抄録 西松建設技報VOJlO
流動曲線は安定摘が,非ニュートン性構造相性体であ ることを示している.
Fig.2の流動曲線において,600rmp〜300rmp間の 指度の勾配を示す塑性粘度は,安定摘中のソリッド分の
機棚勺摩擦によって生じる流動抵抗を示すものといわれ
ているが,F癌.2に示すように74J m以上の粒径を有す る粒子の含有率を示す砂分率との相関性は見られない.
液体部の粘性に支配されるためでこの程度の安定確の変
化では,レオロジー自働には大きな差異は見られない.
安定液の品質特性に関する「考察
平岡 博明**
Hiroaki Hiraoka 斉藤 顕次*
Kenjisaito
1.はじめに
泥水工法における泥水の管理技術は,工事の施工性,
経済性,壁体の品質に大きな影響を与える.
本文は地下連続壁工法において,ポリマー系安定液の 使用過程で測定した安定液の管理データをもとに,使用 時の安定液の品質について,管理技術の面から考察を試 みたものである.
2.レオロジー特性
使用したポリマー系安定液は,ベントナイト3%,ポ リマー0.2%の低比重,低粘性の安定液である.
直読式回車封占度計(FanVGMeter,Mode135)に よるレオロジーの測定では,ローター回転数がせん断速 度を,ダイヤルの読み(指度)がせん断力を与えるよう にキャリブレートされている.従って,ローター回転数
と粘度計指度の関係を示すグラフは,流動曲線を示すこ
とになる.
Fig.1は,かなり使用した安定碓(比重1.07〜1.08,
砂分率2.4〜3.5%)の流動曲線の例を示したものであ
る.
3 2 1 0 1 1 1 1
0
0 0 0
⊂)
0
0 O
e D O O O O O O O D8 8 0 00
8 宮
0 0 0 0 3
塑性粘度面 6 ﹁−J 4 3 2 1
0<0.5 0.6 1.0 1.4 1.8 2.2 2.6 3.0 3.4
砂分率(%)
Fig.2 塑性粘度と砂分率の関係
3.品質特性
安定液の品質管理では,比重,フアンネル粘度,i慮過 水量,砂分率が品質評価の主要な試験項目として選ばれ ている.使用過程の安定液について測定したこれらの諸
量の関係をFig.3〜6に示す.
F癌.3の比重と砂分率の関係を見ると,大きく,砂分
率の増加とともに比重が増加する領域とその両側の3つ
の領域に分けられる.図中の黒丸印は濾過水量が20m且 以上 白丸印は15m旦以下を示す.比重が高く,砂分率
が低い妾走液は,液中に細粒分力雪容け込んでいることを
意味し,細粒分の増加は,液中のポリマー量の相対的な 減少を示し,i慮過水量の増加をきたすものと考えられる.
単なる粗粒分の増加は,比重の増加に結びつかなければ,
ポリマー量の減少にはほとんど影響がないと思われる.
Fig.4は,比重とフアンネル粘度比(水のフアンネル 粘度との比)の関係を示したものでFig.3と同様に図中 の黒丸印は濾過水量が20mゼ以上,白丸印は15mゼ以 下を示す.比重の増加にともなう砂分率の大小によって,
粘度比は増加と減少に分離し,濾過水量は増加する.Fig.
5の濾過水量とフアンネル粘度比のグラフにも同様にフ アンネル粘度比の増加と減少の分離現象が見られるもの
215
6 4 2 0 8 仁U 4 2 0 8 6 4 2 2 2 2 1 1 1i l l
粘度計精度
0 40 120 200 280 360 440 520 600 6釦
ローター回転数(rpm)
Fig.1安定液の流勤曲線
奪技術研究部技術研究所副所長
**技術研究部技術研究所
抄録 西松建設技報∨O」.10
O qU 亡U 4 つん 3 2 2 2 2
⁚〃過水量
佃at 20
18 16 14 12 10
8
fi
1.540
1.52r)
1.5r)0
ユ.480
1460 1.44n
1.000 1.020 1.04〔I l.060 1.080 1.100
比 重 Fig.6 比重と炉過水量の関係
ファンネル粘度比 0 2
4 0 8 仁U 4 2 nU 3 2 2 2 2 ∩エ
1.400
】.3錮
136〔)
1.340
1.二i20
1300 1.280
い〃過水量実測値
(mr at14
12 10
8 6
4 2 0
1.000 1.020 1.040 1.060 1.0捌〕 1.川(I 比 重
Fig.4 比重とフアンネル粘度比の関係
l.540
1.52〔)
1500 1.480 1460
O 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 ifi過水量予測値(mゼat3kgf/cm230min)
Fig.7 炉過水量の予測値と実測値の関係
0 0 0 √−U 4 2 nり QU
4 4 4 3
1111
フアンネル粘度比
の,フアンネル粘度比の動きによって音慮過水量を管理す ることは無理である.
Fig.6は,比重とi慮過水量の関係を示したもので,比 重1.05以下で濾過水量15m〟以下 比重1.05以上で濾 過水量20m且以上の2つの領域に分けられる.比重1.05
を境に急激に品質が低下する.これはある比重以下に維
持すれば濾過水量をある限界以下にすることができるこ とを示している.
安定液の管理基準値は,経験的なものから判断して設
1.360 1340 1320 1.300
12800 6 8 10 12 14 16 18 2n 22 24 26 28 3()
fJi過水量(rne at3kgf/cmz,30min)
Fig.5 炉過水量とフアンネル粘度比の関係
21る
抄銀 西松建設技報VOLlO
左しており,比重,フアンネル粘度,濾過水量のうち,
溝壁の安定性に関連して,濾過水量の管理基準値を重視 している.本文の測定データは,比重,フアンネル精度 ともすべて基準値内であるが,さ慮過水量については,基 準値を超えるものがある.
Fig.7は比重とフアンネル粘度比を説明変数とする重 回帰式によって濾過水量の予測値を求め,実測値と対比
したものである.バラツキが大きく,予測値と実測値の 対応が悪い.比重とフアンネル粘度此によって濾過水量
を予測し,この値を品質管理にも用し、ることは無理があ る.むしろFig.6に示すように単純に,比重によって濾 過水量の限界値を管理したほうが良いと考えられる.
4.おわりに
低比重,低粘性を特徴とするポリマー系安定液は,使 用過程で,ある比重値を境にして濾過水量が急激に増加
し,品質が低下する.寿醐立分の溶け込みにより,ポリマ ー量が減少するためで,急激に品質の低下が生じるとこ
ろに品質管理上の問題点になると考えられる.
比重と砂分率の経時変化の追跡は,安定液内のポリマ ー量の変化の推測に重要なことである.比重の管理は,
濾過水量の管理にも通じるもので,ポリマー系安定液に
とって比重は特に重要な品質であると考えられる.
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