教 区が連携し合 って行 われ る中長期 的活動 で ある青年 プ ロジエク トの ことを指す。 これ らの活動に共通す る点は、教 区か ら 財政面でのバ ックア ツプが必要で ある とい うことである。広報紙の発行 には教 区のい くら

かの財政負担 を必要 とす る し、青年委員会や 、青年プ ロジエク トの計画が教 区 としての正 式な活動 として扱 われ るのであれば、それ らの用途専用の予算 を設ける必要 も発生す る。

予算 の計上には、教 区の予算委員会で決議 されなけれ ばな らない。青年活動 に対す る各教 区の姿勢 とともに、各教 区の財政状況 とも関連 した内容であると考 え られ る。

(10)  エキ ユメニカル

ェ キュメニカル な運動 とはエキユメニズム (ecumenism)に基づ く運動であ り直接 的に は教会一致促進運動 の こ とをさす。本論文 においては、他宗派や他教派 との協力 した活動 を示す。エキユメニカル な活動の活発 さは、各教区の活動方針 を示す指標 ともな りうるだ ろ う。 また、一方で、エ キユメニカルな活動 をす ることによる意味 を何 に見 出 してい るの か とぃ った点 にも注 目しなけれ ばな らない。各教 区に よつて、該 当す る地域 内での他宗派 の教勢や活動 は様 々で あ り、 日本聖公会 の教 区活動 もそれ らの他宗派の影響 を受 ける可能 性 は十分 にある。エキユメニカル な活動 といつて も、他宗派か らの積極的な呼びかけによ

ってなのか、 日本聖公会か らの呼びかけによつて成 されてい るのかとい う点 に よつて も、

14

(18)

その意味合いが異なつて くるだ ろ う。

(11)  聖書学習

キ リス ト教の信徒 に とつて、聖典で ある聖書 について学習す ることは、いわば信仰 の原 点 に返 ることで もある。聖書に対す る理解 を深め、 自分 自身 と教会やキ リス ト教 との関係 を見つ めなお したい とい う思いか ら行われ ることが多いだ ろ う。 とりわけ、近年では 日本 聖公会 にかぎ らず 日本のキ リス ト教 団体では、青年 の教会離れ とい う問題が浮上 してい る。

(キ リス ト新聞社か ら「次世代の教会をゲンキにす る応援マ ガジン」 とい うキヤツチ ヤ ピーで発行 されてい る季刊雑誌『MiniStry』 2009年夏号 には「青年 をどうす る?」 い う特集 が組 まれてい る。)その中で も教会 と関つてい る青年たちか ら生まれ る、聖書 に

ち返 ろ うとい う思いが動機 となつて企画 されてい るのか もしれない。

(12)海外交流

日本聖公会は、世界 の連合組織で もあるAnglican Communion(聖 公会)のひ とつの管

区を成 してい る とい うこ ともあ り(組織概要 については2‐1を参照)、 日本以外 の管 区や教 区 とのつなが りか ら、海外の交流が行われている。 とくに、各教 区には外国の教区 と姉妹 教 区関係 を結 んでい る場合 もあ り、交換留学が行 われてい る教区もある。海外交流は、お もに姉妹教 区 との ものが多い。海外交流が行われてい る意味については、各教 区に与 え ら れた特有 の地域的課題 に取 り組む うえで、海外の教区 との連携の必要性 を感 じたか らだ と 推 察 され る。例 えば、中部教 区の名古屋学生青年セ ンターでは、「就学の機会が奪われてい る在 日フイ リピン人の子 どものた めの学校」である「国際子 ども学校」が運営 されてお り、

フィ リピン北 中央教区 と姉妹教 区関係を結 んでい る。 この提携は、名古屋で生活 してい る 多 くの在 日フイ リピン人女性の子 どもの教育問題 とい う地域的課題 に対応す るための もの である。海外交流 は、青年個人の意志 とい うよりも、教 区 として計画 してい る活動 の枠組 みの中で行われてい る。

(13)  会議・ 準備会

青年 が実施す るプ ログラムの会議や、実施が決まつてい るプ ログラムの準備会 の ことで、

目的が明確 になつてい る とい う点が この活動 の特徴で ある。会議や準備会 の回数が多いほ ど、企画 されたプ ログラムは充実した内容 となる。また、青年 自身による会議や準備会 の 実施 は、その教 区でそれだ け青年が主体 となつて青年活動 を行つてい るとい うことを示 し てい る。

15

(19)

(14)青年活動への評1面

ネ ッ トワ ニ ユ には、教 区の青年活動が教 区委員会や教区の最高責任者である主 教か ら一定の評価 を得た とい う内容 の記事がい くつか掲載 されていた0件数 こそ少ないが、

この記事 をネ ッ トワ ニ ユ に投稿す る意図は、青年活動 は 日本聖公会の○○教 区の 活動で ある とい う認識の明確化 で あ り、他教区へのア ピ 行動で ある。青年 のもつ教 区

への帰属意識 を表 してい る ともい える。

3‐社会 的行為 と しての諸活動

教 区の青年活動 を社会学的に分析 し、比較す るためには、各教区の青年活動ひとつひ と つ を社会的行為 として捉 え直 さなければな らない。本節 では、行為 の構造 と、動機 に よ て分類 され る行為類型 について先行研究 に基づいて言及 した うえで、教区の活動 内容 に いて図表 を用いて説明す る。

(1)  社会的行為の定義

行為 とはなにか。『 行為 の総合理論 をめ ざして』では、行為 とは「規範 に従ったエネルギ ー を消費す ることによつて、状況 内の 目的に達す るよ うに方 向付 け られた もの」 と定義 さ れてい る。(ParsOns&ShilS 1951)行為 とは、社会学の研究対象 を説明す るための説 明 概念で あるのに対 し、社会的行為 とは社会学 の研 究対象で ある。安 田二郎 は、社会的行為 を、「他者 に影響 を及 ば し、かつノあるいは他者 か ら影響 を受 けてい る行為=行 動」、または 簡潔 に「社会的行為 とは他者 を客体 とす る行為」と定義 してい る。この定義 にある「客体」

には、主観的 に規定 した状況の要素のみでな く、客観的な要素 も意味 してい るもの も含 ま れてい る。(安 1980)

また、行為 とは多 くの場合 では何らかの 目標 をもつてい る 目標志 向的行為で ある と考 え られ る。 とりわけ、本論文で取り上げたネ ッ トワー クニ ユ に掲載 されてい る 日本聖公 会 の教 区青年活動 はすべて 目標志 向的行為であるため、本論文での行為 に関す る言及 は 目 標志 向的行為 に限定す る。

(2)  行為の構造

一つの 目標志 向的行為は、その 目標 を達成す るためには手段 を必要とし、その手段 を必 要 とす るためには、さらに1段低い手段 を必要 とす る。(安 1980)この事実は、行為が 目標 と手段 に よる連鎖的な構造か ら成ってい ることを示 してい る。 日標 と手段 の連鎖構造 を図示す る と図7のよ うになる。B、 C、 D、 Eはそれぞれ A、 B、 C、 Dに対 してノ1`さい

16

(20)

行為 (下位行為)である とい える。(安 1980)目 標 の設 定は、1次目標か ら始まつて下

位 に及ぶが、 目標 の達成は下位 目標 か ら順次上位へ さかのばつてい くo 日標 と手 段 の 連鎖 構 造

0・

 

を 會

 [      

      

       出典:安田二郎(1980)

日標 と手段 の連鎖構造

以上が、行為 の もつ 目標 と手段 の連鎖構造 とい う性質で ある。 しか し、実際 に我々がお こなつてい る行為 はこの連鎖構造のみでは説 明がつかない。それは、 1次目標 の達成のた

さらに2次目標 の達成 のために複数3次 めに複数 の2次目標達成が必要 となる場合 、

この ときには、日標が下位 になれ ばなるほ ど、

標達成が必要で ある場合 もあるか らである。

枝分かれ してい く0(図 8)その分枝構造 と上述の連鎖構造 を含む ことに よつて行為 の中 には 目標 と手段 の (重層構造)が存在す るよ うになる。(安 1980)

目標 と手 段 の 分 子 構 造

A

目標 と手段 の分枝構造

行為 の もつ重層的性質 に焦点をあて るこ とに よつて、それぞれの青年活動 とい う行為が 比較的上位 の 目標 のも とにな されているのか、それ とも下位 目標の も とでな されてい るの か とぃ うことに論点を移す ことができる。青年活動 の 目標・ 目的は青年がその活動 に どの

B2〔:::二

︲ 9 8

17

図 1 11教 区の地理的分布 (筆 者作成 ) (2)  信徒、教会、教師 次 に、各教 区の信徒 、教会 、教師の数 に注 目して、特徴 を探 ってゆ く。信徒 は、各教会、 教 区の活動の主な実施 主体であ り、活動す るた め の資金 を献金 とい う形で集 めてい る。教 会 においては、 もつ とも中心的な構成要素 とい える。教会、 教 区の運営は主 に信徒 の献金 によつてな され ているため、信徒 の人数 は教 区の財政 に直接 的 な影響 を及 ぼす。教会 と教 師は、教 区内の各教会

参照

関連したドキュメント

90年代に入ってから,クラブをめぐって新たな動きがみられるようになっている。それは,従来の

  「教育とは,発達しつつある個人のなかに  主観的な文化を展開させようとする文化活動

このような状況のもと、昨年改正された社会福祉法においては、全て

私たちは、行政や企業だけではできない新しい価値観にもとづいた行動や新しい社会的取り

レーネンは続ける。オランダにおける沢山の反対論はその宗教的確信に

○国は、平成28年度から政府全体で進めている働き方改革の動きと相まって、教員の

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き

● 生徒のキリスト教に関する理解の向上を目的とした活動を今年度も引き続き