相模湾の水質汚濁に関する一考察
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(2) 中村栄子. 2. 】l用いた資料と取り上げた測定項目. 資料としては神奈川県水質調査年表及び公共用水域水質測定結果を用いた。これらに は県内すべての河川,湖沼,海域について,. pH,. CODをはじめ34-36項目の測定結果が. 報告されている。有機物汚濁に関連する測定項目としては4),海域ではCOD,仝窒素,坐. リンがあり,河川ではCOD,生物化学的酸素要求量(BOD),全室素,仝リンがある。本 検討では,海域,河川に共通するCOD及び仝窒素に注目し,この測定値について解析を 行なった。なお,仝リンは値が小さく解析には適さなかった。 =. 結果及び考察. 3-1相模湾内20の測定地点におけるCOD値(55-63年度) 報告書に記載されている測定地点を図1に示す。図中には相模湾内に淀入する河川も. 表1生活環境に係わる環境基準(海域) 基準値 n-ヘキサン. 類型. 芸霊屋冨 芸霊j(p*Hl;芸霊宝完溶%@.f量大腸 抽出物質. (油分等). 水産1級 A. 水浴,B,C欄. 7.8以上 8.3以下. 2ppm以下. のもの B. C. 水産2級 工業用水 C欄のもの. 7.8以上 8.3以下. 環境保全. 7.0以上 8.3以下. 3ppm以下 8ppm以下. 7.5ppm. 100MPN/. 検出されな. 以下. 100mE以下. いこと. 5ppm. 検出されな. 以上. いこと. 2ppm. 以上.
(3) 3. 相模湾の水質汚濁に関する一考察. 表2. 相模湾内の20測定地点の. 示した。いずれの地点も公害対策基本法に. COD値(55-63年度). 基づく類型Aの海域である。類型A,. 測定点. No.名称 1城ケ島沖. B,. の海域での生活環境に係わる環境基準値を. COD値 最小値. 最大値. 1 1. 1 5. 2. 城ケ島西. 0 9. 1 6. 3. 小網代湾. 0 9. 1 5. 4. ユ3. 1 9. 5. /ト和田湾 葉山沖. ー1. 1 5. 6. 由比ケ浜沖. 1 0. 1 7. 7. 七里が浜沖. 1 1. 2 0. 8. 江ノ島西. 2 2. 3 5. 9. 湾逗束. 1 0. 1 5. 10. 辻堂沖. 1 1. 2 2. 11茅ヶ崎沖. 1 1. 2 3. 12. 湾央. 0 9. 1 6. 13. 平家沖. 1 3. 2 0. 14. 大磯沖. 1 0. 1 9. 15. 湾央西. 0 9. ユ4. 16. 国府津沖. 0 8. ー3. 17. 0 8. 1 4. 18. /ト田原沖 根府川沖. 0 8. 1 4. 19. 真鶴沖. 0 9. 1 5. 20. 吉浜沖. 0 9. 1 5. 表1に示す5)。相模湾内20の測定値点にお ける55年度から63年度のCOD年平均値の. 最大値と最小値を表2に示す。汚濁の大き い地点として、. COD最小値が環境基準値を. 上回るNo.8地点(江ノ島西,北緯35度17分 54秒,東経139度28分33秒)を,比較の地点. として汚濁のみられないNo.12地点(湾央, 北緯35度14分36秒,東経139度22分36秒)を 選び,相模湾における有機物汚濁の解析を 行なった。. 3-2. COD値及び全窒素濃度の年変化(57. -63年度) 報告書では,海域の年平均値として,測 定を行なった上層,下層すべての測定値を 用いている。そこで,ここではNo.8,. 12地点について水深別(上層,下層)の年 平均値を算出し,. 57年度から63年度までの. 年平均値の変化を 求めた。. CODについての. 結果を図2に示す。金宝素濃度についての 結果を図3に示す。. なお,上層は表面から0.5mで,下層は測 定地点の水深により異なり,水深11mの. (水面から10m),水深470mのNo.12地点では水面から. No.8地点では海底から上1m 50mで採水した試料である。. 図2に見られるようにNo.8地点の上層のCOD値は57-63年度にわたって2.4mg/E 以上で,かなり大きな汚濁がみられる。ところが同じ地点での下層では意外にCOD値は 低く1.2-1.7mg/且程度で,. No.. 12地点の測定値と同程度である。又,上層のCOD値は61. -63年度に急激に上昇しているが,下層はこれに追従していない。このことから,上層 と下層は簡単に混合されず,上層の汚濁が同地点での下層と直接的に関連していないこ とが推察される。. 図3に見られるように全窒素に関してもCODの場合と同様な傾向がみられ,上層の汚 濁が下層に関連しないとの推定が裏ずけられている。 3-3. No.8地点の汚濁に及ぼす流入河川の影響. 59年度から63年度にかけてNo.. C. 8地点のCOD値,仝窒素濃度が最大値を示したのは63. 年度である。この年度におけるCOD値及び全窒素濃度の季節変動を検討し,その結果を. No..
(4) 中村栄子. 4. (L[6u)dO3 -. -. -. ●. -. 二. _ .._. ー. :. ■■. _ニ. _. _. ■. -. -. ■. _. ■■. ■. 環境基準値 D ′. ヽ. ′. ヽ. ′ ′ ′. ′. ■■ ■■ ■■. ___<ゝ--_. ′■. ○■ 1.0. 一′. ..A.. ヽ 、、. △′. ヽ、z>---一也---ll-一-. 59. 58. 57. 60. -ムー--A. 61. 62. 63. 年度. 昭和 図2. C. OD値の年変化. =No.. 8地点の上層. .HNo.12地点の上層. ○--・・ONo.. 8地点の下層. △-TANo.12ゝ地点の下層.
(5) 5. 相模湾の水質汚濁に関する一考察. 3. 2. 全窒素洩度 D{.. /. 【‖〓〓.=U. m. 58. 57. 59. 60. 61. 図3. 62. 63. 年度. 昭和 全窒素漉度の年変化 8地点の上層 土No.12地点の上層. 8地点の下層. ●丁●No・. ○-oNo・. ▲. △--「△No.12地点の下層.
(6) 中村栄子. 6. (L[6u)占03. 4. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 12. 1. 2. 昭和64年. 昭和63年 図4. 11. COD値の月変化(昭和63年度) = ムー. i-・・・. 土. ・・-=. No・8地点の上層. ○----C. No.12地点の上層 No. 8近傍地点の上層. △----△. No・8地点の下層 No.12地点の下層. 3. 月.
(7) 7. 相模湾の水質汚濁に関する一考察. 全窒素濃度 m. iZ!EH. 4. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 12. ll. 昭和63年 図5. 1. 2. 昭和64年. 全窒素濃度の月変化(昭和63年度) = H. No.. 8地点の上層. No.12地点の上層. o--o. No.. △--・△. No.12地点の下層. 8地点の下層. 3月.
(8) 中村栄子. 8. ○∼・労. 流人絵圭1bO. (. S. E2d. ー20. 4. 6. 5. 7. 8. 9. 昭和63年 図6. 境川からのC OC. OD. 10. 11. 12. 1. 昭和64年 0. D及び全窒素流人総量 ●全窒素. 2. 3.
(9) 9. 相模湾の水質汚濁に関する一考察. それぞれ図4,図5に示した. 図中には比較のため, No.12地点の測定値も記入し,さらに図4には他の機関により測 定された6)No.. 8地点の近傍の測定地点(北緯35度17分42秒,東経139度22分00秒)での. COD値も記入した。 9,. No.8地点の上層のCOD値,全窒素濃度は高く,特に4, た。. ll,. 3月に高値を示し. 9月は台風などによる増水があり,大量の-ドロの巻き上げ,持ち込みが行なわれ, 4,. 滞留して値が高くなったと考えられる。又, 全窒素濃度が高く,. ll,. 3月においては流入河川のCOD値,. No.8地点-の持ち込み量が増大すること,または冬期の生物活動の. 低下により,有機物の微生物-の取り込みが少なくなることなども考えられた。 図4の□印はNo.8地点近傍の測定地点の上層のCOD値であるが,. 6月を除けばこの. 地点の値はNo.12地点の値とほぼ同じである。このことから上層における有機物汚濁も No.8地点に局在すると考えられた。 No.8地点には境川,引地川が流入しており,前者では16地点,後者では8地点で水質. 調査が毎月実施されている。最も下流の測定地点である境川の境川橋,引地川の富士見 8地点への流. 橋での63年度の流量, COD催,全窒素濃度の測定値から,二河川によるNo・ 入有機物量を見積り, 1秒あたりのCOD線量,全窒素線量として表した。境川橋について の結果を図6に示した。. 図6に見られるようにCOD総量は6,. ll,. coD季節変動に類似している。又,全窒素総量は5, の差異はあるがその季節変動のパターンはNo.. 3月に高い値を示しており, No・8地点での 7, 10, 3月に高い値を示し,多少 8地点の全窒素濃度の場合に類似してい. ると考えられる。. 以上のことからNo.8地点の上層の汚濁はこの二河川からの有機物の流入によると考 えられ,この汚濁はかなり局在的で,その地点の下層-も影響していか、ことが推定さ れた。. 参考文献. 1)水質汚濁防止法(昭和45年) 2)神奈川県環境部水質保全課:神奈川県水質調査年表(昭和55, 60,. 61,. 62,. 4)並木. 61,. 62,. 博:. 58,. 56,. 57,. 58,. 10,. 2(1987). 63年度版) "新しい水質評価の視点と水質指標". :水質汚濁研究,. 5)公害防止対策基本法(昭和42年) 6. 57,. 59,. 63年度版). 3)神奈川県環境部水質保全課:公共用水域水質測定結果(昭和55, 60,. 56,. )神奈川県農政部水産試験場:海域水質調査結果(昭和63年度). 59,.
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